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雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

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(1)

中学校における交流および障害理解教育の現状と課 題  ─ 特別支援教育初年度における奈良県公立中 学校の実態調査をもとに─

著者 森 由香, 越野 和之

雑誌名 奈良教育大学紀要. 人文・社会科学

巻 57

号 1

ページ 95‑106

発行年 2008‑10‑31

その他のタイトル Current State and Problem of Participation in Regular Education of Student of Special

Support Class and Disability Understanding Education in Junior High School

URL http://hdl.handle.net/10105/729

(2)

1.はじめに

奈良県は、特別支援学級の設置率(小・中学校の全学

級数に占める特別支援学級の割合)が、全国でもっとも 高い県である(1)。特別支援学級の新設・存続に在籍児 童生徒数の「下限」を設けず、また法令等に規定された

中学校における交流および障害理解教育の現状と課題

─ 特別支援教育初年度における奈良県公立中学校の実態調査をもとに ─

森  由 香*・ 越 野 和 之

奈良教育大学学校教育講座(障害児教育学)

(平成20年5月7日受理)

Current State and Problem of Participation in

Regular Education of Student of Special Support Class and Disability Understanding Education in Junior High School

MORI Yuka* and KOSHINO Kazuyuki

(Department of Special Needs Education, Nara University of Education, Nara 630-8528, Japan)

(Received May 7, 2008

Abstract

The aim of this study is to clarify the current state of the participation in regular education of student of special support class, and the disability understanding education in the junior high school, and to examine the problem. The object is Nara Prefecture where the rate of the special support class is the highest in Japan.

In the first investigation, the questionnaire was sent to 107public junior high schools of Nara Prefecture, and the answer was obtained from 58schools. In the questionnaire, it questioned on the situation of par- ticipation in four scenes of a class, a regular test, club activities, and daily life and the transaction education and the disabilities understanding educations specially prepared. The execution rate of the transaction edu- cation specially prepared was not high though participation had been positively done in four as taught scenes. The study to understand the disability was executed at the school of 81%.

In the second investigation, it questioned the university student on the experience of the exchange with the student who had the disability in the junior high school age. Moreover, it questioned on the experience of the study to understand the disability. The student who had the experience to have attended school with the student with disabilities was 67%. The student who had studied to understand the disability remained in 56%.

The problem when the student who had the disability participated in a regular education was described based on the result of the investigations. Additionally, the problem of the study to understand the disability was discussed.

*平群町立平群中学校

Key Words: Special Support Class, Junior High School, Transaction Education,

Disability Understanding Education

キ−ワ−ド: 特別支援学級、中学校、交流、

障害理解教育

(3)

障害種別の学級を積極的に開設してきたことなどがその 背景にある。こうしたこともあって、障害をもつ生徒が 居住地域の中学校に進学を希望すれば、比較的容易に特 別支援学級に進学することができる。他の地域では、特 別支援学級の新設・存続に在籍人数の条件を設けたり、

特定の障害種別学級の開設を抑制する事例、あるいは、

数校に一校の拠点校と呼ばれる学校にのみ特別支援学級 を開設し、入級を希望する生徒には、通常の場合と比し て長時間・遠距離通学を強いている事例などがあること を考えると、奈良県の特別支援学級をめぐる状況は、相 対的に恵まれた環境であると言える。

では、この条件整備面で恵まれた奈良県において、中 学校の特別支援学級に進学した障害をもつ生徒たち(以 下、「在籍生徒」とする)は、どのような学校生活を送 っているのだろうか。「一人一人のニーズ」に応じ、授 業やそれ以外の活動時間を有意義に過ごすことが出来て いるのであろうか。また、「通常の学校」として当然生 じてくる通常学級生徒とのふれあいはどのように行われ ているのだろうか。

望ましい交流のためにはのぞましい理解が必要である ことはいうまでもない。とりわけ思春期にあたる中学生 の時期は、自己と他者への意識が強まる時期でもあり、

在籍生徒にとっても通常学級生徒にとっても、適切な交 流やそれと関連づけられた系統的な学習によって、相互 の理解を促すことは重要であると思われる。では、共に 生活する通常学級生徒に対して、障害や障害をもつ人々 に対する理解を促す教育はどのように進められているの であろうか。このことは、「交流および共同学習」の促 進を謳った改訂障害者基本法(2004年)や、通常学級 も含んだすべての教育環境において「一人一人のニーズ を把握して適切な指導と必要な支援を行う」ことを志向 する特別支援教育の法制化(2006年)等に照らしても きわめて重要な課題である。

筆者らは、以上のような課題意識にもとづき、奈良県 公立中学校を対象として、特別支援学級在籍生との実態 および交流・障害理解教育の現状を把握するための調査 を実施し、またこの結果を補完する目的を持って、大学 生を対象とした交流・障害理解学習に関する調査を行っ た。本稿では、これら二つの調査の結果を報告し、それ に基づいて、中学校段階における交流および障害理解学 習の現状と、実践の発展をめぐる今日的な課題について 考察を加える。

2.奈良県内公立中学校を対象とした質問紙調査

2.1.調査の目的

在籍生徒の現状や交流および障害理解教育の現状を把 握し、あわせて2007年度から始まった特別支援教育の

今後のあり方を展望することを目的として、質問紙調査 を実施した。

表1 郡市別回答数 2.2.調査の方法

2.2.1.調査対象

調査の対象は、奈良県内の全公立中学校107校であ る。質問紙を郵送し、20071学期末現在の各校の現状 について、特別支援学級担任に回答を依頼した。なお、

特別支援学級未設置校については、管理職に回答を依頼 した。

2.2.2.調査期間 2007年7月末〜9月末。

2.2.3.調査の内容

大きく「学校の概況」と「特別支援教育に関する取り 組みの様子」「特別支援学級担任の実態」「特別支援学 級の在籍状況」「在籍生徒の交流の実態」「障害理解教 育について」の6項目を設定した。設問の大半は選択肢 回答を求めるものであったが、「在籍生徒の交流の実態」

中の「とりたて交流について」と、「障害理解教育につい て」では、どのような教育活動が行われているかを自由 記述で問うた。本稿では、「在籍生徒の交流の実態」と

「障害理解教育について」の調査結果を中心に取り扱う。

2.3.調査の結果 2.3.1.調査の概況

調査への回答を依頼した107校のうち58校(うち6 は特別支援学級未設置校)からの回答を得ることができ た。回収率は54.2%であった。郡市別の回収状況は表1 のとおりである。

なお回収率について、学校単位で見た場合には上記の 通りであるが、回答校に設置された特別支援学級の総数 は139学級であり、2007年度奈良県公立中学校に設置さ れていた特別支援学級228学級の約60.9%にあたる。同 様に、回答の得られた学校の特別支援学級在籍生徒数は 267人であり、県内の全在籍生徒数が447人であるの で、約59.7%にあたる(2)

上の267人を在籍している特別支援学級の障害種別に 見 る と 、 知 的 障 害1 3 8人 (5 1.7% )、 情 緒 障 害7 6

28.5%)、肢体不自由19人(7.1%)、弱視8人(3.0%)

(4)

難聴8人(3.0%)、病虚弱18(6.7%)であった。また、

学年別に見ると、1年生が90人(33.7%)、2年生が86人

32.2%)、3年生が80人(30.0%)であり、男女別に見 ると、男子が184人(68.9%)、女子が80人(30.0%)で あった。さらに、LD、ADHD、高機能自閉症等の発達 障害をあわせもつ可能性があると考えられる生徒は65人

24.3%)、可能性は考えられない生徒は188人(70.4%) 未回答の生徒は14人(5.2%)であった(図1)

次に、これらの生徒の障害の程度についてであるが、

これについては統一的な指標を得ることがむずかしい。

本調査では在籍生徒の障害の程度を推察するひとつの目 安として、現行制度では、特別支援学校は特別支援学級 よりも障害の程度が重い生徒を対象にしていることに鑑 み、「就学指導の際に特別別支援学校への進学が検討さ れたかどうか」について問うた。この点についても、市 町村の就学指導の状況や保護者の意向等によってバイア スがかかるが、「障害の程度」を推察する大まかな指標 にはなると考えた。

この設問に対する回答状況を図2に示す。図2のとお り、本調査では就学指導の際、障害の状況から、特別支 援学校への進学が検討された生徒は51人(19.1%)であ った。奈良県において中学校の特別支援学級に在籍する 生徒の少なくとも5分の1は、その障害の程度が特別支 援学校の対象となる程度の生徒であるとみることもでき よう。なお、在籍生徒の障害の程度については、次節に おいて再度検討する。

2.3.2.在籍生徒の交流の実態

次に、在籍生徒の交流の様子について検討する。本調

査では、日常的な交流場面として「各教科の学習状況」

「定期テストの受験状況」、「クラブ活動への参加状況」

および「日常生活の状況」の4つの場面を区分し、それ ぞれの場面における在籍生徒の参加および交流の状況を たずねた。

この4項目を設定した理由は次の通りである。まず

「教科の学習」は、いうまでもなく学校生活の中心であ り、週当たり28時間という時間をどこで過ごしている かという実態は、通常学級生徒との交流がどれくらい行 われているかを知ろうとするときに欠かせない。次に、

「定期テスト」および「クラブ活動」であるが、これら はいずれも中学校における教育活動に固有の(すなわち 小学校とは異なる)場面であり、それらの場面における 交流の状況は、「中学校ならでは」の状況や課題を把握 する上で欠かせないものと考えた。「定期テスト」をど こでどのように受験しているかということは、間接的に ではあるが通常学級生徒への障害理解の一端を担うもの でもあろう。「クラブ活動」への参加についても、技術 の習得だけではなく、交友関係の広まりにつながってい くものと考えた。「日常生活」については、上記3項目 以外の学校生活の場面として考えられるものを10項目 に区分して提示した。ただしこの区分に含めた項目のう ち、「学活」「道徳」「総合的な学習の時間」については、

筆者らの意図に反し、現場では授業の一つととらえられ る傾向が強く、「各教科」に関する設問と二重に回答さ れる場合が少なくなかった。

以下、これらの場面ごとの回答状況を分析・検討する。

その際、基本的には、障害の種別にかかわらず在籍生徒 全体を対象として検討を加えるが、一部の項目について は、身体的な障害をかかえていないと思われる知的障害 学級および情緒障害学級に在籍する生徒(以下、「知的 等」群とする)と、肢体不自由、弱視、難聴、病虚弱の、

身体的な障害種別の学級に在籍する生徒(以下、「身体 障害」群とする)の2群による比較を行う。

a)各教科の学習状況

中学校の標準的な授業時数は年間980時間(年間35 で計算すると週28時間)であり、道徳および特別活動 を除く各教科(ただし選択教科および総合的な学習の時 間を含む)の授業時数は年間910時間、1週当たり26 間となる。ただし今回の調査の場合、前述のように「学 活」および「道徳」を教科に含めた回答が多く見られ

(この場合、週当たりの授業時数は上記の通り28時間と なる)、また総合的な学習の時間の弾力的な運用のため か、時間割を一見すると週あたり31時間の授業数のよ うに見える回答もあった。これらの点を勘案して、通常 学級での授業に参加している時間数の分布状況を図示し たのが図3である。この図を見ると、通常学級での授業 への参加状況は、週当たり10時間前後のところに一つ 図1 発達障害をあわせもつ可能性について

図2 特別支援学校への進学が検討されたか

(5)

のピークがあることがわかるが、それを上回ってもっと も割合が多いのは、週当たり28時間(つまりほぼすべ ての授業時間)を通常学級において過ごすという生徒で あった。先述の回答状況のばらつきを視野に入れて、週 あたり26時間以上を交流学級で過ごす在籍生徒を「ほ とんどすべての授業を交流学級で過ごす」とすると、

52人(19.4%)が、この状態に該当するということがあ きらかになった。

この結果について、さらに交流時間数と交流教科の2 つの観点から検討を加えた。

まず、交流時間数に関しては、現行法令上、週あたり 8時間(年間280時間)以下の取り出し指導は「通級に よる指導」でも行いうること、また、わが国の「通級に よる指導」のモデルと言われるアメリカにおけるリソー スルーム制度は、学校で過ごす時間の6割まで特別な場

で指導を受ける場合を指すことなどを参照し、(1)特 別支援学級での指導が0時間から8時間までの生徒を

「通級的指導群」2)特別支援学級での指導が9時間か 17時間(週当たり授業総数28時間の60%=16.8時間)

までの生徒を「リソースルーム的指導群」(3)特別支 援学級での指導が18時間から28時間以上の生徒を「固 定式学級群」として、3群による検討を行った(3)

結果、特別支援学級に在籍するものの、多くの交流授 業に参加している「通級的指導群」に区分される生徒は 73人(27.3%)であり、逆に、授業時数の多くを特別支 援学級で過ごしている「固定式学級群」は85人(31.8%)

であった。なお、その中間に位置する「リソースルーム 的指導群」は107人(40.1%)であった(図4)

なお、回答のあったすべての生徒について交流時間の 総平均を求めると週当たり6.5時間となり、全体的に見 ると、「教科による交流」は1日あたり1.3時間ほどで、

さほど多い時間を交流学級で過ごしているとは言えな い。しかし、一方で、「通級的指導群」に区分される生 徒は73人おり、この全体の約4分の1にあたる生徒は週 あたり20時間以上、1日にすると4時間以上を交流学級 で過ごしていることになる。

2点目の参加する交流教科については、まず全体的な 特徴を検討した上で、先に述べた知的等群と身体障害群 に大別して検討を行った。

まず、各障害種別において交流が行われている割合が 高 い 教 科 を 順 に 並 べ る と 、 美 術 (9 8.1% )、 音 楽

97.4%)、技術家庭(96.2%)、保健体育(95.5%)、総 合的な学習の時間(89.4%)、選択授業(63%)となり、

上位4位までを占めるのはいずれもいわゆる実技系の教 科であることが明らかになった(表2)。これは、実技 系の教科は、障害をもつ生徒と通常学級生徒との間に比 較的差が出にくい教科であるとされるからであろう。こ れら実技系4教科は、学年によって年間標準授業時数の 定めが違うものの、平均すると週あたり7.5時間になる。

前述したように、「学活」・「道徳」も授業総数に加え た 回 答 が 多 か っ た の で 、 こ れ ら 実 技 系4教 科 と 「 学 活」・「道徳」の2時間を交流学級で過ごすと、週あた り9.5時間となる。先に述べたように、図3では9〜10時 間のところにピークが見られるが、これは実技系4教科 に「学活」・「道徳」を加えた数値と一致する。

逆に、交流が行われている割合が低い教科を順に並べ ると、数学(23.4%)、国語(27.9%)、英語(32.8%)

となる。次いで理科(48.3%)、社会(51.3%)となる が、もっとも参加率の低い3教科は、系統的な習得が必 須とされている教科である。表5の結果においても、特 に、知的障害学級在籍生徒のこれら3教科への参加状況 が低くなっているのが明らかである。

次に「知的等」群と「身体障害」群に大別して検討す 図3 2群における交流教科参加の様子とその割合

図4 教科交流時間に見る三群比較

表2 各教科・障害種別に見た教科交流の有無

(6)

る。特別支援学級在籍生徒全体で見ると、参加割合が低 い教科(国語・数学・理科・社会・英語)と、高い教科

(音楽・美術・保健体育・技術家庭)に二分されること を上で述べたが、これをさらに大きく2群に分けて検討 を加えた。その平均を比較したのが表3である。する と、「知的等」群は、国語等への参加率は平均30%にし かならないのに対し、音楽等への参加率の平均は97.5%

であり、その差は67.5%であった。一方、「身体障害」

群の前者の平均は65.1%、後者の平均は94.1%であり、

その差は29%にとどまっている。また、国語等への参 加率は「身体障害」群が大幅に上回るのに対して、音楽 等への参加率は「知的等」群が若干上回っている。つま り、「国語等への参加率は音楽等への参加率より少ない」

という先に述べた結果は、障害種別を超えて一律に当て はまるものではなく、在籍生徒のもつ主たる障害が知的 障害等であるのか、それとも身体的な障害なのかによっ て、教科学習における交流の実態は大きく異なるという ことができるのである。

b)定期テストの受験状況

本項では在籍生徒の定期テスト受験の有無と受験場 所、テストの内容の3点について検討する。

まず、定期テスト自体を受験しているかどうかを問う た結果が表4である。これによると、なんらかの形で定 期テストを受験している在籍生徒は239人(90.2%)、定 期テストを実施していないのは21人(8.3%)であった。

定期テスト未実施の21人の在籍学級は、知的障害学級 10人(知的障害生徒総数の7.2%)、情緒障害学級7人

(同9.2%)、肢体不自由学級3人(同15.8%)、病虚弱学 1人(同5.6%)であった。なお、テスト未実施群21 は 特 定 の 中 学校に集中し ているのでは なく、各校に 点在する形で 認められた。

次に定期テ スト未実施群

を先にも見た就学指導の状況でみると、この中に特別支 援学校への進学が検討された生徒は11人おり、検討され なかった生徒は5人、不明・未回答が5人であった。すべ ての生徒の中で特別支援学校への進学が検討された生徒 は51人であったので、このうち約21.6%の生徒が定期テ ストを受験していないことになる。また、テストを実施 していない生徒で特別支援学校への進学が検討された者 の割合は52.4%であった。この結果より、テストを実施 していない生徒は全般的に障害の程度が重いことが推察 できる。これとは反対に、特別支援学校への進学が検討 されなかったとされる生徒は175人であったが、このう ち定期テストを受験していない生徒は5人(2.9%)であ った。以上の結果から、テストへの参加に関しては、テ ストという事態の了解可能性などを左右する個人の発達 の状況などが大きな規定要因となっていることが伺える。

次に、定期テストを受験する際の場所はどのように設 定されているのかについてもたずねた。その調査結果が 5である。定期テストの受験場所については、交流学 級が98人(36.7%)、特別支援学級が34人(12.7%)、場 合によって交流学級と特別支援学級の双方を利用してい る生徒が110人(41.2%)、交流学級と別室を利用してい る生徒が1人(0.3%)、その他3人(1.1%)、未回答21

7.9%)であった。

定期テストに関する第三の設問として、在籍生徒が受 験しているテストの内容について問うたところ、通常学 級 生 徒 と 同 一 の 問 題 を 使 用 し て い る 生 徒 は1 0 3

38.6%)、別内容のテストを使用している生徒は15

(5.6%)、テストによって同一の内容と別内容のテスト を使用し分けている生徒は119人(44.6%)、その他5人

1.8%)、未回答25人(9.3%)であった(図6。全く別 内容のテストを採用している生徒のうち、特別支援学校 表3 群別交流授業参加の状態

表4 障害種別に見た定期テスト実施の有無

図5 定期テストの受験場所

図6 定期テストの内容

(7)

への進学が検討された生徒は5人、検討されなかった生 徒は6人、不明2人、未回答2人であった。全般的に、交 流学級で受験している場合は、問題も通常学級生徒と同 じものを使用している場合が多く、受験場所がさまざま な場合には問題もさまざま、そして特別支援学級で受験 している場合はテストも別内容のものを使用している割 合が高いというように、場所とテスト内容が対応してい る場合が多い。受験している場所と受験内容のこの対応 関係は、今回の調査で把握された在籍生徒の約79%に ついて妥当した(図7)

以上を概括すると、奈良県の公立中学校においては、

いずれの学校も在籍生徒に対して可能な限り定期テスト を受験させる方向で対応をしているものの、その障害の 程度が比較的重い場合には実施を見合わせる事例もあ り、受験している場合、その場所や内容は個々の状態に あわせて柔軟に対応されているということができよう。

c)クラブ活動への参加状況

クラブ活動に参加している生徒は156人(58.4%)で あり、特別支援学級に在籍する生徒の半数以上が何らか のクラブ活動に参加していることがわかった(図8)。

う ち 、 運 動 系 の ク ラ ブ に 所 属 し て い る 生 徒 は9 0

(33.7%)であり、文化系のクラブに所属している生徒 66人(24.7%)であった。なお、クラブ活動に参加し ていない者は109人(40.8%)、未回答は2人(0.7%)で あった。

次に、クラブ活動への参加状況を、前項までと同様に 就学指導の状況との関係でみると、特別支援学校への進 学が検討された生徒のうち23人(45.1%)がクラブ活動 に参加しており、そのうち運動系のクラブに所属してい る生徒が14人(27.5%)、文化系のクラブに所属してい る生徒が9人(17.6%)という結果になった。なお、こ れらの23人の障害種別の内訳は、知的13人、情緒5人、

弱視3人、難聴2人である。

この結果から、奈良県の公立中学校においては、クラ ブ活動への参加は、障害をもつからといって例外ではな いことがわかる。言うまでもなく、現在のクラブ活動は、

あくまでも任意の活動であり、必ずしも何らかの活動を しなければならないわけではない。しかし、現実は、在 籍生徒の約半数が何らかの形でクラブ活動に参加してい るのであり、このことは、個々の生徒が、授業以外の場 面においても、学校生活に積極的に取り組んでいる姿と もとらえることができるのではないだろうか。

本来、クラブ活動に参加したい、余暇を楽しみたいと いった生徒の要求は、障害の有無にかかわらず、思春期 以降の青年に共通のものであるだろう。奈良県の公立中 学校では、障害のある場合も含めて、生徒のこのような 要求に積極的に応える条件をつくり出してきているとも 見られる。それだけに、クラブ活動での交流は、通常学 級生徒に対して障害についての理解を深める重要な場面 のひとつになるのではないかと思う。同時にこのことは、

学年・学級を超えた系統的な障害理解学習が必要である ことの一つの重要な証左であるとも見るべきであろう。

d)日常生活の状況

日常生活に関しては、前項までの「教科」「定期テス ト」「クラブ活動」以外の学校生活のうち考えられるも のを「朝の会」以下10項目提示し、それぞれの時間を 交流学級ですごしているかどうかを問うた(図9

図9に示される調査結果から、まず第一に指摘すべき ことは、日常生活の諸場面においては、全体として高い 割合で交流が実施されているということである。ただし、

交流の割合が高い「朝の会」「終わりの会」は、いずれ も短時間で行われる相対的に受け身な時間であること、

また、「学活」以降「道徳」までの4項目は、時間的に は長いものの生徒たちが自由にふれあえる時間ではない 場合が多いことには留意しておく必要がある。一方、生 徒同士の個々のふれあいが比較的ゆたかにもてると期待 される時間は「給食」「昼休み」「掃除」等の時間ではな いかと思われるが、そのうちの「昼休み」と「掃除」で は、他の項目にくらべて相対的に交流学級で過ごす生徒 の割合が低くなっている。

確かに、「昼休み」や「掃除」など、生徒個々のふれ あいが出来そうな時間は、一方で、トラブルの起こりや 図7 受験場所と内容の対応

図8 就学指導の様子とクラブ活動参加の状況 図9 日常生活での交流

(8)

すい時間帯になることが予想される。そのような点から、

教師側が意図的に交流学級で過ごさせないようにしてい るのか、それとも、特に居場所は決めていないものの結 果的に交流学級で過ごしていないのか、また、これら以 外に何か理由があるのかは今回の調査ではうかがい知る ことは出来ないが、「昼休み」および「掃除」の時間の 交流の相対的な少なさは、今回の調査結果の一つの特徴 として指摘しておく必要を感じた。

2.3.3.「とりたて交流」

以上、「教科」「定期テスト」「クラブ活動」「日常 生活」の4つの場面にわけて、奈良県の公立中学校にお ける交流の実態を検討してきた。その結果、全体として は、多様な場面において交流の場面が積極的につくられ ているように見える反面、特に日常生活での交流につい ては、個々のふれあいが持ちにくい様子も推察される結 果となった。また、「積極的に交流の場面がつくられて いる」と述べたが、これらの「交流」においては、共に 活動をするというよりも、様々な学習を行う際にお互い がどのように取り組んでいるのかを傍らから眺める形に なることが多いのではないかとも推察される。通常学級 生徒が障害や障害をもつ人々を理解しようとするとき、

「同じ場で活動する」というかたちの「交流」も必要か つ重要な経験であると思われるが、そこでは在籍生徒の 活動の様子から何を感じるかは、通常学級生徒個々の感 じ方に任されているようにも思われる。そこで、これま で見てきた交流以外に、障害をもつ人々をより身近に感 じられるように、交流の場面をあえて設定した取り組み

(以下、「とりたて交流」とする)を行っている学校がど の程度あるのかをたずねた。また、そうした活動を実施 している場合は、その具体的内容についても自由記述で 回答を求めた。

まず、「とりたて交流」と言うべき取り組みを実施し ている学校は全体の15.5%(9校)であった(図10。こ れに対して、そうした取り組みを設けていない学校は 37校(63.8%)、未回答等は12校(20.7%)という結果 になった。

設けている学校の取り組みの具体像としては、表5

ような回答が寄せられた。

その1例として⑧の詳細を記すと、 この交流は1年次 に行われているもので、6月から9月末にかけて約3ヶ月

(実質2ヶ月)間、1年生全員に特別支援学級に来てもら い、在籍生徒と特別支援学級担任、そして交流学級担任 か副担任とともにお弁当を食べるという活動である。た だし、交流学級生1クラス全員が一度に来るわけにはい かないので、クラスを3つに割り、1回に12人ずつぐら い来てもらうことにしているという。お弁当を食べなが ら、自己紹介などを行い、昼休みの時間帯をほぼすべて 交流に充てているという。おおむねよい交流の機会とな っているようであるが、中にはきょうだい関係のため昼 食前に帰ってしまう生徒もいるという。

このような交流は、お互いに深いふれあいができ、通 常学級生徒にとって、在籍生徒を理解するきっかけにも つなげられる、魅力ある取り組みである。しかし一方で、

学校の規模にもよるが、在籍生徒にとっては毎回相手が 交代して、何度も何度も同様の取り組みをこなすことに なり、疲れてしまうのではないかという懸念もある。ま た、表5の記述を見ると、こういった「とりたて交流」

の実践は「夏休み」や「お弁当」の時間に集中している ことがわかる。現在の中学校では、こうした「取り立て 交流」を授業として行うにはあまりにも忙しく、授業時 間内に特別な取り組みを行うことが難しいことが如実に 現れているものと思われる。さらに、同じ昼食の時間で あっても、「給食」を採用している学校では、このよう な継続的な取り組みは報告されていない。つまり、たと えば昼食時の交流は、確かに良い交流となる可能性はあ るが、学校規模や昼食の形態等からもすべての学校で行 える交流ではないということである。

一方、「その他」と記入した学校からは、「常にふれあ い、特に必要なし」「自然に交流学級の生徒が特別支援 学級に入ってきて(休憩、昼休み、放課後)交流してい る」などの記述回答が寄せられている。確かに、教師が 何らかの場を設定した交流は、ともすると「無理強い」

にもつながりかねないものであり、あくまで主体的にか 図10 「とりたて交流」の有無

表5 「とりたて交流」の具体像

(9)

かわろうとする交流学級生徒を育てていく方がよいとす る考え方もあろう。しかし、先ほども指摘したように、

学校生活の4つの場面では、個々の人間関係の深まりを 望むことはなかなか難しい現状であり、また、特定の生 徒にふれあいがかたよることも懸念される。中学校を卒 業し、上級学校に進学すると、障害をもつ生徒と通常学 級生徒がふれあう場面はますます限定されてこよう。そ う考えると、中学校段階での「交流」の組織化はやはり 必要であり、「とりたて交流」の実施が困難な場合であ っても、現在行っている学校生活内の交流でもう少し工 夫すれば深まるような余地が残っていないか、それを丹 念に洗い出すことは、決して無駄ではないと考える。

2.3.4.障害理解教育の実態

前述したように、在籍生徒が有意義な学校生活を送る ためには、彼らを取り巻く通常学級生徒の理解が不可欠 である。しかし、直接ふれあう交流の取り組みだけでは 障害や障害者についての科学的な理解を形成することは 出来ない。

そこで、本調査では、「直接ふれあう以外に、通常学 級生徒に障害や障害児に対する理解を促進するような教 育、もしくは活動を行っているか」と問うた。これに対 して、「している」と回答した学校は47校(81.0%)で あり、「していない」と回答した学校は8校(13.8%)に とどまった。「わからない」は2校(3.4%)、未回答は1 校(1.7%)であった(図11)

なお、特別支援学級未設置校6校についてみると、

「している」と回答した学校は4校、その内容について は、 ①「道徳の時間で、副読本を使用して指導してい る」、②「道徳の本を使っての指導が主ですが、日常の 子どもたちの言動の中で気になる点があればそれを各学 級におろして考えさせたり、新聞・テレビ等の報道の中 で子どもたちに知らせておきたい記事等があれば、朝の 会・終わりの会などを利用して指導している」③「盲導 犬の方を招いての講話。11月にPTA研修部の主催で行 う予定」(以上、原文のまま)といった回答が寄せられ た。

これら以外は、実際に在籍生徒を抱えながら、彼らへ の理解を求めたり、障害や障害をもつ人々に対する理解 を深めるために行われている取り組みであるが、個別の 回答をすべて紹介することはできないため、ここでは内

容をある程度分類して記したい(図12)。なお、1校で 数種類の実践を行っている学校もあるので、数字は延べ 数に占める割合である。

まず、内容としてもっとも多かったのが、「学年はじ めに集会を開き、特別支援学級について説明をする」

(28.1%)というものであった。特別支援学級とは何か、

どんなことをするのか、校内のどこに位置するのかとい ったことについて、時には学習の様子をビデオに撮って 見せるなどの工夫をしながら紹介するという学校もあっ た。次に「ゲストティーチャーを招いたり、講演会を企 画する」19.3%)というものが多く、「福祉体験(車い す、アイマスク、手話など)15.8%)といった体験型 の学習が続く。4番目には「よみもの教材」(12.3%)と

「在籍生徒の理解学習」(12.3%)、5番目には「映画、ビ デオ、スライド等の視聴」5.3%)6番目には「地域と の交流」(1.8%)が続いた。その他、「養護学校との交 流」や「ワークシートを活用した学習」などもみられた。

また、これらの学習の教育課程上の位置づけ(複数回 答可)としては、道徳の時間で行っているとの回答が 42.4%で最も多く、続いて「特別活動(学級指導)の時 図11 障害理解教育の有無

図12 障害理解教育の内容

図13 障害理解教育の教育課程上の位置づけ

図14 障害理解教育の実施計画

(10)

間」28.3%、「総合的な学習の時間」21.7%、「教科で行 っている」との回答が3.3%であった。なお、その他と の回答が4.3%あり、内容は、「文化祭」「特別支援学級 便りの発行」「PTAと生徒の合同学習」「学年学校行事、

集会など」と回答されていた(図13)

加えて、障害理解学習を行っていると回答した学校に 対して、具体的な実施計画を問うた(図143学年に わたる計画があり、内容や時期を決めて行っている」と 回答した学校が7校(12.1%)、「内容や時期はある程度 決まっているが、学年の主体性に任せている部分が大き い」と回答した学校が31校(54.4%)「全体としての計 画はなく、学年単位で内容を選択し、不定期に取り組ん でいる」と回答した学校が7校(12.1%)であった。な お、未回答は13校(22.4%)であった。

3.奈良教育大学学生(1年次生)に対する 障害理解学習に対する意識調査

3.1.調査の目的

前節では、中学校における交流および障害理解学習の 現状について、質問紙法による調査の結果を述べた。こ の調査を通して、中学校における交流および障害理解学 習の現状を把握する上でいくつかの貴重な知見が得られ たと考えるが、他方で、これらの教育的活動の妥当性、

適切性はどのように評価されるべきか、またそこから導 かれるべき課題は何か、と考えたとき、立場を変え、教 育を受ける生徒たちの立場からの検討が必要ではないか と考えるに至った。しかし、中学生を直接対象とする調 査は実施上の制約も大きく、それに必要な準備も十分に 整えることができなかった。そこで、前節での中学校調 査の結果を別の視点から評価し、あわせて「教育を受け る生徒の立場から」の評価を問う調査のための予備的調 査の意味もかねて、大学生を対象に交流および障害理解 学習に関する意識調査を実施した。中学校等における障 害理解教育においては、ほとんどの場合、事後学習とし て作文を書かせる等の取り組みを行っている。しかし、

思春期にある中学生の心情を考えた時、こうした「作文」

等において、必ずしも率直な感想が寄せられるとは限ら ない。大学生を対象とした調査であれば、そのような

「感想」への躊躇等についても、やや距離をおいて客観 視できるのではないかと考えた。調査に際しては、以上 の趣旨を説明し、中学校時代の在籍生徒との交流や、受 けた障害理解教育について、現在の時点から振り返って 回答してもらうよう説明した。

3.2.調査の方法

3.2.1.調査対象と調査日

奈良教育大学における教職専門科目(必修)「現代教 師論」の受講学生302人(1回生が283人で93.7%を占め

る)を対象に2007年11月15日にアンケート調査を行い、

227人からの回答を得た。

3.2.2.調査の内容

出身都道府県と出身中学校(国公私立)について、ま た、障害をもつ生徒とのふれあいの有無や、障害理解学 習の有無と内容について、そして、これらの経験が各自 の障害観にどのような影響を与えたか、どのような障害 理解学習を受けたかったかなどについて、6項目にわた って質問を行った。

3.3.調査の結果

まず、回答者の出身都道府県についてみると、合計 37都道府県からの進学であり、もっとも多くを占めた のが大阪出身者の60人(26.4%)で、奈良県は44

19.4%)であった。以下、京都・広島が21人(9.3%)

であり、その他の都道府県出身者は一桁台であった。な お、出身中学校を国公私立の別で見た場合、公立中学校 出身者が190人で全体の83.7%を占めている。国立中学 校出身者は11人(4.8%)、私立中学校出身者は25

11.4%)、未回答は1人(0.4%)であった。

次に、「中学校の時、校内に障害のある生徒はいたか」

と問うたところ、「同じ学級にいた」と答えた者が57人

25.1%)、「別の学年やクラスにいた」と答えた者が94 人(41.4%)であり、合計151人(66.5%)の者が障害 をもつ生徒の存在を感じていたことがわかった。なお、

「いなかった」と答えた者は69人(30.4%)おり、「わか らない」と答えた者も7人(3.1%)いた。この障害をも つ生徒とのかかわりを国公私立の別でみると、図15 ようになった。人数で見ると、公立中学校出身者で「同 じ学級にいた」と回答した者が54人、「違う学年やクラ スにいた」と回答した者が89人、国立中学校出身者で は「同じ学級にいた」が1人、「違う学年やクラスにい

図15 障害を持つ生徒とのかかわり

図16 在籍生徒の有無とかかわりの状況

(11)

た」が3人、私立中学校出身者では「同じ学級にいた」

2人、「違う学年やクラスにいた」が2人であった。な お、国立中学校出身者で、「同じ学級にいた」ないしは

「違う学年やクラスにいた」と回答した者の出身都道府 県は京都府と奈良県であり、私立中学校出身者で、「同 じ学級にいた」ないしは「違う学年やクラスにいた」と 回答した者の出身都道府県は大阪府と京都府と奈良県で あった。

さらに、「同じ学級にいた」と回答した者57人に対 し、「その障害児と話をしたり一緒に遊んだり何か取り 組みをするなど直接的なかかわりがあったか」と問うた ところ、図16上段のような結果になり、「あった」と回 答した者が50人(87.7%)「なかった」と回答した者が 5人 (8.8% )、「 覚 え て い な い 」 と 回 答 し た 者 が2

(3.5%)であった。

「違う学年やクラスにいた」と回答した者94人に対し ても同様の質問をしたところ、「あった」と回答した者 3941.5%)人、「なかった」と回答した者が39

(41.5%)「覚えていない」と回答した者が10人(10.6%)

で未回答が6人(6.4%)であった(図16下段) 以上から、障害をもつ生徒と通常学級生徒が同じ学級 に存在すると、直接的な関わりが増えることがわかる。

ただ、このことからだけではその交流がプラスの意味を 持ち得たのか、もしくはマイナスの交流であったのかは 判断できない。また、同じ学級ではないが校内に障害を もつ生徒がいる場合、直接的な交流がある場合とない場 合がちょうど半数にわかれているところも興味深い。

次に、「授業の中で、障害や障害をもった人々をテー マにした学習をした覚えがあるか」と、障害理解学習の 有無について問うたところ、図17のようになった。何 らかの形で学習した覚えがあると回答した者の合計は

128人(56.4%)であり、「なかった」、もしくは「覚え

ていない」と回答した者は93人(41%)、未回答は6

2.6%)であった。

このうち、「あった」と回答した128人に教育課程上の 位置づけを複数回答方式で問うたところ、「道徳で学習 した」との回答は77件で最も多く50.3%をしめた。「学 活や総合的な学習の時間などで学習した」との回答は65

件(42.5%)、「教科の中で学習した」との回答は11件

7.1%)であり、教科の内訳としては、社会(6人)、家 庭(2人)、国語(1人)、英語(1人)となった(図18 同様に、学習の内容について、これも複数回答可とし て問うたところ、図19のような回答を得た。もっとも 多かったのが「学級担任や教科担任による講話」で、

73件(35.1%)であった。次が「ビデオなどの視聴」

で、52件(25.0%)、そして、「障害のある当事者や保護 者などによる講話」と続き38件(18.3%)であった。そ のほか、「障害児学級担任による講話」が15件(7.2%)

「養護学校や施設などの見学・訪問」が14件(6.7%)で あった。また、「その他」(16件,7.7%)としてあげられ た内容は、車いす体験やアイマスク体験などの体験型学 習が最も多く9件みられたほか、教科書や資料、また、

障害をもつ子どもがいる保護者の手紙を使った学習が見 られた。なお、「選択授業で手話を学び、ろう者と交流 した」というものもあった。

障害理解学習を行ったかどうか覚えがない、もしくは 行っていないと回答した93人に対しては、こういった 学習は必要であると思うかどうかについて問うた。その 結果、「必要である」と回答した者は76人(81.7%)、

「必要ない」と回答した者は2人(2.2%)「わからない」

と回答した者は13人(14%)、未回答は2人(2.2%)で あった(図20)

以上の調査は、大学生となった現在から、数年前の過 去である「中学校時代」を振り返るものであり、「中学 生の意識」をそのまま表すものではもちろんない。また、

今回の調査対象は、教育大学に在学し教職科目を受講し ている学生、すなわち近い将来教師になることを志向し ている学生であり、当該世代全体の意識を偏りなく反映 したものとも言い難い。しかし、このような制約がある 図17 障害理解学習の有無

図18 障害理解学習の授業上の位置づけ

図19 障害理解学習の内容

参照

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