団の下部から地表にかけては下降流の場となっていて, 地上では風が弱く局地高気圧となっていた。また,岡本 (1989) も,1984年 4月19日に仙台付近を中心とした東 北地方で地上気温の降下が生じた要因について,温暖前 線面下に流入する乾燥空気中を降水,降雪が通過する際 に蒸発・融解し,それに伴い潜熱が奪われて大気が冷却 されたためとしている。気温降下が生じた地域では下降 流の場となっていて,地上では無風域となっていた。さ らに,南岸低気圧通過に伴い関東地方に大雪がもたらさ れた1998年 1月8日の事例解析の結果 (高山ほか,1998) でも,降雪の間,関東地方内陸部を中心として無風域が 形成されていたことが指摘されている。 このように降雪時には無風域が形成され,冷気の生 成・沈降に伴う下降流の場形成が要因とされるほか,下 降流の場形成に伴い地上で気圧が上昇することが報告さ れている (岡本,1989)。また,降雪時における気圧の上 昇は冷気沈降に伴う下降流の存在を意味し,冷気沈降に 伴う気温降下は地上での降雪,積雪に大きく関わってい Ⅰ.はじめに 関東地方には一冬に数回降雪がもたらされ,そのうち 1∼3 回程度が積雪を伴うとされている (山本,1984)。 雪に不慣れな首都圏ではこのわずかな頻度でもたらされ る積雪により,公共交通機関が麻痺したりケガ人が続出 したりと,人々の生活に支障をきたすことがある。 関東地方の降雪の多くは南岸低気圧の通過により生ず るといわれ,これまでも多くの調査や解析が行われてき た。倉島・青木 (1976) は,南岸低気圧が八丈島と鳥島 の間を通過するときに関東地方で雪になりやすく,八丈 島以北では南岸では雨に,鳥島以南では降水がもたらさ れないことを指摘した。富山 (2001) は,南岸低気圧に よる関東地方の降雪時に気温の急降下が生じることに注 目し,この気温急降下が生じた要因について,関東地方 内陸下層に滞留していた局地的な乾燥寒気塊中を降水粒 子が通過したことにより蒸発熱が奪われ,それに伴い大 気が急冷却されて気団変質したためとしている。変質気
鈴木 忍
*・
山川 修治
*・
尾花 麻美
*・
田畑 弾
*Two typical case studies were made as to the snowfalls on 29 February 2012 and 14 February 2011 in the southern part of the Kanto district. Meso scale meteorological featuras for these two days are as follows; the snowfalls in the south-ern part of the Kanto district in controlled by a meso anticyclone accompanied with a local cold air mass appeared in the western part of the Kanto district descending southwards. On a synoptic scale, the northeasterly wind, which is warmer than the cold air mass, prevailed from the sea to the east of the Sanriki region to an extratropical cyclone passing along the southeastern coast of the Japanese archipelago, via the southeastern part of the Kanto district. A local discontinuous line is generated in a NE-SW direction between the cold air mass and the northeasterly wind.
Keywords: snowfall, meso anticyclone, local cold air mass, extratropical cyclone, the Kanto district
関東地方南部における降雪時のメソ気象学的解析
Mesoscale Meteorological Analyses on the Snowfalls in the Southern Part of the Kanto District
Shinobu SUZUKI
*, Shuji YAMAKAWA
*, Mami OBANA
*and Dan TABATA
* (Received November 16, 2013)* Department of Geosystem Sciences, College of Humanities and Sciences,
Nihon University; 3-25-40 Sakurajosui, Setagaya-ku, Tokyo, 156-8550, Japan
* 日本大学文理学部地球システム科学科:
る (富山,2001)。しかし,降雪時における気圧の上昇に ついてはこれまでほとんど研究されてきていない。そこ で本研究では,関東地方における降雪時の地上気圧上昇 に着目し複数の事例を基に調査,解析を行った。 Ⅱ.解析データと研究方法 (1)解析データ 1.1)解析地域 解析範囲は関東甲信地方1 都 8 県,福島県,静岡県, 新潟県上・中越地方,下越地方南部とした。関東地方の みならずその周辺地域も範囲に含めたのは,下降流の場 形成に伴う周辺の気象状況を調べるためである。 1.2)解析事例 メソ構造を調べるためには,ウインドプロファイラに よる解析が不可欠なため,近年から事例を選択した。南 岸低気圧に伴う関東地方南部の降雪現象のなかで,数 10kmの地域に数cm以上の降雪があったことを条件と して,事例を抽出した。5 事例が選ばれたが,ここで は特徴的な①2012年 2月29日,②2011年 2月14∼15日 の2事例を示す。①はやや動きの遅い南岸低気圧の温暖 前線の北東側の関東地方南方沖に発生した小低気圧によ り関東地方の広範囲で降雪・積雪した事例だが,その小 低気圧は南岸低気圧のシステム内部の擾乱として捉える ことができる。②は典型的な南岸低気圧通過により関東 地方の広範囲で降雪・積雪した事例である。 1.3)解析要素 気温,降水量,積雪深,風向・風速,海面気圧,相対 湿度とした。気温は冷気の目安や地上における降水相の 判断に,降水量は降水の推移の判断に,積雪深は降雪の 状況の判断に,風向・風速と海面気圧は下降流の場形成 の判断にそれぞれ利用した。また相対湿度は地上におけ る降水相が雪となる地上気温を判断するために利用し た。これは降水開始前に空気が乾燥していると,後の降 水による潜熱吸収が効率的に行われて降水粒子自体が低 温で落下し,結果として地上気温が高くても降水相が雪 になることを考慮したためである。 1.4)データ 解析に使用したデータは気象庁気象官署・AMeDAS データ,館野の高層気象データである。また,地上天気 図,850hPa高層天気図,熊谷のウィンドプロファイ ラ,降水レーダー・ナウキャスト (気象庁) も使用した。 (2)研究方法 2.1)総観場 地上天気図により総観場を調べた。低気圧の位置や進 路,発達状況,さらには高気圧の存在など,関東地方に 降雪をもたらした総観場を最初に把握する。 2.2)地上での降雪の可能性 高層天気図から地上での降雪の可能性を調べた。先行 研究によると,関東地方における地上での雨・雪判別の 指標には850hPa以下の下層の気温が用いられることが 多いため,本研究でも850hPa高層天気図を用いた。 通常,850hPa (1500m) の気温−6 ℃を雨雪判別に用 いることが多いが,関東地方では降雪時に北東気流によ る寒気の影響を受けやすく,これに伴い地表付近が冷却 される。このため,850hPaの気温が− 4 ℃程度でも地表 付近は0 ℃近くの低温となり,雪が融けずに地上まで落 下することが考えられる (安田・遠峰,1998)。よって本 研 究 で も, 関 東 地 方 の 地 上 で 雪 が 降 る 目 安 と し て 850hPaの気温−4℃を適用した。 2.3)寒気・暖気移流の状況 館野における地上∼上空の気温と風向分布を,館野の 高層気象データを用いて解析した。鉛直方向の連続的な 気温分布から等温層や逆転層の有無を調べ,さらには風 向分布と合わせて地上∼下層に流入する寒気・暖気の状 況を調べた。 また,熊谷のウィンドプロファイラから,熊谷の地表 付近において寒気が移流してくる方向を調べ,さらに下 降流の場形成による発散風の影響を受ける高度を調べ た。 2.4)降水の推移,地上での降水形態 気象官署・AMeDASデータを用い,関東地方におけ る降水の推移を調べた。また,必要に応じて気象庁提供 の降水レーダー・ナウキャストを使用した。同様に地上 気温を解析し,地上での降水形態を調べた。ただし,地 上気温の解析により引かれた等温線は近傍の地点のデー タから内挿した気温を基にしている。 2.5)気圧場,風向・風速場 降雪時における下降流の形成状況を確かめるため,気 象官署・AMeDASデータを用いて海面気圧場,風向・ 風速場を解析した。 2.6)気圧の変動状況 海面気圧の変動の状況を時系列グラフ化し,変動のポ イントを時間的な観点から調べた。さらに海面気圧と地 上気温の変動の状況を時系列アイソプレス化し,時間的 および空間的な変動の状況を詳しく調べた。 Ⅲ.事例解析 (1)2012 年 2 月 29 日 本事例では,先行する南岸低気圧通過後,新たに関東 の南海上に発生したサブ低気圧により,関東地方の広範
1.2)地上での降雪の可能性 850hPa高層天気図 (図 2) によると,地上での雨雪判 別の指標となる−4 ℃線 (安田・遠峰,1998) は,−6 ℃ 線と0 ℃線の間で内挿すると,28日21時には関東南部, 29日09時には東北南部にあり,暖気の北方への流入が 進み関東地方での降雪の可能性は低いと予報されたが, 現実は異なっていた。 1.3)寒気・暖気移流の状況 28日21時と29日09時の館野における気温と風向の鉛 直分布 (図 3) で気温に着目すると,925hPa以下ではむ しろ冷却が進んでいることがわかる。一方,925hPa以 上では気温の上昇がみられ,特に925∼850hPaでは気温 の上昇が顕著で逆転層が形成されている。風向に着目す ると,12時間で地表付近では北寄りに変化し,850∼ 700hPaでは東寄り∼南寄りに変化している。また,逆 転層付近では東寄りの風がみられる。低気圧接近時,地 表付近は相対的な寒気移流場にあり,その上を太平洋か 囲で降雪があった。この降雪事例について検討した。 1.1)総観場 地上天気図によると,28日09時には東シナ海に停滞 前線が発生し,15時にはこの前線の北側に低気圧が発生 した。21時 (図 1 左) には南岸低気圧システムが明瞭化 し,40km/hで東進し始めた。移動速度が遅かったこと が影響して,29日06時には温暖前線の北東側の関東地 方南方の八丈島西方近海に小低気圧が発生し,東北東へ 進んだ。南岸低気圧システムに付随する小低気圧によ り,関東地方南部では29日未明から南西部で雪や霙あられが 降り始めた。これは,寒気内の小低気圧で,海面水温や 周辺地形の影響を受けた一種のポーラーロー(Businger and Reed,1989; Rasmussen,1993; 小倉,2000)として捉 えられる。一方,28日,東北付近に中心をもち日本列 島を広く覆っていた移動性高気圧が29日09時 (図 1 右) には日本の東海上に離れ,この高気圧からリッジが北日 本∼黄海に張り出し,東西に高圧帯を形成した。 図1 地上天気図 2012年 2月28日21時 (左),2012年 2月29日09時 (右) (気象庁) 図2 850hPa高層天気図 2012年 2月28日21時 (左),2012年 2月29日09時 (右) 破線は等温線で6℃間隔,実線は等高度線で60gpm間隔,点彩域は湿数 (気温−露点温度) <3℃ (気象庁)
るが,館野では北北東方向からであった (図 3)。このよ うに地表付近における寒気移流の方向が地点によって異 なることについては,局地気象解析図 (図 6) で確かめ られる。 1.4)降水の推移,地上での降水形態 29日未明から関東南西部で降りだした雪や霙は,その 後北東に向けて急速に広がり,明け方には関東地方の広 域で雪や霙が降り始めた。03時の地上気温と天気は,東 京では2.4℃で雪,横浜では2.8℃で霙,千葉では3.4℃で 霙と,都市部でも降り始めから雪や霙であった。降水開 始後は各地で地上気温が降下し,06時には千葉県を除く ほとんどのAMeDAS観測点で地上気温が 1 ℃を下回っ た。このため従来の気温と雨・雪判別の関係 (安田・遠 峰,1998) に基づけば,06時時点で千葉県を除くほぼ全 域で降水相は雪であったと考えられる。この状態は正午 頃にかけて続き,正午の積雪深は東京で2cm,横浜で 5cm,水戸で 5cm,水戸を除く関東北部各地では軒並 10cmを越える積雪を観測した。昼過ぎからは地上気温 の上昇に伴い各地とも霙や雨に変わり,その霙や雨は夕 方には上がった。 29日の時間降水量を解析したのが図 5 である。冬季に おける地上での雨雪判別にあっては,地上気温では2 ℃ が目安とされている (安田・遠峰,1998)。しかし,雨雪 変化の気温は相対湿度の影響を強く受け,南岸低気圧に ついても相対湿度が低いほど相変化気温は高いという関 係がある (石原,1995;大矢・小池,1993)。これは相対 湿度が低いほど雪片の昇華が起きやすく,その際の潜熱 吸収が効率良く働くことにより,雪片自体が低温で落下 するためと考えられる。本事例において降雪開始直前に あたる01時の相対湿度は,すでに降水を観測している らの相対的な暖気が流入していることが推測され,従来 の研究 (山本,1984) との類似性が認められる。 熊谷のウィンドプロファイラ (図 4) によれば,03∼ 15時に,ほぼ全層に渡って総観場の寒気が流入し,下 降気流の場となっている。高度2000m以下の下層に着 目すると,高度1000m付近を境に風向が異なっている ことがわかる。高度1000∼2000mでは東寄りであるの に対し,地表∼1000mでは北ないし西寄りとなってい る。高度1000∼2000mでの東風は,図 3 より,地表付近 での相対的寒気移流場のすぐ上に,暖気移流があること がわかる。一方,1000m以下の下層に着目すると,特に 04∼09時にかけては南岸低気圧の北東象限に位置する が,地表に近い高度では関東南岸の小低気圧の影響とみ られる北西∼北北西風が14時頃まで続いている。地表 付近での相対的な寒気移流が熊谷では北西方向からであ 図3 館野における28日21時 (破線) と29日09時 (実線) の気 温・風向 (ベクトル表示) の鉛直分布。 925 hPa 付近を挟み,気温は上層で上昇したのに対し, 下層では北北東の風のもとで下降した。 図4 熊谷における2012年 2月29日03∼15時のウィンドプロファイラ。横軸は時刻,縦軸は高度 [km], ベクトルは風向,色彩は鉛直流で寒色系が下降流 [m/s] を表す。(気象庁)
1.5)気圧場,風向・風速場 図6 の29日01時,05時,09時,14時,17時はそれぞ れ,降雪開始直前,降雪開始頃,降雪ピーク時,降雪終 了頃,降水終了頃の5段階に分けられる。そこで,ここ では各時刻における気圧場と風向の解析を行った。ただ し,ここでの降雪開始頃とは関東地方の大部分で降雪が 始まった時間帯を指し,降雪ピーク時は関東地方の大部 分で降雪が強まっている時間帯,降雪終了頃は関東地方 の大部分で雪が霙や雨に変わる時間帯,降水終了頃は関 東地方の大部分で雨や霙,雪が降り終わる時間帯を指 す。また,気圧と風向は密接な関係があるため,風向も 併せて解析している。 気圧場に着目すると,降雪開始直前,すでに関東北部 に高圧部が形成されているようにもみえるが明瞭ではな い。降雪開始頃には関東北部で高圧部が明瞭化し,これ に伴うリッジが神奈川県西部と長野県北部にそれぞれ伸 びているのがわかる。その後,降雪ピーク時にかけても 関東北部に高圧部が明瞭に現れていて,同様にリッジも 伸びている。降雪終了頃には関東北部の高圧部はやや不 明瞭化したようにみえるが,引き続き残存し,リッジが 神奈川県と長野県北部に向けて伸びている。そして降水 地点を除いた関東各地では50∼60%と,降雪開始直前 の段階ではまだ空気がある程度乾燥していることがわか る。これらの兼ね合いから,関東各地では地上気温が 2 ℃を下回れば降水初期の降水相は雪であると判断し, 図4 の01時と05時の図には 2℃の等温線を示した。 また,下層大気が比較的乾燥していたことが,落下中 の雪片の昇華を促し,気温の低下と低温の維持に貢献し たことを推測することができる。 降雪開始以降は相対湿度の上昇により,2 ℃を下回っ ていても雨へ変化することが考えられる (石原,1995)。 しかし,安田・遠峰 (1998) や大矢・小池 (1993) による と,このような場合でも地上気温が1 ℃以下であると降 水相はほとんど雪であることがわかっている。そのため 本事例において降雪ピーク以降にあたる09時,14時に は1℃と 2℃の等温線を用いた。すなわち,09時・14時 の図では,あるAMeDAS観測点において 1 ℃の等温線 よりも内側に位置し,かつ降水が観測されている場合, その地点では前1 時間の降水は降雪であったと考えられ る。同様に1 ℃の等温線と 2 ℃の等温線との間に位置し ている場合,その地点では前1 時間内に降水または降雪 (霙を含む) があったと考えられる。 29 日 01 時 14 時 05 時 17 時 09 時 図5 関東地方における2012年2月 29日01時,05時,09時,14時,17時の降水量 [mm/h] 解析図。 01時の図中の数は相対湿度 [%],黒点線は2℃の等温線,赤点線は 1℃の等温線を表す。
みえる。降水終了頃になっても状況はあまり変わってい ないが,埼玉県の中間部を境に南側では北寄り,北側で は概ね南∼東寄りで,発散傾向がみられる。 1.6)気圧の変動状況 局地気象解析図から,降雪時,関東北部における高圧 部の存在と周辺への風の発散を確認できた。次に実際の 気圧がどのようであったかを,高圧部下にあった地点と それ以外の地点とで比較してみた。高圧部下にあった地 点として前橋と熊谷,高圧部から外れていた地点として 銚子を選び,時系列で海面気圧の変化の様子を示したの が図7 である。グラフによると,04∼05時にかけて,前 橋と熊谷では気圧の上昇がみられるが銚子にはこれがみ られない。以降昼前にかけて,前橋・熊谷と銚子で気圧 差が拡大していることがわかる。これについてより詳し く調べるため,新潟県高田と千葉県勝浦を通る断面にお ける01∼18時にかけての海面気圧・地上気温アイソプ レスを作成したのが図8 である。これによると,04∼05 時にかけて前橋,それに熊谷付近で顕著な気圧の上昇が 見られ,午前09時頃にかけて上昇した気圧をほとんど 維持していることがわかる。地上気温に着目すると,04 終了頃においても引き続き関東北部に高圧部が残存し, 神奈川県と長野県北部に向けてリッジが伸びている。 続いて風向に着目すると,降雪開始直前では関東南部 と茨城県で概ね北寄りの風が吹いていて,また,栃木県 から群馬県にかけての北部山沿いでは無風の所が多く なっている。降雪開始頃になると関東南部と茨城県では 多くの地域で北北西の風になっている。一方,長野県北 部と新潟県では概ね南∼南東の風となっており,関東山 地を挟んで北と南で風向が逆転していることがわかる。 関東北部の高圧部から風が発散するように吹いているこ とを理解できる。降雪ピーク時になると,群馬県,長野 県北東部,それに埼玉県北部∼西部での無風域が目立 つ。この無風域は関東地方北部に存在する高圧部と概ね 一致している。風向は,茨城県,千葉県,神奈川県では 概ね北,埼玉県南東部∼東京23区では北北西,新潟県 では南∼南東である。降雪開始頃と同様,関東地方北部 の高圧部とそれに重なる無風域から南北に発散するよう に風が吹いていることが認められる。降雪終了の頃には それまで関東地方北部に形成されていた無風域がなくな り,風向もそれまでと比べて規則性が崩れているように 29 日 01 時 14 時 05 時 17 時 09 時 図6 関東甲信越地方における2012年2月29日01時,05時,09時,14時,17時の海面気圧 [hPa],風向・風速[m/s] 解析図。等圧線は0.5hPa間隔。ベクトルは風向を表す。風速は0.5m/s未満を静穏(無風)とする。ただし,海上 の等圧線は外挿されたもので若干誤差を含む。
本州の南岸を東北東に進んだ。一般に,南岸低気圧が八 丈島∼鳥島間を通過すると関東地方では雪が降る (倉 島・青木,1976)。本事例の南岸低気圧は三宅島付近を 通過し,関東地方では14日夕方から南部で雨が降り出 し,夜の始め頃には南部沿岸部を除く広域で雪に変わっ た。一方,日本の東海上と大陸東部には高気圧が存在 し,本州ではリッジが連なっている。関東地方における 降雪時の冷気供給源の一つとされる東北地方付近の高圧 部 (小泉,1995;藤井,2010) は本事例でもある程度認め られる。 2.2)地上での降雪の可能性 850hPa高層天気図 (図10) によると,地上での雨か雪 かの判別とされる−4 ℃線は,− 6 ℃線と 0 ℃線の間で 内挿すると14日09時で関東南部沿岸,14日21時で関東 ∼05時にかけて前橋,それに熊谷付近でそれまでにみら れない気温降下が生じていることがわかる。すなわち, 海面気圧の上昇と地上気温の降下がほぼ同時に生じてい ることが判明した。04∼05時に,内陸部で冷気沈降に 伴う下降流の場形成が始まったものと推測できる。 (2)2011 年 2 月 14∼15 日 本事例では,典型的な南岸低気圧通過により関東地方 の広範囲で降雪・積雪となった。このような場合の降雪 事例について調べた。 2.1)総観場 地上天気図 (図 9) によると,13日21時には東シナ海 に停滞前線が発生していて,14日09時にはこの前線上 に低気圧が発生した。この低気圧はその後発達しながら 図7 前橋 (青菱形),熊谷 (赤四角),銚子 (緑三角) における2012年 2月29日01∼18時の海面気圧 [hPa] の 時系列変化図。横軸は時刻,縦軸は海面気圧 [hPa] を表す。 図8 新潟県高田と千葉県勝浦を通る断面における2012年2月29日01∼18時の海面気圧 [hPa],地上気温 [℃] アイソ プレス。黒実線は等圧線で0.5hPa間隔,赤破線は等温線で 1℃間隔。横軸は時刻 [h],縦軸は緯度 [°N] を表す。
このような風系の変化は事例①と同様で,降雪時,高度 1000m付近には低気圧に吹き込む東寄りの気流が吹走し た一方,地表付近には寒気移流に伴う別の風系が存在し ている。事例②で特徴的なことは,4000mより上層に乾 北部にあると考えられ,850hPaの気温だけでは雨雪の 判断が難しい状況である。 2.3)寒気・暖気移流の状況 14日09時と14日21時の館野における気温と風向の鉛 直分布 (図11) で気温に着目すると,ほぼ全層で気温が 上昇している一方で,地表付近では冷却が進んだことが わかる。21時の鉛直気温分布に着目すると,980hPa以 下の最下層で寒気の進入・下降があったことがわかる。 また,850hPaより下層では気温の上昇が鈍くなってい て,850hPaより下層に寒気移流があったことが推測で きる。しかし,本事例では事例①でみられたような逆転 層や等温層は降雪時 (14日21時) にはみられない。また 風向はほぼ全層にわたって12時間で大きな変化はな かった。 熊谷のウィンドプロファイラ (図12) で降雪時に該当 する14日20時∼夜半頃の下層風向に着目すると,高度 1000m付近では東寄りの風となっているが,地表へ向か うにつれて,北∼西寄りに変化していることがわかる。 図9 地上天気図 2011年 2月14日09時 (左),2011年 2月14日21時 (右) 図10 850hPa高層天気図 2011年 2月14日09時 (左),2011年 2月14日21時 (右) 図11 館野における14日09時 (点線) と14日21時 (実線) の気 温・風向 (ベクトル表示) の鉛直分布。 980hPa付近を挟み,上層で昇温したのに対し,下層 では北北東の風のもとで降温した。
れ示した。このような形式で図に示す理由は事例①と同 様である。関東南部での降水開始直前にあたる14日15 時の関東各地における相対湿度は50∼70%と,降水・ 降雪開始直前の段階ではまだ空気がある程度乾いてお り,落下中の雪片を昇華させ,気温低下を招いたと推測 できる。また,14日22時と15日02時で 1 ℃の等温線に 着目すると,東京と神奈川では北上している一方で,千 葉ではわずかに南下していることがわかる。同様に2 ℃ の等温線に着目しても,南東方向に移動している。すな わち千葉県では他県よりも少し遅れて,降水が弱まった 頃に北からの冷気が入ってきたことを示している。 2.5)気圧場,風向・風速場 14日15時,17時,22時,15日02時,06時 に つ い て それぞれ気圧場と風向の解析を行った (図13)。これら の解析図を図14に示す。気圧場に着目すると,降雪開 始直前の段階で関東北部にメソ高気圧が解析されている が,15時は関東北部で降雪が始まる 5∼6 時間前である ため,降雪との直接的な関係はないと推測される。関東 南部で降水が始まる頃には,関東南西部から伊豆半島東 部にかけて明瞭なリッジが形成されている。リッジが形 成された地域と降水が始まった地域とがほぼ一致するこ とから,この付近で降水開始に伴う冷気沈降により下降 流が存在していた可能性がある。関東各地での降雪ピー ク時になると秩父付近にメソ高気圧が出現し,また埼玉 県から東京都にかけてメソ高圧部となった。関東各地で 降雪や降水が弱まる頃には,それまで埼玉県から東京都 に形成されていたメソ高圧部はほぼ解消し,わずかに秩 父付近に残っている程度となった。 続いて風向に着目すると,関東南部での降水開始頃ま では関東各地で概ね東寄りの風であったが,降雪ピーク 燥大気が流入していることで,これが雪片の昇華と,昇 華熱の吸収による寒気の形成に関与したと推論される。 2.4)降水の推移,地上での降水形態 14日夕方から関東南部に掛かり始めた降水域はその 後数時間かけて北東に広がり,夜のはじめ頃には関東の ほぼ全域に降水域が広がった。低気圧が発達しながら南 岸を通過したこともあり,関東地方南部には発達した降 水域が夜半頃まで掛かり続けた。関東南部では降り始め は地上気温が4 ℃前後で雨の所が多かったが,降水開始 後は気温が降下して21時頃には 1℃を下回り,千葉県を 除く広域で雪に変わった。ただし,沿岸部を除く千葉県 では少し遅れて夜遅くに気温が急降下したため,雪や霙 に変わった。関東北部も降り出しは地上気温が2∼3 ℃ あり雨や霙の所が多かったが,その後すぐに気温が降下 して1 ℃を下回り,降り出しから間もなく雪に変わっ た。15日00時の積雪深は,東京都心で 2cm,横浜で 3cm,秩父で22cm,熊谷で 5cm,前橋で 6cm,宇都宮 で4cm,水戸で 3cmと,関東各地で積雪を観測した。 また千葉では少し遅れて15日03時に 1cmの積雪を観測 した。発達した降水域の大半は夜半頃には東海上に抜け たものの,関東地方には明け方まで所々で降水域が残 り,関東地方南部で明け方まで弱い雪や霙が降った。 14日15時,17時,22時,15日02時,06時の 1 時間降 水量を解析したのが図13である。これらはそれぞれ, 関東南部での降水開始直前,関東南部での降水開始頃, 関東各地での降雪ピーク時,関東各地で弱い降雪や降水 が残っている時間帯,関東各地での降水・降雪終了頃の 5 つの段階に分けたものである。14日15時の図には 2℃ の等温線と相対湿度を,17時の図には 2℃の等温線を, 22時・15日02時の図には 1 ℃と 2 ℃の等温線をそれぞ 図12 熊谷における2011年 2月14日18時∼15日06時のウィンドプロファイラ。横軸は時刻, 縦軸は海抜高度 [km],ベクトルは風向,色彩は鉛直流 [m/s] を表す。(気象庁)
14 日 15 時 15 日 02 時 17 時 06 時 0922 図13 関東地方における2011年2月14日15時,17時,22時,15日02時,06時の降水量 [mm/h] 解析図。 14時の図中の数は相対湿度 [%],黒点線は 2℃の等温線,赤点線は 1℃の等温線を表す。 14 日 15 時 17 時 22 時 15 日 02 時 06 時 図14 関 東 甲 信 越 地 方 に お け る2011年2月14日15時,17時,22時,15日02時,06時 の 海 面 気 圧 [hPa],風向・風速 [m/s] の解析図。等圧線は0.5hPa間隔。ベクトルは風向を表す。風速は 0.5m/s未満を静穏 (無風) とする。ただし,海上の等圧線は外挿されたもので若干誤差を含む。
点として前橋・熊谷・秩父,メソ高気圧・高圧部から外 れていた地点として勝浦・館山を選び時系列で海面気圧 の変化の様子を示したのが図15である。グラフによる と,事例①のような一時的な気圧の上昇はみられない が,15∼24時に着目すると,時間を追うごとに気圧差が 開いていく様子がうかがえる。前橋と熊谷,秩父ではメ ソ高気圧や高圧部の形成により総観場での気圧降下が相 殺されたとみることができる。 これについてより詳しく調べるため,事例①と同様, 新潟県高田と千葉県勝浦を通る断面における,14日15 時∼15日06時にかけての海面気圧・地上気温アイソプ レスを作成した (図16)。特に18∼24時に着目すると, 違いがわかりにくいが,高圧部下にあった東京以北と勝 浦とで気圧の下がり方に若干の差があることがわかる。 時には内陸部の広範囲で無風域が形成され,その南側で は北西方向からの風,北側では南東方向からの風が吹い ている。この時秩父付近にはメソ高気圧,埼玉県から東 京都にかけてはメソ高圧部が解析されていることも考え 合わせると,内陸部の無風域は寒気塊の下降流の場に相 当すると考えられる。事例①においても降雪ピーク時に 同様の解析が得られたことから,関東地方南部の広範囲 における降雪時には,関東西部の内陸部に下降流の場が 形成されることが推測される。降雪ピークを過ぎてそれ までのメソ高圧場が解消されてからもしばらく同様の風 系場が続いたが,降水終了頃にはそれが崩れた。 2.6)気圧の変動状況 気圧の時系列変化を高圧部下にあった地点とそれ以外 の地点とで比較した。メソ高気圧・高圧部下にあった地 図15 前橋 (青ひし形),熊谷 (赤四星形),館山 (オレンジ丸) における2011年 2月14日15時∼15日06時の 海面気圧 [hPa] の時系列変化図。 図16 新潟県高田と千葉県勝浦を通る断面における2011年 2月14日06∼15時の海面気圧 [hPa],地上気温 [℃] のアイソ プレス。黒実線は等圧線で,0.5hPa間隔。赤破線は等温線で 1℃間隔。横軸は時刻 [h],縦軸は緯度 [°N] を表す。
④ 熊谷のウインドプロファイラ・データから,メソ高気 圧・高圧部では雪片の昇華に伴う寒気沈降があったと 推測される。雪片の昇華は,対流圏中層へ西方より流 入するやや乾燥した気流の影響が考えられる。 ⑤ これらの変化は降雪開始とほとんど同時か,または直 前に起こるため,数時間のうちに正のフィードバック 機構が働くものと捉えられる。 メソ高気圧・高圧部が降雪の間,形成され続けていた ことは不思議なことである。降雪の間は多くの所で地上 気温が1 ℃前後かそれ未満の状態が続いていた。降雪の 間,上記④の雪片の昇華を伴う下降流の場が維持されて いたとすれば,寒気沈降と寒気移流により降雪維持機構 がもたらされていたことを理解できる。 関東地方南部に降雪をもたらした寒気が内陸部下層か らもたらされ,高圧場となる三陸沖方面からの北東気流 との間に局地不連続線を形成していること (③後半) も 本研究から導き出された。北東気流は南岸低気圧通過時 の関東地方における卓越風で,その冷気流が関東地方南 部の降雪原因として指摘されている (山本,1984) が, その北東気流は内陸部からの寒気に比べれば相対的にや や高温で,今回の事例では地上において3∼7 ℃程度で あった。 降雪の間このような状態を維持するには,数時間以上 にわたって上空で寒気の生成が行われていなければなら ない。降雪開始に伴い一時的に上空で寒気が生成される だけでは沈降・発散により結局周囲へ逃げてしまうの で,降雪の間,常に下降流を維持することが不可能とな るからである。よって降雪の間,寒気生成をもたらす要 因が存在しているということになる。その主な要因が雪 片の昇華と考えられる。雪片昇華による寒気が寒気ドー ム上面を滑降したか,寒気ドーム内に取り込まれたかに ついては,今後の解析に待ちたい。 今後の総観メソスケールでの課題としては,関東地方 における降雪時に内陸部下層に形成される寒気を伴うメ ス高気圧・高圧部が,総観場の高気圧・リッジとどのよ うな関係にあるか,また,暖候季の雷雨・降雹時に出現 するメソ高気圧 (田畑・原・山川,2004) と比較して,本 例のような冬季のメソ高気圧の構造はどのような相違点 があるのか,真相を解明することが挙げられる。さらに は, 太 平 洋10年 規 模 振 動 (Pacific Decadal Oscillation, PDO; 山川,2005) が負のフェイズで,関東地方南部の降 雪が生じやすくなるのではないか,あるいは黒潮大蛇行 との関係はどうか,という疑問も挙げられる。 すなわち,気圧の下がり方が前者では比較的緩やか,後 者は比較的急である。また地上気温に着目すると,無風 域にあった前橋∼熊谷付近では17∼20時頃に気温降下 がみられ,20時以降 1 ℃未満の気温を維持している。 よって,17時頃に内陸部で寒気沈降に伴う下降流の場形 成が始まったと推測される。 Ⅳ.解析結果のまとめと考察 関東地方南部における南岸低気圧型降雪の概念図を図 17に示す。以上の事例と他の事例の解析結果も参考にし つつ総合的にまとめると以下のようになる。 関東地方における降雪時には気圧の上昇がもたらさ れ,これに伴い関東地方北西部にはメソ高気圧・高圧部 が形成される。そして,メソ高気圧・高圧部下では無 風,またはそれに近くなり,無風の領域から周辺へは風 が発散するように吹く。メソ高気圧・高圧部の形成は少 なくとも降雪の間は維持され,それによる風向・風速場 も維持される。また,気圧の上昇が生じた場合,ほぼ同 時 に 気 温 の 急 降 下 も も た ら さ れ る。 こ れ ら は 富 山 (2001) である程度指摘されているが,本稿で確認され た。 本事例解析の結果,新たに明らかになった事柄をまと めると,次のようになる。 ① 関東地方南部における降雪時には,その北西部で気圧 の上昇が生じ,関東内陸部にはメソ高気圧・高圧部が 形成され,寒気ドームを形成する。 ② メソ高気圧・高圧部と重なるように,地上では無風・ 弱風域が出現する。 ③ メソ高気圧・高圧部から関東地方南部へ向かって北風 が吹く。これは房総半島を吹く北東気流より低温で, 局地不連続線による寒気ダムアップ効果も作用した。 図17 関東地方南部における南岸低気圧型降雪時の メソ気象場についての概念図
てともに支えあった気候気象システム研究室の皆様に,心よ り御礼申し上げます。なお,本稿は第一著者(2013年 7月15 日に逝去)の2012年度・地球システム科学科・卒業論文に 基づいて作成されたものであります。 謝辞 本論文の作成にあたり,研究の流れや方法等多くのご指導 をしてくださった加藤央之教授には厚く御礼申し上げます。 また,解析図の作成方法の手ほどきをしていただいた非常勤 講師の永野良紀氏,ならびに,卒業テーマ研究の作成に向け 石原昭史, 1995:南岸低気圧による長野県の雨雪判別予想. 気象庁研究時報,46 (6),145-164. 大矢正克・小池義雄, 1993:南岸低気圧と雨雪判別. 気象庁 研究時報,44,60-61. 岡本利次, 1989:1984年 4月19日に仙台付近を中心とした東 北地方に起った地上気温の降下現象について. 天気, 36 (10),631-642 小倉義光,2000:総観気象学入門.東京大学出版会,289p. 気象庁,2012:気象等の知識―航空気象,空港気象ドップ ラーレーダーによる観測,航空機の離着時における風と の関わり. http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kouku/2_ kannsoku/23_draw/index8.html 2012年 1月23日 気 象 庁予報部発表,気象庁短期予報解説資料. 倉島 厚・青木 孝,1976:防災担当者のための天気図の読 み方.東京堂出版,205p. 斉藤 充, 1993:南岸低気圧による積雪の地域特性. 気象庁 研究時報,44,64-65 高山 大・中村 一・李 圭元, 1998:1998年1月8日の南岸 低気圧による関東の大雪メソスケール場の解析. 日本 気象学会大会講演予稿集,74,104. 田畑 弾 ・ 原 拓也 ・ 山川修治,2004:2000年 5月24日に茨 城県・千葉県で発生した降雹に関するメソ・総観解析. 参考文献 日本大学文理学部自然科学研究所研究紀要, 39,143-154. 富山芳幸, 2001:関東地方の降雪にかかわる気温急降下. 天 気,48 (11),811-822. 長谷美達雄・馬場邦彦, 1994:南岸低気圧の通過に伴って関 東地方に形成される局地前線と着雪発生について. 雪 氷,56 (2),119-126. 藤井 聡, 2010:関東南部の降雪メカニズム. 第 2 回日本気 象予報士会研究成果発表会予稿集. 安田朝明・遠峰菊郎, 1998:関東地方における気温の高度分 布と降水形態の関係.天気,45,3,171-186小泉正之, 1995:埼玉県の平野部の降雪. 気象庁研究時報.46, 70-71. 山川修治,2005:季節∼数十年スケールからみた気候システ ム変動.地学雑誌,114 (3),460-484. 山本 晃, 1984:関東平野の雪−雨と雪の境目. 気象庁研究 時報,36,131-149.
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