この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ビザ
(Visa Inc.) ティッカー:V(NY
証券取引所)
STAGE
コード:04187 セクター:情報技術 業種:ソフトウエア・サービス
世界最大の電子決済ネットワーク
ポイント
新興国を中心に現金から電子決済へシフト中
電子商取引の普及や安全性の向上等を背景にカード利用が増加
個人間の金銭取引でのカード利用等、用途の多様化も追い風に
企業概要
支払の認証や取引・清算の処理を行うため、独自の電子決済ネットワークを使い、世界中の金融機関をつな ぐ役割を担う(2 ページ、図表 1)。同社やマスターカードといったカード運営会社は、アメリカン・エキスプレス 等のカード発行会社と異なり、カードの発行や信用供与等は行わない。カード取扱高(決済高+現金取引)
やデータ処理から生じる手数料が主な収益源となる。
業績推移 財務データ
17/9期(末)
営業収益構成比
〈事業別〉(17/9期、%) 〈地域別〉(17/9期、%)
2017 年 12 月 5 日 投資情報部 森川尚子
国内非上場公募銘柄
118 127 139 151 184
0 40 80 120 160 200
13/9 14/9 15/9 16/9 17/9
営業収益
(年次:2013~2017)
(億ドル)
(年/月)
出所:ブルームバーグ等の データよりみ ずほ証券 作成
1.90 2.27
2.62 2.84 3.48
1.90 2.15
2.58 2.48 2.80
0 1 2 3 4
13/9 14/9 15/9 16/9 17/9 非GAAP GAAP
EPS
(年次:2013~2017)
(年/月)
(ドル)
(注1)GAAP、非GAAPについては巻末参照
(注2)GAAPは継続事業ベース
出所:ブルームバーグ等の データよりみ ずほ証券 作成
総資産
679.8 億ドル
有利子負債183.7 億ドル
株主資本272.3 億ドル
営業CF92.1 億ドル
ROE
24.6 %
出所:ブルームバーグ等のデータよりみずほ 証券作成
(注)株主資本は優先株を除く
サービス 手数料 43
データ処理 手数料 42 国際取引 手数料 34
その他 5
米国 47 米国外 53
出所:会社資料よりみずほ証券作成
(注)クライアント・インセンティブ(カード利用額に応じて カード発行会社等に支払う報酬)は▲25%
出所:会社資料よりみずほ証券作成
銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ビザ(V)
事業紹介 子会社のビザ U.S.A.やビザ・インターナショナル、ビザ・カナダ、ビザ・ヨーロッパ等を通 じ、200 以上の国と地域にまたがる世界最大の電子決済ネットワーク「ビザネット」を展 開。2016 年 6 月のビザ・ヨーロッパ買収により、同業のマスターカードとの規模の差が いっそう拡大した(図表 2)。クレジットカードの発行や信用の供与は、世界中の提携金 融機関 16,300 社が行う。同社は金融機関が処理した決済の金額やデータ処理件数等 に基づいて手数料を受け取る(図表 3)。
図表1:カード決済の仕組み
日本では、カード 発行会社が加盟 店管理会社を兼 ねる場合が多い
支払の認証
取引・清算の 処理
カード発行会社
(金融機関等)
カード 加盟店 利用者
商品・サービス 加盟店管理会社
(金融機関等)
国際ブランド カード 提供会社
(ビ ザ、マスターカ ード等)
出所:各種資料よりみずほ証券作成
カード発行会社 カード会員の募集 やカードの発行、
信用の供与等を行 う
加盟店管理会社 加盟店を審査・認 定。そのカード・
プログラムに加 盟店を参加させ、
決済処理を担い、
加盟店に対する 決済を完了させ る
代金の流れ
手数料 手数料
事業 内容
国際取引手数料 国境をまたぐ決済および現金に関する手数料。収益は決済の金額による
図表3:ビザの主な事業内容
商品やサービスを提供する際のサポート料。収益は決済の金額による
支払の認証、清算、決済、ネットワーク利用、その他メンテナンスやサポー ト等、情報処理に関するサービスの手数料。収益は処理件数による サービス手数料
データ処理手数料
ビ ザ 56 マスターカード 34 JCB 2
ビ ザ 59 マスター
カード 32 JCB 2
買収前(2014年1-12月期) 買収後(2016年1-12月期)
図表2:世界の大手カード別取引高シェア(%)
ビザが ビザ・
ヨーロッパ を買収 アメリカン・
エキスプレス 8
アメリカン・
エキスプレス 7 ディスカバー/
ダイナース 1
ディスカバー/
ダイナース 1
(注)取引高合計は決済高と 現金取引の総額で 大手5社の合計に 対するシェア 出所:会社資料より
みずほ 証券作成
銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ビザ(V)
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
ポイント解説 新 興 国 を 中 心 に 決 済 が 現 金 からカードへシ フト中
現金・小切手からカードへのシフト、商取引のデジタル化、カード利用範囲の広がり等を 背景に、カード決済業界の拡大余地は依然大きいとみられる。
① 現金・小切手からカードへのシフト
米連邦準備理事会(FRB)の 2016 年 12 月報告書によると、15 年は現金以外の決済件 数が 12 年比で 17%増加した。そのうち、カードおよび小口決済システム(ACH)による決 済件数は同 22%増。小切手による決済件数は同 12%減と、カードや ACH へのシフトが鮮 明になっている(図表 4)。
また、FRB の 2017 年 6 月報告書によると、米国における 15 年の現金以外の 1 世帯当 たり月間決済件数は、デビットカードによるものが 00 年と比べて大幅増となる一方で、小 切手が減少しており、今後はさらにカードや ACH へのシフトが進むものと思われる(図 表 5)。
同社は、世界における現金・小切手による年間支出額が 17 兆ドルに達している現状を ふまえると、今後のカードによる決済の拡大余地は極めて大きい、と述べている。
565
695
268
338
204 197 235 173
0 200 400 600 800
2012 2015
(億件) 図表4:米国の現金以外の決済件数
(年次:2012→2015)
デビットカード クレジットカード ACH
小切手
(注)デビットカードはプリ ペイド含む 出所:FRBの2016年12月
データよりみずほ 証券作成
(年)
6.6
45.0
12.4
19.3
2.0
7.1 19.3
7.1
0 10 20 30 40 50
2000 2015
(件) 図表5:米国1世帯当たり月間の現金以外の決済件数
(年次:2000→2015)
デビットカード クレジットカード ACH
小切手
(注)デビットカードはプリ ペイド含む 出所:FRBの2017年6月
データよりみずほ
(年) 証券作成
銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ビザ(V)
電 子 商 取 引 の 普 及 や 安 全 性 の 向 上 等 を 背 景にカード利用 が増加
② 商取引のデジタル化
IT 技術の革新やスマートフォンの普及等を背景に、個人による物品等の購入先は、実 店舗から電子商取引にシフトしており、電子商取引は小売売上高全体を大幅に上回る ペースで伸び続けている(図表 6、7)。そのなかで、同社カードの市場シェア(取引金額 ベース)も電子商取引によるものが実店舗向けの 2 倍以上に達している。
商取引のデジタル化が進むなか、同社では、数回のクリックで決済が可能になるオンラ イン決済アプリ「ビザ チェックアウト」を 2014 年 7 月に導入。以降、着実に普及させる 等、より安全で簡単な決済サービスの提供に成功している(図表 8)。
0 2 4 6 8 10
0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000
13/1 13/10 14/7 15/4 16/1 16/10 17/7
(%)
(億ドル)
(年/月)
小売売上高
(除く自動車/左目盛)
電子商取引比率
(右目盛)
図表6:米国の小売売上高と電子商取引比率の推移
(月次:2013/1~2017/10)
(注)米電子商取引比率は 米小売売上高全体に 占める比率。四半期 ごとの発表。直近は17 年9月時点
出所:ブルームバーグの データよりみずほ 証券作成
0 3 6 9 12 15 18
13/1 13/10 14/7 15/4 16/1 16/10 17/7
(%) 図表7:米国の小売売上高と電子商取引の成長率の推移
(月次:2013/1~2017/10)
小売売上高
(除く自動車)
電子商取引
(注1)成長率は前年同期比
(注2)電子商取引は四半期 ごとの発表。直近は 17年9月時点 出所:ブルームバーグの
データよりみずほ 証券作成
(年/月)
3
16
23 26
0 10 20 30 40
13 14 14 15 16 16 17 17 18
(市場数)
(年/月)
図表8:ビザ チェックアウトの参入市場数の推移
(年次:2014~2017)
14/9 15/9 16/9 17/9
出所:会社資料より みずほ証券作成 口座数:2,500万件超 提携金融機関:1,600社超 加盟店:35万店超
銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ビザ(V)
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
個 人 間 の 金 銭 取引でのカード 利用等、用途の 多様化も追い風 に
③ カード利用範囲の広がり
世界の金銭取引は、企業と個人間(B2C)の電子商取引ではカード利用が増えている が、一方で個人間(P2P)や新興国市場等では依然大半が現金・小切手決済で行われ ており、今後のカード普及余地は大きい。
仕送りや割り勘、家賃や子供の家庭教師等への個人的な支払いといった P2P について は、現金の手渡し、銀行や郵便局での現金振り込みのほか、小切手の送付、ウエスタン ユニオン(WU)等送金サービス業者に依頼するケースが多かったが、近年は PC やス マートフォン等を通じて簡単に送金できるシステムが普及。これにより、わざわざ銀行や 店舗に出向く必要はなくなり、銀行等と比べて安い手数料で、いつでも送金手続きを行 うことが可能となった。
また、保険会社からの保険金、企業からのフリーランスへの報酬、政府からの税還付金 等、企業や政府機関から個人に対する支払いもカードを通じて行われる等、盗難や紛 失の心配がないカード間の送金・受領においても、利用が増えている(図表 9、10)。
出所:各種資料よりみずほ証券作成
図表 10:カードを利用した送金・受領の仕組み(例)
分野 成長機会
P2P(個人間)
・電子決済、モバイル決済の普及
・リアルタイムで速やかな送金 G2C(政府・個人間)
B2C(企業・個人間)
・リアルタイムでの支払い
・短期、単発の仕事の支払い B2B(企業間)
・多国籍企業を中心とするクロスボーダー の支払い
出所:会社資料よりみずほ証券作成
図表9:新分野における成長機会
・公的資金の不正流用防止
・資金へのアクセス拡大
・災害時等、緊急時の効果的な資金利用
銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ビザ(V)
FRB によると、米国では 290 億件もの送金がリアルタイム決済にシフトする見通し。そうし たなかで、同社のカードを通じた安全、便利なリアルタイムでの送金サービス「ビザ ダイ レクト」の利用が増加している(図表 11)。電子商取引のほか、医療機関や生保・損保等 の企業、政府、宝くじ、ゲーム、シェアリング・エコノミー
*等、さらに幅広い分野での利用 が期待される。
*ウーバーやリフト等のカーシェア、メルカリやフリル等のフリマ・レンタルサービス、Airbnb 等の民泊サービス等がある
米国外では、欧州のほか、中国やインドといった新興国でカード利用が広がるとみられ る個別要因があることも好材料。新興国市場では、決済インフラの未整備が障壁となっ ているが、モバイル端末の普及を背景にカード市場の成長余地は大きいといえ、今後も 世界的に高成長が続くと予想される。
リスク・留意 事項
個人消費の腰折れ
政権交代等を背景に世界の景況が悪化すれば、個人消費およびカード利用が減るリス クがある。
為替変動の影響
同社の営業収益は半分以上を米国外が占めることから、為替変動が業績に影響を与え る可能性がある。
訴訟リスク
小売業者等との訴訟で敗訴した場合は、手数料引き下げ等が業績に影響するリスクが ある。
GAAP と非 GAAP の差異
GAAP:Generally Accepted Accounting Principles、一般に公正妥当と認められた会計原則。各国で定められており、米 国会計基準(US-GAAP)、日本版 GAAP 等がある。
非 GAAP:実質的な業績動向を示すために、企業が独自に定めた会計原則。リストラ費用、株式報酬費用等の特別項目 が調整されることがある。
銘柄フラッシュ(海外企業概要)は企業の沿革、概要、事業、中長期的な競争優位性等の紹介に重点を置い たレポートです。当該企業の最新の決算情報、ニュース、トピックに関しては、銘柄フラッシュをご参照くださ い。
0 30 60 90 120 150
(億ドル) 図表11:ビザ ダイレクト決済額の推移
(四半期:2016/3→2017/3)
出所:会社資料より みずほ証券作成 16/9期Q2
(1-3月)
17/9期Q2
(1-3月)
銘柄フラッシュ(海外企業概要)
ビザ(V)
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する