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はじめに 都立病院では 平成 11 年 2 月の広尾病院薬物誤注入事故等を教訓に 二度とこのような事故を起こすことがないよう さまざまな取組を進めてまいりました 医療事故が起きたら は不幸にして医療事故が発生した場合の対応マニュアルとして平成 12 年 12 月に作成され 平成 20 年 9 月の改

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医療事故が起きたら

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はじめに

都立病院では、平成11年2月の広尾病院薬物誤注入事故等を教訓に、二度とこ のような事故を起こすことがないよう、さまざまな取組を進めてまいりました。 「医療事故が起きたら」は不幸にして医療事故が発生した場合の対応マニュアル として平成 12 年 12 月に作成され、平成 20 年 9 月の改訂でフロー図の充実等を図 り、今回の改訂では、平成 27 年 10 月施行の医療事故調査制度を反映させました。 各病院におかれましてはマニュアルの主旨に沿った体制作りと職員への周知を よろしくお願いします。 特に以下の点を心がけて活用していただきたいと存じます。 ○ 「患者中心の医療」の理念のもと、救命・救急処置に全力を尽くす。 ○ 事故発生直後の対応を迅速に行うとともに、的確に報告する。 ○ 事故に関する状況や情報は、事実に基づいて正確に伝える。 ○ 患者や家族の気持ちを真摯に受けとめ、コミュニケーションを大切にする。 なお、本マニュアルは、今後も、医療安全に関する制度改正等に合わせて、必要 に応じた見直しをしていくものとします。 平成27年9月 都立病院医療安全推進委員会 委員長 本 田 雅 敬

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「医療事故が起きたら」目次

1 緊急連絡体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 2 医療事故初期対応の流れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 3 事故発生直後の対応 (1)救命・救急処置に全力を尽くす ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 (2)EM コール・応援要請 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 (3)医療上の指示と院内連絡体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10 (4)正確な記録の作成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 (5)証拠物品等の保管 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 (6)家族等への連絡 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 (7)説明担当者の決定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14 (8)家族等への事故直後の状況の説明(説明会の開催) ・・・・・・・・・ 16 (9)手術室等での事故 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 4 事故発生後の対応 (1)その後の医療に万全を尽くす ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 (2)事実経過の整理・確認と記録 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22 (3)院内での調査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24 (4)患者・家族等へのその後の状況等の説明 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 (5)当事者に対するフォロー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28 5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合 (1)患者が死亡したときの対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 32 (2)事故調査会の開催 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 34 (3)医療事故調査制度への対応の流れ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 (4)医療事故調査・支援センターへの報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 (5)医療事故調査・支援センターへの調査報告 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 40

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【参考資料】 ○病理解剖の承諾を求める場合 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56 ○「「異状死」ガイドライン」日本法医学会 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58 ○「異状死体の取扱い」日本医事新報3711号抜粋 ・・・・・・・・・・・ 61 ○「医療法・医師法(歯科医師法)解」抜粋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62 ○「医療事故防止方策の策定に関する作業部会(中間報告)」抜粋 ・・ 63 ○「リスクマネジメントスタンダードマニュアル作成指針」抜粋 ・・・・ 64 ○「異状死の届出の判断基準」(東京都監察医務院) ・・・・・・・・・・ 65 ○「臨床医師が死亡診断書を作成するときの留意事項」(東京都監察医務院)・・・ 66 ○「医療事故に係る調査の仕組み」(概念図)(厚生労働省) ・・・・・・・・・・ 71 ○「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の 整備等に関する法律の一部の施行(医療事故調査制度)について」 ・・・ 72 ○「医療事故調査制度に関する Q&A」(厚生労働省) ・・・・・・・・・・・・・ 98

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関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長

3事故発生直後の対応:救命・救急処置に全力を尽くす⇒EMコール・応援要請

事故 発生! EM コール( ) 応援要請( ) 救命・救急処置に全力を尽くす ○事故後の経過を記録する(⇒P12) ○家族等へ連絡する ⇒時刻・状況を記録(⇒P14) ○緊急連絡体制により連絡(⇒P2) (1) 連絡 (2) 管理看護師長 連絡

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3事故発生直後の対応:救命・救急処置に全力を尽くす⇒EMコール・応援要請

(1) 救命・救急処置に全力を尽くす ① 直ちに、患者の救命・救急処置に全力を尽くす。 ② 併せて、上席医や看護師長等上司に連絡し、医療上の指示 と応援を仰ぐ。 夜間・休日の場合では、上席当直医及び管理看護師長に連 絡する。 ③ 当事者が連絡できない場合は、近くにいる者が連絡を行う。 (2) EMコール・応援要請 必要に応じて、EMコール(エマージェンシーコール)により、専 門医等の応援を求め、病院の総力を挙げて最善の医療を行う。 普段からEMコール・緊急応援体制を整備し、訓練 をしておくことが必要。 病院の EM コールの方法、番号を記入

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関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・ 科 長 医事担 当課 長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長

3事故発生直後の対応:医療上の指示と院内連絡体制

事故 発生! 連絡 ○緊急連絡体制により連絡(⇒P2) 指示 (3) 連絡 医療安全対策室長 看護部・科長 専任リスクマネジャー 医事担当課長で構成 4人のうちいずれか(または全員)に直ち に連絡すること (3) 事故連絡会

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3 事故発生直後の対応:医療上の指示と院内連絡体制

(3) 医療上の指示と院内連絡体制 ① 連絡を受けた上席医や看護師長等は、医療上必要な指示を 与えるとともに、定められた院内連絡体制により事故発生状況 等を連絡する。 ② 夜間・休日の事故の場合、上席当直医や管理看護師長は、 連絡を受けたら直ちに事故現場に急行し、必要な指示・対応 を行うとともに、定められた院内連絡体制により連絡する。 ③ 事故連絡会のメンバーのいずれか(又は全員)には、他の連 絡経路のいずれにも優先し、直ちに連絡を行う。 〔連絡先〕 ○医療安全対策室長 ℡ ○看護部・科長 ℡ ○専任リスクマネジャー ℡ ○医事担当課長 ℡

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関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・ 科 長 医事担 当課 長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長

3 事故発生直後の対応:正確な記録の作成⇒証拠物品等の保管

○事故後の経過を記録 ○現場の保存 ○証拠物品・データ等の保管 記録係に指名 (4) (5) 連 携 し な が ら 、 正確に記録して いく。 ○事故対応の経過を記録

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3 事故発生直後の対応:正確な記録の作成⇒証拠物品等の保管

(4) 正確な記録の作成 ① 上席医や看護師長等の上司は、記録係の職員を指名するな どにより、行った救命・救急処置や経過を正確に記録させる。 ② 救命・救急処置実施中の記録は、正確・詳細であることを第一と する。 記録の整理、清書等は事故の処理が一段落した後、関係者が集 まって直ちに行う。 (5) 証拠物品等の保管 ① 現場の保存は、確実に行う。 ② 証拠物品等を確実に保管する。 使用した注射薬のアンプ ル等は、指定した容器に入れ、正確に記録する。 ③ MD ボックス、ゴミ箱についても内容物とともに保管しておく。 ④ 食事の誤嚥等の事故の場合は、残食も保管しておく。 ⑤ 生体監視モニターの記録についても確実に保管する。 ⑥ 検査記録や電子カルテに係る電子データの保管にあたっ

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関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長

3 事故発生直後の対応:家族等への連絡⇒説明担当者の決定

○家族等へ連絡する ⇒時刻・状況を記録 (6) 記録係 説明担当者の決定 状 況 に 応 じ て 主 治 医 や 上 席 医 等 が 担 当 す る (7)

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3 事故発生直後の対応:家族等への連絡⇒説明担当者の決定

(6) 家族等への連絡 ① 患者の家族や近親者が院内に不在の場合には、直ちに連 絡先に連絡する。なお、入院時に、家族への連絡先はできれ ば2か所以上確認し、記載しておく。 ② 不通時は、連絡がつくまで繰り返す。 ※ 留守番電話等に伝言が残せる場合は、個人情報に配 慮する。 (例) 「○○病院の××です。 至急、△△病棟の××まで連絡 願います。」 ③ 連絡をした時刻や状況をカルテ等に記録する。 (7) 説明担当者の決定 ① 患者・家族等への説明は、状況に応じて主治医や上席医等 が担当する。 ② 説明担当者の決定にあたっては、必要に応じて、医療安全 対策室長等の上司に相談し指示や了解を得るようにする。 ③ 説明担当者を決定したら、そのことを現場にいる職員及び関

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w 関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長 ※ 手術室等での事故(⇒P18)

3 事故発生直後の対応:家族等への事故直後の状況の説明

○家族等来院 説明担当者 家族等への説明 (8) 必 要 に 応 じ て 出席 ⇒時刻・状況を記録 (9)

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3 事故発生直後の対応:家族等への事故直後の状況の説明

(8) 家族等への事故直後の状況の説明 (説明会の開催) ① 家族等は、心配しながら事実経過についての説明を心待ちに している。救命・救急処置等で忙しい中であっても、時間を作っ て説明する。 ② 説明に際しては、家族等の心情に十分配慮し、分かりやすく 説明する。 ③ 説明には、説明担当者(通常は主治医や上席医等)のほか看 護師長(若しくは、それに準じる看護職員)等が同席する。 ④ その時点で事故の原因や予後等を正確に分かりやすく説明 する。その際、憶測による説明は行わないように留意する。 ⑤ その時点で事故の原因や予後等が明らかでない場合の説明 は「病院として調査を行い、その結果は後日説明させていただ きます。」などと伝え、家族等の理解を得るようにする。 ⑥ 過失が明らかな場合には、誠意をもって説明し、謝罪する。 警察に届け出る必要がある場合は、その際に了承を得ておく。 ⑦ 説明が終わったら、説明者、説明を受けた人、説明時刻、説 明内容、質問・回答等をカルテに必ず記録する。

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(9) 手術室等での事故 ① 手術室や分娩室、処置室、ICU等の隔離された部屋で起きた 事故では、家族等に室内に入っていただき、患者に面会してい ただくとともに、医療現場を見ていただくことが必要である。 ② 特に患者が死亡するおそれのあるような場合、家族等や近親 者には、患者の生存中に会っていただくことが大事である。 その際には、患者の衣類の乱れを整えるなどして、患者の尊 厳と家族等の心情に配慮することが必要である。

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関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長

4 事故発生後の対応:その後の医療に万全を尽くす

救命・救急処置⇒その後の医療に万全を尽くす 事故の状況や家族等の意思により当事者が 担当から外れたほうが良い場合もある 逐 次 報 告 し 、 必要な判断を 仰ぐ (1) 事故連絡会

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4 事故発生後の対応:その後の医療に万全を尽くす

(1) その後の医療に万全を尽くす ① 多くの場合、患者は安定した状態にまで回復していないので、 観察や処置、検査等には細心の注意が必要である。この時点 での気の緩みや混乱から、必要な処置を怠ったり、連絡の不備 が生じたりする等、患者の予後に影響を及ぼすことのないように 注意をする。 ② 事故連絡会に逐次、状況報告して必要な判断を仰ぐ。 人手が足りないときは、早めに応援要請をする。 特に、専門医への依頼やコンサルテーションは、早め の対応が必要である。

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関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長

4 事故発生後の対応:事実経過の整理・確認と記録

事故連絡会 記録係 記録 事故調査会 提出 事実経過の 整理・確認と記録 関 係 者 は 全員出席 (2) 報告 報告し、事故調査会開催の判断を仰ぐ 事故調査会開催の指示

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4 事故発生後の対応:事実経過の整理・確認と記録

(2) 事実経過の整理・確認と記録 ① それまでの経過を整理・確認するとともに、事実経過等の 記録を作成する。 ② 事故に立ち会ったすべての職員が集まって、事実経過を 確認する。特に、事故が突発した場合は、各職員の観察し た事実や処置、検査等の時間的経過についての認識が混 乱していることが少なくないため、時間的経過を整理する。 ③ 主治医(又は担当医)等が作成したメモ類の内容は、必要 な部分をカルテに正確に転記し、記録を整理しておく。 なお、紙カルテを使用した場合は、整理した記録の最後 に、記録した時刻と記録者名を記載しておく。 ④ 事故連絡会は、記録内容を把握し、院長に報告する。 また、重大案件について、事故調査会開催の判断を仰ぐ。 事故の要因が、他部署にも影響を及ぼす可能性が ある場合は、点検の指示を出す。

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関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長

4 事故発生後の対応:院内での調査

(3) 事故調査会 事実経過の 整理・確認と記録 事故連絡会 事故連絡会等の 情報を基に院内での 調査を行う 報告

(29)

4 事故発生後の対応:院内での調査

(3) 院内での調査 ○ 事故調査会での調査 ① 事故連絡会で収集・確認した情報を基に、事実経過の整 理・確認を行う。 ※ 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合は、P32 以降を参照 ② 事故の原因、病院の過失の有無、今後の方針検討し、院 長に報告する ③ 過失の存在が確実である場合はもとより、過失が疑われる 場合若しくは、患者側からの不信が強い場合には、「事故調 査会」の調査を基に院長が判断し、病院経営本部へ報告を する。 【連絡先】 病院経営本部 サービス推進部 医療安全推進担当課長 電話03(5320)5833 医療安全推進担当 電話03(5320)5838

(30)

関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長

4 事故発生後の対応:患者・家族等へのその後の状況等の説明

(4) 説明担当者 説明会 カルテに 記録 説明者、 説明を 受け た 人、 説明 日時、説明内容、 質問・回答等を記 録する。 事故調査会で 選出した者が同席 必要に応じて 報告

(31)

4 事故発生後の対応:患者・家族等へのその後の状況等の説明

(4) 患者・家族等へのその後の状況等の説明 ① 説明に際しては、患者・家族等の心情に十分配慮し、真摯な 態度で誠意をもって話す。 ② 説明には、説明担当者(通常は主治医や上席医等)のほか、 事故調査会で選任した者が同席する。医師だけではなく、看 護師長(若しくは、それに準ずる看護職員)等も同席する。 また、相手方にも複数の方に来ていただくよう求める。 ③ カルテ等の記録に基づき、事実関係を分かりやすく説明する。 ④ 事故の原因が不明確であるときには、 ・「このような事態に至ったことを、大変遺憾に思います。」 ・「最善の治療を行いたいので、今は治療に専念させていただきたい」 ・「病院として調査を行い、その結果は後日説明させていただきます。」 と話し、事実関係だけを説明して、患者・家族等の理解を得る ようにする。 ⑤ 病院側の過失が明らかな場合には、病院側に過失があること を率直に告げ謝罪する。 過失と事故との因果関係が明らかでない場合には、「因果 関係等については病院として十分に検討した上で、できる

(32)

関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長

4 事故発生後の対応:当事者に対するフォロー

担当を替え て欲しい 当事者フォロー実施 違う職務へ 休養へ 復帰 「プログラム」 の実施 当 事 者 へ のフォロー 要望 報告 当事者の状態、 家族等の要望等 を報告 当事者の状態、 家族等の要望等 も 考 慮 し 、 必 要 性を判断

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4 事故発生後の対応:当事者に対するフォロー

(5) 当事者に対するフォロー ① 当事者の上司は、当事者の心身の状態を観察するとともに、 必要に応じて当事者自身へのフォロー体制をとる。 ② 当事者を担当から外して欲しい等の要望が患者・家族等か らあった場合は、速やかに必要性を十分に検討して対応す る。 ③ 心身の状態に応じて、当事者の担当職務の変更や休養の 要否を検討する。 ④ 当事者が復帰する場合、状態を勘案しながら復帰プログラ ム等に基づき、徐々に行う。 病院では、あらかじめ研修やマニュアル等により 当事者に対するフォロー体制を検討しておく必要が ある。 復帰を促す場合、復帰プログラムについても検討 しておく。 また、院内の健康管理部門と連携して、回復を進 めていくことが重要である。

(34)

(空白のページ)

(35)

5 患者が死亡又は重篤な

傷害が発生した場合

(36)

z . 関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長 5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合:患者が死亡したときの対応 死亡! 家族等 確認 死亡の 確認 患者の尊厳を尊重し、家族等の気持ちを 慮り、誠実に接する 事実をカルテに記録 (1) 主治医

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5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合:患者が死亡したときの対応 (1) 患者が死亡したときの対応 ① 家族等に死亡を伝える場合、医師は、家族や他の医療従事 者とともに患者の死亡を確認し、明確に臨終を告げ、速やか にその事実をカルテに記録する。 ② 患者の尊厳を尊重し、家族の気持ちを慮り、誠実に接する。 ③ これからの予定について説明する。 患者と家族がともに過ごす時間への配慮や、死後のケア についての説明や参加希望の有無、荷物の整理等につい て十分説明する。

(38)

. 関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長 5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合:事故調査会の開催 事実関係を詳細に調査・検討 事故原因・過失の有無の見解まとめ ご家族等 過 失 が あ っ た 場合、速やかに 謝罪 自ら行った行為や 見た事実を報告書に まとめる 事故調査会 事実・見解⇒文書作成 カルテ、看護記録等の記録の保存 (電子データ含む) (2) 必 要 に 応じて 報告 医療安全対策推進委員会 再発防止策の 検討指示

(39)

5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合:事故調査会の開催 (2) 事故調査会の開催 事故に対する緊急な対応が終了したら、直ちに、院内に事故 調査会を設置する。 ① 事故発生後、できるだけ早い時期(遅くても24時間以内)に 事故調査会を開催し、事実関係を詳細に調査・検討し、事故 の 原 因 や 過 失 の 有 無 等 に つ い て 見 解 を ま と め 、 院 長 へ 報告するとともに、判断を仰ぐ。 ② 事実関係の調査において、異状死が確認された場合は、速 やかに所轄警察署に届出る。 ※ 所轄警察署への届出については P43 を参照 ※ 異状死の判断が困難な場合は、P58~70 の資料を参考にする。 ③ 事実関係の調査において、医療に起因し又は起因すると疑 われる死亡であって管理者(院長)が当該死亡を予期しなかっ たものであった場合、院長は遅滞なく、医療事故調査・支援セ ンターに報告する。 ※ 医療事故調査・支援センターへの報告については、P36~41 参照 ④ 所轄警察署への届出を行った場合は、事故調査会開催につ いて慎重に対応し、関係機関等において疑義を生じさせること のないよう留意する(必要に応じて外部委員を選任する。)。 ⑤ 病院の見解で、明らかに過失があると判断された場合は、速 やかに患者・家族等に病院としての謝罪を行う。 ⑥ 事故に関与した職員は、事前に自ら行った行為や見た事実 等を報告書としてまとめておく。

(40)

医 療 事 故 調 査 制 度 制 度 外 医 療 事 故 調 査 制 度 ※1 医 療 事 故 調 査 ・支 援 センター ※2 医 療 事 故 調 査 等 支 援 団 体 5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合: 医療に起因した予期せぬ死亡が発生 ⇒ 医療事故調査制度への対応の流れ 院 内 ③ 遺 族 に 制 度 等 に つ い て 説 明 医 療 に 起 因 ? 予 期 し な か っ た ?

長 に 直 ち に 報 告 ( 緊 急 連 絡 ) ② 院 長 が 対 象 か 判 断 医 療 に 起 因 か つ 予 期 し な か っ た 所 轄 警 察 署 への連 絡 を検 討 (医 師 法 21 条 ) ⇒P42参 照 医 療 事 故 調 査 ・ 支 援 セ ン タ ー (必 要 に応 じて)センター※ 1 又 は支 援 団 体※ 2に相 談

(41)

へ の 対 応 の 流 れ ⑦ 遺 族 に 調 査 結 果 に つ い て 説 明 ④ 院 長 が 遅 滞 な く セ ン タ ー へ 報 告 ⑤ 医 療 事 故 調 査 開 始 医療事故調査等支援団体 ※対応の詳細については、P38~P41を必ず参照すること ⑧ 院 長 が セ ン タ ー へ 調 査 結 果 報 告 ⑥ 院 長 に 報 告 書 提 出 院内事故調査 (事故調査会) 病院経営本部サービス推進部事業支援課に報告 ⇒P42参照 (必要な 支援) ( 業務 受委 託等) (病院が報告した事故について) 病 院 及 調査結果 再発の防 止に関 再発防止 のため の 取組み

(42)

関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長 ( 報告に あ た り ) あらかじ め 5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合 (医療に起因した予期せぬ死亡事故の場合) :医療事故調査・支援センターへの報告 患者 死亡 ① 報 告 と判断 遺族 医療事故 調査・支援 センター ・医療に起因し又は 起因すると疑われる? かつ ・予期しなかった? ・医療に起因し又は 起因すると疑われる かつ ・予期しなかったもの 管理者 異状死と判断(医師法 21 条) (速やかに届出)(⇒P42) ③ 説 明 (医療法6条の 10 第 2 項) ・医療事故の日時、 場所、診療科等 ・医療事故調査制度の概要 ・解剖等をする場合 同意に必要な事項 等 ⑤ 医療事故調査 (医療法 6 条の 11 第 1 項) ⇒P40参照 所轄 警察署 ③の後 遅滞なく ② ⑤ ④ 報 告 (医療法 6 条の 10 第 1 項) ・医療事故の日時、 場所、診療科等 ・調査計画と 今後の予定 等 (4)

(43)

5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合 (医療に起因した予期せぬ死亡事故の場合) :医療事故調査・支援センターへの報告 (4) 医療事故調査・支援センターへの報告 医療事故調査制度は、医療安全の確保を目的とした平成 26 年 6 月 25 日公布の改正医療法に基づくものであることから、対象となる事案が発 生した場合、法令の規定、通知等に則り対応する。 ① 提供した医療に起因し、又は起因すると疑われる死亡であって、管 理者である院長が当該死亡を予期しなかったもの(以下この頁及び P 41では「医療事故」という。)が発生した場合、医療法第6条の 10 第 1 項により、院長は医療事故調査・支援センターに、医療事故として遅 滞なく報告しなければならない。 ② 上記①の報告をするにあたり、あらかじめ、医療事故で死亡した患 者の遺族に、医療事故の状況や制度の概要、解剖等が必要な場合 の同意取得に必要な事項を説明しなければならない(医療法第6条 の 10 第 2 項)。 ③ 医療事故調査・支援センターへの報告は、法令等で定められた事 項について書面又は Web 上のシステムで行う。 ・医療事故調査・支援センター (一般社団法人 日本医療安全調査機構) 〒105-6105 東京都港区浜松町 2-4-1 世界貿易センタービル 5F 相談専用ダイヤル:03-3434-1110 (24 時間対応) URL:http://www.medsafe.or.jp ④ 上記①の報告をした医療事故の原因を明らかにするために必要な 調査(医療事故調査)を行わなければならない(医療法6条の 11 第 1 項)。 ⇒ 医療事故調査については、P40参照

(44)

関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長 ( 報告に あ た り ) あらかじ め 遺族 管理者 ⑦ 説 明 (医療法6条の 11 第5項) ・医療事故の日時、 場所、診療科等 ・医療事故調査の項目、 手法及び結果等 ※遺族が希望する方法 での説明に努める。 (⑦の後) 遅滞なく ⑥報告書提出 医療事故 調査等 支援団体 ※事故調査会の開催については、P34を参照。 ※院長が医療事故調査・支援センター(以下「センター」という。)に報告した医療事故について、遺族が センターに対し調査依頼をした場合の対応は、参考資料(厚生労働省医政局長通知等)を参照。 5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合 (医療に起因した予期せぬ死亡事故の場合) :医療事故調査・支援センターへの調査報告 医療事故 調査・支援 センター 必要な支援を求めるものとする。 (医療法 6 条の 11 第 2 項) ⑧ 報 告 (医療法 6 条の 11第4項) ・医療事故の日時、 場所、診療科等 ・医療事故調査の項目、 手法及び結果等 ※報告書を提出する。 ⑤ 医療事故調査 (医療法 6 条の 11 第 1 項) 事故調査会 (5) 必要に応じて

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5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合 (医療に起因した予期せぬ死亡事故の場合) :医療事故調査・支援センターへの調査報告 (5) 医療事故調査・支援センターへの調査報告 ⑤ 医療法第6条の 10 第1項により、医療事故調査・支援セン ターに医療事故を報告したときは、医療事故の原因を明らか にするために必要な調査(医療事故調査)を行わなければなら ない(医療法 6 条の 11 第 1 項)。 ・診療録その他の診療に関する記録の確認 ・当該医療従事者のヒアリング ・その他の関係者からのヒアリング ・解剖又は死亡時画像診断(Ai)の実施 ・医薬品、医療機器、設備等の確認 ・血液、尿等の検査 ※調査に当たっては、医療事故調査制度の目的は、医療安全の確保であり、 個人の責任を追及するものではないことに、十分留意する。 ※調査の実施に関する相談等は、医療事故調査・支援センターに対して行う (医療法6条の 16 第5号)。 ※調査では、医療事故調査等支援団体に対し必要な支援を求めるものとする (医療法6条の 11 第2項)。 ⑥ 事故調査会は調査が終了したときは、速やかに院長に、厚生 労働省令で定められた事項を記載した報告書を提出する。 ・日時/場所/診療科 ・医療機関名/所在地/連絡先 ・医療機関の管理者の氏名 ・患者情報(性別/年齢等) ・医療事故調査の項目、手法及び結果 ※医療事故に係る医療従事者等の関係者について匿名化する。 医療事故調査・支援センターへの報告事項 調査事項(必要な範囲で選択)

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. 関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長 5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合:所轄警察署等への連絡 (医師法21条による届出等) ※この項のフロー図は、現在、国において法改正の動きもある ことから、今後、制度改正を踏まえた改訂時に、作成する。

(47)

5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合:所轄警察署等への連絡 (医師法21条による届出等) (6) 所轄警察署等への連絡(医師法21条による届出等) ① 医師法第21条では、「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があ ると認めたときは、24時間以内に、所轄警察署に届け出なければならない。」と規定さ れている。死体等を検案した医師は、「異状」を認めたときにはこの規定に従い、所轄警 察署への届出を行う必要がある。 死体が「異状」であるかどうかは、死体等を検案した医師が判断する。この際、下記の 資料等を参考にする。 ② なお、次の場合にも、所轄警察署への届出が必要である。 ア 病院側の過失により死亡若しくは重篤な傷害が発生した場合には、患者・家族等に 説明した上で、院長が速やかに所轄警察署に届け出る。 イ 医療事故により患者が死亡したり、重大な傷害を受けた可能性があり、その医療行 為について刑事責任を問われる可能性が考えられたときには、速やかに警察に届け 出ることが必要である。 届出の要否の判断に当たっては、下記の資料等を参考にする。院長は、医療安全推 進対策推進委員長、上席医師等と相談して届出の要否を判断する。 ③ 所轄警察署へ届出をすると同時に、病院経営本部サービス推進部事業支援課に報 告する。 ※ 参考資料 ・「異状死」ガイドライン (⇒P58) (平成 6 年 5 月日本法医学会) ・「異状死体の取扱い」 (⇒P61) (日本医事新報第3711号 平成7年6月10日発行) (厚生省健康政策局医事課) ・「医療法・医師法(歯科医師法)解」抜粋 (⇒P62) (厚生省健康政策局総務課編) ・「医療事故防止方策の策定に関する作業部会(中間報告)」抜粋 (国立大学医学部付属病院長会議常置委員会) (⇒P63)

(48)

. 関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看護部 ・科長 医事担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 ) 院 長 5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合:病院としての説明・謝罪 (7) 家族等 病院関係者 患者・家族等の心情を十分配慮 して、誠意をもって分かりやすく説 明する。 過失があった場合は、速やかに 謝罪する。 説明会等の実施 必ず 出席 病院側と患者・家族等の出席 者、説明内容、質問・回答、話 し合いの結論等を記録 病院経営本部へ報告 保 管 事故調査で 同席者を 選任

(49)

5 患者が死亡又は重篤な傷害が発生した場合:病院としての説明・謝罪 (7) 病院としての説明・謝罪 病院としての最終的な結論が出た段階で、患者・家族等に正式 に説明する場を設定する。 ① 説明を行うときは、事故調査会で選任した者が出席する。 ② 事前に、患者・家族等と時間や出席人数、出席者の患者との 続柄等について確認しておく。 ③ 説明は、事故の結果に対する患者・家族等の心情に十分配 慮して、誠意をもって応対する。また、専門用語や分かりにくい 表現は避け、図示や参考文献等を活用するなど、患者・家族等 に理解していただけるよう心掛ける。 ○ 患者・家族等の発言に十分耳を傾け、冷静に話を聴 くよう心掛ける。 ○ 病院が行った調査の結果、病院側に過失が存在す ることが明らかになった場合には、事実を説明し、病院 として謝罪する。そして、以後の話合いについては、 東京都として責任をもって対応することを説明する。 ○ 病院側に責任がないと考えられる場合には、その理由 を患者・家族等が分かるように説明し、理解を求める。 理解が得られないようであれば、その後も必要に応じて話し 合いの場を設け、誠意をもって患者・家族等の疑問を解消して いくよう努力する。

(50)

患者・家族等への対応について

事故が発生した場合には、患者・家族等は言葉に尽くせな いほどの不安や悲しみ、医療側に対する不信や怒りを抱いて いるものである。 医療側としてはこのことを十分認識して、過失の有無に関わ らず、患者・家族等に対して真摯で誠実な態度で接することが 肝要である。 事故発生後の各場面における対応については、それらを含 めて患者や家族等にいかに接するべきかについて、以下にま とめて示す。 ここで最も大事なことは、患者や家族等は、患者の救命はも とより、事実に関する隠し立てのない説明、過失があった場合 の謝罪、さらに、事故の再発防止に対する病院の真剣な取組 みです。医療機関としては、これらのことを真摯に受け止めて 説明と対応をする事が肝要である。 ① 患者・家族等の立場にたって考え行動する。 ② 事実経過を速やかに、隠すことなく説明する。 ③ 事故が過失に基づくことが明らかな場合には、「後ほど 病院として説明させていただきますが・・・」と断った上で、 経過等を説明し、過失について謝罪する。 ④ 過失が存在したが、その過失と事故との因果関係が明 らかでない場合には、過失が存在したことを素直に告げ 謝罪した上で、「因果関係等については、病院として十分 に検討した上で、できるだけ早い時期に、改めて場を設 けて説明させていただきます。」と伝え、理解を得るように する。 ⑤ 過失の有無や、過失と事故との因果関係の有無につい て、病院と患者・家族等の意見が異なる場合には、病院 の考え方を理解してもらえるよう努力する。 ⑥ 救命救急処置などの結果、患者の衣服が乱れている場 合には、衣服の乱れを整える等して、患者の尊厳と家族 等の心情に十分配慮する。

(51)

6 再発防止策の検討と

その実施

(52)

関 係 者 当 事 者 上 席 医 そ の 他 関係者 当 事 者 の 管 理 職 事 故 連 絡 会 専 任 リ ス ク マ ネ ジ ャ ー 看 護 部 ・ 科 長 医事 担当 課長 副 院 長 (医 療 安 全 対 策 室 長 )) 院 長 6 再発防止策の検討とその実施 医療安全対策推進委員会 で再発防止策の検討 参加 外部委員 必要により参加 (病院全体の構造的・体 質的な要因のとき等) 患者・家族等 説明 分かりやすく

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6 再発防止策の検討とその実施 事故の再発防止策の検討とその実施は、病院として行うべき最重要の課題で ある。そして、このことこそが患者の大きな犠牲に報いる道である。 再発防止のための取組み ① 事故に関する病院としての最終結論を出した後、速やかに院 内の医療安全対策推進委員会は、事故に関与した職員等を含 めて、事故の再発防止について検討し、再発防止策を策定し、 職員全体に徹底する必要がある。 事例によっては、必要に応じて、他の部署の職員若しくは、外 部委員を選出するなど適宜、再発防止策の策定に参加させる。 ② 事故の発生が病院全体の構造的・体質的な問題に関わって いるような場合には、必要により外部委員を加えた検討会を設 置し対策を検討する。 ③ 防止策の検討に当たっては、事故発生の端緒となった事象の みに目を奪われるのではなく、事故要因や事故の背景等を徹底 的に分析し、事故の発生機序を明らかにした上で、再発防止策 を策定する。 ④ 患者や家族等に策定した再発防止策を分かりやすく説明する。

(54)

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(55)

7 患者・家族・弁護士等から

面会を求められたら

(56)

患者・家族等が医療過誤を疑い、診療上の説明ではなく、医療が適正に行われ たかどうかについて説明を求められることがある。 医療が適正に行われたかどうかを判断する場合、患者・家族等の判断も十分尊 重する必要がある。そして、患者・家族等に誠意をもって適切な説明をすることは医 療側の基本的な義務であることを忘れずに、接するようにする。 (1)患者や家族等から面会を求められた場合 主治医等は、以下の点に留意して応対する。 ① 患者・家族等からあらかじめ電話等で連絡があった場合は、事 前に上司に報告し相談する。 ② 外来診療の後などに急に説明を求められ、上司に相談する時 間的余裕のない場合は、患者・家族等と面談後に直ちに上司に 報告する。 ③ 患者・家族等と面会し説明する場合は、第一に患者の話をよく 聞き、その主張や要望を的確に把握する。 ④ 患者・家族等に対し説明する場合には、カルテ等の記録を見 て、事実に基づいて説明する。 ⑤ 主治医等の個人の見解に説明が及ぶような場合は、論議のあ る箇所については、医学的に確定できないことを説明する。そし て、これと同時に、「現在、病院として事実関係を調査、検討して いるところです。」または、「今後、調査、検討しますので、後日、 結論が出た段階できちんと説明させていただきます。」と伝え る。 ⑥ 十分に説明を尽くしても患者や家族等が納得されず、なお、 厳しく責任を追及される事態となった場合には、「これ以上の話 し合いは主治医でなく、病院がさせていただくことになります。」 と伝え、医事担当課長に以後の対応を依頼する。 説明を終了したら、面談の内容をカルテに詳しく記載してお く。 7 患者・家族・弁護士等から面会を求められたら

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(2)弁護士等から面会を求められた場合 患者・家族等が弁護士等を代理人に指定し、その代理人が主治 医や看護職員等に面会を求め、また、説明又はカルテ等の記録類 の閲覧若しくは写しの交付などを求めてくることがある。 ① 患者・家族等の弁護士等から電話による問い合わせや面会の 求めがあった際には、「病院として応対させていただきます。窓 口は医事担当課長となります。」と説明する ② ①の弁護士等とのやりとりの日時、内容を記録し、直ちに医事 担当課長に伝える ※ 患者・家族等が弁護士等を代理人に指定し、接触し てきたら・・・ 弁護士等代理人が接触してきたときは、必ず上司と相 談するとともに、医事担当課長にも連絡する。 連絡を受けた医事担当課長は、直ちに病院経営本部 に連絡し、以後の対応について協議をする。

(58)

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(60)

資料1

病理解剖の承諾を求める場合

病院が遺族に承諾を求める解剖は病理解剖である。 ① 患者が死亡されたことについて、警察への届けを要しないと思われ る場合で医師が解剖の必要を認めたときは、その必要性について遺 族等に分かり易く説明したうえで、病理解剖の承諾を求める ② 遺族から解剖の承諾を得られなかった場合には、その理由をカル テに記載しておく 【参考】 解剖には、①病理解剖 ②行政解剖 ③司法解剖の3種類がある。 ① 病理解剖とは、剖検結果に基づいて、生前の病態や死因等を明ら かにし、医学の進歩に役立てようとするものであり、遺族の承諾を必 要とする ② 行政解剖とは、死体解剖保存法第8条に基づき、死因が明らかで ない死体について、その死因を明らかにするために行うものであり、 遺族の承諾を必要としない。実務においては、医師の診療を受けて いない者が死亡した場合(自殺、行き倒れ等)、医師法第20条により 医師が死亡診断書を作成できないため、警察からの依頼により監察 医が死体の検案を行い、その検案によっても死因が判明しない場合 に監察医によって解剖(行政解剖)が行われる ③ 司法解剖とは、死体の死亡原因が犯罪(医療事故の場合は、業 務上過失致死罪)によるものかどうかを判断するため、捜査機関が 刑事訴訟法に基づき裁判所の許可を得て、大学の法医学教室に 嘱託して行うもので、遺族の承諾を必要としない

(61)

司法解剖または行政解剖は、遺族あるいは病院等から警察への届 出等により行われる。 司法解剖は、警察が検視の結果、病院側の医療過誤に基づく業務 上過失致死罪が疑われる場合に行われることが多く、警察が、犯罪性 がないと判断した場合には、行政解剖となる。 ○ 死体解剖保存法第8条第1項(監察医の検案及び解剖) 「政令で定める地を管轄する都道府県知事は、その地域内におけ る伝染病、中毒又は災害により死亡した疑のある死体その他死因の 明らかでない死体について、その死因を明らかにするため監察医を 置き、これに検案をさせ、又は検案によっても死因の判明しない場 合には解剖させることができる。―以下略―」

(62)

資料

2

「異状死」ガイドライン (平成6年5月日本法医学会) 出典:日本法医学会報告「異状死」ガイドライン 「日本法医学雑誌14巻5号」掲載 医師法第21条に「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があ ると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない」と規定 されている。 これは、明治時代の医師法にほとんど同文の規定がなされて以来、第二次世界大 戦中の国民医療法を経て現在の医師法に至るまで、そのまま踏襲されている条文で ある。立法の当初の趣旨はおそらく犯罪の発見と公安の維持を目的としたものであ ったと考えられる。 しかし社会生活の多様化・複雑化にともない、人権擁護、公衆衛生、社会保障、 労災保険、生命保険等に関わる問題が重要とされなければならない現在、異状死の 解釈もかなり広義でなければならなくなっている。 基本的には、病気になり診療を受けつつ、診断されているその病気で死亡するこ とが「ふつうの死」であり、これ以外は異状死と考えられる。しかし、明確な定義 がないため実際にはしばしば異状死の届け出について混乱が生じている。 そこで我が国の現状を踏まえ、届け出るべき「異状死」とは何か、具体的ガイド ラインとして提示する。 条文からは、生前に診療中であれば該当しないように読み取ることもできるし、 その他解釈上の問題があると思われるが、前記趣旨にかんがみ実務的側面を重視し て作成したものである。 【1】 外因による死亡(診察の有無、診療の期間を問わない) (1)不慮の事故 A 交通事故 運転手、同乗者、歩行者を問わず、交通機関(自動車のみならず自転車、 鉄道、船舶などあらゆる種類のものを含む。)による事故に起因した死亡、 自過失、単独事故など、事故の態様を問わない。 B 転倒・転落 同一平面上での転倒、階段・ステップ・建物からの転落などに起因した 死亡 C 溺水 海洋、河川、湖沼、プール、浴槽、水たまりなど、溺水の場所は問わな

(63)

い D 火災、火焔などによる障害 火災による死亡(火傷・一酸化炭素中毒・気道熱傷あるいはこれらの競 合など、死亡が火災に起因したものすべて)、火焔・高熱物質との接触に よる火傷・熱傷などによる死亡 E 窒息 頭部や胸部の圧迫、気道閉塞、気道内異物、酸素の欠乏などによる窒息 死 F 中毒 毒物、薬物などの服用、注射、接触などに起因した死亡 G 異常環境 異常な温度環境への曝露(熱射病、凍死)、日射病、潜函病など H 感電・落雷 作業中の感電死、漏電による感電死、落雷による死亡など I その他の災害 上記に分類されない不慮の事故によるすべての外因死 (2)自殺 死亡者自身の意志と行為に基づく死亡 縊頸、高所からの飛降、電車への飛込、刃器・鈍器による自傷、入水、服 毒など。 自殺の手段方法は問わない。 (3)他殺 加害者に殺意があったか否かにかかわらず、他人によって加えられた障害 に起因する死亡すべてを含む。 絞・扼頸、鼻口部の閉塞、刃器・鈍器による傷害、放火による焼死、毒殺 など 加害の手段方法を問わない。 (4)不慮の事故、自殺、他殺のいずれであるか死亡に至った原因が不詳の 外因死

(64)

【4】診療行為に関連した予期しない死亡、およびその疑いがあるもの 注射・麻酔・手術・検査・分娩などあらゆる診療行為中、または、診療)行為の 比較的直後における予期しない死亡 診療行為自体が関与している可能性のある死亡 診療行為中または比較的直後の急死で、死因が不明の場合 診療行為の過誤や過失を問わない。 【5】死因が明らかでない死亡 (1)死体として発見された場合 (2)一見健康に生活していた人の予期しない急死 (3)初診患者が、受診後ごく短時間で死因となる傷病が診断できないまま死亡した 場合 (4)医療機関への受診歴があっても、その疾病により死亡したとは判断できない場 合(最終診療後24時間以内の死亡であっても、診断されている疾病により死亡 したとは判断できない場合) (5)その他、死因が不明の場合 病死か外因死か不明の場合

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資料3

異状死体の取扱い 出典:日本医事新報3711 号 平成7年6月10日発行 (厚生省健康政策局医事課) 【問】医師法第20条では、自ら検案しないで検案書を交付することを禁 じている。また、平成7年2月に厚生統計協会から出版された「死亡診 断書・出生証明書・死産証書記入マニュアル」では、死亡に異状を認め ない検案をしたときは、生前に無診察、無治療でも検案書として交付し てもよいことになっている。 このことからみると、異状死体でなければ警察への届出は不要である ということなのか。通常、警察を経由して監察医が到着するまでという 手順では、時間もかかり、死体安置に困ることが多いが。 (東京 K生) 【答】ご質問は医師法第21条の「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産 児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に 届け出なければならない」に関するものである。 貴見のとおり、死体を検案して異状が認められなければ、警察に届け 出る必要はない。ただし、この「異状」の基準を一律に規定することは 困難であるが、日本法医学会の「異状死ガイドライン」等を参考にされ たい。 なお、東京区部、大阪市、横浜市、名古屋市、神戸市には死体解剖保 存法に基づき監察医がおかれ、死因の明らかでない死体の検案等を行っ ている。制度の趣旨をご賢察のうえ、協力されたい。

(66)

資料4

「医療法・医師法(歯科医師法)解」抜粋 出典:医療法・医師法(歯科医師法)解(厚生省健康政策局総務課編) 医師法第21条【解】 1 死体又は死産児については、殺人、傷害致死、死体損壊、堕胎等の犯罪の 痕跡を止めている場合があるので、司法警察上の便宜のためにそれらの異状 を発見した場合の届出義務を規定したものである。 従って、「異状」とは、病理学的の異状でなくて法医学的のそれを意味す るものと解される。「所轄警察署」とは原則として死体又は死産児を検案し た地の所轄警察署である。 2 本条の違反に対する罰金は、5千円以下の罰金である。(第33条)

(67)

資料5

「医療事故防止方策の策定に関する作業部会(中間報告)」抜粋 出典:国立大学医学部附属病院長会議常置委員会 (平成12年5月) 【報告書21頁】 (2)警察への届出 医師法により、異状死体については、24時間以内に所轄警察署に届 け出ることが義務づけられている。(注1)医療事故が原因で患者が死亡 した可能性のある場合に、医師法の規定に従い届出を行わなければなら ないか否かについて、本作業部会が明確な解釈を提示することはできな いが、同法の規定は、司法警察上の便宜を図ることを目的としたもので あると言われることから、医療行為について刑事責任を問われる可能性 のあるような場合(注2)は、速やかに届け出ることが望ましいと考え る。 判断に迷うような場合であっても、できるだけ透明性の高い対応を行 うという観点から、先ずは速やかに警察署に連絡することが望ましいと 考える。 注1)医師法第21条 「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると 認めるときは、24時間以内に、所轄警察署に届け出なければなら ない。」

(68)

資料6

「リスクマネジメントスタンダードマニュアル作成指針」抜粋 出典:厚生省リスクマネジメントスタンダードマニュアル作成委員会 (平成12年8月22日) 【報告書7頁】 5 警察への届出 (1)医療過誤によって死亡又は傷害が発生した場合又はその疑いがある場 合には、施設長は、速やかに所轄警察署に届出を行う。 (2)警察署への届出を行うに当たっては、原則として事前に患者、家族等 に説明を行う。 (3)施設長は、届出の具体的内容を地方医務(支)局を経由して速やかに 本省へ報告する。 (4)施設長は、警察への届出の判断が困難な場合には、地方医務(支)局 を経由して本省の指示を受ける。 (注)医師法(昭和23年法律第201号)第21条の規定により、医師は死体又は妊 娠4ヶ月以上の死産児を検案して異状があると認めた場合、24時間以内に、所轄 警察署に届け出ることが義務づけられている。

(69)

資料7

出典:東京都監察医務院

(70)

資料8

「臨床医師が死亡診断書を作成するときの留意事項」

東 京 都 監 察 医 務 院 1医師が死亡診断書を書かずに警察に届けなければならない事例 我が国では病死は医師の管轄下にあり、異状死は警察の管轄下にある。救急 車で搬送され、着院時心肺停止の患者が異状死であると医師が判断した場合、 医師は24時間以内に警察に届け出なければならない。ここでいう異状死とは、 外因死(自殺、他殺、交通事故、溺死、焼死、中毒、医療過誤など)の全てと、 病死ではあるが死因が明確でないものである。 異状死の定義に法的な規定はないが、平成6年5月に日本法医学会が提言し たものが参考とされることが多い。 事例1 A(76歳男性)は買物中に路上で転倒し、このことを家族等が見ていた。すぐに大学 病院に搬入されたが5時間後に死亡した。CT検査で死因は脳挫傷と診断された。大学病 院担当医は病死として死亡診断書を発行した。 死亡届の提出を受けた区役所から当院に外因死ではないのかという照会電話があったの で、筆者が担当医から事情を聞いた。結局、本例は外因死であって担当医の発行した死亡 診断書は失効となり、警察の検視後当院の検案が行われた。 判断 本件は転倒の原因が疾病に基づくことが医学的に立証できないかぎり外因死となる。外 因の関与した死亡については、必ず警察に届けなければならない。

(71)

事例2 B(39歳の女性)はトイレでたばこを吸っている間にネグリジェに引火して体表の約 70%の火傷を受けた。直ちに大学病院に入院して治療を受けたが、72日後に敗血症で 死亡した。担当医は外因死として警察に届けた。警察は死因がはっきりしているし、たば こからの引火は本人の行為であり、事件性は全くないので当院の検案が必要かと照会して きた。 判断 担当医の処置は正しい。警察はしばしば事件性の有無によって外因死であるか否かの判 断をしようとするがこれは誤りであり、当院の検案が必要である。 事例3 C(72歳の男性)は4ヶ月前に泥酔してけんかし、路上に倒れた。救急車で大学病院 に収容され、検査によって硬膜下出血が確認された。病状が安定していたので3ヶ月前に 関連病院の甲外科医院に転院になったが、その後、肺炎症状をきたして死亡した。 担当医は病死と判断して、(ア)心不全(イ)肺炎(ウ)硬膜下出血という死亡診断書を 作成した。 判断 死因の種類は原死因で決めなければならない。本例は路上で倒れたことが原死因になる ので外因死となる。したがって、担当医の判断は誤りである。 事例2,3のように経過の長いものは原因となる傷病が忘れがちになる。 2医師が死亡診断書を書かなければならない事例 入院中の患者がある疾病で死亡したとき担当医が死亡診断書を作成する。こ れが臨床医の扱う最も一般的な事例であろう。 通院中の患者が自宅で死亡した場合はどうなるのか。医師法第20条によれ ば、最終診察後24時間以内に死亡した場合(実際に死体を見て24時間以内

参照

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