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大滝山・竜王山・大川山山上部の鳥類群集(予報)-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川生物(Kagawa Seibutsu)(21):23−24,1994.

大滝山・竜王山・大川山山上部の鳥類群集(予報)

山 本 正 幸

〒760高松市松島町一丁目15−1 高松市市民文化センタ・−

BirdcommunltyinMt.Otaki,Mt.RyuoandtheupperpartOfMt.Daisen

MasayukiYamamoto,7bkaTnatSuCiuicCultzLralCenter,7bhamatsu,760t7qpan

Abstract:BirdswereobserVedonMts.OtakiandRyuo,andatahigherelevationof

Mt.Daisen,KagawaPrefecture,fromApri126toNovember15,1993.Thedensitywas

thehighestonMt.DaisenandwasthelowestonMt.Otaki.The totalnumber of

SpeCiesobserVedincludingOtherreports(thisstudy=in parentheses)was73(55)on

Mt.Otaki,66(53)onMt.Ryuo,and77(51)onMt.Daisen.Atotalof37specieswas

ObserVedinwoodsofFbgusbrenate.Parusaterand7ナoglo(如estroglo4γteSapPeared

above770mandabove450monMt.Otaki,above950mandabove850monMt.Ryuo,

andeverywhereandabove500monMt.Daisen,reSPeCtively.

讃岐山脈においての鳥額の観察記録は,山本 (1977,1986),日本野鳥の会香川支部(1984− 1993)などがあるが,鳥類群集としての報告ほ ない。そのために,著者は1993年4月26日より 大滝山,竜王山,大川山山上部において,r−Oad− sidecensus法によって定量的に調査を続けてい るので,その経過の概要を報告する。 大滝山の調査コ・−スほ,別子地区の大滝山自 然学習館を起点とし,大生口,大屋敷地区,ケ ヤキ林,酉照神社(946m),ブナ林,大生を経 て大生口を終点とする7.Okmとした。また,竜 王山の調査コ1−スは,竜王山キャンプ場を起点 とし,登山道に沿って讃岐竜王山(1040m),竜 王山(1059.5m)を経て竜王神社の近くの地点を 終点とする2.5kmとした。さらに大川山山上部 コ・−・スは,野口川に沿う登山道の920m地点を 起点とし,大川神社(1042.9m),大川山キャン プ場を経て,イヌシデ林の下側を通って起点と 同じ地点を終点とした1.7kmである。 以上の各調査地域における鳥類の出現種数, 出現数,個体群密度および優占種の概要を示し たのが表1である。このうち,各調査地域ごと に.出現した種数をまとめると,大滝山23科4亜 料55種,竜王山21科4亜科53種,大川山山上部 21科4亜種51種であった。この値は主として繁 殖期から秋期のものであるために今後の調査に よってさらに増加するであろう。また,個体群 密度についてほ,大川山山上部の値が最も大き く,次いで竜王山,大滝山の順であった。これ は,調査地域の環境が異なるためであるが,渡 り途中の群れや非繁殖期における家族群・混群 の形成によって出現種が増して個体群密度が高 くなることに.もよる。従って,このような鳥類 群集の値を除くと大川山山上部の個体群密度も 他の地域のそれとよく似る。いずれにしろ,大 滝山,竜王山および大川山山上部は讃岐山脈中 の他の地域に比し,出現種,個体群密度ともに 値が高い地域であると考えられ,今後冬期中の ー23・−

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表1.各調査地域における鳥類の出現種数,出現数,個体群密度および優占種 調査地域 大滝山コース 調査日(1993月/日) 4/26 5/24 11/1 出現種数 36 36 26 出現数(‰) 283 219 119 個体群密度(恥/1km)40.43 31.29 17.00 竜王山コース 5/4 6/5 11/6 38 30 26 133 139 123 53.20 55.60 49.20 ウグイス ウグイス エナガ (18.05)(14.39)(16.26) ヒ ガラ エナガ マ ヒ ワ (7.52)(12.23)(13.82) 大川山山上部コース 5/5 6/6 10/4 11/15 28 31 32 23 88 105 158 209 51.76 61.76 92.94 122.94 ヒ ガラ ヤマガラ イワッハリ マ ヒ ワ (12.50)(15.24)(17.09)て23.92) ウグイス妄言ユウヒヨドリエナガ (11.36)(10.48)(16.46)(15.31) ヒヨドリ ヒヨドリ ヒヨドゥ (27.56)(15.07)(20.17) 優占種(優占度%) シジュウ カラ イ カ ル ウグイス (18.73)(15.07)(15.13) その結果,ヒガラは,大滝山770m以上,竜王 山950m以上,大川山山上部はすべての場所に おいて観察された。また,ミソサザイは大滝山

450m以上,竜王山850m以上,大川山500m

以上であった。今後,さらに調査地域を広げる とヒガラとミソサザイの垂直分布が明確になる ことが予想できる。 この調査期間中にroadsidecensus法による観 察やその他定点観察の結果,讃岐山脈を通過す る渡り鳥を観察することができた。今回の調査 期間中には,ハチクマ,サシバなどのワシタカ 科のほかハリオアマツバメ,イワツバメ,エゾ ビタキ,ヒヨドリなどを観察することができた。 最近,讃岐山脈における観察記録が増え,特に 秋期の渡りコースが次第に明らかになりつつあ るが,四国における渡りのコースの一部として の観察記録をまとめなければならない。 山林における鳥頸はその生態的特性のために ある一時期の調査のみでその地域の鳥額群集を 把握するのは難しい。辛いにも日本野鳥の会香 川支部報「かいつぶり」(1984−1993),山本 (1977,1986)の記録があり,この記録と今回の 調査結果をあわせて,大滝山73種,竜王山66種, 大川山山上部77種の目録を作成したが,別の機 会に報告をしたい。今後,これを参考に大滝山, 竜王山および大川山の調査を続け,鳥頬群集の 構造を把握したい。 図1.Pαr乙↓S αとer 調査も含めて継続的に観察しなけれはならない。 大滝山ブナ林は,本県で唯一のシラキープ ナ群集であり,ブナの残存林として貴重である が,ここに生息する鳥類群集も興味深い。今回 の調査では,6月7日の調査と大滝山コース調 査を含めてブナ林だけで37種出現した。しかも, ヒガラ,シジュウカラ,ヤマガラのシジュウカ ラ科の優占度が高いのも興味ある課題である。 さらに,最近になり減少しているヤマドリ,フ クPウ,アオゲラ,キビタキも出現しているの で,ブナ林における鳥類群集の特徴的傾向があ るものと期待している。 今回の調査に関連して,繁殖期におけるヒガ ラとミソサザイの生息する標高との関連もみた。 −24−

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参照

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