NIHS
食品添加物の安全性のはなし
ー事故ゼロを目指してー
国立医薬品食品衛生研究所
食品添加物部
穐山 浩
食品添加物にどんなイメージを
持っていますか?
食品安全モニター課題報告 「食の安全性に関する意識等について」の結果 (食品安全委員会 平成21年7月実施) 危害要因 遺伝子組換え食品 いわゆる健康食品 食品添加物 農薬 BSE(牛海綿状脳症) 50% 60%
危害要因に対する不安の程度
4 「“無添加”と目につくところに表示されている商品とそうでない商品を比べ て以下のうち、一般にどのような印象を受けますか?」という質問への回答 (n=1100) 内閣府食品安全委員会事務局 平成18年度食品安全確保総合調査 「食品の安全性に係るリスクコミュニケーション等に関する調査」報告書より抜粋
食品添加物のイメージ(1)
「無添加」の表示のある 商品のとある方が、より 安全であると認識され る傾向が強い。5
食品添加物のイメージ(2)
(「“無添加”とある方が安全」を選んだ回答者への設問) 「その理由を教えて下さい。」という質問への回答(n=197、複数回答) 内閣府食品安全委員会事務局 平成18年度食品安全確保総合調査 「食品の安全性に係るリスクコミュニケーション等に関する調査」報告書より抜粋食品添加物のイメージ
=健康に悪そう?
6
食品添加物についての不安例
長期間の累積が人体に及ぼす
リスクは大きいか
◆
長年、摂取すると病気の原因に
なるのではないか
◆
食品安全委員会 食品安全モニターからの質問より食品添加物の大原則
1. 有用性がないと添加物ではない
2. 使ってよい添加物は決められている
- それら以外は使ってはいけない –
3. 添加物は安全性が確認されている
*
4. 添加物は食べる量が決められている
*
何でも大量に食べると毒(水、塩)
-5. 食べ過ぎていないか確認している
6. 添加物の品質が決められている
*
食品添加物の大原則
指定および基準改正の基本的な考え方(H8年厚生省指針) 食品添加物は人の健康を損なう恐れがなくかつその使用が 消費者に何らかの利点を与えるもの。安全性、有効性が科学 的に評価されること。1.
有用性がないと添加物ではない (有効性)
2.
使ってよい添加物は決められている(指定制度)
- それら以外は使ってはいけない –
3.
添加物の品質が決められている (規格・基準)
4.
添加物は科学的に安全性が確認されている (安全性評価)
5.
添加物は食べる量が決められている (使用基準)
-
何でも大量に食べると毒-6.
実際に食べ過ぎていないか確認している(摂取量調査)
第1条
有用性がないと添加物では
ない
(有用性)
食物を保存したり、加工したり、調理する際に
添加されるもの、として昔から使用されてきた。
梅干しに紫蘇で赤い色をつける
クチナシで栗に黄色い色をつける
豆乳にニガリを加えて豆腐を作る
小麦粉にかんすいを加えて中華麺を作る
ハムやソーセージに天然の硝酸塩を加えて、色や風味をよく
し、保存性も高める
牛乳に牛の胃の粘膜にある酵素を加えてチーズにする
1.食品の
製造や加工
のために必要な製造用剤
→ 加工食品を作る。
2.食品の
風味や外観
を良くするための甘味料、
着色料、香料など
→ 食品を魅力的にする。
3.食品の
保存性
を良くする保存料、酸化防止剤
など
→ 食中毒を防ぐ。
4.食品の
栄養成分
を強化する栄養強化剤
→ 栄養を強化する。
豆腐用凝固剤・・・豆腐を作る時に豆乳を固める (塩化マグネシウム、グルコノデルタラクトン) かんすい ・・・中華めんの食感、風味を出す (炭酸カリウム(無水)、ポリリン酸ナトリウム) 消泡剤 ・・・豆乳の蒸煮工程、果実ジャムなどの濃縮工程、 蒸留酒の蒸留工程、発酵食品の発酵工程、天ぷらの フライ工程などで発生する消えにくい泡を消す (シリコーン樹脂) pH調整剤 ・・・食品のpHを適切な範囲に調整し、食品の変質、 変色を防止したり、他の食品添加物の効果を向上さ せる (クエン酸、コハク酸、乳酸、酒石酸) その他、抽出溶剤、酵素、ろ過助剤、酸、アルカリ剤、結着剤、離型剤など
着色料・・・赤、青、黄など様々な色調を付与する (食用赤色2号、カラメル、ブドウ果皮抽出物、トマト色素) 発色剤・・・動物性食品中の血色素に作用して安定な色素を生成 させる(亜硝酸ナトリウム、硝酸カリウム) その他 漂白剤(亜塩素酸ナトリウム、二酸化硫黄)、光沢剤など 香料 ・・・食品に香気を付与または増強する。種類は多い。 (アニスアルデヒド、シトラール、バニリン、メントール) 香辛料抽出物・・・ペッパー、マスタード、シナモンなどの香辛料(スパイス) からその有効成分を抽出したもので食欲を増し、おいしさを高める 乳化剤・・・食品に乳化、分散、浸透、起泡、消泡、洗浄などの目的で使用 (酵素処理レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベート) 増粘安定・ゲル化剤・・・食品の粘度の増強、乳化分散の安定化やゲル化 などにより、食品に好ましい組織をつくり、おいしさや品質を向上維持 (アラビアガム、アルギン酸、ジェランガム) 膨張剤 ・・・ケーキ、まんじゅう、蒸しパンなどをふっくらと膨張させる (炭酸水素ナトリウム)
色
香
食感
クチナシ色素
O HO O OH クチナシ黄 クチナシ赤・青 crocetin ネギトロ巻14
無添加
添加
N H COOMe H2N HOOC O S NH O O O O S N -O O O K+ O Cl OH HO OH HO OH O Cl O Cl Aspartame アスパルテーム x200 acesulfame K アセスルファムK x200 Saccharin サッカリン x600 Sucralose スクラロース x600
人工甘味料
ゼロカロリー飲料に使われている甘味料
H H HO COOH O H glycyrrhizinic acid (カンゾウ抽出物)x600 OGlc-Glc CO2Glc H H 甘草 ステビア stevioside (ステビア抽出物)x300 (x数値は8%砂糖液の甘みに対する比を示している。) http://amefuji.blog22.fc2.com/blog-entry-2534.html 砂糖 39g 砂糖 65g 砂糖 108g 355ml 500ml 1000ml増粘安定剤
アラビアガム
アルギン酸
コンブ等の褐藻類から得られる。主成分は マンヌロン酸とグルロン酸が直鎖に結合し た高分子多糖類である。カルシウムイオン と結合するとゲルを形成する。 スープ飲料やゼリーのゲル化の他に、アル ギン酸塩は医療の分野でも用いられている。 アラビアゴムノキ又はその同族植物 の分泌液を乾燥して得られたもの。 主成分はガラクトース、アラビノース、 ラムノース、グルクロン酸から構成 される多糖類である。 ガムシロップ、水彩絵の具、切手の 糊等に用いられている。 常温で24時間溶けない アイスクリーム セラチン、カラギーナン, 寒天などの 添加物が使われている 人工いくら食感系の言葉で「おいしい」と感じる絶対値の高い順ランキング (参考:BMFT「おいしいを感じる言葉時系列ランキング」をもとに作 成。対象者は15~59歳の男女1350人) ひえふわ, もちっと もちぽにょ 日本人は食感にこだわりがある。
保存料・・・加工食品の微生物による腐敗、変敗を防止し、食中毒発生を 予防するとともに食品の保存性を向上させる (ソルビン酸、安息香酸、しらこたん白抽出物) 殺菌料・・・食品やその原料あるいは食品製造用機械、器具を汚染してい る微生物を殺菌する (過酸化水素、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸水) 酸化防止剤・・・食品中の油脂の酸化を防止したり、果実加工品や漬け物 などの変色や褐変を防止する (トコフェロール、エリソルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン) 防カビ剤・・・かんきつ類やバナナの輸送・貯蔵中のかびの発生を防止する (イマザリル、オルトフェニルフェノール、チアベンダゾール) 日持向上剤・・・サラダなど保存性の低い食品の短期間の腐敗、変敗抑制 (グリシン、酢酸、グリセリン脂肪酸エステル、ワサビ抽出物)
オーショクブドー キング・ボツリヌス サルモネラ カンピロバクター セレウス O-157 ウエルシュ ノロウイルス ビブリオ ダイチョーキン エルシニア 食中毒サイキンダー 日本食品衛生協会提供 http://www.n-shokuei.jp/taberuman/wallpaper/index.html
保存料
HO
O
sorbic acid ソルビン酸 もともとはナナカマドの未熟な種子より 得られた。現在は合成品が使用されて いる(指定添加物)。カリウム塩が主に 用いられる。酸性側でカビ、酵母、好気 性菌に対して静菌効果を持つ。 ナナカマド Sorbus aucupariaCOOH
benzoic acid 安息香酸 エゴノキ Styrax benzoin もともとはエゴノキの樹脂成分(安息 香)より発見された。現在は合成品が使 用されている(指定添加物)。酸性側で カビ、酵母、好気性菌に対して静菌効果 を持つ。チャ抽出物
フェルラ酸
γーオリザノール
γーオリザノールは米糠から得られた米糠 油を抽出して得る。フェルラ酸は殆どの植 物に存在するが、工業的にはγーオリザ ノールを加水分解することで得られる。 MeO HO OH O ferulic acid O OH OH O OH HO O OH OH OH OH 「茶」より抽出して得られる。カテキ ン類を多く含み、酸化防止機能が 高い。 epigallocatechin gallate酸化防止剤
北海道で被害が広がった白菜の浅漬けによる腸管出血性 大腸菌O-157集団食中毒で、入院していた80代の女 性が28日、感染による多臓器不全で死亡した。集団食中 毒の死者は計8人になった。食中毒の患者は道外7人を 含め169人となっている。 札幌市保健所は28日、食中毒の原因について、製造工 程での消毒が不十分だったためと結論付けた。 2012年10月 朝日新聞報道 殺菌剤処理 を十分行ってい ないことが原因 ○2011年 富山県を中心 腸管出血性大腸菌O111 焼肉チェーン店の複数店舗での生肉の喫食 による集団食中毒が発生 腸管出血性大腸菌O157感染 ○2011年 ヨーロッパ及び北米 腸管出血性大腸菌O104感染 7月までにヨーロッパおよび北米の計16カ国合わ せて患者4,075名および死亡者50名が報告 発芽野菜のひとつであるフェヌグリークスプラウト の汚染 ○1997年関東南部および東海地域 腸管出血性大腸菌O157感染 カイワレダイコンによる食中毒の発生
栄養強化剤 ・・・ミネラルやアミノ酸などの栄養成分を強化
するために使用される。
(アスパラギン酸、チロシン、焼成カルシウム、
トコフェロール、へム鉄)
食品の安全性の基本的考え方
26
27
28
キャッサバ
キャッサバ
青酸化合物 商品化されている大果系トマト トマトの原種 トマト野生種トマチン
ソラニン
1cm 調理の時に除去 育種で低減化されている 加工の時に除去どんな食品も絶対安全とはいえない
トリプシンインヒビター
加工の時に除去ジャガイモは、重要な食資源であり、エ
ネルギー源(デンプン)、ビタミンCの供
給源となる(穀類や豆はビタミンCを含ま
ない)
ジャガイモ中にはソラニン(グリコアルカ
ロイド)という毒物が含まれている。
芽に多いが、皮や中身にもある。
【ジャガイモの例】
どんな食品も絶対安全とはいえない(2)
ジャガイモの部位 グリコアルカロイド含量(mg/kg) 皮をむいたイモ 46 皮 1430 芽 7640 葉 9080 【グリコアルカロイド】 アセチルコリンエステラーゼ阻 害物質(殺虫成分) 加熱により減少しない 1cm 2930
塩や水、添加物も、食べる量によっては、
有害
にも
無害
にもなる
どのような食品も、度を超して大量に食べると健康を害する
《どのくらいの量なら体に影響を与えないかを知って、食べる必要がある》 暴露量(摂取量)(※) 生体へ の 影響の 程 度 死亡生体反応
出現
有害反応
出現
中毒
影響大 摂取量と生体影響の関係安全な食品や添加物があるのではなく、
安全な量
があるだけ
量について考えよう
(※)横軸(摂取量)は対数表記31
天然由来の添加物は安全?
「天然だから」、「食経験があるから」、
安全と思われているようだが、天然由来の
方が安全性が高いというわけではない
パラケルスス (スイスの医学者、錬金術師、1493-1541)“全ての物質は毒
であり、薬であ
る。量が毒か薬
かを区別する“
例えば、医薬品は
適量を守れば “良薬”
適量を過ぎれば “毒薬
”
大事なことは毒性の限界値の見きわめ!
32
人体に入った化学物質のゆくえ
④
肝臓:代謝・解毒・胆汁を作る
③
腸管:吸収後血中→
肝臓→心臓→ 全身へ
腸管を素通り
し
て
排泄
②
我々の体には、排泄や代謝・分解機能があり、
一定の量までは
悪影響が現われません
①
食品ととも
に口の中へ
吸収後腎臓か
ら尿と
一
緒に
、
ま
た
は
胆汁を経由し
て
便
と
一
緒に
排泄
⑤
食品の安全を守るしくみ
【基本原則】
○消費者の健康保護の最優先
○リスク分析の導入
(科学的根拠の重視)
○食品安全基本法の制定
○食品安全委員会の設置
(平成15年7月)我が国の食品安全行政のあり方
手段
○農場から食卓まで(フード チェーン)の一貫した対策 ○リスク分析の導入後始末より未然防止
34 2003年、国際食品規格委員会(Codex, FAO/WHO)35
食品安全を守るしくみ
(リスク分析)
厚生労働省、農林水産省、
消費者庁 等
・最大残留基準値(MRL)の設定 ・規格・輸入基準の設定 ・検査、サーベイランス、指導等食品安全委員会
・リスクの同定 ・ADI,TDIの設定 ・リスク管理施策の評価等リスク評価
リスク管理
第2条 使ってよい食品添加物は決められている
それら以外は使ってはいけない
-(指定制度)
人の健康を損なうおそれのない場合として厚生労働大臣
が 薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定める場合を除いては、 添加物(天然香料及び一般に食品として飲食に供されている物であって添加 物として使用されるものを除く。)並びにこれを含む製剤及び食品は、 これを販売し、又は販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、 貯蔵し、若しくは陳列してはならない。食品衛生法第10条
食品添加物(Type of Food Additives)
一般飲食物
添加物
イチゴジュース、寒天など 約100品目 天然香料既存添加物
当初489品目 124品目が消除現在365品目
(2011.5.6) クチナシ色素、柿タンニン など指定添加物
現在443品目
(2014.8.8) ソルビン酸、 キシリトールなど バニラ香料、カニ香料など 約600品目 http://www.ffcr.or.jp/zaidan/FFCRH OME.nsf/pages/list-nat.flavors HO O 平成7年食品衛生法改正以前に使用されていた天然添加物 指定添加物以外ADI等確認 規格基準の検討 省令・告示の改正 WTO通報、パブリックコメント 内容確認 申請の確認 厚生労働省
食品添加物の指定の流れ
(平成21年9月以降) 意見聴取 薬事・ 食 品衛生審 議会 食品衛生分科 会 ・ 添 加 物 部 会 指定等要請者 通知、勧告 内閣総理大臣 消費者庁 毒性データ評価 ・慢性毒性試験 ・発がん性試験 ・催奇形性試験 等 食品安全委員会 ADI設定等 パブリックコメント ADI案等 有効性及び規格に関する資料 リスク評価の依頼 省令・告示案 諮問 答申 リスク評価 協議 回答 リスク管理 38第3条 添加物は科学的に安全性
が確認されている
(安全性評価)
40
単回投与毒性試験
(急性毒性) 1回の投与で短期間に出る毒性反復投与毒性試験
(亜急性(28,90日)、慢性(1年間)) 長期間の投与で出る毒性繁殖毒性試験
実験動物2世代にわたる生殖機能や新生児の生育への影響発生毒性試験
妊娠中の動物に投与した際の胎児への影響発がん性試験
悪性腫瘍の発生・促進の毒性体内動態試験
体内での吸収、分布代謝、排泄などの試験遺伝毒性試験
(変異原性試験) DNAや染色体に変化を与えるか一般薬理試験 等
無毒性量を決めるための動物実験等
さまざまな動物実験のデータを利用
9
無毒性量
=動物の健康に 悪影響を与えない 最も多い量100
1
100分の1に 安全係数一日摂取許容量
(ADI)
ネズミやイヌなど複数の動物で 色々な毒性の試験をして 求めたもの 人が一生の間、 毎日取り続けても 健康に影響しない量ヒトがある物質を毎日一生涯にわたって摂取し続けても、
現在の科学的知見からみて健康への悪影響がないと推定される
一日当たりの摂取量のこと
食品の安全性に関する用語集(食品安全委員会事務局)一日摂取許容量とは
41ADI =
動物実験から得られた無毒性量(NOAEL)÷安全係数
安全係数=動物とヒトの違い(種差)×ヒトの個人差(個体差)
(一般にそれぞれ10として安全係数を100とする
無毒性量
(No-Observed Adverse Effect Level, NOAEL):
動物実験で有害な作用を示さない量
毒性の 強 さ 試験物質の投与量 無毒性量 無毒性量 一日摂取許容量 使用基準量(使用量上限)一日摂取許容量
(Acceptable Daily Intake, ADI):人が生涯にわ
たって毎日摂取し続けても、健康に影響をおよぼさない量
厚生労働大臣は、公衆衛生の見地から、薬事・食品衛生審議会の意見を 聴いて販売の用に供する食品若しくは添加物の製造、加工、使用、調理若 しくは保存の方法につき基準を定め、 又は販売の用に供する食品若しくは 添加物の 成分につき規格を定めることができる。 食品衛生法第11条 食品又は添加物の基準及び規格
食品・添加物等の規格基準
(昭和34年12月28日厚生省告示第370 ←食品、添加物、器具及び容器包装の規格及び基準、食品衛生試験法(昭和23年)第4条 添加物の品質が決められている
(規格・基準)
食品衛生法第11条
規格値の設定及び試験法の確立に関する研究
成分規格
有効性、安全性に関し、同等とみなすことができる一定の 品質を保証するためのもの 規格値及び試験法を設定製造基準
食品添加物及び食品添加物の製剤を製造するときに守らなければならない基準使用基準
食品添加物及び食品添加物の製剤を使って食品を作る際に守らなければならない対象食品や量に関する基準保存基準
保存条件に関する基準品質や使用量 は?
→食品添加物には、純度や成分についての規格や、使用できる量などの基 準が定められています。(例示) L-アスコルビン酸 L-Ascorbic Acid ビタミンC O O HO H OH H OH HO C6H8O6 分子量 176.12 (5R)-5-[(1S)-1,2-Dihydroxyethyl]-3,4-dihydroxyfuran-2(5H)-one [50-81-7] 含 量 本品を乾燥したものは,L-アスコルビン酸(C6H8O6) 99.0%以上を含む 。 性 状 本品は,白~帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末で,においがなく,酸味がある。 確認試験 ⑴ 本品0.1g にメタリン酸溶液(1→50) 100ml を加えて溶かした液 5ml に,液 がわずかに黄色を呈するまでヨウ素試液を滴加する。この液は,硫酸銅溶液(1→1,000) 1 滴及びピロール 1 滴を加えて水浴中で 50~60℃で 5 分間加温するとき,青~青緑色 を呈する。 ⑵ 本品の水溶液(1→100) 10ml に 2,6-ジクロロフェノールインドフェノールナトリウム 試液1~2 滴を加えた液は,青色を呈し,その色は直ちに消える。 純度試験 ⑴ 比旋光度 〔α〕20 D =+20.5~+21.5°(1g,新たに煮沸し冷却した水,10ml, 乾燥物換算) ⑵ 融点 187~192℃ ⑶ 重金属 Pb として 20μg/g 以下(1.0g,第 1 法,比較液 鉛標準液 2.0ml) ⑷ ヒ素 As2O3として4.0μg/g 以下(0.50g,第 1 法,装置 B) 乾燥減量 0.40%以下(減圧,3 時間) 強熱残分 0.10%以下 定 量 法 本品を乾燥し,その約 0.2g を精密に量り,メタリン酸溶液(1→50) 50ml を加え て溶かし,0.05mol/L ヨウ素溶液で滴定する(指示薬 デンプン試液)。 0.05mol/L ヨウ素溶液 1ml=8.806mg C6H8O6
第5条.添加物は食べる量が決めら
れている
*
(使用基準)
何でも大量に食べると毒-じゅう • 食品添加物の品目ごとに使う食品が決められている • 一日摂取許容量(ADI)に基づき、日本人の各食品の摂取量な どを考慮した上で、使用対象食品や最大使用量などを決める • 使用基準の上限量を添加しても、ADIを十分下回る量しか摂取 しないようになっている
使用基準
摂取量がADIを超えないように下記を制限する
① 使用できる食品の種類
② 食品に添加する使用量度
③ 使用目的
④ 使用方法
重要
物質名
対象食品
使用量
使用制限
用途
グリチルリチン酸 二ナトリウム しょう油、みそ 甘味料 スクラロース 菓子・生菓子 チューインガム ジャム など その他の食品 特別用途食品 1.8g/kg以下 2.6g/kg以下 1.8g/kg以下 0.58g/kg以下 許可量 甘味料 リン酸一水素カ ルシウム チューインガム Caとして10%以下 食品の製造・加工で必要不可欠及び 栄養目的に限る ガムベー ス 過酸化水素 最終食品完成前 に分解又は除去 殺菌料 β-カロテン こんぶ類、食肉、 鮮魚介類、野菜等 に使用しないこと 着色料 ジフェニル グレープフルー ツ、レモン、 オレンジ類 0.070g/kg 未満 貯蔵・運搬用容器に入れる紙片に浸 潤させて使用する 防かび 剤第6条 実際に食べ過ぎていない
か確認
(摂取量調査)
食品添加物の一日摂取量調査
O N H O O CH3 H H2N HOOC H HO Oマーケットバスケット方式
(Market Basket method)
国民栄養調査等を基に、全国6ヵ所 で食品を購入。購入した8つの食品 群(調味料・嗜好飲料、穀類、いも・ 豆類・種実類、魚介・肉類等)に分け、 食品群ごとに食品添加物を分析し、 含有量を求め、国民の平均的食品 喫食量を乗じて、それらの総和から、 1人が1日に食べる食品添加物の量 を推定する。
食品添加物一日摂取量調査
甘味料 保存料 色素 2,000 750 250 750 250 1,250 35 500 30 60 0 25 5 350 20 0 37 5 12 5 1,25062 5 250 0.01% 0.08% 0.06% 0.01% 0.58% 0.51% 0.46% 0.19% 0.02% 0.05% 0.02% 0.02% 0.01% 各⾷品添加物の⼀⽇摂取量と⼀⽇摂取許容量の⽐較
食品添加物の安全性確保の体系
規格・基準
の設定(物理・化学的性質)
実験動物を用いた
毒性試験
ADI
(許容1日摂取量)の設定
ADIを超えないように
使用基準
を設定
安全性確保
摂取量
調査
規格・基準の試 験法の設定 安全性評価 使用基準の監視 摂取量調査(
有効性
評価)
有効性 指定制度 未指定添加物 の監視53
Q 複合影響について
いろいろな
食品添加物を
いっしょに食べても
影響はないの?
「複合影響」とは、複数の化学物質を同時に摂った場合に 毒性影響を強めたり、弱めたり、化学物質同士が反応を起 こして新たな物質が生成されること。54
A 複合影響について
複合的な影響について最も研究が進んでいるのは、
医薬品同士、あるいは医薬品と食品や健康食品等
の組合せ(例:降圧剤とグレープフルーツジュース)
医薬品は薬効として生体に影響を与える用量で投
与されているため、複合的な影響が現れやすい
食品添加物同士の場合、ヒトが摂取する量は一日
摂取許容量(ADI)以下であり、ADIは動物
で何ら毒性が発現しない用量の1/100以下に
設定されているので、複合影響により、ヒトに健
康被害が発生する可能性は非常に低い
55
今日のまとめ
1.リスクのない食品はありません。
(天然由来でも、合成でも同じ)
2.リスクの有無や程度は食品を摂取する
量次第。(過剰に取り過ぎるとどんなもの
でも有害です。)
3.食品添加物は通常の食事からとる量では、
健康影響の出ない量で使用されています。
また、実際に摂取している量は影響の出る
量に比べて極めてわずかです。
内閣府 食品安全委員会は、食品に含まれる可能性のある農薬や食品添加物などが健康に及ぼす影響を科 学的に評価する機関(リスク評価機関)です。 国民の皆様に対し、その活動や委員会からのお知らせについて、ホームページ、メールマガジン、 Facebook、季刊誌「食品安全」でお知らせをしています。 56 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html 厚生労働省ホームページ 食品添加物