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行為を実演した記憶と想像した記憶の違い : ソース・モニタリング課題による検討

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(1)

heノαPanese/ournal of Psychonomic Science 2{}06

V[層1

24

 No

2

162

170

著論文

行為

実演

した

記 憶

想像

した

記 憶

い ソ

ス ・ モ ニ タ リ

に よ る

検討

1}

2}・

北 海道 大学

The

 

differences

 

between

 

memoies

 

of

 

enacted

 

actions

 

and

imagined

 

actions

Investigation

 of source  monitoring  

tasks

Yuichi

 

KAJI

* and  

Makiko

 

NAKA

Hohleaido び 漉” 邵s

   The 

diffcrcnces

 

between

 memories  of enacted  actions  and  imagined  actiQns  were  investigated

by

 using  two 

kinds

 of source  monitoring SM tasks

 Experjment  l involved an internal SM task

in which  the participants were  instructed to perfQrrn

 imaglne

 or vQcalize  the actions  described in

sentences

  They were  then given a recognition  test

 and  if they rccognjzed  a sentence  they were

asked  whether  they 

had

 performed

 

imagined,

 or vocalized  

it.

 In Experiment  2 an  external  SM  task

was  used  and   the actiQn  sentences  were  presented by either  a male  or female voice

  The

participants were  instructed to perform

 imagine

 or vocalize  each  sentence

 and  then took a

recognition  test

 

If

 they recognized  a sentence  they were  asked  which  voice presented 

it,

  The

rcsults  showed  that 

in

 the 

internal

 

SM

 task (

Exp .1

 there were  

fewer

 

SM

 errors  

for

 the enacted condition  than for the imagined  condition

 A difference was  not  found for 

these

 conditions  

in

 

the

external  SM  task Exp

2

  These findings suggest  that enactment

 rather  than 

imagining,

facilitates

 

internal

 

but

 not externa 上

SM

 processing

Key  words :Subject

Performed  Tasks SPTs  source  monitoring  recognition

  行 為 事 象の記 憶は

1980 年 代 初 頭か ら被 験 者 実 演 課 題 (

Subject−PerfQrmed

 

Tasks

SPTs

)と呼ばれ る記 憶 課 題を用い て 研 究さ れて き た (レ ビ

=一

と して は金敷

2002i Nilsson

2000 参 照の こ と)

  SPTs の典 型 的な 手 続きでは

学 習 時に行 為 文 (e

g

ペ ンを持ち上 げる

) の リス トを実 験 参 加 者に 呈 示 し

文が 示 す 行為を実 演す *

Department

 of 

Psychology,

 

Faculty

 of Letters

 Hokkaido  University

 N10  W7

 Kita

ku

 Sap

 poro 

O60−0810

1) 本 研 究は

平 成 15年 度に東 京 都 立 大 学 大 学 院 人   文 科学研 究科に提出し た修士論 文を加 筆 修正 し た   もの である

2)本 研 究を行うにあた り

首 都 大 学 東 京 都 市 教 養 学   部 市 原 茂 教 授

沼 崎 誠 助 教 授 に多 くの示 唆 をい た   だいた

ま た

実 験には多くの学生の協力を得た

  記 して感 謝 する

る よ う求める

そ の後

自 由冉生 また は再認テス トを実 施 する

テス ト時に は実演は求め ず, 想 起内容を言語的 に報告して も ら うのが標 準 的な手 続きである

比較 対 象 と なる統 制 条 件で は

学 習 時に単に行 為 文 を 呈 示 するの み で

行 為の実 演は求めない

こ の 統 制 条 件は

VTs

Verbal

 

Tasks

と呼 ば れて いる

 

SPTs

を用いた実 験の 典 型 的な結 果は

 

SPTs

の記 憶 成 績がVTs の記 憶 成 績よ りも高い とい うもの で ある 〔e

g

 Cohen

1981

これ は SPT 効 果あ るい は行 効果 (enactment  effectば れてお り

我が国で も藤 田 {e

g

1995

金 敷 (e

g

1999ら に よ っ て確 認されて いる

 

SPTs

にお け る記憶メカニ ズム の 説 明と して

現在の とこ ろ最 も有 力な説は運 動プロ グラ ム説 (e

g.

 Engel

kamp & Zimmer

1984で ある

運 動プ ロ ラム とは

(2)

加 地

仲: 行為の ソ

モニ タ リン グ 163

行 為を実 演す るの に必要な 知識であ り, 実 演に伴う感 覚

情 報や

行 為 文に関す る概 念 的 知 識とは区 別さ れ る

こ の説に よ れ ば

SPT 効 果に お いて は

運 動プ ロ グラ ム の

活 性 化が重要な役割を果た して い る と さ れ る

この 説の

根 拠の

つ に

Salts and  Donncnwerth

Nolan 1981研 究がある

彼 らの実 験で は

  実 演 学 習は視 覚 干 渉 課 題よ りも運 動 干 渉 課 題に よ っ て阻 害さ れ

  視 覚イ メ

学 習は 運動 干 渉 課題 よ り も視覚 干 渉 課題に よ

て 阻 害さ れ る とい う結 果が得ら れて い る

 し か し最 近

行 為を想 像 (イ メ

ジ) するだけで も実 演と同様の効 果が生 じ る とい う研究が あ ら わ れ た

Kor −

Ini

N〔〕uri 〔2000)は

実際の行 為

実 際の対 象 物

行 為の イ メ

対 象 物の イ メ

ジを体 系 的に操 作して実 験を 行っ た

彼は四っ の SPT 条 件

すなわ ち  実 際の行 為

実 際の対象物条 件 (実 際σ)対象 物 を 用い て実際に行 為 す る)

  実 際の行 為

対 象 物の イメ

条 件 (対 象 物の イ メ

ジ を川い て実 際に行 為 する

以 下 同 様 )

  行 為の イ メ

実際の対 象物条 件   行の イ メ

対 象物 の イメ

条件を設け

,VT

条件と比較し た

その

SPTs の 自由 再生 は全体 的に VTs よ り も高か っ た が

つ の

SPT

条 件 問に差は見られなかっ た

少な くと も行 為 文の記 憶に果たす 役 割において は

実 演に よっ て作ら れ た 記 憶 表 象 と想 像 す るこ とによ

て作 ら れ た 記 憶 表象 に は違い が ない こ とに な る

こ の こ と か ら

Kormi

Nouri (2000)は

  SPTs に お い て運 動に特 有な プ ロ グラ ム を仮 定 する ことを否 定して い る

 ま た

研 究の は異な る が

行為の 実演に よっ て作 ら れ た記 憶 表 象と

想像によ

て作ら れ た記 憶 表 象の 別が困 難で あることを 示 した研 究 もあ る

例えば

Goff

and  Roediger 1998

行 為 を実 演 する ところを 繰り 返 し想 像す る と

同 数の増 加に伴い

学 習 時には実 演 し な かっ た行 為文を

実演しだ

と誤っ て判 断 する率が高 くな る こ と を示 した

彼 ら の実 験で は

セ ッ シ ョ ン 1 (学習フ

z

ズ)に おいて 参 加者は行為文を聞く か 実 演す る か

想像す る よ う求め ら れ た

セ ッ シ ョ ン 2 (想 像フx

ズ)で は

参 加 者は行 為 文に対応する行 為を 0

1

3

または 5回 想 像 した

想 像 した行 為には

セ ッ シ ョ ン 1で果 示 さ れ た行 為 文だ けで な く

新しい行為 文も 含 ま れて いた

セ ッ シ ョ ン

3

テ ス ト

ェー

で は

デ ィ ス ト ラ ク タ

項 目を含め た行 為 文が 呈示さ れ

参 加 者は セッ シ ョ ン 1に そ れ が ts あっ た

か ど うか判 断 する よ う求め ら れ た

ま た

あっ た

と 回答し た場 合に は, そ れ を聞い た だ け なの か

想像し たのか

実 演し たのか を答え る よ う求め られ た

その結 果

セ ッ シ ョ ン 2にお い て行 為を想 像 した回 数が多い ほ ど

参 加 者は

セ ツ シ ョ ン

1

で実 演 して いない項 日を誤

て実 演し た と答 え る こと が多かっ た

こ の結 果は

行 為を想 像 する こと に よ り

実 演と同 等の記憶表象がら れ うる こ と をし て い る

 Thomas  and  Loftus 2002)も同 様のパ ム を用

いた実 験 を行

て いる

こ の研 究は

普通の行 為 (e

g

コ イ ンをは じ く)だ けで な く奇 異な(bizarre)行 為 (e

g

サ イコロ の上に座 る)であ

て も, 想像を繰り返 す と, 実 演し な か っ た行 為を誤っ て

実 演 し た

と答え るエ

が増え る こ とを 示し た

さ らに Thomas  and  Bule

vich (

2003

)は, 行為だ けで な く知覚 的情 報につ いて も 想像す る よ う教 示し た (e

g

カエ ル にキスを す る ところ を想 像する場 合

カエ ル の色や

唇とカエ ルが接 触した 感 触 を も想 像 する)

そ の結 果

実 際に は実 演しな か っ た 奇異 な 行 為 も知覚 的に精緻 化 さ れ

実 演 し た

と誤 っ て 判 断さ れ ること を示し た

 こ うし た近 年の研 究は

実 演に よっ て作 られた行 為の 表象と想像に よ っ て作ら れ た行為の表象が類似し て い る こと

条件によっ て は区 別がっ か な く な るこ と を示 峻 し て い る

しか し直感的に は

少な く と も表 象が作ら れ た 直後に おいて は

実 際に行なっ た行 為 と想 像し た行 為 と では

異な る記 憶 表 象が作ら れ る よ うに思わ れ る

実 際

モ ニ タ1丿ン グ (

Source

 

Monitoring

SM

)〔e

g

Johnson,

 Hashtroudi

& Lindsay

1993)の枠 組みによ

れ ば

実 際の 出来 事の 記憶と想 像さ れ た出 来 事の 記憶で は

記憶 表 象に含ま れ る情 報の種 類は異な ると考え られ てい る

そ う だ と す れ ば

実演し た行為の と想像し た行 為の 記 憶におい て も

そ の記 憶 特 性は異なるだろ う

本 研 究で は

行 為 を想 像 するこ と に よっ て

実 演し た場 合と同じ記 憶 表 象が形 成さ れ るのかにっ いて

SM

3) 内 的SM は リア リテ ィ

モ ニ タ リグ (reality   monitoring :

RM

〕と 呼 ばれ る こ と も ある

 

RM

  は 内 的ソ

ス と外 的ソ

スを区別 す る 活 動 を指し

  何を内 的ある い は外 的と するかに よ っ て異な っ た   二 っ の定 義が口峭 旨と なる用 語で ある

. 一

つ は

自   己 を内 的とし, 自己 以外を外的とす る定 義で あ る

  こ の 定 義に従 え ば

あ る 事象を 自 分 が 言っ たα)か

  他 者か ら聞いたのかにっ い て の弁 別が

RM に あ   た る

もう

っ は

カバ

covert )な活 動を内   的と し オ バ

overt な活 動を外的とする定   義で あ る

こ の定義に従え ば

あ る事象を自分が   言っ たのか

単に想 像 し た だ け なの かにつ い て の   弁 別 が

RM

にあた る

こ の場 合は

起 源 が 自己に   由 来す る 記憶同士を弁 別 する活 動とい う点で

内   的

SM

定 義と重な る

し た が っ て本研 究で は

  2種 類の定 義が可 能なRM で は な く

定 義が より   厳密な内 的SM とい う用 語を用い た

(3)

164 基 礎 心理学 研 究   第24巻   第 2号

課 題 を実 施 し

直 後 比 較 することによっ て検 討 する

SM

と は

記 憶の情 報 源 (source を弁 別す る活 動で あ る

  実験

1

で は, 行 為を

1

度だ け実 演ま た は想 像 し た場

実 演し た か

”“

想 像 した か

とい う内 的

SM3

inter

nal  source  monitoring ;

Johnson

 et aL

1993に混 乱が

見られるか どうか を検 討 する

内 的

SM

とは, 起 源が自 己に由来す る 記憶 同士を弁別す る活 動で あ る

行 為文を

実 演し た か

”“

想 像し た か

にっ いて の判 断

自 己に 由 来 する記 憶の弁 別 活 動で ある の で

本 研 究で も内 的 SM と い う 用語 を用 いる

本 研 究で は

SM

課 題に先 立っ て認課 題を用い る が, 実演条件と想像条 件とで再 認成 績に差が なく

し か もSM 成 績に も差が な け れ ば

  Kor

mi

Nouri 2000や Goff and  Roediger 1998か ら

さ れ るとお り

想 像 するだけで も実 演と同 等の 表 象が作

ら れて いる 可 能 性 が高い と 言 え る だ ろ う

  実 験2で は

実 演に よ

て作 られる表 象と想 像によ

て作 ら れる表 象との違いをさ らに検 討 するために

外 的 SM external  source  monitoring

Johnson

 et aL l993

を用い る

これ は起 源が自己 以外の外 部に由 来 する記 憶 同 士を弁 別する活 動の ことである

例え ば

ある単語を 話 者

A

か ら聞いたのか

話 者

B

から聞いたのかにっ い て の弁 別 活 動が

外的

SM

にあ た る

実 験

2

で は行為文 を男声 あ るい は女声で呈示 し

ど ち らの 声で聞い たの か につ い て の外 的SM 課 題を実 施 する

内 的SM (実 験 1) と外 的SM (実 験2)とい う2種 類の SM 課題を実 施し

直後比較す るこ とによ り, 実演によっ て生 じ る記 憶 表 象 と想像に よっ て生じ る記憶表 象との違いを明ら かにする こと が

本 研 究の日 的で ある

  1

  方法  実 験 計 画 学 習 条 件 (実 演/想 像/音 読 )を被 験 者 内 要 因とする 1要 因 計 画と した

  参加者  大学 生

24

名 (男 性

12

名, 女 性

12

名, 平 均 年齢 19

3 歳 範囲 18

27 歳)であ

  材 料   対 象 物を必 要とせずに身 体 部 位の み で実 演 する こ とができる行 為 文 を

80

項 目作 成し た(

Appendix

行 為 文作成にあ たっ て

,Cohen

(1981〕

 

Earles

 and  

Ker・

sten (

2002

 

Goff

 and  

Roediger

1998

金 敷

2000

参 考に し た

80 項 目の うち

18 項 目ずっ ラ ンダムに振 り分けた四っ の セ ッ ト (計

72

項目)を本試行用と し,実 演 項 冂

想像項 日

音読 項 目, テ ス ト時の ディ ス トラク タ

(NEW 〕項 目に割 り当て た

行 為 文セ ッ ト の割り当 て は被 験 者 間で カ ウ ン

ン ス した

残りの

8

項 目 (学 習 項 目6項 目

デ ィ ス ト ラク タ

項目

2

項 目) を練 習 試 行 用 と し

これは被 験 者 間で同 じであっ た

学 習 時。 ス ト時と も

IBM

社 製の ノ

ト型パ

コ ン

ュー

タの 液 晶デ ィ ス プレイ 上 に刺 激を 呈示し た

  手 続 き  実 験は個 別に行っ た

  学 習 段 階の手 続 き カバ

ス ク として

日常 性 評 定 課題

を作 成し, 偶発学習課題と し た

日常性評 定課 題 と は

呈示さ れ る行為 文に関 して

その行為を自分が 日 常 的によ く行 うか ど うかにっ いて 5段 階で評 定 する課 題で ある

参 加 者へ の教 示は

こ れか ら呈 示 する行 為 文 につ い てそ れ が どの程 度日常的であ る か評 定して も らい ます

た だ し, 呈示 文の後に 窶 演して下さい

想 像 して下さ い

声に出して下さ い

の う ちいずれかの文 が呈示さ れ ますか ら ま ず は そ の文のっ て下 さい

すな わ ち

実 演 して下さい

とい う指示文が呈示 さ れ た ら その行 為を実 演し

想像 して下さい

の場 合は 自分 がそ の行 為 を実 演 する ところを想 像 し

声に出 し て下さい

の場 合は行 為 文 を 声に出して 音読して くださ い

その , 円常 性の評定を行

て下さい

と教 示 し た

  各 試 行の流れ は以 下の ような もの で あ る

まず 行 為 文 を

3

秒 間 視 覚 呈 示 し た後で

実 演

想 像

音 読いずれ か の学 習条 件を3 秒間呈示す る

参加者は学習条件が 呈示 さ れ る

この 3秒 間

行 為 文を実 演

想 像

あるい は 音 読した

最 後に

5秒 間で 日常 性 評 定 課 題 を行い

こ れ を 1試 行と し た

行為 文

学習条 件

日常性 評定課題 闇の間 隔は そ れ ぞ れ

1

秒と し た

試 行 数は実 演 条 件

想 像 条 件

音 読 条 件そ れ ぞ れ 18試 行

計 54試 行であ る が

呈示順序は 3同 以 巳同じ学習条件の試行がかな い とい う制 約の も とで ラ ンダム 順 と し た

  学習段 階の手続き を参加者に正 し く琿解して も ら う た めに

本 試 行に先立

て練 習 試 行を 6試 行 行

練 習 試 行で用いた行 為 文は

本 試 行やテ ス ト試 行と は別の も のを 用いた (

Appendix

 テス ト段 階の手 続 き テス ト段 階で は学 習 段 階で用い た 54 項 目に新 し く18項

1

1

の デ ィ ス ト ラ ク タ

を加え た計72項 目を 用い た

こ れ らの項 目を

「司じ学 習 条 件 の項 円が

3

回 以 上 続か ない とい う制 約の も と に ラン ダ ムで呈示し た

な お

呈示 順 序は参 加 者 間で固 定し た

 テス ト課 題は冉 認 判 断

,SM

判 断

確 信 度 判 断か ら な る

ま ず行 為 文を 1文 ずっ 3秒 間 呈 示 し

そ の項 目にっ いて習 段 階で

見 たts か

見な かっ た

かにつ いて の 再認判 断を して も らい

“見 た” と答え た場 合は

その項 目を実 演した のか

想 像した の か

音 読した のかにっ い ての

SM

判 断 を 行っ てもらっ た

その後

その判 断に対 す る確信度 (

4

件法 )を 同答して も らっ た

確信度は

(4)

加 地

仲:行為の ソ

モ ニ タ リング 165 な か っ た

と判断し た場合は その判 断に対 する確 信 度を 同 答して も らい

たn と判 断 した場 合は どの条 件で見 た のか とい う判 断に対する確 信 度を回答して もらっ た

回 答は

A4

判の回 答用紙に 記入して も らっ た

回答 時間 は 自 由であっ た

  テス ト段 階の 手 続 きを参 加 者に正 し く理 解 しても ら う た めに

本 試 行に先 立っ て 8項 目にっ い て 練 習 試 行 を 行っ た

練習 試行で は 学 習 段 階で の練 習 試 行で用い た

6

項 目に

2

項 目加え た

8

項 目 (本 試 行と は別の項 目)を 用い た (Appendix )

学 習 段 階 終 了 後か らテ ス ト本 試 行 まで の時 間は

8

分であっ た

こ の

8

分の 間に 被験者は テス ト段 階に お け る練 習試行を し た

 実 験終 了 後

参加者に カバ

ス ク の目 的な どにっ い て説 明し

デ ブリ

フ ィ ング を行っ た

  結 果   再認課題と

SM

課 題の成績

Table

 

l

に示 した

  再認成 績  

HIT

数にっ い て 1要 囚 分 散 分 析 (以 下

実 験 1で は単に

分 散 分 析

とす る)を行な っ た結果

学 習 条 件に有 意な効 果が見ら れ た 〔

F

2,46

=3.

32,

p

05

Tukey

HSD

検 定によ る多 重 比 較 (以下

単に

多重 比較

とする)を行な

た ところ

実 演 条 件 が音 読 条 件 より高い傾 向が あ っ た(

p

06)

他の条 件 間に有 意な差 は見られな かっ た

FA (False Alarm 数 につ い て も分 散分 析を行っ た が 学 習条件に有意 な効 果は見ら れ な かっ た (F2

46

1

8Ln

s

 SM 成 績  どの条 件で学 習したか を 正 しく判 断で きた 項 囗の数 を正 答 数 と し

分 散 分 析 を行っ た

その結果

学 習 条 件の効 果 が向意 で あっ た (

F

(2

,46

d50

65

ρ

01

多重 比較の結 果

実 演 条 件と想 像 条 件が音 読 条 件 よ り有 意に高かっ た (そ れ ぞ れ

,p

01;

p

01)

 また

ある条 件で学 習し た もの を誤っ て別の条 件で学 習し た と判 断し た項 目の数 を 誤帰 属 数 と した

例え ば

想 像 条 件で学 習し た項目 を 誤 っ て実演 条 件で学 習し た と 判 断した場 合は, 実 演 条 件の 誤 帰 属 数に 1を カウ ン トす る

誤帰 属 数にっ い て分 散 分 析を行っ た とこ ろ

学 習 条 件の効 果が有 意で あっ た (F{2

46)

148

81

p

01

多 重 比 較の結 果

想像条件が実演条件, 音 読条件より有 意 に高かっ た (そ れ ぞ れ

p

Ol;

p

Ol)

  確 信 度は 1

4 の 4件 法で数 値が高い ほど 回答に対 す る確 信が強い こ と を示 す

SM 課 題で正 答 し た項 目にお け る確 信 度につ い て

分 散 分 析を行

た ところ

学 習 条 件の果が有意であっ た (

F

2,

46}

40

39

p

01)

多 重 比較の結 果

実 演 条 件の確 信 度は想 像 条 件

音 読 条 件 よ り有 意に高く(それぞ れ

p

Ol

p

Ol

), 想像条件の 確 信 度は音 読条件よ り も有意にかっ た (

p

05

 つ ま り

実 演条 件は SM が

iE

確で

他の条 件から の誤 帰 属が少なく

確 信 度 が 高い

これに対 し

想 像 条 件で は

SM

は正 確 だが他の 条 件か らの誤帰属が多く

確信度 がよ り低い

ま た

音 読 条 件で は

SM

は不IE確 だ が他の条 件か らの誤 帰 属は少な く

確 信 度が最 も低 い

 な お

,SM

に お け る誤 答の分 布を学習条 件を行に と り

回答 を列に とっ て検 討し た (Table 2

対 角のセ ル が 正 答 を 表 し

対 角以外の セ ルが誤 答を示す

そ の結 果

実 演し た項 目を

想 像し た

と答え る誤 帰 属 数 (

26

)の方 が

想 像 し た項目を

実 演 した

と答 え る 誤 帰 属 数   よ り も多か っ た

また

音 読で学 習し た項 目を

想 像し た

と答え る誤 帰 属 数は

245

だ が

想 像で学 習 し た項 目を

音 読 し た

と答える誤 帰 属 数は 34 で あっ た

誤帰 属の パ

ンは非 対 称だ と言え る だ ろ う

  考 察   実 験

1

目的

実 演と想 像に違いが あるどうか を内        Tab!e l

Means

 

for

 

Recognition

 and  

Source

 Monitoring  tests in Experiment  

l

Study

 condition

Test

Enact Imagine Vocalize

Recognition test  田 T*L  

FASource

 monitoring  test

Correct

 response *l

Misattribution

 error

Confidence

 for correct  response *2

70701 16

40

639

017

Ul 正

5.

91L43

ユ 20701

6.

61

62

8

*1

The

 score ranges  

from

 

O

 to 

18,

*2

(5)

166 基 礎 心 理 学 研 究   第 24巻   第

2

的SM 課題に よ り検 討する ことであっ た

ま ず

再 認 成 績につ いて

次に

SM

成 績につ い て考 察 する

 手騙忍課 題で は音読 条 件より も実 演 条 件に おい て

HIT

数が高い傾 向が あり,

SPT

効果の 傾 向が 見ら れた

.一

実 演 条 件と想 像 条 件の

HIT

には有意 な 差 は 見 ら れ ず

FA 数に も学 習 条 件 間の差は なかっ た

  HIT 数に つ い ては

Kormi −Nouri

2000

)が 再 生 課 題で得た結 果 と同 様であっ た と も言え る

し か し

全 体に有 意な差 が 見られに くか

た の は

どの条 件におい て も再認 成績が 高く

天 井 効 果が生じ て い た ためで ある・∫能 性は否め な い

実際に差 が ない の か

検 出で きな か っ ただ けなのか

今 後 確 認してい く必 要が あ る

 

SM

課 題で は

実 演 条 件と想 像 条 件の 正答数は音読条 件よ り も多か っ た が 実 演条 件と想 像 条 件に は差が な かっ た

実 演し た もの は

実演

想 像 し たもの は

lcu

同 程 度に正 しく帰 属が行わ れ たこ とにな る

た だ し 誤帰 属 数は

実 演 条 件

音 読 条 件よ りも想 像 条 件の 方が有意に多か っ た

特に

Tabie

 2で検 討 したよ うに

想 像が

実 演

に誤帰 属さ れ る ケ

スよ り も

実 演が

想 像

に誤 帰 属 されることの方が多かっ た (そ れ ぞ れ

6

26

ま た

想 像が

音読

η

に誤帰 属さ れ る ケ

ス よ り も

音読が

想像

に誤帰 属さ れ るこ との方が多か っ た (それ ぞ れ 34 と245)

 こ の非対 称な誤 帰 属の結 果は

実 演 条 件や音 読 条 件に おい て

活 動に固有の要素 (例えば実 演で は実 演に固 角

の運 動 出 力 要 素

音読で は音読に固 有の 言語 出 力 要 素 ) と イメ

ジ要 素の両 方が作 ら れるが

想 像 条 件で は イ メ

素しか作 られなかっ た ために生 じ た と考え るこ と がで きる

実 演 し た ものや音 読した もの は イ メ

ジ要 素 を 含 むた めに

IH

に誤 帰 属さ れ ること が多いが, 想像 し た もの に は イ メ

ジ要 素し か含ま れ ない ため に

実 演や音 読に は誤帰 属さ れ に くか っ た の で は な いか

SPT 課題の枠 組みでえ れ ば

実 演に固 有の記 憶 属 性 こ そ が

運 動プ ロ グラム に よ っ て形 成さ れ る

SPT

特 有 の 表 象なのだ と推 察さ れ る

 ま た, 音読した項 目が想像し た もの と して誤 帰 属さ れ る割 合が特に高か

た 〔

Table

 

2

これ は反 応バ イ ア ス の ためで ある と考え ら れる

ま り

読 したに は実 演した場 合ほ ど

E

]ら行っ た もの

と して記 憶 痕 跡 が強 く形 成さ れ ない ため

自 分が行っ た か らに は覚え て い る はずだ が

自分が行っ た覚え は ないの で

これは きっ と想 像し た だ けに違いない

とい

たバ スが生 じ たと考え ら れる

こ のバ イア スの ために

音 読し た項 目が想像し た もの と して誤 帰 属さ れ る割 合が高か っ たの だろ う

実 演し た場合には “

fi

ら行っ たもa)

として記 憶 痕 跡が強 く形 成される ために

このよ う なバ スが 生 じな か っ たの であろう

,SM

課 題におい て

親 近 性の 高い

NEW

項 []は 目 分 以外の 外 的ソ

ス に帰 属さ れ や

すいとい う

lt had to 

be

 you

1’

d

 remember  

if

 

it

 were

Ine

} effect が生 じる と考 え ら れ て い る(

Johnson

Raye ,1981

本研究におい て も

これ と同 様の効 果が 生 じ た と言

え る だ ろ う

本研 究に お け る音 読 項 目は親 近 性 の高い NEW 項 目で はないが

臼 分が行っ た覚え は ない け れ ど

OLD

反 応 し やすい項 目とい う点で は共 通して い る

ま た

想 像 項 目は外 的ソ

ス で は ない が

自分が実 際に行っ た こと 以外の対 象とい う 点で は共通 して いる

し たがっ て

音 読 した項 目が想 像した もの と して誤帰属 さ れ る割合が特に高か っ たα)は

It had to be you

effect と同 様の 応バ ア ス が生じた た め で あ ると考え られる

 な お, SM に関 する確 信 度は実 演 条 件の方が 想像 条 件

よ り も高か っ た

Conway

 and  

Dewhurst

1995)は記 憶

の想 起意識に注 目し

想像条 件よ り実 演 条 件の方 が あり ありと思い出せ る 〔remember )こと を示 した が, 本 研究 で も同 様の結 果とな っ た

実 演に固 有の記 憶 属 性が あ る こと が

実 債 条件にお け る

SM

の確 信を高め たと考え ら れる

 以上

実 験 1で は

実 演か

想 像か

音読か

を弁別        

Tablc

 2

Results 

from

 

Sourg

 c Monitoring test for each  item type

Source Monitoring

Item

 type

Enact Imagine

Vocalize

New

EnactImagine

Vocalize

New 墨  

6

  7   1 26 鐡

245

  3 54qV   り QFD     l0  

71020

Note.

 

Each

 number  represents  the sum  of responses  

from

 all participants

(6)

加 地

仲:行 為の ソ

モ ニ タ リング 167 さ せ るSM 課 題を行っ た

そ して その結 果か ら 実 演 条 件で は イメ

素に加えて実演に固 有の要素が作 ら れ る た めに

習条件か ら

実 演

誤 帰 属される こと は少 な く

確 信 度 も高い のだ と考え た

で は

同じ SM で も

実 演に直 接 含ま れ ない情報

例え ば 文脈 情 報 間の

SM

は 実 演に よ

て促 進 さ れるのだろ う か

実 験 2 では材 料の旱示 音 声の

SM

実 演 条 件と想 像 条 件とで 比 較 し

実 験 1の結 果が文 脈 情 報に まで拡張で き る か ど うか を検討する

Koriat

 Ben

Zur

Druch

1991

)は

行為のに よ

て項 目そ れ自 体の記 憶は促 進さ れ る が

地 理的 文 脈 (どの部 屋で項 目を学 習し た か)の記憶 は促 進さ れ ない こ とを示し た

し か し

彼らの 釈 としては二っ の可 能 性が考え ら れる

..

っ は

実演に 注 意 資 源を奪わ れ た た め

文 脈 情 報に まで資 源 を 配 分 す ること がで きな か っ た可 能 性で ある

二っ め は

実 演に よ っ て運動プ ロ グ ラ ム は活 性 化 す る が

それ 以 外の情 報 は活性化し ない可能性で あ る

こ の二っ の可 能 性の ど ち ら が妥 当で あるかは

文脈 情 報へ の注 意を統 制 する こ と に よ っ て決 定 する ことが で きるだ ろ う

そ こで

実 験2 では材料の 呈示音声 (女 性の声で呈示する か男性ので 呈 示 す る か ) を操 作して

SM

課題 を実 施する

参 加 者が 実 演する の は材 料が呈 示さ れた後で あるため

注 意 資 源 が実 演に奪わ れて 文 脈 情 報に配 分されない とい うこ とは な くな る

外的ソ

ス と しては

刺激 材

料の色 を区 別さ せ る な ど も考え られ る が

こ こ で は動 作に伴 う外 的ソ

ス と して 自然である の は音 声だ と考え

音 声 を用い た

  2

  方 法  実験 計 画 学 習 条 件 (実 演 /想 像 /復 唱 ) を被 験 者 間 要 囚とする 1要 因 計 画と した

 参 加 者 大学生

36

名 (男 性

18

名, 女 性

18

平 均 年齢

19.

8

範 囲

18〜25

歳 )で あ

⊃た

こ の 36名を 12名 (男 性6名

女 性 6名 )ずつ

3つ の 学習条 件 り分けた

 材 料 実 験

1

使用 し た もの と

1

司じ行 為 文72 項 目 を

,24

項 目 ずっ ラ ン ム に振 り分 けて

3

っ のセ ッ トを 作 成し た

そ の 3つ の行 為 文セ ッ トを

男 性の声で読み 上 げる項冖

女 性ので読み ヒげ る 項 目

テ ス ト時の デ ィ ス トラク タ

NEW

>項 目に割 り当て た

行 為 文 セ ッ トの割 り当て は被 験 者 間で カ ウ ン タ

バ ラ ン ス し た

学 習 段 階で は

カ セ ッ ト テ

プ レコ

で 行為文 を 呈 示 し た

呈 示 用の 行為文は

,24

項目を

男 性 (

23

歳 ・大 学 院 生 ) の声で

24 項 目を女 性 (26歳

大 学 院 生)の声で録 音し た

テ ス ト段 階で は

IBM 社製の ノ

ト型パ

ソ ナ ル コ ンピ

ュー

タの液 晶デ ィ ス プ レイに行 為 文を 呈示 し た

  手 続 き  実 験は個 別に行っ た

  学習段階の手 続き  実験

1

と同様に偶発学習 課 題と し

カバ

と し

tt

常 性 評 定 課

  実 験 1と異な り

学 習 条 件を被 験 者 間 要 因とし た

1 試 行は次の よ う な流れ であっ た

まず 行 為 文が約

3

秒 間 呈 示 さ れ る

次の

3

秒 間で

参 加 者 は学 習条件に応 じ て

行 為 文を実 演 する か

想 像 するか

復 唱し

最 後に

5

秒 間で 日常 性 評 定 課 題を行なっ た

行 為 文 (男 性の声 に よ る項目 24項 目

女性の声に よ る項 目24 項目)は, 同じ声が

31r

1

以 上か ない とい う制 約の も とで ラン ダ ムに呈示した

行 為 文の学 習 (実 演/想 像/復 唱 )と日常 性 評 定 課 題 との間 隔

目常 性 評 定 課 題 と次の行 為 文が呈 示さ れ る までの 隔は

そ れ ぞ れ

1

秒で あっ た

日常性 評定 課 題の開 始 時には

プ か ら実 験 者の

評 定 して下さい

とい う合 図が流 れた

実 験 1と同様

本 試 行に先 立っ て 練習試 行を行っ た

 テス ト段 階の手続き テ ス ト段 階で は学 習 段 階で用い た

48

項目にディス ト ラ クタ

ー24

項 目を加え た計 72項 日を用いた

これら の項 目を参 加 者に (学習時に)同じ 音声で呈 示 し た項 目は

3

同 以上 続か ない とい う制 約の も とで

ラ ンダムで畢示し た

被 験者間での呈示 順序 は固 定し た

まず

行 為 文を3秒 問 呈 示し

学 習 段 階で

聞いた

rrrfi

か な かっ た

か 再 認 判 断 して も ら う

聞 い た

と答え た場 合は

その項目 が 男女ど ち らの声で呈 示さ れ た か を

SM

判 断して も らっ た

その後

その判 断 に対する確 信 度を (4件 法 )を回答 し て もらっ た

聞か なかっ た

と判 断し た場 合に は

そ の判 断に対 する確 信 度 を回 答 して も らっ た

回答は参 加者の ペ

A4

判の回 答 用 紙に記 入 して も らっ た

実 験 1と同 様

本 試 行に先 立

て練 習 試 行を行

学 習 段 階 終 了 後か らテ ス ト本 試 行 まで の時 間は

8

分で あっ た

こ の

8

分の 聞に, 被 験 者はテ ス ト段 階にお け る練 習 試 行を し た

 結果と考 察   再 認 課 題とSM 課 題の成 績をTable 3に示 す

 再 認 成 績 

HIT

数にっ いて

1

要因分 散 分析を行っ た ところ (以

単に

分 散分 析

と す る )

学 習 条 件の効 果は有意で な か

F2

33

=,

10

n

s

  FA にっ い て も分 散 分 析を行っ た が

学 習 条 件の効 果は有 意で な か

・た{F(2

33

=.

57,

n

s

 

SM

成績  男 女ど ち らので 聞い た か 正 しく判 断し た 項 卩の数を 正答 数と し

分 散 分 析を行っ た

そ の結 果

学 習 条 件の効 果は有 意で な か っ た {F(2

 33

=、

78

 n

s

し か し

確 信 度にっ いて分散 分析を行っ た結果 学習条

(7)

168 基礎心 理学 研 究 第 24巻 第 2号 件の 効 果意で あっ た (F(2

 33

5

19

p

05

多 重 比較を行っ た ところ, 想像条件が実演条 件よ り も有意に 高かっ た (p<

Ol)

つ ま り

SM 正答数に は差が な く

確 信度は想像条件が 実 演 条 件よ り も高かっ た

 以上

,HIT

数と

FA

数に も

 

SM

課 題正 答 数に も学 習 条 件 問の違い は な く

確 信 度 は は む し ろ 想 像 条 件の方 が実 演 条 件より も高い こと が示さ れ た

確 信 度は実 験 1 では実 演 条 件が想 像 条 件を上 回っ たが

実 験 2で は逆に 想像 条件が実演条件を上回っ た

実 験 1に おけ る実 演 条 件で の確 信 度は

実 演 し た もの

実演し た

と認識 で きた場 合の確 信 度で ある

また

想像 条 件での確信 度 は

想 像した もの

想 像 した

と認 識で きた場 合の 確信度であっ た

その ため

実 験

1

で は

すで に考 察 し た ように

活 動に固 有で痕跡のと イメ

要素 に基づ く確 信 度 (実 演 条 件)の

h

イメ

ジ要 素のみ に基づ く確 信 度 (想 像 条 件 )よ り も値が高 くな っ た の で は ない か

  方, 実験

2

にお け る確信度は, 実演条 件, 想 像 条 イ,

1

と も

女声で聞い たもの

を “ 女 声で聞い た

男 声で聞い たもの

男 声で聞いた

という確 信度で あっ た

女 声

男 声の違い は活 動 を 行 う

lt

で直 接 用い ら れ ることの ない情 報だ と思 わ れ る

実 演条 件で は 活 動に固 有な要 素が あるた めに

記 憶 表 象に 占め る女 声

男 声に関 する要 素の 割 合が相 対 的に低 くなっ たのか も し れ ない

その結

む し ろ想像条件におい て

女 声

男 声にする確 信度が相 対的にくなっ たのだ と考え る こ と がで きる

実 験 1で見ら れ た

実 演 条 件で は誤帰 属 が少ない とい う結 果 (いわば

内 的

SM

にお ける実 演 条 件の位性)は

文 脈情報の外 的

SM

に関して は拡 張で き な かっ た

ま た

実 験 1で見ら れ た

音読条 件よ り も 実 演 条 件におい て HIT 数が高い とい う傾 向は

実 験 2 で は見られ な かっ た

これは実 演と音 読 (復 唱 )が被 験 者 間 要 因か (実 験 1), 被験者 内要囚か (実験 2)と い う 手 続きの違い に よ るもの か もしれな い

実 験 1で は

参 加 者は行 為 文が呈 示さ れ る ま で

どの条 件で学 習 するか の指 示を与え ら れ な か っ た

学習条件の 指示はランダム に 与えられる の で

特 定の方 略を準 備し

用い ること は 困 難で あっ ただ ろう

実 演に よ る符 合 化は非 方 略 的ある い は自動的に なさ れる Cohen

1983た め に注 意 資源を あ ま り必要と し ないが

音読によ る符号 化は注 意資源 を 必 要とする

したがっ て

注 意 資 源を配分で き ない実 験 1で は

HIT 数につ い て実 演 条 件が音 読 条 件を

E

回る傾 向が 見 ら れ たのだ と考え ること が で き る

これに対 し実 験 2で は

参 加者は

貫して実 演 か 想 像 か 復 唱 を 求め ら れた

復 唱 群で は課 題を繰 り返 す うちに

より効 果 的な 方 略 が 工 夫され

効 率 的 な 記 銘 (実 演 条 件と同程 度の記 銘)が口∫能と なっ たの で は ない か

その た め 実 演条件 と復 唱 条 件の

HIT

数に 差 が 見 ら れ な か

た と考え ら れ る

そ の た め

実 験 1で は実 演 効 果の傾 向が見ら れ

実 験

2

では見ら れ な か っ たのだろ う

再 認に限らず

今 後 は手 続き を よ り統

して内 的

SM

と外 的

SM

につ い て も相 対 的に検 討す る 必要が あ る だ ろ う

全 体 的 考 察  本 研究の 目的は,

2

種 類の

SM

課 題を用い るこ とに よ り

実 演によっ て生 じ る記 憶 表 象と想 像によっ て生じ る 記憶 表 象の違いを明らか にする ことで あっ た

 実 験

1

で は内的

SM

課題 を用いて実演条件, 想像条 件 で の記 憶表象の違い を検討し た

その結 果

実 演 条 件で は誤 帰 属が少なくSM の確 信 度 も高い こと か ら

実 演に 特 有の 要 素が形 成されたの だろ うと考 察し た

こ の結 果 は

想像し た行 為が実 演さ れ た もの と して想 起さ れ う る

こと を示し た

Goff

 and  

Roediger

1998

 

Thomas

 and

Loftus(2002〕

およびThonlas  and  Bulevich 2003

結果と は異な っ て い る

本研究と Goff らをは じ め と す

     

Table

 

3

Means  

for

 Recognition  and 

Source

 

Monitoring

 tests 

jn

 

Expcrimcnts

 2

Study

 cc〕ndition

Text

Enact

Irnagine

Vocalize

Recognition

 test

 

HIT

*1  FASource

 Monitoring  test

Correct

 response  number * ]

Con

且dence for correct  response *z

02704 58412 9 妬  

6525a

003

ρ

004

O1722

*1

:The score  ranges  

from

 

O

 to 

48.

*2

(8)

加 地

仲:行為の ソ

モ ニ

169

る 三つ の究で は

行為 文を想像さ せ る点は同じ だ が

想像さ せ る回 数と保 持 期 問と が異なっ て い る

三つ の 先 行 研 究で は

最 大

5

回ま で想 像 を 行い

保持 期はいず れ も2週 間で あっ た

先行研究では実演条件と 想像 条 件 の 習直後の 比較は行

て いない

し か し本 研 究の結 果 か ら は

少な くとも学 習し た時 点では

実 演 条 件 と想 像 条 件で は特 性の異な る表象が作ら れ る と 言 え る だ ろ う

先 行研究の よ う に保 持 期 間を あ け る と

実 演 表 象 もイ メ

ジ表象も痕跡が薄れて くる

そ の上で ど ち ら の表 象 に対 して もイ メ

ジ処理 を繰り返 すの で

弁 別が 困 難に なるのか も しれ ない

 

Hornstein

 and   Mulligan 2004は学 習 条 件と して

SPTs

実 験 者 実 演 課 題 (Experimenter

−Performed

Tasks

:EPTs )を設 け

行 為 文 を実 演 し たの は

自分

実 験者

か とい うSM テス トを実 施し た

そ して

 SM 正 答 率に は

SPT

条 件と

EPT

条 件で差が見 ら れ ない こ と

NEW 項 目か ら の誤 帰 属は SPT 条 件の方が

EPT

条 件よりも少 ない こと を示し た

本研 究の実 験

1

は, 彼ら の結 果と類 似 して い る

Hornstein らは誤 帰 属の結 果 を

FA が 外的ソ

ス に帰 属さ れ やすい と い う

lt had

to be you

effect

Johnson

& Raye

,1981

)の再 現で あ

る とした

あっ た

判 断 して も

実演の痕 跡が残っ て い な い憶表象

自分

以 外の ソ

EPT 帰 属 し や すい

とい うこ とであろ う

本 研 究の実 験 1につ い て は

実 演に特 有の記 憶 痕 跡が あっ た か らこ そ そ うい う 痕 跡 を 持たない他の 記憶表象か らの誤帰 属が少な か

た のか もしれ ない

  実 験

2

で は

実 演が材 料の呈 示 音 声のよ う な外 的 文 脈 の SM をも促 進 するか どう かを

外 的

SM

課 題によっ て 検 討し た

その結 果

文 脈情 報 問の

SM

は実 演によ

て は促 進さ れ ない こと が示さ れ た

これは

実 演に よっ て 地理的 文 脈の記 憶は促 進さ れ な い ことを示した Koriat et al

1991と同 様の結 果で あ る

彼らの研 究で は

実 演に よっ て文脈の記憶が促進し な かっ た

その理由と し て

次の 二っ の解 釈が考え られ る

.一

つ は

実 演条 件で は実 演に注 意 資 源を奪 わ れ

文 脈に まで注 意が行き渡ら な かっ たために

文 脈の記 憶が促 進し な かっ た とい う解 釈で あ る

二っ め は

実 演に よ

て行 為それ自体の記 憶 は促進さ れ る が, そ れ以 外の情 報は活 性 化 しない た め に

文 脈の記 憶は促 進されな か っ た と いう解 釈で あ る

本 研 究の参 加者は, 行為文を聞い てか ら そ れ ぞ れの学 習 を 行っ た

本研究で異なる の は そ の後の学 習 処理 で あ り

行 為 文¥示 時にお ける文脈へ の注 意 配 分は どの条 件 で も等しい と考 えること ができる

し た が っ て

実験

2

の結 果は注 意配分で は な く

行 為 実 演の特 性によっ て生 じた ものだ と

考え るの が妥 当であ ろ う

 Koriat  et  a1

(1991)に つ いて は可 能な二っ の解 釈の う ち

本 研 究の結 果に よ り,

っ を消 去 すること がで きた と言 えよ う

  まとめ る と

SPTs で は実演 した行 為 そ れ 自体

す な わ ち自己内情 報の記憶は促進 さ れ る が

外 的 文脈

いわ ば 自 己 外情報の記憶は促 進されに くい と言え る だ ろ う

こ うい

た特 徴は実 演に働 く固 育の プ ロ セス の

つ で あ り

SPT

効 果 を 生 じさせ る要 因の

を担っ て いるの か も し れ ない

 で は, どの よ う な情 報が実 演に固 有の情 報な のだ ろ う

,Daprati,

 Nico

 Franc

& Sirigu2003

自 己へ の

気づ きに障 害が あ る と さ れ る統 合 失 調 症 患 者で は

SPT

効 果が損な わ れ る とい う結 果を得た

こ う した 結 果 か

彼ら は体 性 感 覚や 自 我 関 与 〔self

involve皿 ent な ど

動 作 主 (agcnt )の み が 得ら れ る 

人 称 の 情 報 (first

person information)が SPT 効決 定 要 因だ と 主張して いる

起源が自己に由来 する記 憶 同 ⊥ を 弁 別 す る内 的

SM

課 題におい て実 演 条 件の成 績 が 高か っ たこ とか ら

本 研 究で も実 演に よっ て

人称の情 報が作 ら れ た とえ られ る

 ま た

生成 効 果の研 究で は

生 成は項 目それ自休の 記 憶を高めるが文 脈情 報の記憶は向上させ ない とい う項 目

文 脈

ドオ仮 説さ れ い る

Jurica

Shi−

mamura

1999)

本研 究で も同 様の トレ

ド オフが生 じ てい るので

実 演の効 果は生 成 効 果の

種 だ と考え るこ と がで きるかもしれない

そ う だ と す れ ば

,SPTs

にお い て記憶されて い るの は

行 為 文

で は な く

行 為 文か ら牛 成し た

行為その もの

で あるか もし れ ない

SPTs におい て生 じる記 憶 特 性を明らか にす るた めに は

そ も そ も記 憶されて い る の が

行為文

なの か

行 為その

なのか を

明ら か に す る 必要が あ る だ ろ う

引 用 文 献

Cohen

 

R

 L

19810n  

the

 generality of some  memory

 laws

 Scαndinavian

OUT ?ial 〔)

f

 

Psychot

(〜gy

22

267

 281

Cohen ,

 

R

 

L.1983

 

The

 effect  of encodirlg  variables  on

 the 

free

 recall of words  and  action  events

 Memory

 &Cognition

11

575

582

Conway

 M

 A

& Dewhurst

 

S.

 A

1995

 

Renlember−

 ing

 familiarity

 and  source  monitoring

 

The

 

Quar

 terlyburnat 

Of

 ExPerimentat 

Psycholog

48A

125

 

140,

Daprati

 E

 Nico

 

D .

 

Franc,

 

N .

Sirigu,

 A

2003 

Being

 the agent :

Memory

 for action  events

 Conscious

 ness  and  

Cognition

12

670

683

Earles,

 

J.

 L

& Kersten

 A

 

W .

 

Directed

 

forgetting

 of

(9)

170 基礎心 理学研究 第

24

巻 第

2

 Bulletin and  

Review,9,383−

388

Engelkamp ,

 

J

Zimmer ,

 

H .

 

D .1984

 

Motor

 program

 information as a separable  rne皿 ory  unit

 Psycho

 logical Reseαrch

46

283

299

藤 田哲 也 1995SPTs (被 験 者 実 演 課 題)の再生に お け

 る体 制 化と年 齢の効 果   心理学 研 究

66

219

224

Goff

 L

 M

& Roediger

 H

 L

 III l9981magination

 

inflation

 for action  events :Repeated  imaginings

 

lead

 tQ 

illusory

 recollections

 Memoay (隻Cognition

 26

20

33

Hornstein

 S

 L

Mu

igan,

 

N ,

 

W .

2004 Memory  for

 actions : Enactment   and   source   memory

 

Psy−

 chonomic  Bulletin& Review

11

367

372

Johnson,

 M

 K

 Hashtroudi

 S

& Lindsay

 D

 S

1993

 

Source

 monitoring

 Psychologicαl Bulletin

 l l4

3

 

28.

Johnson

 

M .

 

K .

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C .

 

L.

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in9.

 

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  P

 

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Shimamura ,

 

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Monitoring

 item and  source  information :Evidence 

for

 a nega

  tive generation effect  in source  memory

 Memo7y  &

 

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金敷大 之 1999 行 為 事象α)記憶にお ける記 銘 形 態の処  理 基礎心 理学研究

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45

141

163

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Nouri

 

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The

 role of movement  and  ob

 

ject

 in action  rnernory :

Acornparative

 study  

be−

 twccn  blind

  blindfolded  and  sighted  subjects

 

Scandinavian

/burnat 〔

f

 Psychology

4L  71

−75.

Nilsson,

  L

 

G

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 words

 

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1

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 sentences ?

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 of Verbat 

Lear

?z

 ing and  Verbat Behavior

20

322

332

Thomas ,

 A

 K

& Bulevich

 

J.

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2003 Exploring the

 role of repetition  and sensory  elaboration  in the

 

imagination

 

infiation

 effect

 Memory & Cognition

  31

630

640

Thomas

 A

 K

& Loftus

 E

 F

2002 

Creating

 

bizarre

  false memories  through 

imagination,

漉 捫o刎 &

 Cognition

30

423

431

     

2005

4

19受 稿

2006

1

25 受理

     

Appendix

The  action  phrases  used  in Experiments

1 鼻をっ む 2 両手で双 眼鏡を作る 3 手の指を 広 げ る 4 足を組む

5

せき ば らいを する 6 あごを 突 き 出 す

7

伸び をする

8

腰に手を 当て る

9 .

歯を食い し ば る 10 ひ じ を さ わ る 11 背中を か く 12 唇 をかむ 13 首を横に ふ る 14 深 呼 吸 を する

41

ツ とする

42

うつ む く

43

首を 回 す 44 上 を見る 45 みけんに しわ を寄せ る 46 片 足を あ げ る 47 親 指を な める

48V

サ イ ンをす る 49 ほお をさわる

50

力こぶ を作る

51

耳た ぶをひ っ ぱる 52 足を伸ば す 53 手 招き を す る 54 ま ゆ を あ げ る

15

両 手のを組み合わせ る 55 ばん ざいをする 16 敬礼を す る 17 首を か し げ る 18 手を ふ る 19 ま ば た きを する 20 ガ ッ ッ ポ

ズ を する

21

手 をこする

22

息を吹く

23

耳 を か く 24 目をこす る 25 手で

OK

を出す 26 耳を ふ さぐ 27 腕 を 組む

28

あ く び を する

29

ひざ をさする 30 唇を す ぼめ る

31

腕を か む 32 ふり返る 33 ほお を ふくら ま せ る

34

も も をた た く

35

肩 をた たく

36

ウイ ンクを する 37 肩を す くめ る

38

腹を さする 39 鼻を か く 40 手首をた た く 56 拍手をする 57 うなず く

58

息を止め る 59 腕をっ ね る 60 足を踏みらす 61 目を回 す

62

頭 を抱え る 63 っ ま先 をさわる

64

お じぎ をする

65

親指を下に向け る 66 握りこぶ し を作る 67 髪を か き あ げ る 68 ひたい で熱を は か る 69 胸を た たく

70

舌を出す

71

胸を なでおろす

72

指をパ ンと鳴らす 73 あ か んべ

を す る

74

唇を な め る 75 頭 をかく 76 指で バ

77

足首 を指 差 す

78

爪 を か む

79

ほ おづえ をつ く 80 机で ピ ア ノを弾く

参照

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