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20 Cloning of the synthesizing enzyme gene of autoinducer regulating the biosynthesis of violacein

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平成

20 年度修士論文

ヴィオラセイン生合成を制御する

オートインデューサーの合成酵素遺伝子の

クローニング

Cloning of the synthesizing enzyme gene of autoinducer

regulating the biosynthesis of violacein

高知工科大学大学院

工学研究科 基盤工学専攻

1115006 小畑 貴裕

(2)

2

目次

概要

3

緒言

4

1 章 6

はじめに 6 材料と方法 7 結果 12 考察 13

2 章 14

はじめに 14 材料と方法 14 結果 18 考察 20

3 章 22

はじめに 22 材料と方法 22 結果 24 考察 27

総括

28

謝辞

29

参考文献

30

参考

Web 31

付録

32

(3)

3

概要

室戸海洋深層水から単離された海洋細菌Pseudoalteromonas sp. 520P1 株の産生する青 紫色素は本研究室によって「violacein」であることが同定された。violacein は抗腫瘍作用、 抗トリパノソーマ作用などの効果を有することが報告されおり、疾病の治療薬として応用 が期待できる。520P1 株の色素産生は、細胞密度を感知して集団行動を制御するクォーラ ムセンシング(QS)機構によって制御されていると考えられ、QS 機構におけるシグナル 伝達物質であるオートインデューサー (AI)の分泌によって色素産生が起こる。グラム陰 性 細 菌 の AI は N-acyl-homoserine lactone (AHL) で あ り 、 520P1 株 に お い て は N-(3-oxooctanoyl)-homoserine lactone (3-oxo-C8-HSL) と N-tetradecanoyl-homoserine lactone (C14-HSL)の存在が確認されており、色素産生は 3-oxo-C8-HSL で制御されている。 本研究では 520P1 株の AI 合成酵素遺伝子をクローニングすることを目的とし、520P1 株の色素産生がQS 機構によって制御されていることを解明しようとした。 実験方法は次のように行った。520P1 株のゲノム DNA を 4000∼9000bp の大きさでラ ンダムに切断したものをプラスミドに挿入し、ゲノムライブラリーを作製した。それをも とに大腸菌を形質転換した。組換え大腸菌群は寒天平板培地(X-gal 入り)に 1 つずつ数十個 の区画に区切った中に画線培養した。その後、AHL レポーター株である Agrobacterium tumefaciens NTL4 (pZLR4)(AHL 存在下でβガラクトシターゼを合成し、X-gal を分解し て青色に着色する)をその寒天平板培地上に一緒に画線培養した。そして青くなったレポ ーター株に近接した大腸菌を選択した。選択した大腸菌の培養液から酢酸エチルによって AI(AHL)様物質を抽出した。抽出物はレポーター株を用いたプレートアッセイを行い AHL の存在を確認した。レポーター株を使用した逆層の薄層クロマトグラフィーによって標準 AHL と比較し、520P1 株の AHL との相違を調べた。その結果、AI 合成大腸菌の産生する AI は、520P1 株の色素産生を制御していると思われる AHL(3-oxo-C8-HSL)と同一かまた はそれに構造が近いものであることがわかった。AI 合成大腸菌からプラスミドを回収し、 挿入DNA の塩基配列を決定した。さらに AI合成酵素遺伝子の存在を確認するため、決定 した塩基配列中のオープンリーディングフレーム(ORF)の解析を行い、AI 合成酵素遺伝 子の候補である6 つの ORF を見つけることができた。この 6 つの ORF のどれかが AI 合 成酵素遺伝子である可能性が高い。

(4)

4

緒言

高知県室戸海洋深層水から単離された海洋細菌Pseudoalteromonas sp. 520P1 株(1)が産 生する青紫色素は HPLC 分析、可視・紫外吸収スペクトルの比較、質量分析、NMR 構造 解 析 に よ っ て 熱 帯 性 細 菌 Chromobacterium violaceum や Pseudoalteromonas luteoviolaceaが産生する青紫色素violacein (Fig.1)であることが報告されている(2, 3, 4)。 Chromobacterium violaceum が産生する violacein は腫瘍細胞に対し細胞毒性を持ち、ま た抗トリパノソーマ作用など有用な性質を持っており、疾病の治療薬として応用が期待さ れる(5, 6)。しかし、Chromobacterium. violaceumは日和見感染細菌であり、感染した場 合重篤な敗血症を引き起こすことが知られている。このため、大量培養による色素の工業 的 生 産 は 難 し く 、 結 果 と し て 色 素 を 十 分 利 用 す る こ と は 行 わ れ て い な い 。 一 方 、 Pseudoalteromonas sp. 520P1 株は人の 体温である 37℃では生存できないため、 人体に対して病原性をもつ可能性は少な い と 考 え ら れ る 。 そ の た め 、 こ の Pseudoalteromonas sp. 520P1 株 を Chromobacterium violaceum の代わり にヴィオラセインの大量生産に用いるこ とができると考えられる。

Fig.1 violacein の化学構造

Pseudoalteromonas sp. 520P1 株の violacein 産生は Quorum sensing(QS)機構によって 制御されていると考えられる(7)。Quorum sensing は、細胞間のシグナル伝達物質である オートインデューサー(AI)のやりとりによって、細菌が自分と同種の細胞が周辺にどれくら いの菌数、密度で存在しているかの情報を感知し、その情報に基づいて特定の物質の産生 を行う機構である(8)。様々な菌種の色素産生や菌体発光、バイオフィルムの形成などがこ

の QS 機構によって制御されていることが知られている。そのうち、グラム陰性細菌は

N-acyl-homoserine lactone (AHL)をオートインデューサー(AI)として使用している(9, 10)。グ ラム陰性細菌における quorum sensing は主に2種類のタンパク質により行われている (Fig.2)。一つは AI 合成酵素であり、AHL を合成する。合成された AHL は細胞内外を自由 に拡散すると考えられており、バクテリアが増殖して菌体密度が増加すると、それにつれ てAHL の濃度も上昇する。AHL がある一定濃度を超えると AHL レセプタータンパク質で

あるR タンパク質と複合体を形成し、特別なプロモーターの下流の遺伝子の転写を活性化

(5)

5

Fig.2

Quorum sensing 機構

AHL はアシル鎖の構造が異なるものが複数存在する(Fig.3)。Quorum sensing 機構をも つ菌の中には異なるAHL を複数合成するものも存在し、異なる AHL がそれぞれ別々の物 質 産 生 を 制 御 し て い る 。Pseudoalteromonas sp. 520P1 株 の AHL は 少 な く と も N-(3-oxooctanoyl)-homoserine lactone (3-oxo-C8-HSL) と N-tetradecanoyl-homoserine lactone (C14-HSL)が存在しており、3-oxo-C8-HSL が violacein 産生を制御していると考えられてい る(12)。

Fig.3

N-acyl-homoserine lactone (AHL)の化学構造

これらより、Pseudoalteromonas sp. 520P1 株には AHL を合成する AI 合成酵素の遺伝

子が存在すると推定される。よって本研究ではAI 合成酵素遺伝子をクローニングすること

を目的とし、それによってPseudoalteromonas sp. 520P1 株の violacein 産生が Quorum sensing 機構によって制御されているということを遺伝子に基づいて証明しようとした。

R遺伝子

AI合成酵素遺伝子

Rタンパク

AI合成酵素

AHL

複合体

活性化

promoter

Cell

Cell

Cell

Cell

http://www.chem.utsunomiya-u.ac.jp/lab/bio/images/bio-fig4.gif を参考

(6)

6

1 章 オートインデューサー合成大腸菌の検出方法の確立

はじめに

Pseudoalteromonas sp. 520P1 株の AI 合成酵素遺伝子をクローニングするためには様々 な方法が考えられた(13)。以前の研究では他の菌株の AI 合成酵素遺伝子の塩基配列間の相 同性の高い部分をもとにプライマーを設計し、PCR によって 520P1 株の AI 合成酵素遺伝 子を得ようとしたが520P1 株 AI 合成酵素遺伝子との相同性が低いことから失敗した(14)。 今回の研究では先ず520P1 株のゲノム DNA を制限酵素でランダムに切断し、プラスミド に挿入後、大腸菌に形質転換させ、ゲノムDNA ライブラリーを作成する。次にグラム陰性

細菌のAI である AHL を検出する AHL レポーター株Agrobacterium tumefaciens NTL4 (pZLR4)を使用して、形質転換した大腸菌の中から AI 合成大腸菌を発見する。そこから AI 合成酵素遺伝子をクローニングするという方法を考えた(Fig.4)。第 1 章ではこの方法の重 要な部分を占める組換え大腸菌群からAI 合成大腸菌を検出する方法を確立した。

Fig.4 実験概要

形質転換した大腸菌群の中からAI 合成大腸菌を発見する方法を確立するために以下の実 験をおこなった。まずQS 機構によって violacein 産生が制御されているChromobacterium violaceum ATCC12472 株の AI 合成酵素遺伝子をプラスミドに挿入し、その後大腸菌に形 質転換してC. violaceum ATCC12472 株由来の AI 合成大腸菌を作成した。次にこの AI 合 成大腸菌を利用して、考案したAI 合成大腸菌の検出方法を実行してみた。

(7)

7

材料と方法

『菌株とプラスミド』

Agrobacterium tumefaciens

NTL4 (pZLR4)

AHL を検出するためのプラスミド pZLR4 を持っている。プラスミドには gentamicin 耐 性の遺伝子がある。AHL の受容体遺伝子 traR と、AHL と受容体との複合体が作用する traG 遺伝子及びそれに融合したlacZ(βガラクトシターゼ遺伝子)を持つ。AHL が作用するとβ ガラクトシターゼが合成され、培地に添加したX-gal を分解して青色色素に変える。炭素数 がおおよそ6 個以上のアシル基をもつ AHL と反応する。宇都宮大学池田研究室より分与さ れた株を用いた。

Chromobacterium violaceum

strain ATCC12472

主なAHL としてN-(3-hydroxydecanoyl)-L-homoserine lactone (3-OH-C10-HSL)を合成

する。全ゲノムが解読されている。(独)製品評価技術基盤機構から購入した。

Escherichia coli

DH5αおよびプラスミド pUC18

タカラバイオから購入した。

『培地』

• LB 培地

脱イオン水…1L

Bacto-tryptone (Difco) 10.0 g Bacto yeast extract (Difco) 5.0 g NaCl 5.0 g pH7.0

• SOC 培地

脱イオン水…1L

Bacto-tryptone (Difco) 20.0 g Bacto yeast extract (Difco) 5.0 g NaCl 0.5 g 250mM KCl 10.0ml

(8)

8 2M MgCl2 10.0ml 1M Glucose 20.0ml pH7.0

• AB 最少培地

Solution1 K2HPO4 60.0g/L NaH2PO4 20.0g/L Solution2 NH4Cl 20.0g/L MgSO4・7H2O 6.0g/L KCl 3.0g/L CaCl2・2H2O 0.2g/L FeSO4・7H2O 0.05g/L 20%Glucose 以上の溶液をそれぞれ滅菌し、以下の割合で混合する。なお、軟寒天(Soft Agar)とし て使用するときは寒天を7g/L、平板として使用するときは寒天を 15g/L 添加する。 Solution1 50ml Solution2 50ml Glucose 10ml H2O 890ml

• ニュートリエント培地

Difco から購入した。

『プラスミドの抽出』

すべてのプラスミドはE. coli DH5αで増殖させ、QIAprep Spin Miniprep Kit (Qiagen) を メーカープロトコルに従い使用し、抽出をおこなった。

cvi I 遺伝子の複製』

Chromobacterium violaceum ATCC12472 株の AI 合成酵素遺伝子(cvi I)の塩基配列は、 GenomeNet WWWserver で提供されているデータベース KEGG GENES の locus_tag

(9)

9

CV_4091 より得た。プライマーは下記の Fig.5 のように設計した。①,②は遺伝子特異的配 列に制限酵素配列をそれぞれ付加した。

※①と②によるPCR の product size は 1298bp、③と④は 1498bp

Fig.5 プライマーの認識位置と配列

C. violaceum ATCC12472 株のゲノム DNA は QIAamp DNA Mini Kit (Qiagen) をメー カープロトコルに従い使用し、抽出をおこなった。PCR は下記の Table 1, 2 の条件で行な った。PCR 産物は 1.2%の Seakem® GTG® Agarose で電気泳動後、目的サイズの DNA 断 片をゲルから切り出しQIAquick Gel Extraction Kit (Qiagen)を用いて精製をおこなった。 操作はメーカープロトコルに従った。

Table 1 PCR 反応液

10×PCR buffer for KOD -Plus- 10μl 2mM dNTPs 10μl 25mM MgSO4 4μl Template DNA※① < 400ng

Primer mix ※② final 0.3μM each KOD -Plus- DNA Polymerase 2.0 unit 超純水 up to 100μl

※①1st PCR では ATCC12472 株のゲノム DNA、2nd PCR (nested PCR)では精製した 1st PCR 産物をそれぞれ使用した。

5’

cvi I

3’

①EcoRI-cviI-Fw(28bp) 5’-cgc

gaattc

ttgcctacctccagcgtaa-3’

EcoRI配列

②BamHI-cviI-Rv(28bp) 5’-cgc

ggatcc

ttggtcgccatgctgaact-3’

BamHI配列

③upstream-cviI-Fw(22bp) 5’-atagcgtatcaactgagccgac-3’

(10)

10

※②1st PCR では upstream-cviI-Fw と downstream-cviI-Rv、2nd PCR では EcoRI-cviI-Fw とBamHI-cviI-Rv をそれぞれ使用した(Fig.5 参照)。

Table 2 PCR 反応プログラム

Step Temperature Time Cycle number

1 94℃ 2min 1 2 94℃ 15sec 3 ※ 30sec 4 68℃ 90sec 30 5 68℃ 7min 1 6 4℃ ∞ 1 ※1st PCR では 43℃、2nd PCR では 54.5℃でおこなった。

cvi I 遺伝子の大腸菌導入』

2nd PCR 産物と pUC18 を制限酵素EcoR I, BamH I(Takara)で処理した(1×K buffer, 30℃, 5h)。ゲル精製後、DNA Ligation Kit <Mighty Mix>(Takara)で 2nd PCR 産物と pUC18 のライゲーション(DNA 結合反応)をメーカーのプロトコルに従いおこなった。このプラ スミドをpUC18-cviI と名づけた。大腸菌 DH5αに pUC18-cviI をエレクトロポレーション によって導入した(15)。方法は下記の通りである。 1. コンピテントセルの作成 大腸菌DH5αを LB 培地 5ml で一夜振盪培養(37℃)した。200ml の LB 培地に培養液を 2ml 加え、37℃で A600が0.5~0.8 になるまで振盪培養した。−20℃で冷やしておいた遠心 チューブに氷中で培養液を移し、6000rpm, 12min, 4℃(①)で集菌した。できるだけ培養上 清を捨て、氷中で冷やした滅菌水200ml を加え、ていねいに懸濁し、①と同じ条件で遠心 した。上清を捨て、氷中で冷やした滅菌水100ml を加え①と同じ条件で遠心した。上清を 捨て、冷やした10%グリセロール溶液 5ml で菌体を懸濁し、3500rpm, 15min, 4℃で遠心 した。上清を捨て、冷やした10%グリセロール溶液 1ml で菌体を懸濁し、ドライアイスを 加えたエタノール中で冷却したエッペンドルフチューブに懸濁液50μl ずつ移し、急速冷凍 し、−70℃フリーザーで保存した。 2. エレクトロポレーションによる形質転換

遺伝子導入装置には、BTX の Electro Cell Manipulator 600 を使用した。キュベット (2mm 幅)とコンピテントセルを氷中においた。10μl のライゲーション処理したプラスミド DNA 溶液を 50μl のコンピテントセルに 1μl 加え、丁寧に混ぜ、30sec 氷中においた。コ ンピテントセルとDNA の混合物全量を氷中のキュベットに入れ、2.4kV, 129Ωで電圧をか けた。タイムコンスタントが5~10msec の条件で行った。終了後、SOC 培地 1ml を加え、

(11)

11

37℃, 1h 振盪培養した。LB 平板培地(ampicillin 100μg/ml)に 50μl 塗布し、37℃で一夜 培養した。得られた大腸菌をpUC18-cviI/DH5αと名づけた。

『Agrobacterium tumefaciens NTL4 (pZLR4)による AI 合成大腸菌の検出』

ニュートリエント平板寒天培地(X-gal 40μg/ml, Difco)に Fig.6 のように大腸菌 DH5αを 画線した(negative control)。また、DH5αの代わりに一箇所 pUC18-cviI/DH5αを画線し たプレートも作成した。それぞれ28℃, 2 日培養した。Agrobacterium tumefaciens NTL4 (pZLR4)は AB 平板寒天培地(gentamicin 5μg/ml)で 28℃, 2 日培養したものを、大腸菌を 画線したプレートにFig.6 のようにそれぞれ画線した。28℃で一晩培養した後、結果を観察 した。

Fig.6 大腸菌と

A. tumefaciens NTL4 (pZLR4)の画線例

:A. tumefaciens

―:大腸菌

(12)

12

結果

X-gal を添加したニュートリエント平板寒天培地に大腸菌 DH5α(negative control)お よびC. violaceum 由来の AI 合成酵素遺伝子をもつプラスミド pUC18 を導入した大腸菌 pUC18-cviI/DH5α(Fig.7A の 8 番)を画線培養し、2 日後 AHL を検出するため、A. tumefaciens NTL4 (pZLR4) (以下A. tumefaciens NTL4)を画線培養した。

A

B

Fig.7

A. tumefaciens NTL4 による AI 合成大腸菌の検出

Fig.7A から pUC18-cviI/DH5αが合成した AI (AHL)とA. tumefaciens NTL4 が反応して A. tumefaciens NTL4 が青色に着色することが目視で観察できた。また Fig.7A , 7B より 横線:A. tumefaciens NTL4 8 番:pUC18-cviI/DH5α その他:E. coli DH5α 横線:A. tumefaciens NTL4 1~30 番:E. coli DH5α

(13)

13

DH5αとA. tumefaciens NTL4 が共存していても特に菌体の生育に影響を及ぼさないこと

がわかった。この方法を使えば多くの大腸菌の中からでもAI 合成大腸菌を識別することが

可能だと考えられた。

考察

プライマーの設計ではC. violaceum ATCC12472 株のゲノム DNA から確実に AI 合成酵 素であるcvi I 遺伝子を得るために 2 組のプライマーペアを設計した。2nd PCR プライマ ーには別々の制限酵素配列をそれぞれ付加し、pUC18 に組み込む際のセルフライゲーショ ンとプラスミドに挿入しようとするDNA の逆方向での挿入を防いだ。また cvi I 遺伝子の 前方に約 400bp、後方に約 200bp の余裕を作りプロモーター、オペレーター、SD 配列や ターミネーターなどが含まれるようにした。形質転換した大腸菌はM13 系プライマーによ るコロニーダイレクトPCR によってインサートのチェックをおこなった。AI 合成大腸菌の 検出方法を確立するために行った実験では平板寒天培地上で多くの大腸菌の中から A. tumefaciens NTL4 によって AI 合成大腸菌を容易に見つけられることがわかり、目的であ ったAI 合成大腸菌の検出方法が確立できた。これにより、Pseudoalteromonas sp. 520P1 株由来のAI 合成酵素遺伝子を持つ大腸菌を発見できる方法を手に入れることができた。

(14)

14

2 章

Pseudoalteromonas sp. 520P1 株由来 AI 合成大腸菌の検出

はじめに

第一章の結果からFig.4 と Fig.6 の方法でPseudoalteromonas sp. 520P1 株由来の AI 合 成酵素遺伝子のクローニングができることがわかった。Pseudoalteromonas sp. 520P1 株 のAI 合成酵素遺伝子は他菌株の AI 合成酵素遺伝子から推定するにおおよそ 500~1200bp と思われるため、Pseudoalteromonas sp. 520P1 株のゲノム DNA を 4000~9000bp にラン ダムに切断し、ゲノムDNA ライブラリーを作成すれば AI 合成酵素遺伝子の全体が保存さ れると考えた。制限酵素 Sau3AI は 4 塩基認識であり、認識配列が高頻度で現れるため、 部分消化を調節すればランダムにDNA を任意の大きさに切断できる。BamHI と Sau3AI は突出末端同士が相補的であるのでリガーゼによってライゲーションできる。つまり、プ ラスミドをBamHI で消化、ゲノム DNA をSau3AI で部分消化、その 2 つをライゲーショ ンすれば、ゲノムDNA ライブラリーを作成できる。また検出実験によってA. tumefaciens NTL4 (pZLR4) (以下A. tumefaciens NTL4)を青色に変化させる大腸菌が見つかった後、 本当にA. tumefaciens NTL4 が AHL に反応して青色になっているのか確認するために、発 見したAI 合成大腸菌から AHL を有機溶媒で抽出し、A. tumefaciens NTL4 に与えた。発 見した AI 合成大腸菌の合成する AHL がどの様な構造なのかのおおよそを知るために、 NTL4-TLC アッセイ(16)をおこなった。

材料と方法

『菌株とプラスミド』

Pseudoalteromonas

sp. 520P1

高知県室戸海洋深層水から単離された海洋細菌(1, 4)。この株の 16S rRNA 遺伝子塩基配列 はすでにDNA データバンクに登録されている(DDBJ 登録番号 AB196167)。

Agrobacterium tumefaciens

NTL4 (pZLR4),

Escherichia coli

DH5α,

プラスミド

pUC18

(15)

15 第1 章 7 ページを参照

『培地』

z

PPES‐Ⅱ培地

濾過海水…1L Polypeptone 2.0g Proteose peptone No.3 1.0g Soytone Peptone 1.0g Bact yeast extlact 1.0g Ferric citrate 0.1g pH7.8

z

AB 最少培地

第1 章 8 ページ参照

z

LB 培地

第1 章 7 ページ参照

『ゲノム

DNA ライブラリーの作製』

Pseudoalteromonas sp. 520P1 株は PPES‐Ⅱ培地で 20℃、2 日培養し、QIAamp DNA Mini Kit(Qiagen)をメーカーのプロトコルに従い使用し、ゲノム DNA の抽出を行った。ゲ ノムDNA をランダムに 4000~9000bp の大きさに切断した。方法は下記の通りである。 1. ゲノム DNA 溶液 135μl に 10×H buffer (Takara) 15μl 加え、8 本のエッペンドルフチ

ューブに15μl ずつ分注し、チューブに①∼⑧の番号をふった。 2. ①のチューブにはさらに 15μl 加えた。 3. ①のチューブに制限酵素Sau3AI (Takara)を 1U 加えて、よく攪拌した。 4. そこから 15μl 取り、②のチューブに加えて、よく攪拌した。 5. またそこから 15μl 取り、③のチューブに加えて、よく攪拌した。 6. この希釈操作を⑧のチューブまで行い、⑧から採取した 15μl は廃棄した。 7. ①∼⑧を 37℃, 30min 反応させ、すぐに 70℃, 15min で失活させた。 8. 電気泳動で 4000~9000bp の DNA 断片が一番多いチューブを確認した。 9. 最適だと思われる制限酵素濃度(ここでは 0.1U/15μl)で残りのゲノム DNA 溶液全量を

(16)

16

反応させ、ゲル抽出で4000~9000bp の DNA 断片(以下 520P1/Sau3AI と呼ぶ)のみ抽出 した。

pUC18 は制限酵素BamH I (Takara)で処理した(1×K buffer, 30℃, 1h)後、溶液に Alkaline Phosphatase (Calf intestine) (CIAP) (Takara)をプロトコールに従った量加え、 脱リン酸化し(37℃, 30min)、ゲル抽出で精製した(以下 pUC18/BamHI/CIAP と呼ぶ)。 pUC18/BamHI/CIAP と 520P1/Sau3AI とのライゲーション反応は TaKaRa DNA Ligation Kit LONG をプロトコールに従って使用した。プラスミドと挿入 DNA のモル比はプラスミ ド: 挿入 DNA= 2 : 1 ~ 1 : 15 の範囲で検討し、ライゲーション後の形質転換でコロニー数 が一番多かったものを採用した(ここではプラスミド: 挿入 DNA = 1 : 9)。DH5αへの形 質転換は第一章の『cvi I 遺伝子の大腸菌導入』と同様におこなった。

AI 合成大腸菌の検出』

形質転換によって生じたコロニー群(以下 pUC520/DH5αと呼ぶ)の中から第 1 章 『Agrobacterium tumefaciens NTL4(pZLR4)による AI 合成大腸菌の検出』で述べた方法 によってAI 合成大腸菌の発見を試みた。pUC520/DH5αの植菌にはオートクレーブによっ て滅菌した爪楊枝でコロニーを突き、検出プレートに一つずつ画線していった。

AI 合成大腸菌からの AI 抽出』

発見したAI 合成大腸菌(pUC520AI/DH5αと呼ぶ)の LB 培養液 50ml(ampicillin 100μ g/ml) を一晩、37℃で振盪培養した。培養液を 8000rpm, 30min で遠心分離して上清を回 収した。(※)上清に等量の酢酸エチルを加え、分液ロートを使用して白濁するまで混ぜた。 分離後、酢酸エチル層を回収した(※からここまでを3回繰り返した)。酢酸エチル層をロー タリーエバポレーターで濃縮乾固後、1ml のエタノールに溶かし、抽出物とした。 pUC18-cviI/DH5αと DH5αの培養上清からも同様に抽出した。

A. tumefaciens

NTL4 による AHL のプレートアッセイ』

A. tumefaciens NTL4 を 5ml のニュートリエント培地(gentamicin 5μg/ml)で一晩振盪 培養した(28℃)。45℃で保温してある AB 最少培地の軟寒天 3ml に培養液 200μl と最終濃 度が40μg/ml となるように X-gal を加え、AB 平板寒天培地(X-gal 40μg/ml)の上に流し込 み 、 固化 させ た 。直径 8mm のペーパーディスクにそれぞれ、pUC520AI/DH5α、 pUC18-cviI/DH5α、DH5αからの抽出物を 20μl ずつ浸み込ませ、真空ポンプで溶媒を蒸

(17)

17 一晩培養した。

NTL4-TLC アッセイ』

TLC プレートである silica gel 60RP-18F254(Merk)の一端から約 15mm のところに鉛筆

で薄く出発線を引き、スポットする試料の数だけ等間隔で出発線上に印をつけておいた。 pUC520AI/DH5αからの抽出物 20μl, エタノールに溶解した C6-HSL (Sigma, Aldrich) 10ng, エタノールに溶解した 3-oxo-C8-HSL (Sigma, Aldrich) 0.01ng をそれぞれ、印をつ けた箇所にスポットした。展開液(メタノール:H2O = 3 : 2)が入った広口瓶に TLC プレー トの下端が水平になるように瓶の内壁に静かにもたせかけ、栓をした。溶媒が下から展開 していき、上昇した展開液の先端がTLC プレートの上端から 5mm のところまできたとこ ろでTLC プレートを取り出した。TLC プレートを十分乾燥させた後、適当な容器にシリカ ゲル面を上にして置き、45℃で保温してある AB 最少培地の軟寒天 30ml にA. tumefaciens NTL4 培養液 2ml と最終濃度が 40μg/ml となるように X-gal を加え、TLC プレートの上 に流し込み、固化させた。28℃で 2 日培養した。

(18)

18

結果

AI 合成大腸菌の検出』

Pseudoalteromonas sp. 520P1 株から抽出したゲノム DNA をSau3AI 制限酵素で 4000 −9000bp の断片に消化し、それを pUC18 プラスミドに組み込み、大腸菌を形質転換した ライブラリー(pUC520/DH5α)を作製した。pUC520/DH5αのコロニー約 4000 個を AHL レポーター株であるA. tumefaciens NTL4 で検定したところ NTL4 株を青く着色させる AI 合成大腸菌と思われる菌株が見出された (Fig.8 ○印)。この AI 合成大腸菌と思われる 菌から離れたNTL4 株も青くなっているが、大腸菌 DH5α(negative control)のみで実 験を行った場合もNTL4 株はわずかに青くなっていた。したがって周辺部の NTL4 株は拡 散したAHL に反応したのもであり、他の大腸菌は AI 陰性と考えられた。

Fig.8 pUC520/DH5αからの AI 合成大腸菌の検出

A. tumefaciens

NTL4 による AHL のプレートアッセイ』

Fig.8 で得られた AI 陽性株を pUC520AI/DH5αと名づけ、その培養上清から AI を抽出 し、NTL4 株によるプレートアッセイを行った。NTL4 株と X-gal を含む軟寒天上に菌培養 上清からの抽出物をしみこませた濾紙を置き、AHL による軟寒天の青色への変化を観察し た。Fig.9 より、C. violaceum由来のAI 合成酵素遺伝子をもつ pUC18-cviI/DH5αからの 抽 出 物 の 周 り は 大 き く 青 色 に 変 化 し た 。pUC520AI/DH5 α か ら の 抽 出 物 の 周 り は

(19)

19 pUC18-cviI/DH5αほどの大きさではないが、青色に変化した。DH5αからの抽出物ではわ ずかに青色に変化した。この結果からpUC520AI/DH5αは AHL を産生していることが確 認された。

Fig.9 大腸菌抽出物中の AHL の確認

NTL4-TLC アッセイ』

さらにpUC520AI/DH5αによって産生される AHL の性質を確かめるため、TLC で AHL を分離後、NTL4 株と X-gal を含む軟寒天を TLC に重層し、標準 AHL との移動度を比較 した。Fig.10 より pUC520AI/DH5αからの抽出物は 3-oxo-C8-HSL とほぼ同じ高さにスポ ットが確認された。C6-HSL は 3-oxo-C8-HSL より少し上の位置にスポットが確認された。 また既報(12, 17)に基づいて C14-HSL でも同様に実験をおこなったが青色のスポットは観 察されなかった。この結果より、pUC520AI/DH5αは 3-oxo-C8-HSL またはそれに類似し たAHL を産生すると考えられた。 DH5α pUC18-cviI/DH5α pUC520AI/DH5α

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20

Fig.10 pUC520AI/DH5α抽出物

NTL4-TLC アッセイ

考察

pUC18/BamHI/CIAP と 520P1/Sau3AI のライゲーション溶液による DH5αの形質転 換効率は、モル比でプラスミド : 挿入 DNA = 1 : 9 のとき、1.0×106 cfu/μg であり AI 合成大腸菌検出実験に使用するのに十分なコロニー数が得られたと考えた。A. tumefaciens NTL4 による AHL プレートアッセイでは pUC520AI/DH5α抽出物は pUC18-cviI/DH5α の抽出物より反応が弱いが、negative control である DH5αの抽出物と比較すれば、はっ きりと反応していると考えられた。このことからpUC520AI/DH5αが AI である AHL を合 pUC520AI/DH5α 抽出物 C6-HSL 3-oxo-C8-HSL

(21)

21

成していると考えられる。またnegative control である DH5αの抽出物にA. tumefaciens NTL4 がわずかに反応するのは、A. tumefaciens NTL4 がわずかに自ら合成するβガラク トシターゼによってX-gal が青色色素に分解されたことが考えられる。NTL4-TLC アッセ イではAHL のアシル基の炭素数が多いほど TLC プレートの下方に、少ないほど上方にス ポットが現れる。pUC520AI/DH5α抽出物は 3-oxo-C8-HSL とほぼ同じ高さにスポットが 確認されたことから、pUC520AI/DH5αが合成する AHL のアシル基は炭素数が 8 個前後 であると考えられる。(12, 17)の NTL4-TLC アッセイの実験と今回の実験を比較して、 C6-HSL は半分の量、3-oxo-C8-HSL では 1/1000 の量でA. tumefaciens NTL4 と反応した が、C14-HSL は 17 倍の量でも反応しなかった。これはA. tumefaciens NTL4 が何らかの 原因でその性質が変化し、特定の炭素数をもつ AHL とは鋭敏に反応するようになったが、 その他のAHL とは反応が鈍くなったことが考えられる。今後、精査が必要である。

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22

3 章 pUC520AI/DH5αからの AI 合成酵素遺伝子の探索

はじめに

第2 章より pUC520AI/DH5αが AI を合成していることがわかった。pUC520AI/DH5α の も つ プ ラ ス ミ ド pUC520AI は pUC18 の マ ル チ ク ロ ー ニ ン グ サ イ ト に Pseudoalteromonas sp. 520P1 株由来の DNA が挿入されたものであるから、マルチクロー ニ ン グ サ イ ト の 少 し 外 側 に プ ラ イ マ ー を 作 成 し 、 シ ー ケ ン ス を 行 っ て い け ば Pseudoalteromonas sp. 520P1 株由来の AI 合成酵素遺伝子の塩基配列が見つかるはずであ る。挿入DNA の塩基配列の決定後、遺伝子情報処理ソフトウェアでオープンリーディング フレーム(ORF)の解析を行い AI 合成酵素遺伝子の存在位置を確認した。また ORF 解析 で得られたAI 合成酵素遺伝子の候補と様々な菌株の AI 合成酵素遺伝子との相同性を調べ た。

材料と方法

『プラスミド』

z プラスミド

pUC520AI

第2 章で発見されたPseudoalteromonas sp. 520P1 株由来の AI 合成酵素遺伝子を含んで いると思われるプラスミド

pUC520AI 挿入 DNA のシーケンス』

始めのシーケンス用プライマーはpUC 系ベクターでクローニングした遺伝子の塩基配列 を決定するためのプライマーとして適しているM13 系プライマーをもとに作成した。テン プレートは抽出したプラスミドpUC520AI を使用した。シーケンスは株式会社バイオマト リックス研究所に依頼した。シーケンスによって判明した塩基配列をもとにプライマーを 作製し、同様にシーケンスを行った。これを繰り返し、Pseudoalteromonas sp. 520P1 株

(23)

23

由来DNA のすべての塩基配列がわかるまでシーケンスを行った。Fig.11 に概略図、Table.3 にプライマーの塩基配列を示した。

Fig.11 シーケンスの概略図

Table.3 シーケンス用プライマー

ORF の解析』

シーケンスによって判明したすべての塩基配列をもとに遺伝子情報処理ソフトウェア GENETYX®を使用して ORF の解析をおこなった。

『他菌株

AI 合成酵素遺伝子との相同性解析』

ORF 解析によって得られた ORF 部分の塩基配列と様々な菌株における AI 合成酵素遺伝

5’

3’

pUC18

―:マルチクローニングサイト ―:Pseudoalteromonas sp. 520P1由来DNA ―:pUC18DNA

① M13Rv(17bp) 5’-CAGGAAACAGCTATGAC-3’

② pUC520-Rv-1(20bp) 5’-ATTTGTACGCCAGCTACATC-3’

③ pUC520-Rv-2(20bp) 5’-CTATGTAAGGATGCTGCGGG-3’

④ pUC520-Rv-3(20bp) 5’-ATGGCATCAAGATGTTGACC-3’

⑤ pUC520-Rv-4(20bp) 5’-AAATGGTGCAGCTATGGCTG-3’

⑥ pUC520-Rv-5(20bp) 5’-TGATTCTGCTAAAGGCTATC-3’

⑦ M13Fw4(17bp) 5’-GTTTTCCCAGTCACGAC-3’

⑧ pUC520-Fw4-1(22bp) 5’-GAGAATATTTATAGCCAAGAAC-3’

⑨ pUC520-Fw4-2(20bp) 5’-TAATAGTACAAGTTTAGCCG-3’

⑩ pUC520-Fw4-4(20bp) 5’-GGCATTGATTGCAGAGAATG-3’

⑪ pUC520-Fw4-5(20bp) 5’-TATAAACGTACTTAAGCACC-3’

(24)

24

子の塩基配列との相同性を遺伝子情報処理ソフトウェアGENETYX®を使用して解析した。

AI 合成酵素遺伝子の塩基配列は GenomeNet WWWserver で提供されているデータベース KEGG GENES の そ れ ぞ れ locus_tag CV_4091, Atu6042, VF_1037, Spro_0067, Patl_0361 より得た。

結果

pUC520AI 挿入 DNA のシーケンス』

pUC520AI の挿入 DNA の全塩基配列を決定するためにシーケンスを行った。始めのシー ケンス用プライマーはM13 系プライマーを使用した。シーケンスによって判明した塩基配 列をもとにプライマーを作成し、同様にシーケンスを行った。これを全塩基配列が決定す るまで繰り返した。挿入DNA の長さはおおよそ 9000bp であった。挿入 DNA の全塩基配 列は32 ページの付録に示した。

ORF の解析』

Pseudoalteromonas sp. 520P1 株由来の AI 合成酵素遺伝子を探索するために、決定され た挿入DNA の塩基配列中の ORF の解析を行った。Table.4, Fig.12 の結果は、シーケンス 結果(付録を参照)の始めの塩基(N)を 1 番とし、以後の塩基に順に番号を当て、表したも のである。

(25)

25

Table.4 の Start Nuc.は開始コドンの上流部分、Stop Nuc.は終始コドンの 1 つ前、 Length は Start Nuc.から Stop Nuc.までの長さ、1st Init.、2nd Init.、3rd Init.は開始コド ンの1 つ目をそれぞれ表す。開始コドンは複数想定される。

Initiation Codons : ATG,GTG Termination Codons : TAA,TAG,TGA

Minimum Length of Coding Region : 200 bp

5'->3' Frame3 Frame2 Frame1 3'<-5' Frame-1 Frame-2 Frame-3 1 2001 4001 6001 8001 9213

Fig.12 ORF コード領域の図

Fig.12 の ORF コード領域は Table.4 の 1st Init から Stop Nuc.を表す。

(26)

26 1961~690 の ORF が AI 合成酵素遺伝子である可能性がある。しかし、 3604~4929 の ORF は約500~1200bp の大きさである AI 合成酵素遺伝子としてはやや大きい。Table.5 に AI 合成酵素遺伝子の可能性があるORF を詳しく示した。

Table.5

AI 合成酵素遺伝子候補の ORF

翻訳開始点 (ORF 最大) 翻訳開始点 (ORF 最小) 翻訳終了点 最大の大きさ 最小の大きさ 2258~3586 2258 2879 3586 1329 708 3604~4929 3604 3679 4929 1326 1251 4987~6015 4987 5047 6015 1029 969 8633~7527 8633 8267 7527 1107 741 7503~6910 7503 7161 6910 594 252 1961~690 1961 1841 690 1272 1152

『他菌株

AI 合成酵素遺伝子との相同性解析』

ORF 解析によって得られた ORF 部分の塩基配列と様々な菌株における AI 合成酵素遺伝子 の塩基配列との相同性を遺伝子情報処理ソフトウェアGENETYX®を使用して解析した。

Table.5 AI 合成酵素遺伝子との相同性

Chromobacterium violaceum (654bp) Agrobacterium tumefaciens (636bp) Vibrio fischeri (1143bp) Serratia proteamaculans (675bp) Pseudoalteromonas atlantica (594bp) 2258~3586 43.4% 43.6% 50.5% 45.6% 48.3% 3604~4929 44.0% 46.6% 45.9% 45.0% 48.3% 4987~6015 43.1% 44.6% 50.6% 49.4% 47.3% 8633~7527 46.1% 42.5% 49.0% 47.3% 47.1% 7503~6910 29.1% 30.2% 51.4% 50.4% 50.0% 1961~690 45.3% 44.4% 45.4% 47.8% 44.8%

菌名はそれぞれのAI 合成酵素遺伝子を示す。それぞれの ORF は Table.4 の 1st Init か らStop Nuc.を対象とした。ORF の配列とこれらの AI 合成酵素遺伝子塩基配列との相同 性は認められなかった。

(27)

27

考察

pUC520AI のシーケンスによって、挿入 DNA の全塩基配列が判明した。挿入 DNA が 大きいためにORF 解析の結果、6 つもの AI 合成酵素遺伝子の候補が見つかった。他菌株 のAI 合成酵素遺伝子の大きさと比較すると 3604~4929 は少し大きいので AI 合成酵素遺伝 子でない可能性が高いが、完全には捨て切れない。相同性解析によって、6つのORF と他 菌株のAI 合成酵素遺伝子との相同性がほとんどないことがわかった。もともと AI 合成酵 素遺伝子同士の相同性は低い(14)ことから予想どおりの結果と言える。これらより、6つの ORF から AI 合成酵素遺伝子がどれであるかを判別することはできなかった。AI 合成酵素 遺伝子は大きさに幅があり、遺伝子同士の相同性も低いことから、6つの遺伝子候補すべ てにAI 合成酵素遺伝子である可能性がある。

(28)

28

総括

Pseudoalteromonas sp. 520P1 株の AI 合成酵素遺伝子をクローニングする方法を新しく 考案した。その方法の重要な部分であるAI 合成大腸菌の検出方法を確立することができた。 実際に検出実験をすることによって、Pseudoalteromonas sp. 520P1 株由来 DNA を挿入 したプラスミドをもつ大腸菌群の中からAI を合成する大腸菌を発見することができた。そ

してそのAI 合成大腸菌の合成する AHL は 3-oxo-C8-HSL 又はそれに近い構造を持つ AHL である可能性が高いことがわかった。つまり、Pseudoalteromonas sp. 520P1 株の violacein 産生を制御していると思われる3-oxo-C8-HSL を合成する AI 合成酵素の遺伝子をもつ大腸 菌である可能性が高い。 AI 合成大腸菌がもつプラスミド pUC520AI の挿入 DNA の塩基配列をすべて決定した。 そしてその挿入 DNA の塩基配列から AI 合成酵素遺伝子の候補である6つの ORF を見つ けた。しかし、6 つのうちどれが AI 合成酵素遺伝子であるのかは判別することができなか った。 今回の研究の目的であるPseudoalteromonas sp. 520P1 株の AI 合成酵素遺伝子のクロー ニングはほぼ達成されたと言える。しかし、AI 合成酵素遺伝子を含む挿入 DNA が大きす ぎるために、AI 合成酵素遺伝子の存在する可能性のある場所が6つも見つかった。今後は この6つの遺伝子候補の中からAI 合成酵素遺伝子の存在場所を決定することが必要である

と考えられる。方法としては、6つのORF をそれぞれ発現用プラスミド(pET vecter 等) に挿入し、大腸菌に形質転換させ、AI が合成されるかを確認する方法が考えられる。さら にAI 合成酵素遺伝子によって合成される AHL を同定し、この AHL による 520P1 株の violacein 産生の促進を検証する必要がある。これらの研究によってPseudoalteromonas sp. 520P1 株の violacein 産生が QS 機構によって制御されていることを証明することができる と考えられる。

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謝辞

本研究を行うに当たり、ご指導頂いた高知工科大学の榎本恵一教授をはじめ研究室の王 乂さん、細川覚司さん、井河篤さん、森本浩行さんに心より感謝申し上げます。

参考文献

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参考

Web

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KEGG GENES http://www.genome.ad.jp/kegg/genes.html DDBJ http://www.ddbj.nig.ac.jp/

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付録

pUC520AI のPseudoalteromonas sp. 520P1 株由来 DNA 部分のシーケンス結果をプライ マーM13Rv(Fig.11, Table.3)によるシーケンスを始めとして 5’→3’の方向で下記に示した。 Table.4, Table.5, Fig.12 の ORF はそれぞれ次の同色で示した。2258~3586, 3604~4929,

4987~6015, 8633~7527, 7503~6910, 1961~690。始めと最後の読めなかった部分(N)にマル チクローニングサイトが存在すると思われる。 NNNNNNNNNNNNNNNGGNNNNNGNNNNNNCTGAGTATCCCTCATAAGTACGGCCCCATCTAT CATCTCTCACAACAGCGACAGTTGGTGCAAACACCCAATCTATACCTGTGACCATGACTTCGGTTG CTGTAATAGTCGCTATTTTTTCAATTAATTCAGGGTTATTCGCAGCACCTAATCCAATATTATGAGG AAATAAAGTCGCGCCAATGACATTGTTGTGACCATGAACCGCATCCGTGCCCCACATAGTTGGGAT ATTTATGCCATCTAATGAATCATCAATAGAAGCTTGATACATATCTTCTGCTAATTTAATCCAATCAG CGGGGGTTGCATGTTTATTATTATCCGGAAATGCTCCGCCACCGTTGAGATATGAGCCAAAACCAT ATTTTCGCATATCTTCAACTGTAATATCTCGAATTTCAGGTTGGATCATTTGTGCAACTTTTTGCTC TAACGTCATCTTATTAAGCAAAGCTGTGATCTTAGATTCCATCTTGAGATCTTTTTGTACTGCAATA TTGAGCTTTGGCCATATGTGAGAGGTTTTATTTTTTAACTGATTTTTAGCCATATCCTGCAAAGCAT CAGTTTCATTACCACTACATGCCAATAGCCCAAAACATAAAGTGGTTGCTAAACCCGTTGAGTACA CTAATTTATTTTTTAAGTATTGCATTAAGATTTACTCCCTTTTAAACCGTAATAAGCAATGAAAACAA AACACAATAAAGGCAATATAAAAGAAATTTGTACGCCAGCTACATCAGCTAAAAATCCTTGTAATAA AGGAATAATGGCACCACCAACTATGGCTAAACATAAAATGCCTGAGCCTTGGCTAGTATGTTGTTT TAACCCTCTTAGGGCTAAACTGAATATCGTAGGGAACATAATTGAGTTACATAAACCAATTAACAAA ACAGCCCACATCGCTAAACTACCTGATGCCAGGATGGCTATAAGCAATAATAAAATGGCACAACAC GCATTAAAAAACAGAACGAAACCCGCATCTATTTTTTGCATTACAGCAGCACCTATAAAACGTCCT ACCATAGCACCACCCCAAAAATAAGTAAGATAATGTGCCGCTTCTGACTCATCTAAACCCGCAATC GCGTCCATAGCCATAAAGTTAATTAAAAAACTGCCAATGCCCACTTCTGCACCGACATATACAAATA TGCCAATTGCACCTAAAACCAAATGTTTATATTGCCAAGCTGAACCCTCATTTATTTGCTCTCTTGT ATCAGGTTCTGAGATTTGTGGTAATTTCATAAAGGCAAAAATAGCCGACAAAACAAGTAAAGATGA CGCCAATAATAAATATGGCATCTGCACAGCTTGCGCTTGCATCAATTTTTGCTGTTCAATAGATTCA AATGAGCCAGATGCAATGCCTAAAATAAGTAACCCACCAAAAAAAGGCGCGATTGTTGTACCTAAC GAGTTGAAAGCTTGCGTCAGTGTTAAGCGAGAAGAAGCGGTTTTTTCATCGCCTAAAATACTCACA TATGGATTCGCTGATACCTGTAATACGGTGATCCCTGAGGCTAATACAAATAATGCAGCTAAAAATA CTGGGTAACTATGTAAGGATGCTGCGGGATAAAATAAGCCACAGCCAATACTGGCAATCAATAACC CAAGTACAATACCTTTTTGATAACCTATTTTTTTAACAACCACACCTGCAGGCATAGAAACTAAAAA

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33 ATAAGCACCAAAAAAGCAAAATTGAATTAACATTGCTTGAGAATAAGATAAATCAAAAACATTTTTT AAATGCGGTATCAAAATATCATTTAGACAGGTAATAAAACCCCACATAAAAAATAAAGATGTCAGC GAAATTAGCGCAAAGTTATAATTTAGCGATGAATTTTCACCTGCCTGATTTTGTGTATTTGTTACTC CAGCTGGACTAACCATAAGTTTCCCCTCGTTCACTTTTTTATAACACCTTAAAACGTGAGCCTTTTT TAATTATTTTCTATTAAAAACTCAGCTTTATTGGCTTACTAACGTATTAAAAAAACATAATGTTAAAA GTATTGACCTTTATTTAATAAACCTCTAACCTTTATGTAAGCGCTTTCATTTATATCACAGATAAGAT TAAGCGCAATATATTTTACAAAAAATGTAAGCGCTCTCATTTTTAGTTGTAGTATCTGACGACGTAA TCATTATGTGTGTAAAAGTGAATTTAAACTGGAACTCAAAAAATAAGAATTTGGCTTAATATGAAAA TATCGTTACCGAATAATTCAAAAATGAACTCTAAAGAATTTACGTTTGGCGTTGCTACTGCGTCGTT TCAAATAGAAGGTGGTGTTAATGATCGCCTACCTTGTATTTGGGATACCTTTTGCGCAACAGATGG AAAAATAATAGATCAATCTAATGGTGATACTGCTTGTGATCATTTCAATAAATGGCATCAAGATGTT GACCTGATTGAATCTTTAGGGGTAGATGCTTATCGTTTATCAATTTCTTGGCCTCGTGTTATAAAAC TAGATGGTTCTCTAAACCAAGCTGGTGTTGATTTTTACACCAAATTATTAGATGAATTGAAAGCGC GTAATATTAAAACTTTTGTCACTTTATATCATTGGGACTTGCCACAACATTTAGAAAATAAAGGCGG TTGGTTAAATAGAAATACCGCTTATGCTTTTGAACAATATGTTGATTTTATAACTAAAGCCCTTGGC AATCGCGTTGATTCTTATGCAACCCTAAATGAACCATTCTGCAGTGCTTATTTAGGTTATGAAGCAG GAATACATGCACCAGGTATAAAAGGTAAAAAGTTTGGTAAAAAAGCAGCACACCATTTATTACTTG CTCATGGCTTGGCAATGCAAGTATTAGCTAAAAACAGTCCAAATACACAAAATGGCATTGTTTTAA ACTTTACACCAGCTTATGCAAAAACTGATTCGCAAGCCGATAGTATCGCAGCACAAAAAGCCGATG ATTATTTTAATCAGTGGTATATCAAACCAATCATGGATGGTGCTTACCCTGATTTATTAAATGAATTA CCACCAGAAAATCATCCCGATATCCATGAAGGTGATTTTGACATTATCTCAACACCACTGGATTTTT TAGGGATAAATTATTATACCCGTGCTGTATATGAAGCAGATAAATCAGAGTTATTTAGAGAAGTACC GCCTAAAGATGTCGCTATAACAGATATCGGCTGGGAAATTTATCCTAAGGGTTNNAGTAACTTATT AGTGTCATTAAATGAAACTTATTCTTTACCGCCAATTTATATCACTGAAAATGGTGCAGCTATGGCT GATAAACTGATAGATAATGAAGTGAATGATATTGACCGAATAGCATATTATCAAAGCCATTTAAATG CTGTTAATGATGCGATAGAACAAGGCGTTAATATTCAAGGTTATTTTGCATGGAGTTTAATGGATAA CTTTGAATGGGCTGAAGGTTATACTAAGCGTTTTGGCATTGTTTATGTTGATTATCAAAGTCAAATA CGTACCATCAAAGCAAGTGGTTATGCATATAAAAACTTTATTAACCAAAGAACTTAATCGCTGAGGT AAATATGCTTACAATTAAAGAAAAAGTAGCCTACGGATTAGGCGATACCGCAAGTAATATCATTTTC CAAACAGTAATGATGTTCCTCCTTATTTTTTATACCGACGTTGTAGGCTTATCTCCTGCAGTTGTAG GAACTATGTTTTTGGTTGTTCGTATTTTTGATGCGATAACAGATCCATTAATGGGGGCACTTGCAG ACAGAACTAAAACAAAGTGGGGGCAATTTCGCCCTTACCTTTTATGGTTAGCAGTGCCATTTGGTA TTTTAAGTGTGCTCGCTTTTACCACACCTGATTTATCCGATACAAATAAAATCATATACGCTTTTATT ACATACACCTTATTAATGATGGTTTACACTGCTATTAATATTCCTTATTGCTCACTAGGTGGCGTATT AACAGCTGCTCCTAAAGAGCGCGTATCAGTGCAAACCTACCGTTTTATTTTTGCCATGTTAAGTGG CGTATTAGTTGCCGCATGTACTATGCCGATGGTTGAATACTTTGGCCATGGTGATTCTGCTAAAGG

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34 CTATCAAATGACAATGATAATAATGAGTGNTTTTGGCGTTGTATTATTTTTATTATGTTTTGCAGGT ACTAAAGAAAGAATAGCAGCACCGATGAATCAAAAAGTTTCATTTAAAGACTCTATGAAACAGCTA TGGCTCAATGACCAAGCCAGATTATTATGCCTTGCTGGTGTATTTTTATTAACCGGCCAAGTATTAC GCTTCACTTTAGCTGTGTATTACGTAAAGTATTTTCTTGGACGTGAAGACTTGATCACCACTTTTAT GACAATTGGCATGGTAGGGAGTTTATTAGGCTGCGCAGTTGCACAACCTCTAGCTAAACGTTTTTG TAAAATAAAATCATATATTAGCTTGCAAATCATTGCTGCTATTATTTGTATTTCAAGCTTTTTCATTG CCAGTGACCAAGTAATATTAGCCTGTGTCTCTTTCTTCTTTTGGAAATTCTTTTTAGATATGGCGAC CCCGCTACTTTGGGCCAAAATGGCTGATGCGATTGATTATGGTCATTGGAAAACCGGCGTTCGCAT TACTGGTATGGTTTATTCAACCATTATCTTTTTTATTAAGTTAGGTGTTGCATTTGGTGGCGCACTT GCTGGTTGGGCGCTTGCTTATTATGGTTATCAAGCGGATGTTGAACAAACAGTTCAAACAACCCAA GGCATCTTATTATCATTTACTTTATACCCAGCATTGGGCTCACTTATTGCGGCTGCAACAATGCGTT GGTATATTCTAGATAATAAAAAAGTTGAGCAAATACACAAAGAGCTCAATGCCGTAACAAGTTAGT TTTTATGATAAAGTAGCCCCAGTAACAGGGTTACTTTTGGTTTAAGGAAAGAAATGGCAACAATTT ATGAAGTGTCTGAATTAGCAGGTGTCTCTTTAGCAACAGTCTCTCGTGTGATGAACAATAATGCGC GAGTGAGTGATAAAACCAAAGAGAAGGTTTTAGCTGCGATGAAACAGCTAGATTACCGCCCTAAC TCTATTGCACAGTCTTTGGCATCAAACTGCTCAAACAGTGTCGGTATTTTAGTATCTGAGTTAAGT GGTTACTTCTATGGTGCGATGCTCAGCGGTATTGAATCAGAGTTAAGAGCGGCACATAAACACGTT ATTATTGCTGCGGGCCATGCTGAAGAAGCAACTGAAATAGAGAGCATTGAGTTTTTAATTGGTCGT AATTGTGATGCTTTGATCTTACATGTTGAAGCCGTATCAGATGAATATTTAATAAAACTAAGTCAAG GTTCAATTCCTATTGTACTCATAAATAGATATATAGAAGAAATTGCAGATCGTTGCATTAGCCTAAAT AACGAACAAGGTGGGTATTTAGCAACCAAAGCATTATTAGATCAAGGCCATACCGATTTAGCGGTA ATTTCGGGTCCTCTTTGGAAAGAAGATGCAAAAAACCGTTTGAATGGTCATAAAAAAGCACTTGA GGAATTTAATCTTTCGTTTAACCATTCTTTACTGGTAGAAGGTGACTATAAAGAAAGTGGTGGTTC AAATGGTATGCAGCGACTCCTTGATAAAAAAATAGGTTTTACTGCTGTTGTTTGTGCAAATGATGA AACTGCGTCAGGTGCTATGACAGTCGCGAGAGAGCATAACTTACAATTACCTGCTGATATATCCAT CATAGGTTTTGATAATACAATTTTTGCGCGTCACTTATATCCTAAGCTTTCAACTGTTGACTATCCT GTAAATCAAATGGGTAAGATGGCTGCTACTTGGGTGCTTAAGTACGTTTATAAAAATGATAACCTG TTCATTGATAATTTATTCAANCCTGAACTAATTATGAGGGATTCAATCTTTACTTTAGACAATACTTT AAATCNTGCACTAAAAACATCTTAATCTTCAAGGTGCCAAAAGCACCTTGAACCCACATTTTAAAA ACTGAGCTTAAACCTAGCCTTACACCATTCTGTATTGCATTTTATTTATTAAATCTGTATCTGTTTTG CTTTTTAATTCACTTTATACTCATACCTGTTACATAAATTCCAGGATAAAAATAATGACAATTTTAAT AGAAACACCCCGTTTAAAAATAAGAGAGTTCACGCTAGATGACTTAGATGCTGTATATGCTTTTTC AATAAATAAAGATGTGACTAAATATACTGGCGACTTAGGTATGGTGAAAACGAAACAAGATGCAAT TAATGTGATCACCAACGTGTGGCAAGCCGAATACAAAAAATACGGTTATGCACGTTATGCTTTATT GTGTAAAGAGACAGATGAAGTAATCGGATTTTGTGGCATTAAATGCCTACCAGAAGAGCAGCAAA CAGATATCGGCTACCGCATGTTGCCTAAGTATTGGGGCAAAGGTTTAGGCTAATGCTTAATGAGGT

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35 TCAATCTCAGGATGATAAAGATGTATTTGAAATACTGTCAGATGAAGAAGTTGTAAAGTTCTATGAT TTAGATTCCTTTAGCCATTTAAGTCAAGTGAGTGAACTTATACCCAAGCTACTTCAAGATGCGAGT TTCAGGACTGCTGAGCAATTCGTGATCTAGGCGCATCTTTGTATTAATGGTTTTTCCCTTAAAAGA AGATGGAACAACGAGCATGATTTGCTCAGAAGTCCCCGCAGGGTTGGTTTAGAAGCGCTTTATGC TGCGTTATTGATTTTGACAAGGGAATAACCATTCTCTGCAATCAATGCCTTGCNTAAAGCGCTTCT AAATCCAACTGAATCCTGCATCTTGAAGTGGCTTGGGTATATAATAGATGATTTATAGCGCACCTTC ATCGATTAATATTTGGTGAATGTGCTGAGCCAATTTTTGATAACCTAATTGATTAAAGTGAATCTGA TCTGATTTATATTTATTATTTTTTAATAGATCAGTGACGATATCTTCTATTAATACAACATCATATTTC TTAGCTAAGTCTTGATAAAAATCAGCAGGACTTAAAAATAAGCTTTTAGTGGGTACCGCTAATAATA TCAACTGAATATTATAGCTTTGAGCTATTTCAATCATTTTAGCTAAATTTGACTGTGTTAGAGCCAG TGACTTATTACGTAAAAAATCATTTCCTCCTTCAAGTAATATGATTAAATCAGGCTGATGTTCTATTA AGGTATTTTCAAACCTTTTTAAGCCTTGTGCTGTGGTTTCTCCAGAAATACCCCCATTAATAACCGT TAAACCGCTCAAGTTAGCTAATACACTTGGGTAATTATGTTGTTTTGCCACGCCTTTACCTGACGTT AAACTATCACCAAAGGCTAATATTTTACTGTCTGATGTAAGCTGATTTAAGGGTACTTCTGAGCACC CTATTAATATAAAAATTAAAAGACCCGTTATTACTTTAATCATTATTTTTCTCCAACTAAATGTTAAT CTCTAATTTTTATACTTGCGATCACAGGCGCGTGATCTGTACTGTGACTATCAATATCGTATTCAGG GTTTATTAAATGCTTATCATAAGTAATATAAGAAGACACTTCGGCTAAACTTGTACTATTATCTGTAT TAAATTCATTAGACAATAAAATATAATCGAGTACAGAGCCTTTAGTACAAAAATAATGAGAGGGCGA TCTTACTTGGCTGGTAGACGTTTTATTTTGTGATTTGATATATAACGCATACGCATCACACAATTGG TAATAGCTAAATGATTTATCAATTGCATAATCGGGTAAACGAGACAAATCAGTCATTTTGATATCTG CATTATGAATATCACTGCGCTGTACATTAAGGGCATTCAAGATTGCTGAATCTAAAGTATCGTTAAA ATCTCCCATAAGCATCATAGCATTATTGGTATTATCACGCCTTTGCAGTATGGCATGAAATAACAAA GACACTTCACTGCCCCTTTGCATATCTGATTGCCAACGACCTAATGCTTGCTTAGCAAGTAATGCA GCACTGGTAGATAAGCCTGCTAAGTAGCCCTGCTCACATGTTAAATCTGCACGTTTAGATTTTAAG TGCACAACATAGCAATCACATAAACCTATTGTAGGTAGCTCAATCGTCGCTCTAAGCACTTTTCGG CTAAAATCAAAGTTTTGCAACCCCATAGTCACTGCTAACTCATTAGAGACTGTCACGGATTGAGTA TTCATAATTGGAAATTTAGAGGCTATAGCAACAACGGGACTTGAATAAATAAAGTCATTTTCAATAT TAGGTTCATCAATAACAGCAAAATATTTATAACCTAAACTTTCACATAAAAGCTTTAAATCATTGATA CTGAATACTTCTTGAAAACCAACAATATCTGGTTGCTGCTCTTTTAATAACTCACCGAACCAAAGTT GCTTTTTCTGCCATTGTTCTTGGCTATAAATATTCTCAAAATCATAATAAGCATTTGGAGGGCTCAA GTAATTGAAAAGATTAATACTTGCTACTTTAAATTGAATTGTTTGTTCACTCACTGGATCAGTATCT GGTTTAATTAAGCTAACTGTATTATCACTTTTCACTAAAAATGTTCTCAAAAATAAAACACTTAACA GAATAACTTTTATTTATAAAGCTATCAAAATAAAACGTATCATTTATCGATTTTTATTCCACAAATTT TGATTTTTAATATAAGAAAAATATTCATGTGGTTCCCAACAATGGGGAATAAACTCAGCCTCGTTTG TTCTATTTTCAAAGTTTGACCAAAGTTTTTTAAGAATTTCATTTAATCTTTCATTACTGACTTTTTCT AATTTTTTACGGCAATTAGCATAAAATAAGTTGTTTTCTGGATTCAAAATTAAATCATGCCCTGATG

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36 AAGTAAAGGTTAAATTTTTAGTAGCCGCTCTAAGTATCGGTGCGTGAGGGTTTTGTGGGTATATAC CATTTACTATCGCATATTCAAATCTATCTAAATCAATACCATCCATATTTTTAGGAATATAAGTGACT CCAAACCCTGGCGGAAAAATTCCGAGTATTTTTAAAAGGCTATTTACTACAACTTGGCTATGACTG CCTTTTTCAGCACCTTTATTTAATAACATAAATACTCTAGGCAAAGNTCCTCTAGAGTCGACCTGCA GGCATGCAAGNNNNNNNNNNNNNN

Table 2  PCR 反応プログラム

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