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簾 畿 桐躰 饗 蜜 諜 題 一詐 」 鷲 麩 鯵 嫉 辞 罎 遡 鞠 騨 慰 棚

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(1)

史 料 紹 介

三 井 越 後 屋 上 之 店 の 目 録 (会 計 報 告 書 )

ー ー 宝 永 七 年 下 期 ︑ 寛 保 三 年 上 期 ︑ 文 政 元 年 下 期 ー

173

西 川 登

み 之 麟 L は 三 井 越 後 屋 の ﹁ 藤 . 馨 ﹂ を 構 成 し 藷 店 の 中 の ; で ・ 財 団 法 人 一二 斐 庫 ( 東 京 都 中 野 区 上 高 田 に 所 在 ) に 所 簾 畿 桐躰 饗 蜜 諜 題 一詐 ﹂ 鷲 麩 鯵 嫉 辞 罎 遡 鞠 騨 慰 棚

の 昴 籍 藩 咽 迄 黒 L ( 本 二 〇 二 六 ‑ 一 九 ) ︑ { 三 年 の ﹁ 正 徳 三 径 七 碧 極 月 皆 録 ﹂ (本 じ ど 二 七 四 三 年 の ﹁ 寛 保 三 癸 亥 歳 従 ﹁正 月 ・七 月 迄 目 録 ﹂ (続 @ ︑ 同 じ ‑ ﹁ 寛 保 三 癸 亥 歳 従 七 月 脅 迄 目 録 ﹂ (続 弩 が 断 片 的 に 現

存 し ﹃ 込 八 年 上 期 の ﹁ 文 政 元 戊 寅 歳 従 正 月 七 月 迄 上 之 盲 録 ﹂ (続 一. ︑四 〇 五 ) か ら は ︑ 天 主 年 上 期 の ﹁ 明

治四辛未年従正月至七月勘定目録﹂(続四八一七)まで︑ほとんど欠けることなく揃っている・なお・各百録Lの

決讐は七月+四日と極月(+二月)糟であり︑閏月がなければ︑上期の会計期間が六・五ヶ月・下禦五.

}しの史料紹介では副題に示したよ・つに︑一七δ年(宝水七麟.寅年)下期︑一七四三年(寛保三癸亥年)上期・

(2)

商 経 論 叢 第30巻 第1号 174

および天天年(文政元戊寅年)下期の﹁上之店﹂の百録Lの全文を翻刻する︒史料を掲げる前に︑﹁上之店﹂

の性格や﹁目録﹂に記載された財務諸表の計算構造などについて︑解説を記しておきたい︒

さて・江戸時代の三井家は呉服業と金融業とを主たる事業としていた︒一七一〇年に全事業と家政の統制機

関である飛楚Lが創設された際に︑京都・江戸夫坂(大阪)に所在する呉服関係の諸店が︑景本庫(店

名前・越後屋八郎右衛門)を統轄店とするグ牛プにまとめられ(拙著﹃三井家勘定管見﹄ロO㊤ω]一〇六︑一〇七頁)︑}︑のグ牛プが禾店

一巻Lと呼ばれた・この一巻(一巻は集団の意)の護店の;であ.た﹁上之店﹂は︑京都の寺之内通新猪熊東町北

側に店攣構え・撰屋差禽の店名並剛で︑主として西陣物の騨付を行な.た(三井文庫編﹃一..井事業史資料篇一﹂ロリ記]七六六頁).

﹁上之庫は仕入れた商品のほとんどを﹁山・朱庫に販売した︒たとえば︑一七5年下期では銀九〇〇塁九

九匁九分の総売上高のうち八一六貫七七五匁九分を(91%)︑一七四三年下期では一二三四貫五一匁六分のうち

三〇〇貫五匁九分を(97%)︑天天年下期では四五四量八六匁五分の・つち四二三貫五六匁を(93%)︑

景本店﹂に売った(後掲の表111︑表212︑表3参照)︒なお︑同じ期の景本庫の総仕入高はそれぞれ︑四三二︑頁三四

匁 二 盆 艮 蘇 簾 魂 鋸 璽 )︑ 六 九 九 九 貫 七 ・ ・ 匁 五 甚 賑 二緩 暗 殖 講 胡 )︑ お よ び 三 八 七 九 貫

五三二匁三分四厘(前掲拙著︑一.四六頁)であ.た︒つまり︑﹁京本店﹂の仕入高の・つちで﹁上之庫か.りのものは五分の

藪下であった・ちなみに︑景本店﹂の同じ期の総売上高はそれぞれ︑互ハ八四貫五七八匁余︑九七七四貫九

八 二 匁 余 ・ お よ び 四 六 δ 貫 二 壬 一蘂 で あ っ た ・ ま た ︑ 景 本 店 L と ヱ 之 店 L と を 墜 (臨 醗 朗 擁 畝 羨

灘 賎 轡 レ ) ﹁ 本 店 巻 ﹂ 四 店 の 売 上  暮 計 は ︑ 天 四 三 年 か .b 天 四 八 年 ま で の 六 簡 ( 三 期 ) の 平 均 歪

会 計 期 間 当 た り 万 三 五 八 貫 八 五 七 匁 で あ り ︑ 天 一 葦 か り 天 二 〇 年 ま で の 平 均 で は 八 二 六 套 一責 三 二

四匁であった(賀川隆行﹃近世三井経営史の研究﹂ロ㊤︒︒凹二九〇頁の第3‑10表より西川が計算)︒よ・つするに︑﹁上之店﹂は﹁本店巻﹂の中では比較的小

(3)

二三井越 後 屋 ヒ之 店 の 目録(会 計 報 告 書) 175

規模な組織であった︒したがって︑﹁目録﹂の記載分量は他の店に比べて少なく︑それだけに財務諸表全体の構

造が見易いのではないかと思う︒また︑他店では基本財務諸表を載せた﹁目録﹂の他に︑いくつかの付属明細

書類がそれぞれ別冊になっているが︑﹁上之店﹂では基本財務諸表と諸付属明細書類とが一冊の﹁目録﹂の中に

収められている︒

と▼︑ろで︑A.日の簿記論.会鮎子では貸借対照表と損益計纂.との︑.つの財嚢藁本財務襲(諸は複数の意)とみるのが通説的である︒歴史的にもそれが主流であったようで︑三井の天.兀方﹂や﹁両替店一巻﹂各店の莇

定目録﹂あるいは﹁目録﹂でもそうであった︒しかし︑今日︑貸借対照表と損益計算書とに資金計算書を加え

翫轟 擁 讐 鷲 銭 蟻 鷺 纏 磯 噸 麟 ・簗 鞭 縷

は商品売買価額報告書とでも呼びうる財務表を加えて︑基本財務諸表が四本化されていた・とみることができ

(晶則 拙LL︑六)L

を追って解説していこう︒

﹁ 上 之 店 ﹂ の モ δ 年 (謙 靴 ) 下 期 の 百 録 L ( 護 騰 刻 ) の ・つ ち の 禁 財 務 襲 の 部 分 を ・ 勘 定 式 (T

フ . ー ム ) に ま と め た も の が ︽ 季 i ︾ で あ る ︒ ま た ︑ そ の 翌 期 の 一 七 = 年 (縦 讐 上 期 の も の が ︽ 表

 

1‑2︾である︒

それぞれの財務諸表を︑報告式ではなく︑勘定式にまとめたのは︑算用数字を使って貨幣額(銀額)数値を見

(4)

商 経 論 叢 第30巻 第1号 176

易くするのと・各項目およびその銀額の対応関係を見易くするという理由によるもので︑それ以外の点では原

史料になるべく忠実に作表した︒

この時期の﹁上之店﹂の﹁目録﹂は︑先に述べたような財務諸表が四本化されたものにはなっていない︒こ

れは︑﹁上之店﹂が︑絹製品を仕入れて﹁京本店﹂に渡す主要業務の他に︑質屋を兼営していて︑この時期の会

計組織上では内部が﹁勘則禦﹂部門と﹁質方﹂部門との二つに分かれていたためである︒まずは︽表‑11︾

を使って︑基本財務諸表の構造を説明していきたい︒

冒物禦Lと﹁買物探.簾﹂との両者で賢物方L部門の売買価額報告書とな.ていて︑その計算原理は西洋

式複式簿記の簿記論テキストで説明される混合商品勘定と同じである︒すなわち︑﹁買物請方﹂に期首商品棚卸

高(この期では︑四拾弐貫ヒ百五拾七匁)と当期商品仕入高(千細慣簾)とを記し︑﹁買物払方﹂に当期空古同(讐⑤)と期末商

難 難 頒 ) を 差 し 引 い 品 棚 卸 高 ( 百 六 拾 九 貫 四 百 五 拾 六 匁 七 分 ) と を 記 し ︑ 後 者 の 合 計 璽 千 鹸 解 麺 か り 地剛 者 の A ︒ 計 額 (

て ・ 売 上 総 利 益 す な わ ち 商 品 販 買 糞 弐 鹸 腰 雛 を 算 出 す る ︒ ﹁ 本 獲 ﹂ ( 八 百 拾 六 貫 七 百 七 拾 五 匁 九 分 ) と あ る の は ﹁ 山果 店 ﹂

への販売額︒﹁御用所﹂は幕布御用達の呉服物を扱った三井内部の組織で︑この時期は﹁大元方﹂に直属してい

た・﹁綿店﹂も﹁大元方﹂直属の店(後に州京本店﹂の傘ドに入る)︒﹁元店﹂は︑三井の別家の天であ.た中西宗助に分与された

店である︒

﹁金銀請方﹂・﹁金銀払方﹂が一買物方﹂部門の資金計算書となっている︒現金期首残高(前期繰越額)と﹁京

本店﹂からの遍上かりL響残高とが︑?印を付した冒物払高L(千四拾六貫百七拾四匁七分)の中に吸収されてしま.て

いるので・表の上には現れない︒﹁有銀﹂(六貫六百三拾九匁五分)は﹁買物方﹂部門の期末現金残高︒遍上かりL

(鵜 盤 塞 は ・ 景 本 店 L に 対 す る 華 霧 (獲 撚 建 謬 店 L) の 期 末 残 古同 (饗 灘 謹

(5)

177三 井 越 後 屋E之 店 の 目録(会 計 報 告 書)

<表1‑1>上 之 店 目録 1710年(宝 永7寅)下 期

買物請方 買物払方

rM占 残 り物 高

?新 買 高 内 訳 省 略 〕 {2 ア 指 引 〆 〔内訳 省 略 〕

42.77.

1,004.259.2 幽1合i

,047.016.2)

22,560.4

【1,069.576.6】

① 本店 渡

② 御 用 所 渡

③ 元 店 渡

④ 綿 店 渡

⑤ 方 々売

C/0有 物 高 〔内 訳省 略〕

816.775.9 3.731.6 34.500.8

4.OQQ.3 10.111.3 169.456.7 6口 合1,069.576.6

金銀請方 金銀払方

本 店 よ り

御 用 所

元 店 よ り

綿 店 よ り

方 々 よ り

C;/C)本 店 よ り過f一か り (〆

指 引 〆 テ

816.775.9 3.731.6 34.500.8

4.000.3 1Q.111.3 175.254.75 1,075.374.6) 7.354.8 (1,82.729.4]

?買 物 払 高

A質 方 へ 渡,買 物 方 利 C/0有 銀

1,04fi.174.7 29.915.2

6.fi39.5

〆1,082.729.4

質方目録 払方

V定 建 元 手銀 A買 物 方 利

差 引 〆 テ

(〆

30.000.

29.95.2 59.915.2}

【64.150.62】

質 物 か し有 店 惣 小 遣 庄 蔵渡 ス 本 店 へ か し 本 店利 足 済

方 々 か し 〔内訳 省略 〕 有銀

48.092、55 4.308、3 2.500.

4.155.93 .67.31 4.058.05 .168,48

64.150.62

利 寄 セ 工 本店 利 済

オ 店 惣 小 遣 力 庄 蔵 渡 VI引 残 テ

1質 物 か し有

II方 々 か し 本 店 へ か し

IV有

本有物

.Sfi7.31 4.308.3 2.50Q, X1126.475.Q1

48,092.55 4,058.05 4,155.93 168.48

v w

56,475.01

買物方利 金払方出目 質方利

22.560.4 7.354.8 4.235.42

34.15Q.62

30.000.

26.475.01

[56.475.41]

(6)

商 経 論 叢 第30巻 第1号 178

本有物

i

IHW

質 物 か し有 方 々 か し 本 店 へ か し 有 銀

21.570.8 2.004.9 16.955.53

.935.12

so.oaa.

11.466.35

[41.466.35]

<表1‑1>の 注)

?1,047。Ol6.2‑1,046.174.7コ.841.5

C/0175.254.75‑一(169.456.7十6.639.5)=O.841.45

ア イA22.560.4十7.354.8‑29.915.2

(出 所)「 寅 ノ 七 月 右 極 月 迄 目 録 ヒ 之 店 』(本2026‑6)。

<表1‑2>の 注)

?667.550.2‑667.138.3‑.411.9

C/067.571.05‑(fi7.379.5十.603.4)=(一).411.85

ア イA12.175.5十3.729.6‑15.905.1

(出 所)『 ノIE月 右 七 月 迄 日 録 ヒ之 店 』(本2026‑‑18)。

凡 例(後 掲 の 表2‑1,表2‑2,表3で も同 じ)

1.貨 幣 額 は 銀 の値 で,例 え ば,銀12貫3匁4分5厘 な ら,12.003.45と 記 した 。 原 史 料 に は ご く た ま に 金 の 値 で 示 さ れ て い る 項 目 も あ るが,作 表 に あ た っ て は 原 史 料 に示 さ れ た金 銀 為 替 相 場 で銀 に 換 算 し た。

2.【 】 で 囲 ん だ銀 額 数 値 は,原 史 料 に は記 さ れ て い な い が,T"勘 定 の 形 式 を 整 え る た め に 補 っ た もの で あ る。()で 囲 ん だ 数 値 等 は,逆 に,原 史 料 に は記 載 さ れ て い る 小 計 な ど で あ るが,イ タ リ ア式 のT字 定 で は 普 通 は 記 録 さ れ な い も の で あ る。

3.ア イ ウ な どの 片 仮 名 は 「利(之)寄(セ)」(損 益 計 算 書)と の 対 応 を,Inな ど の ロ ー マ 数 字 は 「本 有 物 」(貸 借 対 照 表)と の 対 応 を,① ② な ど の 丸 付 数 字 は そ れ 以 外 の 財 務 表 相 翫悶 の 対 応 を 示 し,B/0を 付 し た も の は 前 期 繰 越 額 を 示 す 。 な お,表1‑1,表 レ2でC/0を 付 した も の は,対 応 す る 項 目 ・銀 額 が 貸 借 対 照 表 に 記 録 さ れ て い な い 場 合 の次 期 繰 越 額 を 示 す 。

(7)

179三 井越 後 屋 ヒ之 店 の 目録(会 計 報 告 書)

<衷1‑2>上 之店 目録 1711年(正 徳1卯)上 期

買物請方 買物払方

B/0占 残 り物 高

?新 買 高 〔内 訳 省 略 〕 (2口 合 ア 指 引 〆 〔内 訳 省略 〕

lfig。456.7 49$.493.5 ss7.sso.z)

[679.725.7]

① 本 店 渡

② 御 用 所

③ 元 店 渡

④ 綿 店 渡

⑤ 方 々売

C/0有 物 高 〔内訳 省 略〕

563.788.5 8.171.4 28.382.2 4.969.2 7.114.9 67.379.5 61]合679.725.7

金銀請方 金銀払方

〆出り(か

綿0α レ嗣手

質方目録

563.708.5 .171.

28.382.2 4.969.2 7.11.9 67.571.05 fi79.917.25)

3.729.6 (683.fi4fi.85]

?買 物 払 高 A質 方 渡 C/0有 銀

667.138.3 15.905.1

.603.4

払方

〆683,646.8

V定 建 A買 物 方利

ウ 指 引 〆

(〆

sa.aaa.

i5.9Q5.

45.905.1)

【49.079.74】

質 物 本 店 へか し 本 店 利 足 済 方 々 か し 店 惣 小 遣 庄 蔵 渡 ス 有 銀

21.E?0.8 16.95.53

.425.39 2.QQ4.9

..

z.7zo.

.935.12

〆49.079.74

本 店 金 銀 指 引 B/0寅 ノ 極 月 指 引 〆 か し.155.93

か し39.700.

[43.855.93]

B/0寅7‑12月 延 銀 か り26,475.01

〔エ 〕 か り 利 足 指 引 〆.425.39

〔皿 〕 元 不1持旨引 〆 か し16.955.53

[43.855.93]

利之寄

工 本店 利 足 済 オ 店惣 小 遣 力 庄蔵 渡 ス

VI指 引 残 テ

.425.39

・.

z.7zo.

11.466.35

[19.079.74]

買物方利 買物金払出 質方利

12.175.5 3.729.6 3.174.64

19.079.7

(8)

商 経 論 叢 第30巻 第1号 iga

譲 龍 難 瓠 る )︒ 屠 引 〆 テ 出 ﹂ (批 騨 纏 と あ る の は ︑ 金 融 関 係 か ら 生 じ た 利 益 で あ る (糠 囎 犠

嵯 鎌 警 舗 澱 )︒

﹁買物方﹂部門の財務諸表は︑右記の売買価額報告講および資金計算書の二つだけで︑損益計算書および貸借

対照表はない︒もし︑貸借対照表を作るとすると︑﹁有物高﹂(期末商品棚卸高)および﹁有銀﹂(期末現金残高)の

合計額一七六貫九六匁.一分は︑﹁過上かり﹂期末残高と八四一匁四分五厘だけ食い違う︒この差額は︑﹁買物請

方 ﹂ の 三 ・ 合 L 計 額 ( 千 四 拾 七 貫 拾 六 匁 弐 分 ) と ﹁ 金 銀 払 方 ﹂ の ﹁ 買 物 払 高 ﹂ ( 晶 黙 慣 頒 ) と の 差 額 の 八 四 一 匁 五 分 に

(五厘の端数を四捨五入すれば)一致するが︑何故このような差額が出るのかよくわからない︒もしかしたら︑﹁上之店﹂の会計

担当者も差額の原因を突き止あられなかったために︑﹁買物方﹂部門の損益計算書と貸借対照を作成しなかった

のかも知れない︒

さて︑﹁質方﹂部門に目を転じてみると︑﹁質方目録﹂・﹁払方﹂が資金計算書となっている︒﹁定建元手銀﹂

の三拾浮は景都本店Lから﹁上之店﹂への定額の出資である︒﹁買物方利﹂(弐拾九〆九百拾五匁弐分)は︑費物方L部

門での商品販買益(弐拾弐貫五百六拾目四分)と金融利益(舘処緬価)との合計が﹁質方﹂部門に振り替えられたものであ

る︒唇物かし直(四拾八貫九拾二匁五分五厘)は質貸し債権の期末残高︒﹁店惣小遣﹂は︑住込奉公人の食料代(郭猷)や薪

炭代︑給銀などを含む︑店の諸経費で︑当期の現金支出額ではない︒未費消部分を次期に繰り越した分

(その部分は﹁方々かし﹂の中に含まれる)を差し引いた残額︑すなわち当期の費消部分の計算額が四〆(貫三百八匁三分である︒な

お︑その内訳を示した明細書が﹁小遣之仕分け﹂および﹁名々遣﹂として︑﹁目録﹂の後半に記載されている

(後 掲 の 翻 刻 を 参 照 ) ︒ 屋 蔵 婆 L の 弐 貫 吾 貿 匁 ) は ヱ 之 店 L の 支 配 人 由 宮 庄 璽 磁 躯 難 ) へ の 給 与 ・ 賞 与 で あ

る︒﹁本店へかし﹂(四貫百五拾五匁九分.厘)は景本店Lに対する債権であるが︑﹁買物方﹂部門の債務の遍上かりLと

(9)

三 井越 後 屋h之 店 の 目録(会 計 報 告 書) 181

は相殺されていないにもかかわらず︑﹁本店利足済﹂すなわち景本店Lへの支払利息(八百六拾七匁三分一厘)が﹁質方﹂部

門に記録されている︒﹁方々かし﹂(姻煩瑚賭)には︑取引相手の織屋や﹁上之店﹂の手代への前貸しの他に︑右述

の米︑薪炭などの期末残高である示遣方有物Lが含まれる︒宥銀L(百六拾八匁四分八厘)は︑﹁質方﹂部門の現金期末

残高で︑費物方﹂部門の青銀Lとは別扱いになっている︒﹁質方目録﹂合計額(五拾九〆九百拾五匁弐分)を﹁払方﹂合計

額(六拾四貫百五拾匁六分.一厘)から差し引いた残額(媚賦頒︑廟)が費方L部門の純利益である︒も・とも︑こ}︑では﹁上

之店﹂全体の諸経費を﹁質方﹂部門のみで負担した計算となっている︒

﹁利寄セ﹂・﹁内﹂が損益計算書で︑﹁本有物﹂・﹁内﹂が貸借対照表を構成している︒つまり︑﹁質方﹂部門

の財務諸表は資金計算書と損益計算書と貸借対照表とに三本化されている︑とみることができる︒ただし︑損

益計算書は︑本支店合併計算のように︑﹁買物方﹂部門と﹁質方﹂部門との合併計算が行なわれている︒なお︑

﹁質方目録﹂の﹁買物方利﹂(二拾九〆九百拾五匁二分)は﹁買物方﹂部門の利益の合計額であるのに対し︑莉寄セLの費

物方利L(弐拾弐貫五百六拾目四分)は売上総利益のみであることに注意されたい︒

︽表112︾に示した一七一一年上期の﹁目録﹂でも︑その翌期のものでも︑基本財務諸表の構造に変化は

ない︒︽表1⁝2︾には︽表1‑1︾にはなかった﹁本店金銀指引﹂が付加されているが︑これなしに複記

(二重分類)の体系が完結するので︑簿記構造的にみれば﹁本店金銀指引﹂は基本財務諸表ではない︒また︑内容

的にも︑これは︑﹁京本店﹂との間の貸借の全部ではなく︑一部分しか示していないので︑付属表とみた方がよ

いだろう︒

以ヒのように︑この時期の﹁上之店﹂の﹁目録﹂は﹁買物方﹂の財務諸表二本と﹁質方﹂の財務諸表三本と

で基本的に構成されていた︑とみることができよう︒この簿記計算構造をもう少しはっきりさせるために︑

(10)

商 経 論 叢 第30巻 第1号 182

<表1‑2‑b>上 之 店 「質 方 」 の 諸 勘 定 の 復 元1711年 上 期

質 物 か し 有 金 銀(現 金)

6.062.95 6.Ofi2.95

 

30.000 B/0

30.aao  

V 店本

26.475.01 .425.39 16.955.53 43.855.93  

勘︒ ⑨ ∠

買 物 方

胆臼

12,175.5 3,729.6

A 15.90

15.90 15,905.1

30.000.

11.46.35

41.4fi6.35  

IHW

119

エオカW ︽表1‑2︾から↓七一

一年上期の﹁上之店﹂の

﹁買物方﹂部門および﹁質

方﹂部門の諸勘定を﹁復原﹂

することを試みたものが︑

︽表112‑a︾と︽表

‑ー2‑b︾である(㏄

では︑勘定とは︑日常取引を記録したり︑決算にあたって増減を

集計したりするために帳簿の中に設けられたものを意味する︒

また︑財務(諸)表とは︑帳簿から独立に作成された報告書の

齪 嚇 爺 の ) ︒ た だ ︑ 実 際 の

﹁上之店﹂の帳簿の中に損

益勘定や残高勘定が作られ

たかどうかはわからない︒

む し ろ ︑ 店 卸 下 書 ( 酷 栄 駈顕 領 礪 論 藩 灘 ) の

ような精算表を︑日常取引

を記録・集計した帳簿とは

(11)

183三 井越 後 屋 ヒ之 店 の 目録(会 計 報 告 書)

<表1‑2‑a》 上 之 店 「買 物 方 」 の 諸 勘 定 の 復 元1711年 上 期

B/0 0 0

③ Q O b い d

有 金銀(現 金) 6.639.5

563.708.5 8.171.4 2$.382.2 4.969.2 7.114.9 fi7.571.D5

3.729.6 .411.85 690.698.2

?'

a C w

ss7 15.

6, 138.3 905.1 209,95 .84.45 .603.4

690.698.2 有 物(商 品)

&1.24.U780017

&&47.ρ09U5

579.725.7 B/0169.456.7

?498,093.5 あ12.17.5

679.725.7

本 店 過 ヒか り

計算差額

.841.45 .411.85

'i d

.841.45 .411.85

1,253.3 1,253.3

 

cX

B/0

? b

175.254.

498.093.

67.571 75 5 ,05 74D.919.3

?' a

667.138.3 6.2Q9.95 67.571.05 74a.s19.3

残 高

V皿67.

67.

.379.5 .503.4 .9sz.9

x

67,571.05 .411.85 67.982.9 12.175.5

3.729.6 15.905.1

損 益

器1聴

∴ A ∠

15.9Q5.1

質 方

A'15.905.1「

別に作成して︑決算が行なわ

れた可能性も大いに考えられ

る︒︽表1121a︾および

︽表1‑2‑b︾の一々の解

説は付さないが︑お暇な方は

電卓か算盤片手に御確認あり

たい︒なお︑債権・債務などの

期中の増減は﹁目録﹂からは知

りえないので︑期首残高を一

たん期巾に全額決済し︑期末

残高を改めて貸借し直したよ

うにして表を作成した︒

﹁上之店﹂の一七四三年

(寛保一︑↓癸亥年)上期の百録L(鹸

 幽魁て)の基本財務諸表の部分

をTフォームにまとめたもの

(12)

商 経 論 叢 第30巻 第1号184

<表2‑2>上 之 店 目録 1743年(寛 保3亥)下

① 新 買 B/0占 残 物

ア 差 引 テ

買物請方

〔内 訳 省 略 〕 出 目

② 本店代物渡高

③ 方々売 本店過 卜

指 引 シ テ

金銀請方

(3口

金払出

1,107.447.6

678.696.4 1,786.144.

44.741.

【1,830,885.5】

1,200.015.9 34.035.7 587。980。

1,822.031.7)

買物払方

本 店 渡 〔内 訳 省 略) 方 々売

有 代 物 〔内 訳 省 略 〕

1,200.015.9 34.035.7 596.833.9

1,83Q.885.5

金銀払方 (買物 払)

① 内 新 買 B/0占 残 物

n払 方 有 銀 皿 織 屋 貸 II賄 方 有 銀

IV同 所 有 物 〔内訳 省 略 〕 ウ 店 雑 用 手代 罫供 小

遣 ド男 給 銀 共 ウ 繕 普 請 入 用 V方 々貸

(1,786.144.) 1,107.447.E 678.696.4 14.005.8 11.86fi.5

.838.7 2.756.8

1fi.443.4 3.122.9

1.819.8

X1,838.997.9] 8[]〆1,836,997.9

利寄 ウ 店雑用井

繕普請入用共

W指 引 シ テ

InWV

正利

19.566.3 40.141.4

}  一 一 下ア 轟

蕗〕

イ 金 払徳

【59.707,7】

本有物

44.741.5 14.9fi6.2

2日 〆 59.707.7

有代物 払方賄方有銀 織屋貸 賄方有物 方々貸

596.833.9 14.844.5 11.866.5 2.756.$

.819.8 628.121.

本 店 過L 延 銀

587,980.

40.141.

[628.121.5]

(注)皿14.$44.5=14.005.8+.838.7ウ19.566.3‑16.443.4十3.122.9

(出 所)r寛 保三 弩 歳 従七 胴 目録f=之 店 』(続3391).

(13)

185三 井 越 後 屋L之 店 の 目録(会 計 報 告 書)

<表2‑1》 上 之 店 目 録 1743年(寛 保3亥)上 期

買物請方 買物払方

① 新 買 B/0占 残 物

差 引 テ

〔内訳 省 略 〕(〆 出 目

金銀請方

1,578.380.2 490,725.2 2,069.105.4) 52.899.7

[2,122.005.1]

本 店 渡 〔内 訳省 略〕

方 々売

店 颪 有 代 物 〔内 訳 省 略 〕

1,387.91U.6 55.398.1 678.696.4

3口 合2,122.OO5」

金銀払方

② 本店代物渡高

③ 方々売 本店過 ヒ

指 引 〆

(3口

金払徳

1,387.910.6 55.398.1 662.974.3 2,106.283.)

(買物 払)

① 内 新 買 払 B/0占 残 物 払 II払 方 有 銀 皿 織屋 か し

H賄 方有 銀

V賄 方有 物 〔内訳 省 略 〕 ウ 店 雑 用 手代 子供

小 遣 ド男給銀 1w方h貸

1

[2,126.538.],ウ 普 請 方

(2,069.105.4) 1,57$.380.2 490.725.2

10.557.6 8.964。7

1.503.3 2.22.

20.947.3 1.803.

10.834.1

8口 〆2,126.538.マ

利寄 ウ 店雑 用 井 普請 共

V腫 指 引 テ 正利

31.782.

41.372.7

買 物 利 〔内 訳 省 略〕

金 払 徳

5L.899.7 20.255.

[73.154.7] 2口 合 73.154.7

本有物

IUWV

有代 物 払 方 賄 方 有銀 織 屋 か し 方 々か し 賄 方有 物

P'

678,696.4 VI 12.06D.9

8,964.7 1,803.

2,822.

7p4,347.

本 店 過 卜 1‑‑7月 延 銀

662.974.3 41.372.7

【704。347.】

(注)II12.060.9=10.557,6十1、503.3

ウ3L782.一(20.947.3+10.834.1)一 θ.6‑2,125.5:3$.‑Z,126、537.4‑(金 銀 払 方 合 計 の 誤 差) (出 所)r寛 保 三 癸 亥 歳 従 正 肚 目 録1・ 之 店 』 ㈱384)・

(14)

186 商 経 論 叢 第30巻 第1号

をTフォームにまとめたものが︑︽表2‑1︾である︒また︑同年下期のものが︽表22︾である︒﹁上

之店﹂が織屋に対して行なった質物貸しは︑享保袈半(一七一..○年頃)まで行なわれてい奈(謂鰯璽.︑)︑この

時期には﹁質方がなくなっているので︑胴目録﹂の構造がすっきりしたものになっている︒すなわち︑店全体が

;の会計実体とな.ていて︑売買価額墾︒煮.(買物請方買物払方)︑資金計算書(鑛鯖肋)︑損益計算書(咽寄)︑および

貸借対照表(麟有物)の四つが基本財務諸表になっている︒

﹁買物払方﹂に示されている販売先が︑かつての五つから二つに減っているのは︑一七一八年に噛御用所﹂が

﹁本店﹂に吸収され(一.一井文庫編﹃.︑﹂井事業史﹄本篇第一巻覆Φ︒︒O﹂一=.︑頁)︑モニ九年に﹁綿店﹂が禾蛋巻L雫に入った(洞橘ガ頁)た

めで︑﹁京本店﹂の統轄機能の強化を反映しているといえよう︒期末商品棚卸高(厭灘,有代物)が︑︽表1‑1︑

12︾の↓ヒ一〇︑=年のものとは異なって︑貸借対照表上にも示されるようになっている︒

﹁金銀請方﹂にある﹁本店過上(かり)﹂は︑一七一〇︑=年のものとは異なっていて︑コ兄本店﹂との貸借

を︑貸借対照表に示されている当期純利益(延銀)を除いて︑総て相殺した後の残額で表示している

(当期の﹁延銀﹂も翌期の計算では﹁本店過上﹂の中に合算されてしまう)︒つまり︑禾店過上﹂は(縞繍塗含の支店会計における本店勘定と

同じ機能を果たしている︒これも︑﹁京本店﹂の統轄機能の強化を物語っているといえよう︒﹁金銀払方﹂に﹁占

残物払﹂として︑﹁買物請方﹂に記された期首商品棚卸高(占残物)と全く同額が︑前期繰越額として計上されて

いるのは︑一見しただけではわかりにくいかも知れない︒これは︑前期末の貸借対照表に示された各項目残高

を︑期首商品棚卸高を除き︑全部相殺して残った額のみを︑前期繰越額として一括表示しているのである︒こ

の点では︑資金計算書(金銀請方金銀払方)の両側に各種項目の前期繰越額をバラバラに表示している﹁江戸本店﹂や

﹁江戸芝・店﹂︑天坂本店Lなどの百録L(揃端酵い︑語記五)の方が︑わかり易いし︑情報価値も高いよう

(15)

三井越 後 屋 ヒ之 店 の 目録(会 計 報 告 書) 187

に思う︒﹁上之店﹂では資計算書を︑売買価額報告書と損益計算書と貸借対照表とには計上し得ない独自的な情

報が乏しいものにしている理由は︑よくわからない︒まさか︑複記の体系を整えるという形式的理由だけでは

ないだろう︒もしかしたら︑内訳書きを各財務表に分散させて︑それぞれの財務表を見易くするための配慮

だったのかも知れない︒それにしても︑期首商品棚卸高以外の期首在高を相殺するのが何故かわからない︒

それはさておき︑﹁金銀払方﹂の中に刊払方有銀﹂と﹁賄方有銀﹂とあるのは︑現金を﹁払方﹂(営業)部門と

﹁賄方﹂(総務)部門とで別々に管理していたためである︒﹁目録﹂後半の明細茜に現金の内訳が表示されている︒

前掲︽表1‑1︑2︾の一七一〇︑=年には﹁金銀払方﹂に門方々かし﹂として一緒に表示されていたも

のが・この一七四三年のものでは藏屋かしL︑万々かしL︑および﹁賄方有物﹂(米薪炭などの在庫)に分けて示されて

いる︒﹁賄方有物﹂の内訳書は資金計算書の本体(金銀払方)に記されているが︑﹁織屋かし﹂および﹁方々かし﹂

は︑﹁目録﹂後半にそれぞれ明細書が設けられている︒なお︑﹁方々かし﹂が明細書では門賄方貸預﹂となっ

ている︒﹁金銀払方﹂の中の﹁店鵜彫手代・子供小遣下男給銀﹂は︑一七一〇︑=年には﹁店惣小遣﹂とハゾ表示されていた︑店の諸経費であり︑﹁普請方﹂(ド期のものでは﹁繕普講入用﹂)は建物の修婁用である︒両者ともに明細書が

作られているが︑前者の明細書は︑見出しが﹁小遣仕分﹂となっている︒一七一〇︑=年には店の責任者.

田宮庄蔵への給与償与が﹁上乏店﹂白身の費用となっていたが︑この一七四三年のものにはそれに相当するも

の が な い ︒ こ れ は ︑ 責 任 者 の 田 宮 弥 七 (匙 蜘 六 ) の ﹁ 役 料 ﹂ ( 購 儲 へ ) が ︑ 天 .兀 方 L か ・り 支 払 わ れ て い る た あ で あ

る ( [醗 脇 鰭 倦 搬 )︒

損 益 計 算 書 (利 寄 内 ) お よ び 貸 借 対 照 表 (謄 物 ) に 示 さ れ て い る 諸 項 目 は ︑ 損 益 計 纂 . と 貸 借 対 照 表 で 対 応 し

て い る 当 期 純 墓 延 塑 と ) を 除 け ば ︑ 総 て 売 買 価 額 馨 棄 鵬 甥 か 資 金 計 算 貰 鑛 甥 ) の い ず れ か に

(16)

商 経 論 叢 第30巻 第1号188

<表3>上 之 店 目録 1818年(文 政1寅)下

① 新 買 B/0占 残 物

〔内訳 省 略 〕 ア

買物請方

金銀請方

448,872.2 177,283.6 (vr626.155.8) 指 引19.990.1

② 本

③ 諸 1有

[646.145.9

買物払方

本 店 渡 〔内訳 省 略 〕 諸 方 売

有 代 物 〔内訳 省 略 〕

X23.56$.

3q.618.5 191.959.4

〆646.145.9

金銀払方

② 本店渡

③ 諸方売 本店過 卜

内 糸 方 出 目 別 印 口銭

引 残 金払徳

423.568.

30.618.5 253.177.7 (vr707.364.2) (}旨 弓llO.426,)

1.752.4 1.08?.6 7.5$6.

【717.790.2】

(買物 払)

① 内 新 買 i※B/0占 残 物

*II払 方 有 銀 皿 糸 方 か し IV織 屋 か し V諸 方 懸 残

*II賄 方 有 銀

#VI同 所 有 物 〔内訳 省 略)

#オ 店 雑 用 手代 子 供 小 遣 ひ ド男給 銀

町 方 々 貸

(526.155.8) 448.$72.2 177.283.fi

・:.

37.218.5 12.943.2 1.281.3 1.280.1 4.496.4

15.101.2 9.624.8 vt717.790.2

利寄

雑 用

IX指

15.101.2 正 禾IJl5.314.9

(30.416.1]

買物 利 〔内 訳 省 略 〕 金 払 徳

糸 方 出 目 別 印 口銭

19.990.1 7.586.

1.752.4 1.p87.6

〆30.416.1

IHV*

本有物 有代物

払方賄方有銀 糸方貸 織屋貸 方々懸残 賄方有物 諸方貸

191,959.4 皿 本 店 過 卜 10,969. IX IF利 37,218.5

12,943.2 1,281.3 4,496.4 96248

〆268.492.6

253.177.7 15.314.9

[268.492.6]

(注)※ 各 項 目 の 前 期(文 政 元 年h期)期 末 残 高 は 以 下 の 通 り 続3405よ り)。

a払 方 賄 方 有 銀21.476 .e 賄 方 有 物3.863.9

b糸 方 貸46.098.1f諸 方 貸6 .167.3

c織 諸 方屋 貸12.660.lg本〔方 店 過L268 .938.2

々 〕 懸 残1.389.2d 177.283.6=g‐(a+b+c+d+e+f)

*10.969.=9.fi88.9+1.280.1

#期 首 在 庫 額3.863.9+仕 入 額15.733.7=4.496.4+15.101.2(出 所)『 文 政 元 年 戌 寅 年 従 七 月 極 月 迄 ヒ之 店 目 録 』(続3419)。

(17)

三 井 越 後 屋r.之 店 の 目録(会 計報 告 書) 189

記されている︒ただし︑売買価額墾︒誼.では売上総利益(売買価額報告書では﹁出目﹂︑損益計算書では﹁買物利﹂と表現)の内訳が示されていな

いが︑損益計算書では︑﹁撰糸利﹂︑﹁五歩半利﹂︑および﹁木綿島(縞)利﹂の三つに分けて・商品グループごと

の内訳も示されている︒

売上総利益については︑﹁目録﹂の後半の最初の明細書として︑﹁右買物利難シ荒象﹂の見出しで・さらに

墾 .が あ る (講 遡 . そ ▼︑ で は ︑ 曹 ㎜ グ 乍 プ ご と に ︑ 売 上 原 価 に 対 す る 売 上 総 利 益 の 割 合 (征 薄 鞭 糸 )・

売 上 総 利 益 額 (同 榔 墾 等 響 商 品 棚 卸 高 と 当 期 仕 入 高 と の 和 (翻 鯉 器 盤 麺 同 ︑ )・ 禦 商 品 棚 卸 高

(同︑四百九拾〆二百九拾六匁六分)︑および売上原価(同烈噸雛飢)を表示する・これら五つのうち・売上原価およびその荒

利率を除く三つは︑売価価額報告書か損益計算書に内訳書きで既に表示されている︒それに対して・商品グ

孕ご﹂との売上高は百録Lのど}︑にも示されていない︒景本店Lへの売上高(﹁本店一巻﹂内部での販売高)の商品グ牛ご︑との内訳は︑売買価額墾聞量臼の中に示されているけれども︑﹁方々売﹂(外部への販売高)については︑内馨きがないのである︒(﹁目録﹂各部分を仔細に検討すれば︑計算できないことはないけれども)︒この理由はよくわからないが・景本店Lにとっては・﹁上之

店﹂の外部販売高は重要性が低いためであろう︒すなわち︑﹁上之店﹂の利潤率が妥当なものであるか︑﹁本店

一巻﹂の内部販売(振替)価格の設定が適切なものであるかの判断材料が︑重要な情報と認識されていたのでは

ないかと考えられる︒売上総利益率の分母に︑(今日常識的に用いられる)売上高ではなく︑売上原価が使われているのも・

同じ理由であろう︒

一七四三年(寛保三癸亥歳)の﹁上之庫の﹁目録﹂巾のその他の明響については・既に述べたので・再述は避け

︽ 表 3 ︾ に ﹁ 上 之 店 ﹂ の 天 天 年 ( 文 政 元 戌 寅 歳 ) 下 期 の ﹁ 目 録 ﹂ ( 腱 麗 轡 の 基 本 財 務 襲 部 分 の み を ・ T

(18)

商 経 論 叢 第30巻 第1号 190

フ ォ 去 に し て 示 す ( 雛 襯 咄 騨 猷 概 5 ︒ 売 買 価 額 墾 . 皇 . ︑ 資 金 計 算 圭 .︑ 損 益 計 塁 . ︑ お よ び 貸 借 対 照 表 か

らなる基本的護には・一七四三年のものと変りがない︒ただし︑毛八三年(天明三癸卯年)に﹁上之店﹂の下部組

織 と し て ﹁糸 方 ﹂ が 設 け ら れ た た め に (覇 凱 妻偲 鶴 雛 象 ・孫 ♂ 舶 逢 薪 誰 殴 篠 ︑計 讐 ︑ゆ )︑

資 金 計 算 書 (馨 と 損 益 計 算 責 剛 寄 ) と に ︑ ﹁ 糸 方 ﹂ の 純 利 益 で あ る 累 方 出 具 鑛 枇 麩 が 計 上 さ れ て い

る ・ 同 様 に ﹁ 別 牒 鎌 ﹂ (籍 釜 も 計 上 さ れ て い る . ﹁ 別 印 ﹂ と は ︑ 一 七 八 八 集 麟 鰍 ) の 西 陣 大 火 後 ︑ 金 融

逼 迫 の 謹 へ の 融 灘 た め に 一 七 八 九 年 ( 寛 政 元 己 酉 年 ) に 営 業 を 開 始 し た ﹁ 質 方 ﹂ の こ と で あ る (醐 魂 摺 則 三 ).

ただし︑この﹁質方﹂の生糸・織物を担保とした貸付は︑その資金を総て﹁京本店﹂に依存し︑質貸しの﹁諸

方愁入﹂(受取利息)の一割のみが︑﹁別印・銭﹂としてヱ之庫の収益に麺え・りれ︑﹁別印晟﹂と諸経費とを差

し引いた残額は﹁京本店﹂の芳々貸金銀利足入Lに禽・りれる(裾配三)というように︑前述のかつての唇

方﹂とは様変りしている︒

一八一八年の﹁上之店目録﹂も後半は諸明細書類となっている︒その構成は︑﹁買物利廻り荒仕分﹂︑﹁小遣仕

分﹂︑﹁賄方貸預﹂︑﹁織屋当座貸﹂︑および﹁有金銀﹂となっていて︑建物修繕費の明細書がないことを除けば︑

一七四三年のものと同じである︒四つの基本財務諸表と付属明細書類からなる︻上之店目録﹂の構造は︑その

後も大きな変化は見られない︒

().().[()11

6()使

(19)

三井 越 後 屋 ヒ之店 の 目録(会 計 報 告 書)

19ユ

(縞)()()()}L()()

数字等が符丁で童臼かれている場合には︑右傍にこ書きで姦等を注記した︒使用されている符丁は左記のとおりで

(...白)

一舘㊥團などは押印である︒原史料のイメ←をできるだけ再現するように努めたが・印刷の都合上・実際の押印場所

︻付記︼本史料の翻刻に当た.ては︑劇姻三井文庫の皆努に多くを負っている︒殊に︑難読文字の読み方については・樋

︒知子氏より御教.小を賜︒た(もちろん有り得べき誤りについては当然︑私茜川が責めを追う)・史料の覆刻については三井文庫館長から許可を得た︒記して感謝の意を表す︒

(20)

商 経 論 叢 第30巻 第1号192

(表)

藁 落 籍 濠

{

寅ノ七月6極月迄

買物請方

寅ノ七月店颪テ㊨西拾弐貫ヒ皇拾七匁︹三㊨一千四貫弐百五拾九匁弐分

⑨八百出八〆八百弐拾五匁弐分

⑨九拾八〆五百八拾九匁壱分

㊨六拾六〆八百廿四匁四分

二口合③千四拾七貫拾六匁弐分

買物払方

③一八百拾六貫七百七拾五匁九分

㊨=二拾四〆七百世壱匁六分

㊨一三拾四〆五百目八分

㊨一四貫目三分

㊨一拾貫百拾壱匁二分 m

48157:・数(

古残り物高

新買高

二分引買高

五分半引買高

一割引買高

本店渡

御用所渡ス

元店渡

綿店渡

方々売 ⊥ハ

(百)(撰)(練)一.一拾

(二)(縞)(艇)

(練)

薄 し

() 四拾壱疋

拾五反

九疋一切

六拾弐反

弐反

弐疋

壱本

七百四拾六反

廿具

九十八反

十七反 有物高

(21)

193三 井越 後 屋 ヒ之 店 の 目録(会 計 報 告 書)

着尺

瓢 醗

小倉

(風呂)ふろ敷地

(縮羅)し︑ら 七反

弐反

茄弐反

十六反

廿四疋

壱疋

⑨六口合千六拾九〆五百七拾六匁六分

指引〆⑨弐拾弐貫五百六拾目四分出

③拾七〆弐百九拾三匁

⑨三〆八百拾弐匁九分

⑨壱〆四百五拾四匁五分

〆金銀請方

②一八百拾六〆七百七拾五匁九分

㊨一三拾四〆七百世壱匁六分

⑨=二拾四〆五百目八分

倫一四〆目三分

㊨一拾〆百拾壱匁三分

㊨寅ノ十二月晦口指引〆テ

舌七拾五〆弐百五拾四匁ヒ分五穽

入本店6

入御用所

入元店6

入綿店6

入方々6

入 盤 紡 り

㊨〆千七拾五貫三百七拾四匁六鉱..︺

金銀払方

⑨一千四拾六貫百七拾四匁七分

㊨一弐拾九〆九百拾五匁弐分

㊨一六貫六︑白コ.拾九匁五分

㊨〆千八拾弐貫七百廿九匁四分

指引〆テ七貫三百五拾四匁八分出

質方目録

㊨=二拾貫目

⑨一弐拾九〆九百拾五匁弐分

㊨〆五拾九〆九百拾五匁弐分

払方

()

一..リ

一.一分

買物払高

質方へ渡買物方利

有銀

入 巽 銀

入買物方利

質物かし有

店惣小遣外二仕わけ有

庄蔵渡ス

本店へかし

本店利足済

方々かし

(22)

商 経 論 叢 第30巻 第1号 194

七百匁

三百五拾匁

弐百匁

七百匁

壱〆匁

壱〆匁

百八匁五リン

〆(厘)㊨一百六拾八匁四分八リン

㊨〆六拾四貫百五拾匁六分ニリン

(練)(疑)

差引〆テ四貫弐百世五匁四分ニリン

利寄セ

㊨一弐拾弐貫五百六拾目四分

⑨一七貫三百五拾四匁八分

㊨一四貫弐百三拾五匁四分ニリン

〆三拾四〆百五拾目六分ニリン

八百六拾七匁三分壱リン

四〆三百八匁三分

弐〆五百匁

引残テ㊨弐拾六貫四百七拾五匁壱リン利 有銀物方利

金払出目

質方利

本店利済

店惣小遣

庄蔵渡

本 有 物

(厘)

鱒〆五拾六貫四百ヒ拾五匁存ン圃

㊨三拾貫目

⑨残テ弐拾六貫四百七拾五匁壱リン岡

右之通定建之外預り申候以上

正月

三井宗竺様

同八郎右衛門様

同宗利様

小林善次郎殿

中西宗助殿

︹一ページ(半r)余白︺

小遣之仕分ケ

一六百廿八匁四分

一百拾壱匁壱分 質物かし有

方々かし

本店へかし

有銀

定建

田宮庄蔵圃

大 米豆 代

(23)

195三 井 越 後 屋 ヒ之店 の 目録(会 計 報 告 書)

一弐百五拾三匁壱分

一弐百出八匁四分

一百八拾壱匁九分五リン

一四拾三匁七分五リン

⁝七拾壱匁六分五リン

一弐百四拾九匁七分

一弐百五拾五匁七分

一五拾弐匁

一三百廿四匁八分

一廿九匁

↓百十四匁三分

一弐百五拾七匁壱分五リン

一七百廿八匁七分

〆三〆六百廿壱匁七分五リン (麹)

(煙)(蝋)

(賃)

(髪)

(豆)

(普)

(厘)

︹余 藤七遣

弥七

惣兵衛

半兵衛

甚介

三太郎

五郎吉

七介

(24)

商 経 論 叢 第30巻 第1号 19fi

(表)

墜 碁 甚 q 豚

寛 保 三 馨 正 月 七 月 迄

       

㊥⑳早吾七拾八〆三百八曾弐分

㊥㊥酉百九拾〆七耳五匁弐分

⑳㊥〆弐千六拾九〆豊匁四分

㊥㊥千百八拾壱〆百七拾九匁

㊥㊥七百七拾弐〆八百廿七匁五分

㊥㊥百拾五〆九拾八匁九分

    

㊥㊥歪百八拾七〆九百拾匁六分

㊥㊥六百八拾九〆六.百三拾壱匁六分

㎞ ㎞ 馬 囎 蜘 難

縦横紙(

新買

古残物

撰糸之ロ

五歩半口

木総腿︒

本店渡挑方共

撰糸之口 ㊥㊥六百八貫百三拾六匁六分

⑳㊥九拾〆畠拾弐匁四分

㊥㊥玉拾五〆三百九拾八匁壱分

㊥㊥天百七拾八〆六百九拾六匁四分

㊥㊥四百九拾貫脊九拾六匁六分

     まちサ    と 

㊥㊨百六拾弐〆三百六拾九匁壱分⑳丹後島

㊥亀綾

㊥茶丸

㊥紙入地

㊥糸羽織

㊥畏斗目

㊥白練()㊥素呂(肩)㊥呂片衣

④夏羽織

㊥縮六反 九百拾六疋百ヒ十四反

廿三疋弐反

壱本

三本

弐百壱反

五百三反

壱疋七十九反

三拾弐本

弐百拾七肩

百三拾反 (縞)綿

 ケ 

肱 票 代 物

㊥郡内壱疋

㊥和礒四反

㊥綾拾九反

㊥御召羽織廿一反

㊥帯類弐千六百拾六筋

㊥片色六拾四疋

㊥絵絹五拾反(紹)㊥紋紗呂拾三反

⑳繧子四百世九肩

㊥夏福三十五反(緬)㊥縮面六反

参照

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