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癌性悪液質に伴う骨格筋タンパク質代謝制御機構の変化と運動介入効果

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 46 巻第 2 号 73 ∼ 82 頁(2019癌性悪液質と骨格筋タンパク質代謝制御 年). 73. 研究論文(原著). 癌性悪液質に伴う骨格筋タンパク質代謝制御機構の 変化と運動介入効果* 角 田 大 典 1) 瀬戸素代花 1) 木 曽 稜 太 1) 宮 﨑 充 功 1)#. 要旨 【目的】癌性悪液質に伴う骨格筋萎縮に対する運動介入効果を検証し,骨格筋タンパク質代謝制御の分子 機構に与える影響を明らかにする。 【方法】CD2F1 系マウス(雄性,7 週齢)を対象とし,マウス大腸癌 由来細胞(C26)の皮下移植による実験的悪液質誘発モデルを作成した。また自発走運動を行わせ,悪液 質に伴うタンパク質代謝制御機構の変化に対する運動介入の影響を解析した。 【結果】C26 細胞移植に伴 い体重および骨格筋重量は有意に低下し,ユビキチン - プロテアソーム系タンパク質分解の指標である Atrogin1 タンパク質発現量の増加,およびタンパク質合成系の制御因子である mTOR のリン酸化の低 下が認められた。一方で身体運動介入により,悪液質誘導性の変化は CON 群と同レベルに抑制された。 【結論】走運動介入を行うことで,悪液質に伴い負に傾いたタンパク質代謝制御機構が是正され,骨格筋 量の維持に貢献している可能性が示唆された。 キーワード 悪液質,ユビキチン - プロテアソーム系,mTOR,運動療法. はじめに. として,選択的タンパク質分解系であるユビキチン - プ ロテアソーム系,および非選択的バルク分解系として知 3‒7).  骨格筋はヒト身体重量の約 40%程度を占め,立つ・. られるオートファジー系の関与が報告されている. 歩くなどの日常生活動作に必要なパワーを発揮するだけ. 一方で,骨格筋タンパク質合成を賦活する分子機構とし. でなく,エネルギー代謝制御や熱産生,内分泌器官とし. て,mTOR(mechanistic target of rapamycin)を介し. ての関与も報告されており,ヒトの身体機能を制御する. たシグナル伝達系の関与が示されている. もっとも重要な組織のひとつである。骨格筋は終末分化.  近年,癌をはじめとする慢性消耗性疾患において二次. した多核細胞の集団であり,成熟した筋線維の総数は,. 的に誘発される体重,骨格筋および脂肪量の減少を総称. 基本的には変化しない。骨格筋量の増加(筋肥大)や減. した,悪液質(カケキシア)という病態が問題視されて. 少(筋萎縮)といった組織全体の量的変化は,個々の筋. いる. 線維の大きさが変化したことを意味する。この骨格筋線. トロフィーなど)や加齢性の筋量低下(サルコペニア). 維のサイズ変化は,筋細胞内におけるタンパク質合成お. とは異なり,基礎疾患に関連して生じる全身性の複合的. よび分解の出納バランスにより規定される。つまり骨格. 代謝異常を特徴とし,共通する病態として体重や骨格筋. 筋萎縮とは,骨格筋細胞内のタンパク質分解量がタンパ. 量の顕著な低下(脂肪量低下を伴う/伴わない場合があ. ク質合成量を上回った状態と定義することができ. る)を呈し,最終的に QOL の急激な低下や生命予後不. る *. 1)2). 。この骨格筋タンパク質分解を誘導する分子機構. Voluntary Wheel Running Prevents Skeletal Muscle Atrophy by Modulating Ubiquitin-proteasome-dependent Proteolysis in Cancer Cachexia Mice 1)北海道医療大学 (〒 061‒0293 北海道石狩郡当別町金沢 1757) Daisuke Kakuta, PTS, Soyoka Seto, PTS, Ryota Kiso, PTS, Mitsunori Miyazaki, PT, PhD: Health Sciences University of Hokkaido # E-mail: [email protected] (受付日 2018 年 5 月 14 日/受理日 2018 年 11 月 1 日) [J-STAGE での早期公開日 2019 年 2 月 1 日]. 。. 8‒10). 。. 11). 。悪液質は不可逆性の骨格筋変性疾患(筋ジス. 良を招く. 12‒14). 。骨格筋量の減少が誘導される要因とし. ては,一次疾患に由来する炎症性サイトカイン産生の増 加. 15). や原因病巣からの放出因子の影響 16)などが示唆. されているものの,現在までその詳細は不明な点が多 い。癌性悪液質に伴う骨格筋萎縮では,特に動物実験モ デルを用いた報告を中心として,骨格筋特異的 E3 ユビ キ チ ン リ ガ ー ゼ で あ る Atrogin1 や MuRF1(muscle RING finger protein-1)の遺伝子・タンパク質発現が顕.

(2) 74. 理学療法学 第 46 巻第 2 号. 著に誘導されるなど,ユビキチン - プロテアソーム系を. づいて計画され,北海道医療大学動物実験委員会の承認. 介したタンパク質分解が亢進されるとする報告が多. を経て実施された(動物実験計画承認番号第 096 号,平. い. 17‒20). 。また実験動物およびヒト患者骨格筋サンプル. 成 28 年)。. を対象とした検討において,癌性悪液質に伴いオート ファジー関連遺伝子である Beclin-1 や LC3(microtubule. 2.実験デザイン(癌性悪液質モデルマウスの作成およ. associated protein 1 light chain 3)の発現が誘導される など,オートファジー系を介したタンパク質分解系の関 18)21‒24). び身体運動介入)  癌性悪液質を誘発する動物実験モデルを作成するた. 。一方で,大腸癌モデルマ. め,マウス大腸ガン由来細胞株(C26:Colon-26)の皮. ウスの骨格筋を用いた検討では,癌性悪液質の発症・. 下移植を行った。理化学研究所バイオリソース研究セン. 進行に伴い Insulin-like growth factor 1 の発現抑制や. ターより提供された C26 細胞(Cell No. RCB2657)を. mTOR 系シグナル活性の抑制が観察されるなど,悪液. 用い,10%ウシ胎仔血清および抗生物質を添加した. 与も示唆されている. 質に伴う骨格筋タンパク質合成系の機能低下も報告され ている. 25)26). 。. RPMI1640 培地にて細胞培養(5% CO2,37℃)を行った。 培養した C26 細胞をトリプシン処理し,リン酸緩衝液.  癌性悪液質に対する治療戦略としては,一次疾患に由. 6 にて複数回洗浄後,1 個体あたり 1 × 10 個の C26 細胞. 来する慢性炎症に対する薬理学的介入(抗炎症・抗サイ. を 100 μ l の生理食塩水にて懸濁させ,27G シリンジを. トカイン療法など)に加え,栄養療法および運動療法を. 用いて皮下へ移植した。移植場所はマウス腹壁部の皮下. 27)28). 。特に,より. とし,対照群(CON-SED 群および CON-RUN 群)には. 早期に運動療法介入を開始することで,悪液質に伴う身. 等量の生理食塩水を注入した。また身体運動介入とし. 体機能や ADL 能力低下を予防・改善させる可能性が示. て,運動群(CON-RUN 群および C26-RUN 群)には生. 含めた包括的な対応が必要とされる. 唆されている. 11)29)30). 。癌性悪液質に対する運動療法と. 理食塩水/ C26 細胞の移植直後から走運動を行わせた。. しては,比較的低強度のレジスタンス運動や有酸素運動. 運動形式については,トレッドミル等を用いた強制運動. を採用することで体重・骨格筋量減少の抑制や抗炎症作. に伴う筋損傷誘発の可能性. 用が得られるとされるが,現在までヒトを対象とした十. 度な増悪なく骨格筋機能の改善が見込まれる自発走運. 分な数のランダム化比較試験は報告されていない. 31‒33). 。. 動. 36)37). を考慮し,筋損傷の過. 38)39). を採用した(回転式運動量測定器 SN450,シナ. 一方で実験動物を対象とした検討では,特に有酸素運動. ノ製作所)。非運動群の個体は,回転ホイールへの入口. が癌性悪液質に伴う骨格筋萎縮の抑制に有効であるとす. を封鎖した同形式のケージにて飼養した。腫瘍組織の形. 18)34)35). 。しかしながら,身体運動介入が. 成を確認しながら,C26 細胞移植後 1 ∼ 4 週目まで経時. どのような機序を介して癌性悪液質によって引き起こさ. 的に体重,筋力および食餌量を測定し,その後血液およ. れる骨格筋萎縮を抑制するか,その詳細は現在までほと. び骨格筋(腓腹筋)を採取した。食餌量は給餌量および. んどわかっていない。そこで本研究では,マウスを対象. 残量の差を 1 週間ごとに計測し概算した。筋力の指標と. に実験的癌性悪液質モデルを作成し,有酸素運動による. して握力(齋藤式マウス用握力測定装置 MK-380M,室. 運動療法を模した介入(自発走運動)を行うことで,癌. 町機械株式会社)を測定し,3 回の試技の平均値を各個. 性悪液質に伴う骨格筋萎縮に対する運動介入効果および. 体の値として採用した。サンプリングはすべて麻酔下. タンパク質代謝制御機構に与える影響について検討. (イソフルラン吸入麻酔,麻酔濃度:導入 4 ∼ 5%,維. る報告がある. した。 対象および方法. 持 2 ∼ 3%)で,明暗サイクルの明期開始後 2 ∼ 6 時間 の間に行われた。採取した試料は,組織重量の測定後速 やかに液体窒素にて凍結し,解析まで ‒ 80℃で保存した。. 1.実験動物  本実験は 7 週齢の CD2F1 系雄性マウスを対象とし,. 3.血清中サイトカイン濃度の測定. 1 週間の予備飼育の後,1)対照群(CON-SED 群,n =.  TNF- α(tumor necrosis factor alpha)の血清中濃度を,. 10),2)運動群(CON-RUN 群,n = 9) ,3)癌性悪液. サンドイッチ ELISA(Enzyme-Linked Immuno Sorbent. 質群(C26-SED 群,n = 9) ,4)癌性悪液質発症モデル. Assay)法により測定した。麻酔下にて腹大動脈から採. に運動介入を行った群(C26-RUN 群,n = 11)の 4 群. 血し,凝固反応(37℃,30 分)の後に遠心分離(1,000. に分類した。すべてのマウスは 12 時間周期の明暗サイ. × g,4℃,10 分)を行い,上清を血清サンプルとし. クル,恒温/恒湿条件(24 ± 1℃,50 ∼ 60%)にて飼. て 回 収 し た。 測 定 に は Mouse TNF-alpha ELISA Kit. 育され,水および標準固形食(マウス・ラット・ハムス. (proteintech,KE10002)を使用し,すべてメーカー推奨. ター用飼料/ MF,オリエンタル酵母)は自由摂取とし. のプロトコルにしたがった。発色反応後,プレートリー. た。本研究は,北海道医療大学動物実験規程の定めに基. ダーで吸光度(波長 450 nm)を測定し,プレートごとに.

(3) 癌性悪液質と骨格筋タンパク質代謝制御. 75. 作成された標準曲線より各血清サンプルの TNF- α 濃度. 5.統計処理. を算定した。.  得られた測定値は平均値±標準誤差で表記した。各群 間の比較には二元配置分散分析を用い,交互作用および. 4.タンパク質発現解析(ウェスタンブロッティング). 主効果検定の後に Tukey-Kramer の多重比較検定を行.   プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 カ ク テ ル( ナ カ ラ イ テ ス ク,. い,有意水準は 5% とした。. 04080-24) を 含 む RIPA バ ッ フ ァ ー(1% NP-40,0.5% sodium deoxycholate,0.1% SDS,50 mM NaCl, 20 mM Tris‒HCl [pH7.6],1 mM PMSF,5 mM benzamidine,1 mM EDTA,5 mM N-ethylmaleimide,. 結   果 1.癌性悪液質に伴う体重および骨格筋重量の減少と運 動介入による抑制効果. 50 mM NaF,25 mM β -glycerophosphate,1 mM.  図 1 には体重および組織重量と各測定指標(握力,積. sodium orthovanadate)を氷上にて冷却し,マイクロホ. 算走行距離,食餌量)の変化を示した。腫瘍組織を含む. モジナイザー(マイクロテック・ニチオン,NS-310E3). 全体重は実験期間を通じて各群ともに漸増傾向を示した. を用いて凍結試料を破砕した後に遠心分離(16,000 × g,. (data not shown)が,腫瘍塊(図 1A)を除去した状態. 4℃,15 分)を行い,上清をタンパク質サンプルとして. では,特に C26-SED 群において有意な体重減少を示し. 回収した。BCA protein assay kit(Thermo Fisher Scien-. た(CON-SED 群,27.35 ± 0.32 g;C26-SED 群,24.45. tific,23227)を用いて上清中のタンパク質濃度を測定. ± 0.60 g;図 1B) 。また C26 細胞の移植に伴い,腓腹筋. し,すべてのサンプルが 1 μ g/μ l となるよう SDS サン. (CON-SED 群,131.29 ± 0.91 mg;C26-SED 群,113.83. プルバッファーにて調整した後,熱変性(95℃,5 分). ± 2.02 mg;図 1C) ,心筋(CON-SED 群,139.77 ± 2.27 mg. を行った。e-PAGEL(アトー,E-T520L)によりタンパ. ;C26-SED 群,123.28 ± 3.26 mg; 図 1D) お よ び 精 巣. ク質サンプルを分離し,電気泳動後にタンク式転写装置. 上体白色脂肪(CON-SED 群,544.78 ± 32.59 mg;C26-. (Bio-Rad,1704070)を用いて PVDF 膜(Immobilon-FL,. SED 群,227.07 ± 30.91 mg;図 1E)の各組織重量が有. Merck,IPFL00010)へ転写し,Odyssey Blocking Buffer. 意に減少した。発揮筋力の指標として測定した握力は,. (TBS) (LI-COR,927-50000)にてブロッキング(室温,. C26 細胞移植後 3 週目までは各群間に変化は認められな. 60 分)を行った。一次抗体反応(4℃,over night)お. いが,4 週目において C26-SED 群のみ有意に低値を示. よび二次抗体反応(室温,60 分)の後,近赤外蛍光イ. した(CON-SED 群,284.83 ± 4.40 g force;C26-SED 群,. メージングシステム(LI-COR,ODYSSEY CLx)を用. 214.59 ± 4.05 g force;図 1F) 。一方で,C26 細胞移植. いて蛍光検出を行った。検出された蛍光シグナルは解析. 後に自発走運動介入を行った場合(C26-RUN 群) ,体重. ソフトウェア Image Studio を用いて定量した。一次抗. (26.92 ± 0.46 g) ,骨格筋重量(129.46 ± 1.69 mg)およ. 体:Anti-Atrogin1(ab168372) ,Anti-MURF1(ab172479). び握力(276.06 ± 5.15 g force)は CON-SED 群と同レ. (abcam),Anti-Phospho-mTOR(Ser2448)(#5536),. ベルに維持され,心筋重量(156.84 ± 3.52 mg)は対照. Anti-mTOR(#2972) ,Anti-Phospho-AMPKα (Thr172). 群よりも有意に高値を,脂肪重量(198.94 ± 16.43 mg). (#2535),Anti-AMPKα (#2793)(Cell Signaling. は有意に低値を示した。また自発走運動のみを単独で施. Technology),Anti-GAPDH(sc-32233)(Santa Cruz. し た 場 合 で は(CON-RUN 群 ), 心 筋 重 量(161.40 ±. Biotechnology) ,Anti-p62(PM045) ,Anti-LC3(M186-3). 4.58 mg)および脂肪重量(324.19 ± 32.93 mg)に運動. ®. (MBL) ,二次抗体:IRDye 680LT Goat anti-Rabbit IgG ®. (926-68021) ,IRDye. 800CW Goat anti-Mouse IgG(H. + L) (926-32210) (LI-COR) 。. 介入効果(自発走運動に伴う心筋重量の増加および脂肪 重 量 の 減 少 ) が 認 め ら れ た も の の, 体 重(27.53 ± 0.46 g) , 腓 腹 筋 重 量(129.87 ± 2.25 mg) お よ び 握 力.  Atrogin1 および MuRF1 は骨格筋特異的 E3 ユビキチ. (290.07 ± 6.02 g force)はいずれも変化がなかった。マ. ンリガーゼであり,ユビキチン - プロテアソーム系を介. ウスの運動量は,1 日あたりの平均走行距離(CON-RUN. した骨格筋タンパク質分解系活性化の指標となる。p62. 群,12.99 ± 0.51 km;C26-RUN 群,12.88 ± 0.28 km). はオートファジーによる選択的分解基質であり,オート. および 4 週間を通じた積算走行距離のいずれにおいて. ファジー系の活性低下や機能不全に伴い,細胞内での蓄. も,C26 細胞移植による影響は認められなかった(図. 積や凝集体形成を引き起こす。LC3 タンパク質は,リ. 1G)。食餌量については,非運動群(CON-SED 群およ. ン脂質分子との結合状態により LC3-I(細胞質型)と. び C26-SED 群)に比較して自発走運動群(CON-RUN. LC3-II( 膜 結 合 型 ) の そ れ ぞ れ の 形 態 を 取 り, 特 に. 群および C26-RUN 群)がいずれの測定ポイントにおい. LC3-II 量がオートファゴソーム形成と正の相関を示す. ても有意な増加を示した(二元配置分散分析の主効果判. ため,細胞内のオートファジー活性を示す指標となる。. 定)ものの,C26 細胞移植による影響は認められなかっ た(図 1H)。以上の結果は,C26 細胞の移植により体重・.

(4) 76. 理学療法学 第 46 巻第 2 号. 図 1 癌性悪液質に伴う体重および組織重量の減少と運動介入による抑制効果 A)悪液質モデルマウスの典型例(C-26 細胞移植後 28 日目).マウス腹壁部へと皮下移植した C26 細胞が増殖し, ヒトの親指大の腫瘍塊が形成される.B)体重, C)腓腹筋重量, D)心筋重量,E)精巣上体白色脂肪重量,F)握力, G) 積算走行距離,H)食餌量.CON-SED:対照群(n=10),CON-RUN:走運動群(n=9),C26-SED:癌性悪液質群 (n=9) ,C26-RUN:癌性悪液質発症モデルに走運動介入を行った群(n=11).食餌量データについては,追加実験 のため他の測定項目とは異なる個体群が使用された(各群とも n=6).測定値は平均値±標準誤差で表記した.各 群間の比較には二元配置分散分析を用い,交互作用および主効果検定の後に Tukey-Kramer の多重比較検定を行い, 有意水準は 5% とした.有意差の表記:a,単純主効果(CON vs. C26) ;b,単純主効果(SED vs. RUN) ;c,交 互作用(C26*RUN) ;*,各実験群における CON 群と C26 群間の有意差(p < 0.05) ;#,各実験群における SED 群と RUN 群間の有意差(p < 0.05) .. 骨格筋量・発揮筋力の低下といった悪液質の諸症候が誘 導されること,また有酸素運動を模した身体運動介入に より,癌性悪液質の諸症候の発生が抑制されることを示 している。 2.血液中サイトカイン濃度  図 2 には,TNF- α の血清中濃度の変化を示した。い ずれの実験群においても有意な変化は認められず,身体 運動介入および C26 細胞の移植による影響は認められ なかった。 3.ユビキチン - プロテアソーム系制御因子  図 3 には,骨格筋特異的 E3 ユビキチンリガーゼであ る Atrogin1 および MuRF1 のタンパク質発現量の変化 を示した。腓腹筋における Atrogin1 発現量は,C26 細. 図 2 癌性悪液質および運動介入に伴う血清中 TNF- α 濃度の変化 CON-SED:対照群(n=5) ,CON-RUN:走運動群(n=5) , C26-SED:癌性悪液質群(n=5),C26-RUN:癌性悪液 質発症モデルに走運動介入を行った群(n=5).測定値 は平均値±標準誤差で表記した.各群間の比較には二 元配置分散分析を用い,交互作用および主効果検定の 後に Tukey-Kramer の多重比較検定を行い,有意水準 は 5% とした.

(5) 癌性悪液質と骨格筋タンパク質代謝制御. 77. 図 3 癌性悪液質および運動介入に伴うユビキチン - プロテアソーム系制御因子の発現量変化 A)ウェスタンブロッティングによるタンパク質発現量解析の典型例,B)Atrogin1 タンパク質発現レベルの変化, C)MuRF1 タンパク質発現レベルの変化.CON-SED:対照群(n=8) ,CON-RUN:走運動群(n=8),C26-SED: 癌性悪液質群(n=8),C26-RUN:癌性悪液質発症モデルに走運動介入を行った群(n=8).測定値は平均値±標準 誤差で表記した.各群間の比較には二元配置分散分析を用い,交互作用および主効果検定の後に Tukey-Kramer の多重比較検定を行い,有意水準は 5% とした.有意差の表記:a,単純主効果(CON vs. C26) ;*,各実験群にお ける CON 群と C26 群間の有意差(p < 0.05) .. 図 4 癌性悪液質および運動介入に伴うオートファジー系制御因子の発現量変化 A)ウェスタンブロッティングによるタンパク質発現量解析の典型例,B)p62 タンパク質発現レベルの変化,C) LC3-II(膜結合型)と LC3-I(細胞質型)の発現量比.CON-SED:対照群(n=8) ,CON-RUN:走運動群(n=8), C26-SED:癌性悪液質群(n=8),C26-RUN:癌性悪液質発症モデルに走運動介入を行った群(n=8).測定値は 平均値±標準誤差で表記した.各群間の比較には二元配置分散分析を用い,交互作用および主効果検定の後に Tukey-Kramer の多重比較検定を行い,有意水準は 5% とした.有意差の表記:a,単純主効果(CON vs. C26) ;b, 単純主効果(SED vs. RUN) ;c,交互作用(C26*RUN);*,各実験群における CON 群と C26 群間の有意差(p < 0.05);#,各実験群における SED 群と RUN 群間の有意差(p < 0.05) .. 胞の移植に伴い有意に増加した(C26-SED 群) 。一方. 4.オートファジー系制御因子. C26 細胞移植後に身体運動介入を行った場合(C26-RUN.  図 4 にはオートファジー系の活性化状態の指標である. 群),Atrogin1 タンパク質発現量は CON-SED 群と同レ. p62 と LC3 のタンパク質発現量を示した。オートファ. ベルに維持された。また身体運動介入のみを行った場合. ゴソーム形成からオートリソソームによる分解までの一. (CON-RUN 群) ,Atrogin1 タンパク質発現に変化は認. 連の流れは“オートファジーフラックス”と呼ばれてお. められなかった。MuRF1 のタンパク質発現量について. り,特に LC3-II タンパク質の蓄積(LC3-II/I ratio の増. は,いずれの実験群においても有意な変化は認められな. 加)や p62 タンパク質の分解(減少)が,オートファジー. か っ た。 以 上 の 結 果 は, 癌 性 悪 液 質 の 発 症 に 伴 い,. フラックスの活性化状態を評価する指標として広く用い. Atrogin1 を中心とするユビキチン - プロテアソーム系を. られている. 介した骨格筋タンパク質分解が亢進されること,また身. る p62 タンパク質発現量は有意に増加し(C26-SED 群),. 体運動介入を行うことで,悪液質に伴い賦活されたユビ. 身体運動介入を行うことでコントロールレベルまで有意. キチン - プロテアソーム系が抑制される可能性を示唆し. に発現量が減少した(C26-RUN 群) 。一方 LC3 につい. ている。. ては,悪液質の発症に伴う変化は認められなかったもの. 40). 。C26 細胞の移植に伴い,腓腹筋におけ. の,特に C26 細胞移植群において,身体運動介入に伴.

(6) 78. 理学療法学 第 46 巻第 2 号. 図 5 癌性悪液質および運動介入に伴う mTOR 系制御因子のリン酸化および総タンパク質発現量の変化 A)ウェスタンブロッティングによるタンパク質発現量解析の典型例,B)リン酸化型 mTOR の発現量変化,C) mTOR の総タンパク質発現量の変化,D)リン酸化型 AMPK の発現量変化,E)AMPK の総タンパク質発現量の 変化.CON-SED:対照群(n=8),CON-RUN:走運動群(n=8),C26-SED:癌性悪液質群(n=8),C26-RUN:癌 性悪液質発症モデルに走運動介入を行った群(n=8).測定値は平均値±標準誤差で表記した.各群間の比較には 二元配置分散分析を用い,交互作用および主効果検定の後に Tukey-Kramer の多重比較検定を行い,有意水準は 5% とした.有意差の表記:a,単純主効果(CON vs. C26) ;*,各実験群における CON 群と C26 群間の有意差(p < 0.05) .. う LC3-II/I ratio の有意な増加が認められた(二元配置. タンパク質合成能が低下する可能性があること,身体運. 分散分析の主効果判定,および C26-SED 群と C26-RUN. 動介入を行っても骨格筋における mTOR 系の機能抑制. 群の比較)。以上の結果は,癌性悪液質の発症に伴い骨. が改善されるわけではないことを示唆している。. 格筋萎縮が進行する状況下でありながら,オートファ ジーを介したタンパク質分解系は抑制される可能性があ. 考   察. ること(p62 タンパク質の蓄積のため),また走運動介.  本研究では,マウスを対象とした実験的癌性悪液質モ. 入を行うことで,抑制された骨格筋細胞内のオートファ. デルに運動介入を組み合わせることで,悪液質に伴う骨. ジーフラックスが増強される(p62 タンパク質蓄積の抑. 格筋萎縮に対する運動介入の予防的効果およびその作用. 制,および LC3-II/I ratio の増加)可能性を示唆している。. 機序を分子レベルで検証した。腫瘍細胞(C26)の移植 によって誘導される悪液質の諸症候(体重,骨格筋量,. 5.mTOR 系. および発揮筋力の低下)の発生は,有酸素運動を模した.  図 5 には,mTOR タンパク質および AMPK(AMP-. 身体運動介入(自発走運動)を行うことで,対照群と同. activated kinase)タンパク質のリン酸化量および総発. レベルまで抑制された。また悪液質発症に伴う骨格筋細. 現量の変化を示した。腓腹筋における mTOR タンパク. 胞内のタンパク質代謝制御機構の変化を解析した結果,. 質のリン酸化量は,癌性悪液質の発症に伴い有意に減少. 1)Atrogin1 を中心とするユビキチン - プロテアソーム. した(C26-SED 群および C26-RUN 群)。一方,mTOR. 系のタンパク質分解機構が活性化されること,2)タン. タンパク質のリン酸化・総発現量に対する身体運動介入. パク質合成を正に制御する mTOR 系シグナル経路の機. の影響は,対照群および悪液質群の両者ともに認められ. 能低下が誘導されること,3)走運動介入を行うことで,. なかった。また細胞内のエネルギーセンサーとして作用. 負に傾いたタンパク質代謝制御機構が是正される(活性. し,mTOR 活性を負に制御する機能をもつ AMPK につ. 化されたユビキチン - プロテアソーム系の抑制効果)可. いては,リン酸化量および総発現量のいずれも有意な変. 能性があること,などが明らかとなった。本研究を通じ. 化は認められなかった。これらの結果は,悪液質に伴う. て,癌性悪液質の発症および運動療法介入による予防的. 骨格筋萎縮時には,mTOR 系の機能抑制により骨格筋. 効果にかかわる分子機構の一端が明らかにされたこと.

(7) 癌性悪液質と骨格筋タンパク質代謝制御. 79. は,癌をはじめとする慢性消耗性疾患患者に対する運動. 系酵素活性向上やミトコンドリア量増加などいわゆる酸. 療法プログラムを構築するうえで,重要な知見となる。. 化的代謝能向上が中心であり,骨格筋の量的変化に与え.  近年の疫学調査において,癌患者の生命予後や QOL. る影響は大きくないと考えられている. の維持・向上に対する身体運動の有効性が報告されてい. C26-RUN 群では,運動介入により脂肪重量の減少がさ. 41)42). 46)47). 。実際に. 。癌の種類によるものの,1 週間あたりに 9 ∼. らに促進される(一方で悪液質発症に伴う体重の減少. 18 METs(metabolic equivalents)程度の運動量を確保. は,運動介入により是正されている)など,酸化的代謝. した場合,診断後の生存率が有意に上昇することが報告. 能向上を示唆する適応変化が認められている。しかしな. る. 42‒45). 。9 METs/week とは,1 週間あたり. がら,悪液質に伴う筋タンパク質異化作用を,有酸素運. 計 3 ∼ 5 時間程度のウォーキングを行う運動量に相当す. 動のような比較的低い強度での運動介入によって是正す. されている 43). ことから,比較的軽度の身体運動量であると定義. ることができる可能性を示した本研究の結果は,運動耐. できる。またこの身体運動量の確保と生存率上昇との関. 容能低下や筋力・筋量低下を呈する消耗性疾患患者に対. 係性は,診断前の運動習慣よりも,むしろ癌と診断され. する運動療法プログラムを構築するうえで,重要な示唆. る. た後の運動量に依存することが示されており. 42)44). ,癌. を与えるものである。. 患者の生命予後や QOL の維持に与える身体運動介入の.  オートファジーが活性化された場合,骨格筋に限らず. 重要性を強く示唆している。. 多くの種類の細胞では,一般的に p62 タンパク質量の.  癌性悪液質を呈する場合,発揮筋力の低下や易疲労性. 減少および LC3-II/I ratio の増加(オートファジーフ. が頻出するため,運動療法として比較的高い強度のレジ. ラックスの亢進)が観察される。しかしながら,C26 細. スタンス運動を採用することは難しい場合が多い。癌性. 胞の移植に伴い腓腹筋における p62 タンパク質量が増. 悪液質に対する運動介入効果を運動種別(レジスタンス. 加していること,LC3-II/I ratio に変化がないこと(C26-. 運動および有酸素運動の比較)に比較検討した先行研究. SED 群)から,本研究で用いた癌性悪液質モデルの骨. では,レジスタンス運動による介入では骨格筋量の維持. 格筋では,少なくともサンプリング時においては,オー. 効果は得難く,むしろ過度な筋損傷を誘発してしまう可. トファジー依存性のタンパク質分解は亢進されていない. 35). 。その他の先行研究において. (むしろ抑制されていた)と考えることができる。また. も,癌性悪液質に伴う骨格筋萎縮の抑制には,比較的運. 炎症性サイトカインである TNF- α の血清中濃度につい. 動強度の低い有酸素運動が有効であるとの報告が多. ても,本研究で用いた実験条件(C26 細胞移植および走. 能性が報告されている. い. 18)34). 。本研究では,C26 細胞の移植直後から自発走. 運動介入)では,有意な変化は観察されなかった。悪液. 運動を行わせた結果,悪液質の諸症候(体重,骨格筋量,. 質では炎症性サイトカイン濃度が上昇したり,オート. 発揮筋力および心筋重量の低下)の発生をほぼ完全に抑. ファジー依存性の骨格筋タンパク質分解が亢進したりす. 制することができただけでなく,運動介入によるトレー. ると報告した先行研究. ニング効果(運動依存性の心筋重量増加)を認めた。こ. ることは難しく,本研究の限界のひとつといえる。本研. の結果は,比較的低強度の運動介入であっても,悪液質. 究では C26 細胞移植後 4 週目時点でのみ生化学的解析. の進行に伴う骨格筋量低下を抑制(維持)できるとする. を行っているため,悪液質発症の比較的早期における炎. 先行研究を支持するとともに,運動条件によっては身体. 症性サイトカイン濃度の上昇や運動介入による抑制効. 機能のさらなる改善・向上の可能性を示唆している。ま. 果,オートファジー依存性タンパク質分解の関与などに. た本研究では運動介入を開始する時期についての検討は. ついては,否定することができない。ユビキチン - プロ. 18)21)23). との違いを明らかにす. 行っていないが,腫瘍細胞の移植直後から運動介入を開. テアソーム系や mTOR 系シグナル伝達系といった制御. 始したことが,効果的な悪液質発症予防に貢献したのか. 分子の変化に加え,実際の骨格筋タンパク質の合成効率. もしれない。. /分解効率の測定を含め,悪液質の発症・進行に伴う変.  本研究の結果から,特に Atrogin1 を中心とするユビ. 化を経時的に検討することが,今後の課題として必要と. キチン - プロテアソーム系タンパク質分解の活性化,お. される。. よび mTOR 系シグナル経路の機能低下に伴うタンパク 質合成能低下の両者が同時に発生することで,癌性悪液. 結   論. 質による骨格筋萎縮が誘導されたものと推察することが.  マウスを対象とした悪液質誘導モデル(C26 細胞皮下. できる。また悪液質誘導性の筋タンパク質異化作用. 移植)へ運動介入を行った結果,悪液質の諸症候(体重,. (C26 細胞移植に伴う Atrogin1 タンパク質発現量増加). 筋量,筋力の低下)の発生はほぼ完全に抑制された。ま. は,自発走運動介入を行うことで対照群と同レベルまで. た骨格筋細胞内のタンパク質代謝制御機構の変化を解析. 是正された。一般的には,本研究で用いたような有酸素. した結果,1)Atrogin1 を中心とするユビキチン - プロ. 運動によって得られる骨格筋の適応変化としては,酸化. テアソーム系のタンパク質分解機構が活性化されるこ.

(8) 80. 理学療法学 第 46 巻第 2 号. と,2)タンパク質合成を正に制御する mTOR 系シグ ナル経路の機能低下が誘導されること,3)走運動介入 を行うことで,負に傾いたタンパク質代謝制御機構(ユ ビキチン - プロテアソーム系の活性化)が是正される可 能性があること,などが明らかとなった。 研究の限界  本研究ではマウスをモデル動物に採用し,腫瘍の増殖 に伴い誘導される悪液質の諸症候が,有酸素運動を模し た身体運動介入(自発走運動)により是正される可能性 を示した。ただし,実験動物によって得られた結果をヒ ト患者の運動療法プログラム構築へと直結させることは 難しく,本研究の限界といえる。また,低強度の運動介 入のみで骨格筋萎縮が予防できる結果となったこと,悪 液質に伴う骨格筋タンパク質代謝の制御不全が運動介入 により完全に是正されているわけではないこと(運動に よるタンパク質合成系の機能改善は認められていない) など,将来的に解決すべき課題が散見されている。 利益相反  開示すべき利益相反はない。 謝辞:本研究は JSPS 科研費[若手研究(A) ;25702041, 若 手 研 究(B) ;17K18040, 基 盤 研 究(B) ;17H03936, 基盤研究(C) ;16K08067]の助成を受けたものです。 文  献 1)Miyazaki M, Esser KA: Cellular mechanisms regulating protein synthesis and skeletal muscle hypertrophy in animals. J Appl Physiol (1985). 2009; 106(4): 1367‒1373. 2)Schiaffino S, Dyar KA, et al.: Mechanisms regulating skeletal muscle growth and atrophy. Febs J. 2013; 280(17): 4294‒4314. 3)Sandri M: Protein breakdown in cancer cachexia. 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(10) 82. 理学療法学 第 46 巻第 2 号. 〈Abstract〉. Voluntary Wheel Running Prevents Skeletal Muscle Atrophy by Modulating Ubiquitin-proteasome-dependent Proteolysis in Cancer Cachexia Mice. Daisuke KAKUTA, PTS, Soyoka SETO, PTS, Ryota KISO, PTS, Mitsunori MIYAZAKI, PT, PhD Health Sciences University of Hokkaido. Purpose: Cachexia is characterized by systemic negative balance of protein and energy metabolisms that result in involuntary progressive losses in body weight and skeletal muscle mass. Even though physical exercise has been suggested as an effective treatment for counteracting cachexia progression, the precise molecular regulation of muscle protein metabolism remains largely unknown. For identifying the regulatory mechanisms involved in the physical exercise‒mediated maintenance of muscle mass, the effects of voluntary exercise in cachexia mice were investigated. Methods: Cancer cachexia was induced by the subcutaneous grafting of colon carcinoma (C26) cells into the abdominal wall of 7-week old, CD2F1 male mice. Access to the running wheel was allowed immediately after tumor grafting. Four weeks following tumor grafting, animals were sacrificed, and tissue samples were collected. All experimental procedures performed in this study were approved by the Animal Ethics and Research Committee of the Health Sciences University of Hokkaido. Results: The C26-bearing mice that did not have access to a running wheel showed a cachexia phenotype that included decreased body weight and skeletal muscle mass, and showed an increased expression of Atrogin1 protein and diminished activation of mechanistic target of rapamycin (mTOR) signaling. On the contrary, the loss of muscle mass was rescued in mice that had access to voluntary wheel running. In addition, the induction of Atrogin1 was prevented. Conclusion: These observations suggest that physical exercise can release the cachexia-induced retardation of muscle protein metabolism which then contributes to the maintenance of skeletal muscle mass. Key Words: Cachexia, Ubiquitin-proteasome pathway, Mechanistic target of rapamycin, Therapeutic exercise.

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参照

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