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都市環境負荷の長期予測シミュレータの改良とシナリオ別CO2排出量予測 [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)都市環境負荷の長期予測シミュレータ改良とシナリオ別 CO2 排出量予測. 原 1. はじめに. 祐介. 精度等で問題となっていたシミュレータを構成する 7. 2012 年、第 18 回国連気候変動枠組条約締約国会議が. つの個別セクタの改良を行った。また、シミュレータに. 開催され、同年で終了する京都議定書の 8 年間の延長が. よる 2006~2010 年の計算値と実績値を比較することで. 決まった。しかし、日本は参加を見送り、自主目標を掲. 精度を検証し、 シミュレータの信頼性を確認したうえで. げて取り組むとしているが、 温室効果ガスを大幅に削減. 2050 年までのシナリオ別の CO2 排出量予測を行った。. していくには、トップダウン的な目標設定だけでなく、. 2. シミュレータの概要. どのような技術が必要か、どのようにして技術を普及さ. シミュレータの全体像を図 1 に示す。都市システム. せるかといったボトムアップ的な方法論が欠かせない。. を 17 のセクタにより表現し、 表 1 に示す部門別活動量. そこで、本研究では要素技術や社会制度の普及に応. を算定している。. じた環境負荷の削減可能量を明らかにすることを目的. 3. 個別セクタの改良. として、システムダイナミクス手法に基づく都市環境. シミュレータを構成する 17 のセクタのうち、 人口、. 負荷の長期予測シミュレータ(以下、シミュレータ)を. 世帯、従業者、住宅、製造業、旅客、貨物セクタの改. 1). 開発し、様々なシナリオの検討を行ってきた 。. 良を行った。改良後の各セクタにおける主要変数への. これまでに 1975~2005 年までのシミュレータの精. 影響因子を表 2 に示す。. 度を確認しているが、 シミュレータは 1975~2005 年ま. 表 1 部門別活動量. での統計データをもとに構成されているため、シミュ. 部門分類 民生 家庭部門 部門 業務部門 製造業部門 産業 部門 建設業部門. レータによる 2050 年までの長期予測の信頼性を示す には、2006 年以降のシミュレータによる計算値と実績 値が一致することを確認する必要がある。 そこで、本論ではシミュレータの概要を示すとともに、. 運輸 部門. 旅客部門 貨物部門. 図 1 シミュレータの全体像. 46-1. 活動量 建て方別世帯類型別世帯数 業種別延床面積 製造品出荷額 建て方別着工戸数、業種別着工床面積 建て方別世帯数、業種別延床面積 建て方別解体戸数、業種別解体床面積 輸送機関別輸送量 輸送機関別輸送量. 単位 [世帯] [㎡] [百万円] [戸]、[㎡] [世帯]、[㎡] [戸]、[㎡] [人km] [トンkm].

(2) 従来の人口セクタでは、出生率への魅力乗数は 20~. 従来の旅客セクタでは、航空は算定対象に含まれて. 44 歳、死亡率への魅力乗数は 0~84 歳の 5 歳階級別に. いないため、実際より旅客の輸送量が少なく計算され. 設定されており、出生率は 20 個、死亡率は 36 個の魅. ている可能性があった。そこで、モデル構造を見直す. 力乗数が存在していた。しかし、シミュレータの汎用. ことで改善を図った。新しい旅客セクタの計算フロー. 性や他の都市への展開を考えると魅力乗数は少ないほ. を図 8 に示す。乗用車、バス、鉄道、航空の 4 つの輸. うが望ましい。そこで、1975~2005 年までの 5 歳階級. 送機関別に輸送量を算定するモデルとなっている。輸. 2). 別の出生率、死亡率の推移 を分析し、年齢階級区分. 表 2 主要変数への影響因子. を見直すことで出生率、死亡率への魅力乗数をそれぞ. セクタ分類. れ 12 個、6 個にまとめた。20~24 歳の出生率への魅力 乗数の一例を図 2 に示す。 人口 セクタ. 従来の世帯セクタでは、若年単独世帯数の計算値が 実績値に対して大きく乖離していた。そこで、モデル 構造は維持し、 世帯主率への魅力乗数を再設定すること で精度の改善を図った。若年単独世帯主率への魅力乗. 世帯 セクタ. 数の一例を図 3 に示す。 従来の従業者セクタでは、産業別従業者数の計算値. 従業者 セクタ. が実績値に対して大きく乖離していた。そこで、モデ ル構造は維持し、総従業者率、産業別従業者比率への魅 力乗数を再設定することで精度の改善を図った。総従業 者率への魅力乗数の一例を図 4 に示す。. 住宅 セクタ. 従来の住宅セクタでは、着工率、解体率への影響因 子に一人あたり市民所得、住宅地価等の経済的指標を 多く用いていたため、精度はよいものの世帯セクタと の整合性が取れていなかった。そこで、着工率、解体 率への魅力乗数の影響因子に世帯セクタからの出力値. 製造業 セクタ. を用いることで改善を図った。戸建住宅着工率、共同 住宅着工率への魅力乗数の一例を図 5、図 6 に示す。 従来の製造業セクタでは、製造業延床面積、製造品. 旅客 セクタ. 出荷額ともに計算値が実績値に対して大きく乖離して いた。そこで、モデル構造は維持し、着工率、解体率、 労働生産性への魅力乗数を再設定することで精度の改. 貨物 セクタ. 善を図った。製造業着工率への魅力乗数の一例を図 7. 0.2 0 0.9. 1. 1.1. 1.2. 0.6 0.4 0.2 0. 1.3. 0. 第3次産業従業者比率伸び率[-]. 1. 2. 1.4 1.2 1 0.8. 0.6 0.4 0.2. 0 0.6. 3. 1 0.5. 0 1. 1.5. 2. 戸建住宅居住世帯数伸び率[-]. 1 0.8 0.6 0.4 0.2. 0 0. 5. 住宅地価伸び率[-]. 図 5 戸建住宅着工率への魅力乗数. 10. 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2. 0. 1.4. 0. 1. 2. 0.8 0.6 0.4 0.2. 0 0.85. 3. 1.6 1.4 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2. 0 1. 1.5. 2. 1 0.5. 0. 2.5. 共同住宅居住世帯数伸び率[-]. 1. 3. 5. 住宅地価伸び率[-]. 図 6 共同住宅着工率への魅力乗数. 46-2. 0.95. 1.04 1.02 1 0.98 0.96 0.94. 0.92 0.85. 1.05. 0.95. 1.05. 1.15. 市内総生産成長率伸び率[-]. 図 4 総従業者率への魅力乗数 1.12. 1.5. 相関 [-] [+]、[-] [+] [+]、[-] [-] [-] [-] [+] [+] [-] [+] [+] [-] [+]、[-] [+]、[-] [+]、[-] [+]、[-] [+] [+] [+] [+] [+]、[-] [+]、[-] [+] [+] [-] [-] [-] [-] [+] [+] [+] [+]、[-] [-] [-] [+] [+] [+] [+] [+] [+] [+] [+] [+] [+] [+] [-] [+] [-] [+] [-] [-] [-] [+] [+] [+] [+] [+] [+] [-] [-]. 1.06. 生産人口比率伸び率[-]. 2.5. 2. 単位 [-] [-] [㎡/人] [-] [百万円/人] [㎡/人] [-] [-] [百万円/人] [円/㎡] [㎡/人] [㎡/人] [人/k㎡] [-] [-] [百万円/人] [㎡/人] [-] [-] [㎡/人] [-] [-] [-] [世帯] [-] [円/㎡] [戸/㎡] [世帯] [百万円/人] [戸/㎡] [世帯] [-] [円/㎡] [戸/㎡] [-] [-] [円/㎡] [戸/㎡] [百万円] [人/k㎡] [-] [-] [百万円] [-] [百万円] [百万円/人] [-] [台/人] [台/人] [-] [人/k㎡] [台/人] [-] [人/k㎡] [百万円] [百万円] [-] [百万円] [-] [百万円] [-]. 1.08. 1. 一人あたり病院延床面積伸び率[-]. 共同住宅着工率への魅力乗数[-]. 1.5. 1.2. 1.2. 1.4. 図 3 若年単独世帯主率への魅力乗数 共同住宅着工率への魅力乗数[-]. 戸建住宅着工率への魅力乗数[-]. 戸建住宅着工率への魅力乗数[-]. 2. 1.4. 1. 1.2. 1.6. 大学進学率伸び率[-]. 0~6歳一人あたり保育園延床伸び率[-]. 図 2 20~24 歳の出生率への魅力乗数 2.5. 0.8. 1.8. 総従業者率への魅力乗数[-]. 0.4. 0.8. 1.6. 1.6. 製造業着工率への魅力乗数[-]. 0.6. 1. 総従業者率への魅力乗数[-]. 0.8. 1.2. 影響因子 若年単独世帯比率 大学進学率 出生率 0~6歳一人あたり保育園延床面積 第3次産業従業者比率 一人あたり市民所得 死亡率 一人あたり病院延床面積 若年単独世帯比率 第3次産業従業者比率 一人あたり市民所得 移動率 住宅地価 一人あたりその他サービス業延床面積 一人あたり病院延床面積 人口密度 大学進学率 第3次産業従業者比率 世帯主率 一人あたり市民所得 一人あたり病院延床面積 生産人口比率 市内総生産成長率 総従業者率 0~6歳一人あたり保育園延床面積 大学進学率 産業別 民生事業所密度 従業者比率 大学進学率 戸建住宅居住世帯数 戸建住宅 戸建住宅稼働率 着工率 住宅地価 住宅密度 戸建住宅居住高齢世帯数 戸建住宅 一人あたり市民所得 解体率 住宅密度 共同住宅居住世帯数 共同住宅 共同住宅稼働率 着工率 住宅地価 住宅密度 共同住宅稼働率 共同住宅 市内総生産成長率 解体率 住宅地価 住宅密度 製造品出荷額 生産人口密度 着工率 市内総生産成長率 道路密度 製造品出荷額 解体率 市内総生産成長率 労働生産性 市内総生産 一人あたり市民所得 総輸送量 高齢人口率 乗用車分担率 一人あたり乗用車保有台数 一人あたり乗用車保有台数 バス 高齢人口率 分担率 人口密度 一人あたり乗用車保有台数 鉄道 高齢人口率 分担率 人口密度 製造品出荷額 総輸送量 市内総生産 営業用 道路密度 貨物車 市内総生産 自家用 道路密度 貨物車 市内総生産 船舶 道路密度. 製造業着工率への魅力乗数[-]. 1. 若年単独世帯主率への魅力乗数[-]. 1.2. 若年単独世帯主率への魅力乗数[-]. 20~24歳の出生率への魅力乗数[-]. 20~24歳の出生率への魅力乗数[-]. に示す。. 主要変数. 1.1 1.08 1.06 1.04 1.02 1. 0.98 1. 1.5. 2. 製造品出荷額伸び率[-]. 2.5. 1.4 1.2 1 0.8 0.6 0.4 0.2. 0 1. 1.2. 1.4. 生産人口密度伸び率[-]. 図 7 製造業着工率への魅力乗数.

(3) 送機関別分担率には一人あたり乗用車保有台数が影響. 長期予測の信頼性を確認した。. を与えるとし、一人あたり乗用車保有台数が増加すれ. 人口の比較を図 10 に示す。年少人口、生産人口、. ば、乗用車分担率が増加し、バス及び鉄道の公共交通. 高齢人口それぞれ 2006 年以降も実績値の推移をよく. 機関の分担率が減少するとして魅力乗数を設定した。. 捉えている。建て方別住宅戸数の比較を図 11 に示す。. 従来の貨物セクタでは、営業用貨物車と自家用貨物. 戸建住宅、 共同住宅ともに 2006 年以降も実績値の推移. 車の区別がされておらず、近年の車両の大型化による. をよく捉えている。世帯類型別世帯数の比較を図 12. 輸送効率の向上等が反映されにくくなっていた。そこ. に示す。総世帯数は 2008 年以降大きく増加するため、. で、モデル構造を見直すことで改善を図った。新しい. やや少なく計算されているが、5 つの世帯区分それぞ. 貨物セクタの計算フローを図 9 に示す。 営業用貨物車、. れ 2006 年以降も実績値の推移を概ね捉えている。 業種. 自家用貨物車、鉄道、船舶の 4 つの輸送機関別に輸送. 別延床面積の比較を図 13 に示す。7 つすべての業種で. 量を算定するモデルとなっている。総輸送量には製造. 2006 年以降も実績値の推移をよく捉えている。輸送機. 品出荷額が影響を与えるとし、製造品出荷額が増加す. 関別輸送量(旅客)の比較を図 14 に示す。航空は 2006. れば、 総輸送量が増加するとして魅力乗数を設定した。. 年以降、 乗用車は 2006 年においてやや多く計算されて. 4. シミュレータの精度検証. いるが、バス、鉄道については 2006 年以降も実績値の 1). 福岡市における 1975~2010 年の実績値 を用いて、. 推移をよく捉えている。 総輸送量は 2006 年以降も実績. 改良後のシミュレータの精度検証を行った。なお、シ. 値の推移をよく捉えている。 輸送機関別輸送量 (貨物). ミュレータは 1975~2005 年までの統計データをもと. の比較を図 15 に示す。営業用貨物車、自家用貨物車、. に構成されているため、2006~2010 年のシミュレータ. 鉄道、 船舶それぞれ 2006 年以降も実績値の推移をよく. による計算値と実績値を比較し、シミュレータによる. 捉えている。. 図 9 貨物セクタの計算フロー. 図 8 旅客セクタの計算フロー 年少人口(実績値). 生産人口(実績値). 高齢人口(実績値). 年少人口(計算値). 生産人口(計算値). 高齢人口(計算値). 共同住宅戸数(実績値). 戸建住宅戸数(計算値). 共同住宅戸数(計算値). 若年単独(実績値) 高齢夫婦(実績値) 高齢単独(計算値) その他世帯(計算値). 160. 90. 80. 140. 80. 70. 70. 100 80 60. 50 40 30. 40 30. 20. 20. 20. 10. 10. 0. 0. 0 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年. 卸小売業(実績値) 病院(実績値) 事務所(計算値) 宿泊業(計算値) その他(計算値). 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年. 図 11 建て方別住宅戸数の比較. 図 10 人口の比較 事務所(実績値) 宿泊業(実績値) その他(実績値) 飲食業(計算値) 学校(計算値). 飲食業(実績値) 学校(実績値) 卸小売業(計算値) 病院(計算値). 乗用車(実績値). バス(実績値). 鉄道(実績値). 航空(実績値). 乗用車(計算値). バス(計算値). 鉄道(計算値). 航空(計算値). 図 12 世帯類型別世帯数の比較 営業用貨物車(実績値) 鉄道(実績値) 営業用貨物車(計算値) 鉄道(計算値). 自家用貨物車(実績値) 船舶(実績値) 自家用貨物車(計算値) 船舶(計算値). 90. 250. 25. 若年夫婦(実績値) 若年単独(計算値) 高齢夫婦(計算値). 50. 40. 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年. 高齢単独(実績値) その他世帯(実績値) 若年夫婦(計算値). 60. 60. 世帯数[万世帯]. 住戸戸数[万戸]. 120 人口[万人]. 戸建住宅戸数(実績値). 80 200. 15 10 5. 70 輸送量[億トンkm]. 輸送量[億人km]. 延床面積[百万㎡]. 20. 150 100. 60 50 40 30 20. 50. 10 0. 0. 0 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年. 図 13 業種別延床面積の比較. 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年. 図 14 輸送機関別輸送量(旅客)の比較. 46-3. 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年. 図 15 輸送機関別輸送量(貨物)の比較.

(4) 民生業務部門(実績値). 産業部門(実績値). 民生家庭部門(実績値). 民生業務部門(実績値). 産業部門(実績値). 民生家庭部門(実績値). 民生業務部門(実績値). 産業部門(実績値). 運輸部門(実績値). 民生家庭部門(計算値). 民生業務部門(計算値). 運輸部門(実績値). 民生家庭部門(計算値). 民生業務部門(計算値). 運輸部門(実績値). 民生家庭部門(計算値). 民生業務部門(計算値). 産業部門(計算値). 運輸部門(計算値). 産業部門(計算値). 運輸部門(計算値). 産業部門(計算値). 運輸部門(計算値). 1,200. 1,200. 1,000. 1,000. 1,000. 800 600 400 200 0 1975年. CO2排出量[万t-CO2]. 1,200. CO2排出量[万t-CO2]. CO2排出量[万t-CO2]. 民生家庭部門(実績値). 800 600 400 200. 1990年. 2005年. 2020年. 2035年. 2050年. 600 400 200. 0 1975年. 1990年. 図 16 BAU シナリオ. 2005年. 図 17. 2020年. 2035年. 2050年. 0 1975年. 1990年. PV シナリオ. 2005年. 2020年. 2035年. 2050年. 図 18 ZEB シナリオ. 民生家庭部門(実績値). 民生業務部門(実績値). 産業部門(実績値). 民生家庭部門(実績値). 民生業務部門(実績値). 産業部門(実績値). 民生家庭部門(実績値). 民生業務部門(実績値). 産業部門(実績値). 運輸部門(実績値). 民生家庭部門(計算値). 民生業務部門(計算値). 運輸部門(実績値). 民生家庭部門(計算値). 民生業務部門(計算値). 運輸部門(実績値). 民生家庭部門(計算値). 民生業務部門(計算値). 産業部門(計算値). 運輸部門(計算値). 産業部門(計算値). 運輸部門(計算値). 産業部門(計算値). 運輸部門(計算値). 1,200. 1,200. 1,000. 1,000. 1,000. 800 600 400 200 0 1975年. CO2排出量[万t-CO2]. 1,200. CO2排出量[万t-CO2]. CO2排出量[万t-CO2]. 800. 800 600 400 200. 1990年. 2005年. 2020年. 2035年. 2050年. 600 400 200. 0 1975年. 図 19 ZEH シナリオ. 800. 1990年. 2005年. 2020年. 2035年. 2050年. 0 1975年. 1990年. 2005年. 2020年. 2035年. 2050年. 図 21 総合対策シナリオ. 図 20 モーダルシフトシナリオ. 5. シナリオ別 CO2 排出量予測. 表 3 対策シナリオの概要 シナリオ. 対策部門. BAUシナリオ. -. のシナリオ別 CO2 排出量予測を行った。対策シナリオ. PVシナリオ. 民生家庭. の概要を表 3 に示す。本研究では、CO2 排出量はシミ. ZEBシナリオ. 民生業務. ZEHシナリオ. 民生家庭. シミュレータを用いて、福岡市における 2050 年まで. ュレータで求めた活動量に CO2 排出原単位 1)を乗じて. モーダルシフト シナリオ 総合対策 シナリオ. 算定する。 5.1 BAU シナリオ. 運輸 民生・運輸. 概要 現状維持で推移 2015年以降、新築戸建住宅のPV導入の義務化及び毎年1%の既存 戸建住宅でPVを導入(4kW/戸・耐用年数20年) 2015年以降、新築業務用建築物(事務所、卸小売業、学校)のZEBを 義務化 2015年以降、新築戸建住宅、新築共同住宅のZEHを義務化 BAUシナリオに比べ、2050年にかけて乗用車の分担率が2割減少し、 公共交通(バス・鉄道)の分担率は2割増加 上記のシナリオをすべて実施。ただし、2015年以降、新築戸建住宅は ZEHの義務化、既存戸建住宅は毎年1%ずつPVを導入. に削減するには、ライフスタイルの変更等を含めた抜. BAU シナリオの CO2 排出量予測を図 16 に示す。. 本的な需要サイドの CO2 排出量削減対策及び供給サイ. 1975~2010 年において計算値は実績値をよく捉えてお. ドからの対策が不可欠であるといえる。. り、 高い精度で CO2 排出量予測ができているといえる。. 6. おわりに. BAU シナリオにおける 2011 年以降の CO2 排出量は、. 本報では、シミュレータの概要を示し、シミュレータ. 2019 年にピークを迎えた後、緩やかに減少する。また、. を構成する個別セクタの改良及び 2006~2010 年までの. 2050 年の CO2 排出量は 933 万 t-CO2 となるが、 これは、. 精度検証を行った。また、改良したシミュレータを用い. 1990 年比で 13%の増加である。. て 2050 年までのシナリオ別 CO2 排出量予測を行った。. 5.2 個別対策シナリオ. その結果、シミュレータによる長期予測の信頼性を示す. 個別対策シナリオの CO2 排出量予測を図 17~20 に. ことができ、CO2 排出量予測に関しては BAU シナリオ. 示す。PV シナリオ、ZEB シナリオでは、2050 年の CO2. の CO2 排出量は 2019 年をピークに減少に転じるが、. 排出量はそれぞれ 913 万 t-CO2、839 万 t-CO2 となるが、. 2050 年は 1990 年比で 13%増加する。また、各部門で対. これは、BAU シナリオに比べてそれぞれ 2%、10%の. 策を講じた総合対策シナリオでは、2050 年の CO2 排出. 減少である。また、ZEH シナリオ、モーダルシフトシ. 量は 1990 年比で 15%の減少であり、CO2 排出量を大幅. ナリオでは、2050 年の CO2 排出量はそれぞれ 850 万. に削減するには技術導入だけでは限界があり、ライフス. t-CO2、895 万 t-CO2 となるが、これは、BAU シナリオ. タイルの変更等を含めた抜本的な対策が必要であると. に比べてそれぞれ 9%、4%の減少である。. わかった。今後は、住宅の高断熱化、高効率機器の普及. 5.3 総合対策シナリオ. といった基本的な対策や供給サイド、廃棄物・リサイク. 総合対策シナリオの CO2 排出量予測を図 21 に示す。. ル等の都市全体を含めた環境負荷を検討できるようシ. シナリオ開始年の 2015 年以降、減少に転じ、2050 年. ミュレータを改良していくことも考えられる。. の CO2 排出量は 761 万 t-CO2 となり BAU シナリオに比. 【参考文献】 1) 原祐介,他:都市環境負荷の長期予測シミュレータ開発と部門別 CO2 排出量予測, その 12 シミュレータによる CO2 排出量予測の精度検証,日本建築学会九州支部報 告,第 52 号,2013 2) 国立社会保障・人口問題研究所:人口統計資料集,2007 年度号,2007. 4. べて 25%減少するが、これは、1990 年比で 15%の減 少である。このことから、2050 年の CO2 排出量を大幅 46-4.

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