教育キャンプでのアンケート調査からみた1型糖尿 病患者のカーボカウント法の主観的習得度および運 用状況と課題
著者 小松 祥子, 野井 香梨, 藤本 浩毅, 堀田 優子, 橋 村 夏野子, 広瀬 正和, 川村 智行
雑誌名 大手前大学論集
巻 17
ページ 247‑259
発行年 2017‑03‑31
URL http://id.nii.ac.jp/1160/00001385/
Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja
大 手 前 大 学 論 集 第17号(2016)pp.247‑259
教 育 キ ャ ンプ で の ア ンケ ー ト調 査 か らみ た 1型 糖 尿 病 患 者 の カ ー ボ カ ウ ン ト法 の
主 観 的 習 得 度 お よ び運 用 状 況 と課 題
小 松 祥 子1),野 井 香 梨2),藤 本 浩 毅2)
堀 田 優 子3),橋 村 夏 野 子3),広 瀬 正 和3),川 村 智 行3)
要 旨
(目 的)1型 糖 尿 病 に お い て 強 化 イ ンス リ ン療 法 を 補 完 す る カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 習 得 及 び 習 慣 化 と、 知 識 や 意 欲 との 関連 性 を調 べ た 。
(方 法)教 育 キ ャ ン プ に 参 加 し た 小 学5年 生 以 上 の 患 者36名 を対 象 に 自記 式 ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 した 。 ア ンケ ー トは ① 年 齢 お よ び 性 別 、 ② 食 前 総 イ ンス リ ン量 を算 出 す る 計 算 問題 、 ③ カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る知 識 を 問 う設 問 群 、 ④ カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る 意 欲 を 問 う設 問 群 で 構 成 し た 。 解 析 は 、 「カ ー ボ 量 の 見 当」 と そ の 他 の 項 目の 関 連 性 を調 べ る た め にx2検 定 、 お よ び14項 目 を対 象 に 主 成 分 分 析 を行 っ た 。
(結 果 お よ び 考 察)33名 分 の デ ー タ を 有 効 回 答 と した 。 食 前 の 総 イ ンス リ ン量 の 一 部 を 占 め る 食 事 に 対 す る 追 加 イ ン ス リ ン量 の 計 算 に 必 要 な 「食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当 」 が 「で き な い 」 者 が 半 数 近 く を 占 め た 。 一 方 、 「食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当 」 が 「で き る 」 者 は 、 カ ー ボ 量 計 算 の 習 慣 性 が 有 意 に 高 く、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 継 続 性 も有 意 に 高 か っ た 。 さ ら に 、 この 群 は血 糖 管 理 の 実 行 性 も有 意 に 高 か っ た 。 食 品 の 糖 質 量 の 見 積 も り能 力 の 向 上 は、 追 加 イ ンス リ ン量 の 算 出 能 力 を 向上 させ 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 習 得 や 習 慣 化 に大 き く寄 与 す る も の で あ る と考 え られ る 。
キ ー ワ ー ド カ ー ボ カ ウ ン ト法 、1型 糖 尿 病 、 青 少 年 、 ア ン ケ ー ト調 査 、 血 糖 コ ン ト ロ ー ル
1)大 手前 栄養製菓学 院専 門学校 講 師 2)大 阪市立大学 医学部付属病 院栄養部 3)大 阪市 立大学大学 院医学研 究科発達小児 医学
一247一
緒 言
1型 糖 尿 病 は 、 膵 臓 ラ ン ゲ ルハ ン ス 島 β細 胞 が 障 害 され る こ と に よ り、 血 糖 値 を低 下 させ る 唯 一 の ホ ル モ ンで あ る イ ン ス リ ンの 絶 対 的 な不 足 を 生 じ る 自己 免 疫 疾 患 で あ
1)
る 。 発 症 は 小 児 に 多 く、 生 涯 に わ た りイ ン ス リ ン療 法 が 必 要 とな る 。 患 者 は 、 日常 生 活 の 中 で 血 糖 測 定 器 と イ ン ス リ ン注 射 器 を携 行 し、 必 要 に応 じて 血 糖 値 を測 定 し、 そ の 測 定 値 に 合 わ せ て イ ンス リ ン を皮 下 に 自 己注 射 す る 。 現 在 は、 イ ンス リ ン注 射 器 に 代 わ り、 皮 下 に カ テ ー テ ル を 留 置 し持 続 的 に イ ンス リ ン を注 入 す る ポ ンプ 療 法 も普 及
し て い る 。 患 者 は生 活 状 況 に 応 じ て 、 どち らか の 方 法 を 選 択 す る こ とが で き る 。 1型 糖 尿 病 は 、2型 糖 尿 病 と同 様 に 、 平 均 的 に血 糖 値 が 高 い 状 態 が 続 く と 、 発 症 か ら数 年 〜 数 十 年 の 問 に糖 尿 病 神 経 障 害 、 糖 尿 病 網 膜 症 、 糖 尿 病 腎 症 の 三 大 細 小 血 管 合 併 症 に 進 展 す る 。 一 方 、 イ ンス リ ン量 の 調 節 を 誤 っ て血 糖 値 を 下 げ 過 ぎる と 、 急 性 に 低 血 糖 性 昏 睡 を 引 き起 こす こ と が あ る 。 従 っ て 、 血 糖 値 を 目標 範 囲 に 維 持 す る た め に 、1型 糖 尿 病 患 者 は発 症 直 後 か らイ ンス リ ン量 の 調 整 方 法 を習 得 し、 血 糖 管 理 を習 慣 化 す る必 要 が あ る 。
血 糖 値 上 昇 の 要 因 は、 第 一 に 食 事 に あ る 。 第 二 に 、 コ ル チ ゾ ー ル や ア ドレ ナ リ ン な どの イ ンス リ ン拮 抗 ホ ル モ ンの 分 泌 が 充 進 した り、 交 感 神 経 が 優 位 に な っ た りす る 結 果 、 糖 新 生 が 充 進 す る こ と に あ る 。 イ ンス リ ン療 法 を行 っ て い る1型 糖 尿 病 患 者 で 、 食 前 に 計 測 した 血 糖 値 が 高 値 を示 した 場 合 、 そ の 要 因 は 前 回 の 食 事 の 際 に 打 っ た イ ン ス リ ン量 が 食 事 量 に 対 し て不 足 し て い た こ と 、 ま た は 、 感 染 症 に 罹 っ て い る な ど心 身 へ の ス トレ ス負 荷 が あ る こ と な どが 考 え られ る 。
食 事 に よ る 血 糖 上 昇 速 度 は 摂 取 す る 栄 養 素 の 組 合 せ に よ り異 な る 。 食 後 の 血 糖 値 上 昇 に最 も影 響 を 与 え る の は糖 質 で あ る 。 糖 質 が 多 い 食 事 で は 食 後 短 時 間 の 間 に 血 糖 値 は 急 上 昇 す る 。 一 方 、 た ん ぱ く質 と脂 質 が 多 い 食 事 で は 食 後 の 上 昇 は 微 漸 増 で あ る
2)
が 、 翌 日 まで 持 続 す る傾 向 に あ る 。
1型 糖 尿 病 患 者 に 推 奨 さ れ て い る注 射 器 に よ る イ ン ス リ ン療 法 は 、1日 に4回 打 つ 強 化 イ ン ス リ ン療 法(Basal‑bolus療 法)で あ る 。 健 康 人 の イ ンス リ ン分 泌 に は 、24 時 間 微 量 に 分 泌 さ れ る 基 礎 分 泌(Base)と 食 事 に よ る 血 糖 上 昇 に対 応 す る 追 加 分 泌 (Bolus)が あ る 。 強 化 イ ン ス リ ン療 法 で は 、1日 に1回 基 礎 分 泌(基 礎 イ ンス リ ン) に 該 当 す る 持 効 型 イ ン ス リ ン ま た は 中 間型 イ ンス リ ン を 皮 下 注 射 し、 各 食 前 に 追 加 分 泌(追 加 イ ンス リ ン)に 該 当 す る 超 速 効 型 イ ンス リ ン ま た は 速 効 型 イ ンス リ ン を皮 下
1)
注 射 す る 。
追 加 イ ンス リ ン量 の 調 整 を 補 完 す る 方 法 と して 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 が あ る 。 血 糖 値 を最 も上 昇 させ る の は 食 品 中 の 糖 質 で あ る こ とか ら、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 で は 主 に 食 事
i・
教 育 キャ ンプでの ア ンケー ト調査 か らみ た1型 糖尿 病患者 の カーボ カウ ン ト法 の主観 的習得 度お よ び運 用状 況 と課題
中 の 糖 質 量 を把 握 し、 そ の 量 に応 じた イ ンス リ ン量 を算 出 す る。 ま た 、 食 前 に は血 糖 値 を測 定 し、 そ の 値 が 異 常 低 値(低 血 糖)あ る い は 異 常 高 値(高 血 糖)で あ れ ば 、 そ の 補 正 の た め の イ ンス リ ン量(補 正 イ ンス リ ン量)を 加 味 す る。 こ の よ う に して 、 食 前 に打 つ イ ンス リ ンの 総 量 を 決 定 す る 。
食 事 に よ る 血 糖 値 の 変 動 予 測 値 に対 して 妥 当 な イ ン ス リ ン量 を 決 定 で き る こ と は 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 利 点 で あ る。 加 え て 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 は、 活 用 す る 患 者 の 食 事
3)
の 自 由 度 と満 足 度 を 上 げ る こ と も報 告 さ れ て い る 。
1型 糖 尿 病 は 小 児 期 に 発 症 す る こ とが 多 く、 成 長 に合 わせ て 血 糖 値 の 自 己 管 理 が で き る よ う に な る こ とが 療 養 上 大 切 で あ る 。 こ の た め 、 小 児 や 青 年 期 の 患 者 を対 象 に 教 育 キ ャ ンプ が 開 催 され る 。 教 育 キ ャ ン プ の プ ロ グ ラ ム は 、 血 糖 値 の 自己 管 理 能 力 を高 め る た め に 、 患 者 自身 が 疾 患 の 影 響 に よ っ て起 こ る 体 の 変 化 や 療 養 生 活 上 の 留 意 点 を よ り よ く知 る こ と、 ま た 、 い つ で も相 談 で き る 仲 間 を作 る こ と な ど、 多 岐 に わ た る テ ー マ に沿 っ て 組 み 立 て られ る。 こ の よ う な キ ャ ン プ に お い て 、 食 事 や 間 食 は 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 す る知 識 と技 術 を 習 得 す る重 要 な 機 会 と な る。
目 的
日本 に カ ー ボ カ ウ ン ト法 が 導 入 さ れ て10年 以 上 が 経 過 して い る 。 全 国 的 に 日常 診 療 や糖 尿 病 教 育 キ ャ ン プ に お い て 、 糖 尿 病 患 者 を 対 象 に カー ボ カ ウ ン ト法 を習 得 す る た め の 教 育 が 実 施 さ れ て い る 。 カ ー ボ カ ウ ン ト法 は 、 現 在 で は 、 発 症 後 診 断 を 受 け イ ン ス リ ン療 法 を 開 始 す る の と ほ ぼ 同 時(多 くは 年 少 期)に 開 始 す る場 合 が 多 い 。 しか し、
日本 に お け る カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 導 入 お よ び 普 及 時 期 以 前 は 、 食 経 験 と勘 に多 く を頼 る 従 来 の 方 法 で 食 前 の イ ン ス リ ン量 を 決 定 して お り、 患 者 歴 が10年 以 上 の 年 長 の 患 者 は 療 養 生 活 の 途 中 で カ ー ボ カ ウ ン ト法 へ の 変 更 を推 奨 され て い る 状 況 で あ る 。
カ ー ボ カ ウ ン ト法 を習 得 す る た め に は 、 糖 質 が 含 ま れ る 食 品 の 種 類 とそ の 含 有 量 が 分 か る こ と、 患 者 ご とに 異 な る係 数(イ ンス リ ン/カ ー ボ比)を 用 い て 摂 取 す る糖 質 量 に対 応 す る イ ン ス リ ン量 が 算 出 で き る こ と 、 患 者 ご と に異 な る 係 数(イ ンス リ ン効 果 値)を 用 い て 食 前 に測 定 した 血 糖 値 の 高 値 また は 低 値 を補 正 す る た め の イ ンス リ ン 量 が 算 出 で きる こ と、 そ して 、 これ らの 計 算 結 果 か ら食 前 に 打 つ 総 イ ンス リ ン量 が 決 定 で き る こ と が 必 要 とな る 。 糖 尿 病 キ ャ ン プ で は 、 毎 食 前 に こ の 一 連 の 作 業 の 一 つ 一 つ を患 者 各 自 が 確 認 して イ ンス リ ン を 打 つ 。
本 研 究 で は 、 強 化 イ ン ス リ ン療 法 を 補 完 す る カ ー ボ カ ウ ン ト法 を 習 慣 化 し、 良 好 な 血 糖 管 理 を継 続 して い く こ とが 療 養 上 の 目標 と な る1型 糖 尿 病 患 者 を 対 象 に 、 食 前 の 総 イ ンス リ ン量 を 決 定 す る た め の 一 連 の 作 業 の 習 得 に 影 響 を 及 ぼ して い る 知 識 や 意 欲
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に 関 す る 要 因 と、 そ れ らの 関 連 性 に つ い て 調 べ る こ と を 目 的 と し た 。
対象者
0市 で 活 動 して い る1型 糖 尿 病 患 者 会 が 主 催 し た 教 育 キ ャ ン プ に 参 加 した 患 者 の う ち 、 調 査 用 紙 の 記 載 内 容 を 理 解 し回 答 が 可 能 で あ る小 学5年 生 以 上 の36名 を 対 象 と し た 。 キ ャ ン プ の 運 営 に協 力 す る ボ ラ ン テ ィ ア ス タ ッ フ と して 参 加 し たOB・OG患 者 も対 象 者 に含 め た 。
方 法
調 査 は ア ン ケ ー ト形 式 と した 。
ア ンケ ー ト用 紙 は 、 自記 式 と し、 ① 年 齢 お よ び性 別 、 ② 食 前 に 打 つ 総 イ ンス リ ン量 を求 め る た め の 各 プ ロ セ ス を 問 う計 算 問 題 、 ③ カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る 知 識 を 問 う選 択 肢 形 式 の 設 問 群(7項 目)、 ④ カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る意 欲 を 問 う 選 択 肢 形 式 で 一 部 自 由 記 述 を 含 む 設 問 群(6項 目)で 構 成 し た(付 表)。 ② の 計 算 問 題 は 、 前 提 条 件 と し て 「イ ンス リ ン/カ ー ボ 比1.5」 、 「イ ンス リ ン効 果 値50」、 「今 か ら食 べ る 食 事 の カ ー ボ 数8.0」、 「食 事 前 の 血 糖 値70」、 「目標 の 血 糖 値120」 を 提 示 した 。 イ ン ス リ ン/カ ー ボ 比(以 下 、IC比)と は 、 食 品 中 の 糖 質10gを1カ ー ボ と し、 こ の1 カ ー ボ に対 して 必 要 な速 効 型 ま た は超 速 効 型 イ ンス リ ンの 単 位 数 を示 す 。 イ ンス リ ン 効 果 値(以 下 、IF値)と は 、 速 効 型 ま た は超 速 効 型 イ ンス リ ン1単 位 を 打 つ と低 下 す る 血 糖 値(mg/dl)を 示 す 。 ③ の 知 識 を 問 う設 問 に は 、 同 じ内 容 を平 易 な用 語 で 表 し た 設 問 と専 門 用 語 で 表 した 設 問 を含 め た 。 な お 、 小 学 生 が 対 象 に含 ま れ る こ と を考 慮 し、 ア ン ケ ー ト用 紙 の 全 て の 漢 字 に ル ビ を付 した 。
一250一
い亀
ほう
付 表 カ ー ボ カ ウ ン ト法 に つ い て の ア ンケ ー ト
【インスリン竃 の瑛め方について】
☆下にならんでいる数字を径うと、食事の前に打つインスリン竃 は何箪位になるでしょうか☆
・イ ンス リン/カ ーボ比1ひ .5 .イ ンス リン動藁 嶺50
・今か ら食べ る食事の カーボ数8 .0
・食事 前の融 翻直70
・琶ひ藻 の置米萄直120
しき か
計算 の式(プ ロセス)を 書いて くださ い
【カー ボカウ ン ト法につ いて】
しつもん ばあい
※(は い
・ いい え)な どの質問 の場合、 あてはま るもの に○をつけて くださ い。
しつもん ぱあい か
※()や 〔 〕の 質問の場 合
、あて はまる ことをそ の中に書 いてくだ さい。
1)あ な たの ことを籔えて くださ い。
・(男 桂 ・ 女椌)
・聡()謡
2)カ ーボカ ウン ト宏の 中で、あな たがで きている ものは どれ で しょうか?
○ をいくつ でもつけて くださ い。
とうしつ けっとう()食事中の糖 質が血糖 を上 げるとい うことがわか る ()羅 質が多 くふくまれ ている食 品は どんなものか がわか る
ひつよう ついか りょう()食事のため に必要な 追加 インス リンの 量 を計 算でき る ひ ついか りょう()インス リン/カ
ーボ比 を用 いて
、 追加イ ンス リン量 を計算 できる りょう()食品中の カ
ーボ 量 がだいた いわか る
()イ ンス リン動翼債 を用いて、 嵩肪轄 の時の舗雀 イン スリン竃 が計算で きる ()食 前齢糖禮 と食事 中のカ ーボ竃 を用 いて、食 事前の道 茄イ ンスリン竃 が計算で きる
3)い つもの生 活の中で、 食事のカ ーボ数 を計算 して いますか?○ をつけて ください。
(毎 食 計算 して いる ・ 毎食 は計算 して いない ・ まったく計算 していな い) /
ちがい 計算 している時 と計算 していな い時の違 いは何で すか?
〔 〕
4)カ ーボ カウン ト窪の中で 、よくわ からない こと(≡羨 など もふくめて)、飛 姜な ことは何で すか?
〔 〕
5)カ ーボ カウン ト窪は鶴箪 ですか、 それとも 響 しい ですか?○ をつ けてくだ さい。
(と て も嵩箪 ・ どち らかと いえば諮箪 ・ どちらか といえば響 しい ・ とて も響 しい)
6)カ ーボカ ウン ト宏 は、あなた の肪轄 コン トロール(底 肪轄 や嵩缶羅 にな らな いよ うにする こと)の ため に穫 に立 って いると思 いますか?○ を つけてく ださい。
(と て もTRに立 ってい る ・ まあまあ穫 に立 って いる ・TRに 立 ってい るかどうか わからな い)
7)カ ーボ カウン ト窪を」3SiULけること について、 どのよ うに思い ますか?○ をつ けてくださ い。
じしん つつ がんば つづ つづ じしん(自信 をも
って 続け られ る ・ 頑 張 って 続けよ うと思う ・ 続け る自信が ない)
↓
どのような サポー トがあれ ば(ど のよ うな ことを手伝 ってもらえ たら)てつだ つづ
続け られ そうで すか?
[1
8)肪 轄 コン トロ ール(禮 肪 籍や嵩肪羅 にな らないよ うにする こと)に つ いて、 どのよう に思います か?
○をつ けてくだ さい。
じしん(自信 をも
って できて いる ・ まあまあ できて いる
今 よりもで きるよ うにな りた い
●
・ よくない が今の ままでも いいかな と思う)
識華ぐV純弓㊦刈マ守ープ劃瞭サぴ勢浮一睡讃知滋紐雌㊦誉ー洗尋曽Vプ錦㊦断翻唇暇お細誘升q醸曲洋諦伴
ア ンケ ー ト調 査 の 期 間 は平 成27年8月8日 〜8月11日(4日 間)と した 。
期 間1日 目に 、 キ ャ ン プ の 全 日程 を 通 し て各 対 象 者 と共 に 行 動 す る 担 当 ス タ ッ フ に ア ン ケ ー ト用 紙 の 見 本 を配 布 し、 調 査 の 目的 、 ア ン ケ ー トの 内 容 、 回 答 方 法 、 留 意 点 に つ い て 説 明 し た 。 留 意 点 と して 、 対 象 者 が ア ンケ ー ト内容 に つ い て 不 明 で あ る こ と に つ い て は 、 担 当 ス タ ッ フ は 手 助 けせ ず 、 調 査 者 へ の 相 談 を 促 す よ う に説 明 した 。
期 間2日 目に 、 対 象 者 に ア ンケ ー ト用 紙 と 回 収 用 封 筒 を 配 布 し、 調 査 の 目的 、 ア ン ケ ー トの 内 容 、 回答 方 法 、 留 意 点 に つ い て 説 明 した 。 留 意 点 と し て 、 他 者 に相 談 せ ず
自分 で 考 え て 回 答 す る こ と 、 全 て の 設 問 に 回答 す る こ と、 不 明 な 点 は 調 査 者 に 直 接 相 談 す る こ と を 説 明 した 。
期 間4日 目に ア ンケ ー ト用 紙 を 回収 し、 そ の 場 で す ぐ に 回 答 内 容 を 確 認 した 。 回 答 が な い 項 目が あ る 、 ま た は 、 自 由 記 述 が 設 問 の 回答 と な っ て い な い 場 合 は 、 対 象 者 に 説 明 し、 再 記 入 させ た 。HbAlc値 は キ ャ ン プ 参 加 前 の 直 近 の 値 を 診 療 録 か ら 収 集 し た 。 ア ンケ ー ト用 紙 は無 記 名 と し、 デ ー タ処 理 の 段 階 で 対 象 者 個 人 を 特 定 で き な い よ う に した 。 本 研 究 の ア ン ケ ー ト内 容 、 調 査 法 は 、 大 手 前 栄 養 学 院 倫 理 委 員 会 の 承 認 を 得 て い る 。
デ ー タ の 分 析 は 、「食 品 中 の カ ー ボ 量 が だ い た い わ か る(食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当)」
と そ の 他 の 項 目 との 関 連 性 を調 べ る た め にpearsonのx2検 定 を 行 っ た 。 検 定 の 有 意 水 準 は5%未 満 と し た 。 さ ら に 、 計 算 問 題 を 含 む14項 目 に つ い て 主 成 分 分 析 を 行 っ た 。2項 の 変 数 を そ れ ぞ れ ダ ミ ー 変 数 化 して 検 定 を 行 い 、 固 有 値1.0以 上 か つ 累 積 寄 与 率80%ま で の 主 成 分 を採 用 し、 各 成 分 に お い て 係 数 値0.6以 上 を相 互 に 関 連 性 が 強 い 構 成 要 素 と した 。 デ ー タ分 析 ソ フ トはSPSSStatisticsver.9を 使 用 した 。
結 果
回 収 し た36名 分 の う ち33名 分 を有 効 回 答 と し た(有 効 回 答 率90.9%)。 除 い た3名 分 は い ず れ もHbAlc値 が 得 ら れ な か っ た た め 無 効 回 答 と し た 。 有 効 回 答33名 の 年 齢 、 性 別 、HbAlc値 を 表1に 示 す 。 年 齢 の 範 囲 は10〜29歳 、 性 別 は 男 性42.4%、 女 性57.6%で あ っ た 。HbAlc値 の 範 囲 は6.4〜14.0%で あ っ た 。
ア ンケ ー トの 集 計 結 果 を 表2、 表3に 示 す 。
表2は 、 食 前 総 イ ンス リ ン量 の 計 算 問 題 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る 知 識 の 設 問 群 の 回 答 結 果 で あ る 。 食 前 総 イ ンス リ ン量 の 計 算 問 題 は 、 正 解 者 が60.6%、 不 正 解 者 が39.4%で あ っ た 。 カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る 知 識 の 設 問 の う ち 、 「糖 質 と 血 糖 値 の 関係 」 に お い て 「わ か る 」 と 回答 した 割 合 、 「IF値 を用 い た 補 正 イ ンス リ ン量 の 計 算 」 に お い て 「で き る」 と 回 答 し た割 合 が 有 意 に 高 か っ た 。
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教 育 キャ ンプでの ア ンケー ト調査 か らみ た1型 糖尿 病患者 の カーボ カウ ン ト法 の主観 的習得 度お よ び運 用状 況 と課題
表1対 象 者 の 基 本 属 性(Nニ33) 年 齢(歳)Ave.±S.D.15.2±5.30 年 齢 の 範 囲(歳)10〜29
男 性(人 数%)1442.4 女 性(人 数%)1957.6
HbAlc(%)Ave.±S.D.8.0±1.63 HbAlcの 範 囲(%)6.4〜14.0
表2ア ン ケ ー ト回 答 結 果 そ の1(N=33) 表3ア ン ケ ー ト回 答 結 果 そ の2(N=33)
(人)(%) (人) (%)
食前 総 イ ンス リ ン量 の計算 正 解
不 正解
2060.6 1339.4 カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る知 識
① 糖 質 と血 糖 値 の 関 係*
わ か る2781.8 わ か ら な い618。2
② 糖 質 を多 く含 む 食 品 わ か る2163。6 わ か ら な い1236.4
③ 食 事 の た め の 追 加 イ ンス リ ン量 の 計 算 で き る1854.5
で き な い1545.5
④IC比 を用 い た 追 加 イ ン ス リ ン量 の 計 算 で き る1957.6
で き な い1442。4
⑤ 食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当 で き る1545。5 で き な い1854.5
⑥IF値 を用 い た 補 正 イ ン ス リ ン量 の 計 算*
で き る2472.7 で き な い927.3
⑦ 食 前 血 糖 値 と カ ー ボ 量 を用 い た 食 前 追 加 イ ンス リ ン量 の 計 算
で き る1957。6 で き な い1442.4
カー ボ カウ ン ト法 に関連 す る意欲
① カー ボ量計 算 の習慣 毎 食 してい る 毎食 で はな い まった くしてい ない
ρ007﹂ll
② カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 不 明 ・不 安 点
るいあな 19自12
③ カー ボ カウ ン ト法 の主観 的難 易 度
埆 難 いえば騨51510 ぎ織 乞llえば難しい9}189
④ カー ボ カウ ン ト法 の血糖 管理 へ の有用 性 とて も役 に立 つ12
まあ まあ役 に立つ16 わ か らない5
⑤ カー ボ カウ ン ト法 の継続1生*
自信 を持 って継続 頑張 って継続 継続 の 自信 な し
⑥血糖 管 理 の実行 性*
自信 を持 って実行 まあ まあ実行 今 よ り もで きるよ うに 悪 いが現 状維 持
5 20 8
ll}17
'516 1
9自00EJ
8011り05 374
3ρ03ρ0
15.2 30.3 27.3 27.3
36.4
1
15.2
15.2 60.6 24.2
9.1 42.4 45.5 3.0
*項 目間 で 有 意 差 あ り
(ノ ン パ ラ メ ト リ ッ ク 検 定 有 意 水 準 く0.05)
*項 目間で有 意差 あ り
(ノ ンパ ラメ トリ ック検 定 有 意水準 く0.05)
③ と⑥ はそれ ぞれ4項 目で の分析
一253一
表3は 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る 意 欲 の 設 問 群 の 回 答 結 果 で あ る 。 「カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 継 続 性 」 に お い て 「頑 張 っ て 継 続 」 と回 答 し た割 合 、 「血 糖 管 理 の 実 行 性 」
(4項 目 で の 分 析)に お い て 、 「ま あ ま あ 実 行(し て い る)」 お よ び 「今 よ り も で き る よ う に(な りた い)」 と 回 答 した 割 合 が 有 意 に高 か っ た 。
表4は 、 自 由 記 述 欄 を設 け た 項 目 の 回答 内容 で あ る 。
「食 品 中 の カ ー ボ 量 が だ い た い わ か る(食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当)」 とそ の 他 の 項 目 との 関 連 性 を 分 析 した 結 果 を 表5に 示 す 。 カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る知 識 の 設 問 群 で は 、 「糖 質 を多 く含 む 食 品 」、 「食 事 の た め の 追 加 イ ン ス リ ン量 の 計 算 」、 「IC比 を 用 い た 追 加 イ ンス リ ン量 の 計 算 」、 「食 前 血 糖 値(BS)と カ ー ボ 量 を 用 い た 食 前 追 加 イ ンス リ ン量 の 計 算 」 に お い て 「わ か る」 ま た は 「で き る 」 と 回 答 した 者 は 、 「食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当(カ ー ボ量 が だ い た い わ か る)」 との 関 連 性 が 有 意 に 高 か っ た(図1)。
カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る 意 欲 の 設 問 群 で は 、 「カ ー ボ 量 計 算 の 習 慣 」 に お い て
「時 々 して い る」 群 、 「カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 継 続 性 」 に お い て 「自信 あ り」 お よ び 「頑 張 っ て 継 続 」 と回 答 し た 群 、「血 糖 管 理 の 実 行 性(4項 目 を 「実 行 で き て い る 」と 「実 行 で き て い な い 」の2項 目 に グ ル ー プ化 し て 検 定)に お い て 「実 行 で き て い る 」群 で は 、
「食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当 」 が 「で き る 」 こ と との 関 連 性 が 有 意 に 高 か っ た(図2)。
な お 、 計 算 問 題 、 知 識 の 設 問 群 お よ び 意 欲 の 設 問 群 の 全 て の 項 目 に お い て 、 年 齢 、 性 別 、HbAlc値 と の 関 連 性 は見 られ な か っ た 。
食 前 総 イ ン ス リ ン量 の 計 算 問 題 を含 む14項 目 を変 数 と した 主 成 分 分 析 の 結 果 を 表6 に 示 す 。 成 分 は4つ 抽 出 さ れ た 。 第1成 分 に は 、 「カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 継 続 性 」、 「食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当 」、 「食 前 血 糖 値(BS)と カ ー ボ 量 を用 い た 食 前 追 加 イ ン ス リ ン量 の 計 算 」、 「食 事 の た め の 追 加 イ ンス リ ン量 の 計 算 」、 「カ ー ボ量 の 計 算 習 慣 」、 「IC 比 を 用 い た 追 加 イ ン ス リ ン量 の 計 算 」 が 含 ま れ た 。 第2成 分 に は 、 「カ ー ボ カ ウ ン ト 法 の 不 明 ・不 安 点 」、 「糖 質 と血 糖 値 の 関 係 の 知 識 」、 「血 糖 管 理 の 継 続 性(2項 目)」
が 含 まれ た 。
一254一
教 育 キャ ンプでの ア ンケー ト調査 か らみ た1型 糖尿 病患者 の カーボ カウ ン ト法 の主観 的習得 度お よ び運 用状 況 と課題
表4カ ー ボカ ウ ン ト法 に関連 す る意欲 の設 問 にお ける 自由記 述 の回答 内容(複 数 回答)
① カ ー ボ 量 計 算 の 習 慣:「 毎 食 は計 算 して い な い 」 に 対 して 計 算 す る ・し な い の 違 い は な に か
・面 倒 で あ る(3)
・病 院 や キ ャ ン プ の 時 の み 計 算 す る(2)
・時 間 が な い 時 と分 か ら な い 時 は 計 算 し な い(2)
・カ ー ボ 量 の 少 し の ず れ が 高 血 糖 や 低 血 糖 が お こ りや す い か ら計 算 しな い(2)
・普 段 は 決 ま っ た 量 を打 っ て い て 、 カ ー ボ 数 が わ か ら な い と き だ け 母 が 調 べ て 計 算 し て く れ る
・外 食 と 自 宅 で の 食 事
・自宅 で は 計 算 し て い て 、 外 食 は 勘 で し て い る
・母 と 一 緒 に 計 算 して い る
・役 に 立 っ て い る と 思 っ て い な い
② カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 不 明 ・不 安 点
・カ ー ボ 量 が 全 く わ か っ て い な い(5)
・計 算 の 方 法 が 分 か ら な い(2)
・計 算 間 違 い(2)
・少 数 点 以 下 を 、 繰 り上 げ る か 、 繰 り下 げ る か 迷 う
・カ ー ボ 比 と イ ン ス リ ン効 果 値 の 意 味 が 曖 昧
・キ ャ ン プ 時 の 計 算 で の イ ン ス リ ン量 が 自 分 が い つ も思 う量 と違 う
・し ば ら く カ ー ボ カ ウ ン トを し て い な い と す ぐ に忘 れ て し ま う
⑤ カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 継 続 性:「 続 け る 自信 が な い 」 に 対 し て ど の よ う な サ ポ ー トが あ れ ば よ い か
・も っ と カ ー ボ 量 が わ か る よ う に な っ た ら続 け ら れ そ う(3)
・親 に何 度 もや り方 を 聞 きづ ら い
表5食 品中 のカ ーボ量 の見 当 と各項 目の関連 性
(有意確 率)
食前 総 イ ンス リ ン量 の計算 0.948
カーボ カ ウ ン ト法 に 関連す る知 識
① 糖質 と血 糖値 の 関係
② 糖 質 を多 く含 む食 品
③ 食事 の ため の追加 イ ンス リ ン量 の計 算
④IC比 を用 い た追加 イ ンス リン量 の 計算
⑤ 食 品中 の カーボ量 の見 当
⑥IF値 を用 い た補正 イ ンス リン量 の 計算
⑦ 食前 血糖 値 とカーボ量 を用 い た食前 追加 イ ンス リン量 の計 算
0.117 0.012*
0.007*
0.002*
0.392 0.002*
カーボ カ ウ ン ト法 に 関連す る意 欲
① カーボ量 計算 の習 慣
② カーボ カ ウ ン ト法 の不 明 ・不安 点
③ カーボ カ ウ ン ト法 の主 観 的難易 度(2項 目)
④ カーボ カ ウ ン ト法 の血糖 管 理へ の有 用性
⑤ カーボ カ ウ ン ト法 の継 続1生
⑥ 血糖 管理 の実 行性(2項 目)
0.001*
1 0.407 0.345 0.007*
0.031*
*有 意 差 あ り(xz検 定 有 意 水 準 く0.05)
一255一
15
(人) 10
5
0
¶
分かる わからない
「糖質 を 多 く含 む食 品」
15
(人) 15
10 ‑叉 ̲̲
5
(人)
0
できる できない
「lC比を 用 いた追 加イ ンス リン量の 計算 」
15 10
5
0
できる できない
「食 前血 糖値(BS)と カ ーボ 量を 用 いた 食 前追加 イ ンス リン量の 計算」
、
■食 品中のカーボ量の見 当 わ かる
■食 品中のカーボ量の見 当 わ からない
図1「 食 品 中のカ ーボ量 の見当」 との 関連性 が高 い知 識の項 目(x2検 定 で有意差 が あった もの)
16 14 12 10 (人)8
6 4 z O
一 一 一 一 一 一 一 一 一
毎食している 時々している していない
「カ ーボ量 計算 の 習慣」
12 10 8 (人)6
4 z O
自信あり 頑 張って継 続 自信なし
「カ ーボカ ウ ン ト法 の継 続性 」
14 12 10 8 (人)6
4 2 0
■食品中 のカーボ量 の見当 わかる
■食品中 のカーボ量 の見当 わか らない
実行できている 実行 できていない
「血糖 管理 の実 行性(2項 目)」
図2「 食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当 」 と の 関 連 性 が 高 い意 欲 の 項 目cx2検 定 で 有 意 差 が あ っ た も の)
一256一
教 育 キャ ンプでの ア ンケー ト調査 か らみ た1型 糖尿 病患者 の カーボ カウ ン ト法 の主観 的習得 度お よ び運 用状 況 と課題
表614項 目の成 分行 列
成 分
カー ボカ ウ ン ト法の継 続性 食 品 中の カー ボ量 の 見 当
食前BSと カーボ量 を用 い た食前 追加 イ ンス リ ン量 の計 算 食事 の た めの追加 イ ンス リン量 の 計算
カー ボ量 の計算 習慣
IC比 を用 いた追 加 イ ンス リ ン量 の計算 カー ボカ ウ ン ト法の不 明 ・不 安点 糖 質 と血糖 値の 関係 の知 識 血糖 管 理 の継続性(2項 目)
カー ボカ ウ ン ト法の 有用性 食 前総 イ ンス リ ン量 の計 算問題 主 観的 難易 度(2項 目) 糖 質 を多 く含 む食品 の知 識
IF値 を用 いた補 正 イ ンス リ ン量 の計算 因子抽 出法:主 成 分分析
考 察
食 前 の 総 イ ンス リ ン量 を 決 定 す る た め に は 、 ま ず 計 算 の 各 プ ロ セ ス を理 解 す る こ と が 重 要 で あ る 。 そ して 、 各 プ ロ セ ス に は 、 専 門 用 語 が 含 ま れ て お り、 そ の 用 語 で 示 さ れ て い る場 合 に は そ の 意 味 が 理 解 で きて い る こ とが 必 要 で あ る。 計 算 プ ロ セ ス は 、 大 き く2つ の 系 統 に分 け る こ とが で き る 。1つ 目 は 、 食 事 中 の 糖 質 量 を 把 握 し、 そ の 量 に 応 じた イ ン ス リ ン量 を算 出 す る 。2つ 目 は 、 食 前 血 糖 値 が 異 常 低 値(低 血 糖)で あ る か 、 あ る い は 異 常 高 値(高 血 糖)で あ る か に 応 じ て補 正 用 の イ ン ス リ ン量 を 算 出 す る 。 本 研 究 の 対 象 集 団 で は 、2つ 目 の 系 統 に 該 当 す る 「IF値 を用 い た 補 正 イ ン ス リ ン量 の 計 算 」 が 「で きる 」 と 回答 した 者 が 有 意 に多 い こ と か ら、 こ の 系 統 の 計 算 プ ロ セ ス と、 「IF値 」 と い う専 門用 語 を理 解 し て い る と考 え られ る 。 一 方 、1つ 目の 系 統 で は 、 平 易 な 表 現 を 使 用 した 設 問(「 食 事 の た め の 追 加 イ ン ス リ ン量 の 計 算 」)や 、 専 門 用 語 を 使 用 し た 設 問(「IC比 を 用 い た 追 加 イ ンス リ ン量 の 計 算 」)に 対 して も、 「で き る 」 と 「で き な い 」 の 回 答 に 差 は 見 られ な か っ た 。 ま た 、 本 研 究 の 対 象 集 団 で は 、
「糖 質 と血 糖 値 の 関 係 」、 つ ま り、 糖 質 は血 糖 値 を上 昇 させ る もの で あ る こ と は よ く理 解 し て い る が 、 「糖 質 を多 く含 む 食 品 」 が 「分 か ら な い 」 と 回 答 し た 者 が1/3程 度 、
さ らに 、 計 算 に 必 要 な 「食 品 中 の カ ー ボ量 の 見 当」 が 「で き な い 」 と 回答 した 者 が 半 数 近 くを 占 め て い た 。 これ らの こ と か ら、 追 加 イ ン ス リ ン量 の 計 算 の 可 否 は 、 専 門 用 語 の 意 味 が 分 か る か 否 か で は な く、 食 品 中 の 糖 質 量 の 見 積 も り能 力 が 影 響 して い る と 考 え られ る 。
一257一
計 算 問 題 で は 、 上 述 の2系 統 と こ れ ら を統 合 した 食 前 総 イ ンス リ ン量 の 算 出 が で き る か ど う か を 問 う て い る 。2つ 目 の 系 統 で は 、 前 提 条 件 の う ち 「イ ンス リ ン効 果 値 50」、 「食 事 前 の 血 糖 値70」、 「目標 の 血 糖 値120」 を使 用 し、 「(70‑120)÷50」 の 式 を 立 て る。 答 え の 補 正 イ ンス リ ン量 は 「‑1単 位 」 と な る。1つ 目の 系 統 で は 、 「イ ン ス リ ン/カ ー ボ 比1.5」 、 「今 か ら食 べ る 食 事 の カ ー ボ 数8.0」 を使 用 し、 「8.0×1.5」
の 式 を 立 て る 。 答 え は 「12単位 」 と な る 。 最 後 に 「12‑1」 と計 算 す る と、 食 前 の 総 イ ンス リ ン量 は11単 位 と な る 。 本 研 究 の 対 象 集 団 で は 、 患 者 の 主 観 で 「食 前 血 糖 値 と カ ー ボ 量 を 用 い た 食 前 追 加 イ ンス リ ン量 の 計 算 」 が 「で き る 」 と回 答 した 者 の う ち 、 計 算 問 題 が 「不 正 解 」 で あ っ た 者 が 半 数 程 度(42.1%)含 まれ る 。 この 「不 正 解 」 の 要 因 は 、 補 正 イ ン ス リ ン量 が 「一」 に な り、2つ の 系 統 を合 算 す る最 終 プ ロ セ ス が 減 算 に な る こ と が 把 握 で き て い な か っ た の で は な い か と 考 え られ る 。 この こ と か ら、 補 正 イ ンス リ ン量 を算 出 す る 際 に も、 学 習 者 に対 して 加 減 の ど ち ら に な る の か に つ い て 注 意 を 促 す 必 要 が あ る。
1つ 目の 系 統 、 つ ま り、 糖 質 量 に応 じた イ ンス リ ン量 の 計 算 に お い て 、 対 象 集 団 の 苦 手 意 識 が 高 い 要 因 は、上 述 し た よ う に 、用 語 の 難 易 度 の 問 題 で は な く、カ ー ボ量(食 品 中 に 含 ま れ る糖 質 のg数)の 見 当 が 難 し い こ と に あ る と考 え られ る。 図1に 示 す
よ う に 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る 知 識 に お い て 、 「カ ー ボ 量 の 見 当 」 が 「で き る 」 と 回 答 し た 群 で は 、2つ 目 の 系 統 の 計 算 お よ び 食 前 の 総 イ ンス リ ン量 決 定 の 計 算 が
「で き る 」 と 回 答 し て い る 。 ま た 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 主 観 的 難 易 度 に 関 す る 設 問 で は 、 「カ ー ボ 量 の 見 当 」 が 「で き な い 」 と 回 答 し て い る 群 に お い て も、 カ ー ボ カ ウ ン
ト法 自体 は 主 観 的 に 「簡 単 」 「とて も簡 単 」 と回 答 して い る 者 が38.9%含 ま れ る(表 5)。 こ の よ う な対 象 者 は 、 計 算 の 理 屈 は理 解 して い る た め 、 カ ー ボ 量 さ え 把 握 す る こ と が で きれ ば 、 糖 質 量 に応 じた イ ンス リ ン量 お よ び 食 前 の 総 イ ン ス リ ン量 の 算 出 能 力 は 高 ま る と 考 え られ る 。 この こ と は 、 自由 記 述 の 「カ ー ボ 量 が 全 くわ か っ て い な い 」
「も っ と カ ー ボ 量 が わ か る よ う に な っ た ら続 け られ そ う」 と い う回 答 に も 反 映 さ れ て い る こ とが 示 唆 さ れ る(表4)。 カ ー ボ 量 を 把 握 す る こ と の 難 し さ につ い て 、 川 村 ら の研 究 で は 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 経 験 が 少 な い 対 象 者 は カ ー ボ量 が 多 く高 エ ネ ル ギ ー の 料 理 が 分 か ら な い 、 つ ま り、 経 験 に よ る 差 が あ る こ と を 明 らか に して い る 。 こ の こ とか ら、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 経 験 を積 ん で い る 者 に は 、 カ ー ボ量 の 見 積 も りに 対 す る 一 定 の 学 習 効 果 が 表 れ て い る と考 察 して い る4)。
カ ー ボ カ ウ ン ト法 に 関 連 す る 意 欲 に 関 し て は、 「カ ー ボ 量 の 見 当 」 が 「で き る」 と 回 答 した 群 は 、 図2に 示 す よ う に 、 カ ー ボ 量 計 算 の 習 慣 性 が 有 意 に 高 く、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 継 続 性 も有 意 に 高 い 。 さ らに 、 この 群 は 、 糖 尿 病 患 者 の 療 養 上 最 も重 要 な 血 糖 管 理 の 実 行 性 も有 意 に 高 い こ とが 示 さ れ た 。
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教 育 キャ ンプでの ア ンケー ト調査 か らみ た1型 糖尿 病患者 の カーボ カウ ン ト法 の主観 的習得 度お よ び運 用状 況 と課題
計 算 問 題 を含 め た14項 目 の 関 連 性 を 総 合 的 に み る と 、 第1成 分 に 「食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当」 と関 連 性 が 高 い項 目が 含 まれ(表6)、 「食 品 中 の カ ー ボ 量 の 見 当 」は 「カ ー ボ 量 の 計 算 習 慣 」 に 関 連 し、 こ れ らが 「IC比 を用 い た 追 加 イ ン ス リ ン量 の 計 算 」 が
「で き る 」 こ と に つ な が り、 さ ら に 「カ ー ボ カ ウ ン ト法 の 継 続 性 」 が 高 い こ とや 「食 前 血 糖 値(BS)と カ ー ボ 量 を用 い た 食 前 追 加 イ ン ス リ ン量 の 計 算 」 が で き る こ と に つ な が っ て い る と考 え られ る 。 これ らの こ と か ら、 食 品 中 の 糖 質 量 が 把 握 で き る こ と は 、 カ ー ボ カ ウ ン ト法 全 体 の 習 得 度 を さ ら に 高 め 、 最 終 的 に は 良 好 な 血 糖 管 理 の 継 続 に も大 き く影 響 す る こ とが 示 唆 され る 。
結 語
本 研 究 で は 、 糖 尿 病 教 育 キ ャ ン プ に 参 加 した 患 者33名 の ア ンケ ー ト調 査 の 結 果 、 食 品 中 の 糖 質 量 を 表 す カ ー ボ量 を食 品 ご とに 把 握 す る こ とが 、 糖 質 量 に 対 す る 追 加 イ ン ス リ ン量 お よ び 食 前 の 総 イ ン ス リ ン 量 の 算 出 能 力 に 大 き く寄 与 す る こ とが 明 ら か と な っ た 。 カ ー ボ カ ウ ン ト法 を 習 得 し 日常 生 活 で の 活 用 を 目指 す 患 者 に とっ て 、 食 品 の カ ー ボ 量 を幅 広 く把 握 で き る よ う に な る こ と が 重 要 な 課 題 と な る 。
参 考 文 献
1)日 本 糖 尿 病 学 会 編 ・著 、 糖 尿 病 治 療 ガ イ ド2016‑2017、 文 光 堂 、2016、pp13‑15、pp56‑61
2)大 阪 市 立 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 発 達 小 児 医 学 教 室 ・大 阪 市 立 大 学 医 学 部 附 属 病 院 栄 養 部 編 、 糖 尿 病 の あ な た へ か ん た ん カ ー ボ カ ウ ン トー 豊 か な 食 生 活 の た め に 一 、 医 薬 ジ ャ ー ナ ル 社 、 2013,p39
3)DAFNEStudyGroup,Traininginflexible,intensiveinsulinmanagementtoenabledietary freedominpeoplewithtypeldiabetes:doseadjustmentfornormaleating(DAFNE) randomizedcontrolledtrial,DiabetMed.2003Jun;20Suppl3:4‑5
4)TomoyukiKawamura,ChihiroTakamura,MasakazuHirose,etal,Thefactorsaffectingon estimationofcarbohydratecontentofmealsincarbohydratecounting,ClinPediatr Endocrinol.20150ct;24(4):153‑65
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