Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design高齢 者
・
障 害者
を
考
慮
し た
住 宅 改 善
House
Adaptation
for
Eldely
People
and
People
with
Disabilities
佐 藤 克志
Satoh
Katsushi
建設省 建 築研究所
Building
Research
lnStitute
,
Ministry
ofConstructien
1
.
はじ めに21
世 紀に 日本は世界有 数の高 齢 社 会に な る こ と は明 白で あ る。
このこと は何 ら か の サポー
トを受 け な ければ な らない 高 齢 者 や 障 害 を 持っ た人々 が増 加 す ること を 意 味 している と 言っ て も過 言で はない。
実 際,
我 が国の障 害 を 持っ た 人々 の数は10
年 前に比べ4
割以 ヒも増 加し,
約280
万人に達し てい る。
これ は,
人 口 の高 齢化 に伴い,
脳血 管疾患 等 の 後遺症 患 者 が 激 増 し た 他、
脳 性 まひ,
先 天 性 異 常や出 生 時の損 傷の増 大,
交 通事
故や労 働 災 害に よ る障 害を持
っ た人 々 の 増加 等が 原 因 と なっ てい る。 ま た,・
.
.
一
方で は出 生率
の 低下,
核 家 族 化,
女 性の 社 会 進 出 等に よ り,
これ ら障 害を持っ た人々を介 護 する人 材が 少 な く なっ てい ることも 事実
であ る。
これ らの現象 に 対 し,
種 々のケアサー
ビスを実 施 する福 祉 施 設の整備拡充は 遅 れ て お り,
し かも「バ ブル期 」 の地価 高 騰が 高 齢 者 や 障 害 を持っ た 人 々 が 住 んで い る 地域に新たな 施設 を建 設 す る こ と を 困 難 に し て 来 た。
ま た
,
施設数が不 足し ている原 因の1
つ と して,
「住 宅 」の問 題 が あ る。
病 院 や 施 設 を 退 院,
退 所 し た く と も,
帰 るべ き 住 宅 が本 人に生活 し やす
く で き ていない た め に,
入院
,
入所が 艮期 にわ たる ことが あ げ られる (老 人 病 院に入 院し ている もの の う ち2
〜3
割は社 会 的 入 院 と 言 わ れてい る)。
近 年 特に,
在 宅 福 祉 の充 実が叫 ばれ てい る が,
そ の た め に は 在 宅 生 活 を 支 障 な く す ごす ため の住 宅を整 備 する こ と が 必 要 不 可 欠 で あ る。
膨 大 な 住 宅ス トックを新たに整 備 してい くこと は不 可 能で あ り,
現実 的 問 題 解 決 方 策 と して高 齢 者や障 害 を 持っ た 人々に対 する 「住宅 改 善」 の重 要 性 が 浮かび あ がっ て く る。
2
.
住 宅 改 善の実 際く静 岡 県 在 住K
さ んの場 合〉 静 岡 県に住 むK
さ ん (40
歳 )は35
歳の時 交 通 事 故に よ る 外 傷 性 クモ膜 下 出 血 が 原 因で,
下 肢 が 完 全に麻 痺 し車 椅了L生 活 を余 儀な く さ れた。
2
年 間 の リハ ビ リ生 活 の 中 で,
自 立 し て 生 活し てい くため に は住 宅を な ん と か し な け ればな ら ない と 考 え たK
さ ん は、
「車 椅 子 が 自 由 に 移 動 で き る ように 」,
「入浴,
排泄 等 身の ま わ りの こ と が自立でき る ように」をキー
ワー
ド と して,
住 宅 を 改 善 す ることを 決 意 した。
具 体 的 には入 院 中 か ら病 院の リハ ビ リスタッ フや 建 築 関 係 者 と 相 談 を 繰 り返 し,
図1
に 示 す よ うな 検 討 プロセスによ り改 善 内 容 が 決 定 さ れ た。
トイレにつ い て は
,
当 初,
公共 建築 で 見 ら れ るいわ ゆ る 「車 椅子 用 ト イレ 」の ように 改 善 し た が,
衣 服の着 脱 が 困難で あっ た た め車椅 子 座 面 高 さ に 合 わ せ た移 乗台 を ト イ レ 全面に設 置 す る とい っ た改 善が再 度 なさ れ た。
図2
にK
さん宅の現 在の状 況 を示 す。
K
さ ん 宅は退 院 時に改 善 が 行 わ れて い る の で,
改 善の 効 果 が ど う表 れ たか はわか らないが,
改 善 前の住 宅で は自 立し匱
」1
欝
静
盤
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訓
韈
1
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.
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.
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圏
讖
:
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1
〈 配慮内 容〉・
便 囎 の 高 さ に 台 わ ぜ て 便 器 の まO りを移乗台で囲み 入 □ で 両 足E移 乗 台に乗 せ プツシュ
アツブで便 器 ま で 移 乗 で き る よ う に す る」
・
末製の移乗台の上に マッ
ト 居 敷 き 詰 め る.
.
一
.
.
一 図1
住 宅 改 善 内 容 の 要 求 条 件 と 制 約 条 件
(
K
さ ん 宅) た 生活が でき なかっ たのは確かで あ り,
現 在の住 宅に ほ ぼ満 足 している との こ とで あっ た。
こ の例 は精 力 的に大 規 模 な 住 宅 改 善 が な さ れ た もの であるが
,
その 前 提と し て 「本 人の自 立心 の強さ 」 は も と よ り.
「たまた ま 階 段下 に ト イレを拡 げる スペー
ス が あっ た」等,
比 較的 住宅 条 件 に 恵 ま れ ていたこ と を踏ま えて おく 必 要が あ る。
当然の こと であ る が,
住 宅 改 善に関 してユ ニ バー
サル な 方 法 が ある わ け で は な く,
居 住 者の身 体 機 能 や 既 存の住 宅の状 況に よっ て改 善 方 法 (問 題 解 決 方 法 )が 様々考 え うる とい うこと で あ る。
10SPECIAL
ISSUEOFJSSD
Vol
.
2
No
、
4
1995
デ ザ イン学研究特 集号Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design響
讐
聾
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霧
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欝
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・
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捗」.
・
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Li
1
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EB
・… at宀
車 碕 子で ア ク セ スでき る レ よう に、
洗 面台の下に あ きス ペー
スを 設けた。
洗 面 台下端の高 さ は630
、
上 端 は760
であ る。
車 椅 子 か ら も 鏡 が 見 え る よ う に、
かっ家 族に も適 応 す る よ う に 縦 長 の 大 き な鏡 を 設 置 してい る。
▲K
さ ん は腕 力 が 強 く、
ブッシュ ア ップが 楽に お こ な え る た め、
洗 面 所で車椅子か ら おり
.
洗い場 まで座 位で移 動す る。
浴 槽に 入 る 場 含 は 洗 い場か ら浴 槽 横の 移 乗 台 に プッ シュアップ であ がり、
体を ま わ し て浴 槽に 入 る。
プッシュアップに よ る 座位 移 動が基 本 と二なるた め
、
浴室 出 入 り□の段差を 極 力小 さ くする こ と
、
浴 槽 の 縁 の高さ を低 くする こ と、
浴 槽出 入 りのた めの移乗 台 や 手すり を設 置 する こ と 等 に 配 慮 が な さ れている。
濘
薹
皿 1171口
〔
円
「
き
;
〈車 掎子の座 面 高 さ (430mm )に便 器 と移 乗 台の高さ を合わ ぜ る と二共に、
移 乗台 を ト イ レ ス ペー
ス 全 面 に設置 し、
座 位移動 で 便 器 ま で ア ク セ ス で き る よ う に し て い る。
移乗 台 に は.
座 位 移 動 す る 際 に 足 を傷っ け な い よ う マッ ト、
タ オルを 敷い て い る。
排 便の際に座 薬 を 使う の で便 器 横に鏡 を 置いている。
丶
l
l
i
浴 室 1 〔コ 有 効 開□幅740
冒
ト イ レ 洗面・
脱 衣 室 有80e口
10 。 一 目乍業 台 1 有950
凵
居 間 畳の上に カー
ペツ ト 離蓐
口
『
「
匚
.
民
匝 ]
[
レ
匚
尸i
有 880 冷〆
丶
、
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〆
丶
一
畳 カー
ベツ ト 有950
有 77。、
く廻
團
1
<寝 室 横1
こ設置 し た スロー
プ と寝 室の 間 [こ、
サッ シ掃き 出 し 部 分 の段 差 や 隙 間が 生 じ て し ま うた め、
ス ロー
プ1
則 に蝶 番で鉄 板 を 取 り付け た。
出 入 り の際に、
スロー
プ と寝 室 の 間 に そ の鉄 板 を 渡 して段差 を 解 消、
出入り す る。
/
て
1
8
−
1罵
.
スロー
プ +430
雲_
±0 手 す り 高 さ890
敷地 形 状 等 か ら寝 室 横 1こスロー
レ プを 設 置。
勾 配 が 急 (約20
% 〉 であるた め 出 入 りに は 介 護 が 必 要。
近い将 来に勾 配を 緩 くする こと を 考え て い る。
[
1
叫
一ZL
.
1
\驫奪
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\
變
図2
K
さん宅の住 宅 状 況デザ イン掌 研 究 特 集 号
SPECIAL
ISSUEOF
JSSD
Vol
.
2
ND
.
4
199511
Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Sooiety for the Soienoe of Design3
,
様々な 住 宅 改 善の実例
で は
,
様々 な 住宅改 善方法 と して どの様 なこと が実 際 行わ れ てい るのか,
筆 者が行っ た事 例 調査の範 囲 内で あるが,
空間 別 に 代 表 的 改 善 内 容 を 整 理 し て み る。
1
) 道路 か ら玄 関までの アプロー
チ 空間 こ こ で問 題とな るのは道 路 か ら 玄 関 までの レ ベ ル 差 と 路 面の 材 質や仕 上 げである。
道 路 面と敷 地と の縁 石に よ る段 差,
砂 利 敷 きに飛 び 石 を 配 したアプロー
チ 面,
玄 関 ポー
チ 前の段,
等の 改 善 内 容として,
コ ン ク リー
ト等でスロー
プ化する方 法(
写真1
)が あ る が,
そ れ が 難 しい場 合 に 簡 易 的 なスロー
プ を 必 要 な 時 に 置 く 方 法 (写 真2
) や 玄 関 前 に 段 差 解 消 機 を 設 置する 方 法 (写真3
) 等が と ら れ てい る。
2
) 玄 関車 椅 子 使 用 者であれ
,
杖 使 用 者で あ れ,
歩行 能力が 低 下 して きている高 齢 者で あ れ,
玄関 で一
番問 題 と な る の が 「上 が りが ま ち」 部 分の段 差である。
その処 理 方 法と し て、
上が り が ま ち 部 分に踏み台 等 を設 け,
段 差 を 小 さくする (写真4
),
玄関土 間 の一
部 を 玄 関 ホー
ル部 分 と 同 じ 高 さに し,
玄 関 扉 部 分か ら直 接 住 宅 内に入る ようにする (写真5
),
玄関土間 部分と室 内床の 間 にス ロー
プを 設 置する(
写 真6
),
上 がりが まちを無 くし,
玄 関 土 間 部 分 と 室 内 床 を 同.
.
一
一
レ ベルにする (写 真7
)、
玄 関スペー
ス に 余 裕 が あ る 場 合 に は 段 差 解 消 機 を 設 置する方法等が と ら れて い る。
ま た,
前 述 し たK
さ んのように 本 人 が 生 活 して い る部 屋 に本 人 専 用の 出 入 口 を 設 け,
そ こ ま で の 殺 差 を 外 部ス ロー
プで 処 理 する方 法も数 多く見ら れ る。
3
) 廊下 /室 内 段 差我 が 国の住 宅は構 造 上
,
出入口 の敷居等小 さ な 段 差 がいた る とこ ろ に存 在 する。
ほ ん の数セ ンチの段 差で あっ て も車 椅 子使 用 者に はとてつ もな く高い バ リ ア に な る し,
杖使 用 者や歩 行 機 能 の 低 下 し た 高 齢 者 に とっ てつまずきの原 因となる。
その解 消 方 法 と し て,
勾 配の つ いた木片 を敷 居や ドア枠 部 分で設 置 する (写真8
,
9
),
床 を か さ 上げし,
敷 居 部 分の段 差 を小さくする方 法 (写 真10
) 等 が あ る。
4
)
階 段 階 段につ いての改 薄 内 容 は 手 す りの設 置 が 事である。
階 段 を 昇 りやす くす るために勾 配 を 緩 くす ること は 事 実 上 不 可 能であ り.
生活空間 を2
階か ら1
階 に 移 す ケー
スが 数 多 く 見 ら れ る。
生 活 空 間 を1
階 に 集 約すること が難しい場 合に,
階 段 界 降 機 を 設 置する例が見ら れ る (写 真11
)。
5
)ト イ レ住宅改 善の実 施 を 空 間 別で見 る と
,
最 も 多いのが トイレ,
浴 室 とい っ た水 回 り空 間の改 善であ る。
これ は排 泄,
入 浴 とい っ た 生活の基本 的 行 為が障 害 を 持っ た人々に とっ て非 常に困 難で あ ること を物
語って い る。
トイレ で 問題 となるのは,
便 器 まで近づき や す く なっ ている か,
便 器に移 乗 し や す く なっている か等である。
そのた めの改 薄 内 容と して は,
出 入[部 分の段 差の解 消はも とよ り,
便 器へ の ア クセ ス及 び 便 器へ の移 乗 を補 助 する た めの手 す りの設 置・
便 器 高 さの調 節 移 乗 台の 設置,
車 椅子 や介 護者のため の スペー
ス の確保等が 主 と なっ てい る(
写真
12
〜
15
)
。
6
)
浴室 浴室改 善 で は,
安全な給湯 設 備,
更 衣 方 法に応じ た脱 衣室計 画,
浴 室・
脱 衣 室の暖 房,
脱 衣 室 と洗い場の段 差 解 消,
本 人の身 体 機能や介 助 方法 に 応 じ た浴 槽,
移 乗 台,
手 す り等の配 慮,
シャ ワー
浴 を 便 利 に す る た めの配 慮 等,
様 々 な 要 件 に 対する き め細 か さ が 必 要 と さ れ る。
し か し,
現 実の浴 室 改 善 で は,
既 存 住 宅 条件や 経済 条 件か らくる制 約によ り,
「なんと か 移 動,
移 乗 が口∫ 能 なように」 とい う観 点 で 改 善 さ れ てい る ものがほとんどであ る。
そ の内 容は,
すの こや洗い場 床か さ 上げ
に よ る出 入口段 差 の解消(
写 真19
,
20
)
,
浴槽の出 入 りやシ ャ ワー
利 用を や りやす くするための椅子 や 移 乗 台の設 置(
写 真16
〜
18
),
浴 槽 出入りの 介 助 負 担 軽 減 の た めの リフ ター
の設 置 (写 真19
)等 が あ る。
写 真19
は 「床固定 式リ フ ター
」 の例で あ る が,
リ フ ター
に は そ の 他 「天 井 走行式 」 「床 面 移 動 式」 が あ る。
4
.
住 宅 改 善 事 例の有 効 活用方
策以上
,
こ こ で 取 り.
.
ヒげたもの はほ ん の1
例にす ぎない が,
前 述 したよ うに,
本 人の身 体 機 能,
介 助 方 法,
既 存の住 宅 状 況 等 によっ て様々な 住 宅 改 再 内 容 が ある こと が 読み とれる。
がし か し,
本 人の身 体 機 能,
介 助 方 法,
既 存の住 宅 状 況 等 を 前 提と し て改 善さ れ た住 宅には,
「成 功 例 」「失 敗 例」共に様々な ノウハ ウ が蓄 積 され て おり,
「住 宅 改 善はケー
ス バ イ ケー
スだか ら他の事 例 を 見ても あ まり役 立 た ない」と片づ け る わ け に はいか ない。
身 体 機 能や住 宅 状 況が類似 の事 例を 見つ け だ し,
そ の 改 善 内 容(使 用 評 価 を 含め た改 善ノウハウ)をべ一
ス に検 討を進め た 方 が,
白 紙の状 態か ら検 討 をス ター
トする よ り は効 率的 で あ る こ と は 言 う までも ない。
これ を支 援
す
る もの と し て,
身 体機
能状
況と既 存 住宅状 況に よっ て整 理さ れた 具 体的 改善事
例のデー
タ ベー
ス(
勿 論豊富 な デー
タ が蓄 積さ れ てい る こ とが前 提であるが ) が 考 え ら れる。
今 現 在,
こ の よ う な考え に基づ き,
事 例 デー
タベー
ス を 構 築 中で あ る の で,
最後に そ の概
要を紹 介 する。
1
)事 例 デー
タの活用 イ メー
ジとデー
タベー
ス の 基本 構 造事 例 デ
ー
タベー
ス の 活 用 イ メー
ジ を 整 理する と図3
の よ うに なる。
まず,
改善し よ う とする 「住宅の現 況 」 と 「居 住 者の身 体 機 能 状 況」 をデー
タ検 索 条 件と して入 力 するこ とによっ て,
12SPEClAL
ISSUEOF
JSSDVol
、
2
No
、
4
1995
デ ザ イ ン学研究 特 集号Japanese Society for the Science of Design
NII-Electronic Library Service
Japanese Soolety for the Solenoe of Deslgn空 悶別 改
譱
劔
一
1
● ア ブ 臼
一
チ
■
玄
閾
●
豊 内 段 差
●
階
段
写 真4
;上 がりが ま5
部分に 踏 み 台 等を設け、一
度 に 昇 ら な け れ ば な ら な い段董 を小さ く す る と 共 に 体 を 支 え る た め の手す り を設置 す る。
写真5
:玄 関土間の一
部を玄 関ホー
ル 部分と同じ高さ1
こし、
玄 関 扉 部 分 か ら 直接住 宅 内 に入る よ う に す る。
こ の 改 善 は 車椅 子を 屋 内 外 で は き か え る 人 で、
玄 関 ス ベー
ス が狭い場含 に と い う 前 提 が あ る。
写 頁6
:玄 関 土 間 部分と 室内床 の 間 に ス0
−一
プを 設 置 す るe
スロー
ブ勾 配 が± がり が まちの高 さと玄関 の広 さ に 影 響 を受け るた め、
現実 的に は 玄 関が充 分 広い か上 がりがまち が あ ま り 高 く な い こ と二が 前 提 と な る。
写 真7
’
上 が り が ま ち を 無 く し、
玄 関 土 間 部 分 と 室 内 床 を 同一
レ ペ ル に す る。
こ の 方 法 は アプロー
チ 部 分 に レ ベ ル 差 が 生 す る 可 能 性 が あ り、
そ の 処 理 方 法 と 関 連 さ せ て 考 え な け れ ば な ら な い。
デ サイン学 研 究 特 丘 号
SPECIAL
ISSUEOF
JSSD
Vol
2
No
4
199513
Japanese Society for the Science of Design
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Japanese Soolety for the Solenoe of Deslgn空 問
劉改
舊
鯛
一
2
●
トイ
レ
●
浴 室
写 真12
:ものにっか まって立位を 保っていられ る人に は手すりの設 置 が苒 効てあ る。
この例 は トイ レ出 入 ロ で車 椅子 か ら 手すりを 使って立 ち 上 が り、
ト イ レ内手すりを 伝って便 器 に 腰掛け る。
も
写 真 13’
車 碕 子 が 中に入 れるよう にトイ レを 拡 げ られな カ、った た め 移 乗 台 を 扉 部 分 まて設 置し、
扉前 廊下 を 移 乗スペー
ス と し て い る。
和式 便 器の上に腰 掛 便座 を置 い て、
便 座高 さ を 肇 椅 子 座 面 高 さに合わ せ て い る。
写 亘 15 :車 椅 子使用のた めに トイレ面 槓を拡 張 (実 際 は 別に トイ じを新 設 )し、
移 乗のた のの手すりを取 り付 けてい る。
ト イ レ内に は 車椅 子て ア ク セ ス可 能な 洗 面 台、
汚 物 を 洗 浄する ための汚 物 流し を設 けてい る。
既 存の トイ レを 改 造 す る 場 合、
面 積 的に、
こ のよ う な 改 善 は難 しいだ ろ う。
灘
糶
堺
孵
、
・
p
唖
写真14
:學椅 子て便 器にアク セス しやす く す る た め に、
トイレの壁、
扉を除去し、
ア コー
ア イオンカー
テ ン を 取り付 けてい る。
手 す り は車 椅 子か ら の移 乗、
便 器か らの立 ち ⊥ が り補 助のた め にL 型と し ている。
写真16
:車椅 子か ら 洗 い場に移 乗し易く す る た め に 洗い場を車 椅 子 座面 高さ に合わ ぜてい る (浴槽 縁 高 さ 同一
) 浴 槽へは座 位て移 動す る た め、
移 動補 助のた め の手す り の設置、
移 動しやす い 床住上 げ等が 配慮さ れ て い る が、
滑り易い 床 面 に し た た め冢 族に どっ て は 危 険 て あ る こ と や 排 水 処 理 の問題等が 指摘さ れ て い る。
写 真17
:シ ャ ワー
浴 のた めに シ ャ ワー
位置を 変更 し、
シャ ワー
チェア を 置 け る よ う に し た 例。
そ の位置 は 浴 槽 脇 に 設 けた 移 乗スペー
ス に移 乗 しやす い位置 と し て い る。
写 真 18 :左 片 まひの本 人が自力で 浴 槽の出 入 りが で き る よ う に移乗 台 を設 置 し て い る。
移 乗 台の位 置は健 惻か、ら刀℃一
チでき ること が 原 則と な る。
ま た、
移乗 台に腰 掛 け た 状 態て 鞠獄
結
写 真19
:浴室の床を かさ 上 げし、
脱 衣 室と の段差 を解 消 して い る。
出 入ロ 部 の洗い 場側に は水 処 貍の為に 排 水 溝を設け て い る。
又、
こ の例て は浴 槽 出 入 りの介助負担軽臧の為に欝
慈
簿
茎
tt
胸 蝿響
瀬
耀翫
−F
屮
爪
轎
一
μ
il
’
1
艦5
噸
、
, 謡
写真20
:浴室 出 入 り 口部分の段差 解 消 のた めに洗い場 全 面にすの こを 敷き 詰 め て い る例。
すの こ で段 差 解 消し て い る 事 例 で はすの こ のメン テ ナ ン ス を し や す く す る こ とが 必 要 と\
,
\
〜
iー
ー菱
シヤワー
浴 が できるよう にしている。
床 面 固 定式 リ フター
を設置 し て い る。
の 意 見 が 多 い。
デー
タベー
スか ら 類 似事例 が 検 索 さ れ る。
も し 「何 を 配慮し た ら よいか,
大 体工事 費はい くら位か か るのか」 という概 要を 知 りたけ れば,
〈全 体プラ ン と配 慮 箇 所,
総工事 費〉を 見ること に よ り 情報が 得 ら れ,
「ト イレの 手 摺 の 取 付 位 置 は どこが よいか,
手 摺工事 費はい く ら位か か る の か」 とい っ た 疑問に は く空間別 詳 細プラ ン と 具 体 的 配 慮 内 容,
配 慮 内 容 別 工事費 〉 を 見 ること14SPECIAL
ISSUEOF
JSSD Vol 2 No、
4 1995 テ ザ イ ン学研究特集 号Japanese Society for the Science of Design
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Japanese Sooiety for the Soienoe of Design● 身 体 機 能の入 力 ●類似事 例の検索結 果 (類 似 事 例リ スト) 【事 例 デ
ー
タ 活 用の為の入 力 情 報 】 情 報 を 得 たい寞 間 身 体機能の状 況 【提示さ れ る 事例 の情報】 類 似 事 例の全体プ ラン 既 存 住 宅 の 状 況 情 報 を 得 たい建 簽部品 建 築 部 贔 惰 報 各 種 仕 様 取り付1†施工方法(
部品 D,
B.
一 ノ
)
〆 黼 格\
丶 配 慮 内容\
改 善 覿 空 間 別 詳 細プラ ン 展開図 配 慮 内 容 改 善 費 用 改善状 況の写 真 状況 写 真 図3
事 例 情 報 活 用 イメー
ジ 図4
事 例 デー
タ検 索 例 によっ て検 討のべ一
ス となる情 報が得 られ る。
又,
その事 例に 実 際に使 わ れて い る建 築 部 品(
手摺
,
浴 槽 等)
の寸 法 や 材 質 等 の各 種 仕 様 や その施工方 法,
部
品 価 格に関 する情 報 を 調べ る(部 品DB
か ら情 報を検索 す
る)
こ と によ り,
より 具 体 化した設計 情 報へ と 展 開 さ れ る。
「住 宅の 現 況 」と 「居 住 者の身 体 機 能 状 況」 によっ て類 似 箏 例 を 検索す る た め に は
,
蓄積さ れ るデー
タには 当 然 その情 報を 持っ てい な け ればな らず,
又 検 索 提 示 され る情 報は,
「全 体 概 要(
プラ ンや 配 慮 箇 所 )」,
「空 間 別の配 慮 内 容 や その工事
費」,
「使 用建築 部 品
・
福 祉
機 器の仕 様 と価 格」 等 が 相 互 参 照 可 能 なように 構 造 化 されていな け れ ば な らない。
詳 細は省 略す
る が,
本デ
ー
タベー
スで は こ の よ う な構 造を実現 す る 為 に,
事 例コー
ドを其 通 キー
項 目,
空 間コー
ド を サブの キー
項 目と し た リレー
ショ ナ ル型 を 採 用 し,
「居住 者 属 性」「日常生 活 動 作能 力」「既 存 住 宅 条 件」「配 慮 概 要」「空間別配 慮 内 容」「プ ラン等 画 像 情 報」「空 間 別 工事 費
」等
を相 互に関 連づけている。
図4
に事 例 検 索の例 を 示す
。2
)
事 例デ
ー
タ 活 用 の 為 に必 要 な デー
タ検
索 機能
身 体 機 能の状 況や既存 住 宅 状 況 をキ
ー
として類 似 事 例 を 検 索 する とい って も,
全 く 同一
の条 件を持っ た事 例は皆 無 とい っ て よい。
そ の 場 合,
身 体機 能や既 存 住 宅 条 件 が 似てい るとい うこ と か ら事例
を検 索しな ければな ら なく な る。
本 試み で は 身 体 機 能の類 似 度と既 存住宅 条 件の類 似 度 をフ ァジィ理 論を適用 し て 定 義 し,
そ れ を 検索 条 件とす るア ル ゴ リ ズムを 開 発 中で あ る。
5
.
あ と が きタ イ トル で は 「高 齢者
・
障 害 者 を 考 慮 した住 宅 改 善 」 と し た が,
こ こ で紹 介 した住 宅 改 善 は 障 害 者,
それ も車 椅子使用者に 偏っ た感があ る。
当 然,
「高 齢 者」を 対 象 と し た場 合と 「障 害 者 」 を対象
と し た場 合の住 宅 改 善 内 容 は 異 なる。
私 自 身,
明確
に 整 理で きて い ないが,
「高 齢 者に対し て は 徐 々 に 低 下する 身 体機 能 に対 応 す るた め の連 続 性,
可 変 性の 確 保」,
「高 齢の 障 害 者に対し て は介 護 負 担 軽 減を 目 的 と し た 改 善」,
「若い 障害 者に対 しては 自 立 を目的と し た 改 善」 等 が キー
センテン スと してあ げ られる の で はないか と 思っ てい る。
参 考
文 献1
) 厚 生 省 編 :平 成4
年 版 「厚生白 書」一
国 連・
障 害 者の十 年一
2
) 林 玉子 他 :高 齢 者 が在宅 生活 を 続 けるため の住 生活 サポ
ー
ト シス テ ム に 関する研 究,
住 宅 総 合 研 究 財 団研究 年 報No
、
20
,
229
−
240
,
1993
デザ イン学 研 究 特集 号