九州東シナ海沿岸で副振動災害を引き起こす
気象津波の広域伝搬に関する数値解析
松尾俊平
1・浅野敏之
2 1正会員 日本港湾コンサルタント 技術二部 沿岸海洋課(〒141-0031 東京都品川区西五反田 8-3-6) E-mail: [email protected] 2正会員 鹿児島大学教授 学術研究院 理工学域工学系(〒890-0065 鹿児島市郡元 1-21-40) E-mail:[email protected] 九州西岸では毎年春先に現地で「あびき」と呼ばれる気象津波の被害を受けている.気象津波の発生・発達は, 気圧波-海面長波の伝搬速度が近接する時の共振効果によるため, 長波の伝搬速度を支配する海底水深の影響 を大きく受ける.本研究は,九州西岸で最大級の海面副振動を観測した 2009 年 2 月の気象津波を対象として, 東 シナ海から九州・南西諸島海域を含む広域の数値シミュレーションを実施し, 観測された副振動の面的な再現 性を検討したものである. 気圧波を西から東に直進させた場合は, 沿岸各地で観測された水位変動の発生順位 をほぼ説明することがわかったが, 気圧波の伝搬方向を西から南西側に 10 度偏向させると, 沖縄トラフの急深 部による屈折効果が大きくなり, 観測された水位変動の発生順位を説明しない方向の結果となった.Key Words: meteo-tsunami, air-sea interaction, secondary undulation, numerical simulation,
coastal disaster 1. はじめに 毎年冬から春先にかけて東シナ海に面する九州西岸 の湾や港湾では, 「あびき」と呼ばれる気象津波によ って, 漁船の転覆や家屋の浸水等の被害を受けている. 2009 年 2 月 24 日から 25 日にかけて九州・南西諸島 の広範囲で気象津波による海面変動がみられた.この とき, 上甑島浦内湾の小島漁港では最大全振幅 3.1m の 副振動が観測されており, これは 1979 年 3 月に長崎湾 で記録した気象津波の過去最大全振幅2.78m を超える 最大級のものであった. 浦内湾内では, 床下浸水 6 棟, 漁船の転覆・沈没破壊・アンカー切れなど18 隻の被害 が生じ, 同様の被害は鹿児島県南さつま市, 熊本県天 草市でも報告された1), 2).内湾の静穏域を利用したマグ ロなどの大型魚の養殖生簀が, 気象津波によって大き な被害を受けており, 離島における新産業創成にも阻 害要因となっている. 著者ら3)は, 甑島浦内湾において 2010 年 1 月~4 月 に気象津波の現地観測を行ったが, その期間で浦内湾 奥の小島漁港で全振幅150cm を超える副振動は 5 日間, イベント数として8 回観測された(最大全振幅は同年 3 月6 日の 276cm).2009 年 2 月のような大きな災害に至 らなかったのは, 満潮時と重ならなかったためである. さらに著者ら4)は2012 年 2 月~3 月にも甑島浦内湾周 辺海域で現地観測を行った.そのときに記録された副 振動も湾奥部で 2m を超え, この地ではほぼ毎年のよ うに気象津波が発生していると言える.しかし2009 年 2 月気象津波は, 前述したように九州西岸各地で浸水 被害が発生したため, 長崎海洋気象台などにより九州 各地での最大全振幅・発生時などの記録が残されてい る.そこで本研究では2009 年 2 月気象津波を対象とし て, 東シナ海から九州・南西諸島海域を含む広域の数 図-1 2009 年 2 月 25 日 9:00JST の天気図
値シミュレーションを実施し, このイベントで観測 された副振動の面的な再現性を検討した. 2. 2009 年 2 月 24~25 日の気象津波の概要 本気象津波イベント発生時は, 図-1 に示す天気図か らわかるように, 東シナ海から薩南諸島を跨ぎ本州南 岸にかけて前線が閉塞し, そこに低気圧が発生して急 速に発達しながら東進していた.当期間は大潮であり, 最寄りの枕崎検潮所では2 月 25 日 8 時に潮位 358cm を記録している.上甑島小島漁港で副振動が顕著にな り, 漁船の転覆などの被害の発生したのはこの時刻に 重なっている.当日の甑島周辺は低気圧の通過で風雨 を伴う荒れた天気であった.九州西岸の気象津波は, 気象・海象が穏やかな日に来襲する場合もあるが, 春 の嵐のような日に発生することも多く, このイベント は後者の場合と言える. 表-1 は本気象津波イベントの各地で観測された最大 全振幅とその起時を示したものである.24 日 22 時頃 から海面変動が顕著になり,2~3 時間以内に福江で 0.81m,長崎で 1.57m,枕崎で 1.41m の最大全振幅を観 測した.今回の福江の最大全振幅は, 福江検潮所の観 測記録があるなかで歴代第 1 位の大きさであり, 枕崎 も第 2 位の大きさであった.また 25 日には 8 時~11 時頃にも全振幅1.0m 以上の気象津波が発生し,中之島 では同日9 時 46 分に 1.53m の最大全振幅が観測された. 3. 数値解析の概要 計算対象領域は, 図-2 に示す北緯 22.21 度~37.75 度, 東経119.98 度~132.50 度の範囲である. 格子サイズは 外洋1350m, 九州近海 450m, 沿岸海域 150m の 3 段階 でネスティングを行った.格子数(東西×南北方向)は順 に920×1260, 822×2010, 819×792(枕崎・甑島海域の場 合)である.水位変動を算出する代表地点は, 表-1 で示 した地点に, このイベントで副振動が観測された甑島, 阿久根, 対馬を加えた 10 点である(図-3).観測地点が ない甑島については,副振動災害が頻繁に発生してい る上甑島浦内湾の小島漁港付近の格子点をモニタリン グポイントとした.これら各地点に対して水位検出格 図-4 設定した気圧波形 表-1 2009 年 2 月 24 日 16 時~25 日 16 時までの最大全 振幅とその起時1) 地点 最大全振幅 (m) 起時 福江との時間差 (min) 7 油津 0.75 2月25日 4時14分 295 6 名瀬 0.82 2月25日 3時18分 239 5 奄美 0.78 2月25日 2時45分 206 4 種子島 0.85 2月25日 2時07分 168 3 長崎 1.57 2月24日 23時34分 15 2 枕崎 1.41 2月24日 23時27分 8 1 福江 0.81 2月24日 23時19分 図-2 計算領域,海底地形ならびに気圧波 初期条件の設定 図-3 数値解析における水位検出格子点
子を, 気象庁や海上保安庁の観測地点とできる限り近 い場所に設定し, 気象津波の来襲時間や振幅値を検討 した. 著者らが2010 年に行った現地観測では, 全 5 回の気 象津波発生イベントのうち 4 回は, 気圧波が西から東 に伝搬し, 残る1回はやや南西から北東に伝搬したこ とが明らかになっている3).また, 仲井・橋本5)も同じ 2009 年 2 月気象津波イベントの微気圧変動の伝搬方向 を, 気圧観測所の相互相関と FK スペクトルから解析 した結果, WSW と W の間から伝搬したと推定してい る.以上の結果から, 本解析では気圧波が西から東進 する場合(CASE-1 )と, 西から南西側に 10 度傾いた方 向から伝搬する場合(CASE-2)の 2 つのケースを採り上 げた. 気圧波形と気圧波の伝搬速度は, 齋田・浅野 6) の研究に従い, 図-4 に示すように進行方向に最大気圧 振幅 Pmaxを持つ正弦波形を設定し,最低気圧から最大 気圧 Pmaxまで変化する距離を Laとした.波峰はy 方向 に Ly =270km の長さを持つものとし, 両端 67.5km は振 幅が逓減するように設定した.気圧波の伝搬速度を Ca とし, 予備解析で Caを 80km/h から 140km/h まで 10km/h 間隔で変化させたときの長崎湾と甑島浦内湾 での最大全振幅 Hmax を調べた(図-5).長崎湾では Ca=110km/h で計算される Hmaxが最大となり, 甑島では Ca=130km/h で最大となった. 以上の考察より, 本計算では図-2 中に示したように 初 期 気 圧 波 形(Pmax=3hPa, La=30km) を , CASE-1 と CASE-2 の 2 とおりの方向から, 東シナ海から九州沿岸 に向かって伝搬速度 Ca=110km/h で進行するように設 定し,平面的な水位変動の時間発展について検討した. 基礎方程式は,次式に示す気圧変動を外力として考 慮した非線形浅水方程式である. x 0 … . . 1 … . . 2
√ ……(3) ここにη は水位, u, v は x,y 方向の流速, M, N は x,y 方向 の線流量, h は水深, H zbh, は基準面からの海 a) 135min b) 180min c) 195min d) 225min e) 240min f) 300min 図-6 CASE-1 の伝搬過程のスナップショット 図-5 気圧波の伝搬速度と水位変動の最大全振幅の関係
底高, P は海面での気圧である.f は Coriolis 係数 (=7.74×10-5s-1),n は海底粗度係数(=0.025m-1/3s), は水 平渦動粘性係数(=100m2/s)で,括弧内数字は本計算の設 定値である.開境界を放射境界とし,陸域境界では完 全反射条件を仮定した.計算時間間隔Δ t =0.1s とした. 4. 解析結果ならびに考察 CASE-1 に対して気象津波の伝搬状況を示したもの が図-6 である.図-2 中の赤線で示したように,五島列 島南方の九州西岸から台湾の北方まで南西諸島に沿っ て沖縄トラフが発達しており,急激に水深が増加して いる.この急深部は甑島西方でも900m に達する.気 圧波によって生じた海面長波は沖縄トラフに到達する と水深の急激な増加により,伝搬速度が大きくなる. 東シナ海の平均水深とこの付近の沖縄トラフの水深か ら概算すると, 長波の伝搬速度は両者で約 2 倍の差が 生じ,波の屈折が起こる.CASE-1 では, 西から東に 気圧波を伝搬させたが, 沖縄トラフの深部の影響で, 伝搬開始から150min 付近で発生・伝搬する海面波は北 東に方向を変えることがわかった.海面波は甑島を直 撃する形で進行し, その後天草や長崎に到達した.さ らに種子島東岸に回折し, 宮崎県東岸の油津へと回り 込んでいく様子が読み取れる. CASE-2 の気象津波の伝搬過程を平面的に示したも のが図-7 である. 気圧波を西より南西側に 10 度傾け て進行させただけで, 時間とともに沖縄トラフの急深 部に沿って北方に進路を変え, 五島列島へ南方から到 達した.伝搬開始から180min から沖縄トラフの影響が 現れ始め, 徐々に反時計回りに伝搬方向を変える. 225min 後には, 九州西岸付近で北北西に伝搬方向が 変化する.また,伝搬方向を変えた波の南方には,気 圧波により新たな海面長波が発生し(図-7e,図-7f の点 線で囲んだ部分), この部分は九州西岸に向かうことが 確認できる.一方, 伝搬方向を北に変えた波は,さら に反時計回りに伝搬方向を変化させ,済州島に向かっ ている(図-7f).東シナ海上で発生した海面長波は,洋 上を伝搬する過程で伝搬速度が近い気圧波からエネル ギーの供給を受け増幅する(Proudman resonance). 女島から南南西に約 100km の東シナ海上における最 大全振幅を算出したところ,CASE-1 においては約 0.3m,CASE-2 においては約 0.4m となった.入力条 件の Patm=3hPa の気圧変化で海面は 0.03m 変動する ことを考えると,10 倍程度増幅している.しかし CASE-2 の場合,増幅された海面長波は, 一部九州沿 岸に伝搬するが, 主要部分は沖縄トラフの急激な水深 増加により伝搬方向が反時計回りに変化し,最終的に は北北西方向に伝搬していく結果となった.そのため, CASE-2 では CASE-1 よりほぼすべての地点において 相対的に水位変動が小さくなった. 図-8,図-9 は, それぞれ CASE-1 と CASE-2 において, 各水位モニター点で得られた水位変動の時系列を示し たものである.横軸は, 計算開始からの時間であるが, 表-1 に示した本気象津波が各潮位観測点で記録された 最大全振幅の起時との対応を取るために, 長崎での水 位変動が最大となる時刻を図中に赤縦線で示すととも に, 長崎と相対的な各潮位観測点の最大全振幅の起時 を図中赤矢印で示した. 図-8 の CASE-1 の結果から, 最初の水位変動はまず 福江と枕崎でほぼ同時に発生し, 次いで甑島,名瀬, a) 135min b) 180min c) 195min d) 225min e) 240min f) 300min 図-7 CASE-2 の伝搬過程のスナップショット
奄美, 種子島等で検出され, 約 30 分遅れて長崎で水位 変動が発生した.地理的には西から福江, 長崎, 枕崎の 順であるが, 上述の南方地点で到達が早い時間順序と なるのは, 図-2 に見られる南西諸島西側から五島列島 南方まで貫入する急深部(沖縄トラフ)による長波伝 搬速度の増加によるものである. 最大全振幅が明確で ない地点もあるが, CASE-1 では, 数値解析結果の最大 全振幅の発生順位は, 福江→枕崎→長崎→名瀬→油津 となっており表-1 の観測結果とほぼ一致している. 水位変動の大きさについては, 長崎で全振幅 1.7m 程度 であり, 表-1 の観測値と良く一致している.甑島では 全振幅約1.6m で, 現地において観測された最大全振幅 の半分程度である.他の地点でも解析結果は観測結果 より概して小さく, 地形解像度の問題が考えられる. CASE-1 に比較して, 図-9 の CASE-2 の水位変動の時 系列の結果は概して観測結果を説明しない.奄美, 名 瀬で最初の到達波が現れ, 長崎における第 1 波は名瀬 のそれより約2 時間遅れている.最大波高の発生順序 も表-1 の観測結果と一致しない.また水位変動の大き さもCASE-1 の結果より小さいことがわかる. 以上のように, CASE-1 では沿岸各地の最大全振幅 の大きさと発生順位についての観測結果を数値解析結 図-8 各モニター点における水位変動時間波形(CASE-1) (赤矢印は観測結果の最大全振幅の起時) 図-9 各モニター点における水位変動時間波形(CASE-2) (赤矢印は観測結果の最大全振幅の起時) 図-10 長崎における対象期間の潮位と潮位偏差 図-11 長崎における水位変動の計算値と観測値の比較 ‐100 ‐50 0 50 100 150 21:00 22:00 23:00 0:00 1:00 2:00 3:00 4:00 5:00 η (c m) 時刻 cal obs 2/24 2/25
果はほぼ再現できることがわかったが, 以下では観測 で得られた副振動の水位変動の時系列に対して、数値 解析結果の再現性について考察する.図-10 は長崎にお ける本イベント期間における潮位と潮位偏差の時系列 を示したものである.本数値解析結果と比較すべき対 象は図-10 の潮位偏差波形であり, 両者を比較して示 したものが図-11 である.2 月 24 日 23:34 の第 1 波の全 振幅は良く一致するが, 後続波については振幅・到達 時間ともに幾分のずれが認められる.この理由は, 数 値モデルでは単一の気圧変動波形の伝搬によって引き 起こされる副振動を計算しているのに対し, 現地では 図-10 の時系列から示唆されるように, 来襲する気圧 変動波は複数回の可能性があり, 加えて海面上の風に 起因する副振動の影響が両者の相違をもたらしている と考えられる. 5. まとめ 本研究では,気圧波の伝搬による気象津波の発生・ 発達特性を調べるために, 広域数値シミュレーション を実施し, 2009 年 2 月 24 日~2 月 25 日に観測された 気象津波の再現性について検討したものである.以下 に得られた主要な結果を示す. 1) 発生する海洋波の伝搬に対する沖縄トラフの影響 は大きく, 伝搬方向の変化とともに, 沿岸各地点 における水位変動発生時間に大きな影響を与えた. 2) 気圧波の進行方向を西から南西側に 10 度変えただ けで, 海面長波は反時計回りに大きく伝搬方向を 変え, 最終的に北北西方向に伝搬する結果となり, 九州沿岸への来襲波高は気圧波が西から東に直進 する場合に比べて, かなり小さくなった. 3) 西から東に気圧波を伝搬させた CASE-1 では, 2009 年2 月 24~25 日に発生した気象津波イベントにお ける沿岸各地で記録された最大全振幅の発生順位 をほぼ説明することがわかった.また長崎の最大 全振幅はほぼ一致した.以上のことから,当該イ ベントを発生させた気圧波は,西から東方向に伝 搬したものと考えられる. 参考文献 1)長崎海洋気象台・鹿児島地方気象台・熊本地方気象台: 平 成21年(2009年)2月24日から28日にかけて九州西岸を中心 に発生した潮位の副振動に関する現地調査,災害調査報 告, 21p., 2009. 2) 柿沼太郎・浅野敏之・井上太介・山城徹・安田健二: 上甑 島浦内湾における2009年2月潮位副振動の被害調査, 土 木学会論文集B2(海岸工学),Vol.B2-65,No.1, pp.1391-1395, 2009. 3) 浅野敏之・山城徹・竹下彰・坂本裕昭・西村規宏:上甑 島浦内湾内における「あびき」の現地観測, 土木学会論 文集B2(海岸工学), Vol.67, No.2, pp.176-180, 2011. 4)池田奈保子・古木裕章・山城徹・浅野敏之・齋田倫範・ 城本一義:2012 年春先に上甑島浦内湾で発生した副振動 の特徴について,土木学会論文集B3(海洋開発),Vol.69, No.2,pp.658-663, 2013. 5) 仲井圭一・橋本典明:副振動に関係した微気圧変動の時 空間特性, 土木学会論文集 B2(海岸工学),Vol.67, pp.166-171, 2011. 6) 齋田倫範・浅野敏之: 東シナ海上の気象擾乱に起因する浦 内湾における副振動の発生特性に関する数値解析, 土 木学会論文集B2(海岸工学),Vol.67,pp.171-175, 2011. (2015.3.18 受付)
NUMERICAL ANALYSIS ON WIDE RANGE PROPAGATION OF METEO-TSUNAMI
CAUSING SECONDARY UNDULATION ON THE COASTS OF KYUSHU ALONG THE
EAST CHINA SEA
Shunpei MATSUO and Toshiyuki ASANO
Every early spring, west coasts of Kyushu have suffered from meteo-tsunami disaster locally called “Abiki”. The generation and development of meteo-tsunami is governed by barometric wave - ocean surface wave resonance when both moving speeds nearly coincide. This study has conducted wide range numerical simulations and compared the results with the observed secondary undulations for the greatest class meteo-tsunami event occurred in February, 2009. When the barometric waves propagate from exact eastwards, the numerical results are found to reproduce the order of the occurrence and the magnitude of the observed meteo-tsunamis pretty well. If the propagation direction shifted only 10 degree from the west to south-east wards, the significant refraction effect by the deep area of Okinawa trough arises, as the results, the numerical results do not explain the order of the occurrence of the observation results.