情報と電力が融合する
デジタルグリッドの提案
2009年11月13日
二次電池が作る社会システムイノベーション
東京大学大学院工学系研究科
技術経営戦略学専攻
アドバンテッジパートナーズ社会戦略投資学寄付講座
阿部力也
アドバンテッジパートナーズ
社会戦略投資学寄付講座
• 社会システムを、工学的に設計し、工学的に検
証し、(社会戦略工学)
• 社会に実装するための、投資メカニズムを研究
する。(社会戦略投資学)
• 研究分野
– エネルギー問題(石油・石炭・天然ガス)
– 電力システム(自然エネルギー・分散電源・電力貯
蔵・導入促進政策シミュレーション)
– リアルオプション(投資判断)
– 農業問題(野菜工場・天候デリバティブ)
目次
1.
Smart Grid時代の到来
a.
Smart Gridとはなにか
b.
4つの社会的便益
c.
米国政府の動き
d.
IT産業の動き
e.
本当の狙い
2.
日本のSmart Grid
a.
世界で最も進化した電力スキーム
b.
日本におけるSmart Gridの可能性
c.
自然エネルギー導入がもたらす変化
3.
Digital Grid時代への移行
a.
デジタルグリッド
b.
アナログ同期系統とデジタルグリッド
c.
選択的電力融通
d.
IPアドレスと電力線搬送による電力融通
e.
商取引にのっとった電力融通交渉
f.
スマートグリッドとの違い
g.
Digital Gridのもたらす世界
目次
1.
Smart Grid時代の到来
a.
Smart Gridとはなにか
b.
4つの社会的便益
c.
米国政府の動き
d.
IT産業の動き
e.
本当の狙い
2.
日本のSmart Grid
a.
世界で最も進化した電力スキーム
b.
日本におけるSmart Gridの可能性
c.
自然エネルギー導入がもたらす変化
3.
Digital Grid時代への移行
a.
デジタルグリッド
b.
アナログ同期系統とデジタルグリッド
c.
選択的電力融通
d.
IPアドレスと電力線搬送による電力融通
e.
商取引にのっとった電力融通交渉
f.
スマートグリッドとの違い
g.
Digital Gridのもたらす世界
新たに登場したSmart Gridとは?
従来の電力系統
• 一方向電力
• 検針型電力量計
• 水力,火力,原子力発電
• 需要制御なし
• 熱貯蔵
• 自動車負荷なし
• 需要家への情報提供なし
• 周波数一定制御
Smart Grid
• 双方向電力
• 双方向通信電力量計(AMI)
• +RES-E発電,分散電源
• 需要制御型(+情報提供)
• 電力貯蔵
• EV, Plug-in HEV
• タイムリーな情報提供
• 周波数制御+情報による
需給バランス制御
4つの社会的便益
• ネットワーク効率を向上することで電力
コストを低減する
経済性向上
• 停電の機会を減尐する
信頼性向上
• 温室効果ガスを削減する
環境性向上
• 石油依存度を低減する
エネルギーセ
キュリティ向上
米国政府の動き
• 経済対策法:Office of Electricity Delivery and Energy Reliability Program
Specific Recovery Plan (June 3, 2009) - DOE
• The Recovery Act of 2009 indicates that the Office of Electricity Delivery
and Energy Reliability (OE) shall receive
$4,500,000,000
for expenses
necessary for
electricity delivery
and
energy reliability activities
to
modernize the electric grid to include
demand responsive equipment
,
enhance security and reliability of the energy infrastructure
,
energy
storage research
, development, demonstration and deployment, and
facilitate recovery from disruptions to the energy supply, and for the
implementation of programs.
• 電力関係:
M$3,300
(電力を通じてsmart grid導入,系統強化策)
• 実証:
M$700
(地域実証,位相検出実証,電力貯蔵実証,R&D)
• 標準化:
M$10
米国DOEの進めるスマートグリッド
電力網
情報網
Smart Meter
Advanced Meter Infrastructure (AMI)
General Electric
Hewlett Packard
Ericsson
ベンチャー含め多数
・カリフォルニア
・テキサス
・フロリダ
・ペンシルベニア
・Wバージニア
ABIリサーチ(全世界)
2007 49,000,000 units
2009 76,000,000 units
Google Power Meter
http://maps.google.co.uk/maps/ms?hl=en&ie=UTF8&msa=0&msid=115519311058367534348.0000011362ac6d7d21187&z=2&om=0
スマートメータの市場
• 英国2020年までに各家庭に2,600万台設置する。
• 米国スマートグリッドに45億ドル。
• 各電力競争力維持のためにスマートメータ設置。
• 北部カリフォルニア州PG&Eは,すでに340万台のス
マートガス電気メータ設置済み。2012年までに1,000万
台追加。
• IDC Energy Insightsの予想,2013年までスマートグリッ
ド技術で$175億ドル。
• 誰が投資し,どのようにして受益者になるのか?
• スマートメータ設置は,新たなビジネスのプラット
豪州ヴィクトリアの試み
-本当の狙い-
• スマートメータは誰でも入手可能。
• 料金は電気代に上乗せ。
• 所有は配電事業者。
• 配電事業者は地域ごとに決まっていて選択できないが,電
力小売り会社は選択自由。
• グリーン電力に特化した会社も選べる。
• 電力小売り会社を変えても,メーターも電気配線も変更不要。
(私見)電力小売り競争のプラットフォームづくり
http://www.yourchoice.vic.gov.au/why_make_a_choice/
http://www.greenpower.gov.au/home-vic.aspx
スマートグリッドの本当の狙い
送電インフラ,
配電インフラ
を政府主導で
整備。
インフラ上で
発電事業者・
小売事業者を
競争させる。
政府の望む
方向にインセ
ンティブをつ
けて誘導する。
その結果,石
油依存を脱却
する。
目次
1.
Smart Grid時代の到来
a.
Smart Gridとはなにか
b.
4つの社会的便益
c.
米国政府の動き
d.
IT産業の動き
e.
本当の狙い
2.
日本のSmart Grid
a.
世界で最も進化した電力スキーム
b.
日本におけるSmart Gridの可能性
c.
自然エネルギー導入がもたらす変化
3.
Digital Grid時代への移行
a.
デジタルグリッド
b.
アナログ同期系統とデジタルグリッド
c.
選択的電力融通
d.
IPアドレスと電力線搬送による電力融通
e.
商取引にのっとった電力融通交渉
f.
スマートグリッドとの違い
g.
Digital Gridのもたらす世界
日本におけるSmart Gridの可能性
(日本と海外の電力の違い)
<欧米>
欧米は水平統合。
自由競争の結果,インフラ投資がおろ
そかになった。
もう一度インフラ整備して,自由競争さ
せる。
ただし,方向性は脱石油。
<日本>
日本は垂直統合。
ユニバーサルサービスを義務付け。
着実なインフラ投資。
世界に稀に見る信頼度を達成。
スマートグリッドもスマートメータも計画
的インフラ投資の中で実施。
周波数
発電
消費
その結果,日本の電力系統は
信頼度の高いシステムとなった。
高 低G
発電電圧 受電電圧 線路インダクタンス 線路キャパシタンス電圧
日本の電力の停電頻度と停電時間
の尐なさは世界トップクラス
しかし,自然エネルギーが大量導入されると
そのインパクトは大きい
政権交代!
1990年比CO
2削減25%
麻生政権
1990年比CO
2削減8%
2030年には5,300万kW
(現在の需要の約1/4)
変動の大きい自然エネルギーが入ると動揺が大きくなり,
電力潮流や出力制限による補正が必要になる
周波数
発電
消費
高 低G
発電電圧 受電電圧 線路インダクタンス 線路キャパシタンス電圧
周波数
発電
消費
高 低G
発電電圧 受電電圧 線路インダクタンス 線路キャパシタンス電圧
電力潮流
太陽光発電電力潮流
PV大量導入時に気象変動がもたらす
電力潮流変動は大きくなる
目次
1.
Smart Grid時代の到来
a.
Smart Gridとはなにか
b.
4つの社会的便益
c.
米国政府の動き
d.
IT産業の動き
e.
本当の狙い
2.
日本のSmart Grid
a.
世界で最も進化した電力スキーム
b.
日本におけるSmart Gridの可能性
c.
自然エネルギー導入がもたらす変化
3.
Digital Grid時代への移行
a.
デジタルグリッド
b.
アナログ同期系統とデジタルグリッド
c.
選択的電力融通
d.
IPアドレスと電力線搬送による電力融通
e.
商取引にのっとった電力融通交渉
f.
スマートグリッドとの違い
g.
Digital Gridのもたらす世界
アナログ同期系統とデジタルグリッド
従来型アナログ同期系統
デジタルグリッド
発電
消費
周波数
消費
周波数
消費
周波数
発電
消費
周波数
消費
周波数
消費
周波数
潮流
潮流
周波数変動は
許容範囲内
#1
電力 系統#2
電力 系統#3
電力 系統#4
電力 系統#5
電力系統N:N非同期連系ネットワーク
デジタル パワールーター各電力系統内には,電
池,太陽光,風力,分散
デジタルグリッド
許容変動範囲内で
異なる周波数をもつマイクログリッド
周波数
太い幹と豊かな葉
デジタル パワールーター異なる周波数の
マイクログリッド
#1
#5
#4
#7
#2
#3
#6
基幹系統
#1
#2
#3
#4
#5
a
c
b
d
V・e
jωt
V・e
jωt
V・e
j(ωt+θ)
V・e
jωt
I
bc
I
ac
I
dc
V・e
jω
at
V・e
jω
bt
V・e
jω
ct
V・e
jω
dt
jωL
マイクロ グリッド(A)
(B)
の電力変換は停止状態 の電力変換は運転状態 a,b,dのノードは同電圧・同位相 cのノードの位相をθだけ遅らす.I
ac
デジタル パワールーター選択的電力融通
電力機器
1
電力
制御
DTE
CPU
#1電力系統
#2電力系統
連系電線路7 電力機器制御 端末装置DTE
電力機器
2
電力
制御
DTE
DTE
DTE
LAN
IP 001
IP 002
IP 003
IP 004
IP 005
LAN
電力機器制御 端末装置WAN
電力線搬送
通信端局
IPアドレスと電力線搬送通信を
使った電力融通
電力系統3 電力貯蔵装置62 希望取引条件 一斉問い合わせ 可能取引条件 応信段階 電力融通可能な 電力系統
電力の融通問い合わせと交渉
電力系統3 多端子型非同期 連系装置1 電力貯蔵装置62 各種発電機61 予約取引条件 予約問い合わせ 予約確定条件 確定応信段階 電力融通可能な 電力系統 電力融通可能な 電力系統
電力の融通予約と確定
電力系統3 多端子型非同期 連系装置1 電力貯蔵装置62 発電装置61 複数ルート による送電 ヘッダー情報 フッター情報 融通電力 電力融通可能な 電力系統
デジタル電力の融通
デジタルグリッドとは何か(新概念)
• 同期基幹系統+非同期分散マイクログリッド
• 相互にパワエレ素子で接続
全国一律の
同期電力系統
• 同じCPUで情報も電力も作り出す
• 同じ電力連系線に情報も電力ものせる
分離した情報系と
電力系
• 電力貯蔵と周波数で需給バランスを維持
• 貯蔵量調整を,問い合わせ,交渉,予約,確定,融通
といった市場メカニズムで実施
常に需要と供給が
一致
• パワエレ素子が作った電気の前後にヘッダー情報,
フッター情報をつける
• デジタルパワールーターが情報に基づいて電気を振
り分ける
電気に色はつけら
れない
<従来の電力系統>
<デジタルグリッド>
デジタルグリッドの目的と効果
再生可能エネルギーの大量導入
• マイクログリッド内で電力貯蔵と周波数で変動吸収
電力系統の冗長性と堅牢性
• マイクログリッド数の2乗に比例した電力融通ルートによる停電機会減尐
系統負担の共同化
• 再生可能エネルギーの負担設備を共同化,余剰設備削減
デジタル電力取引
• IPアドレッシブル,電力にタグを付けて識別,市場取引プロセス導入,電力
取引プラットフォーム構築
スマートグリッドとの違い
Smart Grid
電力系統は従来のアナログを強化
潮流制御を位相測定と連系切替で実施
発電と消費を,情報側で突き合わせ
電力識別を情報で
アナログ電力+デジタル情報
Digital Grid
電力系統を分割マイクログリッド化
非同期連系し,デジタル電力融通
発電と消費をデジタル電力で一元管理
電力そのものに識別タグをつける
(電力+情報)ともにデジタル
Gn #2電力系統 192.168.1.1 192.168.0.2 192.168.0.3 192.168.0.4 G1 B1 192.168.2.1 G2 B2 192.168.0.5 192.168.0.6 G3 B3 192.168.0.1 192.168.0.7 G4 B4 #1電力系統 #3電力系統 #4電力系統 192.168.0.8 192.168.0.10 192.168.0.9 192.168.0.11 192.168.0.12 192.168.0.13 192.168.5.1 192.168.6.1 #6電力系統 基幹電力系統 192.168.0.14 多端子型非同期 連系装置1 自励式電力 変換器10 遮断器8 断路器9 電力線搬送通信 バイパス付き変圧器11 連系電線路7および 電力母線6兼電力線搬 発電装 電力線搬送通信 端局13 192.168.4.2 192.168.4.3 192.168.3.2 192.168.3.3 192.168.1.2 192.168.1.3 192.168.1.6 192.168.1.4 192.168.1.5 192.168.3.1 デジタルパワー コントローラー
デジタルグリッド単線結線図(例)
デジタルパワー ルーターNetwork Subnet mask Gateway 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.0.7 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.0.9 192.168.4.0 255.255.255.0 192.168.0.11 192.168.5.0 255.255.255.0 192.168.1.6 192.168.6.0 255.255.255.0 192.168.1.6 #1電力系統の多端子型非同期連系装置
Network Subnet mask Gateway
192.168.1.0 255.255.255.0 192.168.0.2 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.0.10 192.168.4.0 255.255.255.0 192.168.0.12 192.168.5.0 255.255.255.0 192.168.0.2 192.168.6.0 255.255.255.0 192.168.0.2 #2電力系統の多端子型非同期連系装置
Network Subnet mask Gateway
192.168.1.0 255.255.255.0 192.168.0.3 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.0.5 192.168.4.0 255.255.255.0 192.168.0.13 192.168.5.0 255.255.255.0 192.168.0.3 192.168.6.0 255.255.255.0 192.168.0.3 #3電力系統の多端子型非同期連系装置
Network Subnet mask Gateway
192.168.1.0 255.255.255.0 192.168.0.4 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.0.6 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.0.8 192.168.5.0 255.255.255.0 192.168.0.4 192.168.6.0 255.255.255.0 192.168.0.4 #4電力系統の多端子型非同期連系装置
Network Subnet mask Gateway
192.168.1.0 255.255.255.0 192.168.1.1 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.1.1 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.1.1 192.168.4.0 255.255.255.0 192.168.1.1 192.168.6.0 255.255.255.0 192.168.6.1 #5電力機器
Network Subnet mask Gateway
192.168.1.0 255.255.255.0 192.168.1.1 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.1.1 192.168.3.0 255.255.255.0 192.168.1.1 192.168.4.0 255.255.255.0 192.168.1.1 192.168.5.0 255.255.255.0 192.168.5.1 #6電力系統の多端子型非同期連系装置