2006 年度
修士論文
寒天オリゴ糖の生産と精製に関する研究
Production and Purification of Agarooligosaccharides
高知工科大学大学院工学研究科
基盤工学専攻 物質・環境システム工学コース
1095111 竹村裕子
主査 指導教員 有賀修 助教授
副査 大濱武 教授
2007 年 3 月 20 日
目次
緒言
1章 寒天分解酵素の特性
1.1 目的 1.2 実験方法 1.2.1 実験材料 1.2.2 寒天分解速度に対する基質濃度の影響 1.2.3 オリゴ糖生産の経時変化 1.3 結果と考察 1.3.1 寒天分解速度に対する基質濃度の影響 1.3.2 オリゴ糖生産の経時変化2章 寒天オリゴ糖の選択的生産
2.1 目的 2.2 実験方法 2.2.1 寒天オリゴ糖の生産性に対する pH 及び温度の影響 2.2.2 寒天オリゴ糖の生産性に対する添加物の影響 2.3 結果と考察 2.3.1 寒天オリゴ糖の生産性に対する pH 及び温度の影響 2.3.2 寒天オリゴ糖の生産性に対する添加物の影響3 章 寒天オリゴ糖の簡便な分離・精製法の検討
3.1 実験方法 3.1.1 寒天オリゴ糖の分離に対する有機溶媒及び水分の影響 3.1.2 寒天オリゴ糖の分離に対する温度の影響 3.1.3 寒天オリゴ糖の分離に対するフェニルホウ酸添加の影響 3.1.3.1 最適フェニルホウ酸添加量の検討 3.1.3.2 水分の影響 3.1.3.3 pH の影響 3.1.4 寒天オリゴ糖の分離に対する塩化ナトリウム添加の影響 3.2 結果と考察 3.2.1 寒天オリゴ糖の分離に対する有機溶媒及び水分の影響 3.2.2 寒天オリゴ糖の分離に対する温度の影響 3.2.3 寒天オリゴ糖の分離に対するフェニルホウ酸添加の影響 3.2.3.1 最適フェニルホウ酸添加量の検討 3.2.3.2 水分の影響 3.2.3.3 pHの影響 3.2.4 寒天オリゴ糖の分離に対する塩化ナトリウム添加の影響 3.2.5 精製後のオリゴ糖純度の比較結言
参考文献
謝辞
緒 言
近年、環境負荷低減を目的としたバイオテクノロジーはグリーンバイオテクノロジーと 称されるようになり、新たな研究領域としての発展が期待され、酵素を利用した技術開発 もその1 つである。その大きな理由として、酵素は主に常温常圧下で反応するため本質的 に環境調和型であると考えられるからである。酵素はタンパク質を主成分とする生体触媒 であり、生命活動を支える種々な生体反応を促進する役割を担っている。酵素を利用した 生化学的製造プロセスが次々と実用化されており、洗剤、歯磨き粉、化粧品等の日用製品 の中にも利用されてきている。 一方、様々な生理活性を持つ海産性多糖に関心が高まっている。中でも、最もよく知られて いる海産性多糖の1 つである寒天は、食品添加物、細菌培地、組織培養、医薬品、化粧品、バ イオテクノロジー向け製品へと最先端の分野でも利用されている。 寒天の成分は、中性のゲル化能に富むアガロースとイオン性のゲル化能を持たないアガロペク チンに分類される。主成分であるアガロースは、1,3 位で結合した β-D-ガラクトースと 1,4 位で 結合した 3,6 アンヒドローα-L-ガラクトースとを交互に繰り返してなる多糖である(図1)。寒天から 得られる寒天オリゴ糖には、皮膚の美白・保湿効果、抗ウイルス性、免疫増進、ガン抑制機能・ 抗酸化作用、植物における誘導因子活性などの生理活性が報告されている(24-25,32)。 また、寒天の原料である紅藻の一種であるオゴノリに含まれる水溶性多糖はアガロースを基本 骨格とする硫酸多糖である。このような硫酸エステル基を持つ多糖やそのオリゴ糖にはマウスのマ クロファージを活性化する作用があることが報告されている。この作用をガン治療に利用すること が検討されている(33)。 本研究ではこのような有用価値のあるオリゴ糖の効率的生産を目的とし、その基材である寒天 オリゴ糖を市販の寒天分解酵素を用いて選択的に生産することを検討した。寒天オリゴ糖はア ガロースをアガラーゼで分解することにより得られる。アガラーゼはα-アガラーゼとβ-アガラーゼに分類され、分解様式が異なる。α-アガラーゼはアガロース中のα-1,3 結合を 切断し、アガロオリゴ糖を生産する。しかし、α-アガラーゼに関する報告例は少なく、生 産物の生理活性は完全には分かっていない。一方、β-アガラーゼはβ-1,4 結合を切断し、ネ オ ア ガ ロ オ リ ゴ 糖 を 生 産 す る 。 こ の 酵 素 を 生 産 す る 細 菌 は Cytophaga(2,7,21),
Vib io(10-11), Alteromonas(8-9), Pseudomonas(4,6,15-20), Pseudoalteromonas(5)など 様々な報告がある。寒天分解酵素を用いた場合、複数の寒天オリゴ糖の混合物で得られ、単一 の寒天オリゴ糖を生産するには、クロマト分画などを用いた分離・精製過程が必須となり、簡易に 大量生産するための技術は確立されていない。 r このような背景から本研究では市販のβ-アガラーゼによる寒天オリゴ糖生産において選択 的にオリゴ糖を生産する条件の検討と寒天オリゴ糖の簡易で、スケールアップの容易な分 離・精製法について検討を行った。
ネオアガロビオース
アンヒドロ
ガラクトース
ガラクトース
ネオアガロテトラオース
1章
寒天分解酵素の特性
1.1 目的 Pseudomonas atlantica 由来のβ‐アガラーゼにはβ-アガラーゼⅠ、Ⅱがあり、基質特異性が異なるこ とが報告されている。(18)β-アガラーゼⅠは寒天を基質とした時、主に4糖と少量の 6 糖、2 糖を生産し、6 糖 を基質とした時には、穏やかに分解したが、4 糖は分解されない。β-アガラーゼⅡは寒天を基質とした時、 主に 2 糖と少量の4糖を生産し、6 糖を基質とした時には、4 糖と 2 糖を生産し、4 糖を基質とした時にはほと んど 2 糖に分解される。 使用したβ-アガラーゼがどちらの特性を持つ酵素かはわかっていない。そこで、寒天を分解するにあたり、 酵素の特性を調べるため、寒天分解速度に対する基質濃度の影響を調べるとともに生成オリゴ糖濃度 の経時変化を調べた。 1.2 実験方法 1.2.1 実験材料 寒天分解酵素はP.atlantica 由来のβ‐アガラーゼ(Sigma 社製)を精製せずに用いた。使用前に 20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)に 71.4U/ml の濃度になるように溶解し、エッペンドルフチーウ ブに1ml づつ分注し、-20℃で冷凍保存した。 1.2.2 寒天分解速度に対する基質濃度の影響 粉末アガロースを1、5、10、15、20mg/ml となるように添加した。酵素液 100μl(71.4U/ml)を 20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)900μl に調製した。25℃で振とうしながら寒天分解反応を行い、 10 時間反応後、未反応の粉末アガロースを遠心分離(10,000rpm、5 分間、4℃)により取り除き、上清 液を100℃、5 分間煮沸することで反応を停止した。上清液の遊離還元糖量をフェリシアナイド法(23) により測定した。 1.2.3 オリゴ糖生産の経時変化 粉末アガロースを15g/l となるようにし、1.2.2 と同様の手順で寒天分解反応を行った。24‐360 時間反応後、得られた上清液中のオリゴ糖の定量分析は液体クロマトグラフィ(D-7000:日立製,カラム温 度:50℃,流速:0.8ml/min,検出器: RI,溶離液:蒸留水)を用いた。 1.3 結果と考察 1.3.1 寒天分解速度に対する基質濃度の影響 図2A は種々の寒天濃度における寒天分解の経時変化を示している。縦軸は寒天濃度 15g/l におけ る 10 時間後の還元糖量を 100%とした時の相対値である。相対値は時間とともにほぼ直線的に増加 した。還元糖生産速度と寒天濃度の関係をプロットすると図2B のようになり、還元糖生産速度は15g/l 以上で一定となった。したがって、寒天分解における寒天濃度は15g/l として、以後の実験を行った。 1.3.2 オリゴ糖生産の経時変化 図3A-D は寒天分解反応を 24、48、120、240 時間行った時の分解産物のクロマトグラムである。 図3A に示すようにそれぞれ 9.1 分、9.6 分、10.3 分にピークが現れ、複数の寒天オリゴ糖が混雑し ていることがわかった。市販の精製オリゴ糖を単独で分析した場合、6 糖は 9.6 分、4 糖は 10.3 分の 位置にピークが現れた。2 糖については中村の研究で得られた 2 糖を用いたところ、保持時間は 11.6 分であった。それゆえ、9.1 分に現れたピークは 8 糖だと推測される。48 時間の分解産物を 24 時間 と比較すると、8 糖のピークが小さくなり、6 糖と 4 糖のピークは若干高くなったが、2 つのピークの 高さに違いはなかった(図 3B)。120 時間の反応では 6 糖より 4 糖のピークが高くなり(図 3C)、240 時 間では2 糖の位置に小さいピークが現れた(図 3D)。 寒天オリゴ糖の生産性に対する反応時間の影響を調べた結果を表 1 に示した。24、48 時間では 6 糖の生産量が4 糖より高かったが、120 時間では 4 糖の生産量の方が高くなった。また、120 時間以 降、6 糖の生産量が減少し、4 糖の生産量が増加していることがわかった。このことから 6 糖が穏や かに分解されていることがわかった。240 時間と360時間の6糖に対する4糖の生成比を比較すると、 1.46 と 1.49 となり、大きな違いは見られなかった。したがって、特に記載しない場合、寒天分解反 応時間は240 時間として、以後の実験を行った。 以上の結果から使用した寒天分解酵素はβ-アガラーゼⅠの特性と近いことが推測される。
0
20
40
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80
100
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2
4
6
8
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反応時間(h)
相対還元糖濃度(%)
1g/l
5g/l
10g/l
15g/l
20g/l
図
2A 寒天分解に対する基質濃度の影響
0
0.2
0.4
0.6
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0
5
10
15
20
基質濃度(g/l)
反応速度(吸光度変化量/min)
図
2B 基質濃度の検討
-5
0
5
10
15
0
5
10
15
20
保持時間(min)
信号強度(mV)
図
3A 寒天分解反応 24 時間のクロマトグラム
-5
0
5
10
15
0
5
10
15
20
保持時間(min)
信号強度(mV)
図
3B 寒天分解反応 48 時間のクロマトグラム
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0
5
10
15
0
5
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15
20
保持時間(min)
信号強度(mV)
図
3C 寒天分解反応 120 時間のクロマトグラム
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0
5
10
15
0
5
10
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20
保持時間(min)
信号強度(mV)
図
3D 寒天分解反応 240 時間のクロマトグラム
表
1.オリゴ糖の生産性に対する反応時間の影響
生産性 反応時間(h) 24 0.78 1.30 1.02 48 0.98 1.57 1.54 120 1.24 1.92 2.39 240 1.46 1.84 2.69 360 1.49 1.80 2.7 6 糖の生産量(g/l) 6 糖に対する 4 糖の生成比 4 糖の生産量(g/l)2章 寒天オリゴ糖の選択的生産
2.1 目的 市販の寒天分解酵素を用いた場合、主に 4 糖と 6 糖の混合物が得られた。単一の寒天オリゴ糖を生産す るには、ゲル濾過などを用いた分離・精製過程が必須である。しかし、4 糖と 6 糖では分子量が近くクロマトグ ラフィは工業的分離精製に適しているとは言えない。そこで、アガロース加水分解時の反応条件を変えたり、 添加物を用いることで、選択的にどちらかのオリゴ糖を生産することが可能であるかを調べた。 2.2 実験方法 寒天分解反応は以下のように行った。粉末アガロースを15mg と酵素液 100μl を 20mM リン酸ナ トリウム緩衝液(pH7.0)900μl に添加した。25℃で反応後、未反応の粉末アガロースを遠心分離 (10,000rpm、5 分間、4℃)により取り除き、上清液を 100℃、5 分間煮沸することで反応を停止した。 上清液中の糖の定量分析は液体クロマトグラフィを用いて行った。 2.2.1 寒天オリゴ糖の生産性に対する pH 及び温度の影響 pH を変化させることでオリゴ糖の生産性にどのような影響があるか検討した。20mM リン酸緩衝 液のpH を 5.0-9.0 に変えて、寒天分解反応を行った。 温度の影響を調べるため、15-30℃に変えて、寒天分解反応を行った。 2.2.2 寒天オリゴ糖の生産性に対する添加物の影響 1 章の結果から使用した寒天分解酵素はβ-アガラーゼⅠの特性と近いことが推測されたが、少量の β-アガラーゼⅡが混雑している可能性もある。そこで、酵素を硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム を用いて処理を行うことで、どちらかの酵素の特性が変化するのではないかと考え、オリゴ糖の生産 性にどのような影響があるか調べた。 硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムによる酵素の処理は以下のように行った。酵素液1ml に結晶 の硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムを0-0.8g/ml となるように添加した。0℃、30 分間静置後、 100μl の調製された酵素液(以下、処理酵素とする)を用いて、寒天分解反応を行った。アガロースと類似構造を持つ多糖であるκ-カラギーナンとアルギン酸ナトリウム(0-5g/l)を 20mM リン酸緩衝液(pH7.0)に溶解させた溶液を使用した。その溶液を寒天分解反応時に添加し、オリゴ糖の 生産性にどのような影響があるか調べた。 有機溶媒中で酵素反応を行う研究は複数報告されている。例えば、3 つの酵素から成るセルラーゼ を有機溶媒中で反応させた場合、個々の活性の比率が変わったという報告がある(26-27)。そこで、β -アガラーゼⅠとⅡが混雑している可能性のある P. tla tica由来の寒天分解酵素を用いて反応させた 場合、オリゴ糖の生産性にどのような影響があるか調べた。寒天分解反応の際、メタノール,エタノー ル,アセトン,アセトニトリル,2 メチル 2 ブタノールを添加した。反応停止後の上清液は試験管エバポ レーターにて減圧乾燥後、採取した上清液と同量の蒸留水に溶解し、分析を行った。 a n 2.3 結果と考察 2.3.1 寒天オリゴ糖の生産性に対する pH 及び温度の影響 生産された4 糖と 6 糖の生成比の経時変化に対する pH の影響を表 2 に示した。pH7.0 で 240 時間 反応させた場合、生成比が6 糖:4 糖=1:1.5 であるのに対し、pH5.0 の場合、生成比は 6 糖:4 糖=1:1.3 であり、大きな違いは見られなかった。他のpH においても反応時間に関係なく同様の結果であり、 生産されるオリゴ糖の選択性にpH の影響は見られなかった。 表3 に生産されたオリゴ糖の生成比に対する温度の影響を示した。25℃で 240 時間反応させた場合 の結果と比較したところ、30℃における生成比は 6 糖:4 糖=1:1.4 であり、違いは見られなかった。他 の温度においても反応時間に対しても同様の結果が見られた。 2.3.2 寒天オリゴ糖の生産性に対する添加物の影響 硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム処理を行った酵素を用いて寒天分解を行った際、生産された オリゴ糖の生成比に対する影響を表4 に示した。また、寒天オリゴ糖の生成比に対する多糖の影響を 表5、有機溶媒の影響を表 6 に示した。塩化アンモニウム 30%を使用して処理した酵素液を用いて寒 天分解を行った場合、得られたオリゴ糖の生成比は6 糖:4 糖=1:1.3、カラギーナン 5g/l を添加した場 合、1:1.7、アルギン酸ナトリウム 1g/l を添加した場合、1:1.6 であった。また、メタノールを添加し た場合、生成比は6 糖:4 糖=1:1.9 であり、多少の増加が見られた。
以上の結果からP.atlanticaのβ-アガラーゼを用いた寒天分解においては反応条件を変えたり、添 加物を加えても、6 糖と 4 糖の生成比は影響を受けないことがわかった。
表
2.経時変化によるオリゴ糖の生産性に対する pH の影響
6 糖に対する 4 糖の生成比 反応時間:48 反応時間:240 温度(℃) 15 0.63 1.02 20 0.71 1.20 25 0.99 1.46 30 0.91 1.36 6 糖に対する 4 糖の生成比 反応時間:48 反応時間:240 pH 5.0 0.92 1.31 6.0 1.09 1.53 7.0 0.99 1.46 8.0 0.94 1.36 9.0 0.87 1.37表
3.経時変化によるオリゴ糖の生産性に対する温度の影響
表
4.経時変化によるオリゴ糖の生産性に対する処理酵素の影響
6 糖に対する 4 糖の生成比 反応時間:48 反応時間:240 酵素処理添加物 未処理 0.99 1.46 硫化アンモニウム 10% 0.73 1.14 硫化アンモニウム30% 0.7 1.19 硫化アンモニウム80% 0.64 1.21 塩化アンモニウム 10% 0.77 1.15 塩化アンモニウム30% 0.74 1.26 塩化アンモニウム80% 0.61 1.2表
5.経時変化によるオリゴ糖の生産性に対する多糖の影響
6 糖に対する 4 糖の生成比 反応時間:48 反応時間:240 添加物 無添加 0.99 1.46 カラギーナン 0.5g/l 1.15 1.58 カラギーナン 1g/l 1.21 1.64 カラギーナン 2g/l 1.16 1.57 カラギーナン 5g/l 1.36 1.71 アルギン酸 Na 濃度 0.5g/l 1.2 1.61 アルギン酸 Na 濃度 1g/l 1.19 1.64 アルギン酸 Na 濃度 2g/l 1.06 1.48 アルギン酸 Na 濃度 5g/l 1.13 1.57表
6.経時変化によるオリゴ糖の生産性に対する有機溶媒の影響
6 糖に対する 4 糖の生成比 反応時間:48 反応時間:240 有機溶媒(10%添加) 無添加 0.99 1.46 エタノール 1.1 1.79 メタノール 1.43 1.86 アセトン 1.01 1.69 アセトニトリル 1.08 1.68 2 メチル 2 ブタノール 1 1.563 章 寒天オリゴ糖の簡便な分離・精製法の検討
前述したように、寒天分解反応過程中で選択的にどちらかのオリゴ糖を生産する条件は見出せなかっ た。そこで、寒天分解産物を簡単な方法で分離・精製することを試みた。 分離法として、クロマトグラフィ、ゲル濾過、吸着法等が考えられるが、スケールアップが容易な方法として 抽出法を用いた。糖類を溶解する有機溶媒も知られているが、溶媒の回収再利用も考慮して揮発性がある 程度高い溶媒を用いることとした。しかし、有機溶媒には糖類がほとんど溶解しないことを考慮して、わずか な水分の添加による 4 糖、6 糖の溶解度の制御を試み、オリゴ糖の分離条件の検討を行った。また、温度、p H、塩の添加がどのような影響を与えるかについても調べた。 フェニルホウ酸は穀類加水分解物などからの糖類の抽出に用いられる(28)など、フェニルホウ酸と糖類の 相互作用を利用した糖類の回収法が検討されている。そこで、4 糖と 6 糖の水酸基の数の違いに着目して、 オリゴ糖の分離に対するフェニルホウ酸添加の影響についても検討を行った。 3.1 実験方法 3.1.1 寒天オリゴ糖の分離に対する有機溶媒及び水分の影響 有機溶媒による寒天オリゴ糖の抽出は以下のように行った。2章に述べた方法に従って寒天分解反応を 行い、反応後に得られたオリゴ糖溶液を凍結乾燥機により乾燥後、乳鉢を用いて摩砕した。得られた 粉末を所定量採取し、以下の有機溶媒 1ml を添加した:メタノール、エタノール、プロパノール、ブ タノール、アセトニトリル、アセトン、2 メチル 2 ブタノール。全量 1ml になるように水分(蒸留水) を0-20%添加した。所定温度で 3 時間振とうした後、未溶解の固形物を遠心分離(10,000rpm、5 分間) により取り除いた。上清液を試験管エバポレーターにて減圧乾燥した後、採取した上清液と同量の蒸 留水に溶解し、液体クロマトグラフィを用いて糖の定量分析を行った。 3.1.2 寒天オリゴ糖の分離に対する温度の影響 一般に糖の溶解度は温度を上げると増加することは知られている。温度を変化させることでオリゴ 糖の溶解性にどのような影響があるか検討した。 3.1.1 の実験を 20、40、60℃で行い、その影響を調べた。3.1.3 寒天オリゴ糖の分離に対するフェニルホウ酸添加の影響 3.1.3.1 最適フェニルホウ酸添加量の検討 フェニルホウ酸を添加して、3.1.1 と同様の実験を行う際、水分を添加しないで行った。その時のオ リゴ糖の溶解性の影響を調べた。抽出溶媒としてアセトニトリル、アセトン、ブタノールを使用した。 3.1.3.2 水分の影響 フェニルホウ酸を添加し、3.1.1 と同様の実験を行い、オリゴ糖の溶解性に対する水分添加の影響を 調べた。 3.1.3.3 pH の影響 フェニルホウ酸添加時のpH を 8.5 以上にすることで糖の溶解性が上がるということが報告されて いる (30) 。そこで、3.1.1 と同様の実験を行う際、蒸留水を 20mM リン酸緩衝液(pH5.0-9.0)に変え、 寒天オリゴ糖の溶解性にどのような影響があるか調べた。 3.1.4 寒天オリゴ糖の分離に対する塩化ナトリウム添加の影響 塩を添加すると溶液の親水性が上がり、オリゴ糖に配位する水分が減るため、4 糖より親水性の高 い 6 糖が有機溶媒中に溶解しにくくなる可能性がある。そこで、3.1.1 と同様の実験を行う際、塩化 ナトリウムを0-5g/l 添加し、その影響を検討した。 3.2 結果と考察 3.2.1 寒天オリゴ糖の分離に対する有機溶媒及び水分の影響 240 時間反応後、得られた寒天分解産物を凍結乾燥し、粉末状にして使用した。水を加えた有機溶 媒への乾燥物の添加量を変え、6 糖に対する 4 糖の濃度比(選択性と定義する)と糖濃度を調べた。 実験結果を図 4A 、B に示した。溶媒としてアセトニトリルに水分 20%を添加した溶媒を使用した。 乾燥物濃度10g/l で、 4 糖が 0.9g/l、6 糖が 0.2g/l でほぼ一定の濃度となった。このことから、6 糖よ り4 糖の方が有機溶媒中に溶解しやすいことがわかった。6 糖に対する 4 糖の濃度比で表すと、乾燥 物の濃度が上がるにつれ、濃度比は高くなった。有機溶媒の種類により、糖濃度が一定になる乾燥物
濃度は異なるが、以後の全ての実験では乾燥物の濃度を10g/l として行った。 図 5A はオリゴ糖の選択性に対する有機溶媒及び水分の影響を調べた結果である。精製前の濃度比は 6 糖:4 糖=1:1.5 であったのに対し、アセトン、アセトニトリル、ブタノール、2 メチル 2 ブタノールに水 分 5-20%添加した場合、濃度比が大幅に変化した。このことから、水分添加量で選択性を制御できる ことがわかった。しかし、図5B に示すように、選択性の高かった有機溶媒及び水分添加量では溶媒 中の糖濃度が低いことがわかった。また、ブタノール、2 メチル 2 ブタノールに水分 15、20%添加した 場合、層の分離が見られたため、図 5A、B では 2 層を混合して得られた実験結果を記載した。寒天オリゴ糖 の濃度比と溶媒中の糖濃度の比較を溶媒層と混合層を用いて行った結果を図 6A、B に示した。ブタノール、 2 メチル 2 ブタノールはともに同様の結果が見られた。溶媒中の糖濃度は低いが、混合すると糖濃度は 高くなった。これは添加した水分に多くの糖が溶解しているからだと考えられる。 以上の結果から一回の抽出で得られる糖濃度が低いことがわかり、精製のためにより多くの溶媒を 必要とすることが考えられる。そこで選択性を下げず、溶媒中での糖濃度を上げる条件についてさら に検討を行った。 3.2.2 寒天オリゴ糖の分離に対する温度の影響 図 7A、B に示すように、温度が上がるにつれ、選択性は下がり、溶媒中の濃度は多少上がること がわかった。しかし、選択性や有機溶媒中の糖濃度に対する温度の影響は小さいと考えられる。 3.2.3 寒天オリゴ糖の分離に対するフェニルホウ酸添加の影響 3.2.3.1 最適フェニルホウ酸添加量の検討 図 8A、B に示すように、アセトン、アセトニトリル、ブタノールではフェニルホウ酸の濃度を増加しても選択 性に変化は見られなかったが、溶媒中の糖濃度は増加することがわかった。糖濃度はアセトニトリルを使用し た場合、フェニルホウ酸濃度12g/l、アセトンでは 8g/l、ブタノールでは 120g/l 以上で一定となった。従って以 後の実験はそれぞれの溶媒において糖濃度が一定となったフェニルホウ酸濃度で行った。 3.2.3.2 水分の影響 アセトンを用いた場合、水分添加量 0%においてフェニルホウ酸無添加の場合、糖は全く溶解しなかった
のに対して、フェニルホウ酸を添加した場合、無添加と比較すると糖の溶解が見られた。しかし、フェニルホウ 酸と水分を添加した場合、糖濃度は減少し、水分添加量を上げるにつれ、4 糖、6 糖の濃度は高くなった。こ の結果はフェニルホウ酸無添加でも同様だった(図 9B)。水分 5%添加した場合、フェニルホウ酸を添加した 場合としない場合では大きな選択性の差が見られたが、水分添加量 10-20%では違いは見られなかった(図 9A)。3.2.1 の実験結果よりブタノールに水分 15-20%添加した場合、相分離が起こることがわかってい る。図 10A、B には溶媒層の部分を使用して得られた実験結果を記載した。ブタノールにフェニルホウ酸 を添加した場合、フェニルホウ酸無添加と比較すると、溶媒中の糖濃度はフェニルホウ酸を添加した方が高く なったが、選択性は低下した。それに対して、アセトニトリルを用いた場合、選択性と水分添加量 0%の時の 糖濃度に関してアセトンと同様の結果が見られたが、フェニルホウ酸と水分を添加した場合、フェニルホウ酸 無添加と比べ溶媒中の糖濃度は増加したことがわかった(図 11A、B)。 3.2.3.3 pHの影響 図12A、B に示すように、アセトニトリル+水分 20%を用いた場合、pH 値に関わらず、選択性、 糖濃度に違いは見られなかった。アセトン+水分 10%を用いた場合、pH 値が高くなるにつれ、選択 性が若干低下し、糖濃度は上がっていることがわかった。ブタノールを用いた場合、pH5.0-7.0 では 変化が見られなかったが、pH9.0 で選択性が上がっていることが分かった。 以上の結果から水分を添加したアセトニトリル中の糖濃度の向上にフェニルホウ酸の添加が効果的 であることがわかった。また、フェニルホウ酸添加時のpH の影響は溶媒によって異なることがわか った。 3.2.4 寒天オリゴ糖の分離に対する塩化ナトリウム添加の影響 図13A に示すように、選択性の低かった溶媒の内、メタノール、エタノールに塩化ナトリウムを添 加した場合、無添加の時の選択性と溶媒中の糖濃度と比較して変化は見られなかった。しかし、アセ トンに水分15%を添加した場合、濃度比は 6 糖:4 糖=1:2 であるのに対して、塩化ナトリウム 5g/l を 添加した場合、濃度比は6 糖:4 糖=1:6 と変化した。また、選択性の高かった有機溶媒でも塩化ナトリ ウムの添加により同様の変化が見られた。アセトンに水分10%と塩化ナトリウム 5g/l を添加した場合、 濃度比は6 糖:4 糖=1:7 から 1:12 と変化し、アセトニトリルに水分 20%と塩化ナトリウム 5g/l を添加
した場合、濃度比は6 糖:4 糖=1:5 から 1:9となった。溶媒中の糖濃度はアセトンに水分 15%を添加 した場合、6 糖が 1.0g/l、4 糖が 2.1g/l であるのに対して、塩化ナトリウム 5g/l を添加した場合、6 糖 が0.1g/l、4 糖が 0.7g/l と変化した(図 13B)。したがって、塩化トリウム濃度が高くなるにつれ、選択 性は増し、溶媒中での糖濃度は低下することがわかった。 以上の結果から塩化ナトリウムを添加することで糖に配位する水分が減少し、疎水的環境になるた め、親水性の高い6 糖が塩化ナトリウムを添加する前より溶解しにくくなったと考えられる。 3.2.5 精製後のオリゴ糖純度の比較 1 回の抽出を行った場合、どのくらいの純度で精製できているのかを計算した。3.1.1 の実験法に従い、寒 天オリゴ糖の抽出を行い、減圧乾燥した後に得られた物質の重さを量った。その重さを 100%とし、液 体クロマトグラフィの結果から得られた4 糖、6 糖の濃度から純度を算出した。 表 7 に示すように、アセトンに水分 5%添加した場合、4 糖の純度が精製前約 26%から精製後約 86%、 水分 10%添加した場合、精製後 57%となった。また、アセトニトリルに水分 20%添加した場合、約 60%、ブタノ ールに水分 10%添加した場合、62%と、約 2 倍以上の精製が一回の抽出で可能であることがわかった。
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寒天分解乾燥産物添加量(g/l)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
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寒天分解乾燥産物添加量(g/l)
糖濃度(g/l)
2
6糖
4糖
A 選択性
B 有機溶媒中での糖濃度
図
4. 寒天オリゴ糖の分離に対する
寒天分解乾燥物添加量の影響
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水分添加量(%)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
メタノール
エタノール
プロパノール
ブタノール(混合層)
2メチル2ブタノール
アセトニトリル
アセトン
図 5A オリゴ糖の選択性に対する有機溶媒及び水分の影響
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水分添加量(%)
有機溶媒中での糖の溶解度(g/l)
メタノール4糖 メタノール6糖 エタノール4糖 エタノール6糖 プロパノール4糖 プロパノール6糖 アセトニトリル4糖 アセトニトリル6糖 アセトン4糖 アセトン6糖図 5B オリゴ糖の溶解性に対する有機溶媒及び水分の影響
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水分添加量(%)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
ブタノール(混合層) ブタノール(溶媒層) 2メチル2ブタノール(混合層) 2メチル2ブタノール(溶媒層)A オリゴ糖の選択性
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水分添加量(%)
有機溶媒中での糖の溶解度(g/l)
ブタノール4糖(混合層) ブタノール6糖(混合層) ブタノール4糖(溶媒層) ブタノール6糖(溶媒層) 2メチル2ブタノール4糖(混合層) 2メチル2ブタノール6糖(混合層) 2メチル2ブタノール4糖(溶媒層) 2メチル2ブタノール6糖(溶媒層)B オリゴ糖の溶解性
図
6 寒天オリゴ糖の分離に対する混合層と溶媒層の比較
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温度(℃)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
アセトン水10%
アセトニトリル水20%
メタノール水5%
エタノール水0%
プロパノール水5%
ブタノール 水10%
2メチル2ブタノール水10%
図 7A オリゴ糖の選択性に対する温度の影響
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温度(℃)
有機溶媒中での糖溶解濃度(g/l)
メタノール4糖 メタノール6糖 エタノール4糖 エタノール6糖 プロパノール4糖 プロパノール6糖 ブタノール4糖 ブタノール6糖0.0
0.5
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20
40
60
温度(℃)
有機溶媒中での糖溶解度(g/l)
アセトン4糖
アセトン6糖
アセトニトリル4糖
アセトニトリル6糖
2メチル2ブタノール4糖
2メチル2ブタノール6糖
図 7B オリゴ糖の溶解性に対する温度の影響
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PBA濃度(g/l)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
アセトニトリル
アセトン
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PBA添加量(g/l)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
ブタノール
図
8A オリゴ糖の選択性に対する PBA 添加の影響
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10 11 12 13
PBA添加量(g/l)
有機溶媒中での糖溶解度(g/l)
アセトニトリル4糖
アセトニトリル6糖
アセトン4糖
アセトン6糖
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200
PBA添加量(g/l)
溶媒中での糖の溶解度(g/l)
ブタノール4糖
ブタノール6糖
図
8B オリゴ糖の溶解性に対する PBA 添加の影響
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水分添加量(%)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
アセトン+PBA
アセトン
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水分添加量(%)
有機溶媒中での糖溶解度(g/l)
アセトン+PBA 4糖 アセトン+PBA 6糖 アセトン 4糖 アセトン 6糖A 選択性
B 糖濃度
図
9 アセトン中での寒天オリゴ糖の分離に対する
PBA 添加の影響
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水分添加量(%)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
ブタノール+PBA
ブタノール
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水分添加量(%)
糖濃度(g/l)
ブタノール+PBA 4糖
ブタノール+PBA 6糖
ブタノール 4糖
ブタノール 6糖
A 選択性
B 糖濃度
図
10 ブタノール中での寒天オリゴ糖の分離に
対する
PBA 添加の影響
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水分添加量(%)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
アセトニトリル+PBA
アセトニトリル
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水分添加量(%)
有機溶媒中での糖溶解度(g/l)
アセトニトリル+PBA 4糖
アセトニトリル+PBA 6糖
アセトニトリル 4糖
アセトニトリル 6糖
A 選択性
B 糖濃度
図
11 アセト二トリル中での寒天オリゴ糖の分離に
対する
PBA 添加の影響
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pH(-)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
9
アセトニトリル+水分+PBA アセトン+水分+PBA ブタノール+水分+PBA0.0
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5.0
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7.0
8.0
9.0
pH(-)
溶媒中での糖濃度(g/l)
アセトニトリル4糖 アセトニトリル6糖 アセトン4糖 アセトン6糖 ブタノール4糖 ブタノール6糖A 選択性
B 糖濃度
図
12 PBA 添加による寒天オリゴ糖の分離
に対する
pH の影響
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NaCl添加量(g/l)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
メタノール+水分0% エタノール+水分0% アセトニトリル+水分20%0
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5
NaCl濃度(g/l)
6糖に対する4糖の濃度比(-)
アセトン+水分10%
アセトン+水分15%
アセトン+水分20%
図
13A 寒天オリゴ糖の選択性に対する NaCl 添加の
影響
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2.5
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NaCl添加量(g/l)
溶媒中の糖濃度(g/l)
メタノール4糖 メタノール6糖 エタノール4糖 エタノール6糖 アセトニトリル4糖 アセトニトリル6糖0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
0
1
2
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4
5
NaCl添加量(g/l)
有機溶媒中での糖溶解度(g/l)
アセトン+水分10% 4糖 アセトン+水分10% 6糖 アセトン+水分15% 4糖 アセトン+水分15% 6糖 アセトン+水分20% 4糖 アセトン+水分20% 6糖図
13B 寒天オリゴ糖の溶解性に対する NaCl 添加の影響
表
7 オリゴ糖の純度の比較
選択性 純度(%) (6 糖に対する 4 糖の濃度比) 6 糖 4 糖 不純物 精製前 1.5 18 26 56 精製後 有機溶媒 水分添加量(%) アセトン 5 17 4.8 86 9.2 10 7.1 7.7 57 35.3 アセトニトリル 5 11 3.5 37 59.5 20 5.1 12 60 28 ブタノール 10 7.5 8.3 62 29.7結言
本研究では効率的寒天オリゴ糖の生産を目的とし、市販のP. tla tica由来のβ-アガラーゼによる寒天 オリゴ糖生産において選択的にオリゴ糖を生産する条件の検討と容易で、スケールアップ可能な寒天 オリゴ糖の分離・精製法について検討を行った。その結果、P. tla tic 由来のβ-アガラーゼを用いた 寒天分解において、反応条件を変えたり、反応時に添加物を加えても、6 糖と 4 糖の生成比に対する 反応条件の影響は小さいことがわかった。得られた6 糖と 4 糖の混雑する寒天オリゴ糖の分離・精製に おいて、有機溶媒に水分を添加することで効率的に分けることができ、アセトンとアセトニトリルが 有用であることがわかった。水分を添加したアセトニトリル中の糖濃度の向上にフェニルホウ酸の添 加が効果的であることがわかった。アセトン、アセトニトリルに塩化ナトリウムを添加した場合、選 択性が向上することがわかった。また、純度を算出した場合、4 糖の純度が一回の抽出で約 2 倍以上 になることがわかった。 a n a n a参考文献
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謝辞
本研究を行うに当たり多大な御助力と懇切な御指導を賜りました高知工科大学工学部 物質・環境 システム工学科 有賀修助教授に心から感謝申し上げます。