• 検索結果がありません。

ヒト下痢便および鶏肉,鶏糞便から分離した

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ヒト下痢便および鶏肉,鶏糞便から分離した"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ヒト下痢便および鶏肉,鶏糞便から分離した Campylobacter jejuni 株の薬剤感受性試験およびキノロン耐性株に

対する遺伝子変異に関する検討

1)

麻布大学大学院環境保健学研究科,

2)

イカリ消毒株式会社,

3)

麻布大学獣医学部微生物学研究室,

4)

秋田県衛生科学研究所,

5)

徳島県保健環境センター,

6)

横浜市衛生研究所,

7)

横浜市立市民病院,

8)

東京農業大学家畜衛生学研究室

柿本 將平

1)2)

福山 正文

1)

古畑 勝則

1)

大仲 賢二

1)

吉浪 誠

2)

谷川 力

2)

原 元宣

3)

原田誠三郎

4)

齋藤志保子

4)

森 敏彦

5)

武藤 哲典

6)

宮井美津夫

7)

渡邊 忠男

8)

(平成 18 年 12 月 8 日受付)

(平成 19 年 2 月 23 日受理)

Key words : Campylobacter jejuni, drug resistance, fluoroquinolone, poultry

Campylobacter 感染症に関する基礎的研究の一環として,2002〜2006 年にかけて分離したヒト下痢症由来

C. jejuni 53 株および鶏肉,鶏糞便由来 C. jejuni 102 株の計 155 株を用いて,各種薬剤に対する感受性試験

およびキノロン耐性株に対する遺伝子変異について検討を行ったところ,以下の成績が得られた.

1)供試した 15 薬剤のうち 10 薬剤に対していずれかの株に耐性が認められた.その内訳は CEX 99.4%,

ABPC 59.4%,NA 40.6%,NFLX 40.0%,TC と CPFX 各 39.4%,PIPC 38.1%,MINO 30.3%,KM 3.2%

および SM 2.6% であった.

2)薬剤耐性が認められた 155 株中 28 株(18.1%)は単剤耐性,残りの 127 株(81.9%)は多剤耐性であっ た.多剤耐性を示した耐性パターンでは ABPC! PIPC! CEX が最も多く,次いで ABPC! PIPC! CEX! TC!

MINO! NA! NFLX! CPFX 等の順であった.

3)キノロン系抗菌薬に対して耐性を示した 44 株のうち,43 株(97.7%)が gyrA 遺伝子の変異(Thr-86

→Ile)が認められた.

以上のことから, β ―ラクタム系,キノロン系およびテトラサイクリン系抗菌薬に対する耐性率が高く,ま

た,耐性 C. jejuni株の大半が多剤耐性であることが明らかになった.さらに,キノロン系抗菌薬に対して耐

性を示した C. jejuni株の多くが gyrA 遺伝子の変異を起こしていることが明らかになった.

〔感染症誌 81:363〜369,2007〕

近年,Campylobacter jejuni(C. jejuni)はキノロン 系抗菌薬への耐性化が注目されている.キノロン系抗 菌薬の耐性機序として,大腸菌などでは DNA gyrase および topoisomerase IVに変異が起こり,キノロン

耐性決定領域(QRDR)にアミノ酸変異が集中してい ることが知られている

1)

.その中で,DNA gyrase の GyrA サブユニットおよび topoisomerase IV の ParC サブユニットの変異が重要とされている.キノロン系 抗菌薬以外の抗菌薬についても,食肉の生産管理や医 療現場において耐性株の動向の監視が極めて重要と考 えられている.そこで著者は上述のことを踏まえ,感 染源や感染経路として重要な市販鶏肉や鶏糞便から

Campylobacter の分離を試み,その分離株について各

別 刷 請 求 先:(〒229―8501)神 奈 川 県 相 模 原 市 淵 野 辺 1―

17―71

麻布大学環境保健学部微生物学研究室 福山 正文

(2)

Table 1 DrugsforMIC determination β‐lactam antibiotic

Ampicillin (ABPC:Sigma), Piperacillin (PIPC:Sigma), Cefalexin (CEX:Sigma) aminoglycoside antibiotic

Streptomycin (SM:Wako),Kanamycin (KM:Sigma),Geutamicin (GM:Schering‐Plough) macrolide antibiotic

Erythromycin (EM:Sigma),Kitasamycin (LM:AsahiKasei),Roxithromycin (RXM:Sigma) chloramphenicol

Chloramphenicol(CP:Sigma) tetracycline antibiotic

Tetracycline (TC:Wako),Minocycline (MINO:Maruko) quinolone antimicrobial

Nalidixicacid (NA:Sigma),Norfloxacin (NFLX:Kyorin),Ciprofloxacin (CPFX:Bayer)

種薬剤に対する感受性試験を行うとともに,キノロン 耐性株については gyrA 遺伝子上の QRDR の変異につ いて検討を行った.

材料および方法

1.供試試料および菌株

2002 年 10 月から 2006 年 3 月にかけてヒト下痢症 患者から分離した C. jejuni 53 株(秋田県 15 株,徳島 県 14 株,神 奈 川 県 24 株)と,2005 年 5 月 か ら 9 月 にかけて,スーパーや小売精肉店などから購入した市 販鶏肉や養鶏場から採取した糞便から分離した C. je- juni 102 株の計 155 株を用いた.

2.薬剤感受性試験 1)供試薬剤

供試薬剤は Table 1に示した β―ラクタム系,アミノ グリコシド系,マクロライド系およびキノロン系各 3 剤,テトラサイクリン系 2 剤,クロラムフェニコール 系 1 剤の総計 15 薬剤を用いた.

2)供試菌液の調整および接種方法

最小発育阻止濃度(MIC)の測定は Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI)が制定した 方法

2)

に準拠した.供試菌液の調製は供試菌株を 5%

ヒツジ脱繊維血液加 Muller Hinton agar(Difco)に 塗抹し,37℃48 時間微好気培養後,1 コロニーを釣菌 して,Muller Hinton broth(Difco)に接種し,微好 気的条件下で 37℃24 時間振とう培養した.その菌液 を 100 倍希釈し,ミクロプランター(佐久間製作所)

を用いて,各抗菌薬を含有した 5% ヒツジ脱繊維血液 加 Muller Hinton agar(Difco)に接種し,37℃48 時 間微好気培養した.

3)判定方法

判定は CLSI 法に基づき 5 個以内のコロニーは発育 陰性と判定し,MIC 値を求めた.

3.gyrA-QRDR の塩基配列決定

キノロン系抗菌薬(NA,NFLX,CPFX)に感受

性を示した C. jejuni 4 株と耐性を示した C. jejuni 44 株の計 48 株について,ダイレクトサイクルシークエ ンス法で gyrA 遺伝子上にある QRDR の塩基配列を決 定した.Polymerase Chain Reaction(PCR)は秦ら

3)

に準拠し,供試菌株を 7% ウマ脱繊維血液加 Heart in- fusion agar(Difco)に塗抹して 37℃48 時間微好気培 養後,平板上のコロニーを白金耳でかき取り,1×Tris EDTA(10mM Tris-HCl,1mM EDTA[pH8.5])溶 液 中 に 懸 濁 後,そ の 試 料 に 核 酸 抽 出 キ ッ ト(EX- TRAGENII;東ソー)の各試薬を添付資料の操作フ ローに従って添加し,抽出した Template DNA と Primer(5ʼ―CTTTGCCTGACGCAAGAGAT-3ʼ)およ び Primer(5ʼ―CAGGTTCACTTTCTGAACCA-3ʼ)を 用いて QRDR を含む領域を増幅した.得られた PCR 産物を 2% アガロースゲルで 100V,40 分間電気泳動 後,Ethidium Bromide(0.5µg! mL)で 30 分間染色 し,UV 照射下で写真撮影後,目的とする遺伝子領域 の増幅を確認した.増幅が確認された PCR 産物を High Pure PCR Product Purification kit(Roche)で 精製し,BigDye Terminator v1.1(Applied Biosys- tems)と Primer(5ʼ―GCTATGCAAAATGATGAGGC- 3ʼ)

4)

を用い,大江ら

5)

の方法に準拠してサイクルシー クエンシングを行った.得られたシークエンス反応産 物をエタノールと酢酸ナトリウムで精製後,シークエ ンサー(ABI PRISM 310Genetic Analyzer ; Applied Biosystems)を用いて塩基配列を決定した.

1.由来別における各種薬剤に対する MIC

90

の比較 ヒト下痢症由来 53 株,市販鶏肉由来 40 株および鶏 糞便由来 62 株の計 155 株について各種薬剤に対する MIC 分布を Table 2,3にそれぞれ示した.

ヒト下痢症由来株の MIC

90

は Table 2に示すように

GM が 0.5 µ g ! mL で最も感受性が高く,次に SM,EM

お よ び LM が 各 2µg! mL,KM,RXM お よ び CP が

(3)

Table 2 MIC distribution in human diarrhea-derived C.jejunistrains

MIC90

(μg/mL) MIC50

(μg/mL) MIC range

(μg/mL) No.Resistant

n= 53 Break points

(μg/mL) Drug

R S

64 16

<

128

― 8 (35.8)

19 32

8 ABPC

128<

64

<

128

― 64 (49.1)

26 128

16 PIPC

128<

128

<

128

― 32 (100.0)

53 32

8 CEX

2 1

<

128

― 1 (5.7)

3 16

SM

8 4

<

128

― 1 (1.9)

1 64

16 KM

0.5 0.5

1

― 0.25 0

16 4

GM

2 1

4

― 0.5 0

16 0.5 EM

2 1

2

― 0.25 0

16 LM

8 4

16

― 2 0

64 0.05 RXM

8 2

16

― 2 0

16 8

CP

128 0.5

<

128

― 0.125 (41.5)

22 16

4 TC

32 0.125

32

≦ 0.06 (34.0)

18 16

4 MINO

128 4

<

128

― 2 (32.1)

17 32

16 NA

128 0.5

128

― 0.25 (32.1)

17 16

4 NFLX

16 0.125

32

≦ 0.06 (32.1)

17 4

1 CPFX

S= Susceptible, R= Resistant

各 8 µg! mL,CPFX が 16 µg! mL, MINO が 32 µg ! mL,ABPC が 64 µ g ! mL,TC,NA お よ び NFLX が 各 128µg! mL,PIPC と CEX が各>128µg! mL の順で あった.なお,TC,MINO,NA,NFLX および CPFX の 5 薬剤は MIC の分布において二峰性が認められた.

市販鶏肉と鶏糞便由来株の MIC

90

は Table 3に示す ように GM が 0.5 µ g ! mL で最も感受性が高く,次に SM と LM が各 2µg! mL,EM が 4µg! mL,KM と CP が 各 8µg! mL,RXM が 16µg! mL,MINO と CPFX が 各 32µg! mL,NA と NFLX が 各 128µg! mL,

ABPC,PIPC,CEX お よ び TC が 各>128 µ g ! mL の 順であった.なお,TC,MINO,NA,NFLX および CPFX の 5 薬剤は MIC 分布において二峰性が認めら れた.

2.由来別における薬剤耐性株の出現率と耐性パ ターン

供試した C. jejuni 155 株のすべてに耐性株が認めら

れ た.各 種 薬 剤 に 対 す る 耐 性 株 の 出 現 率 は ABPC 59.4%,PIPC 38.1%,CEX 99.4%,SM 2.6%,KM 3.2%,TC 39.4%,MINO 30.3%,NA 40.6%,NFLX 40.0% および CPFX 39.4% であった.由来別にみる と,ヒ ト 下 痢 症 由 来 株 で は ABPC 35.8%,PIPC 49.1%,CEX 100.0%,SM 5.7%,KM 1.9%,TC 41.5%,MINO 34.0%,NA 32.1%,NFLX 32.1% お よび CPFX 32.1% であった(Table 2).市販鶏肉と 鶏糞便由来株では ABPC 71.6%,PIPC 81.4%,CEX 99.0%,SM 1.0%,KM 3.9%,TC 38.2%,MINO 28.4%,NA 45.1%,NFLX 44.1% お よ び CPFX 43.1% であった(Table 3).

耐性株の耐性パターンは Table 4に示すとおり,由

来別においてヒト下痢症由来ではすべての株が耐性を 示し,CEX 単剤耐性が 12 株(22.6%),ABPC ! CEX,

CEX ! TC ! MINO , CEX! TC ! MINO ! NA! NFLX ! CPFX お よ び CEX! NA! NFLX! CPFX 耐 性 が 各 5 株

(9.4%),ABPC! PIPC! CEX お よ び ABPC! PIPC!

CEX! TC! MINO 耐性が各 4 株(7.5%)などであった.

市販鶏肉や鶏糞便由来でもすべての株が耐性を示し,

ABPC! PIPC! CEX 耐性が24株(23.5%)と最も多 く,次 に ABPC! PIPC! CEX! TC! MINO! NA! NFLX!

CPFX 耐性が 19 株(18.6%),ABPC! CEX! NA! NFLX!

CPFX および CEX 単剤耐性が各 16 株(15.7%)など であった.

3.gyrA-QRDR の変異

供試した 48 株(ヒト下痢症由来 38 株,市販鶏肉と 鶏糞便由来 10 株)の MIC 値と遺伝子変異状況を Ta- ble 5に示した.48 株中 47 株(97.9%)において gyrA- QRDR で 6 箇所のうちいずれかのコドンの置換が確 認された.その内訳では感受性株と耐性株に共通する 変 異 が CAC→CTC(His-81),AGT→ACT(Ser-119),

GCC→GTC(Ala-120)の 3 箇所,耐性株のみの変異 が GGT→GGC(Gly-78),ACA→ATA(Thr-86→Ile- 86),GGC→GGT(Gly-110)の 3 箇所であった.アミ ノ酸レベルでの変異では耐性株 44 株中 43 株(97.7%)

が ACA→ATA の置換による 86 位スレオニン(Thr)

のイソロイシン(Ile)の変異のみが認められた.

Campylobacter 感染症に関する研究の一環として,今

回,ヒト下痢便および鶏肉や鶏糞便から分離した菌株

を用い,薬剤感受性試験を行うとともに供試薬剤のう

ちキノロン耐性を示した菌株について遺伝子変異を検

(4)

Table 3 MIC distribution in chicken-derived C.jejunistrains

MIC90

(μg/mL) MIC50

(μg/mL) MIC range

(μg/mL) No.Resistant

n= 102 Break points

(μg/mL) Drug

R S

128<

32

<

128

― 4 (71.6)

73 32

8 ABPC

128<

128

<

128

― 1 (81.4)

83 128

16 PIPC

128<

128<

<

128

― 8 (99.0)

101 32

8 CEX

2 1

<

128

― 0.5 (1.0)

1 16

SM

8 4

<

128

― 2 (3.9)

4 64

16 KM

0.5 0.5

2

― 0.25 0

16 4

GM

4 1

4

― 0.125 0

16 0.5 EM

2 0.5

4

― 0.25 0

16 LM

16 4

32

― 0.25 0

64 0.05 RXM

8 4

8

― 2 0

16 8

CP

128<

1

<

128

― 0.125 (38.2)

39 16

4 TC

32 0.25

64

≦ 0.06 (28.4)

29 16

4 MINO

128 8

<

128

― 2 (45.1)

46 32

16 NA

128 1

<

128

― 0.25 (44.1)

45 16

4 NFLX

32 0.5

32

≦ 0.06 (43.1)

44 4

1 CPFX

S= Susceptible, R= Resistant

Table 4 Drug-resistance patternsofC.jejuniisolated from human diarrhea and chicken

(%) No.resistan Drug resistance pattern

Origin

(22.6) 12

CEX human diarrhea

(9.4) 5

CEX ABPC

(9.4) 5

MINO TC

CEX

(9.4) 5

CPFX NFLX NA

MINO TC

CEX

(9.4) 5

CPFX NFLX NA

CEX

(7.5) 4

CEX PIPC ABPC

(7.5) 4

MINO TC

CEX PIPC ABPC

(5.7) 3

TC CEX

(3.8) 2

CPFX NFLX NA

MINO TC

CEX ABPC

(3.8) 2

CPFX NFLX NA

CEX PIPC ABPC

(3.8) 2

SM CEX

(1.9) 1

CPFX NFLX NA

CEX ABPC

(1.9) 1

CPFX NFLX NA

MINO TC

CEX PIPC ABPC

(1.9) 1

MINO TC

KM SM CEX

(1.9) 1

CPFX NFLX NA

TC CEX

(100.0) 53

Subtotal

(23.5) 24

CEX PIPC ABPC chicken

(18.6) 19

CPFX NFLX NA

MINO TC

CEX PIPC ABPC

(15.7) 16

CPFX NFLX NA

CEX ABPC

(15.7) 16

CEX

(6.9) 7

TC CEX

(2.9) 3

CPFX NFLX NA

MINO TC

CEX ABPC

(2.9) 3

MINO TC

KM CEX

(2.0) 2

CEX ABPC

(2.0) 2

TC CEX

ABPC

(2.0) 2

CPFX NFLX NA

MINO TC

CEX

(1.0) 1

CPFX NFLX NA

TC SM

CEX PIPC ABPC

(1.0) 1

MINO TC

KM CEX

PIPC ABPC

(1.0) 1

NA CEX

PIPC ABPC

(1.0) 1

CPFX NFLX NA

CEX PIPC ABPC

(1.0) 1

CPFX NFLX NA

CEX PIPC

(1.0) 1

MINO TC

CEX

(1.0) 1

CPFX NFLX NA

CEX

(1.0) 1

NFLX NA

(100.0) 102

Subtotal

155 Total

(5)

Table 5 Mutations inC.jejuni gyrA genes and quinolone resistance properties Nucleic acid codons and corresponding amino acid changes in QRDR of gyrAfrom C.jejuniMIC range (μg/mL) No. of strains (%)Amino acidCodonAmino acidCodonAmino acidCodonAmino acidCodonAmino acidCodonAmino acidCodonCPFXNFLXNA Ala-120CCGSer-119TGAGly-110CGGThr-86ACAHis-81CACGly-78TGGType strain (NCTC11168) ――T―――C―――――――――――T―――――0.125―0.25 0.5―1 2―8(75.0) 3 Sensitive group ――――――――――――――――――――――――0.1250.52(25.0) 1 (100.0) 4Total ――――――――――――Ile-86―T――――――――― 8―32 64―128<32―128(29.5)13 Resistance group**――――――C―――――Ile-86―T――――――C――16―3264―128 128―128<(27.3)12 ――T―――C―――――Ile-86―T―――T――――― 8―32 64―128< 128―128<(25.0)11 ――T―――C――T――Ile-86―T―――T―――――3212128(15.9) 7 ――T―――C―――――――――――T―――――11664(2.3) 1 (100.0)44Total Sensitive to NA,NFLX and CPFX **Resistant to NA,NFLX and CPFX

討した.その結果,β―ラクタム系,テトラサイクリ ン 系 お よ び キ ノ ロ ン 系 抗 菌 薬 の 8 薬 剤(ABPC,

PIPC,CEX,TC,MINO,NA,NFLX,CPFX)に 対して 30.3%〜99.4% と高率に耐性が認められた.薬 剤別において EM では川森ら

6)

,谷ら

7)

および横山ら

8)

が 2.5〜5.4% に耐性株を認めているが,著者らは Ishi- hara ら

9)

や高山ら

10)

と同様に耐性株を認めなかった.キ ノロン系抗菌薬では,ヒト下痢症由来で 32.1%,鶏肉 や鶏糞便由来で 43.1〜45.1% にそれぞれ耐性を認め,

鶏由来株はヒト下痢症由来株に比べ若干耐性率が高い 傾向を示した.しかし,川森ら

6)

はヒト下痢症由来株 で 44.6〜46.2%,鶏由来株で 26.4〜27.8% とヒト下痢 症由来株に耐性率が高い傾向を示し,著者と異なって いた.この原因として地域的な要因などが関わってい るものと考えられた.現在,Campylobacter 腸炎に対 し,第一選択薬としてマクロライド系抗菌薬が用いら れているが,まれにキノロン系抗菌薬が処方されるこ とがあり,それがもとで本菌に耐性株が出現するとの 報告も見られる

11)

.また,本薬剤が投与されている鶏 群由来株は非投与鶏群由来株に比べ,耐性率が高く なっていることも報告されている

12)

.これらのことか ら,本薬剤を治療薬として用いることが,耐性化の原 因の一つとなることが考えられる.このことから,本 剤の乱用が続くことにより,耐性株の増加が懸念され るため,今後は治療薬の選択を誤らぬように注意して いく必要がある.その他の薬剤に対する耐性株の出現 状況において,川森ら

6)

は ABPC,GM,CP および TC に各耐性を,谷ら

7)

は ABPC,KM および TC に各耐 性を示す株をそれぞれ分離している.しかし,今回著 者らの成績において GM や CP に耐性を示す株は認め られず,川森らや谷らの報告とは異なっていた.薬剤 耐性を示したヒトおよび鶏由来株について耐性パター ンを比較したが,両由来間に顕著な差は認められず同 様のパターンであった.多田ら

13)

の報告でも著者らの 成績と同様に,ヒト由来株と鶏由来株において薬剤耐 性パターンの顕著な違いは認めていない.

C. jejuniにおけるキノロン系抗菌薬の耐性機序は,

キノロン排出ポンプの存在が報告され,2 種の外膜タ ンパク質が確認されている

14)

.また,gyrA 遺伝子の 変異による Thr-86→Ile のアミノ酸置換が関与してい ることも報告されている

3)4)15)

.著者らが供試した株の うち,CPFX の MIC 値が≧8µg! mL を示す株は秦ら の成績

3)

と同様に,アミノ酸置換が認められ,一致し ていた.しかし,それ以外の部位において Wang ら

4)

は Ala-70→Thr,Asp-90→Asn,Hakanen

15)

ら は Pro-

104→Ser などのアミノ酸置換がキノロン耐性に関与

することを報告しているが,著者らの成績では変異は

認められず異なっていた.これらのことから,今回供

(6)

試したキノロン系抗菌薬に耐性を示した C. jejuni株は gyrA 遺伝子上にアミノ酸の二重変異は認められず,1 アミノ酸変異で高い耐性を示していることが推察され た.

文 献

1

)吉田博明:細菌におけるキノロン耐性メカニズ ム.日細誌 1996;51:973―92.

2

)Clinical and Laboratory Standards Institute:

Performance standards for antimicrobial suscep- tibility testing ; sixteenth informational supple- ment 2006;26:M100―S16.

3

)秦 眞美,平松礼司,鈴木匡弘,松本昌門,高 橋正夫,榮 賢司:Campylobacter jejuni のキノ ロン耐性と遺伝子変異.愛知県衛生研究所報 2005;55:9―15.

4

)Wang Y, Huang WM, Taylor DE:Cloning and nucleotide sequence of the Campylobacter jejuni gyrA gene and characterization of quinolone re- sistance mutations. Antimicrob Agents Che- mother 1993;37:457―63.

5

)大江香子,酒井沙知,原 元宣:ウイルスのバ イオインフォマティックス.環境と病気 2004;

13:13―43.

6

)川森文彦,久島昇平,有田世乃,増田高志,秋 山眞人,重松克彦,他:ヒト,家畜および食肉 から分離されたカンピロバクターの薬剤感受性.

日食微誌 2004;21:131―7.

7

)谷 好史,笹川知位子,立石ひとみ:1999 年〜

2003 年の間に徳島県で分離されたカンピロバク ターについて.徳島県保健環境センター年報 2004;22:1―4.

8

)横山敬子,柳川義勢,斉藤香彦,新垣正夫,甲 斐明美,鎌田有希,他:鶏および鶏肉由来 Campy-

lobacter 属菌のニューキノロン剤に対する薬剤感

受性.東京衛研年報 1997;48:3―8.

9

)Ishihara K, Yamamoto T, Satake S, Takayama S, Kubota S, Negishi H, et al.:Comparison of Campylobacter isolated from humans and food- producing animals in Japan. J Appl Microbiol 2006;100:153―60.

10

)高山貞男,佐竹幸子,石原加奈子:ヒト下痢便 から分離された Campylobacter jejuniCampylo-

bacter coli の抗菌薬感受性.感染症 誌 2005;

79:169―75.

11

)小花光夫,松岡康夫,入交昭一郎,殿岡弘敏:Cam-

pylobacter 腸炎患者の治療における問題点―特に,

ニューキノロン剤使用後の耐性菌発現例に関し ての検討―.感染症誌 1992;66:923―9.

12

)田村 豊:動物用抗菌剤の使用動向と薬剤耐性 菌 対 策―特 に 診 療 獣 医 師 の 果 た す 役 割 に つ い て―.日獣会誌 2003;56:685―91.

13

)多田芽生,砂原千寿子,多田千鶴子,山西重機:

鶏肉における Campylobacter および Salmonella の 汚染状況.香川県環境保健研究センター所報 2004;3:187―90.

14

)Charvalos E, Tselentis Y, Hamzehpour MM, K hler T, Pechere J-C:Evidence for an efflux pump in multidrug-resistant Campylobacter jejuni.

Antimicrob Agents Chemother 1995;39:

2019―22.

15

)Hakanen A, Jalava J, Kotilainen P, Jousimies-

Somer H, Siitonen A, Huovinen P:gyrA Poly-

morphism in Campylobacter jejuni : Detection of

gyrA mutations in 162 C. jejuni isolates by

single-strand conformation polymorphism and

DNA sequencing. Antimicrob Agents Che-

mother 2002;46:2644―7.

(7)

Drug Sensitivity Test of Campylobacter jejuni Strains Isolated from Human Diarrheal Stools, Chicken Meat, and Chicken Feces, and Gene Mutation of Quinolone-resistant Strains Shohei KAKIMOTO

1)2)

, Masafumi FUKUYAMA

1)

, Katsunori FURUHATA

1)

, Kenji OONAKA

1)

,

Makoto YOSHINAMI

2)

, Tsutomu TANIKAWA

2)

, Motonobu HARA

3)

, Seizaburo HARATA

4)

, Shihoko SAITOH

4)

, Toshihiko MORI

5)

, Tetsunori MUTO

6)

, Mitsuo MIYAI

7)

& Tadao WATANABE

8)

1)

Graduate School of Environmental Health, Azabu University,

2)

Ikari Corporation,

3)

Department of Veterinary Microbi- ology, Azabu University,

4)

Akita Prefectural Institute of Public Health,

5)

Tokushima Prefectural Institute of Public

Health and Environmental Sciences,

6)

Yokohama City Institute of Health,

7)

Yokohama Municipal Citizenʼs Hospital,

8)

Laboratory of Animal Health, Tokyo University of Agriculture

In basic studies on campylobacteriosis, we tested 53 strains from human diarrhea stools and 102 strains from chicken meat and feces obtained between 2002 and 2006 for drug sensitivity to different drugs and gene mutation in quinolone-resistant strains.

1) Of 15 drugs tested, all were resistant to one or more of the following 10 drugs : CEX, 99.4%;ABPC, 59.4%;NA, 40.6%;NFLX, 40.0%;TC and CPFX, 39.4%;PIPC, 38.1%;MINO, 30.3%;KM, 3.2%;and SM, 2.6%.

2) Of 155 drug-resistant strains, 28 (18.1%) were resistant to single drugs and 127 (81.9%) were resistant to multiple drugs. The most frequent pattern of multipledrug resistance was ABPC! PIPC! CEX, followed by ABPC! PIPC! CEX! TC! MINO! NA! NFLX! CPFX.

3) Mutation of GyrA (Thr86 → Ile) was detected in 43 (97.7%) of 44 quinolone-resistant strains.

We found that resistance to β-lactams, quinolones, and tetracycline antibiotics was high, and most resis-

tant strains were resistant to multiple drugs. We also found that most quinolone-resistant strains had GyrA

mutation.

Tabl e  2 MI C  di s t r i but i on  i n  human  di ar r hea- der i ved  C. j e j uni s t r ai ns MI C 90 ( μ g/mL)MIC50(μg/mL)MIC range(μg/mL)No.Resistant
Tabl e  3 MI C  di s t r i but i on  i n  c hi c ken- der i ved  C. j e j uni s t r ai ns MI C 90 ( μ g/mL)MIC50(μg/mL)MIC range(μg/mL)No.Resistant
Table 5 Mutations inC.jejuni gyrA genes and quinolone resistance properties Nucleic acid codons and corresponding amino acid changes in QRDR of gyrAfrom C.jejuniMIC range (μg/mL) No

参照

関連したドキュメント

Standard domino tableaux have already been considered by many authors [33], [6], [34], [8], [1], but, to the best of our knowledge, the expression of the

The edges terminating in a correspond to the generators, i.e., the south-west cor- ners of the respective Ferrers diagram, whereas the edges originating in a correspond to the

H ernández , Positive and free boundary solutions to singular nonlinear elliptic problems with absorption; An overview and open problems, in: Proceedings of the Variational

In [1, 2, 17], following the same strategy of [12], the authors showed a direct Carleman estimate for the backward adjoint system of the population model (1.1) and deduced its

Keywords: Convex order ; Fréchet distribution ; Median ; Mittag-Leffler distribution ; Mittag- Leffler function ; Stable distribution ; Stochastic order.. AMS MSC 2010: Primary 60E05

In Section 3, we show that the clique- width is unbounded in any superfactorial class of graphs, and in Section 4, we prove that the clique-width is bounded in any hereditary

Inside this class, we identify a new subclass of Liouvillian integrable systems, under suitable conditions such Liouvillian integrable systems can have at most one limit cycle, and

Global transformations of the kind (1) may serve for investigation of oscilatory behavior of solutions from certain classes of linear differential equations because each of