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昭和63年3月15日学位規則第5条第2項該当

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Academic year: 2021

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(1)

氏名・(本籍)

学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位論文題目

論文審査委員

見  田  充  郎(鳥取県)

工  学  博  士

工博乙第  20  号 昭和63年3月15日 学位規則第5条第2項該当

二重絶縁構造ZnS薄膜ac−ELデバイスに関する研究

(委員長)

教 授 助 川 徳 三

教 授 島 岡 五 朗  教 授 今 井 哲 二 教 授 山 田 祥 二  教 授 安 藤 隆 男

論 文 内 容 の 要 旨

近年,二重絶縁構造を有する薄膜a cエレクトロルミネッセント(EL)素子は,表示品質の優れ た平面ディスプレイ装置として注目を集め,精力的に研究されている。本論文では,高輝度化とカラー 化を目的として,ZnSに遷移金属Mnまたは希土頬弗化物LnF,を添加した素子について,膜厚・

発光中心濃度・製膜法などの製膜条件を変化させて素子を製作し,発光層薄膜の性質が輝度・発光効 率に与える影響,希土頬発光中心の性質の解明を中心に研究を行った結果について述べる。得られた 結果は次の通りである。

(1)黄橙色発光を示すZnS:Mn発光層薄膜を,電子線(EB)蒸着法により作製した。基板温 度・膜厚およびMn濃度を系統的に変化させて素子を製作し輝度・発光効率への影響を調べた。EB 蒸着法で形成したZnS膜は,立方晶であり,(111)面が基板面に平行な多結晶膜として成長する。

この結晶は基板温度を80℃から160℃に上昇させると,また膜厚を70nmから600nmに増加させると結 晶性が向上する。同時に,輝度・発光効率も大幅に改善される。この輝度・発光効率の改善は,結晶 性の向上にともなうホット・エレクトロンの平均自由行程の増加により説明できる 。ゝ・発光中心である

Mn濃度を増加させると,輝度・発光効率は,はじめは濃度とともに増加し,0.79m01%で最大値に 達し,それ以上の濃度増加に対しては急激に減少する。この高濃度域における輝度・発光効率の減少

は,Mn発光中心間の非幅射遷移ならびに,Mnを多量に添加したことによる結晶性の低下およびMn が散乱中心として作用することによる平均伝導電流の減少が的与していることを明らかにした。

(2)薄膜EL素子の特性,とくに絶縁破壊電圧は,絶縁膜の性質に強く依存する。絶縁膜としてス

ー 87 −

(2)

バッタリング法により形成したSiO2,Si,N.,A1203,またEB蒸着法により形成したY20,.

Ta205を用いてEL素子を製作し,輝度・発光効率を比較した。これらの絶縁膜の中では,Poole−

Frenkel型の伝導機構を示すTa205膜が最も低抵抗(109−10100cm)を示し,逆にSiO2膜が 最も高抵抗(1012−10140cm)で優れた絶縁性を示す。これらの異なった性質を生かし,低抵抗Ta205 膜をキャリア注入層として発光層の両側に置き,さらに高抵抗SiO2膜をキャリア制限層としてそ の両側に置いた複合絶縁膜がEL素子の絶縁膜として優れていることを兄いだした。また,Ta205 の膜厚を1000nmまで増加すると,より多くの伝導電流が注入され,発光開始電圧Vthをはば一定電圧 に保ったまま絶縁破壊電圧Vbdが高電圧化でき一(Vbd−Vth)/Vthで定義した耐圧マージンを15

%から80%まで向上させることができた。

(3)EL素子のカラー化を目的として,希土類弗化物の中で三原色発光を示すSmF3(赤),TbF3

(緑)′TmF3(青)を発光中心とするEL素子を製作し,その特性を調べた。輝度・発光効率は 発光中心濃度に依存し,最適濃度は発光中心により異なる。ZnS:TbF3素子では1.4m01%で高輝 度2300cd/m2が得られたo ZnS‥SmF3,ZnS:TmF3素子では低い輝度しか得られず最適 濃度は一各々0・14m01%・0・43m01%と低い0最適発光中心濃度をもつEL素子から放出される光子 数を計算し′Mn素子の光子数6・18Ⅹ1015/scm2に比べてTbF3素子では約半分の3.01XlO15/scm2 でありJSmF3素子では0・46Ⅹ1015/s cm2,TmF3素子では0.43Ⅹ1015/s cm2と一桁小さい。こ れらの放出光子数の差はSm3−およびTm3−イオンでは(4f)電子の励起準位の発光に関与する主 な準位の問に多くの中間準位が存在し,これらの中間準位を介した交換緩和過程が増加することに起 因するものとして説明できる〇一万,Tb訃イオンでは中間準位はなく,高濃度域においても発光減 衰時間の減少は観測されないことから,交換緩和過程は生じず,ZnS:TbF3薄膜が高い発光効 率を示すことが説明できた。

(4)最も発光効率の良い緑色発光を示すZnS‥Tb′F膜をEB蒸着法とrfマグネトロン・スバッ タ(SP)法を用いて形成し′発光中心の性質について調べた0発光中心濃度および蒸着後の熱処理 温度を変化させてTb−FイオンのZnS膜中への添加状態を比較したo EB膜のF/Tb原子数比は,

3程度であり熱処理によってあまり変化しない0一方,SP膜のF/Tb比は,熱処理により4から 1程度へと著しく減少する0この製膜法によるF/Tb比の減少の差は,SP膜中ではF−イオンが Tb3+ィォンと分離して存在しており,ZnS膜中を移動し易いことに起因することを,Ⅹ−ray Photo−

electron Spectroscopyなどの測定により明らかにした。さらに熱処理によるF.イオンの移動過程で Tb−F中心が形成され輝度が向上するものと考えられる。

(5)以上の得られた結果を応用して320X120ドットのELパネルを試作し,良好な結果を得た。

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参照

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