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日本原子力研究所 大洗研究所 核熱利用研究部 熱利用技術研究室「熱化学分解サイクルによる水素製造プロセスの研究」:桜井誠

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Academic year: 2021

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水素エネノレギーシステムVo1.22No.2 (1997)

研究室紹介

熱化学分解サイクルによる水素製造プロセスの研究

1 はじめに 日本原子力研究所は昭和

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6

月に設立された、 原子力分野の総合研究機関である。我々の所属する熱 利用技術研究室は、大洗研究所核熱利用研究部に属す る。核熱利用研究部は、高温ガス炉技術の確立のため、 間もなくの臨界を目指している高温工学試験研究炉 (IIT可百)の熱利用のための技術開発の研究を行ってい る。高温ガス炉からは、

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程度の高温の熱を 取り出せるため、その利用系も単なる発電以外にいく つか考えられ、当研究室で研究を続けている熱化学水 素製造サイクノレも、その有力な候補の一つであるo 2. 熱化学水素製造サイクル 繋

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じ学水素製造サイクルは、一次熱源を用いて複数 の化学反応を組み合わせ、原料の水以外は全て系内を 循環させ、直接熱分解よりずつと低い温度で と酸素とに分解することがでで、きる。以前は、各国で様々 なサイク/ルレが提案、研究されていたが、現在では、原 研の

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サイクノレ、東京大学の

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サイクルが主 なものとなっている。 0.502 1000 800 温 度 600 400

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200 日本原子力研究所大洗研究所核熱利用研究部 東 海 駐 在 熱 利 用 技 術 研 究 室 桜 井 誠 3. I Sサイクル 当研究室で研究を続けている、

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サイクノレは、米 国

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社で、研究が続けられていたサ イクノレと同じである。反応物質にヨウ素(1)と硫黄(8) を含むのでおサイク/レと呼んでいる。

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サイクノレ の構成を

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1

に示す。 ここに示したように、二種類の酸任丑と H280~ を 分解することで、それぞれ、水素と酸素とを発生させ、 残りの物質(12と

800

は、7J<と供に(1)のプンゼン反応 によって、二種類の酸に再生する。液相で生成した二 種類の酸仔宜,

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f土、ヨウ素が過剰の状態で

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丑 が ポリヨウ化水素酸仔也c)の形となり、液相において E日 x と

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相に分離する。したがってプロ セス内溶液は過剰のヨウ素を含むことになる。本サイ クルでは、 (3)の硫酸分解反応が高温〈吸熱反応であ り、この反応に高温ガス炉の核熱を利用することを想 定している。 Fig.2に本プロセスのフローソートを示 す。ここに示すように、このサイクノレは、反応は 3 段のみから構成されているが、 2種類の酸の分離や、 過剰のヨウ素を分離することが必要であるために、反 応器のみではなく、それぞれの酸の分解工程に精製塔

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の構成図

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74-水素;二工ネノレギーシステムVo1.22No.2 (1997) や蒸留塔等を含むことになる。 4 明究開発状j見 前述のように18サイクルは、単に反応器のみでは なく蒸留塔段どの分離装置を含んで、おり、閉ループイと するためにはそれぞれの操作条件を明確にすることが 必要‘であったため、これまでに当研究室では、 ISプ セスをプンゼン反応工程、硫酸分解工程、ヨウ化水 素酸分解工程に分けて、それぞれの工程について個々 の検討を行い、基礎データの取得などを布ニってきた。 そして、それらの実験結果にもとづいて、このfS-!l ~J Jレの連続的な進行を実証するための実験装置を組 ん?、閉ルーフ。で、の反応実験も行っており、

4

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時間にわたる関サイクノレ連続水素製造実験に成功 じている。また、このプロセスを実用段階に近づ(iする ためには、さらに、高い熱効率でのプロセスの運転を 目指さなければならず、そのために、 H1x蒸留塔で の所用熱最低減のために、電気透析法による H

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液の濃縮の可能性の検討、 E五分解反応の転化率向上 在日指した、高温水素分離膜開発の研究なども進めて 1 t"る。 18サイクノレは、高温下で強酸を含んだ系とヤ 〉非常に厳しい環境での操作が必要であ

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、このよう な環境で え 丸O この材料開発については、現在材料研究部と共閑 研究の形で研究を進めているO 与後は、スケールアップρ装置の設計、建設、 目指していくことになるが、そのためには、装置設計 のための工学的検討、プロセスの高効率化、 の開発などが当面の主な課題となる。工学的検討とじ ては、スケールアップ装置のフローシートを構築し、 熱収支を検言寸することにより、プロセス内で必要とす る熱をできるだけプロセス内で回収して再利用できる ような工夫を行い高効率化をめざし、また、プ臼セス の安定した関サイクル運転を可能にするための、計側、 制御法などの検討も進めていく。高効率化のためには 内部熱利用のみではなく、引き続き、電気透析法や水 素分離膜の開発等を進めていくとともに、生成した酸 の分離を良くするために、プンゼン反応を高ヨウ素濃 度下で行うことを目的として、反応温度を上昇させて 実験を行い、必要なデータを蓄積する。具体的に高効 率化としては、一次熱源.電力・電気分解・水素というプ ロセスの効率iこ競合しうる(上回る)効率を目指してい くことになるであろう。装置材料の開発については、。 今後も引き続いて材料研究部と共同で実装置材料開発 の研究を進めていく予定である。これらの研究結果を ふまえて、スケールアップをした水素製造装置を建設 し、そのフ。ロセス試験を行っていく予定である。 5.おわザに 以上、当研究室で、の熱化学水素製造プロセスの研究 内容、さらには将来の計画を簡単に紹介した。今後ク リーンなエネルギーシステムの開発は重要な課題であ か二次エネルギーとしての水素はますます注自され てい〈と考えられる。このような、時代のニ}ズに応 えるべく、当研究室では、さらに研究開発を進め、タ リーンな水素製造法の確立を目指していきたいc 9 4 " n Fi

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