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(1)

日本開発政策・人材育成基金 

Japan Policy and Human Resources Development Fund (PHRD)

PHRD 2011

年次報告

(2)

日本開発政策・人材育成基金(

PHRD

)は、日本政 府と世界銀行のパートナーシップの下、

1988

年に 設立されました。

PHRD

の対象範囲は、以下の通 り

PHRD

運用合意書(

1999

3

月改定)に定めら れています。 「本基金は、世界銀行がその加盟国である途上国 において人材育成を支援し、途上国による開発政 策の策定・実施や日本と世銀のパートナーシップ 強化を促進するために出資するプロジェクト/プ ログラムや活動の策定・実施に関する技術協力な どのグラント活動に充てることができる」

PHRD

は世界銀行が運営・管理する信託基金の 中でも最大級の規模を誇り、被支援国政府による キャパシティ・ビルディングの取組みに独自の形で 貢献するものと評価されています。

有効性、

持続可能性、

パートナーシップの

向上

日本政府

世界銀行

(3)

i

2011

3

11

日の東日本大震災から

1

年が経ちました。改めまし て世界銀行グループより、お亡くなりになられた方々のご冥福を お祈り申し上げますと共に、被災された方々に心よりお見舞い申 し上げます。 本年度の年次報告は、アフリカ食糧危機への取り組み、太平洋島 嶼国やアジアの脆弱国における防災の支援、障害者の障壁の解消 を目的とした新たな日本開発政策・人材育成基金(

PHRD

)技術協 力(

TA

)プログラムの開始について紹介しています。モザンビーク、 タンザニア、リベリア、コートジボワール、シエラレオネ、ギニア において、稲作の生産性向上や、改良型の土壌・水管理技術を採 用する農家のために、

PHRD

技術協力プログラムから総額

4390

万 ドルのグラントが提供されました。また、バヌアツ、ソロモン諸 島、パプアニューギニア、キリバス、モンゴル、ラオス人民民主共 和国、ネパール、スリランカ、パキスタンにおける防災機能強化の ために、約

1390

万ドルが提供されました。さらに、ギニア、インド、 モロッコ、ルーマニア、ペルーに対し、障害者が直面する経済的、 社会的、構造上の様々な障壁への対策のために約

1330

万ドルが承 認されました。

1989

年に開始された

PHRD

技術協力プログラムは、

PHRD

基金の 中で最も大規模で最も歴史のあるプログラムです。技術協力プロ グラムの中心を占めているのがプロジェクト準備のコンポーネン トであり、受益国が世銀の融資を得られるよう質の高いプロジェ クトを準備するキャパシティ・ビルディングで重要な役割を果た してきました。

2011

年度に終了したプロジェクト準備グラント は、そうしたグラントを使用して準備されたプロジェクトに対す る約

10

5000

万ドルの世銀融資につながりました。

PHRD

技術 協力プログラムの気候変動イニシアティブ・グラントは、グラン ト受益国において他に先駆けて新たなアプローチを導入していま す。気候変動イニシアティブ・グラントを受けて実施され、

2011

年に終了した活動の主な成果としては、コロンビアにおける植林、 ならびにアグロフォレストリーと混牧林のシステムを通じた二酸 化炭素吸収源の開発、ブラジルが世界の炭素市場に参入するため の能力強化、モンゴルにおけるク リーン開発メカニズム・プロジェ クトなどが挙げられます。メキシ コでは、気候変動グラントによる研 究が、メキシコ湾岸の湿地帯にお ける気候変動適応プロジェクトの 設計に役立てられ、その後、同プロ ジェクトは特別気候変動基金の支 援を受けました。太平洋災害リスク評価ファイナンシング・イニ シアティブは、

PHRD

技術協力プログラムの資金を受けて

2011

年 に完了した影響力のある研究で、太平洋島嶼国において、災害後 支援と事前の予算計画を組み合わせた費用対効果の高いリスク・ ファイナンシング戦略の構築方法を特定しました。世銀は、この 場をお借りし、災害の脅威の高まりへの注意喚起と対応を促進す る上で、日本政府および日本の技術的専門家の皆様が極めて重要 な役割を果たしてくださっていることを強調させていただきます。

PHRD

技術協力プログラムで

2

番目に大きいコンポーネントが、日 本/世界銀行共同大学院奨学金制度で、世銀に加盟する途上国で 専門職についている中堅の人材に対して大学院教育を受けるため の奨学金を提供することにより、経済・社会開発の分野で極めて 有能な専門家集団を構築しています。

2011

年度、この制度により 新たに

292

件の奨学金が提供され、この内

3

分の

1

以上をアフリカ 地域の奨学生が占めています。

2011

年度は、スタッフ・長期コンサルタント・プログラムの下で 世銀での日本人採用のために提供されたグラント件数も過去最高 となり、長期コンサルタントおよび有期雇用職員の採用のために

48

件のグラントが承認されました。 グローバル・パートナーシップ信託基金業務局はこれからも、日 本政府と世銀との間で合意されている通り、開発のために

PHRD

基金を最大限効果的かつ効率的に活用していく所存です。

マイケル・コッホ

世界銀行グローバル・パートナーシップ

信託基金業務局長からのメッセージ

(4)

略語

ALOS Advanced Land Observation Satelite 陸域観測技術衛星

CARD Coalition for African Rice Development アフリカ稲作振興のための共同体 CC Climate Change Initiative 気候変動イニシアティブ

CFP Concessional Finance and Global Partnerships 譲許性資金・グローバル・パートナーシップ CGAP Consultative Group to Assist the Poorest 貧困層支援協議グループ

CGIAR Consultative Group on International Agriculture Research 国際農業研究協議グループ CoF Project Cofinancing プロジェクト協調支援

D&D Disaster and Development 災害と開発

DFSP Donor Funded Staff Program ドナー資金による職員採用プログラム DRM Disaster Risk Management 災害リスク管理

ERPA Emission Reduction Purchase Agreement 排出権購入契約 ETC Extended Term Consultant 長期コンサルタント

FY Fiscal Year 年度

GFDRR Global Facility for Disaster Reduction and Recovery 防災グローバル・ファシリティ

GDLN Global Development Learning Network グローバル・ディベロップメント・ラーニング・ネットワーク GoJ Government of Japan 日本政府

GRM Grant Reporting and Monitoring グラント報告・モニタリング

IBRD International Bank for Reconstruction and Development 国際復興開発銀行 ICM Implementation Completion Memorandum 実施完了メモランダム

IDA International Development Association 国際開発協会 IRRI International Rice Research Institute 国際稲研究所 JICA Japan International Cooperation Agency 国際協力機構

JIPS Japan Indonesia Presidential Scholarship Program 日本/インドネシア大統領奨学金プログラム JJ/WBGSP Joint Japan/World Bank Graduate Scholarship Program 日本/世界銀行共同大学院奨学金制度 JPO Junior Professional Officer ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー

JSDF Japan Social Development Fund 日本社会開発基金 M&E Monitoring and Evaluation モニタリング・評価

MIDP Most Innovative Development Project 最も革新的な開発プロジェクトに対する日本賞 ORD Outstanding Research on Development 開発分野の目覚しい研究に対する日本賞 PacRIS Pacific Catastrophe Risk Information System 太平洋災害リスク情報システム PFM Public Financial Management 財政管理

PHRD Policy and Human Resources Development Fund 日本開発政策・人材育成基金 PICs Pacific Island Countries 太平洋島嶼国

PP Project Preparation プロジェクト準備

TDLC Tokyo Development Learning Center 東京開発ラーニングセンター WB World Bank 世界銀行

(5)

iii

1

章:

序論および概要

1.1

PHRD

の起源と目的

. . . 1

1.2

プログラム概要

. . . 1

1.3

プログラムの実行

. . . 3

1.4

2011

年度のプログラム要旨

. . . 3

2

章:

PHRD

技術協力プログラム̶傾向と主な実績

2.1

プログラムの傾向

. . . 5

2.2

2011

年度に終了した

PHRD

技術協力グラントの主な実績

6

2.3

新たな

PHRD

技術協力プログラム

. . . 10

3

章:

人材育成

3.1

はじめに

. . . 15

3.2

日本/世界銀行共同大学院奨学金制度

. . . 15

3.3

日本/インドネシア大統領奨学金プログラム

. . . 15

3.4

日本/世界銀行パートナーシップ・プログラム

. . . 16

4

章:

PHRD

が支援するその他のプログラム

4.1

はじめに

. . . 18

4.2

日本

PHRD

スタッフ・

ETC

プログラム

. . . 18

4.3

日本ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー (

JPO

)プログラム

. . . 18

4.4

その他の

PHRD

プログラム

. . . 19

5

章:

PHRD

活動のモニタリングと評価

5.1

PHRD

活動の進捗状況と成果のモニタリング

. . . 21

6

章:

PHRD

および

PHRD

の資金によるプログラムに

ついての情報

6.1

PHRD

についての情報

. . . 23

6.2

PHRD

の資金によるプログラム

. . . 23

図一覧

1

PHRD

への年間拠出額の推移(単位:

100

万ドル)

. . . 1

2

PHRD

プログラム別実行額(

2011

年度と

2010

年度)

. . . 3

3

PHRD

技術協力グラントの配分額と実行額 (

1998-2011

年度)

. . . 5

4

PHRD

技術協力

Pillar I

̶受益国

. . . 10

5

PHRD

技術協力

Pillar II

̶受益国

. . . 11

6

PHRD

技術協力

Pillar III

̶受益国

. . . 12

7

地震ハザードマップ̶パプアニューギニア

. . . 13

8

実地調査された資産データ̶

8

万棟

. . . 13

9

承認されたスタッフ・グラント件数(

2000-2011

年度)

. . . . 18

表一覧

1

スタッフ・

ETC

グラントの承認(

2009-2011

年度)

. . . 18

2

2011

年度のその他の

PHRD

プログラムへの配分額

. . . 19

囲み一覧

囲み

1

終了した

2

件のプロジェクト準備グラントの成果

. . . 7

囲み

2

終了した

2

件のプロジェクト協調支援グラントの成果

. . . 8

囲み

3

終了した

2

件の気候変動イニシアチブ・グラントの成果

9

囲み

4

2011

年国際開発賞

. . . 16

目次

(6)
(7)

1

1.1

PHRD

の起源と目的

日本開発政策・人材育成基金(

PHRD

)は、日本政府と世界銀行の パートナーシップの下、

1988

年に設立されました。低所得国(グ ラント受領時点で国民一人当たり年間所得が

900

ドル以下の国) 向けの技術協力とキャパシティ・ビルディング・イニシアティブ に対する主要なグラントの

1

つです。

PHRD

は、世界銀行が運営・ 管理する信託基金の中でも有数の規模を誇り、過去

23

年間に、貧 困削減やキャパシティ・ビルディングの幅広い取組みにおいて開 発機関としての世銀の役割に独自の形で貢献するものと評価され ています。

PHRD

基金は、経済・金融危機の影響を受けた国々に 対し、いち早く、また多くの場合は唯一、譲許性資金を提供してき ました。 設立から

2011

年度までに、日本政府は

PHRD

に対し

26

億ドルを 拠出しています。

2006-2011

年度における

PHRD

に対する日本の 累積拠出額は、国際開発協会(

IDA

)/国際復興開発銀行(

IBRD

)に 対する信託基金拠出総額

28

億ドルの約

13

%を占めています。 この

10

年間で年間拠出額は減少傾向にあり、

2000

年度の約

5000

万ドルが

2004

年度は

2000

万ド ル、

2009

年 度 は

120

万 ド ル と なりました。しかし、

2010

年 度には、

2000

年度以降で最高 額に当たる

4100

万ドルの拠出 がありました。

2010

年度の拠 出額の一部は、世銀が管理運営 するもう

1

つの信託基金プログ ラムである日本社会開発基金 の緊急対応枠※1に移転されまし た※2

2011

年の年間拠出額は

2400

万ドルに減少しました。

1

章:

序論および概要

1.2

プログラム概要

PHRD

は、以下のプログラムを通じて、技術協力、人材育成および キャパシティ・ビルディング、日本人スタッフやコンサルタント、 日本/世界銀行パートナーシップ・イニシアティブを支援しました。

技術協力

• PHRD

技術協力(

TA

)プログラム:以前は、国際復興開発銀行

IBRD

)の貸出および国際開発協会(

IDA

)の融資・贈与によるプ ロジェクトの準備・実施を支援するグラントを提供していまし た。また、同プログラムは、気候変動関係の様々な取組みも支

1

PHRD

への年間拠出額の推移(単位:

100

万ドル)

2000 年度 20012002200320042005200620072008200920102011 198819891990199119921993199419951996199719981999 250 200 150 100 50 0 10 0

(8)

2 日 本 開 発 政 策 ・ 人 材 育 成 基 金   年 次 報 告

2 0 1 1

援しました。

2008

年度まで技術協力プログラムには、プロジェ クトの準備(

PP

)、実施、協調融資(

COF

)、気候変動イニシアティ ブ(

CC

)などの支援が含まれていました。

2009

年度に技術協力 プログラムのこうしたコンポーネントは廃止され、以降新規の グラントは提供されていません。

2011

7

月の時点で、約

63

件 のグラントが引き続き実施中です。

2009

年、技術協力プログラムは、

Pillar I

:農業と稲作の生産 性拡大に関する研究開発(

1

億ドル)、

Pillar II

:災害の削減と 復旧(

DRR

)プログラム(

5000

万ドル)、

Pillar III

:障害と開発 (

D&D

)プログラム(

4000

万ドル)、

Pillar IV

:日本政府と世界 銀行が合意するその他の活動、という

4

つのテーマ(

Pillar

)に再 編されました。

Pillar I

では、約

2000

万ドルが国際稲研究所お よびアフリカ稲研究センターに割り当てられました。残りの 資金はアフリカにおける稲作生産性拡大のための活動支援に 充てられます。新しい技術協力プログラムの政策文書は付録

I

の通りです。

2011

年度

PHRD

技術協力プログラムは、

2009-13

年度

PHRD

技術 協力政策文書の実施を可能にすることに主眼が置かれており、そ こには最初の

3

つの

Pillar

2010

10

月に修正)に基づくグラン ト・プロポーザルの準備および日本政府への承認申請が含まれて います。

人材育成およびキャパシティ・ビルディング

日本/世界銀行共同大学院奨学金制度(

JJ/WBGSP

):

1987

年に設立され、加盟国の国籍を有する人材を対象に大学院修 士課程教育を受けるための奨学金を提供しています。日本が 支援して他の国際開発金融機関が管理する同様の奨学金プロ グラムは他にもありますが、

JJ/WBGSP

はいずれのプログラ ムにも先駆けて設置され、はるかに大きな規模を誇っていま す。日本政府は設立以来

2

4094

万ドルを本プログラムのた めに承認し、その

96

%が

2011

年度末までに実行されました。

序論および概要

1

• PHRD

世界銀行研究所(

WBI

)能力開発 グラント・プログラム:

WBI

の能力開 発活動、特に東・南・中央アジアでの活 動を中心に支援します。設置以来、日 本政府は

4444

万ドルを承認しており、 その内約

97

%が

2011

年度末までに実 行されました。このプログラムは

2011

年度に終了しました。

日本/インドネシア大統領奨学金プロ グラム(

JIPS

:経済、経営、教育、保健、 農業、インフラ、環境など開発関連分野 での研究を支援するため

2008

年に設置 されました。日本政府はこの新プログ ラムに対しこれまでに

300

万ドルを提 供し、内

62

%が

2011

年度末までに実行されています。

日本人スタッフおよびコンサルタント

日本

PHRD

スタッフ・長期コンサルタント(

ETC

)プログラム: 世銀のスタッフまたは長期コンサルタントとしての日本人の 採用を支援する目的で

2004

年に設置されました。このプログ ラムに対する日本政府の累積拠出額は

2850

万ドル(

2011

年度 末現在)で、内

71

%が実行されています。

パートナーシップ・イニシアティブ

日本・世界銀行パートナーシップ・プログラム:主要な開発 問題に関して日本のステークホルダーと世銀のパートナー シップを構築し、国際的開発問題に対する日本国民の関心を 高め、援助協調イニシアティブを強化する活動を支援します。 このプログラムへの拠出総額は

2011

6

月末現在で

5774

万 ドルで、

89

%が実行されています。

PHRD

は、こうした主力プログラムの他に、世界銀行が大きな役 割を担う国際社会の取組みも支援しています(第

2

3

4

章で詳

(9)

3 述)。日本ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー・プログ ラム、貧困層支援協議グループ、国際農業研究協議グループ、東京 開発ラーニングセンター、国際エイズワクチン推進機構、防災グ ローバル・ファシリティ(

GFDRR

)、クリティカル・エコシステム・ パートナーシップ基金など、世銀グループが運営する他のプログ ラムに

PHRD

PHRD

技術協力プログラムから資金を移転するこ とも、しばしば行われます。

1.3

プログラムの実行

2011

年度、

PHRD

の実行総額

5860

万ドルの約

2

分の

1

PHRD

技 術協力プログラムに対するものでした。

PHRD

技術協力プログラ ムが実行総額に占める割合が最も高いのは前年度までと同じです が、

2010

年度と比べると

9

%ポイント低下しています。

PHRD TA

実行額は

2008

年度以降一貫して減少しています。、その主な原因 としては、かつての取組みが順次終了したこと、

2011

年度内に新

TA

プログラムで新規承認がなかったこと等が挙げられます。しか し、

2013

年度は

2011-2012

年度に承認された新規グラントの実 行により、実行額が増加する見込みです。実行額の中で

2

番目に大 きな割合を占めたのは

JJ/WBGSP

でした。スタッフ

ETC

プログラ ムの

2011

年度の実行額は、前年度と比べて

4

%ポイント増加しま した。

1.4

2011

年度のプログラム要旨

• 2011

年度に終了した

13

件のプロジェクト準備グラントは、そ うしたグラントにより準備されたプロジェクトに対する約

10

5000

万ドルの世銀融資につながりました。

アフリカにおける農業生産性の向上、防災、障害対策に主眼を 置いた新たな

PHRD

技術協力プログラムが開始され、

17

件の グラント・プロポーザル(

1

240

万ドル)が日本政府の承認を 受けています。

• JJ/WBGSP

プログラムへの

2050

万ドルの拠出により、通常プ ログラムおよびパートナーシップ・プログラムの下で新たに

292

件の奨学金が提供されました。奨学生の

3

分の

1

以上がア フリカ地域出身者でした。

スタッフ・

ETC

プログラムにより、

48

人の日本人が世銀に採 用され、グラント件数は同プログラム史上最多となりました。

• 2011

6

月に日本がドナー資金による職員採用プログラム (

DFSP

)に正式に参加し、同プログラムの下で日本政府は

10

の職種を承認しました。

• PHRD

から他の非中核的プログラムへの移転額は

2420

万ドル で、

CEPF

がこの内

1000

万ドルを受領しました。 ※1日本政府は2009年度から3年間にわたり、食糧、燃料、金融の3つの危機に対応するため、JSDF緊急対応枠に2億ドルの拠出を誓約しています。 ※2 www.worldbank.org/jsdf

2

PHRD

プログラム別実行額(

2011

年度と

2010

年度)

序論および概要

1

WBI能力開発 90万ドル(1%) パートナーシップ 500万ドル (7%) JIPS 70万ドル (1%) スタッフ・ETC グラント 380万ドル (6%) PHRD TA プログラム 4010万ドル (59%) JJ/WB GSP 1780万ドル (26%) WBI能力開発 20万ドル(0%) パートナーシップ・ グラント 320万ドル (5%) JIPS 100万ドル (1%) スタッフ・ETC グラント 560万ドル (10%) PHRD TA プログラム 2930万ドル 50%) JJ/WB GSP 1930万ドル (33%)

2011

年度

2010

年度

(10)
(11)

5

2

章:

PHRD

技術協力プログラム

̶傾向と主な実績

国にとって、

IBRD

による貸出や

IDA

の融資を受ける準備のための 重要な資金源です。プロジェクト準備グラントは、借入を希望す る国に直接提供され、世銀融資申請文書の作成に必要な分析調査 に欠かせない専門知識獲得に向け、世銀プロジェクトの品質や受 益国のオーナーシップの強化に充てられます。平均すると

2000-2005

年度に承認された融資総数の内

3

分の

1

以上がプロジェクト 準備グラントの支援を受けていました。その後、この割合はいく つかの理由により徐々に低下してきています。 プロジェクト準備グラントを受 けて計画されたにもかかわらず、 そうしたプロジェクトが世銀融 資プログラムでの承認に至らな いのは、グラント受益国政府が重 点分野/政策を転換し、そのプロ ジェクトへの関心を失った場合 や、国内で政治危機が発生した場 合などです。たとえば、

2011

年 度に終了したプロジェクト準備 グラントを受けて準備された

3

件 のプロジェクトは、当該地域にお ける政治危機のために世銀理事 会への申請承認が提出されませ んでした。さらに、当該プロジェ クトへの融資を行うには改革策 が不十分であると世銀が判断し た場合にも、プロジェクト準備グラントを受けて計画された予算 支援プロジェクトに対する融資は承認されません。

2.1

プログラムの傾向

プログラムの設置以降、(旧)

PHRD

技術協力プログラムの種々のコ ンポーネントに対する累計配分額は

22

7000

万ドルで、その内約

74

%が実行されています。図

3

は、配分額の推移を示していますが、

2010

年度に

210

万ドル、

2011

年度にはわずか

4

万ドルまで減少す るなど、年によってばらつきがあります。前述の通り、

2007

年度 以降の減少は、かつての技術協力プログラムが順次終了している ことが主な原因です。 旧プログラムに基づくグラントが終了する一方、新プログラムで のグラントはまだ実施されていないため、図

3

に示されている実行 額は旧技術協力プログラムの下でのグラントです。

2011

年度の実 行額は、

2010

年度の

4000

万ドルに対し、

2900

万ドルとなってい ます。

2012

年度は、新規グラントが実施されるため、実行額の増 加が見込まれています。

PHRD

技術協力プログラムは、その大半をプロジェクト準備(

PP

) グラントが占めています。同グラントは、低所得国や低位中所得

3

PHRD

技術協力グラントの配分額と実行額(

1988-2011

年度)

2000 300 250 200 150 100 50 0 10 0 年度 20012002200320042005200620072008200920102011 198819891990199119921993199419951996199719981999 配分額 実行額

(12)

6 日 本 開 発 政 策 ・ 人 材 育 成 基 金   年 次 報 告

2 0 1 1

2.2

2011

年度に終了した

PHRD

技術協力グラン

トの主な実績

2011

年度には旧技術協力プログラムの

37

件のグラント(

4110

万 ドル)が終了しました。その主な成果は以下の通りです。

プロジェクト準備グラント

2011

年度に終了したプロジェクト準備グラントは、技術協力グラ ント

37

件の内の

20

件で、技術協力プログラムからの実行総額の

76

%を占めました。同グラントは、農業、教育、保健サービスから、 金融、エネルギー、運輸へのアクセス改善、農村の生計機会拡大、 環境まで、多岐にわたるプロジェクトを受益国政府が準備する際 の支援に役立てられました。 終了したプロジェクト準備グラ ントの主な成果としては、(

i

)同 グラントを受けて準備されたプ ロジェクトに対する資金の動 員、(

ii

)ベスト・プラクティスの 例示と知識の移転、(

iii

)機関の 垣根を越えた実施能力の構築、 (

iv

)これまで世銀資金を受けた ことのない一部受益国への初の 世銀支援、などが挙げられます。 終了したプロジェクト準備グラ ントによる資金動員:

終 了 し た

13

件 の グ ラ ン ト は、これらグラントにより 準 備 さ れ 承 認 さ れ た プ ロ ジェクトに対し約

10

5000

万ドルの世銀融資を動員。

ベトナム:水の持続可能な提供のために約

2000

万ドルの

IDA

融資、水力発電開発のために

3

3000

万ドルの世銀貸出。

モザンビーク:水と衛生プロジェクトへの

IDA

融資。

ニカラグア:改革戦略のためのマルチドナー融資が、世銀、米 州開発銀行、欧州連合による協調融資プロジェクトとして結実。 ベスト・プラクティスの例示と知識の移転:

ベトナム:水力発電開発分野におけるベスト・プラクティス 共有の機会

アルメニア:アジア、ヨーロッパ、南北アメリカの国々との交 流を通じ多くの知識を獲得。

インドネシア:制度改革や変更管理を手がける省庁間での知 識の相互交換を促進するために、財政管理(

PFM

)チームと広 範囲に協調。

ウズベキスタン、ニカラグア:国内のコンサルティング企業 が、海外のコンサルタントとの交流を通じて、水と衛生に関す る貴重な新しい知識や経験を獲得。 プロジェクト準備グラントにより、いくつかの国で新たなアイデ アやアプローチの初の試行に役立つ環境が整いました。例えば:

グラントの実施によりパプアニューギニアの機能が強化され、 農村部通信プロジェクト―パプアニューギニアで初の受領者 が実施する取組み―の準備が可能に。これは同国にとって重 要な学習機会となり、後続の

IDA

プロジェクトの管理責任を負 うという流れを促進。

ベトナムで初の

IBRD

水力発電プロジェクトを、プロジェクト 準備グランドを受けて準備。

PHRD

技術協力プログラム̶傾向と主な実績

2

(13)

7

プロジェクト協調支援グラント

プロジェクト協調支援グラントは、

IDA

融資適格国や

IDA/IBRD

ブ レンド国における世銀プロジェクトのために組織としての能力強 化を図る技術協力の支援に充てられました。

2011

年度は

9

件のグ ラント(

2141

万ドル)が終了し、承認額の

68

%が実行されました。 終了した協調支援グラントは、鳥インフルエンザ対策プロジェク ト(アルバニア、アルメニア、グルジア)、ガバナンス・財政管理・ 歳入管理、制度改革とキャパシティ・ビルディング(インドネシア およびケニア)、農村開発および農村企業(グルジアおよびアルメ ニア)に役立てられました。 終了したプロジェクト協調支援グラントの主な成果としては、(

i

) 投融資の動員、(

ii

)効果的なトレーニング、(

iii

)他のドナーとの生 産的パートナーシップ、(

iv

)制度面・技術面での能力強化が挙げら れます。 投融資の動員:

グルジア:農村開発プロジェクトにおいて、生産のための融 資の査定・管理でマイクロファイナンス機関を支援し、マイ クロファイナンス融資活動をきわめて有益な形で実施。

アルメニア:農業関連の中小企業

132

社に総額

640

万ドルの 長期農業金融へのアクセスを可能にすることで恩恵をもたら し、農村地域への総額

1030

万ドルの投資を創出。 トレーニング・実証プログラムによる具体的な成果:

ガンビア:教育支援のトレーニング・認証プログラムにより、 中途退学率の低下と就学率の上昇がもたらされ、教育ツール の開発・実施と、近代的な補助教材の導入が実現。

グルジア:農家を対象に新技術の実地説明が行われ、農業慣 行が改善され、栽培地の生産性や農産物の質が向上し、最終的 には地元住民の雇用率向上と所得増加に貢献。

PHRD

技術協力プログラム̶傾向と主な実績

2

囲み1:

終了した

2

件のプロジェクト準備グラントの成果

アルメニア政府に対し、アルメニア

E

ソサエティ・イノベーショ ン・競争プロジェクトについて世銀融資の申請準備のためにプ ロジェクト準備グラントが提供されました。同プロジェクトは、ア ルメニアの情報通信技術セクターにおける技術革新と雇用の機 会を高め、競争力を強化し、市民や実業界の情報アクセスを向 上させることを目的としたもので、世銀の承認を受け、主に以 下のような成果を上げました。

本グラントを受けた技術協力および助言支援により、トレーニ ングおよび大量の知識移転を通じて参加機関の機能が強化さ れました。

本グラントにより、ブロードバンドの官民パートナーシップ、ベ ンチャーキャピタル基金、ギュムリ技術センターといった革新 的な特長を備えた、プロジェクト設計への取り込みが可能に。

関連融資プロジェクトの開始時の質が大幅に高まり、プロジェ クト成功に向けクライアントが万全の準備。 ニカラグア公共セクター技術協力プロジェクトへの世銀融資申 請の準備のために、ニカラグア政府にプロジェクト準備グラント が提供されました。ガバナンス向上に向けた公共政策の策定・ 実施における公共セクターの機能強化を継続的に図っていくこ とが、同プロジェクトの目的です。そのためには、貧困削減プロ グラムの実施のための公的資源の活用における全体的な効率 と透明性の改善が必要です。このグラントは、世銀、米州開発 銀行、欧州連合による協調融資プロジェクトを支える包括的な 財政管理戦略の準備に充てられました。主な

3

つの成果は以下 の通りです。

参加型プロセスを通じて構築された新たな財政管理統合モデ ル(財務手順と運営手順の統合)を策定。専門家にグラントの 支援。

既製ソリューションへの移行。

ニカラグアの中核的な財政管理制度(予算、会計、国庫、公共 負債)およびその他の非中核的な運営手続き(人事、公共投 資、調達、国家資産)、ならびに規制、規範、手続きの強化を 目的とする財政管理近代化計画の策定。

(14)

8 日 本 開 発 政 策 ・ 人 材 育 成 基 金   年 次 報 告

2 0 1 1

PHRD

技術協力プログラム̶傾向と主な実績

2

囲み

2

終了した

2

件のプロジェクト協調支援グラントの成果

アルメニア:農村企業・小規模商業的農業開発プロジェクト このグラントの目的は、アルメニアの農村地域に対する官民からの市場志向の投資を促進することによって農家や農村企業の市場アクセスを向 上させ、雇用機会を高めることを主な目的とするプロジェクトに対して、世銀融資との協調支援を行うことでした。このグラントは、農村金融セク ターのキャパシティ・ビルディング、農業拡張システム、種子市場の構築、地域社会主導型経済開発など、プロジェクト・コンポーネントのすべてで、 それぞれ必要とされている技術協力を提供するために役立ちました。

PHRD

資金を受けた活動がもたらした主な成果は以下の通りです。

132

の中小規模の農業関連企業が農業金融へのアクセスを得て、農村地域への多額の投資を動員

法律や規則の改定により種子・苗木市場を改善し、種子局を新設

地域社会の計画策定能力が強化され、地域社会の経済開発に対する

1200

万ドル以上の投資の創出を通じて

141

の村落コミュニティに暮らす

10

万人以上に恩恵 ガンビア:第

2

期教育支援プログラムを支援する第三次教育セクター・プロジェクト 本グラントは、基礎教育での指導・学習の条件改善を主な目的とするプロジェクトにおける組織・制度面でのキャパシティ・ビルディングのコンポー ネントに役立てられました。金融、建設管理、教育管理、建築積算から、カリキュラム管理、英語、情報技術まで、様々な学問分野における長期 的な学校教育への資金援助を通じて、専門職員の能力強化を支援しました。さらに、費用効果の高いクラスター型の研修コースをはじめとする 幅広い現職者研修によって、

3,700

人以上の教職員が恩恵を受けました。このグラントは、持続可能な書籍刊行システム、計画立案および教育管 理の分権化、成果に対する説明責任、品質基準向上に向けた指導・学習のモニタリングに充てられました。キャパシティ・ビルディング・イニシアティ ブがもたらした主な成果は、以下の通りです。

中途退学率の低下、進学率の上昇

就学率の上昇(特に女子)、人種的障壁の低減

生徒

1

人当たり教科書数の増加 マルチドナー・チームの一員として生産的パートナーシップを 推進:

インドネシア:世銀の他、米財務省、

GPF

オーストラリア、韓 国などのドナーによる支援を受けたガバナンス・財政管理改 革プログラムにおいて重要な役割を実行。

ケニア:世銀を含む様々なパートナーからの資金をプールし、 組織・制度改革とキャパシティ・ビルディングを支援。 政府の新たな情報関連システム、プロセス、法律の構築と導入:

キルギスタン共和国、アルメニア:鳥インフルエンザ対策を 支援するための新たな管理、コミュニケーション、情報システ ムのアプローチを採用。

アルバニア:より効率的な疾病予防/管理および緊急時対応 計画を可能にするための新たな法律・規制上の枠組みを構築。

キルギスタン共和国:新たな獣医法を制定。

アルメニア:種子市場構築を支援する近代的な法律や規制を 導入。

気候変動イニシアティブ・グラント

気候変動イニシアティブ・グラントは、気候変動の問題を受益国 の開発計画立案プロセスに盛り込むため役立てられています。ま た、温室効果ガス排出削減に向けた世銀プロジェクトの準備や実 施、さらには、エネルギー効率や気候変動の悪影響への適応の推

(15)

9

PHRD

技術協力プログラム̶傾向と主な実績

2

囲み

3

終了した

2

件の気候変動イニシアティブ・グラントの成果

メキシコ:気候変動への適応 このグラントは、気候変動がメキシコ国内の水資源および領土内の沿岸湿地 帯にもたらす影響にメキシコ政府が対処する際の支援を提供することが目的 で、メキシコ湾沿岸における極端な気象現象や高潮の影響を評価するツール の開発、日本の陸域観測技術衛星(

ALOS

)を使用した湿地でのリモートセン シング調査、気候変動が沿岸湿地帯にもたらす最終的な影響の評価という領 域において、技術研究に役立てられました。特別気候変動基金から資金を受 けた「メキシコ湾における沿岸湿地帯への気候変動の影響への適応」は、これ らの研究に基づいて設計・準備が行われました。

ALOS

を使用して生成された沿岸湿地帯データのアクセスやその活用に関す る日本の国家機関とその技術支援部門である

RESTEC

との協力は、大きな成 果を収めました。それらの日本の機関が現地でトレーニングを実施し、そうし た協力の結果として技術的能力が大幅に向上しました。沿岸湿地帯の継続 的な監視と診断のために

3

種類のセンサーを使用した

ALOS

画像を保存する アーカイブが設けられました。そうした結果は質が極めて高く、ラムサール 条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)代表者に も、他の地域にも配備すべき事例として紹介されています。 コロンビア:サンニコラス二酸化炭素吸収源プロジェクト このグラントは、放置された

800

万ヘクタールの放牧地での再植林、アグロ フォレストリと混牧林のシステムを通じた二酸化炭素吸収源の開発において グラント受益者である

CORNARE/MASBOSQUES

の能力強化に大きく貢献し ました。同グラントは、コロンビアにおける炭素処理の方法および二酸化炭 素吸収源のための付加的ツールの開発に向けた技術協力、絶滅の危機に瀕 している樹木種の回復と強化、持続可能な森林管理に向けた農家のトレーニ ングとキャパシティ・ビルディング、社会資本および生物多様性保護の強化、 気候に対する意識喚起やカーボンファイナンスの利用促進などの活動に充て られました。こうした活動は、付随プロジェクトである森林減少・劣化等によ る温室効果ガス排出量の削減(

REDD

)コンポーネントの方法論の設計、なら びにクリーン開発メカニズム(

CDM

)コンポーネントの対象区域を定めるため の初期調査と評価に役立てられました。さらに、グラントを受領した活動によ り、天然資源(森林)の管理と保全に関するコミュニティ組織の機能強化、森 林管理を通じた天然資源(特に土壌と水)の回復と保全、農業慣行への樹木 種の導入などを通じて、サンニコラス渓谷の小規模農家の生計向上に役立ち ました。 進にも充てられています。

2011

年度は

6

件のグラント (

357

万ドル)が終了し、実行率は

68

%でした。これら のグラントは、気候変動の原因と影響の両方に取り組 むプロジェクトに充てられました。

5

件のグラントは キャパシティ・ビルディングおよびカーボンファイナ ンス実施に、

1

件は気候変動への適応に特化したもの でした。終了した気候変動グラントの主な成果は、以 下の通りです。 クリーン開発メカニズム(

CDM

)の支援:

コロンビア:二酸化炭素吸収源の開発により

CDM

プロジェクトの最新の対象地域を決定。

ブラジル:

CDM

の下でのプログラム活動の潜在 性と開発課題に関する診断と提言を政府に提供。 炭素市場や資金調達への参加能力の強化:

ケニア:グリーンベルト運動が、排出権購入契約 (

ERPA

)に規定されている、バイオ炭素基金アクセ スのすべての条件を満たすよう支援。

モンゴル:自然環境観光省によるカーボン・ファ イナンス・プロジェクトの開発・実施能力を育成 し、

2

件の

ERPA

を検証。

ブラジル:炭素市場の組織・制度やインフラの強 化により、炭素市場参加を拡大。 気候変動アジェンダを支援する新たな方法の設計:

コロンビア:二酸化炭素吸収源の開発を支援する ための排出量削減の定量化と監視の方法を改定。

メキシコ湾沿岸:大型ハリケーンによる影響の評 価と定量化の新たな方法を設計。

(16)

10 日 本 開 発 政 策 ・ 人 材 育 成 基 金   年 次 報 告

2 0 1 1

2.3

新たな

PHRD

技術協力プログラム

2011

年度は

Pillar I-III

17

件のグラント・プロポーザル(

1

240

万ドル)が承認を求めて日本政府に提出されました。

2011

6

30

日現在で

8250

万ドル相当のグラントが承認されています。残 り

3

件のプロポーザル―

1

件はアフリカでの農業に関する

1496

万 ドルのプロポーザル(タンザニア)、

2

件は災害の削減と復旧に関す る合計

490

万ドルのプロポーザル(パプアニューギニアとキリバ ス)―は、

2012

年度初めに承認されました。詳細は付録

2

に掲載 しています。

Pillar I

:農業と米作の生産性拡大に関する研究開発

過去

20

年間にサブサハラ・アフリカではコメの消費量が急増し ましたが、生産量はそうした需要に追いついていません。その結 果、国際食糧価格が上昇する中でコメの輸入量が増加していきま した。こうした状況のために、もともと貧しかったアフリカの数 百万人が食糧を確保できないリスクに直面しています。コメはア フリカにおいて主要な穀物であり、生産量増加の潜在性も高いと 考えられています。 この課題に取り組むため、国際協力機構(

JICA

)は、

2008

5

月に 横浜で開催された第

4

回アフリカ開発会議のサイドイベントにお いて、「アフリカ緑の革命のための同盟」および「アフリカ開発のた めの新パートナーシップ」と連携して「アフリカ稲作新興(

CARD

) のための共同体」を立ち上げました。

CARD

加盟国は、国家稲作振興戦略の策定を順調に進め、そうし た戦略は国家プロセスやアフリカ農業総合開発プログラムのプロ セスの主流に組み込まれます。 食糧安全保障は日本による支援の重点対象です。

2008

年に大阪で 開催された

G8

財務相会合でも、食糧危機による直接的影響と食糧 不足の原因に対する世銀の取組みを支持することが表明されまし た。これを踏まえ、日本は

PHRD

稲作生産性・開発研究プログラム を支援しました。このプログラム に対する日本の支援は、大阪での

G8

財務相会合における確固たる コミットメントに基づいたもので す。

PHRD

技術協力プログラムでは、 サブサハラ・アフリカおよび東南 アジア諸国での次世代コメ品種 開発のために国際農業研究協議 グ ル ー プ(

CGIAR

)に 提 供 さ れ た

2000

万ドルに加え、これまでに

Pillar I

での

PHRD

技術協力グラン トで

6

か国が恩恵を受けています。

PHRD

技術協力プログラム̶傾向と主な実績

2

ギニア (900万ドル) シエラレオネ (1000万ドル) リベリア (800万ドル) コートジボワール (800万ドル) モザンビーク (1425万ドル) タンザニア (1425万ドル)

4

PHRD

技術協力

Pillar I

̶受益国

(グラント額)

(17)

11

Pillar II

:災害の削減と復旧(

DRR

DRR

プログラムは、そのプロジェクト設計において、兵庫行動枠 組

2005-2015

など、災害リスク管理(

DRM

)に関する世界の優良 事例および認められている国際基準や枠組みの大枠を指針として います。

PHRD

GFDRR

のパートナーシップ。本プログラムは、技術的 な焦点および資金調達アプローチにおける比較優位に基づいたも のです。

GFDRR

は、政府やその他の関係者に対して世銀が実行する需要主 導型の技術協力や助言に重点を置いていますが、

PHRD

技術協力 プログラムの資金によるプロジェクトは、グラント受益者(通常は 政府)によって実施されます。両アプローチ共に政府のオーナー シップとリーダーシップが中核を成していますが、

GFDRR

の支 援は、

PHRD

の優先支援対象である、政府の実行するパイロット・ プロジェクトや能力開発を補完します。こうした異なるメカニズ ムを組み合わせることで、災害に強い国づくりという長期的な取 組みを支援すると同時に、「比較的簡単に実施でき、効果を上げや すい取り組み(クイック・ウィン)」および主要知識の不足を補う ための対応が遅滞なく行われます。

2011

年度の

PHRD

技術協力

DRR

のプロポーザル。

PHRD

技術協 力プロジェクトの初年度、

9

件のプロジェクト・プロポーザルの承 認申請が日本政府に提出されました。 これらのプロジェクトは、当該国政府の

DRM

国別プログラムおよ び政策に明記されている最も緊急性の高い国家

DRM

優先事項の 一部に対応するものです。

DRM

国別プログラムの準備は

GFDRR

の支援によって進められ、国レベルでの

GFDRR

介入に一貫性や戦 略を与えるために各国政府によって承認された後、審査が行われ ています。

PHRD DRR

プログラムは、

GFDRR

が策定した

DRM

枠組みを指 針としています。したがって、プログラムの付加価値、および既 存の取組みや国家の優先課題との整合性を確保するため、

PHRD

プロジェクト・プロポーザルは、

GFDRR

の優先国における国家

DRM

の枠組みに従って選定されます。クライアント国政府(なら びに当該国の日本大使館および

JICA

)との実質的な協議がすべて のプロポーザルの基礎となっています。これまでに

9

件のプロポー ザル(

2240

万ドル)が日本政府の承認を受けています。 たとえばラオス人民民主共和国の

PHRD

グラントは、災害リスク 管理の実践を政府全体に広く定着させるために、

GFDRR

プログラ ムの下で国家・県の災害管理局に提供された最初の技術支援を踏 まえたものです。

GFDRR

の支援によって職員は、包括的な

DRM

主流化の潜在性を意識するようになり、

PHRD

を通じて可能と なったより広範な支援の要請が職員から出されています。さらに

PHRD

は、例えば排水系統、病院、学校などで災害に強い建設方法

PHRD

技術協力プログラム̶傾向と主な実績

2

パキスタン (270万ドル) モンゴル (270万ドル) ネパール (140万ドル) スリランカ (90万ドル) ラオス人民民主 共和国 (270万ドル) パプア・ニューギニア (270万ドル) (180キリバス万ドル) ソロモン諸島 (270万ドル) バヌアツ (270万ドル)

5

PHRD

技術協力

Pillar II

̶受益国

(グラント額)

(18)

12 日 本 開 発 政 策 ・ 人 材 育 成 基 金   年 次 報 告

2 0 1 1

PHRD

技術協力プログラム̶傾向と主な実績

2

を実証するパイロット工事に資金を提供する予定です。政府が実 施するこうしたパイロット・プロジェクトは、

GFDRR

プログラム がなければ不可能でした。 モンゴルでは、

GFDRR

プログラムは進められておらず、国内の

DRM

の取り組み(

JICA

支援を含む)の拡大に切実に必要とされてい る支援を

PHRD

グラントで提供します。

PHRD

グラントによるソロモン諸島、バヌアツ、キリバスに対す る新規グラント、パプアニューギニアの運輸部門に対する新規支 援は、大洋州地域における

DRM

プログラムを大きく前進させるで しょう。

Pillar III

:障害と開発

日本政府に承認申請が提出された

D&D

グラント・プロポーザル は、多くの障壁や不平等に取り組むための対策の試行を目的とし たものです。これまでに

5

件のプロポーザル(

1330

万ドル)が日本 政府の承認を受けています。

ルーマニア:政策立案に当たり、障害者評価および障害者情 報の精度向上を通じてデータの問題に対処することを目的と したプロポーザル。

モロッコ:移動性が限られている障害者の物理的アクセスを 高めることを目的としたプロポーザル。

タミルナドゥ(インド):精神障害を抱えている人々のコミュ ニティ活動(生計手段を含む)への参加促進に主眼を置いたプ ロポーザル。

ペルー:リマ市の機能強化、ならびに障害者のニーズを都市 部の歩道/公共交通施設の計画・実施の主流に盛り込むこと を通じて、職員の能力、不十分な政策、アクセス性の欠如の問 題に取り組むプロポーザル。

ギニア:学校や教員の能力開発を通じて職員の能力の低さや サービス提供不足の問題に対処し、軽度障害児を通常の幼稚 園や小学校に通えるようにすることに取り組むプロポーザル。

Pillar IV

:その他

Pillar IV

は、日本政府と世銀の間で合意された新たな問題に対処 するための支援を提供するために設けられました。これまでに、 本

Pillar

で承認されたのは

2010

年度の太平洋諸国大災害リスク評 価融資イニシアティブ研究(

132

万ドル)の

1

件のみで、このグラン トは

2011

12

月に終了しました。 ペルー (250万ドル) モロッコ (290万ドル) ギニア (290万ドル) ルーマニア (170万ドル) インド (280万ドル)

6

PHRD

技術協力

Pillar III

̶受益国

(グラント額)

(19)

13

PHRD

技術協力プログラム̶傾向と主な実績

2

本研究は、太平洋島嶼国(

PICs

)が災害後支援と事前の予算計画を 組み合わせた費用対効果の高いリスク・ファイナンシング戦略構 築を目的としていました。このグラントは

2011

12

月に終了し ました。主な成果は以下の通りです。

太平洋災害リスク情報システム(

PacRIS

)を開発し、同システ ムに含まれる情報を使用して以下の通り実践的な適用を行な いました。これまでに開発された以下の応用策により、太平 洋島嶼国に暮らす

1000

万人が毎年直面するリスクの軽減に大 きく役立つでしょう。

太 平 洋 島 嶼 国

15

国のための最先端の 大災害リスク・モデ ル が、地 震、津 波、 熱帯低気圧といった 自然災害が経済や財 政にもたらす影響を 評価するために開発 されました。

国別災害リスク・プ ロファイルが、太平 洋 島 嶼 国

15

か 国 す べてについて作成さ れました。これはリ スク・モデリング・プ ロセスを通じて収集・ 作成されたデータを統合したもので、ハザード、危険にさらされ ている資産、潜在的な損失を示した地図を含んでおり、災害リス ク管理対策の優先順位付けに使用することができます。この分 析は、自然災害リスクの対応費用向けの融資方法の構築に使わ れます。

災害・気候変動リスク融資・保険の適用は、自然災害に対するマ クロ経済計画の改善、ならびに国家の災害リスク管理および気 候変動適応のアジェンダの一環としての国家災害リスク資金調 達戦略の設計・実施で太平洋島嶼国を支援することを目的とし ています。

• PacRIS

には、過去の地震と熱帯低気圧に関する最も包括的な 記録、位置情報付きの固定資産データベース、これまでに遂行 された確率的リスク解析およびリスク・マッピングが組込ま れています。

PacRIS

には、住宅用建物、基幹インフラ(道路、橋、 発電所など)、植被、作物マップ、土壌と地形、水深測量(海深) などを記したデジタル・マップが含まれます。こうした情報は、 様々な実践的用途に活用されています。

過去の熱帯低気圧および地震のデータベース(ハザード・データ ベース)。過去の地震の記録として、現在、

1768

年―

2009

年に 域内で発生したマグニチュード

5

以上の地震約

11

5000

件、サ イクロンの記録は

1948

年―

2008

年の

2,422

件が含まれていま す。

累積損失のデータベース。

1831

年―

2009

年に太平洋島嶼国

15

か国の少なくとも

1

か国に影響した約

450

件の事象による「イ ンパクト」のデータベースです。大洋州地域に関して存在するも のの中で最も完全なこのデータベースは、平均すると太平洋島 嶼国全体で

10

年間当たり

10

億ドル台の損失を発生させており、

1980

年代および

1990

年代にはそれぞれ

40

億ドルまで増加して います。

災害の危険にさらされている資産のデータベース(エクスポー ジャ・データベース)。建物・インフラ、農業、人口についてのコ ンポーネントが含まれています。建物・インフラのデータセット では、

45

万棟以上の建造物の占有面積(輪郭図)が高解像度衛星 画像からデジタル化されています。このうち約

8

万棟について実 地調査、写真撮影、分類が行われました。さらに、農村部の建造 物を中心とした

300

万枚の画像の位置情報入力と分類がリモート センシング技術を使用して行われました。 さらに、大洋州地域の災害エクスポージャに関するこれまでで最 も総合的なデータセットであるこのデータベースには、主要な 換金作物、地被、地形地図、人口に関する情報も加えられていま す。太平洋島嶼国

15

か国における全資産の再取得原価は合計で約

1130

億ドルと推定されています。

7

地震ハザードマップ

̶パプア・ニューギニア

8

実地調査された資産データ̶

8

万棟

(20)
(21)

15

ハイライト

• 1987

年の設立以来、

JJ/WBGSP

は世銀加盟国にある有名大学 で開発関係の分野を専攻する学生に

4,883

件の奨学金を提供 してきました。この内

1,380

件の奨学金がパートナーシップ・ プログラムの下で様々なパートナー機関での研究のために提 供されました。

• 2011

年度、日本政府は

JJ/WBSGP

2050

万ドルを提供しま した。これにより同プログラムは、通常プログラムの下で

218

人、パートナーシップ・プログラムの下で新たに

74

人の奨学 生に対し、奨学金を提供しました。

3.3

日本/インドネシア大統領奨学金プログラム

日本/インドネシア大統領奨学金プログラムは、インドネシア国 家教育省の大統領奨学生プログラムを支援するため、

2008

年度 に導入されました。目的は、大学職員の資質と経験の向上、高等 教育における職に従事する新たな人材の発掘、国内外の学術パー トナーシップ構築などです。

JIPS

は日本政府から

1000

万ドルの グラントを受けてい ま す。 現 在、

JIPS

の 奨学生は

41

人です。

2012

年 度 に は

JIPS

プログラムの下で最 初の卒業生を輩出す る予定です。

3.1

はじめに

日本政府は、

PHRD

資金を通じて、(

a

)日本/世界銀行共同大学院 奨学金制度(

JJ/WBGSP

)、(

b

)日本/インドネシア大統領奨学金 (

JIPS

)プログラム、(

c

)日本/世界銀行パートナーシップ・プログ ラムという

3

件の人材育成・キャパシティ・ビルディング・プロ グラムを支援しています。

3.2

日本/世界銀行共同大学院奨学金制度

日本/世界銀行共同大学院奨学金制度(

JJ/WBGSP

)の主たる目的 は、世銀借入国で専門職についている中堅の人材に対して大学院 教育を受ける機会を提供することにより、途上国の経済・社会開 発の分野で極めて有能な専門家集団を構築することにあります。 プログラムには、修士号取得に向けて、通常プログラムとパート ナーシップ・プログラムの2つがあります。 現在、世界の大学に

15

のパートナーシップ・プログラムがあり、 奨学生には、経済政策管理、インフラ管理、税制など開発の主要分 野で専門教育を受ける機会を提供して います。

JJ/WBGSP

はまた、パートナー シップ・プログラムを通じ、経済政策管 理の修士課程を支援することで、アフリ カの

7

つの大学の組織・制度の機能向上 に貢献しています。アウトリーチ活動 である奨学生・元奨学生の開発分野の 能力向上ネットワークでは、

JJ/WBGSP

の奨学生と元奨学生の間での知識共有 と情報交換の促進を目的としたいくつ かのイベントが

2011

年度に開催されま した。

3

章:

人材育成

キャパシティ・ビルディングおよびパートナーシップ・プログラム

(22)

16 日 本 開 発 政 策 ・ 人 材 育 成 基 金   年 次 報 告

2 0 1 1

3.4

日本/世界銀行パートナーシップ・プログラム

このグラントの重点分野は、遠隔教育センター(

DLC

)から、開発 分野における独創的かつ革新的な貢献をした取組みへの表彰、日 本における広報活動、輸出促進技術革新に至るまで、多岐にわ たっています。本プログラム設立以来の日本政府による承認額は

5770

万ドルに上り、この内

86

%が実行されています。現在、本パー トナーシップ・グラントが支援するグラント

7

件が実施されており (承認待ちのプロポーザル

2

件を含む)、この内

3

件を世界銀行東京 事務所が管理しています。

2011

年度は、本プログラムで以下の

3

件のグラントが承認されま した。

世銀・日本民間セクター・パートナーシップ強化基金−第

5

期(

800

万円)

国際開発賞(

19

万ドル、ならびにグローバル・ディベロップメ ント・ネットワークと

JSDF

との協力のための

JSDF

からの追 加拠出

46

万ドル)

責任ある農業投資(

75

3000

ドル)

人材育成

3

囲み

4

2011

年国際開発賞

最も革新的な開発プロジェクトに対する日本賞(

MIDP

)で最優 秀賞を受賞したのは、ルワンダの学校に低コストの

E

ラーニング センターを設置するカマラ・ルワンダ(ルワンダ)の社会事業プ ロジェクトでした。インドのラージャスタン州で児童労働をなく すための「子どもにやさしい村」が同部門の第

2

位、農村コミュニ ティへの住民参加を通じてよいガバナンスの文化を形成するプ ロジェクトでインドの農村調査開発研究所が第

3

位を、それぞれ 受賞しました。 開発分野の目覚しい研究に対する日 本賞には、(

i

)開発のための外国資本 流入と資金調達、(

ii

)国内資源の動 員と金融セクター開発:危機後の世 界における

MDGs

検証の新たな視点、 (

iii

)開発金融の革新的な財源、とい う

3

つのテーマがあります。 最優秀賞は、サント・トーマス大学 (フィリピン)の文化教育社会問題に 関する研究クラスターのジェレミア・ オピニアーノとアルビン・アングが 受賞しました。これは、農村部の出 身地への送金投資環境の分析に主眼 を置いた研究で、農村コミュニティに 変革をもたらすと期待されています。 第

2

位はブルガリアの国内・世界経済 大学のペーター・スタンコフ氏による 「金融危機と金融発展逆転」に関する研究プロポーザル、第

3

はインド対外貿易研究所のビベック・レイ・チャウドリー氏による 「外国資本の流入がマイクロファイナンス機関の業績に及ぼす 影響」の研究プロポーザルが、それぞれ受賞しました。

(23)

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