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(Cohen, 1987; Endler & Parker, 1990; Parker, Endler & Bagby, 1993; Suls, David & Harvey, 1996; Tennen & Herzberger, , 1988; Folkman, Lazarus,

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大 学 生 用 対 人 ス トレス コ ー ピ ング尺 度 の作 成

司1

本 研 究 の 目的 は,友 人 関 係 を起 因 と した ス トレ ス フ ル な イ ベ ン ト,す な わ ち,対 人 ス トレ ス イベ ン ト

に対 す る コ ー ピ ン グ の 個 人 差 を測 定 す る 対 人 ス トレ ス コ ー ピ ン グ 尺 度(Interpersonal Stress-Coping

Inven-tory; ISI)を 作 成 し,そ の 信 頼 性 と妥 当 性 を 検 証 す る こ とで あ る。 因 子 分 析 の 結 果 か ら,ISI(34項 目)は

ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コー ピ ン グ(16項 目),ネ ガ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ(10項 目),解 決 先 送 り コー ピ ン グ(8項 目)の3つ の 下 位 尺 度 か ら 構 成 さ れ て い る こ と が わ か っ た 。 信 頼 性 に 関 し て は,内 的 整 合 性 が α=.79-.87,再 検 査 法 に よ る信 頼 性 係 数 がr=.86-.92で あ っ た 。 妥 当性 に 関 し て は,内 容 的 妥 当 性, 及 び ラ ザ ル ス式 ス トレ ス ・コー ピ ン グ ・イ ンベ ン ト リー,尾 関 の ス トレス 反 応 尺 度,抑 うつ 傾 向 を測 定 す るCES-D,友 人 関 係 に 関 す る満 足 感 との 比 較 に よ る構 成 概 念 妥 当 性 の検 証 が な さ れ た 。 そ の 結 果,妥 当性 に 関 して 幾 つ か の 課 題 が 残 る もの の,ISIの 信 頼 性 と妥 当 性 を確 認 す る こ とが で き た 。 キ ー ワ ー ド: コー ピ ン グ,コ ー ピ ン グ 尺 度,対 人 ス トレ ス,対 人 関 係,精 神 的 健 康

ス ト レ ス 対 処 行 動,す な わ ち,コ ー ピ ン グ は 健 康 や 適 応 の キ ー ワ ー ド と し て 注 目 さ れ て お り (Lazarus, 1993),現 在,コ ー ピ ン グ の 個 人 差 を 測 定 す る 自 己 報 告 式 コ ー ピ ン グ 尺 度 は 数 百 に お よ ぶ(Coyne & Gottlieb, 1996)。 そ の 中 で も,Lazarusら(Folkman & Lazarus, 1980, 1985, 1988; Folkman, Lazarus, Dunkel-Schetter, DeLongis & Gruen, 1986)‚É‚æ‚éWays of Coping Questionnaire (ˆÈ

下WCQ)は,最 も頻 繁 に 使 用 さ れ て き た 尺 度 で あ る

(Bolger, 1990; Cohen, 1987; Endler & Parker, 1990; Lazarus, 1993; Stone, Greenberg, Kennedy-Moore & Newman, 1991; Suls, David & Harvey, 1996)。 我 が 国 に お い て も,日 本 健

康 心 理 学 研 究 所(1996)に よ っ て 標 準 化 さ れ た ラ ザ ル ス 式 ス ト レ ス ・コ ー ピ ン グ ・イ ン ベ ン ト リ ー(Stress Coping Inventory:以 下SCI)が 市 販 さ れ て い る 。 し か し,こ のWCQは 以 下 に 挙 げ る よ う な 多 く の 問 題 を 内 包 し て い る 。第1に,WCQに お け る 各 因 子 の 内 的 整 合 性 が 低 く,因 子 構 造 が 不 安 定 で あ る と い う 問 題 が あ る 。Folkman & Lazarus(1985)の 調 査 で は,抽 出 し た7因 子 の 内 的 整 合 性 は α=.56-.85で あ り, Folkmanetal.(1986)の 調 査 で は,抽 出 し た8因 子 の

内 的 整 合 性 は α=.61-.79で あ り,多 く の 研 究 者 た ち に よ っ て 批 判 さ れ て い る(Amirkhan, 1990; Edwards & Baglioni, 1993; Endler & Parker, 1990)。 こ う し た 信 頼 性 の 低 さ が,因 子 構 造 の 不 安 定 さ を 招 い て お り(Parker &

Endler,1992),サ ン プ ル や 選 択 し たWCQの 項 目 に よ

り,抽 出 さ れ る 因 子 が 異 な る と い う結 果 が 頻 繁 に報 告 さ れ て い る (Cohen, 1987; Endler & Parker, 1990; Parker,

Endler & Bagby, 1993; Suls, David & Harvey, 1996; Tennen & Herzberger, 1985 な ど)。 例 え ば, Parker, Endler & Bagby (1993)は 大 学 生 を 対 象 にWCQ (Folkman & Lazar-us, 1985, 1988)を 用 い,WCQの 因 子 構 造 の 検 証 を 行 っ た 結 果,Folkman & Lazarus (1985), Folkman et al. (1986)の 両 因 子 構 造 を 支 持 す る 結 果 を 得 る こ と が で き な か っ た 。

第2に,妥 当 性 に 関 す る 問 題 が あ る 。WCQは 状 況 特 定 コ ー ピ ン グ 尺 度(situation- specific coping scales)に 分 類 さ れ,最 近 経 験 し た ス ト レ ス フ ル な イ ベ ン ト を 被 調 査 者 に 記 述 さ せ,記 述 し た イ ベ ン ト に 対 し て,各 コ ー ピ ン グ 項 目 の 使 用 状 況 を 評 定 さ せ る 質 問 形 式 を と っ て い る 。 こ れ に 対 し て,COPE (Carver, Scheier & Weintraub, 1989),Coping Inventory for Stressful Situations (Endler & Parker, 1994;以 下CISS)な ど,普 段 使 用 し て い る コ ー ピ ン グ に 関 し て 評 定 さ せ る コ ー ピ ン グ 尺 度 を 特 性 的 コ ー ピ ン グ 尺 度(dispositional coping scales)と い う 。WCQの 妥 当 性 に 関 す る 問 題 は,WCQが 状 況 特 定 コ ー ピ ン グ 尺 度 の 質 問 形 式 で あ る こ と に 起 因 す る も の で あ り,主 に 以 下 の よ う な 問 題 が あ る 。 ま ず,被 調 査 者 が 記 述 し た ス ト レ ス フ ル な イ ベ ン ト に 対 し て,コ ー ピ ン グ を 行 う こ と の で き た 期 間,す な わ ち,コ ー ピ ン グ 機 会 の 個 人 差 に 関 す る 問 題 で あ る (Stone & Kennedy-Moore, 1992)。 状 況 特 定 コ ー ピ ン グ 尺 度 で は,コ ー ピ ン グ 機 会 は イ ベ ン ト に 遭 遇 し た 日 時 か 1関 西 学 院 大 学 文 学 部 心 理 学 研 究 室 〒662-8501兵 庫 県 西

宮 市 上 ヶ原 一 番 町1-155

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ら,コ ー ピ ン グ を測 定 し た 日 時 に よ っ て 決 定 す る。 イ ベ ン トに遭 遇 した 口 時 は被 調 査 者 に よ っ て 異 な るた め, コ ー ピ ン グ機 会 に個 人 差 が 生 じ て し ま う 。 こ の コー ピ ン グ機 会 の個 人 差 が,測 定 し よ う と し て い る コ ー ピ ン グ の評 定 に 影 響 を及 ぼ す 可 能 性 が あ る。 例 え ば,イ ベ ン トに 遭 遇 し た 日 が コー ピ ン グ 測 定 日 の 前 日 の被 調 査 者 と,コ ー ピ ン グ測 定 当 日 に遭 遇 した 被 調 査 者 とで は, コ ー ピ ン グ 機 会 が 異 な る 。 そ の た め,使 用 した コー ピ ン グ の 種 類 や 使 用 頻 度 が 異 な る。 当 然,コ ー ピ ン グ機 会 が 多 い ほ ど コ ー ピ ン グ量 は増 加 す る。 つ ま り,状 況 特 定 コー ピ ン グ 尺 度 が 測 定 し て い る も の は,コ ー ピ ン グ の個 人 差 な の か,コ ー ピ ン グ 機 会 の 個 人 差 な の か わ か らな い 。 さ ら に深 刻 な 問 題 は回 想 法 に関 す る もの で あ る。 自 己 報 告 式 コ ー ピ ン グ 尺 度 は 回 想 法 に よ っ て 評 定 され る た め に,被 調 査 者 が 実 際 に 行 った コ ー ピ ン グ と被 調 査

者 が 回 答 し た コ ー ピ ン グ が 異 な る(Ptacek, Smith, Espe &Raffety, 1994; Smith, Leffingwell, & Ptacek, 1999)。 こ う

し た 問題 は,状 況 特 定 コ ー ピ ン グ尺 度 だ け で な く,特

性 的 コ ー ピ ン グ 尺 度 に もあ て は ま る 問 題 で あ る 。 し か

し,Pearson, Ross & Dawes(1992)ら が 指 摘 して い る

よ う に,回 想 法 に よ る 自 己 報 告 式 質 問 紙 は,測 定 し よ う とす る実 際 の 態 度 や 状 態 を正 確 に 測 定 し た もの で は な く,過 去 に お け る 態 度 や 状 態 の 影 響 を う け た もの で あ る。 す な わ ち,回 想 法 に よ って 得 られ た コー ピ ン グ は,普 段 使 用 して い る コ ー ピ ン グ を 反 映 し て お り,状 況 特 定 コー ピ ン グ尺 度 は特 性 的 コ ー ピ ン グ を 測 定 し て い る可 能 性 が あ る。 こ う し た 信 頼 性 と妥 当 性 の 問 題 に 加 え,WCQは コ ー ピ ン グ の 一 貫 性 に 関 す る 問 題 も抱 え て い る。WCQ を 含 む 状 況 特 定 コー ピ ン グ 尺 度 で は,コ ー ピ ン グ を 刻 々 と変 化 す る プ ロ セ ス と し,コ ー ピ ン グ の 一 貫 性 に 関 して 否 定 的 立 場 を と っ て い る。 これ に 対 し て,特 性 的 コ ー ピ ン グ 尺 度 は コー ピ ン グの 一 貫 性 を仮 定 した も の で あ る。 一 貫 性 の概 念 は 時 間 的 側 面 を 意 味 す る継 時 的 安 定 性,状 況 的 側 面 を意 味 す る通 状 況 一 貫 性 に 大 別 す る こ とが で き る(Krahe,1992)。 コ ー ピ ン グ の 一 貫 性 に 関 す る 現 在 ま で の 研 究 で は,コ ー ピ ン グ の 通 状 況 的 一 貫 性 に 関 して は 否 定 的 結 果 が 得 られ て い る が(金 ・小川,

1997; Mattlill, Wethillgton & Kessler, 1990;岡 安, 1992;O' Brien & DeLongis, 1996; Pearlin & Schooler, 1978な ど), コー ピ ン グ の 継 時 的 安 定 性 に 関 し て は 肯 定 的 結 果 が 確 認 され て い る(Dolan & White,1988 ;McCrae, 1984; Stone & Neale,1984な ど)。例 え ば,大 学 生 を対 象 と したCompas,

Forsythe & Wagner(1988)の 研 究 で は,3週 間 の 間

隔 を あ け,学 業 場 面 と対 人 場 面 で の コ ー ピ ン グ を2度 測 定 した 結 果,通 状 況 的 一 貫 性 に関 し て は 否 定 的 結 果 が,継 時 的 安 定 性 に 関 し て は肯 定 的 結 果 が 得 られ た 。 す な わ ち,ス トレ ス フル な イベ ン トに よ っ て,個 人 が 使 用 す る コ ー ピ ン グ は 変 化 す る が,イ ベ ン トを統 制 す る と,使 用 す る コ ー ピ ン グ は比 較 的 安 定 して い るの で あ る。 こ う した 研 究 報 告 か ら,最 近 の コ ー ピ ン グ 研 究 で は,特 定 の ス トレ ス フ ル な イ ベ ン トに 対 す る コ ー ピ ン グ 研 究 が 進 め られ て い る(Terry, 1994)。 こ の よ う に,WCQに は 信 頼 性 と妥 当 性 を 含 む 多 く の 問 題 が あ り,コ ー ピ ン グ の個 人 差 を測 定 す る 尺 度 と し て 適 切 な もの と は い え な い(Stone & Kelmedy-Moore,

1992)。 そ こで,本 研 究 で は,自 己 報 告 式 の 質 問 紙 に よ る コ ー ピ ン グ の 個 人 差 を 測 定 す る方 法 と して,特 定 の ス トレ ス フ ル な イ ベ ン ト に対 して,特 性 的 コ ー ピ ン グ 尺 度 を 使 用 す る こ とが 最 も適 切 で あ る とす る立 場 を取 る2。 こ の 方 法 に は2つ の 方 法 が あ る。幾 つ か の イ ベ ン ト に限 定 し,そ れ ら す べ て の イ ベ ン トに 対 す る コ ー ピ ン グ が 測 定 で き る 包 括 的 コー ピ ン グ 尺 度 を使 用 す る方 法 と,特 定 イ ベ ン ト専 用 の コ ー ピ ン グ尺 度 を使 用 す る 方 法 で あ る。 包 括 的 コ ー ピ ン グ を使 用 す る 方 法 は,イ ベ ン ト間 の コ ー ピ ン グ の個 人 差 を測 定 で き る とい う利 点 が あ る。 しか し,包 括 的 コ ー ピ ン グ 尺 度 に は,被 調 査 者 が 使 用 す る こ との で き な い 不 適 切 な 項 目が 多 数 あ り,尺 度 全 体 の 信 頼 性 及 び 妥 当性 を損 ね る と い う問 題 が あ る 。 例 え ば,WCQを 用 い たStoneetal.(1991)の 研 究 で は,被 調 査 者 が 報 告 し た ス トレ ス フ ル な イ ベ ン ト に対 し て,使 用 す る こ とが で き な い 不 適 切 な項 目が 66項 目 中,平 均11項 目 あ っ た こ と を報 告 して い る 。 特 定 イ ベ ン ト専 用 の コ ー ピ ン グ尺 度 は,こ う した 問 題 を 回 避 す る こ とが で き る。 また,包 括 的 コー ピ ン グ 尺 度 と比 較 して,項 目 内 容 を よ り具 体 的 に作 成 す る こ とが で き,回 想 法 に よ る再 認 の 変 容 を防 ぐ こ と も で き る。 さ ら に,あ る イ ベ ン トに の み 特 有 の コ ー ピ ン グ を 測 定 す る こ と も可 能 で あ る。 2本 研 究 に お け る コー ピ ン グの 定 義 は ,コ ー ピ ン グ を 「自 らの 資 源 に負 担 をか け た り,そ れ を超 越 す る と評 価 し た特 定 の外 的 ・内 的 要 求 を 何 と か処 理 し よ う とす る認 知 的 ・行 動 的 努 力 」 と す るLazarus & Folkman (1984)の 定 義 に基 本 的 に 従 う もの で あ る。 しか し,コ ー ピ ン グ の継 時 的 安 定 性 に関 し て,肯 定 的 研 究 結 果 が 報 告 さ れ て い る こ とか ら,個 人 が 遭 遇 した ス トレ ス フ ル な イベ ン トが 同 一 で あ る場 合,個 人 の 使 用 す る コー ピ ング は比 較 的安 定 し た もの で あ る とす る立 場 を とる 。 た だ し,コ ー ピ ン グ をパ ー ソ ナ リ テ ィ の よ うに 各 発 達 過 程 を 通 じて 安 定 し た もの で あ る と仮 定 して い るの で はな く,個 人 の 置 か れ て い る 状 況 が変 化 し な い 限 り,比 較 的安 定 した もの と して コー ピ ング を捉 え る も の で あ る 。

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一 方,日 常 生 活 で 頻 繁 に遭 遇 す る ス トレ ス フ ル な イ

ベ ン トの1つ に人 間 関 係 が あ る(Bolger, DeLongis,

Kess-ler & Schillillg, 1989; Kanner, Coyne, Schaefer & Lazarus,

1981)。 青 年 に と っ て,対 人 ス トレ ス イ ベ ン ト との 遭 遇 は避 け る こ と の で き な い 問 題 で あ り(Seiffge-Krenke & Shulman, 1993),ス ト レ ス フ ル な イ ベ ン トの な か で も比 較 的 大 き な 割 合 を 占 め て い る こ とが 知 られ て い る。 例 え ば,原 田 ・尾 関 ・津 田(1992)は 大 学 生 を対 象 に 「最 もス トレ ス を感 じ て い る こ と」 を 記 述 させ,そ れ を10 カ テ ゴ リー に分 類 した と こ ろ,人 間 関 係 に 関 す る カ テ ゴ リ ー は全 カ テ ゴ リー の23.8%を 占 め て い た と報 告 し て い る 。 こ う した 対 人 ス ト レ ス イ ベ ン トに 対 す る コ ー ピ ン グ,す な わ ち,対 人 ス トレ ス コ ー ピ ン グ の 個 人 差 を 測 定 す る こ と は,個 人 の 精 神 的 健 康 状 態 を予 測 す る 上 で 重 要 な こ とで あ る。 そ こ で,本 研 究 で は,対 人 ス トレ ス コ ー ピ ン グ尺 度 を 作 成 し,そ の 信 頼 性 と妥 当 性 を 検 討 す る こ と を 目 的 とす る。そ の 際,上 述 し たWCQ な ど従 来 の コ ー ピ ン グ 尺 度 の 問 題 点 を 考 慮 し,特 性 的 コ ー ピ ン グ 尺 度 の 形 式 で,尺 度 を作 成 す る 。 また,青 年 に と っ て,特 に,友 人 関 係 は精 神 的 健 康 を維 持 す る 機 能 を 有 す る 重 要 な 対 人 関 係 で あ る こ と か ら(松 井, 1990),対 人 ス トレ ス イベ ン トを 友 人 関 係 に 起 因 す る も の に 限 定 す る 。

究1

目的 友 人 関 係 に 起 因 す る ス トレ ス フ ル な イ ベ ン トを対 人 ス トレ ス イ ベ ン トと し,対 人 ス ト レス イ ベ ン トに 対 す る コ ー ピ ン グ の 個 人 差 を測 定 す る大 学 生 用 対 人 ス トレ ス コ ー ピ ン グ 尺 度 を作 成 す る 。 方 法 予 備 調 査1998年5月,調 査 の協 力 依 頼 に 応 じた 大 学 生 を対 象 に,「あ な た は,大 学 に 入 学 して か ら現 在 ま で,友 人 関 係 で 感 じ た ス ト レス に対 し て,ど の よ う な 行 動 を と り ま し た か 。 思 い 出 せ る だ け多 く,具 体 的 に 書 い て くだ さ い 」 とい う 質 問 に対 して 自 由記 述 を求 め た 。 「ク ラ ブ 活 動 が 辛 か っ た 」な ど,明 らか に 不 適 切 だ と思 わ れ る 回 答 を 削 除 した 結 果,274名(女 性222名,男 性 52名)か ら有 効 な 回 答 を得 る こ とが で き た 。回 答 を ま と め た と こ ろ,117項 目(女 性115項 目,男性101項 目)を 得 る こ と が で きた 。 本 調 査 の 手 続 き と被 調 査 者1998年6月,講 義 時 間 中,大 学 生 を対 象 に 質 問 紙 に よ る調 査 を実 施 した 。 性 別 ・年 齢 不 明 者 を 除 く25歳 以 下 の有 効 回 答 者541名(女 性219名,男 性322名,平 均年齢19.47,標 準偏差1.21)を 分 析 対 象 と した 。 質 問 紙 質 問紙 は 次 の 手 続 き に よ り作 成 さ れ た3。ま ず,予 備 調 査 か ら得 た117項 目 か らKJ法 に よ り58項 目

を 選 定 し た 。 そ の 際,Lazarus & Folklnan(1984)ら が 指 摘 し て い る よ う に,「 自分 は嫌 わ れ て い る と思 っ た 」 な ど,コ ー ピ ン グ と そ の 結 果 を 混 合 し て い る項 目 を 除 去 した 。 そ の 後,各 項 目の 表 現 を 統 一 し,仮 の対 人 コ ー ピ ン グ尺 度58項 目 を得 る こ とが で きた 。 こ の58 項 目 に対 し て,友 人 関 係 に起 因 す る ス ト レ ス フル な イ ベ ン トに 遭 遇 した 際,普 段 の 使 用 状 況 を4件 法(よ くあ ては まる,あては まる,少しあては まる,あて はま らない)で 評 定 さ せ,各 項 目 の 得 点 を3-0点 と し た 。 結 果 と考 察 因 子 分 析 に よ る尺 度 項 目 の 分 析 因 子 分 析 に先 立 ち, 回 答 に極 端 な 隔 た りの あ る2項 目(80%以 上 が"あ てはま らない"と 回答 した項 目)を 除 去 した 。 次 に,残 り56項 目 に 対 し て,因 子 分 析(主 成分解,バ リマ ックス回転)を 行 っ た と こ ろ,解 釈 の しや す さ,固 有 値 の 減 退 状 況 な どか ら,3因 子 構 造 を仮 定 す る こ とが で きた 。 そ し て,因 子 負 荷 量 が.40以 下 の 項 目,因 子 的 に 曖 昧 な 項 目,22項 目 を 削 除 し た 後,残 りの34項 目 に 対 し て,再 度,因 子 分 析(主 成 分解,バ リマ ックス回転)を 行 っ た 結 果 がTABLE 1で あ る。 さ ら に,男 女 別 に 因 子 分 析 を 行 っ た と こ ろ, 男 女 と も にTABLE1と 同 様 の3因 子 構 造 が 確 認 さ れ た 。 そ こで,こ の34項 目 を も っ て,対 人 ス トレ ス コ ー ピ ン グ 尺 度(Interpersonal Stress-CopingInventory:以 下 ISI)と した 。 第1因 子 は,「 こ の 経 験 で 何 か を学 ん だ と思 っ た 」な ど ス トレ ス フル な イベ ン トを肯 定 的 に捉 え る項 目,「反 省 し た 」な ど 自己 を見 つ め な お す 項 目,「 相 手 の こ とを 良 く知 ろ う と し た 」 な どイ ベ ン トを 生 み 出 し た相 手 に 配 慮 す る項 目 な ど を含 ん で い る。 これ らの 項 目 は,「積 極 的 に か か わ ろ う と した 」 の項 目 に 代 表 さ れ る よ う に, 積 極 的 に肯 定 的 な 人 間 関 係 を 成 立 ・改 善 ・維 持 す る た め 努 力 す る機 能 を有 す る こ とか ら,こ の 因 子 を 「ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ 」 と命 名 した 。 第2因 子 は 「か か わ り合 わ な い よ う に した 」,「話 を し な い よ う に し た 」 な ど10項 目 に 高 い 因 子 負 荷 量 を示 して お り,人 間 関 係 を 積 極 的 に放 棄 ・崩 壊 す る機 能 を有 す る項 目 か ら成 り, 「ネ ガ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ 」 と命 名 し た 。 第3因 子 は,「 気 に し な い よ う に し た 」,「何 とか な る と思 っ た 」 3予 備 調 査 に よ っ て得 ら れ た117項 目の う ち,男 女 共 通 に得 ら れ た 項 目が86項 目 あ り,明 ら か に性 特 有 で あ る と考 え られ る項 目 を確 認 す る こ とが で き な か っ た 。 その た め,尺 度 項 目選 出 に お い て,男 女 の 区別 を し な か っ た 。 ―119―

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TABLE 1対 人 ス トレ ス コ ー ピ ン グ尺 度 の 項 目 内 容 と 因 子 構 造 個 転 バ リマ ックス解) 注 因 子 負 荷 量.40以 上 を ゴ シ ッ ク体 で 表 記 した な ど8項 目 に 高 い 因 子 負 荷 量 を 示 し て お り,人 間 関 係 に よ っ て 生 じ る ス ト レ ス フ ル な 出 来 事 を 問 題 視 す る こ と も な く,む し ろ,軽 視 し,問 題 か ら 回 避 す る よ う な 項 目 に よ っ て 構 成 さ れ て い た た め,「 解 決 先 送 り コ ー ピ ン グ 」 と 命 名 し た 。 ま た,Cronbachの α係 数 は 第1因 子 で α=.87,第2因 子 で α=.83,第3因 子 で α=.80で あ っ た 。 男 女 別 に α係 数 を み る と,女 性(α=.85,. 85,.79), 男 性(α=.87,.82,.81)で あ っ た 。WCQの 内 的 整 合 性 は α=.56-.85(Folkman & Lazarus,1985), α=.61-.79 (Folk-manetal., 1986), COPEで は α=.45-.92( Carver, Scheier & Weintraub, 1989),CISSで は α=.83-.90 (Endler & Parker,1994)で あ り,こ れ ら の 各 尺 度 と比 較 し て 十 分 満 足 で き る 値 と い え る 。 ISIの 性 差 の 検 討 前 項 で 得 ら れ たISIの 下 位 尺 度 の 平 均 値 と標 準 偏 差 をTABLE 2に 示 した 。ISIの 下 位 尺 度 の 性 差 を検 討 す る た め,t検 定 を 行 っ た 結 果,ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コー ピ ン グ で は女 性 が 男 性 よ り,ネ ガ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ で は男 性 が 女 性 よ り,有 意 に 平 均 値 が 高 か っ た 。 す な わ ち,ス ト レス フ ル な イ ベ ン ト を 生 み 出 す 友 人 関 係 に対 し て,女 子 大 学 生 は男 子 大 学 生 と比 較 して,そ の よ うな 関 係 を改 善 ・維 持 す る よ う 努 力 す る コー ピ ン グ を使 用 し,男 子 大 学 生 は女 子 大 学 生 と比 較 して,そ の よ う な 関 係 を放 棄 ・維 持 す る よ う な コ ー ピ ング を使 用 す る こ とが わ か っ た 。 こ の 結 果 は, 男 子 大 学 生 が 女 子 大 学 生 よ り,対 立 的 対 人 態 度 傾 向 が 高 い とす る加 藤 ・高 木(1980)の 研 究 と 一 致 し て い る 。 TABLE2対 人 ス トレ ス コ ー ピ ン グ 尺 度 の 下 位 尺 度 の 平 均 値 と標 準 偏 差 ***p<.001

究2

目 的 研 究2で はISIの 信 頼 性 及 び 妥 当 性 の 検 証 を 目 的 と し,信 頼 性 は再 検 査 法 に よ っ て,妥 当 性 に 関 し て は, 内 容 的 妥 当 性,構 成 概 念 妥 当性 の 両 側 面 か ら検 討 す る。 構 成 概 念 妥 当 性 で は,ISIと 心 理 的 ス トレ ス 反 応 や 主 観 的 適 応 状 態,SCIと の 関 連 性 を検 討 す る4。ま ず,ISI とSCIと の 関 連 性 を検 討 す る。SCIは 問 題 焦 点 型 対 処 (ス トレスフルな状況 におい て生 じて いる問題 を解決 す る こと を通 じて,ス トレス を減少 させ る ことを目的 とした コー ピング方 略群),情 動 焦 点 型 対 処(ス トレス フルな状況 で喚起 された不 快 な情動 を鎮 め,調節す るコー ピング方略群)の2つ の モ ー ド と,8つ の ス トラ テ ジ ー を 持 つ 。 各 ス ト ラ テ ジ ー は, 計 画 型(問 題解決 に向けて計画的 に対処 した り,解決 法 を検討す 4SCIはWCQを も とに作 成 され た 日本 版WCQで あ り ,状 況 特 定 コ ー ピ ン グ尺 度 に分 類 され る。本 論 文 で は,WCQを 含 め た 状 況 特 定 コ ー ピ ン グ尺 度 の 問 題 点 につ い て 指 摘 した 。そ の よ う なSCIを,ISIの 構 成 概 念 妥 当性 の指 標 と して 用 い る こ とは 問 題 で あ ろ う。しか し,本 文 中 で 述 べ た よ う に,WCQは 最 も頻 繁 に 使 用 され て きた コ ー ピ ング 尺 度 で あ り,我 が 国 に お い て,SCI に 代 わ る標 準 化 され た コ ー ピ ング 尺度 が 存 在 し な い た め,あ く ま で,ISIの 構 成 概 念 妥 当 性 検 討 の 資 料 と し て 使 用 し た。 さ ら に,研 究2で は,ス トレス 反 応 を予 測 す る とい う コー ピ ン グ尺 度 の 最 も重 要 な役 割 を考 慮 し,心 理 的 ス トレ ス 反 応 や 主 観 的 適 応 状 態 に よ るISIの 構 成 概 念 妥 当性 の検 証 を 行 っ て い る。

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る),対 決 型(問題 に積極的に対処す る),社 会 的 支 援 模 索 型 (他者 の援助 を得 ようとす る),責 任 受 容 型(誤 った自己の行 動 を自覚 し,反省 す る),自 己 コ ン トロ ー ル 型(自 分 の感情 や考 えを表 に出 さない),逃 避 型(問 題 解決 の意欲 を失 い,やけにな る),離 隔 型(問題 を自分 とは関係 のない もの とす る),肯 定 評 価 型(遭 遇 した問題 を肯定的 に考 える)で あ る(日 本健康 心理 学研究所,1996)。 ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ は,そ の 機 能 か らSCIの 計 画 型,対 決 型,責 任 受 容 型,肯 定 的 評 価 型 な どの ス トラ テ ジ ー,及 び 問 題 焦 点 型 対 処 と正 の 相 関 関 係 が 予 測 され る 。 ネ ガ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ は 問題 を 引 き起 こ す 関 係 に終 止 符 を 打 つ コ ー ピ ン グ で あ り,逃 避 型 と正 の 相 関 関 係 が 予 測 さ れ る。 解 決 先 送 り コ ー ピ ン グ は ス トレ ス フ ル な イ ベ ン トを軽 視 す る コ ー ピ ン グ で あ り,逃 避 型,離 隔 型 と正 の 相 関 関 係 が 予 測 さ れ る。 逃 避 型,離 隔 型 を 構 成 す る す べ て の 項 目 は, 情 動 焦 点 型 対 処 を構 成 す る 項 目 で も あ り,当 然,ネ ガ テ ィ ブ 関 係 コー ピ ン グ,及 び 解 決 先 送 りコ ー ピ ン グ は 情 動 焦 点 型 対 処 と正 の 相 関 関 係 が 予 測 され る。 次 に,コ ー ピ ン グ は ス トレ ス フ ル な イ ベ ン ト遭 遇 後 の 精 神 的 適 応 状 態 を 予 測 す る重 要 な変 数 で あ る こ とか ら(Lazarus & Folkman, 1984),ス トレ ス 反 応,及 び 友 人 関 係 に 関 す る主 観 的 な 適 応 状 態 とISIの 下 位 尺 度 との 関 連 を検 討 す る 。 加 藤(印 刷 中)の コ ー ピ ング 研 究 に 関 す る レ ヴ ュ ー に よ れ ば,一 般 的 に,問 題 焦 点 型 対 処 は 精 神 的 に適 応 的 状 態 と正 の 相 関 関 係 が,逃 避 型,及 び 離 隔 型 を含 む 情 動 焦 点 型 対 処 と は 負 の 相 関 関 係 が 報 告 され て い る 。 また,精 神 的 に 不 適 応 な 状 態 に関 し て は 逆 の 関 係 が 報 告 さ れ て い る。 以 上 の こ とか ら,問 題 焦 点 型 対 処 と正 の 相 関 が 予 測 さ れ る ポ ジ テ ィ ブ関 係 コ ー ピ ン グ は,ス トレ ス 反 応 と負 の 相 関,友 人 関 係 に 関 す る主 観 的 な 適 応 状 態 とは 正 の 相 関 が 予 測 で き る 。 また, 逃 避 型 と正 の 相 関 が 予 測 され る ネ ガ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ,及 び 逃 避 型,離 隔 型 と正 の 相 関 が 予 測 さ れ る 解 決 先 送 りコ ー ピ ン グ は,ス トレ ス 反 応 と正 の 相 関,友 人 関 係 に 関 す る主 観 的 な 適 応 状 態 と は負 の 相 関 が 予 測 で き る。 な お,青 年 期 に お け る コ ー ピ ング を考 え る上 で,抑 う つ は 特 に 重 要 な 精 神 的 健 康 の 指 標 と され て い

る こ とか ら(Compas, Orosan & Grant, 1993),ス トレ ス 反

応 に は ス トレ ス反 応 全 般 を測 定 で き る 尺 度,及 び 抑 う つ 尺 度 を 使 用 す る。 方 法 手 続 き と被 調 査 者1998年6月 か ら8月 に わ た り, 被 調 査 者 の 負 担 と 回答 の 信 頼 性 を 考 慮 し て,3組 の 質 問紙 を そ れ ぞ れ 異 な る 被 調 査 者 に対 して 実 施 し た 。 被 調 査 者 は す べ て25歳 以 下 の 大 学 生 で あ っ た 。 質 問 紙 1:再 検 査 法 に よ る 信 頼 性 を検 討 す る た め,2週 間 の 間 隔 を あ け,ISI34項 目か らな る 同 一 の質 問 紙 調 査 を 計 2度 実 施 し た 。 有 効 回 答 者 は76名(女 性42名,男 性34名, 平均年齢18.76,標 準偏差1.10)で あ っ た 。質 問 紙2:ス トレ ス反 応,及 び 友 人 関 係 に 関 す る主 観 的適 応 状 態 に 関 す る項],ISIに よ っ て構 成 さ れ る質 問 紙 調 査 を 実 施 し た 。 有 効 回 答 者 は357名(女 性193名,男 性164名,平 均年齢 19.69,標準偏差1.18)で あ った 。 質 問 紙3: SCIとISIに よ っ て構 成 さ れ る 質 問 紙 調 査 を 実 施 した 。 有 効 回 答 者 は145名(女 性60名,男 性85名,平 均年齢20.02,標準偏 差1.01) で あ っ た 。 質 問 紙ISIと の 組 み合 わ せ に よ り,以 下 の4つ の 尺 度 と1項 目 が 用 い られ た 。 (1) ISI:こ れ ま で の 調 査 の 結 果 か ら作 成 し たISI34項 目 を 用 い た 。 (2) SCI:先 に 述 べ た よ う に,SCIはWCQを も と に 作 成 さ れ た もの で あ り,計 画 型,対 決 型,社 会 的 支 援 模 索 型,責 任 受 容 型,自 己 コ ン トロー ル 型,逃 避 型, 離 隔 型,肯 定 評 価 型 の8つ の ス トラテ ジ ー を 持 つ 。 こ の8つ の ス トラ テ ジ ー はWCQの 因 子 分 析 結 果 (Folkmall et al., 1986)に 対 応 し た もの で あ る。 ま た, 大 学 生,一 般 成 人 を対 象 に し た 各 カ テ ゴ リー の 相 関 研 究 か ら,SCIが 以 上 の8カ テ ゴ リー に 分 類 可 能 で あ る と され て い る(日本健康心 理学研究所1996)。 本 研 究 で は,最 近,実 際 に経 験 した 友 人 関 係 の な か で,最 も ス ト レ ス フ ル な イベ ン トを 記 述 した 後,各 項 目 に 対 し て,あ て は ま る,少 し あ て は ま る,あ て は ま ら な い の3件 法 に よ っ て 評 定 さ せ,各 項 目 の 得 点 を2 -0点 と し,各 モ ー ド,及 びカ テ ゴ リー ご とに加算 し た 。 (3) ス トレ ス 反 応 尺 度:改 訂 大 学 生 用 ス ト レ ス 自 己 評 価 尺 度(尾 関,1993)の う ち,ス ト レス 反 応 尺 度 を 用 い た 。 尾 関(1990,1993)は,心 理 的 ス トレ ス反 応 尺 度(新 名 ・坂 田 ・矢 富 ・本間,1990)及 び 身 体 的 ス トレ ス 反 応 尺 度(穂 坂 ・矢富 ・新名 ・本間 ・坂 田,1989)の 各 項 目 を も と に,デ ー タ 項 目反 応 率 と因 子 分 析 の結 果 に よ っ て, 35項 目 か ら な る ス トレ ス 反 応 尺 度 を作 成 した 。 尾 関 の ス トレ ス 反 応 尺 度 は抑 う つ,不 安,怒 りの3つ の 下 位 尺 度 か ら な る情 動 反 応15項 目(α=.64.70),情 動 的 混 乱,引 き こ も りの2つ の 下 位 尺 度 か ら 成 る 認 知 ・行 動 的 反 応10項 目(α=.61-62),身 体 的 疲 労 感, 自 律 神 経 系 の 活 動亢 進 と い う2つ の 下 位 尺 度 か ら成 る身 体 的 反 応10項 目(α=.61-71)に よ っ て 構 成 さ れ て い る(尾 関,1993)。 本 研 究 で は よ くあ て は ま る,あ て は ま る,少 しあ て は ま る,あ て は ま ら な い の4件 ―121―

(6)

法 に よ っ て 評 定 させ,各 項 目 の 得 点 を3-0点 と し, 得 点 が 高 い ほ どス トレ ス 反 応 が 高 い と し た。

(4) 抑 うつ 尺 度:島 ・鹿 野 ・北 村 ・浅 井(1985)がRadloff

(1977)のCenter for Epidemiologic Studies

Depres-sion Scale(以 下CES-D)を 邦 訳 し た も の を 用 い た。

CES-Dは20項 目 か ら成 り,疫 学 的 研 究 に お い て 抑 う つ状 態 を測 定 す るた め に開 発 さ れ た 尺 度 で あ る。 被 調 査 者 に は4件 法(よ くあて はまる,あて はまる,少しあて はまる,あては まらない)で評 定 させ,各 項 目 の 得 点 を3 ―0点 と し,得 点 が 高 い 程 抑 う つ 傾 向 が 高 い と し た 。 (5) 友 人 関 係 に 関 す る主 観 的 な適 応 状 態:主 観 的 適 応 状 態 の指 標 を 友 人 関 係 に 関 す る満 足 度 と した 。「現 在 の 友 人 関 係 に 関 し て,ど れ ぐ ら い満 足 し て い ます か 」 の質 問 に対 して,と て も不 満 か ら,と て も満 足 ま で, どち らで も な い を 含 ん だ9件 法 で 評 定 さ せ た 。 ど ち らで もな い を 零 点 と し,得 点 が 高 い ほ ど友 人 関 係 に 満 足 で あ る と し た(範 囲-4-4点)。 結 果 と考 察 再 検 査 法 に よ るISIの 信 頼 性 の 検 討2週 間 後 に お け るISIの 下 位 尺 度 の 信 頼 性 係 数 は,ポ ジ テ ィ ブ な 関 係 コー ピ ン グ がr=.89,ネ ガ テ ィ ブ な 関 係 コ ー ピ ン グ がr=.92,解 決 先 送 り コ ー ピ ン グ がr=.86で あ った 。 現 在,信 頼 性 と妥 当 性 が 十 分 検 討 さ れ て い る代 表 的

コー ピ ン グ 尺 度 で あ るCOPE (r=.46-86, Carver, Scheier & Weilltraub, 1989),CISS (r=.51.73, Elldler & Parker, 1994)と比 較 し て も,十 分 な値 で あ っ た 。 た だ し,WCQ で は コー ピ ン グ は 刻 々 と変 化 す る と仮 定 し て お り,再[ 検 査 法 に よ る 信 頼 性 の検 討 は 不 適 切 で あ る と し,信 頼 性 の 検 討 は 行 わ れ て い な い(Folkman, 1992; Folkmall & Lazarus, 1985)。 内 容 的 妥 当 性 の 検 討 内容 的 妥 当性 を 検 討 す る た め に,心 理 学 領 域 を 専 攻 とす る大 学 院 生3名 に よ っ て, 仮 の対 人 コ ー ピ ン グ 尺 度58項 目 を 「ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ 」,「ネ ガ テ ィ ブ 関 係 コー ピ ン グ 」,「解 決 先 送 り コー ピ ン グ 」の 何 れ か に 分 類 し た と こ ろ,ISIの34 項 目に 関 して,一 致 率100%を 得 る こ とが で きた 。 ISIの 構 成 概 念 妥 当 性 の 検 討ISIの 構 成 概 念 妥 当 性 を検 討 す る た め に,ISIの 下 位 尺 度 とSCI,尾 関 の ス トレス 反 応 尺 度,CES-D,友 人 関 係 の 満 足 感 と の相 関 をTABLE 3に 示 した 。 まず,ISIとSCIと の 関 連1生に 関 して検 証 す る。 ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ に関 して は,予 測 した 通 り,男 女 と も に 問 題 焦 点 型 対 処,計 画 型,対 決 型,責 任 受 容 型,肯 定 的 評 価 型 の 各 カ テ ゴ リー と有 意 な 正 の 相 関 関 係 が 確 認 で きた 。 し か し,予 測 に 反 して,情 動 焦 点 型 対 処,社 会 的 支 援 模 索 型,自 己 コ ン トロ ー ル 型 と も正 の相 関 が み られ た 。 社 会 的 支 援 模 索 型 と に弱 い な が ら も正 の 相 関 が み られ た こ と は,ポ ジ テ ィ ブ関 係 コー ピ ン グ を形 成 す る項 目 に,「友 人 な ど に 相 談 した 」 と い う社 会 的 支 援 模 索 型 の コー ピ ン グ が あ っ た た め で あ ろ う。 また,ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ は相 手 との 関 係 を改 善 ・維 持 す る コー ピ ン グ で あ り, そ の た め に は,利 己 的 感 情 や 欲 求 を抑 制 す る必 要 が あ るだ ろ う。 そ の 結 果,自 分 の 感 情 を表 に 出 さ な い 自 己 コ ン トロー ル 型 とに 正 の相 関 が み ら れ た と考 え ら れ る 。 情 動 焦 点 型 対 処 との 関 連 性 に 関 し て は 後 の 項 で 考 察 す る。 ネ ガ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ に 関 して は,予 測 した 通 り,男 女 と も に情 動 焦 点 型 対 処,逃 避 型 と に 有 意 な 正 の 相 関 が 確 認 で きた 。 また,男 性 の み 離 隔 型 と正 の 相 関 関係 が み られ た 。 解 決 先 送 り コ ー ピ ング に 関 して は,予 測 し た 通 り,男 女 と も に 情 動 焦 点 型 対 処,逃 避 型,離 隔 型 と に 有 意 な正 の 相 関 が 確 認 さ れ た 。 ま た, 男 女 と も に対 決 型 と,男 性 の み 問 題 焦 点 型 対 処,計 画 型,社 会 的 支i援模 索 型,自 己 コ ン トロ ー ル 型 とに 有 意 な 負 の相 関 が み ら れ た 。 解 決 先 送 り コ ー ピ ン グ は イ ベ ン トを直 接 解 決 す る こ との な い コ ー ピ ン グ で あ り,問 題 焦 点 型 対 処,計 画 型,対 決 型 と の 負 の 相 関 が み られ た こ とは 理 解 で き る 。 し か し,女 性 に 関 して,そ の よ うな 関 係 が 確 認 で きな か っ た こ と,ま た,男 性 の み, 弱 い な が ら も社 会 的 支 援 模 索 型,自 己 コ ン トロ ー ル 型 と に正 の相 関 が み られ た こ と は 今 後 の 課 題 で あ る 。 次 に,ISIと 尾 関 の ス ト レス 反 応 尺 度,CES-D,友 人 関 係 の満 足 感 との 関 連 性 を検 証 す る 。 ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ に 関 し て は,予 測 し た 通 り,男 女 と も に友 人 関 係 満 足 感 と有 意 な 正 の相 関 を確 認 す る こ とが で き た が,予 測 に 反 し て,抑 う つ を含 め た ス トレ ス 反 応 と は有 意 な 負 の 相 関 が み られ な か っ た 。 ネ ガ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ に 関 し て は,予 測 し た 通 りに,ス トレ ス 反 応 と有 意 な 正 の 相 関 が,友 人 関 係 満 足 感 と弱 い な が ら も有 意 な 負 の 相 関 が 確 認 で き た 。 解 決 先 送 り コ ー ピ ン グ に 関 して は,ス ト レス 反 応 と に 有 意 な 相 関 が 見 ら れ ず,予 測 に 反 し て,友 人 関 係 満 足 感 と弱 い な が ら も有 意 な 正 の相 関 が み ら れ た 。 総 合 的 考 察 本 研 究 で は,大 学 生 を対 象 に,対 人 ス トレ ス イ ベ ン トに 対 す る 特 性 的 コ ー ピ ン グ 尺 度 で あ る 対 人 ス ト レ ス コ ー ピ ン グ 尺 度 を 作 成 し,そ の 信 頼 性 と妥 当性 を検 討 し た 。因 子 分 析 の 結 果 か ら,ISIは ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ(16項 目),ネ ガ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ(10項 目),解 決 先 送 り コ ー ピ ン グ(8項 目)か ら構 成 され て い

(7)

TABLE 3対 人 ス トレ ス コ ー ピ ン グ 尺 度 の 構 成 概 念 妥 当 性 の 検 証 *p<05** p<.01*** p<.001 注 数値 は相関係数 る こ とが わ か っ た 。 ISIの 内 的 整 合 性,再 検 査 法 に よ る信 頼 性 と も に,代 表 的 な コ ー ピ ン グ 尺 度 と比 較 して 十 分 満 足 で き る値 で あ っ た 。 し か し,構 成 概 念 妥 当 性 に 関 して は い くつ か の 間 題 が み られ た 。まず,SCIと の 関連 性 に 関 して,ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ と情 動 焦 点 型 対 処 とに,弱 い な が ら も正 の 相 関 が み ら れ た こ とで あ る。 そ こ で,ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ を 形 成 す る 各 項]とSCIの 情 動 焦 点 型 対 処 と の 関 連 性 を検 討 し た 。 そ の 結 果,情 動 焦 点 型 対 処 と有 意 な 正 の 相 関 が 確 認 され た 項 目 は, 「こ の経 験 で 何 か を学 ん だ と思 っ た 」な ど イベ ン トを 肯 定 的 に 評 価 す る 項 目(項 目番号23,38,56),「 反 省 し た 」 な ど自 己 を 見 つ め な お す 項 目(項 目番号,1,9)で あ り, 情 動 焦 点 型 対 処 との 相 関 係 数 は,そ れ ぞ れ. 28-45, 26―.31で あ っ た 。情 動 焦 点 型 対 処 に は積 極 的 に 価 値 を 見 出 す とい う と 略 や,自 ら を罰 す る 方 略 が あ る (Lazar-us & Folkman, 1984)。情 動 焦 点 型 対 処 と有 意 な 相 関 が 見 ら れ た 項 目 は,情 動 焦 点 型 対 処 に分 類 さ れ る これ ら の コ ー ピ ン グ に 類 似 し て い る 。 す な わ ち,情 動 焦 点 型 対 処 との 有 意 な 正 の 相 関 は,ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ を構 成 す る項 目 の な か に,積 極 的 に 価 値 を見 出 した り, 自 ら を罰 す る こ と に 関 す る コ ー ピ ン グ が 含 ま れ て い た た め だ と考 え ら れ る。 次 の 問 題 は,抑 う つ を 含 め た ス ト レ ス 反 応 と ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ,及 び解 決 先 送 り コ ー ピ ング と に 有 意 な相 関 関 係 が 確 認 で き な か っ た こ とで あ る 。 ポ ジテ ィ ブ 関 係 コ ー ピ ン グ は 問 題 焦 点 型 対 処,及 び 情 動 焦 点 型 対 処 と も相 関 関 係 が 確 認 さ れ た た め,問 題 焦 点 型 対 処 及 び 情 動 焦 点 型 対 処 の 両 側 面 を持 つ コ ー ピ ン グ で あ る。 そ の た め,ス トレ ス反 応 と に正 の 有 意 な 相 関 が 得 ら れ な か っ た 可 能 性 が あ る 。 また,Lazarus & Folkman (1984)ら が 指 摘 して い る よ う に,ス トレ ス 反 応 は コ ー ピ ン グ だ け で な く,認 知 的 評 価 な ど 多 くの 要 因 に よ っ て 影 響 を受 け る た め,ス トレ ス 反 応 や 抑 うつ と有 意 な 相 関 が 確 認 で き な か っ た と も考 え られ る。 こ の こ とは,解 決 先 送 りコ ー ピ ン グ と ス トレ ス 反 応 及 び 抑 うつ と の 関 係 に 関 し て も 同様 で あ る 。 し か し,ス ト レ ス 反 応 を 予 測 す る こ とが コ ー ピ ン グ研 究 の 目 的 の1 つ で あ る た め,ポ ジ テ ィ ブ 関 係 コー ピ ン グ,及 び 解 決 先 送 り コ ー ピ ン グ と ス トレ ス 反 応 との 関 連 性 に つ い て は,今 後 の 課 題 と して 検 討 す る必 要 が あ る 。 解 決 先 送 り コ ー ピ ン グ と友 人 関 係 満 足 感 と に,弱 い な が ら も,有 意 な正 の 相 関 が み られ た こ と も,ま た 予 測 に反 し た 結 果 で あ っ た 。 しか し,関 ・浦 上(1996)は 現 代 青 年 の 友 人 関係 の 希 薄 化,友 人 関 係 の 満 足 度 が 上 昇 し て い る とい う現 象 に 注 目 し,表 層 的 な 関 係 で あ れ ば こ そ,傷 付 け合 う こ と を 回 避 で き,そ の 結 果,友 人 関 係 は 良 好 で,満 足度 が 高 くな る と説 明 し て い る 。 こ の こ とか ら,本 研 究 の 結 果 は以 下 の よ う に 解 釈 す る こ とが で き る 。 解 決 先 送 りコ ー ピ ン グ は,ス トレ ス フ ル な 対 人 関 係 に対 し て,何 も し な い と い う コ ー ピ ン グ で あ る た め に,相 互 に か か わ り合 う ご と も,傷 付 け合 う こ と も な い 。 そ の 結 果,そ の 関 係 は良 好 な も の と な り, 満 足 感 も高 くな る。 本 研 究 の 結 果 は この 青 年 心 理 学 的 知 見 か ら妥 当 で あ る と考 え られ る 。 一 と,ISIとSCIと の 相 関 係 数 を 男 女 比 較 し て み る と,男 子 大 学 生 と女 子 大 学 生 で は,そ の 係 数 に 異 な り が 見 ら れ る よ うで あ る。 こ の こ と は,男 子 大 学 生 と女 子 大 学 生 と で はISIの 各 下 位 尺 度 が 意 味 す る 機 能 に 差 異 が あ る可 能 性 を 示 唆 して お り,今 後,詳 細 なISIの 性 差 の 検 討 が 必 要 で あ ろ う。 青 年 に と っ て 人 間 関 係,特 に 友 人 関 係 は 精 神 的 健 康 に 影 響 を 及 ぼ す 重 要 な 要 因 で あ る こ と は周 知 の 事 実 で あ る。 対 人 ス ト レス イ ベ ン トは こ う した 友 人 関 係 の1 種 の 危 機 で あ る。 こ の 危 機 に対 す る コ ー ピ ン グ の 個 人 差 を測 定 す る尺 度 が 本 研 究 で 開 発 さ れ たISIで あ る 。 ISIは ス ト レ ス フ ル な イ ベ ン ト を人 間 関 係 に 限 定 し た コ ー ピ ン グ 尺 度 で あ り,WCQ及 びSCIを 含 め た 包 括 的 コ ー ピ ン グ 尺 度 に よ っ て,十 分 測 定 す る こ との で き な か っ た コ ー ピ ン グ を 測 定 す る こ とが 可 能 で あ る。 こ ―123―

(8)

の よ うな 信 頼 性 と妥 当 性 が 十 分 検 証 さ れ た対 人 ス ト レ ス イベ ン トに 対 す る コ ー ピ ン グ 尺 度 は,現 在 の と こ ろ 作 成 さ れ て い な い 。 また,ISIは, WCQ及 びSCIを 含 め た状 況 特 定 コ ー ピ ン グ尺 度 の 問 題 点 を 考 慮 に入 れ た コ ー ピ ン グ尺 度 で あ る。以 上 の こ と か ら,ISIの 作 成 は 意 義 あ る研 究 と思 わ れ る。

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本 論文 は,神 戸 大学 総合人 間科 学研 究科 に提 出 した

1998年 度 修 士論文 の一部 を再 分 析 した もの です 。御 指

導頂 い た神戸 大学 発達 科学部 教 授小 石 寛文先 生 に厚 く

感謝 い た し ます。

(1999.9.16受 稿, 2000.2.28受 理)

Construction of the Interpersonal

Stress-Coping

Inventory for Undergraduates

TSUKASN KAT (KWANSEI GAKUIN UNIVERSITY) JAPANESE JOURNAL OF EDUCATIONAL PSYHOLOGY 2000 , 48, 225-234

The purpose of the present study was to construct

a coping inventory

in order to assess the different ways

in which underduates

respond to interpersonal

stress.

Study 1 reports the factor structure

of the

Interper-sonal Stress-Coping

Inventory

(ISI).

This self-report

instrument

is constructed

to identify 3 types of coping

strategies:

positive relationship-oriented

strategies

(16 items), negative

relatinship-oriented

strategies

(10

items), and postponed-solution

coping (8 items).

Study 2 reports the reliability

and validity of this inventory

.

The test-retest

reliability

coefficients

ranged

from 0.86 to 0.92.

The validity

of the Interpersonal

Stress-Coping Inventory

was asessed by comparing

it with the Stress Coping Inventory

and measures

of stress ,

depression,

and satisfaction

with friendships.

Overall, the results suggest that the Interpersonal

Stress-Coping Inventory

is a valid and highly reliable coping scale.

Key Words:

coping behavior,

coping scale, interpersonal

stress,

interpersonal

relationship,

mental

health

TABLE  1対 人 ス トレ ス コ ー ピ ン グ尺 度 の 項 目 内 容 と 因 子 構 造 個 転 バ リマ ックス解) 注 因 子 負 荷 量.40以 上 を ゴ シ ッ ク体 で 表 記 した な ど8項 目 に 高 い 因 子 負 荷 量 を 示 し て お り,人 間 関 係 に よ っ て 生 じ る ス ト レ ス フ ル な 出 来 事 を 問 題 視 す る こ と も な く,む し ろ,軽 視 し,問 題 か ら 回 避 す る よ う な 項 目 に よ っ て 構 成 さ
TABLE  3対 人 ス トレ ス コ ー ピ ン グ 尺 度 の 構 成 概 念 妥 当 性 の 検 証 *p&lt;05**  p&lt; .01*** p&lt;.001 注 数値 は相関係数 る こ とが わ か っ た 。 ISIの 内 的 整 合 性,再 検 査 法 に よ る信 頼 性 と も に,代 表 的 な コ ー ピ ン グ 尺 度 と比 較 して 十 分 満 足 で き る値 で あ っ た 。 し か し,構 成 概 念 妥 当 性 に 関 して は い くつ か の 間 題 が

参照

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