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植物防疫 第73
巻第4
号(2019年)神奈川県農業技術センター 生産環境部 病害虫研究課
神奈川県農業技術センターと病害虫研究課
神奈川県農業技術センターは,旧農業総合研究所,園 芸試験場,蚕業センターが統合して,「農業総合研究所」
として平成7年に開設,その後,平成
17〜19
年にかけて,6
箇所の地域農業改良普及センター,肥飼料検査所,病害 虫防除所が統合され,名称を「農業技術センター」に改 称し,現在に至っています。農業技術センターは,本所(平塚市上吉沢)と
4
箇所の地区事務所から構成され,本 所は,企画経営部,生産技術部,生産環境部の三つの研究 部と普及指導部(普及指導組織),
病害虫防除部(旧病害 虫防除所)があり,計5
部と管理課で構成されています。病害虫研究課は,土壌環境研究課,品質機能研究課と あわせて
3
課からなる生産環境部に属します。当課は課 長を含め研究員4
名と現業職員5
名で構成され,病害虫 関係の試験研究にあたっています。このほか,地域作物(常緑果樹,茶,集約的露地栽培)を担当する地区事務 所は
3
箇所あり,普及指導組織のほか,研究の部門が設 置されており,各1
名の病害虫担当がいます。病害虫研究課の取り組み
全国共通の事例とは思いますが,病害虫関係の研究を 担当する部署では現場で生じる緊急問題の解決や現場か らの要望に対応する課題が数多くあります。また,普及 指導部と病害虫防除部が同じ建物内にあるのが当所の特 徴でもあり,普及指導員を通じて現場から多くの病害虫 診断同定依頼が寄せられます(平成
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年度153
件)。さ らに,病害虫防除部の担当者と直接顔を合わせながら議 論することで,診断同定・防除対策など早期解決に向け対策を立てることも可能となっています。
さて,現在取り組んでいる研究課題について一部紹介 したいと思います。
(
1
) キャベツの根こぶ病対策キャベツの根こぶ病は,一度圃場にまん延するとなか なか防除できない土壌病害です。この病害は,作付け前 に防除対策を行う必要があるため,作付け前に栽培時の 発病程度を予測できる技術が求められています。この作 付け前診断に必要な項目やその判断基準値を作成するた め,「人工知能未来農業創造プロジェクト
1.
人工知能 未来農業創造プロジェクト (イ)AI
を活用した土壌病 害診断技術の開発」に参画し,研究を進めています。(
2
)化学合成農薬の使用を減らすための病害虫防除 技術の開発
これまでもキュウリやイチゴ等を対象に実施してきた 課題ですが,現在はトマトについて取り組んでいます。
主に新規に開発されたコナジラミ類の忌避剤と当所で開 発した赤色防虫ネットの組合せ実証試験です。これらは 内閣府戦略的イノベーション創出プログラム(SIP)「次 世代農林水産業創造技術」(管理法人:農研機構農研セ ンター)の支援を受け行っています。
(
3
) 新農薬実用化試験新たな農薬の効果などの情報をいち早く得,的確に情 報を農家へ伝えるためにも日本植物防疫協会から委託を 受けて実施する「新農薬実用化試験」を重視し,積極的 に取り組んでいます。最近は,新農薬の開発スピードが 低下している傾向があるため受託件数は減少傾向です が,殺菌剤ではトマト,キュウリのうどんこ病,殺虫剤 ではトマトのコナジラミ類やキャベツのアザミウマ類等 について試験を実施しています。
(主任研究員 大矢武志)
神奈川県農業技術センター 生産環境部 病害虫研究課 研 究 室 紹 介
図−2 トマトの総合防除法,実証試験施設
〒259―1204 神奈川県平塚市上吉沢1617 TEL 0463―58―0333
図−1 はくさいを用いた 根こぶ病検定
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