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1 家庭内食品ロス削減のための食品管理システムに関する研究

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Academic year: 2021

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家庭内食品ロス削減のための食品管理システムに関する研究 -食 品 管 理 情 報 の 顕 在 化 と そ の デ ザ イ ン -

A Research on the Food Management System for Reduction of Domestic Food Losses -Actualization and Design of Food Management Information-

1W120360-0  戸谷  潮      指導教員  長  幾朗  教授        TOTANI Shio      Prof. CHO Ikuro 

 

概要:我が国日本では、低い食料自給率にも関わらず多くの食品を毎年廃棄している。そのうち、本来食べられ るものにもかかわらず廃棄されている「食品ロス」は世界全体の食料援助量 400 万トンの約2倍にあたり、深刻 な問題となっている。特に、私たちにとってより身近な家庭における食品ロス及び食品廃棄物の多くは、再生利 用されず焼却・埋立てにより最終処分されている。その量は約 829 万トンにのぼり、一消費者として見過ごせな い値である。この大きな原因は食品ロスに対する消費者意識の希薄化であり、適切な食材の在庫管理と購入を消 費者に促すことで軽減できると考えた。その一つの手法として本研究では、ストレインゲージを用いた食品管理 情報の顕在化とそのデザインを図り、家庭内食品ロス削減を目的とした食品管理システムを提案し、利便性と有 用性を探った。 

キーワード:家庭内食品ロス削減、食品管理情報の顕在化とそのデザイン、適切な食材の在庫管理と購入  Keywords:Cutting Domestic Food Losses, Actualization and Design of Food Management Information,        Appropriate Inventory Control and Purchase of Ingredients 

 

1.はじめに

FAO によると、世界の食料生産量の1/3にあたる 約13億トンの食料が毎年廃棄されている。なかでも 我が国日本では、食料の大半を輸入しているにも関わ らず、多くの食品廃棄を出している。このうち、本来 食べられるものにもかかわらず廃棄されている「食品 ロス」は年間約 500〜800 万トンと推計され、これは 世界全体の食料援助量の約2倍にあたる。食品ロスは 経済コストや環境コストといった社会的観点、そして 倫理的観点から見過ごすことのできない社会問題で ある。   

 

2.フードチェーンにおける食品ロスの現状

  食品ロスは生産から消費までのフードチェーンに おける各段階で排出されており、国内の食品関連事業 者における食品ロスは約 331 万トン、一般家庭におけ る食品ロスはほぼ同量の約 312 万トンに及ぶ。  また、

食品リサイクル法の施行により、事業者からの食品廃

棄物は約 85%が再生利用されるのに対し、一般家庭か ら廃棄される食材の大半が焼却または埋立てにより 最終処分されてムダとなっている。これは現代のライ フスタイルや食生活・食に対する考え方の変化に深く 関係している。特に、消費者の食品ロスに対する問題 意識の希薄化から、適切な食品の在庫管理と購入がな されていないことが大きな要因の一つだと考えられ る。つまり消費者の在庫・購入情報の把握と消費者間 での情報共有の不行きが、買いすぎや買いかぶりを招 き、直接廃棄や食べ残しといった形で多くの食品ロス を発生させていると推測できた。 

 

3.情報管理システムの重要性

  前述した家庭内食品ロス発生の要因から、食品の在 庫情報と購入情報を消費者へわかりやすく提示する 情報管理システムの重要性が伺える。現在、開発・研 究されている既存の手法では、主に「提示する情報 量」「ユーザーの使用負担」「生産/維持コスト」「冷

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蔵庫外の食材の管理」に関して課題がある。特に不要 な情報量の多さが顕著に見られたため、ユーザーの視 点に立って必要な情報のみを取捨選択した上で、食品 情報を提示しなければならないことがわかった。また、

食品情報管理システムを構築するにあたり、消費者に とってわかりやすい食品情報の提示方法がデザイン されなければならない。 

 

4.食品在庫管理システムの提案

  食品ロスの削減を図る方法の一つとして、食品情報 管理システム「ZAIKOMAN  SYSTEM」を提案する。

ZAIKOMAN  BOX に収納した食品の残量・在庫情報を わかりやすく視覚化し、リアルタイムに確認できるシ ステムであり、これにより無駄のない効率的な買い物 が可能になるだろう。また、二人以上世帯を想定した 場合、アプリケーション内で食品在庫情報や購入情報 を共有することによる、ダブり買いの防止が期待でき る。さらに、エンドユーザーとなっている消費者がこ れらの情報を公開することにより、生産者まで遡り、

生産や流通の総量調整も可能になると予測し得る。 

図 1. 提案「ZAIKOMAN SYSTEM」の概要図  

5.プロトタイプによる評価実験

  ストレインゲージにより計測した値を、Arduino を 介して取得し、さらに、Processing により残量情報を 視覚化するプロトタイプを構築した。提案手法の利便 性や有用性を評価するため、プロトタイプを用いた模 擬実験を行い、消費者によるユーザビリティ評価と感 性評価を行った。その結果、本提案の利便性・実用性

の高さと、消費者が必要とする食品情報を直感的に取 得できるデザインであることが認められた。 

図 2. プロトタイプ全体図

6.おわりに

今回の提案に対し、「表示単位の改善」・「測定の正確 性の改善」・「実際の食品ロス軽減率の分析」の3項目 が今後の主な課題としてあげられる。これらの課題に 対して、情報の収集・整理とより深い分析をすること で、具体的な場面や状況を想定した提案及び検討を行 う必要性があるだろう。さらに、残量に応じたレシピ の提案や自動注文機能など、ユーザーの求める情報や 機能をうまくデザインすることで、食品ロス削減だけ でなく、規則的で無駄のないライフスタイルの形成が 展望し得る。 

 

参考文献

[1]小林富雄『食品ロスの経済学』,農林統計出版  , 2015 

[2]農林水産省『食品ロス削減に向けて〜食べものに、

もったいないを、もういちど。〜』,2015  [3]農林水産省『食品ロス統計調査・世帯調査(平成

26 年度)』,2014 

[4]情報デザインフォーラム『情報デザインの教室』 

,丸善株式会社, 2010   

図表出典一覧  図1 戸谷(2016)  図2 戸谷(2016) 

参照

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