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【資料3】
当面の検討事項にかかる主要な論点
1.街なか交通対策の検討
◎ 『都心内の回遊性向上』は、都市交通戦略における戦略目標の一つ。
◎ 徒歩・自転車対策、バス対策から軌道系対策にわたる幅広い検討と、短期速効的施 策・取組から中長期的施策・取組に至るまで時間軸を意識した総合的な検討を実施。 ◎ 市民、公共交通利用者の立場から見た交通施策のあり方を強く意識。
◎ また、中心市街地の活性化、都心居住など他の行政分野との連携も意識するととも に、都心部に流入する自動車交通の抑制方策も意識。
【街なか交通の現状】
■ 自動車交通があふれる街なか道路空間
−都心部には、通勤、業務、買物等の目的で多くの自動車交通が流入。内環状線等の主要幹
線道路のみならず、都心内の補助幹線道路にも多くの車が流入し、歩行者、自転車の安全
で快適な移動を阻害。
■ 必ずしも” 分かりやすくない”公共交通
−都心部では様々な行き先のバス路線が運行されているが、どこで乗ればよいのか、どのバ
スに乗ればよいのか、いつバスが来るのかなど、来街者はもとより市民にとっても必ずし
も分かりやすくはなっておらず、街なかにおける移動手段として十分には機能していない。
■ 安全性が危惧される自転車交通
−非常に多い自転車交通に対し、自転車レーン等の走行空間整備は不十分であり、マナーの
悪さもあいまって、歩行者と自転車、自転車同士など走行に危険な状況。
■ 市民の「バスより車」意識
−自動車に対する依存度が極めて高い本市においては、公共交通の“ 分かりやすさ” の不足
も背景に、市民の公共交通の重要性や必要性にかかるコンセンサスが不十分な状況。
(1)どのような都心交通環境を実現すべきか 【都市交通戦略における戦略目標】
◇ 人でにぎわう、歩いて楽しい都心空間の創生
¾ 都心内においてはトラフィックゾーンシステムの考え方を取り入れ、都心内の自動
車交通の減少により、都心内の交通空間を歩行者・自転車・公共交通優先の空間に
再生し、人でにぎわう、歩いて楽しい都心空間の創生を目指す。
歩行者にとって安全で楽しい交通空間とはどのような空間か? 歩行者にとっても自転車にとっても安全な自転車交通のあり方は?
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(2)将来像の実現のためには、どのような手順で施策、取組を進めていくべきか 【都市交通戦略に位置づけられた主要事業・関連事業】
◇ 公共交通の利便性向上(吉備線LRT化、方面別化、公共交通案内システム等) ◇ 交通結節機能の強化(パークアンドバスライド、バス停の環境改善等)
◇ 都心に集中する自動車交通の分散(中環状線、外環状線等の整備)
◇ 都心の快適な歩行者環境の実現(歩車共存道路、トラフィックゾーン等) ◇ 都心内の移動手段の確保
(自転車レーン、レンタルサイクル等の自転車対策、環状化等公共交通ネットワーク形成) ◇ 車の使い方の再考(モビリティマネジメント、自転車マナーPR)
様々な施策がある中で、マイカー利用者からバス利用者まで、市民の理解が得 られ、市民にとって望ましい手順、シナリオはどうあるべきか?
「環状化等公共交通ネットワークの形成」や「トラフィックゾーンの構築」な ど、戦略において長期的課題とされている施策について、市民コンセンサスの 形成、都心流入交通量の抑制など様々な観点から、どのように進めていくこと が適切か?
以上を踏まえ、各種の施策・取組を有機的に連携させつつ戦略的に実現してい くためには、どのような工程で進めていくべきか?
(3)短期的、速効的に取り組むべき施策・取組は何か
都心交通を「人に優しい」交通へとシフトしていく前提の中で、街なか来訪者 の視点から、早期に取り組むべき、取り組むことが可能な施策、取組は何か? ¾ 街なかの回遊性を高める観点から、歩行者・自転車交通等についてどのような
短期的対策が必要か?
¾ 公共交通の“ 分かりやすさ” を向上し、親しみやすく利用しやすいシステムと
する観点から、どのような短期的対策が必要か?
3 2.吉備線 L RT 化の推進
◎ 吉備線沿線は、桃太郎・古代吉備文化、秀吉の中国大返しの舞台となる歴史・観光 資源が重層的に集積する、有数の観光ポテンシャルを有する地域。
◎ また、並行する国道180号線は、朝夕通勤ラッシュ時には断続的に渋滞が発生し ている路線であり、その対策も急務。
◎ 吉備線LRT化の効果を高める観点から、吉備路観光の活性化や幹線道路における渋 滞の解消など、LRT化と併せたまちづくりを検討することが不可欠。
◎ この際、特に観光活性化については、ビジネスマインドに不足する行政のみの取組 では限界があり、経済界や地域主導で進めることが不可欠。
吉備路の魅力を高めるためには、どのような取組が必要か?
また、LRT 化を一つの軸として、吉備路における回遊性を高めるためには、ど のような取組が必要か?
マイカー通勤者の吉備線利用への転換を促進する観点から、ハード、ソフトを 含め、どのような取組が必要か?
その他、LRT化を契機として地域づくりにつなげる視点はないか?
3.市民コンセンサスの形成
◎ 本市の交通は、自動車への依存度が極めて高く、公共交通の必要性、重要性にかか る市民理解、さらには公共交通を支える市民意識は相対的に低い状況。
◎ 都市交通戦略に基づく各種の交通施策を進めていくためには、公共交通に対する市 民コンセンサスの形成が不可欠。
◎ この観点から、公共交通に対する市民コンセンサスを醸成していく取組が不可欠。