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政 策 と 通 商 協 定 締 結 権

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ヨ ー ロ ッパ 経 済 共 同 体 の 共 通 々 商

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政 策 と 通 商 協 定 締 結 権

大 谷 良 雄

IH

共通 々商政策の意義及び範囲 共通 々商政策の法的性格

共通々商政策 と通商協定締結権

ヨ ー ロ ッパ 経 済 共 同 体(laCommunaut66conomiqueeuroP6enne,C.E・E・)

は,そ の 加 盟 国 間 相 互 の 共 同 市 場(1eMarch6commun)と して 機 能 す る の み な らず,対 外 通 商 関 係 に お い て は,単 一 の 集 合 体 と して 行 動 す る こ とを 原 則 と して い る 。 この 共 同 体 の 対 外 的 統 一 性 は,具 体 的 に は,域 外 共 通 関 税 (letarifext6rieurcommun)の 設 定 と 対 外 共 通 々 商 政 策(1apolitique commercialecommune)の 実 施 とい う2つ の 面 に お い て 現 わ れ て い る 。 ロ

ー マ条 約 に よれ ば ,共 同 市 場 が 完 成 す る ま で の 準 備 期 間 と して 設 定 され た 過 渡 期 間(lap6riodedetransition)の 終 了 後 は,共 通 の 通 商 政 策 が 実 施 さ れ,加 盟 国 は 対 外 通 商 問 題 に 関 して 共 同 体 の 設 定 した 一 律 の 原 則 に 従 っ て 行 動 し,第3国 と の 通 商 協 定 の 締 結 は 加 盟 国 に 代 っ て 共 同 体 が これ を 行 な う と

して い る。 通 商 政 策 の 実 施 と い う行 為 及 び 通 商 協 定 の 締 結 と い う行 為 は,元

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来,国 家 の 主 権 事 項 に 属 し,従 っ て,共 通 々 商 政 策 の 実 施 を 規 定 した ロ ー マ

(1)本 稿 は昭和49年10月10日 に 成蹟大 学で開催 された 経 済法学会 におけ る報告 を もとに加筆補正 した もので あ る.こ の報 告に先 きだ ち吉 永教授 な らびに喜 多教 授 をは じめ,一 ・橋 大学経済法研 究会 に参 加す る諸先生 よ り貴重 な御助 言を いただ いた.こ こに深 く感謝 の意を表 す る.・

(2)事 実,国 際 法的には,条 約締結権 を基 本的な 内容 とす るとる外交 能力 の有無 が 国家の主権(対 外 主権)を 規定 す る主 た るメル クマール とな ってい る.

(2)

条 約 の 条 項(第110条 〜 第116条,と くに 第113条)は,一 方 に お い て,国 際 機 構 に 対 す る 国 家 の 対 外 主 権 の 一 部 移 譲 と い う観 点 か ら,又,他 方 に お い て,通 商 問 題 こ関 す る 共 同 体 の権 限 と 加 盟 国 の 権 限 と の 法 的 関 係 とい う観 点 か ら,き わ め て 興 味 深 い 意 味 を もつ も の と 考 え られ る 。 本 稿 に お い て は,

ヨ ー ロ ッパ 経 済 共 同 体 に お け る 共 通 々 商 政 策 の 実 施 が,加 盟 国 の 国 家 的 権 限 (lescomp6tencesnationales)セ こど の 程 度 の 影 響 を 与 え るか と い う点 を 主 た る 問 題 点 と し,共 通 々商 政 策 の 意 義 及 び 範 囲,共 通 々商 政 策 の 法 的 性 格(と

くに 共 同 体 の 権 限 と加 盟 国 の 権 限 との 法 的 関 係),さ らに 共 同 体 に よ る 通 商 協 定 締 結 の メ カ ニ ズ ム と い っ た 諸 点 を 中 心 に 述 べ る こ と に す る。

1共 通 々商政 策 の意 義 及 び範 囲

(i)共 通 々商 政 策 の 意 義 ロ ー マ 条 約 第113条 第1項 に よれ ば,「 過 渡 期 間 の 終 了 後,共 通 の 通 商 政 策 は 」 「… … 一 律 の 原 則 に 基 づ くも の 」 と され て い る 。 こ の 規 定 は,過 渡 期 間 の 終 了 後,共 同 体 の 加 盟 国 は そ れ ま で 各 加 盟 国 が ば らば らに 行 な っ て き た 通 商 政 策 を 共 同 体 の 設 定 す る 一 律 の 原 則 に 従 わ せ る こ とを 意 味 す る と解 され て い る が,こ こ で,ま ず,こ の 共 通 々商 政 策 が 共 同 体 の 他 の 機 能 と ど の よ うな か か わ りを も っ て い る か とい う点,つ ま り共 通 々商 政 策 の 意 義 に つ い て 簡 単 に ふ れ て お く。

ロ ー マ 条 約 は,.そ の 第2部 第1編 に お い て,共 同 体 内 部 に お け る 貨 物 及 び 商 品 の 自 由 移 動(1alibrecirculationdesmarchandises)に つ い て 規 定 し

て い る。 この加 盟 国 間 の 貨物 及 び 商 品 の 自由移 動 は,共 同体 の使 命 と して設

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立 され る共 同市 場 の基 本 的 な要 素 の ひ とつ を構 成 す る も ので あ り,そ の 主 た

(3)ロ ー マ 条 約 第2部 は 共 同 体 の 基 礎(lesfondementsdelaCommunaut6)を 規 定 し,第1編 貨 物 及 び 商 品 の 自 由 移 動(lalibrecirculation.desmarchan‑

dises),第2編 農 業(1'Agriculture),第3編 人,役 務 及 び 資 本 の 自 由 移 動 (lalibreclrcμlationdespersonnes,dcsservicesetdescapitaux),第4編

輸 入(1estransports)に 分 か れ て い る.

(4)ロ ー マ 条 約 第2条 に よ れ ば,共 同 体 の 使 命 は.「 共 同 市 場 の 設 立 及 び 加 盟 国 の 経 済 政 策 の 漸 進 的 接 近 に よ り 共 同 体 全 体 の 経 済 活 動 の 調 和 し た 発 展,持 続 的 か つ 均 衡 的 な 拡 大,安 定 強 化,生 活 水 準 の 一 層 す み や か な 向 上 及 び 加 盟 国 間 の 関 係 の 緊 密 化 を 促 進 す る こ と で あ る 」 と さ れ る.こ の 規 定 に よ れ ば,共 同 市 場 の 設 立*

(3)

ヨー ロッパ経 済共 同体 の共通 々商政 策 と通 商協定 締結権53

(5)

る 内容 は,関 税 同 盟 の 結成 と数 量 制 限 の撤 廃 で あ る。 関 税 同盟 は,よ く知 ら

くの

れ て い る とお り,域 内 関 税 の撤 廃 と対 外 共 通 関 税 の設 定 を 帰 結 す る。 と ころ で,ロ ー マ条 約 第9条(第2部 第1編 の 冒 頭)第2項 は,ロ ーマ条 約 に お け る関 税 の 撤 廃 及 び数 量 制 限 の撤 廃 に 関す る規 定 が,加 盟 国 に 原産 の生 産 品 に 対 しての み な らず,第3国 を積 出地 とす る生 産 品 で,加 盟 国 内 に お い てす で に 自由流通 状 態(enlibrepratique)に あ る生 産 品 に対 して も適 用 され る と

して い る。 この加 盟 国 内に お い て 自由流 通 状 態 に あ る生産 品 が何 を 意味 す る か に つ い て は,次 の 第10条 第1項 に お いて 説 明 が な され て お り,そ れ に よ れ ば,第3国 を積 出 地 とす る 生産 品 で,輸 入 手続 がす で に 完 了 して お り, 当 該 加 盟 国 に お い て課 せ られ る関 税 及 び これ と同等 の 効果 を 有 す る課 徴 金 が す で に 撚 きれ て い る もの を指 す と してい ぢ1)H‑・ 。催 同体1こお い て,対 外 共 通 関 税 設 定 の 必 要 性 及 び 対 外 通 通 々商 政 策 実 施 の 必 要 性 が 要 請 さ れ る の は これ らの 規 定 と の 関 連 に お い て で あ る。 何 故 な ら,共 同 体 内 部 に お け る 貨 物 及 び 商 品 の 自 由 移 動 が 充 分 に 達 成 され な け れ ば 共 同 市 場 の 実 現 は 困 難 で あ り,貨 物 及 び 商 品 の 自 由 移 動 を 充 分 に 達 成 す る た め に は,加 盟 国 原 産 の 生 産 品 に 対 して の み な らず 第3国 を 積 出 地 とす る 生 産 品 で 加 盟 国 内 に お い て 自 由 流 通 状 態 に あ る 生 産 品 に 対 して も この 規 定 が 適 用 され な け れ ば な らな い 。 関 税 同 盟 よ りの 帰 結 と して,第3国 を 原 産 地 とす る生 産 地 とす る 生

'

産 品 に つ い て は,共 通 関 税 の 適 用 を 受 け る け れ ど も,そ れ だ け で は な くプ 同 時 に 共 通 々商 政 策 を 実 施 して,加 盟 国 内 の 輸 入 条 件 を 統 一 化 す る こ とが 必 要

*は ,共 同体 全体の経済活 動 の発展,生 活水準 の向上,加 盟 国間 の関係 の緊 密化 を 達成す るため の手段で あ ると され,共 同市場 の設立そ の ものが共 同体 の 目的 なの ではな い,

(5)ロ ーマ条 約第2部 第1章 関税 同盟(1'Uniondouantere,第12条 か ら第29条 まで)と 第2章 加 盟 国 間 の 数 量 制 限 の 撤 廃(L'61iminationdesrestrictions

quantitatiuesentrelesEtats皿embres,第30条 より第37条 まで)に 分 かれ る.

(6)ロ ーマ条約 は,第12条 か ら第17条 まで を加盟国間 の関税 の撤廃 に関す る規定 と し,第1,8条 よ り第29条 まで を共通 関税 の設定 に関す る規定 としてい る.

(7)ロ ーマ条約第9条 第2項 参照.

(8)Pt・ 一マ条約第10条 第2項 参 照,

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とな る。 事実,第3国 との通 商 関 係 に 適 用 され る関 税 そ の他 の輸 入 条 件 の統 一 化 を 同時 に 行 な うこ とな く して ,域 内の 通 商 を 完 全 に 自由化 す る こ とつ ま

り貨 物 及 び 商 品 の 自由移 動 を達 成 す る こ とは 不 可 能 で あ る。 こ とば をか えれ ば,共 同市 場 内部 に お け る貨物 及 び商 品 の 自由移動 に対 す る障害 を完 全 に除 去 す るた め に は,対 外 通 商 関係 に おけ る加 盟 国 の輸 入 諸条 件 を統 一 化 す る こ

と,つ ま り共 通 々商 政 策 の実 施 が 不 可 欠 とな る。 従 って,ヨ ー ロ ッパ経 済 共 同体 に お け る共 通 々商 政 策 の 実施 は,共 同体 の大 前 提 で あ る共 同 市場 り 実 現

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とい う観 点 か らきわ め て重 要 な意 義 を もつ とい え る。

(ii)共 通 々商 政 策 の範 囲 で は,共 同体 の共 通 々商 政 策 は どの範 囲 まで 及 ぶか 。 ロ ー マ条 約第113条 第1項 で は,「 特 に 関 税 の 改 正,関 税 協 定 及 び 通 商協 定 の締 結,自 由化 措 置 の統 一,輸 出政 策 並 び に ダン ピソ グ及 び補 助金 の 場 合 に とるべ き 対 策 を 含 む 貿 易 上 の防御 措 置 に 関 して」 と規 定 し,さ

に,第116条 で は,「 共 同市 場 に とっ て と くに 利 害 関 係 を有 す るす べ ての 問 題 に つ い て,国 際経 済 機 関 の 枠 中 で常 に共 同行 動 を とる も の とす る」 と して い る。 こ こで 問 題 とな るの は,第113条 第1項 に掲 げ られ た 事 項 のみ が 共 同 の共 通 々商 政 策 の対 象 とな るのか,あ るい は第1・13条 第1項 に 掲 げ られ た事 項 は,と くに 重 要 な 事項 のみ を例 示 的 に 列 挙 した もの で あ り,こ こに 規 定 さ

れ て い な い 事項 に つ い て も共 通 々商政 策 の対 象 とな り うる のか 否 か とい う点

(10)(11)

で あ る。 第113条 第1項 の 日本 語 訳 で は,こ の 点 が不 明確iであ り,い ず れ の 解 釈 も可 能 で め る と 思 わ れ るが,フ ラソ ス語 及 び 英 語 の原 文 をみ る と,ま

(9)PierrePEScATORE,LaPoli七iquecommercialein"LesNounelles",Droit aescommunauteseurop6ennes,sousladirectiondew.J.GANsHoFvANDER

MEERscH,Bruxelles,1969.n。2288etn。2289,pp.919‑920.

⑩RobertKovAR,"Lamiseenplaced'unepolititiquecommereialecom‑

muneetlescomp6tencesdesEtatsmembresdelaCommunaut66conom‑

queeurop6enneenmati6rcderelationsinternationalesetdeconclusion destrait6s,"AnnuaireFrangaisdeDroitInternational,1971,pp.795‑798.

⑳ ロ ー マ 条 約 第113条 第1項 の 日 本 語 訳 は 次 の と お り で あ る.「 過 渡 期 間 の 終 了 後,共 通 の 通 用 政 策 は,特 に 関 税 の 改 正,関 税 協 定 及 び 通 商 協 定 の 締 結,自 由 化 措 置 の 統 一,輸 出 政 策 並 び に ダ ソ ピ ソ グ 及 び 補 助 金 の 場 合 に と る べ き 対 策 を 含 む 貿 易 上 の 防 御 措 置 に 関 し て 一 律 の 原 則 に 基 づ く も の と す る 」.金 田 近 二 編,『 国 際 経 済 条 約 集 』,(ダ イ ヤ モ ン ド社,昭 和40年),490頁.

(5)

̀

ヨー ロッパ経済 共同体 の共通 々商政策 と通 商協定締 結権 5

,μ

(12)

ず,フ ラ ソ ス 文 で は,"lapolitiquecommercialecommuneestfond6esur

desprincipesuniformes",つ ま り 「共 通 の 通 商 政 策 は 一 律 の 原 則 に も と つ

く 」 と ま ず あ り,そ'(13) の 後 で, ."notammentencequiconcerne",つ ま り

「と く に 以 下 の 事 項 に 関 し て 」 と あ る 。 又,英 文 に お い て も,"thecommon

commercialPolicyshallbebasedonuniformPrinciPles"と あ り,次 い

!

で,"particularlyinregardto"と あ る の で,フ ラ ン ス 文 及 び 英 文 の い ず れ に お い て も,ど ち ら か と い え ぼ,例 示 的 列 挙 と し て の ニ ュ ア ン.ス の 方 が よ

(14)

りよい と思 わ れ る。

共 通 々商 政 策 の範 囲 に つ い て共 同 体 委 員会 は見 解 を発 表 して お り,そ の第 1次 一 般 報 告 に お い て,共 通 々商 政 策 とは,・ 「共 同体 の対 外経 済 関係 に 関す

(15)

るす べ て の 事 項 」 を 包 括 す る と して い る。 さ らに,第2次 覚 書(Deuxi6me m6merandum)に お い て は,共 同 体 の 共 通 々商 政 策 に 含 ま れ る 事 項 を 次 の

・(16)

よ う に 整 理 し て い る 。

1)通 商 関 係(ler6gimedes6changes)

A.輸 入 面(a1'importation)・ 一

'

⑫Article113,paragraphlduTrait6deRome,"Apr合s1'expirationdela p6riodedetrallsition,lapo玉itiquecommercialecommuneestfond6esur

desprincipes'uniformesnotammen七encequiconcernelesmodifcation tarifaires,laconclusiond'accordstarifairesetcommerciaux,1'uniformisa‑

tiondesmesuresdelib6ration,lapolitiqued'exportation,ainsiqueles mesuresded6fensecom皿erciale,dontcellesaprendreencasdedump‑

ingetdesubvention・"

⑬Article113,§1σftheTreatyofRome,"Afterthetrallsitiona正periode hasended,thecommoncommercialpolicyshallbebasedonuniform

principles,par七icularlyinregardtochangesintariffrates,theconclusjon oftariffalldtradeagreements,theachievementofu且iformityinmeas‑

uresofliberationsexportpolicyandmeasurestoprotecttradesuchas thosetobetaken・‑incaseofdumpingorsubsides."

上 の 比 較 か ら も わ か る と お り,英 文 に お い て 一 層 こ の ニ ュ ア ソ ス が つ よ い.

a$t̀tous.lesaspectsdesrelations6conomiquesavec1'ext6rieurtt,Premier

"伽 ・燃 伽zdel・C・ 〃Z痂55伽delaC・ErE・relatifdla伽ce'daredapPliquer powrlamiseenoeuvred'unepolitiguecommercialecommune,.du21auril1961.,

⑯Deuxiemem6morandumdelaCommissiondelaC.E.E.relatifaun

programmed'actionenmati色redepolitiquecomrnerciale'commune,du 21mars1962.ParlementEurop6en,Doc,s6anee,1962‑1963,n。36.

(6)

a。 関 税 政 箪(politiquetarifaire)

b.輸 入 割 当 政 策(politiquecontingentaire) c.輸 入 防 御 措 置(mesuresded6fensecommerciale) B.輸 出 面(al'expo「tation)

a.輸 出 補 助(aidesa1'exportation) b,輸 出 制 限(restrictions)1'exportations)

c.輸 出 振 興(promotiondesventes)

2)国 際 経 済 機 関 と の 関 係(1esrelationsaveclesorganisationsinter‑

natiOnaleSaCaraCt6re6ConOmique)

委 員会 の この見 解 は,共 同体 の他 の 主要 機 関 で あ る理 事 会 と欧 州議 会 に よ

くの

って も受 け入 れ られ て い る。 いず れ に しろ,共 同体 の諸 機 関 に よ る共 通 々商 政 策 の解 釈 は きわ め て 包 括 的 で あ り,広 範 囲 の事 項 を カバ ー しよ うとす る 意 図 が み られ る。 共 同体 が 現 実 に 共 通 々商 政 策 を 実施 す るに あ た って と くに

・重 要 視 して い る事 項 は ,ロ ー マ条 約 第113条 第1項 の規 定 と も一 致 す る もの で あ り,輸 入 自由化 措 置 の問 題(関 税 問題 を含 む),ダ ン ピン グ及 び ア ン チ ・ ダ ン ピン グ法 の 問題,輸 入 割 制 度 の問 題,セ ー フガ ー ドの問 題,輸 出補 助 の

くゆ

問 題 及 び 第3国 との 通商 協 定 締 結 の問 題 等 で あ る。

共 通 々商 政 策 の 法 的 性 格'

(i)共 同 体 的 権 と 国 家 的 権 限 と こ ろ で,ロ ー マ 条 約 第113条 第1項

は,「 過 渡 期 間 終 了 後,共 通 商 政 一 律 原 則 も と つ く も の と す

る 」 と 規 定 し て い る が,こ の 規 定 に 関 し て,通 政 策 に 関 す る 共 同 体 の 権 限

,(c6mp6tencescommunautaires)と 加 盟 国 の 国 家 的 権 限(comp6tencesna一

⑰D6cisiondu25seprembre1962,∫o.ecrnalOfficieldesCommunautesEuro‑

p6ennes,1962,2353ets.Rapportsurlapolitiquecommercialecommune delaC.E.E.,ParlementEurop6eǹdu26mars1965,」.O.C.E.,921.

a$AntoineSEMINI,LaC.E.E.HarmonisationdesL6gcslations《doeuments actuels》,ChapitreXIII,"Mesuresserattachantalapolitiquecommer‑

cialecommune",pp.181‑・202.

(7)

ヨー ロッパ経済 共同体 の共 通 々商政策 と通 商協定締結権

(19)

tionales)と の 関 係 と い う 観 点 か ら,2つ の 解 釈 が 相 対 立 して い る 。 ま ず,

一 方 の 解 釈 に よれ ば,共 同 体 の 通 商 政 策 は 過 渡 期 間 の 終 了 後 は 完 全 に 統 一 化 され,共 同 体 の み が 通 商 政 策 に 関 す る 権 限 を 行 使 す る と され る。 つ ま り, こ の 場 合,厳 格 に は 加 盟 国 は 共 同 体 に 通 剛 こ関 す る 権 限 を 移 譲 す る こ と,言 葉 を か え る と,共 同 体 が 共 通 々商 政 策 に 関 して 排 他 的 権 限(lacomp6tence

exclusive)を も つ こ とを 意 味 す る。 又,他 方 の 解 釈 に よ る と,共 通 々 商 政 策 に 関 す る 「一 律 の 原 則 」(lesprincipesUniformes)は 共 同 体 が つ くる け れ ど

も,そ の 実 施 は 従 来 どお り各 加 盟 国 が 行 う と い う も の で あ る 。 つ ま り,こ は 共 通 々商 政 策 に 関 して 共 同 体 と 加 盟 国 とが 権 限 を 分 割(partager)す る こ

とを 意 味 す る。,こ の 後 者 の 立 場 を 最 も極 端 な 形 で 主 張 して い る の が イ タ リア の 学 者 バ トリ ア ル カ(G.PATRIARCA)で あ る。 彼 に よれ ば,共 同 体 の 加 盟 国 は,共 同 体 の 機 関 が 提 示 す る 「一 律 の 原 則 」 を 尊 重 す る 以 外 は,通 商 政

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策 の 分 野 で 完 全 に 自 由 で あ る とす る。 こ の 立 場 に 立 つ 他 の 学 者,た と え ば ナ ポ リ大 学 の ク ア ド リ(RQuADRI)や ロ ー マ 大 学 の.モ ナ コ(R.MoNAco)

等 の 見 解 は,こ れ よ り も や や 柔 軟 で あ り,権 限 の 垂 直 的 分 割(1epartage verticaldescomp6tences)を 認 め,共 同 体 が 通 商 政 策 の 原 則 を 設 定 し,加

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盟 国 は これ を 執 行(ex6cuter)す る と して い る。

しか し,大 部 分 の 学 者 は,こ れ らの 立 場 に 対 して は 否 定 的 で あ り,第1の

(22)

解 釈 の方 がむ しろ ヨ ー ロ ッパ に お け る通 説 とな っ て い る。 そ の代 表 的 な学 者

(23)

と し は,パ リ 大 学 の テ ゲ ソ(P.H.TEITGEN),リ ェ ー ジ ュ 大 学 の ペ ス カ ト ー ル(P ,PESCATORE)あ る い は ス ト ラ ス ブ ー ル 大 学 の コ バ ー・ル 等 が い る 。

こ れ ら の 学 者 が 先 の イ タ リ ア の 学 者 の 解 釈 に 反 対 す る 主 た る 理 由 は,も し,

⑲P.PEscAToRE,op.cit.,N。2309,pp.926‑927.R.KovAR,op.cit.,pp.804‑

804.

.OOG.PATRIARcA,"LapoliticacommercialenellaC.E.E,"RivistadiPolitica・

i961;memetexteenlangueanglais,"TheE.E.C.'sCommercialPolicy", GeneraZConfe4erationofItalienIndustries,Rome,1962,p.191.

¢DP.PESCATORE,op.cit.N。2306,pp.925‑926.R.QuADRI,R.MoNAco,

"TrattatoistutivodellaC,E .E.",Milan1965,noteslet3sousarticle113.

⑫R・KovAR,oP.cit・,P・805・

テ ゲ ン 教 授 の 見 解 は,1973年3月,ス ト ラ ス ブ ー ル 大 学 に お い て 開 か れ た 国 際

比 較 法 セ ミ ナ ー に お け る 講 演 で 筆 者 直 か に 聞 い た も の で あ る.

8

(8)

イタ リア の学者 の 主 張す る よ うに,共 同体 の権 限 が 通 商政 策 の一 律 の原 則 を 定 め る こ とだ け に 限定 され る とす るな らば,ロ ーマ条 約 の 第111条,第112 条 及 び 第116条 に お い て,過 渡 期 間 に おけ る共 通 々商 政 策 実 施 の た め の準 備 的 な諸 々の 措置 を規 定 した こ とは無 意 味 な ものに な る とい うもの で あ る。

で は,こ こで,共 通 々商 政 策 が 完 全 に 実 施 され る以 前 の過 渡 期 間 に おけ る 共通 々商 政 策 の取 り扱 い を ロ ーマ条 約 は どの よ うに規 定 して い るか をみ てみ

よ う。

(ii)過 渡期 間 に おけ る取 り扱 い ローマ条 約 第ll1条 第1項 の規 定 に よ り,共 同体 加 盟 国 は過渡 期 間 の 間 に対 外通 商 関 係 を義 務 づ け られ て い る。 こ の対 外 通 商 問 題 に 関 す る各 加盟 国 の政 策 の調 整 は,過 渡 期 間 の終 了後 に 共 同 体 の共 通 々商 政 策 を 完 全 に 実 施 す るた め の必 要 な条 件 を整 え るた め の もの で

(24)'

あ る。 しか し,過 渡期 間 の 間 は,通 商 政 策 に 関 す る権 限 は 原 則 と して 各 加 盟

 の

国 に 帰 属す る。 た だ,こ の 期 間 中各 加 盟 国 は 共 同 体 の共 通 々商 政 策 に 向 っ て 各 自の 個 別 的 な政 策 を調 整す る こ とを義 務 づ け られ て お り,加 盟 国 は そ の 限 りに お い て対 外 通 商 関係 に お け る行動 の 自由 を制 限 され て い る とい え る込 従 って,過 渡 期 間 中 に お い て も,加 盟 国 は対 外 通 商 の分 野 で 完 全 な 自由を享 受 して い るわ け で は な く,又,過 渡 期 間 の間 は,共 同体 の共 通 々商政 策 の実 施 を妨 げ る内容 の通 商 協 定 を締 結 す る こ とが で きな い とい う意 味 に お い て も制 約 的 で あ る。 よ り具 体的 に い えば,共 同体 の加 盟 国 は,過 渡期 間 の 間 に通 商 政 策 に関 して次 の よ うな義 務 を課 せ られ てい る。

1.加 盟 国 は,委 員会 と協 議 して,栗 通 関 税 の 発 効 が 遅 延 しな い よ う に,と くに 第3国 との 間 の現 行関 税 協 定 を 調整 す る ため に必 要 な す べ ての 措 置 を とる こ と(第111条 第4項)。

2.加 盟 国 は,第3国 又 は第3国 群 に対 す る各 国 の貿 易 自由化 の 表 を 加

ローマ条約第ll1条 第1項 は次 の よ うに規定 してい る.「 加 盟国は,過 渡期間 終 了 までに,外 国貿 易に関 す る共通 の政 策を実施す るため に必 要 な条件が 満 され

る ように第3国 との通 商関 係の調整を行 な う」.

これ はP一 マ条約第113条 第1項 に よって過渡期 間終了後共 通 々商政策 に関す る権限 が各加盟 国 よ り共同体 に移行す る と解釈 す る ことの帰結で あ る.

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ヨー ロッパ経済 共同体 の共 通 々商政策 と通商協定締結 権

盟 国 の 間 で,で き る だ け 高 い 水 準 で 統 一 す る こ と(第111条 第5項)。

3・ 加 盟 国が 第3国 向け の輸 出 に対 して与 え て い る援 助 の 制度 は,共 体 内 の企 業 間 の競 争 が 歪 曲 され る こ とを 避 け るた めに 必要 な 範 囲 内 で,漸 進 的 に 調 和 され る こ と(第112条 第1項)。

4.国 際 経 済 機関 の 枠 内 で は,共 同市 場 に とっ て と くに 利 害 関 係 を もつ す べ て の事 項 に つ ゼ て,加 盟 囲 は そ の行 動 を調 整 し,か つ で き るか ぎ

り統 一 あ る態 度 を とるた め に 相互 に協 議 す る こ と(第116条)。

以上 の よ うにみ る と,過 渡 期 中 に お い て も,共 通 々商 政 策 に 関 して 加 盟 国 に課 せ られ た義 務 は決 して軽 い もの で は な い。 さ らに,共 通 々商 政 策 の 準備 作 業 及 び そ の 内容 の決 定 は,莱 同体 の 機 関 に よ って行 なわ れ,ま ず 委 員 会 は 理 事 会 に対 して過 渡 期 間 中 に適 用 され るべ き手続 及 び共 通 々商 政 策 を 実 施す

(26)

るた め に と られ るべ き措 置 を提 案 す る。 この 委 員 会 の提 案 に も とつ い て,理 事 会 は 過 渡 期 間 の第2段 階 まで は全 会 一 致 に よって,又,そ れ 以 後 は特 定 多

(27)(28)

数 決 に ょっ て決定 を 下す 。 理 事 会 の決 定 は当 然 各 加 盟 国 を拘 束 す る。 この よ うに み て くる と,通 商政 策 に関 して各 加 盟 国は 自由に 行動 す る こ とが で き る とす る先 の イ タ リア の学者 の見 解 は 必 らず しも認 め 難 い。 も し,彼 らの主 張 す る よ うに,共 同体 の 権 限 が共 通 々商 政 策 の一 律 の原 則 を定 め る こ とだ け に

限定 され る とす る な らば,n一 マ条 約 が過 渡 期 間(laP6riodedetransition) と最 終 期 間(lap6rioded6finitive,つ ま り過 渡 期 間終 了後 の期 間)ど い う2 つ の期 間 を設 け た こ とが 全 く無 意 味 な もの とな る。 ロ ーマ条 約 を無 理 な く解 釈 す れ ば,過 渡 期 間 とい う準 備 期 間 を経 た 後 は,共 通 々商 政 策 に関 す る一 般 的 権 限 は加 盟 国 か ら 共 同 体 に 移 譲 され た と 解釈 す るの が よ り 適 当 と思 わ れ る。 先 に も述 べ た 如 く,こ の 立 場 は ヨー ロ ッパ に お け る 通 説 とな って い る

ロ ー マ 条 約 第111条 第1項 後 段 は 次 の よ う に 規 定 して い る.「 委 員 会 は,共 行 動 の 実 施 の た め に,過 渡 期 間 の 間 適 用 され る べ き 手 続 及 び 通 商 政 策 の 統 一 に 関 す る提 案 を 理 事 会 に 提 出 す る⊥

ロ ー マ 条 約 第111条 第2項 参 照.'

ロ ー マ 条 約 第145条 は 次 の よ うに 規 定 し て い る.「 理 事 会 は,こ の 条 約 に 定 め る 目的 の 実 現 を 確 保 す る た め,こ の 条 約 に 定 め る 条 件 に 従 い,・ … ・決 定 権 を 行 使 す る 」,

(10)

が,こ の 立場 に 立 って,リ ェー ジ ュ大 学教 授 で あ り,又,共 同体 司 法裁 判所 判 事 で もあ る ピ ェール ・ペ ス カ トール は 次 の よ うに述 べ てい る。'「ロー マ条 約 第113条 に は,よ り強 い解 釈 が与 え られ なけ れ ば な らな い 。 第113条 は,

この分 野 つ ま り 共通 々商 政 策 の分 野 に おけ る 加 盟 国 の個 別的 な 決定 の 自 由 は,過 渡 期 間 終 了後 は与 え られ な い とい う形 で,共 通 々商 政 策 に 関 す る権 限 が 共 同体 へ 移 行 す る こ とを 目的 と した もので あ る。 共 通 々商 政 策 に 関 して 加 盟 国 の個 別 的 な決 定 の 自由が 認 め られ る とす る見 解 は,共 同 体 の 共通 々商 政

(29)

策 そ の ものに対 す る挑 戦 で あ る」。 一 方,共 同体 の あ る高 級 職 員 に よれ ば, 過 渡 期 間 終 了 後 も,加 盟 国 は共 通 々商 政 策 に 関 す るあ る種 の 権 限,と くに第

(30)

3国 との 通商 協 定 に 関す る権 限 を場 合 に よって は 行 使 し うる と して い る。 事 実,現 実 の慣 行 を み る と加 盟 国 は共 通 々商 政 策 の 執 行 措 置 に しば しば 介 入 し て い る。 これ は共 通 々商 政 策 に つ いて のみ な らず ローマ条 約 に規 定 され た 共 同 体 の機 能全 体 に つ い てい え る こ とで あ り,と くに共 通 農 業 政 策 につ い て著 しい とい われ る。 しか し,加 盟 国 が 通 商政 策 に 関す る措 置 を実 施 す る場 合 に は,共 同 体理 事 会 の認 可 と コン トロール に従 うこ とに な っ て い る ので,慣 上 も共 同 体が 通 商 政 策 に 関す る権 限 を 行使 して る と解 す る見 解 は否 定 され え な い。 従 っ て,ロ ー マ条 約第113条 の 規定 に よっ て,加 盟 国 は通 商 政 策 に 関

 り

す る一 般 的 権 限 を共 同体 に移 譲 した と結 論 し うる。 た だ,慣 行上 は 共 同体 理 事 会 の認 可 と コン トロール とい う条 件 の下 に,各 加 盟 国が 共 同体 に 代 って通

(32)

商 政 策 に 関 す る権 限 を 行使 す る こ ともあ り うる。

(iii)共 同体 に よる共 通 々商 政 策 実 施 の事 例 先 に も述 べ た とお り,共 同 体 に よ る 共 通 々商政 策実 施 の プ ロセ ス は,臨共 同体 委 員会 に よっ て 政 策 内 容 が理 事 会 に 提 案 され,理 事会 は 委 員 会提 案 に も とつ い て 特 定 多 数 決 に よっ

¢9P・PEsCAToRE,"Lesrelationsext6rieuresdescommunaut6seurop6en‑

nes",Reeueil♂esCoursdθ1'ノ 望cad6miedeDroitTnternational,1961,II,p.89 ets.

㈹J・P・PulssocHET,"quesignifieladatedu31d6cembre1969pourla Communaut6EcollomiqueEurop6enne?",Revue伽MarchbCommun, Septembre1969,p.403ets.sp6c.,p.406.

㈱R・KovAR,oP・cit・,P・809・

こ れ は と く に 通 商 協 定 締 結 の 分 野 で 著 し い.

(11)

ヨー ロ ッパ経済共 同体 の共通 々商政 策 と通商協定 締結権 61

て 決 定 を 下 し,そ の決 定 が 各 加 盟 国 を 拘 束 す る とい うもの で あ る。 一 例 を あ げ れば この 手続 に 従 っ て,理 事 会 は,過 渡 期 間終 了 直 前 の1969年12月

(33)

19日,理 事 会 規 則 第109/70号 を 採 択 した 。 そ れ に よれ ば,理 事 会 は ロ ー マ 条 約 第113条 に も とづ き,過 渡 期 間 終 了 後 は,共 通 々商 政 策 は .一・律 の 原

くヨリ

則 に も と つ か な け れ ば な ら な い こ と に 留 意 し て 以 下 の 規 則 を 定 め る と し て い る 。 こ の 規 則 は,第1部 一 般 規 定(Principes96n6raux),第2部 通 報 及 び 協 議 の 共 同 体 手 続(Proc6durecommunautaired'informationetdecon。

sultation),第3部 監 視 手 続(Proc6duredsurveillanee),第4部 セ ー フ ガ ー ド措 置(Mesuresdesauvegarde)及 び 第5部 過 渡 的 及 び 最 終 規 定(Dis‑

positionstransitoiresetfinales)よ り 成 る 。 第2部 第3条 に よ れ ば,加 国 は,輸 入 の 増 加 に よ っ て セ ー フ ガ ー ド措 置 に 訴 え る 必 要 が 生 じ た と き,こ れ を 委 員 会 に 通 報 す る と し,委 員 会 は た だ ち に そ の 旨 を 他 の 加 盟 国 に 通 告 す る と し て い る 。 又,同 第4条 に よ れ ば,そ の た め に 協 議 が 必 要 な と き に は, 加 盟 国 の 要 請 に も と づ き あ る い は 委 員 会 自 ら の イ ニ シ ヤ テ イ ブ に よ り,協 議 会 を 開 く こ と が で き る と し て い る 。 こ の 協 議 会(leComit6consultative)

は,各 加 盟 国 の 代 表 に よ っ て 構 成 さ れ,委 員 会 の 代 表 が 議 長 と な る 。 そ し て,こ の 協 議 は,と く に,問 題 と な っ て い る 品 目 の 輸 入 条 件 や そ の 増 加 の 状 態 及 び そ れ に 対 し て と ら れ る べ き 措 置 に つ い て な さ れ る 。 さ ら に,第3部 6条 で は,共 同 体 の 利 害 か ら み て 必 要 と み な さ れ る と き は,委 員 会 は,加 国 の 要 請 に よ り あ る い は 自 ら の イ ニ シ ヤ テ イ ブ に よ り,当 該 品 目 の 輸 入 を 監 視 す る こ と 及 び 輸 入 増 加 の コ ン ト ロ ー ル を 目 的 と し て 輸 入 資 料 の 提 示 を 求 め る こ と に よ り て 当 該 品 目 の 輸 入 を コ ン ト ロ ー ル す る こ と を 決 定 す る こ と が で き と 規 定 し て い るL。第4部 第7条 は セ ー フ ガ ー ド措 置 に つ い て 規 定 し,あ

B3R壱glemen七(CEE)N。109/70dnCollseild1119d6ceml)re1969,portant 6tablissementd'unr6gimecommunapplicableauximportationsdepays acommerced'Etat.JournalOfficieldesCommunaut6seurop6ennes,13e anngen。.L19,26janvier1970.

こ こで の 表 現 は,ロ ー マ 条 約 第113条 第1項 の 表 現 よ り強 い も の で あ る.な お, 原 文 は 次 の と お り."Iapolitiquecommercialcommunedoit6trefond6e

surdesprincipesuniformes・"ibid,pr6ambule.

(12)

品 目の輸 入 量 が共 同体 内に み い て 著 し く増 加 し,そ れ が 類似 の あ るい は競 争 状 態 に あ る品 目を生 産 す る共 同体 内 の 生産 者 に対 して重 大 な 損害 を与 え た と

きに は,委 員会 は加 盟 国 の要 請 に も とづ きあ る い は 自 らの イ ニ シ ア テ ィ ブに

(35)

よ り,当 該 品 目の輸 入 条 件 を 修 正 す る こ とが で き る と して い る。 これ らの措 置 は,理 事 会 と各 加 盟 国 に遅 滞 な く通 告 され,た だ ち に適 用 され る。 本条 に も とつ い てな され る委 員会 の決 定 に 対 して 加盟 国 が異 議 を もつ とき は,そ れ を理 事 会 に付 託 す る こ とが で き る。 これ に 対 して 理 事 会 は 委 員 会 と異 な る 決定 を 下 す こ とが で き る と して い る。 こ の理 事 会規 則 第109/70号 は す べ て の 部分 が 義務 的 で あ り,す べ て の加 盟 国に お い て 直接 適用 され る。 以 上 は共 同 体 の共 通 々商 政 策 が実 施 され る プ ロセ スを示 す 一 例 で あ る。

共 通 々商政 策 と通 商協 定 締 結権

さ て,ロ ー マ 条 約 は,共 通 々商 政 策 の な か に,と くに 関 税 協 定 の 締 結 を 明

   

記 し,こ れ らの 協定 は共 同体 の た めに 理 事 会 が これ を 締 結す る と して い る。

又,先 に 引用 した 共 同体 のあ る高級 職 員 の言 明 に よれ ば,過 渡 期 間終 了後 も 場 合 に よって は,各 加盟 国 は第3国 との通 商協 定 に 関 す る権 限 を 行使 し うる と して い る ので,こ の 点 を 含 め て,共 同体 に お け る通 商 協定 締 結 の仕 組 に つ い て 検 討 してみ よ う。

共 同体 が第3国 と通 商 協 定 を 締 結 す るに さい して,発 議 権(ledrqitd'ini‑

tiative)を もつ の は 委 員会 で あ る。 委 員会 は,現(37) 在,個 人 的 資 格 に よっ て選 出 され,共 同体 の一 般 的 利 益 の た め に 完全 に 独 立 してそ の 任 務 を 遂 行 し うる

(38)

13名 の 委 員 よ り 構 成 され て い る。 委 員会 は,通 商 協 定 の 締 結 に 関 す る商 議

こ の 規 則 は,1970年5月25日 の 理 事 会 規 則 第1025/70号 お よ び 共 通 輸 入 制 度 に 関 す る1974年6月4日 付 理 事 会 規 則 第1439/74号 に お い て 改 正 が な され て い る.

ロ ー マ 条 約 第114条 参 照.

ロ ー マ 条 約 第113条 第2項 前 段 は 次 の よ う に 規 定 し て い る.「 第3国 と の 協 定 が 交 渉 を 必 要 と す る と き は,委 員 会 は 理 事 会 に 勧 告 を 行 な い,理 事 会 は 委 員 会 が 必 要 な 交 渉 を 開 始 す る こ と を 許 可 す る」.

ロ ー マ 条 約 第157条 第1項 は,「 委 員 会 は,一 般 的 能 力 に よ っ て 選 定 さ れ,か つ,独 立 の 充 分 な 保 証 の あ る9名 の 委 員 で 構 成 す る 」 と 規 定 して い る.委 員 の 数*

(13)

ヨー ロッパ経済共 同体 の共通 々商 政策 と通 商協定締結権 63

の 開始 に つ い て の理 事 会 に対 し勧 告 を行 ない,同 時 に,第3国 との通 商 交 渉

(39)

権 を 有す る。 一 方 ・理 事 会 は 委 員 会 の提 案に も とつ い て,当 該 通 商 協 定 締 結

(40)

の 可 否 を 決 定 す る 。 理 事 会 は 各 加 盟 国 の 利 害 を 直 接 に 代 表 す る9名 の 閣 僚 に よ っ て 構 成 さ 流,そ の 得 票 数 は 国 に よ っ て ウ エ イ トが つ け られ て お り,酉 イ ツ,フ ラ ン ス,イ ギ リス,イ タ リ ーが 各 々10票,ベ ル ギ ー 及 び オ ラ ン ダ が 各5票,デ ソ マ ー一ク及 び ア イ ル ラ ソ ドが 各3票,ル ク セ ン ブ ル グ が2票 な っ て い る。 そ の 表 決 方 式 は,過 渡 期 間 の 第2段 階 終 了 後 は,特 定 多 数 決 が 採 用 さ れ,現 在 は,委 員 会 の提 案 に つ い て 決 議 しな け れ ば な らな い 場 合 は, 58票 中 の41票 の 賛 成 が あ れ は 可 決 さ れ る。 い ず れ に して も,通 商 協 定 の締 結 に 関 す る共 同 体 の 権 限 は,共 同 体 の2つ の 主 要 機 関,つ ま り純 粋 に 共 同 体 的 機 関 で あ る委 員 会 と共 同 体 的 性 格 と加 盟 国 の 国 家 的 性 格 を 兼 ね そ な え て い る 理 事 会 とに 分 割 され て い る。 こ の 共 同 体 に お け る 通 商 協 定 締 結 の 仕 組 み を 今 少 し立 ち 入 っ て 検 討 して み る 。

(i)通 商 協 定 締 結 交 渉 通 常,通 商 協 定 の 締 結 に お い て は,あ らか じめ 協 定 内 容 の 接 渉 の た め の 交 渉 が 行 な わ れ る が,さ らに そ れ に 先 立 っ て 仮 接 渉(conversationsexploratoires)と い う も の が 行 な わ れ る。 こ れ は 通 商 協 定 締 結 の た め に 委 員 会 と 第3国 とが 最 初 に 接 触 す る こ とを 目的 とす る も の で あ る 。 仮 接 渉 を も とに した 委 員 会 の 提 案 に も とつ い て 理 事 会 は 予 備 接 渉 (conversationsPr61iminaires)の 開 始 を 決 定 す る。

*は ,理 事 会 の 全 員 一 致 の 投 票 に よ っ て 変 更 す る こ とが で き,1973年1月1日 新 らた に イ ギ リ ス,デ ン マ ー ク,ア イ ル ラ レ ドが 加 入 して 以 後 は 委 員 の 数 は13 名 で あ る 。 そ の 内 訳 は,西 ドイ ツ,フ ラ ソ ス,イ タ リー,イ ギ リス が 各2名,ベ ル ギ ー,デ ン マ ー ク,ア イ ル ラ ン ド,オ ラ ン ダ,ル ク セ ソ ブ ル グ が 各1名 で あ

る 。 ロ ー マ 条 約 第157条 第2項 は,さ ら に,次 の よ う に 規 定 し て い る 。 「委 員 会 の 委 員 は,共 同 体 の 一 般 的 利 益 の た め に,完 全 に 独 立 し て そ の 任 務 を 遂 行 す る.

委 員 は,そ の 任 務 の 遂 行 に あ た り,い か な る政 府 又 は 機 関 の 指 も求 め ず,ま た, 受 諾 し な い.委 員 は,そ の 任 務 の 性 格 と両 立 しな い す べ て の 行 為 を 行 な わ な い.

各 加 盟 国 は,こ の 性 格 を 尊 重 し,か つ,委 員 会 の 委 員 に 対 し,そ の 任 務 を 遂 行 す る に 当 っ て 影 響 を 及 ぼ さ な い こ と を 約 束 す る」.

理 事 会 に 対 外 的 な 代 表 権 は な い.対 外 的 に 共 同 体 を 代 表 す る の は,あ く ま で も 委 員 会 で あ る.

ロ ー マ 条 約 第113条 第4項 は,「 理 事 会 は,本 条 に よ り 与 え られ る 権 限 を 行 使 す る に 当 り,特 定 多 数 決 に よ っ て 決 定 を 行 な う」 と して い る.

(14)

A特 別 評 議 会 の 役 割 と こ ろ で,委 員 会 は 第3国 と の 交 渉 を 行 な う過 程 で,理 事 会 に よ り主 任 命 され た メ ンバ ーに よ っ て 構 成 され る 特 別 評 議 会 の 補 佐 を 受 け る こ とに な っ て い る 。 特 別 評 議 会(leComit6sP6cial)の 構 成 に つ い て は,ロ ー マ 条 約 に と くに 明確 な 規 定 が な い の で,理 事 会 は 第153条 の 規

くる  

定 に も とつ い て これ を 自由に決 定す る こ とが で き る。 この特 別 評 議 会 は 各 加 盟 国 の利 害 を 代 表 す る評 議 員 に よっ て構 成 され て い るので,各 々の加 盟 国 の 利 害 を反 映 させ る とい う 見 地 か ら,委 員 会 と通 商 協 定 に 関 す る 協 議 を 行 な う。 一 方,委 員 会 は特 別 評 議 会 の 各 メンバ ーに よっ て提 出 され た 見 解 を 共 同 体 全 体 の利 害 とい う見 地 か ら調 整 し第3国 との通 商 交 渉 に あ た る。特 別 評議 会 の役 割 は,拘 束 力 の な い 意見 を提 出 して委 員会 の任 務 を 容 易 にす る こ とで あ るが,そ の メンバ ーは理 事 会 に よっ て任 命 され,加 盟 国 の 利 害 を 直接 に代 表 して い る ので,交 渉 中 の通 商 協 定 が締 結 され るに あた って,理 事 会 内部 に お け る意 見 の不一 致 を避 け る た めに,委 員 会 は この特 別 評議 会 の意 見 を で き

くる  

・ る だ け 尊 重 し よ うと務 め る。

B委 員 会 の 役 割 い ず れ に しろ,共 同 体 の 通 商 交 渉 は 委 員 会 に よ っ て 行 な わ れ る。 委 員 会 は,理 事 会 に よ っ て 与 え られ た 命 令(directives)の 範 囲

(43)

内 で第3国 との 通 商交 渉 を 行 な うけ れ ど も,委 員会 の この交 渉 権 そ の もの は,理 事 会 の 権 限 が 委 員 会 に 移 託 され た もの で は な く,ロ ーマ条 約 に よっ て,直 接,委 員会 に付 与 さた 権 限 に も とつ くもの で あ る。 委 員会 は共 同体 の 名 の 下 に通 商 協 定 の交 渉 を行 な い,対 外 的 に共 同 体 を代 表 す る機 関 とな る。

(ii)通 商 交 渉 の終 結 通 商 交 渉 は 委 員 会 が協 定 案 に仮 調 印す る こ とに よ

ロ ー マ 条 約 第153条 と は 次 の よ う な 規 定 で あ る.「 理 事 会 は,委 員 会 の 意 見 を

し た 後,こ の 条 約 に 規 定 す る 諸 評 議 会 の 規 定 を 定 め る 」(LeConseilarr6te・

apr合savisdeIaCommission,lestatutdescomit6spr6vuesparlepr6sent trait6).

㈱C・()・KIM,LaCommunaut6EconomigueEuropiennedanslesRelations Commerci認es∫nternationales,Bruxelles,1971,pp.98‑99。

ロ ー マ 条 約 第113条 第3項 後 段 は 次 の よ う に 規 定 し て い る.「 委 員 会 は,・ … ・

理 事 会 が 与 え る こ と の あ る 命 令 の 範 囲 内 で 交 渉 を 行 な う 」(Cesn6gociations sontconduitesparlaCommission̲dansIecadredesdirectivesquele

Conseilpeutluiadresser).

(15)

ヨー ロ ッパ経済共 同体 の共通 々商政策 と通商協 定締結権 65

って 終結 す る。 この仮 調 印(paraphe)は 委 員 会 に よる 交 渉 の成 果 が 内 容 的 に確 定 をみ た こ とを示 め す もの で あ る。 こ こで仮 調 印 とい う手 続 が 用 い られ るの は,通 商 協 定 の 「交 渉 」 とい う行為 と 「締 結 」 とい う行 為 が,委 員 会 と 理 事 会 とい う2つ の機 関 に 分 か れ てい る こ との結 果 で,委 員会 に よる仮 調 印

とい う行 為 に よっ て,交 渉 が 終 結 した ことを示 めす もの とい え る。

(iii)通 商 協 定 の 締結 さて,ロ 一マ条 約 の第114条 は,通 商 協 定 の締 結 に関 して,「 協 定 は 共 同体 の ため に 理 事 会 が これ を 締 結 す る」 と規 定 して お り,こ れ だ け で は,最 終 的 に 協 定 に 調 印す るの が,理 事 会 で あ るの か あ る い は委 員会 で あ る のか は必 らず しも明確 で は な い。 現 実 の慣 行 をみ る と,通 商 協 定 に最 終 的 に調 印す る全 権 委 員 を 理 事 会 の議 長 が指 名す る こ とを 認 め る決 定 を理 事 会 が 行 な い,一一般 に は,委 員 会 か らの代 表1名 と理 事 会 か らの 代 表 1名 とが任 命 され,こ れ らの 代 表 が 協定 に 最終 的 な調 印 を行 な うのが 普 通 で

(44)

あ る。

以 上 が共 同体 に よる通 商 協 定 締 結 の仕 組 み で あ る。 過 渡 期 間 終 了後 は、,原 則 と して,共 同体 のみ が通 商協 定 を締 結 す る権 限 を もっ て お り,従 って,各 加 盟 国 に よっ てそ れ まで に 締 結 され て い た通 商 協 定 は,共 同体 に よる統 一 的

な通 商 協 定 に よっ て とって 代 わ られ な けれ ば な らな い。 そ こで,共 同 体 に よ る統 一 的 な通 商 協 定 が 締結 され る まで の暫 定 的 な措 置 と して,す で に 各 加盟 国に よっ て締 結 され てい る通 商 協定 の一 定 期 間 の存 続 と加 盟 国 が短 期 的 な 通 商 協 定 を締 結 す る こ とを認 可す る とい う指 置 が必 要 とな っ て くる。 この 点 に

るの

関 して,理 事 会 は,1969年12月16日 に き わ め て 重 要 な 決 定 を 下 して い る 。 こ の 決 定 の 第1の 目的 は,通 商 協 定 の 分 野 に お い て,過 渡 期 間 と過 渡 期 間 終 了 後 の 期 間 との 間 の 法 的 連 結 を 保 つ こ と で あ る。 こ の 決 定 は,一 方 に お い て,加 盟 国 に よ る 新 らた な 通 商 協 定 の 締 結 を 目的 と した 第3国 との 交 渉 と す で に 締 結 さ れ て い る 通 商 協 定 の 修 正 を 目的 と した 交 渉 は,過 渡 期 間 の 終 了 後 は,共 同 体 に よ っ て 定 め られ た 手 続 に 従 わ な け れ ば な らな い こ とを 要 請 して

㈲C・0・KIM,op・citりP.103.

㈲r絶 ・i・i・nn・69/494C.E.E.,.0.C,E.n・L326/39du29decemb・e1969.

(16)

い るが,他 方 に お い て,す で に締 結 され てい る協 定 が,共 同 体 の共 通 々商 政 策 の実 施 の 妨 げ とな らな い とい う条 件 の下 に,過 渡 期 間 終 了 後 も延 長 し うる ことを 認 め てい る。 この場 合,加 盟 国に よる新 らた な 通 商協 定 締 結 を 目的 と す る交渉 に対 す る理 事 会 の認 可 は プ加 盟 国 が 共 同 体 に よって定 め られ た 手 続 に 従 うこ とを条 件 に与 え られ る。 この通 商 交 渉 が 妥 結 す る と,加 盟 国 はそ の

・結 果 を共 同体 委 員会 に通 告 し

,委 員会 よ り他 の加盟 国 に通 知 され る。 そ の後 5日 間 の期 間 を経 て も,そ の交 渉 結 果 に 対 してい ず れ か らも異議 が提 出 され な い と きは,委 員 会 は た だ ち に 理事 会 と そ の他 の 加盟 国 に そ の 旨を通 告 す る。 そ して,理 事 会 に よ る明示 的 な認 可 が 与 え られ た 後 に 当 該 加盟 国 と第3 国 との 通 商 協定 が締 結 され る。 そ の期 限 は,大 体,1年 な い し2年 が普 通 で あ り,そ の 後延 長 が必 要 な場 合 に は,同 様 に,理 事 会 に よ る認 可 が 必要 とさ れ る。 か く して,過 渡 期 間 終 了後 も,加 盟 国 は 第3国 との通 商 協 定 を締 結 す る こ とが で き るが,こ の場 合 の加 盟 国 の通 商 協 定 締 結 権 は,従 来 の 国 家 の 主 権 行 為 に 由来 す る条 約 の締 結 権 とは異 な り,ロ ー マ条 約 に よっ て共 同体 に移 譲 され た通 商協 定 の締 結 権 を,理 事 会 の認 可 の下 に,加 盟 国 が個 別 的 に行 使 す る とい う,い わば 権 限 の移 託 で あ る とい え る。従 って,先 に 引用 した共 同 体 の あ る高 級職 員 の言 明 も以 上 の如 く解 釈 す べ き と考 え られ る。

結 語

以上 に み て きた とお り,過 渡 期 間 終 了 後 は,ロ ーマ条 約 第113条 の 規定 に よ り,通 商 政 策 に関 す る権 限 は,各 加 盟 国か ら共 同体 の機 関 に移 譲 され,共 通 々商政 策 の実 施 に よ り各 加 盟 国 は共 同体 に よって設 定 され る原 則 に も とつ い て 行動 す る こ とが 義 務 づ け られ,そ の限 りに お い て対 外 通 商 関 係 に お け る 加 盟 国 の主 権 は制 限 され て い る とい い うる。 た だ,現 実 の慣 行上 は,共 同体 理 事 会 の認 可 と コン トロール とい う条 件 の 下 に,加 盟 国 は通 商 政 策 に関 して あ る程 度 自由 な行 動 を とる こ とが 可 能 で あ る とい え る。 又,通 商 協 定 の締 結 に つ い て い えば,こ れ も ローマ条 約 上 は,過 渡 期 間 終 了 後 は,加 盟 国 に代 っ て共 同体 が これ を 行 使 す る こ とが 原 則 とされ て い るけれ ど も,短 期 間 の間

(17)

ヨー ロッパ経 済共 同体 の共通 々商政策 と通商 協定締 結権 67

に,従 来 の個 別 的 な通 商 航海 条 約 や 貿 易協 定 を共 同体 の統 一・的 な通 商 協 定 に 切 り換 え る こ とが 困難 で あ るた め に,1969年12月16日 の理 事会 決 定 に も と つ い て,や は り理 事 会 に よる認 可 と コン トロ ール を条 件 と して,さ らに,共

同体 に よっ て設 定 され た 原 則 に 反 しな い範 囲 内で,加 盟 国 に あ る程 度 個 別 的 な通 商 協 定 を締 結 す る 自由 を認 め て い る のが 現 状 とい え る。 従 っ て,共 同体 に よる共 通 々商 政 策 の実 施 は,現 段 階 に おい て は,い まだ 完全 で あ る とは い

いが た い。

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