• 検索結果がありません。

The new england journal of medicine The writing committee consisted of the following: John H. Beigel, M.D., National Institute of Allergy and Infectio

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "The new england journal of medicine The writing committee consisted of the following: John H. Beigel, M.D., National Institute of Allergy and Infectio"

Copied!
12
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

The writing committee consisted of the following: John H. Beigel, M.D., National Institute of Allergy and Infectious Diseas-es, National Institutes of Health, Bethesda, Md.; Jeremy Farrar, D.Phil., Hospital for Tropical Diseases, Ho Chi Minh City, Viet-nam; Aye Maung Han, M.B., B.S., Depart-ment of Child Health, Institute of Medi-cine, Yangon, Myanmar; Frederick G. Hayden, M.D. (rapporteur), University of Virginia, Charlottesville; Randy Hyer, M.D., World Health Organization, Geneva; Men-no D. de Jong, M.D., Ph.D., Hospital for Tropical Diseases, Ho Chi Minh City, Viet-nam; Sorasak Lochindarat, M.D., Queen Sirikit National Institute of Child Health, Bangkok, Thailand; Nguyen Thi Kim Tien, M.D., Ph.D., Pasteur Institute, Ho Chi Minh City, Vietnam; Nguyen Tran Hien, M.D., Ph.D., National Institute of Hygiene and Epidemiology, Hanoi; Tran Tinh Hien, M.D., Ph.D., Hospital for Tropical Diseas-es, Ho Chi Minh City, Vietnam; Angus Nicoll, M.Sc., Health Protection Agency, London; Sok Touch, M.D., Ministry of Health, Phnom Penh, Cambodia; and Kwok-Yung Yuen, M.D., University of Hong Kong, Hong Kong SAR, China. Ad-dress reprint requests to Dr. Hayden at the Department of Internal Medicine, P.O. Box 800473, University of Virginia Health Sciences Center, Charlottesville, VA 22908, or at fgh@virginia.edu.

N Engl J Med 2005;353:1374-85. Copyright © 2005 Massachusetts Medical Society.

Avian Influenza A (H5N1) Infection in Humans

The Writing Committee of the World Health Organization (WHO) Consultation on Human Influenza A/H5

強い病原性をもつ,新型の動物間流行性 A(H5N1)型トリインフルエンザウイルス

(avian influenza virus)が,アジアで種を超えてヒトに感染し,多数の死亡者が出て

いるため,世界的に大流行する脅威が増大している.本論文ではヒトにおける

A(H5N1)型インフルエンザ感染症の特徴を述べ,2005 年 5 月 10 日∼12 日にハノ

イで開かれた「A/H5 型ヒトインフルエンザの症例管理および研究に関する世界保

健機関(WHO)会議(WHO Meeting on Case Management and Research on Human

Influenza A/H5)」で,一部として発表された予防と治療に関する勧告

1

を概説する.

多くの重大な疑問が未解決の状態であるため,これらの勧告は今後も修正される可

能性がある.

東南アジアにおける A(H5N1)型ヒトインフルエンザの発生(表 1)は,A(H5N1)型

トリインフルエンザの大規模な発生と並行して起っているが,2004 年と 2005 年の

鳥類での流行が,ヒトに感染して発症した例はごく少数であった.感染例がもっと

も多く発生しているのはベトナムで,とくに現在も続いている第 3 波(2004 年 12

月∼)での症例数が多く,インドネシアではヒトで初の死亡例が報告された(2005

年 7 月)

.ヒトでの感染頻度はまだ明らかにされていないが,抗体保有率の調査が

早急に必要である.最近は,A(H5N1)型トリインフルエンザの感染例がカザフス

タン,モンゴル,ロシアでも報告されており,こうした地理的分布の拡大は,より

多くの人口集団がリスクにさらされていることを示している

2,3

ヒトインフルエンザは,感染性の飛沫や飛沫核の吸入,直接接触,そしておそらく

は(媒介物を介しての)間接接触によって,上気道や結膜粘膜にウイルスが自己接

種される

4,5

.各感染経路間で相対的な感染効率がどの程度異なるのかは明らかに

されていない.現時点での A(H5N1)型ヒトインフルエンザ感染に関するエビデン

スは一貫して,トリからヒトへの感染,環境からヒトへの感染の可能性,そして数

が少なく長期的には確立していないものの,ヒトからヒトへの感染があることを示

している.

動物からヒトへの感染

1997 年,ヒトにおいて,発症 1 週間前に生きた家禽へ接触したことが原因と考え

られるトリインフルエンザの感染例が報告されたが,家禽肉製品の摂取や下処理,

A(H5N1)型インフルエンザ感染者との接触による感染リスクの有意な上昇は認め

られなかった

6

.病気の家禽に接触した者や鶏肉解体作業者では,A(H5N1)型イン

フルエンザ抗体陽性が確認されている

7

(表 2)

.最近のデータをみると,A(H5N1)

ヒトにおける

A

H5N1

)型トリインフルエンザ感染

感染例の発生

伝播様式

c u r r e n t c o n c e p t s

(2)

型インフルエンザ感染例のほとんどが病気の家

禽と直接接触しているが(表 3)

,いずれも家禽の

大量処理に関わった者ではなかった.感染の原

因は,病気の家禽を処理したこと;闘鶏を扱っ

たこと;家禽,とくに無症状の感染したアヒル

と遊んだこと;アヒルの血を飲んだり,加熱調

理が不十分だったと考えられる家禽の肉を食べ

たりしたことなどが考えられている.タイの動

物 園 で は , 感 染 し た 鶏 の 生 肉 を 与 え た ト ラ や

ヒョウなど,ネコ科の動物への感染例も報告さ

れている

17,18

.実験条件下では,ペットのネコ

にも感染することが確認されている

19

.また,そ

うした実験条件下ではネコのあいだでの感染も

確認されている.一部の感染は,ウイルスが咽頭

や消化管から体内に侵入して起ることが考えら

れる.

(3)

ヒトからヒトへの感染

A(H5N1)型インフルエンザのヒト-ヒト感染が,

いくつかの家族内感染例

16

と,1 例の明らかな母

児感染例で示唆されている

20

(表 3)

.原因は予防

措置なしでの濃厚接触とされており,これまで

のところウイルス粒子を含んだエアロゾルを介

したヒト-ヒト感染例は確認されていない.1997

年の感染例の調査報告によると,社会的接触で

はヒト-ヒト感染は発生しないようであり

8

,感染

者に接触した医療従事者の血清学的検査でも,

感染効率はそれほど高くないことが示されてい

9

(表 2)

.ベトナムとタイの感染例における血

清学的調査では,接触者に無症候性の感染が存

在するという証拠は見つかっていない(表 2)

.最

近,逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)測定

法を用いて,感染患者に接触した者に対する監

視を強化した結果,軽症の感染例,感染が高齢

者でより多いこと,そして北ベトナムでは家族

内での発生数がふえ,流行期間が長くなってい

ることが確認された

21

.このことから,これらの

地域ではウイルス株がヒトに適応してきた可能

性が示唆される.一方で,これらの結果は疫学

(4)

的・ウイルス学的研究で確認する必要もある.

これまでのデータをみる限り,適切な隔離処置

がとられていなくても,医療従事者の院内感染

リスクは低い

10,11

(表 2).しかし,ベトナムで

は,感染者に接触した看護師 1 人で重症感染例

が報告されている.

環境からヒトへの感染

A(H5N1)型インフルエンザウイルスの環境中で

の生存期間を考慮に入れると,理論的にはほか

にも何種類かの感染様式が可能である.水泳中

にウイルス汚染水を飲んだり,汚染水に接して

いるさいに鼻腔や結膜の粘膜からウイルスが直

接侵入したりする例や,感染媒介物で手が汚染

し,その後自己接種するといった例が考えられ

る.家禽の糞を肥料としてそのまま使う地域も多

いため,そうした行為もまた危険因子となりうる.

ヒトにおける A(H5N1)型インフルエンザ感染の

臨床像は,入院患者の症例記載を基にしている.

比較的軽症の症例,臨床症状のない感染例,非

典型的な症例(脳症や胃腸炎など)の頻度は明確

にされていないが,症例報告

12,21,22

によると,

いずれも発生している.ほとんどの患者は,感

染前までは健常であった低年齢の小児や成人で

ある(表 3)

潜伏期間

A(H5N1)型トリインフルエンザの潜伏期間は,

ほかのヒトインフルエンザに比べ長いようであ

臨 床 像

(5)

る.1997 年の症例では,大部分が感染源との接

触から 2∼4 日以内に発症している

13

.また,最

近の報告

15,16

でも同様な潜伏期間が示されてい

るが,最長で 8 日という例もあった(表 3)

.家族

内感染の場合,最初の症例から次の症例が発生

するまでの間隔は一般に 2∼5 日で,もっとも長

い例では 8∼17 日と報告されているが,これは

おそらく,感染した動物や環境中の感染源に気

づ か な い で 曝 露 し て い た こ と が 原 因 と 考 え ら

れる.

初期症状

患者の多くが,高熱(通常 38℃以上)と下気道症

状を伴うインフルエンザ様疾患の症状を初期症

状として呈する

1

(表 3)

.上気道症状を呈する症

例はまれである.A(H7)型トリインフルエンザ

ウイルス患者

23

と異なり,A(H5N1)型トリイン

フルエンザウイルス患者には結膜炎がほとんど

認められない.一部の患者では,感染早期に下

痢,嘔吐,腹痛,胸膜痛,鼻血や歯肉からの出

血が報告されている

14 - 16,24

.非出血性の水様性

下痢や炎症性の変化については,ヒトウイルス

によるインフルエンザに比べて頻度が高い傾向

にあり

25

,呼吸器症状の発現より 1 週間も前にこ

れらの症状が出現する例もある

12

.受診時に脳症

と下痢を呈しながら,呼吸器症状の認められな

い 2 例の患者について記述している報告も 1 件

ある

22

臨床経過

下気道症状は疾患の早期に発現し,ほとんどの

場合受診時に認められている(表 3)

.1 件の症例

研究によると,発症から中央値で 5 日(範囲 1∼

16 日)目に呼吸困難が生じている

15

.呼吸窮迫,

頻呼吸,呼吸時の異常音がよく認められる.痰

の産生にはばらつきがあり,ときに血性である.

ほぼすべての患者に臨床的に明らかな肺炎があ

り,X 線像上でびまん性,多発性,斑状の浸潤や

間質性浸潤,エアブロンコグラムを伴う肺区域

や肺葉の硬化が認められる.X 線所見の異常は,

発熱から中央値で 7 日(範囲 3∼17 日)目に現れ

たと報告している研究が 1 件ある

15

.ベトナム・

ホーチミン市の症例で入院時にもっとも多かっ

た異常所見としては,肺の 2 葉以上で認められ

る多発性肺硬化巣があげられる.胸水を伴う症

例はまれである.わずかな微生物学的研究デー

タからは,この経過は原発性ウイルス性肺炎に

一致しており,入院時に細菌による重感染はほ

とんど認められないことが示されている.

呼吸不全に進行した症例では,びまん性のス

リガラス様陰影が両肺に認められ,急性窮迫性

呼吸症候群(ARDS)の臨床症状を呈している.タ

イの症例

15

では,発症から ARDS に進行するま

での期間は中央値で 6 日(範囲 4∼13 日)と報告

されている.腎機能障害を伴う多臓器不全を起

す頻度が高く,ときに心拡張や上室性頻脈性不

整脈など心臓の異常を伴うこともある

14 - 16,24

その他の合併症として,人工呼吸器関連肺炎,

肺出血,気胸,汎血球減少症,Reye 症候群,菌

血症の所見のない敗血症候群が報告されている.

死亡率

入院した患者の死亡率は高いが(表 3)

,患者全体

ではそれよりはるかに低いと考えられる

21

.1997

年の症例群では,死亡例が 13 歳より上の患者に

集中していたが,最近報告された A(H5N1)型ト

リインフルエンザ感染例では,乳幼児や低年齢

児の死亡率が高い.タイでは,15 歳未満の患児

の死亡率は 89%と報告されている.死亡は発症か

ら平均 9∼10 日(範囲 6∼30 日)目に発生し

15,16

その大多数が進行性の呼吸不全で死亡している.

臨床検査所見

臨床検査の異常所見としては,とくにリンパ球

減少の頻度が高く,軽度∼中等度の血小板減少,

アミノトランスフェラーゼ値のわずかな上昇が

報告されている(表 3).また,著明な高血糖(コ

ルチコステロイドの使用に関連するものと考え

られる),クレアチニン値上昇も認められる

16

タイの症例

15

では,入院時の白血球,血小板,

そしてとくにリンパ球の数値が低い症例で,死

亡リスクが高いことが示されている.

ウイルス学的診断

生存時に下された A(H5N1)型インフルエンザの

診断は,ウイルスの分離ないし H5 特異的 RNA

の検出,あるいはその両方で確定されている.A

型ヒトインフルエンザ感染

26

と異なり,A

(H5N1)

型トリインフルエンザ感染では鼻腔由来の検体

よりも咽頭由来の検体のほうがウイルスの検出

される頻度が高く,ウイルス RNA 量も高いこと

が報告されている.ベトナムでは,発症から咽

頭拭い液でウイルス RNA が検出されるまでの期

間は 2∼15 日(中央値 5.5 日)であった.そして,

A(H5N1)型インフルエンザ感染者の発症から 4

∼8 日後の咽頭拭い液中で測定されたウイルス量

は,A(H3N2)型,A(H1N1)型のインフルエンザ

感染者に比べて 10 倍以上高かった.それ以前に

報告された香港での症例でも,鼻咽頭検体中の

ウイルス量はヒトインフルエンザのほうが少な

(6)

いというデータが示されている

27

.市販されてい

る抗原迅速検査キットは,RT-PCR 法に比べて A

(H5N1)型インフルエンザ感染の検出感度が低

15

.タイでは,培養検査で陽性と判定された A

(H5N1)型インフルエンザ患者 11 例のうち,発

症から 4∼18 日目に抗原迅速検査で陽性を示し

たのは 4 例(36%)であった.

治療

A(H5N1)型トリインフルエンザで入院した患者

は,大多数が入院後 48 時間以内に補助呼吸を要

15,16

,多臓器不全や,ときに血圧低下を起し

て集中治療を受けている.ほとんどの場合,広

域スペクトル抗菌薬を用いた経験的治療に加え

て,抗ウイルス薬を単独ないしコルチコステロ

イドと併用で投与する治療が行われているが(表

3),それらの効果について厳密な評価はなされ

ていない.発症後しばらくしてからこれらの治

療介入を開始しても全死亡率に明らかな低下は

認められないが,抗ウイルス薬療法の早期開始

は有効と考えられる

1,15,16

.生存例ではオセル

タミビル(商品名タミフル)の投与開始から 2∼3

日以内に,培養可能なウイルスがたいてい消失

するが,死亡例では,オセルタミビル療法を早

期に開始しても症状が進行し,咽頭のウイルス

量が十分低下しなかったことが報告されている.

ウイルスの特性

1997 年の患者から分離された A(H5N1)型トリイ

ンフルエンザウイルスの研究から,いくつかの

ことが解明された.病原性因子としては,非常

に開裂しやすく複数の細胞内酵素で活性化され

るヘマグルチニン(赤血球凝集素)

,ウイルス増殖

能を高めるポリメラーゼ塩基蛋白 2(polymerase

basic protein 2)の一塩基置換(Glu627Lys)

28,29

そして,in vitro でインターフェロンおよび腫瘍

壊死因子 a(TNF- a)の阻害に対し抵抗性を増強

させ,ブタではウイルスの増殖を持続させる非

構造蛋白 1(nonstructural protein 1)の一塩基置換

(Asp92Glu)

30

がある.この変異はさらに,ウイ

ルスに曝露したヒトマクロファージにおいてサ

イトカイン,とくに TNF- a の産生を亢進させ

31

.1997 年以降に実施された A(H5N1)型イン

フルエンザに関する研究

32 - 34

は,これらのウイル

スが進化を続けていることを示している.具体的に

は,抗原性

35,36

および内在遺伝子配置(internal

gene constellation)の変化;鳥類での宿主範囲の

拡大

37,38

およびネコ科動物への感染能

17,18

;実

験的に感染させたマウスとフェレットにおける

病原性の増強(全身性感染を引き起す)

39,40

;環

境中での安定性の増大があげられる.

系統発生解析からは,Z 遺伝子型が優勢となっ

てきたこと

33

,そしてウイルスが進化の過程で大

きく 2 つの群に分かれてきたことが示されてい

る.第 1 の群は,カンボジア,ラオス,マレー

シア,タイ,ベトナムから分離された群で,第 2

の群は,中国,インドネシア,日本,韓国から

分離された群である

21

.最近,これらとは異なる

分離株群が北ベトナムとタイで分離された.そ

の分離株では受容体結合部位付近に多様な変化

がみられ,ヘマグルチニンの多塩基開裂部位の

アルギニンが 1 つ少なくなっている.しかし,

これらの遺伝的・生物学的変化が,ヒトの疫学

やビルレンス(病原力)においてどれほど重要で

あるかは不明である.

ウイルスの増殖様式

A(H5N1)型ヒトインフルエンザ感染例のウイル

ス学的経過についてはまだ十分解明されておら

ず,入院患者を対象にした研究ではウイルスの

増殖期間が長いことが示されている.1997 年の

症例では中央値で 6.5 日間(範囲 1∼16 日)にわ

たって鼻咽頭からウイルスが検出されており,

タイの症例では,発症から培養検査で最初に陽

性となるまでに,3∼16 日と幅がある.鼻咽頭で

の増殖はヒトインフルエンザよりも少なく

27

,下

気道での増殖について研究する必要がある.便

検体の検査ではほとんど(9 例中 7 例)がウイルス

RNA 陽性であったのに対し,尿検体ではすべて

陰性であった.感染者では下痢が高頻度に認め

られ,便検体からは RNA が検出され,さらに 1

例では感染性ウイルスが検出されたことから

22

このウイルスが消化管で増殖することが示唆さ

れる.1 件の剖検でも,この見解を裏付ける所見

が示されている

41

高病原性 A(H5N1)型トリインフルエンザウイ

ルスでは,ヘマグルチニンの開裂部位に多塩基

アミノ酸配列がみられるが,鳥類ではこれが内

臓浸潤に関与している.哺乳類では浸潤性の感染

例が報告され

28,29,39,40

,ヒトでは,血清検体 6

例中 6 例が,発症から 4∼9 日後にウイルス RNA

陽性を示した.1 例の患者の血液,脳脊髄液,便か

ら,感染性ウイルスと RNA が検出されている

22

ウイルスが,なんらかの条件下で便や血液を介

して感染するのかどうかは不明である.

宿主免疫反応

ヒトでは感染した家禽との接触機会が拡大して

病   因

(7)

いるにもかかわらず,A(H5N1)型インフルエン

ザの発症頻度が比較的低いのは,このトリウイ

ルスの感染に対する種の壁がかなり高いことを

示唆している.家族内での感染の発生は,よく

ある感染源との接触によるものと考えられるが,

宿主の疾患感受性に影響する可能性のある遺伝

的要因についても研究する必要がある.

疾患の病因には,A(H5N1)型インフルエンザ

に対する自然免疫応答が関与していると考えら

れる.1997 年の感染発生時には,個々の患者で

インターロイキン-6,TNF- a,インターフェロ

ン- g,水溶性インターロイキン-2 受容体の血中濃

度の上昇が観察されており

42

,2003 年の患者で

は,発症から 3∼8 日目にケモカインインター

フェロン誘導性蛋白 10(chemokines

interferon-inducible protein 10), 単 球 化 学 遊 走 蛋 白 1

(monocyte chemoattractant protein 1;MCP-1)

そしてインターフェロン- g で誘導されるモノカ

インの血中濃度が上昇したことが報告されてい

27

.最近のデータによると,炎症性メディエー

タ(インターロイキン-6,インターロイキン-8,

インターロイキン-1 b,MCP-1)の血漿中濃度は,

生存例に比べて死亡例のほうが高く(Simmons C

からの私信),A 型トリインフルエンザ死亡例の

血漿中インターフェロン- a の平均濃度は,健常

者よりも約 3 倍高かった.このような免疫応答

は,多くの患者にみられる敗血症候群,ARDS,

多臓器不全に一部関与している可能性がある.

生存例では,発症後 10∼14 日目に,マイクロ

中和試験で A(H5N1)型インフルエンザウイルス

に対する特異的な液性免疫応答が検出される.

これらの反応は,コルチコステロイド療法によっ

て遅延ないし減弱させることができるかもしれ

ない.

病理学的所見

症例数は限られているが,剖検でびまん性肺胞

損 傷 に よ る 組 織 病 理 学 的 変 化 を 伴 う 重 度 肺 損

27,41,42

が報告されている.これは,ヒトイン

フルエンザウイルスによる肺炎に関する他の報

告の所見

43

と一致する.組織病理学的変化とし

ては,線維性浸出液と赤血球を伴う肺胞腔の充

満,肺硝子膜の形成,うっ血,間質層内へのリ

ンパ球浸潤,そして反応性線維芽細胞の増殖が

認められている.II 型肺胞上皮細胞への感染も確

認されている

41,42

.生前の生検で採取された骨

髄検体では,血球貪食を伴う活動性組織球が数

例で確認されており,剖検時には,脾臓とリン

パ組織でリンパ球の減少と非定型リンパ球の産

生が認められている

13,15,27,42

.小葉中心性肝硬

変 と 急 性 腎 尿 細 管 壊 死 も , 数 例 で 認 め ら れ て

いる.

動物で A(H5N1)型インフルエンザ感染がみられ

る国や地域では,重症急性呼吸器疾患患者全例,

とくに家禽接触歴のある患者について A(H5N1)

型インフルエンザの可能性を考慮すべきである

(表 4)

.しかしながら,ヒトでの感染例が発生し

てようやく,家禽での集団発生が確認された事

例もいくつかある.初期の臨床症状が非特異的

であり,また他の原因による急性呼吸器疾患の

発症率がもともと高いことから,症例を早期の

段階で見分けるのは容易ではない.そのため,

ヒトあるいは動物で A(H5N1)型インフルエンザ

の活動が確認されている地域では,原因不明の

重症疾患(脳症や下痢など)で患者が受診した場

合,A(H5N1)型インフルエンザの可能性を念頭

におくべきである.

検査用検体の種類やウイルス検査法が異なっ

た場合に,診断精度がどの程度異なるのかはま

だ明確にされていない.ヒトインフルエンザ感

染と比較して,咽頭から採取した検体のほうが,

鼻腔から採取した検体よりも検査の診断精度が

高いと考えられる.抗原迅速検査は A 型インフ

ルエンザ感染の診断に役立つことはあるが,A

(H5N1)型インフルエンザ感染に対しては陰性適

中率が低く,特異度が十分ではない.呼吸器系

検体におけるウイルス RNA の検出は,症例の早

期発見にもっとも感度の高い方法と考えられる

が,その感度は使用するプライマーと測定法に

よって大きく異なる.A(H5N1)型インフルエン

ザを臨床検査で確定するには,以下の4つの基

準;ウイルス培養検査陽性,PCR 法による A

(H5N1)型インフルエンザウイルス RNA の検出,

H5 に対するモノクローナル抗体を用いた免疫蛍

光検査陽性,一対の血清検体で H5 特異抗体の力

価が 4 倍以上上昇

44

のうち,1 つ以上満たしてい

る必要がある.

入院

A(H5N1)型インフルエンザが疑われる患者およ

び診断が確定した患者は,罹患者数が少なく可

能な場合には隔離入院させ,臨床的なモニタリ

ングや適切な診断検査,抗ウイルス療法を行う

べきである.患者が早期に退院する場合には,

患者本人および家族に個人衛生と感染予防対策

についての教育を行わなくてはならない(表 5).

患者管理の基本は,酸素補給および補助呼吸に

症例の同定と治療

(8)

よる支持療法である

1

.ネブライザーと高流量式

酸素マスクは,重症急性呼吸器症候群(SARS)の

院内感染との関連が指摘されているため,空気

感染に対する十分な予防措置をとったうえでの

使用に限定すべきである.

抗ウイルス薬

A(H5N1)型インフルエンザが疑われる患者には,

臨床検査の診断結果が出るまでは,ノイラミニ

ダーゼ阻害薬をすぐに投与すべきである.ノイ

ラミニダーゼ阻害薬の至適用量および至適投与

期間ははっきりしていないが,現在承認されて

いるレジメンはおそらく必要最低限のものと考

えられる.これらのウイルスは,in vitro でオセ

ルタミビルとザナミビル(商品名リレンザ)に感

受性を示す

46,47

.オセルタミビルの経口投与

46

とザナミビルの局所投与は,A(H5N1)型インフ

ルエンザ感染動物モデルで有効である

48,49

.マ

ウスを用いた最近の研究では,オセルタミビル

の投与により,2004 年に分離された A(H5N1)型

インフルエンザウイルス株で 1997 年の分離株と

同程度の抗ウイルス作用と生存率を得るには,

より高用量で長い期間(8 日)の投与が必要である

ことが示されている

50

.ザナミビル吸入薬の有効

性は,ヒトの A(H5N1)型インフルエンザ症例で

はまだ検討されていない.

治療を早期に実施すればもっとも高い臨床効

果が得られるであろうが

15

,治療はウイルスの増

殖が進行している可能性のあるときに行うほう

が妥当である.オセルタミビルの経口投与

51,52

とザナミビル吸入

53

を,現在承認されている用

量とその 2 倍の用量とで比較したプラセボ対照

試験によると,2 用量とも忍容性に関してはほぼ

同等であったが,合併症のない成人のヒトイン

フルエンザ感染患者では,臨床効果と抗ウイル

ス作用に一貫した差は認められなかった.早期

かつ軽症の A(H5N1)型インフルエンザの治療に

対しては,承認されているオセルタミビルの用

量(成人は 75 mg,1 日 2 回,5 日間;1 歳未満児

は体重で調整した用量とし,体重 15 kg 以下の場

合は 30 mg,15 kg 超∼23 kg の場合は 45 mg,

23 kg 超∼40 kg の場合は 60 mg,40 kg 超の場合

は 75 mg をそれぞれ 1 日 2 回,5 日間)で十分で

あるが,重症例の治療には高用量(成人で 150

mg,1 日 2 回)ならびに 7∼10 日間の投与を検討

すべきである.しかし,前向き試験での裏付け

が必要とされる.

オセルタミビルに対する高度の抗ウイルス薬

耐性は,N1 ノイラミニダーゼのアミノ酸 1 個の

置換(His274Tyr)によって生じる.このような変

異株は,オセルタミビルを服用した A(H1N1)型

ヒトインフルエンザ感染小児の最大 16%で検出さ

れている

54

.最近,この耐性変異株が,オセルタ

ミビルで治療を受けた A(H5N1)型インフルエン

(9)

ザ感染者数人からも検出されたことは

21

,驚くべ

きことではない.細胞培養系や実験動物では,

オセルタミビル耐性 H1N1 変異株は感受性のあ

る親株に比べ感染性は弱いが

55

,フェレットでは

感染する

56

.このような変異株では,ザナミビル

に対する感受性は in vitro において十分に維持さ

れており,また,試験中のノイラミニダーゼ阻

害薬ペラミビル(peramivir)に対しても,感受性

は部分的に維持されている

57,58

1997 年の集団発生時の分離株と比較して,最

近分離された A(H5N1)型インフルエンザウイル

ス株は,M2 阻害薬のアマンタジンとリマンタジ

ンに高度耐性を示している.したがってこれら

の薬剤には,もはや治療で果たす役割はない.

(10)

治療に向けた臨床研究で関心が寄せられている薬

剤には,ザナミビル,ペラミビル,長時間作用型

ノイラミニダーゼ阻害外用薬,リバビリン

59,60

そしておそらく,インターフェロン- a 61 がある.

免疫調整薬

A(H5N1)型インフルエンザ患者の治療ではコル

チコステロイドが頻用されているが,その効果

は不明である.1997 年にコルチコステロイドを

投与された患者 5 例では,ARDS の線維増殖期に

治療を受けた 2 例が助かっている.ベトナムで

実施された無作為試験では,デキサメタゾンを

投与された患者 4 例は全員死亡している.イン

ターフェロン- a は抗ウイルス活性と免疫調節作

用の 2 つの作用を有するが,ルーチンな使用を

推奨する前に,免疫調整薬による介入について

適切な対照群を設定した臨床試験での評価が必

要である.

ワクチン接種

ヒト用の A(H5)型インフルエンザワクチンは,

現時点では市販されていない.従来の H5 ワクチ

ンは免疫原性が弱く,中和抗体反応を惹起する

にはヘマグルチニン抗原を高濃度に含んだワク

チンを 2 回接種するか

62

,MF59 アジュバントの

添加

63

が必要であった.アジュバントを併用し

た 1997 年 H5 ワクチンの 3 回の接種では,ばら

つきはあるものの 2004 年の分離株に交差反応す

る抗体が誘導された

64

.逆遺伝学の解析手法を利

用して,最近分離された A(H5)型インフルエン

ザウイルス株からワクチン用の非病原性ウイル

スが短期間で作製されており

65,66

,現在数種類

の候補ワクチンが試験中である.その 1 つであ

る 2004 年ヒト H5N1 型分離株を用いた不活化ワ

クチンは,高いヘマグルチニン抗原量において

免疫原性を有することが報告されている

67

.アル

ミニウム塩のような,すでに承認されているア

ジュバントを用いる研究を早急に実施する必要

がある.感冒向けの経鼻投与型弱毒生ワクチン

も開発中である.これらのワクチンは,低年齢

児において単回接種でヒトインフルエンザに予

防効果を示す

68

院内感染対策

インフルエンザウイルスは,院内感染しやすい病

原体としてよく知られている

4,5

.最新の勧告は,

感染が拡大していない状況下での医療従事者お

よび他の染患者への感染を抑制する取り組み,

ならびに SARS の封じ込めに採用された介入法を

基にまとめられたものである

1

(表 5)

.外科用マ

スクは,多層構造の製品

69

であっても,N-95 マ

スクに比べれば防御効果はかなり低い.しかし,

N-95 マスクを利用できない場合に使用すること

は可能である.防護措置をとらずに感染源に曝

露した可能性のある人には,化学予防としてオ

セルタミビル(75 mg,1 日 1 回,7∼10 日間)の

投与が推奨される

70,71

.曝露前の化学予防につ

いても,A(H5N1)型インフルエンザウイルス株

が高い頻度でヒトからヒトへ感染するという証

拠が示された場合や,曝露リスクの可能性が高

い場合(エアロゾルを発生させる処置など)に検

討すべきである.

家族内の濃厚接触

A(H5N1)型インフルエンザの確定症例に接触し

た家族には,上述したような曝露後化学予防を

行うべきである.ウイルス感染が確認されてい

る患者,あるいは疑われる患者と接触した者に

対しては,体温と症状を観察する必要がある(表

5).現在のところ,二次感染のリスクは低いよ

うであるが,感染者と最後に接触した日から 1

週間は自主的な隔離が望ましい.ヒト-ヒト感染

が起りうることを示す証拠が提示された場合に

は,接触者に対する検疫を強化しなくてはなら

ない.感染者に接触した人や,A(H5N1)型イン

フルエンザの伝播に関与している可能性のある

環境中の感染源(家禽など)に感染防護手段をと

らずに曝露した人に対しては,上述したような

曝露後化学予防が必要と考えられる.

インフルエンザウイルスに感染した鳥類が,ア

ジアでヒトに発生している A(H5N1)型インフル

エンザの主な感染源である.現時点ではヒトか

らヒトへの感染はきわめて少ないものの,ヒト

を宿主とするように適応したウイルス株がふえ

ていないか,継続的に監視する必要がある.ヒ

トでの A(H5N1)型トリインフルエンザウイルス

による感染は,多くの点でヒトウイルスのイン

フルエンザと異なる.たとえば,感染経路,疾

患重症度,病因,そしておそらく治療反応性に

も違いがみられる.疾患の初期症状がこの疾患

に特異的なものではなく,症例の発見が容易で

はないため,詳細な接触歴や旅行歴,家禽にお

けるウイルスの活動性に関する情報が不可欠で

ある.市販の抗原迅速検査キットは感度が低い

ため,診断の確定には分析機器の整った検査施

予   防

結   論

(11)

r e f e r e n c e s

1. World Health Organization. WHO inter-im guidelines on clinical management of hu-mans infected by influenza A(H5N1). Febru-ary 20, 2004. (Accessed September 2, 2005, at http://www.who.int/csr/disease/avian_ influenza/guidelines/Guidelines_Clinical% 20Management_H5N1_rev.pdf.)

2. Liu J, Xiao H, Lei F, et al. Highly patho-genic H5N1 influenza virus infection in mi-gratory birds. Science 2005;309:1206.

3. Chen H, Smith JD, Zhang SY, et al. Avian flu: H5N1 virus outbreak in migratory wa-terfowl. Nature 2005;436:191-2.

4. Salgado CD, Farr BM, Hall KK, Hayden FG. Influenza in the acute hospital setting. Lancet Infect Dis 2002;2:145-55. [Erratum, Lancet Infect Dis 2002;2:383.]

5. Bridges CB, Kuehnert MJ, Hall CB. Transmission of influenza: implications for control in health care settings. Clin Infect Dis 2003;37:1094-101.

6. Mounts AW, Kwong H, Izurieta HS, et al. Case-control study of risk factors for avi-an influenza A (H5N1) disease, Hong Kong, 1997. J Infect Dis 1999;180:505-8.

7. Bridges CB, Lim W, Hu-Primmer J, et al. Risk of influenza A (H5N1) infection among poultry workers, Hong Kong, 1997-1998. J Infect Dis 2002;185:1005-10.

8. Katz JM, Lim W, Bridges CB, et al. Anti-body response in individuals infected with avian influenza A (H5N1) viruses and detec-tion of anti-H5 antibody among household and social contacts. J Infect Dis 1999;180: 1763-70.

9. Buxton Bridges C, Katz JM, Seto WH, et al. Risk of influenza A (H5N1) infection among health care workers exposed to pa-tients with influenza A (H5N1), Hong Kong. J Infect Dis 2000;181:344-8.

10.Liem NT, World Health Organization International Avian Influenza Investigation Team, Vietnam, Lim W. Lack of H5N1 avian influenza transmission to hospital employ-ees, Hanoi, 2004. Emerg Infect Dis 2005;11: 210-5.

11.Schultsz C, Dong VC, Chau NVV, et al. Avian influenza H5N1 and healthcare work-ers. Emerg Infect Dis 2005;11:1158-9. (Also available at http://www.cdc.gov/ncidod/EID/ vol11no07/05-0070.htm.)

12.Apisarnthanarak A, Kitphati R, Thong-phubeth K, et al. Atypical avian influenza (H5N1). Emerg Infect Dis 2004;10:1321-4.

13.Yuen KY, Chan PK, Peiris M, et al. Clini-cal features and rapid viral diagnosis of hu-man disease associated with avian influenza A H5N1 virus. Lancet 1998;351:467-71.

14.Chan PK. Outbreak of avian influenza A(H5N1) virus infection in Hong Kong in 1997. Clin Infect Dis 2002;34:Suppl 2:S58-S64.

15.Chotpitayasunondh T, Ungchusak K, Hanshaoworakul W, et al. Human disease from influenza A (H5N1), Thailand, 2004. Emerg Infect Dis 2005;11:201-9.

16.Hien TT, Liem NT, Dung NT, et al. Avian influenza A (H5N1) in 10 patients in Viet-nam. N Engl J Med 2004;350:1179-88.

17.Keawcharoen J, Oraveerakul K, Kuiken T, et al. Avian influenza H5N1 in tigers and leopards. Emerg Infect Dis 2004;10:2189-91.

18.Thanawongnuwech R, Amonsin A, Tan-tilertcharoen R, et al. Probable tiger-to-tiger transmission of avian influenza H5N1. Emerg Infect Dis 2005;11:699-701.

19.Kuiken T, Rimmelzwaan G, van Riel D, et al. Avian H5N1 influenza in cats. Science 2004;306:241.

20.Ungchusak K, Auewarakul P, Dowell SF, et al. Probable person-to-person transmis-sion of avian influenza A (H5N1). N Engl J Med 2005;352:333-40.

21.World Health Organization. WHO in-ter-country-consultation: influenza A/H5N1 in humans in Asia: Manila, Philippines, 6-7 May 2005. (Accessed September 2, 2005, at http://www.who.int/csr/resources/ publications/influenza/WHO_CDS_CSR_ GIP_2005_7/en/.)

22.de Jong MD, Cam BV, Qui PT, et al. Fa-tal Avian influenza A (H5N1) in a child pre-senting with diarrhea followed by coma. N Engl J Med 2005;352:686-91.

23.Fouchier RAM, Schneeberger PM, Ro-zendaal FW, et al. Avian influenza A virus (H7N7) associated with human conjunctivi-tis and a fatal case of acute respiratory dis-tress syndrome. Proc Natl Acad Sci U S A 2004;101:1356-61.

24.Tam JS. Influenza A (H5N1) in Hong

Kong: an overview. Vaccine 2002;20:Suppl 2:S77-S81.

25.Nicholson KG. Human influenza. In: Nicholson KG, Webster RG, Hay AJ, eds. Textbook of influenza. Oxford, England: Blackwell Science, 1998:219-64.

26.Kaiser L, Briones MS, Hayden FG. Per-formance of virus isolation and Directigen Flu A to detect influenza A virus in experi-mental human infection. J Clin Virol 1999; 14:191-7.

27.Peiris JS, Yu WC, Leung CW, et al. Re-emergence of fatal human influenza A sub-type H5N1 disease. Lancet 2004;363:617-9.

28.Hatta M, Gao P, Halfmann P, Kawaoka Y. Molecular basis for high virulence of Hong Kong H5N1 influenza A viruses. Sci-ence 2001;293:1840-2.

29.Shinya K, Hamm S, Hatta M, Ito H, Ito T, Kawaoka Y. PB2 amino acid at position 627 affects replicative efficiency, but not cell tropism, of Hong Kong H5N1 influenza A viruses in mice. Virology 2004;320:258-66.

30.Seo SH, Hoffman E, Webster RG. Lethal H5N1 influenza viruses escape host anti-viral cytokine responses. Nat Med 2002;8:950-4.

31.Cheung CY, Poon LL, Lau AS, et al. Induc-tion of proinflammatory cytokines in hu-man macrophages by influenza A (H5N1) vi-ruses: a mechanism for the unusual severity of human disease? Lancet 2002;360:1831-7.

32.Guan Y, Peiris JSM, Lipatov AS, et al. Emergence of multiple genotypes of H5N1 avian influenza viruses in Hong Kong SAR. Proc Natl Acad Sci U S A 2002;99:8950-5.

33.Li KS, Guan Y, Wang J, et al. Genesis of a highly pathogenic and potentially pandem-ic H5N1 influenza virus in eastern Asia. Na-ture 2004;430:209-13.

34.Avian influenza A (H5N1). Weekly Epide-miol Rec 2004;79(7):65-70. (Also available at http://www.who.int/wer/2004/en/wer7907. pdf.)

35.Sims LD, Ellis TM, Liu KK, et al. Avian influenza in Hong Kong 1997-2002. Avian Dis 2003;47:Suppl:832-8.

36.Horimoto T, Fukuda N, Iwatsuki-Hori-moto K, et al. Antigenic differences be-tween H5N1 human influenza viruses iso-lated in 1997 and 2003. J Vet Med Sci 2004; 66:303-5.

設の協力が必要である.A(H5N1)型トリインフ

ルエンザはヒトインフルエンザと異なり,ウイ

ルス量が鼻腔より咽頭で高い可能性が示されて

いるため,咽頭拭い液や下気道から採取した検

体の分析が,診断方法としてより感度が高いと

考えられる.最近ヒトから分離されたウイルス

株は,M2 阻害薬に完全に耐性化しているため,

重症症例の治療には経口オセルタミビルの高用

量投与が適当と考えられる.A(H5N1)型インフ

ルエンザに関する研究は最近かなりすすんできた

ものの,ヒトでの疫学,自然史,治療についての

知識は依然不十分である.A(H5N1)型インフル

エンザ感染者の発生国の研究機関と世界各国は,

より緊密な連携をとりながら,臨床研究ならび

に疫学研究を実施していくことが急務である.

本稿で示した見解は,必ずしも WHO の見解や会議を支援した他の組織 の見解を反映したものではない. 本稿の執筆に当り,WHO 会議で協力していただいた米国立アレル ギー・感染症研究所(NIAID)と Wellcome Trust;Dr. Klaus Stohr,Dr. Alice Croisier(WHO ジュネーブ本部,世界インフルエンザ計画);WHO 専門家委員会の組織および原稿作成に協力していただいた Dr. Peter Horby,Dr. Monica Guardo,ならびに WHO ベトナム事務局の職員;原 稿作成に助力していただいた Diane Ramm に謝意を表する.

(12)

37.Sturm-Ramirez KM, Ellis T, Bousfield B, et al. Reemerging H5N1 influenza viruses in Hong Kong in 2002 are highly pathogenic to ducks. J Virol 2004;78:4892-901.

38.Perkins LE, Swayne DE. Pathogenicity of a Hong Kong-origin H5N1 highly patho-genic avian influenza virus for emus, geese, ducks, and pigeons. Avian Dis 2002;46:53-63.

39.Zitzow LA, Rowe T, Morken T, Shieh WJ, Zaki S, Katz JM. Pathogenesis of avian influ-enza A (H5N1) viruses in ferrets. J Virol 2002; 76:4420-9.

40.Govorkova EA, Rehg JE, Krauss S, et al. Lethality to ferrets of H5N1 influenza virus-es isolated from humans and poultry in 2004. J Virol 2005;79:2191-8.

41.Uiprasertkul M, Puthavathana P, Sang-siriwut K, et al. Influenza A H5N1 replica-tion sites in humans. Emerg Infect Dis 2005; 11:1036-41.

42.To KF, Chan PK, Chan KF, et al. Patholo-gy of fatal human infection associated with avian influenza A H5N1 virus. J Med Virol 2001;63:242-6.

43.Guarner J, Shieh W-J, Dawson J, et al. Immunohistochemical and in situ hybridi-zation studies of influenza A virus infection in human lungs. Am J Clin Pathol 2000;114: 227-33.

44.World Health Organization. Recom-mended laboratory tests to identify influen-za A/H5 virus in specimens from patients with an influenza-like illness. 2005. (Access-ed September 2, 2005, at http://www.who.int/ csr/disease/avian_influenza/guidelines/ avian_ labtests1.pdf.)

45.Centers for Disease Control and Pre-vention. Update: notice to travelers about avian influenza A (H5N1). July 29, 2005. (Ac-cessed September 2, 2005, at http://www. cdc.gov/travel/other/avian_flu_ah5n1_ 031605.htm.)

46.Leneva IA, Roberts N, Govorkova EA, Goloubeva OG, Webster RG. The neuramini-dase inhibitor GS4104 (oseltamivir phos-phate) is efficacious against A/Hong Kong/ 156/97 (H5N1) and A/Hong Kong/1074/99 (H9N2) influenza viruses. Antiviral Res 2000; 48:101-15.

47.Govorkova EA, Leneva IA, Goloubeva OG, Bush K, Webster RG. Comparison of efficacies of RWJ-270201, zanamivir, and oseltamivir against H5N1, H9N2, and other avian influenza viruses. Antimicrob Agents Chemother 2001;45:2723-32.

48.Gubareva LV, McCullers JA, Bethell RC, Webster RG. Characterization of influenza A/HongKong/156/97 (H5N1) virus in a

mouse model and protective effect of za-namivir on H5N1 infection in mice. J Infect Dis 1998;178:1592-6.

49.Leneva IA, Goloubeva O, Fenton RJ, Tis-dale M, Webster RG. Efficacy of zanamivir against avian influenza A viruses that pos-sess genes encoding H5N1 internal proteins and are pathogenic in mammals. Antimicrob Agents Chemother 2001;45:1216-24.

50.Yen HL, Monto AS, Webster RG, Govor-kova EA. Virulence may determine the nec-essary duration and dosage of oseltamivir treatment for highly pathogenic A/Vietnam/ 1203/04 influenza virus in mice. J Infect Dis 2005;192:665-72.

51.Treanor JJ, Hayden FG, Vrooman PS, et al. Efficacy and safety of the oral neuramini-dase inhibitor oseltamivir in treating acute influenza: a randomized controlled trial. JAMA 2000;283:1016-24.

52.Cooper NJ, Sutton AJ, Abrams KR, Wailoo A, Turner D, Nicholson KG. Effective-ness of neuraminidase inhibitors in treatment and prevention of influenza A and B: system-atic review and meta-analyses of random-ised controlled trials. BMJ 2003;326:1235.

53.Monto AS, Fleming DM, Henry D, et al. Efficacy and safety of the neuraminidase in-hibitor zanamivir in the treatment of influ-enza A and B virus infections. J Infect Dis 1999;180:254-61.

54.Ward P, Small I, Smith J, Suter P, Dut-kowski R. Oseltamivir (Tamiflu) and its po-tential for use in the event of an influenza pandemic. J Antimicrob Chemother 2005;55: Suppl 1:i5-i21.

55.Ives JAL, Carr JA, Mendel DB, et al. The H274Y mutation in the influenza A/H1N1 neuraminidase active site following oseltam-ivir phosphate treatment leaves virus severe-ly compromised both in vitro and in vivo. Antiviral Res 2002;55:307-17.

56.Herlocher ML, Truscon R, Elias S, et al. Influenza viruses resistant to the antiviral drug oseltamivir: transmission studies in ferrets. J Infect Dis 2004;190:1627-30.

57.Wetherall NT, Trivedi T, Zeller J, et al. Evaluation of neuraminidase enzyme assays using different substrates to measure sus-ceptibility of influenza virus clinical isolates to neuraminidase inhibitors: report of the neuraminidase inhibitor susceptibility net-work. J Clin Microbiol 2003;41:742-50.

58.Gubareva LV, Webster RG, Hayden FG. Comparison of the activities of zanamivir, oseltamivir, and RWJ-270201 against clini-cal isolates of influenza virus and neuramini-dase inhibitor-resistant variants. Antimicrob Agents Chemother 2001;45:3403-8.

59.Madren LK, Shipman C Jr, Hayden FG. In vitro inhibitory effects of combinations of anti-influenza agents. Antivir Chem Chemother 1995;6:109-13.

60.Knight V, Gilbert BE. Ribavirin aerosol treatment of influenza. Infect Dis Clin North Am 1987;1:441-57.

61.Baron S, Isaacs A. Absence of interfer-on in lungs from fatal cases of influenza. Br Med J 1962;5270:18-20.

62.Treanor JJ, Wilkinson BE, Masseoud F, et al. Safety and immunogenicity of a recom-binant hemagglutinin vaccine for H5 influ-enza in humans. Vaccine 2001;19:1732-7.

63.Nicholson KG, Colegate AE, Podda A, et al. Safety and antigenicity of non-adjuvanted and MF59-adjuvanted influenza A/Duck/ Singapore/97 (H5N3) vaccine: a randomised trial of two potential vaccines against H5N1 influenza. Lancet 2001;357:1937-43.

64.Stephenson I, Bugarini R, Nicholson KG, et al. Cross-reactivity to highly pathogenic avian influenza H5N1 viruses after vaccina-tion with nonadjuvanted and MF59-adjuvant-ed influenza A/Duck/Singapore/97 (H5N3) vaccine: a potential priming strategy. J In-fect Dis 2005;191:1210-5.

65.Webby RJ, Webster RG. Are we ready for pandemic influenza? Science 2003;302: 1519-22.

66.Webby RJ, Perez DR, Coleman JS, et al. Responsiveness to a pandemic alert: use of reverse genetics for rapid development of influenza vaccines. Lancet 2004;363:1099-103.

67.Altman LC. Avian flu drug works in first tests. New York Times. August 7, 2005.

68.Belshe RB, Mendelman PM, Treanor J, et al. The efficacy of live attenuated, cold-adapted, trivalent, intranasal influenzavirus vaccine in children. N Engl J Med 1998;338: 1405-12.

69.Derrick JL, Gomersall CD. Protecting healthcare staff from severe acute respirato-ry syndrome: filtration capacity of multiple surgical masks. J Hosp Infect 2005;59:365-8.

70.Hayden FG, Belshe R, Villanueva C, et al. Management of influenza in households: a prospective, randomized comparison of oseltamivir treatment with or without post-exposure prophylaxis. J Infect Dis 2004;189: 440-9.

71.Welliver R, Monto AS, Carewicz O, et al. Effectiveness of oseltamivir in preventing influenza in household contacts: a random-ized controlled trial. JAMA 2001;285:748-54.

参照

関連したドキュメント

Keywords: continuous time random walk, Brownian motion, collision time, skew Young tableaux, tandem queue.. AMS 2000 Subject Classification: Primary:

Inside this class, we identify a new subclass of Liouvillian integrable systems, under suitable conditions such Liouvillian integrable systems can have at most one limit cycle, and

Applying the representation theory of the supergroupGL(m | n) and the supergroup analogue of Schur-Weyl Duality it becomes straightforward to calculate the combinatorial effect

Safety and immunogenicity of a high-dose quadrivalent influenza vaccine administered concomitantly with a third dose of the mRNA-1273 SARS-CoV-2 vaccine in adults aged ≥65 years:

While conducting an experiment regarding fetal move- ments as a result of Pulsed Wave Doppler (PWD) ultrasound, [8] we encountered the severe artifacts in the acquired image2.

The theory of log-links and log-shells, both of which are closely related to the lo- cal units of number fields under consideration (Section 5, Section 12), together with the

We relate group-theoretic constructions (´ etale-like objects) and Frobenioid-theoretic constructions (Frobenius-like objects) by transforming them into mono-theta environments (and

The theory of log-links and log-shells, which arise from the local units of number fields under consideration (Section 5), together with the Kummer theory that relates