徳島赤十字病院 あり 病院名: 期間: 平成27年6月1日~7月31日 パス整備数: パス適応患者数: 症状 院内クリティカルパス名 新規の適 応患者数 (人) 最終更新日 例 がんによる痛み オピオイド投与パス 8 2015/7/2 1 2 3 4 5 6
※別添資料①「疼痛治療マニュアル」にて参照。
7※別添資料②「鎮痛のマニュアル」にて参照。
8 9 10 11 12 13 14 15症状緩和や医療用麻薬の適正使用を目的とした、院内クリティカルパスの整備状況と活用状況
記載の有無 ※「あり」とするとデータ抽出の対象となります。記載する内容がない場合は「なし」としてください。「なし」の場合は以下について記入の必要はありません。 徳島赤十字病院WHO方式による
がん疼痛治療マニュアル
2014
WHO方式の5原則
1.可能な限り経口で
2.時刻を決めて規則正しく
3.除痛ラダーに沿って効力の順に薬剤を選択
4.患者ごとに個別的な量
5.さらに細かい配慮を行う
徳島赤十字病院
NSAIDs,アセトアミノフェン
± 鎮痛補助薬
強オピオイド
モルヒネ
フェンタニル
オキシコドン
弱オピオイド
少量のオキシコドン
トラマール
徳島赤十字病院
P9
P10
P11
P12
1) 悪心・嘔吐
2) 便秘
5) せん妄
P1
P4
P2~3
P8
P5
P6
P7
P8~14
目次
1.がん疼痛治療フローチャート
2.オピオイド、トラマール一覧表
4) 呼吸抑制
3.オキシコンチン内服処方
4.持続静注・持続皮下注
5.持続皮下注の方法
3) 眠気
6.オピオイドスイッチング
7.オピオイドの副作用対策
6) 排尿障害
7) 掻痒感
8. オピオイドの退薬症状と対策
9. 鎮痛補助薬
P13
P14
P15
P16~17
―
フェントステープ
アンペック坐薬
・下痢、下血がないこと
・10mg/回 2~3回
8時間毎(例 6,14,21時)
※ナウゼリン坐60mg併用可
だが、モルヒネの吸収を阻
害するので2時間空ける
1日60mg/㎏
まで腫瘍熱(+)
胃 腸 障 害 (+)
腎機能低下 (+)
血小板減少 (+)
(アセトアミノフェン)
コカール
6
錠/日 分
3
(最大
20
錠)
カロナール細粒
1200㎎
/日 分3(
最大4000mg)
・中等度の痛みより
使用可
(10mg/日~開始可)
・腎機能障害時
モルヒネ注
<持続皮下・持続静注>
経口困難
ボルタレン坐薬
鎮痛補助薬を検討
・腎機能障害時
・モルヒネ注で副作用が強
い場合
フェンタニール注
<持続静注>
<コントロール不十分な場合>
※以下の様な疼痛に神経ブロックが有効なことがあるので、早期にがんサポートチームにご相談下さい。 *肋骨・胸膜播種による胸部の限局した疼痛・急激な疼痛増強時
・コントロール困難の場合
・呼吸困難時
BW≧50Kg 4V/日まで
1.がん疼痛治療フローチャート 徳島赤十字病院
オキシコンチン
<コントロール不十分な場合>
胃腸障害(+)
トラマール(25mg/cap)
4回/日100mg~開始し、300mgまで増量して
も効果なければ躊躇せずオピオイドへ変更
腎機能低下 (-)
胃 腸 障 害 (-)
(NSAIDs定期使用は継続)
BW<50kg 1回150mg/kg
まで・イレウス時
・腎機能障害時
・他のオピオイドから切り
替え
肝機能障害(+)
腎機能障害(+)
ロピオン
注
3A/日まで
アセリオ注 下記参照
ロキソプロフェン
3錠/日 分3
セレコックス
200mg 分2
(最大 400mg/日)
ナイキサン
600mg/日 分3
(最大600㎎/日 )
アセリオ注
NSAIDs 定期使用
経口困難
副 作 用 が 強 い経口可能
徳島赤十字病院 成分 経 口 モ ル ヒ ネ モ ル ヒ ネ 坐 薬 モ ル ヒ ネ 注 オ キ シ コ ド ン ・肛門・直腸に病変がある場 合、下痢や下血時は吸収が安 定しない ・ナウゼリン坐と同時使用によ りモルヒネの吸収低下(2時間 あける) ・脂溶性基材のボルタレン坐と の併用では吸収促進 吸収開 始: 20分~ Tmax: 1.5時間 T1/2: 4~6時間 <皮下注時> ・1ml/h以下 ・1週間を限度として針と場所 を変える <皮下注・静注時> ・入浴時など30分~1時間は 中断可能 水に溶かして服用可 ・呼吸困難時に用いられやす い <持続皮下> <持続静注> 1日量を生食で全量24mlに希釈しシ リンジポンプを使用 例) 塩酸モルヒネ注(10mg)1ml+生食 23ml ・1ml/h で開始 (高齢者、衰弱者、呼吸困難時) 塩酸モルヒネ注(10mg)1ml+生食 23ml ・0.5ml/h で開始 規格/ 薬価\ 吸収開 始: 15分以内 Tmax: 100~120 分 T1/2: 4~6時間 徐放製剤(オキシコンチン、フェントステープ)の レスキューとして使用 3×屯 8時間毎 レスキュー その他 投与法
2.オピオイドとトラマール
(院内採用薬剤/平成26年度版)
10mg \318 10mg/ 1ml \298 50mg/ 5ml \1399 薬物動態 製剤 吸収開 始: 10分~ Tmax: 30~60分 T1/2: 2~3時間 T1/2: 2~3時間 アンペック坐薬 10mg \125 塩酸モルヒネ錠 オキノーム散 5mg ¥130 塩酸モルヒネ注 1時間量 (30分あけ る) 1回服用量 例) 1×屯 呼吸困難時/疼痛時 3錠 3×8時間毎 6錠 6×4時間毎成分 オ キ シ コ ド ン コ デ イ ン ト ラ マ ー ル 4回/日 毎食後と寝る前 (20mg/回より開始) リン酸コデイン 散 Tmax: 1~2時間 T1/2: 3.5時間 ・悪心対策として、ノバミンを併 用した方がよい トラマールカプ セル 25mg ¥38 4回/日 毎食後と寝る前or6時間後毎 (100mg/回より開始) 1回服用量 (2時間あけ る) ・腎機能低下の影響は受けに くい ・副作用出現頻度はモルヒネ と同様だが、程度は軽い可能 性 ・かまずに服用 ・便中に錠剤の抜け殻(ゴース トピル)が排泄されることがあ るが、問題ない ・腎機能低下の影響を受けに くい ・便秘、眠気、悪心などの副作 用が少ない ・腎機能低下の影響を受けに くい ・便秘、眠気、悪心などの副作 用が少ない ・用量調整に時間を要する ・モルヒネなどの他のオピオイ ドからの切り替えとして使用 ・発熱時は吸収が高まる可能 性あり ・入浴時には注意が必要 ・モルヒネ製剤に戻す場合は、 鎮痛効果の減弱や過量投与 による呼吸抑制に注意 吸収開 始: T1/2: 約17時間 (剝離後) ・体内で約10%がモルヒネとな り鎮痛効果 ・有効限界: 200~300mg/日 ・鎮咳作用 吸収開 始: 1時間 Tmax: 2~3時間 T1/2: 5~6時間 T1/2: 3.6時間 5mg ¥150 20mg ¥523 1日量の1/6 のオキノー ム散 (1時間あけ る) オキノーム 散 アンペック坐 2mg ¥1064 1時間量を早 送り (30分あけ る) フ ェ ン タ ニ ル 薬物動態 投与法 レスキュー その他 規格/ 薬価\ 1回服用量 製剤 例) 5㎎ 2錠 2×(8時,20時) 1回/日 貼付 ・切り替え時はオピオイドスイッチン グの項を参照 フェンタニル注 0.1mg/ 2ml ¥304 <持続皮下> <持続静注> 1日量を生食で全量24mlに希釈しシ リンジポンプを使用 例) フェンタニル注(0.2mg)4ml+生食 20ml ・1ml/h で開始 フェントステー プ オキシコンチン
徳島赤十字病院 増量方法 ・経口モルヒネ換算120mg/日以下の場合は30~50%増量 ・経口モルヒネ換算120mgを超える場合は30%増量 前日のレスキュー使用総量を上乗せする方法もあり 例)10mg/日 + 15mg = 25mg/日 目標とする鎮痛効果が得られるまで増量 増量 強い傾眠 ①定時 オキシコンチン(20) 2錠 分2 (例 8時,20時) ②レスキュー オキノーム散(5) 10mg/回 ○回分 (1時間あけたら内服可) ③悪心対策 ノ バ ミ ン(5) 3錠 分3 (6錠まで増量可) ④便秘対策 センノサイド 2錠 眠前 マ グ ミ ッ ト 3錠 分3 ピコスルファートナトリウム内服液(10~15滴から開始) アミティーザ(24) 2C 分2 30~50%減量 投与継続
・レスキュー量
終日痛みがない・投与開始時の処方は2日分、外来では1週間分とし、早めに評価
オピオイド経口・貼付剤の場合は、1日量の1/6量を屯用 (投与間隔: 1時間 無制限) 十分な鎮痛が得られないA 軽度から中等度の痛みに対しては10mg/日から開始(第2ラダー)
B 強度の痛みには40㎎/日から開始する(第3ラダー)が早期から段階をふめばBから開始すべき
症例は多くない *初回投与が40㎎/日となる場合は、サポートチームに声をかけてくださ
い
3.オキシコンチン内服処方例
・それまでのNSAIDsに加えて処方する
・副作用は予防する
※悪心がなくなり鎮痛効果が安定すればノバミンは中止。2週間で耐性ができるので漫然と使用しな い。 1日量が増えればレスキュー量も増量する ※便秘対策は、オキシコンチン、モルヒネ投与中は継続。 薬剤は、排便状況を確認しながら全てを組み合わせることが必要。 ①定時 オキシコンチン(5) 2錠 分2 (例 8時,20時) ②レスキュー オキノーム散(5) 5mg/回 1×屯 ○回分 (1時間あけたら内服可) または塩酸モルヒネ末(5) 5mg/回 1×屯 〇回分 (偶数回数) ③悪心対策 ノ バ ミ ン(5) 3錠 分3 (6錠まで増量可) ④便秘対策 センノサイド 2錠 眠前 マ グ ミ ッ ト 3錠 分3 ピコスルファートナトリウム内服液(10~15滴から開始) アミティーザ(24) 2C 分2 併用可 併用可4.持続静注・持続皮下注
・確実に鎮痛でき、かつ微量調節が可能
・開始量はNSAIDsに加えて10~20㎎/日とする
・衰弱者、高齢者、呼吸困難に対しては、5㎎/日から開始し、増減する
◇オピオイド未導入で疼痛で来院した場合
<現在強い痛みがある>◇オキシコンチンでコントロールできていたが、内服できなくなった場合
・10mgで開始の場合 塩酸モルヒネ注(10mg)1ml + 生食23ml を 1ml/hで開始 塩酸モルヒネ注(10mg)1ml + 生食23ml を 0.5ml/hで開始 ・衰弱者・高齢者・呼吸困難の場合・1回の投与量は、1時間分
・投与間隔は、15~30分
・投与回数は、無制限
・頻回に早送りが必要とするなら、早送り総量を1日分に上乗せして翌日の投与速度を決定する
・モルヒネの1日量が決定するまでは屯用に他剤を使用しない
・PCAについては麻酔科にコンサルトする
・次回経口投与予定時刻より持続注入開始オキシコンチンの1/2量を1日投与量とする
ex)オキシコンチン20mg = 経口モルヒネ30mg = 塩酸モルヒネ注10mg <緊急的にソセゴンなど他剤で鎮痛が図れ、現在は徐痛されている> 最初に5mg、ついで2mgずつ5分毎に痛みが消失するまで静注していき、投与総量を初回量とする 初回量の4倍量を1日量として持続静注 or 皮下注を開始する ex)5mgで除痛できた → 初回量:5mg 1日量: 20mg (塩酸モルヒネ注(20mg)2ml+生食22ml 1ml/hで開始) (注射箋でのオーダーは、塩酸モルヒネ(10mg)1Aでする 実際は0.5A(0.5ml)を静注する。痛みが消失しない場合、残り0.5A(0.5ml)を生食4.5mlと合わせて総量5ml にして2mg(2ml)づつを静注していく) ・高齢者は5mg/日 で開始する ・疼痛の程度や眠気などの副作用を観察しながら増強する (傾眠強ければ、30~50%に減量) 塩酸モルヒネ注(20mg)2ml + 生食22ml を1ml/hで開始◇レスキュー(早送り)について
徳島赤十字病院 ◎刺入部位 ・前胸部、腹部、前腕 部、背部(自己抜去のお それがある時) ◎翼状針の刺入 ・肋骨に対して水平に刺入す る (肋骨の下に針がもぐりこむリ スクを防ぐため) ・角度は10~30度
5.持続皮下注の方法
◇持続皮下注時の注意点
・投与量は1ml/h を超えないように濃度を調節する ・1週間を限度として針と場所を変える ・前胸部が一般的だが、腹部も可能 (穿刺方法は下図参照) ◎必要物品 10cc注射器、27G翼状針 消毒用アルコール綿、テガダーム 持続皮下注射器 (7階南病棟に1台あり) 肋骨 肋骨 24G以下の テフロン針でもOK 肋骨・オピオイドスイッチングは症状コントロールに問題があるときに行い、コントロールが安定している時にあえて 変更する意味はない ・切り替えは少なめの用量で、レスキューを使用しながら行う ・高用量のオピオイドの場合は一気に切り替えず段階的に切り替えていく ・症状、病態に配慮して細やかに調整する必要がある ○オピオイド換算の目安 (mg) 60 1.8mg 180 フェンタニル注射 120~160 30 80 2 0.3mg 0.6㎎ 1.2mg 初回フェントステープ貼付時期 6 最終使用と同時に貼付 モルヒネ注射 20 60 60~80 1 2.4mg 120 20 90~120 4 30~40
6.オピオイドスイッチング
オキシコンチン 120 160 アンペック座薬 40 80 経口モルヒネ製剤 フェントステープ 240 最終服用と同時に貼付 10 アンペック坐薬 20 オキシコンチン (2回/日) フェントステープ剥離後の投与開始時期 40 81.他のオピオイド製剤からフェントステープに変更する場合
オピオイド製剤 モルヒネ・フェンタ ニル持続静注 12時間後より定期投与 ※間で疼痛あればレスキューで対応する 12時間後より定期投与 ※間で疼痛あればレスキューで対応する 12時間後より定期投与 ※間で疼痛あればレスキューで対応する フェントステープ量に対応したモルヒネ量の1/3~1/2量で開始する 症状みながら、レスキュー対応し、増量していく オピオイド製剤<オピオイドスイッチングとは>
オピオイドの副作用により、鎮痛効果を得るだけのオピオイドを投与できない場合や、鎮痛効果が不十分な 場合に、投与中のオピオイドから他のオピオイドに変更すること <適応> ①副作用が強くオピオイドの投与の継続や増量が困難な場合、②鎮痛効果が不十分な場合 オキシコンチン (2回/日) 塩酸モルヒネ錠 オキノーム散 塩酸モルヒネ錠 オキノーム散 アンペック坐薬 モルヒネ・フェンタ ニル持続静注2.フェントステープから他のオピオイド製剤に変更する場合
・定期服用と同時に貼付し、4~6時間後に1回量投与 もしくは、定期服用と同時に貼付し、その後はレスキュー対応 貼付6時間後にモルヒネ/フェンタニル注射を中止する徳島赤十字病院 嘔吐中枢(CTZ)に 作用 ノバミン(5) セレネース錠 セレネース注(5mg/A) 3錠 分3 0.75mg/回 1~2回/日 2.5~5mg/日 第一選択 保険適応外 保険適応外 前庭器を介して作用 ノバミン(第一選択) ドンペリドン錠 アタラックスP(25) 制吐剤の他剤併用(アタラックスP,デカドロンetc) その他 プリンペラン(10mg/A) ナウゼリン坐(60mg) ドンペリドン錠(10) ○治療の実際 セレネース内服 消化管(胃粘膜停 滞) 及び嘔吐中枢(CTZ) に作用 体動時の悪心 めまいを伴う場合など 30~60mg/日 2~3回/日 3錠 分3 (食前) 胃内容物停滞による悪心・ 嘔吐に効果あり 器質的イレウスがある場合 は禁忌
7.オピオイドの副作用対策
・発生頻度は高いが、耐性を生じる。通常オピオイド開始1~2週間で軽減してくる。 ・オピオイド開始と同時に制吐剤を予防的に投与する。 ・投与開始2週間後には必ず再評価を行い、制吐剤の減量・中止を検討する。 薬剤 用量1)悪心・嘔吐
・制吐剤の副作用は、錐体外路症状、アカシジア、パーキンソン症状など苦痛を伴うもの、また悪性症候 群、QT延長など危険を伴うものもあるので、最小限・最短での症状コントロールが望ましい。 ・制吐剤でコントロールできなければ、モルヒネを経口から、皮下注やフェントステープにオピオイドスイッ チングをする。 ○制吐剤の種類 分類 オピオイドスイッチング(フェントステープ etc) 制吐剤の非経口投与(ナウゼリン坐,プリンペラン・セレネース注) 1A筋注 or 生食20mlと ゆっくり静注・オピオイドにより消化管の蠕動運動を抑制、肛門括約筋が緊張することにより便秘が生じる。 ○下剤の種類 浣腸 薬剤 センノサイド錠 ピコスルファ‐トナトリウム内服液 漢方薬 坐薬 レシカルボン坐 グリセリン浣腸 1個/回 30~60ml/日 水分大目に摂取 大建中湯 大建中湯 3~6錠/日 分3 お湯に溶かして 服用も可 8~10時間 7.5~15g/日 分3 リフォロースシロップ 30~60ml/日 分3 10滴から開始し、5滴 ずつ増量 浸透圧性下剤 マグミット錠(330mg) 1~2錠/回 1~2錠/回 10~15滴/回 8~10時間 7~12時間 刺激性下剤 用量 作用発現時間 その他 ・高頻度に起こり、耐性形成はほとんど起こらないため、副作用対策を継続して行うことが重要である。
2)便秘
1~3日 保険適応外 アミティーザカプセル 2cap/日 分2徳島赤十字病院
・投与開始初期、増量時に出現
・耐性が速やかに生じ、3~5日以内に自然に軽減、消失することが多い。
・せん妄や他の要因を除外する。
<上記の項目に異常なく、痛みがなく眠気が強い場合>
◇過量投与を疑い、オピオイドを20~50%減量する。
<減量により痛みが出現した場合>
◇オピオイドスイッチングを検討する。
3)眠気
○治療の実際
<モルヒネ・オキシコンチン投与により、疼痛が軽減し眠気が出現した場合>
◇疼痛による睡眠不足解消、オピオイド開始時による一過性の副作用の可能性があるため
1~2日様子をみる。
◇呼吸数・意識状態を観察し、眠気の原因について以下の項目をチェックする。
・オピオイド以外の薬剤(向精神薬、睡眠薬など)
・全身衰弱、脳腫瘍、脳血管障害、肝・腎機能低下、心不全
・高Ca血症、低Na血症、血糖値上昇など
4)呼吸抑制
<ナロキソン投与方法>
ナロキソン(0.2㎎/A/ml)+生食9mlを (1ml)ずつ静注する。
※2~3分ごとに呼吸数が増えるまで1mlずつ静注する。
※急速な投与は疼痛を再燃さ長期投与患者では強い退薬
症状を来たす恐れあり
※ナロキソンの半減期は60~100分なので観察を続行する。
切れてくると呼吸抑制が再燃する。
覚醒、深呼吸
・疼痛が緩和された後、傾眠・呼吸数の減少をみとめたら要注意。
・過量投与を疑えばいったん減量または中止する。
・気道確保し、酸素吸入を行う。
・改善を認めなければ、ナロキソン(拮抗薬)投与を検討する。
○治療の実際
呼吸数
10回/分以
下
・呼吸数のチェックを頻繁に行う。
・パルスオキシメーターを装着
SpO2:95%以上を維持できるように酸素投与する。
呼吸数
8回/分以
下
患者を揺り動かしたり話しかけ
たりして目を覚まさせ、深呼吸
を促す
経過観察
あり
なし
モルヒネの減量 or 中止
フェントステープなどの貼付剤
の場合はすべて剥がす
○観察続行時間(オピオイド中止から)
・塩酸モルヒネ注:ナロキソンで回復後はほ
ぼ心配ない
・塩酸モルヒネ錠:2~3時間
・オキシコンチン:12時間
・フェントステープ:剥がしてから17時間
徳島赤十字病院
5)せん妄
・身体的原因により引き起こされる認知障害のことが多く、まず以下の原因について除外する。
これ等が否定され、オピオイドによるせん妄が疑われる場合は、治療を開始する。
原因: 電解質異常(Ca,Na,K) 血糖値の異常、脳転移、髄膜炎、発熱、低栄養、
低酸素血症、脱水、肝性脳症、腎機能障害
・セレネース錠内服 1.5mg ~ 3mg/日 分1 寝る前
・セレネース注(5mg/1ml) 1/4A ~ 2A /日 寝る前
・リスパダール液(0.5mg/0.5ml) 0.5mg ~ 2mg/日 寝る前
○治療の実際
【Memo】 ◇せん妄は終末期がん患者の30~70%に合併・・・誘発因子を考慮した対応が予防にもつながる <せん妄の予防> ・見当識低下への支援:時計やカレンダーを置く、頻回に見当識を与える.メガネや補聴器を使う. ・睡眠覚醒リズムの回復:睡眠の確保、日中の覚醒を促す ・適度な明るさを保つ ・コミュニケーションや働きかけはゆっくり簡明に など※薬剤の変更として、フェンタニルへのスイッチイングを検討する
※精神科紹介も検討する (木曜日/毎週)
※デスクネッツに「せん妄・不眠への対応」があるので、そちらも参考にして下さい。
・モルヒネ経口投与の場合は数%であるが、硬膜外投与では20~70%である。
・排尿遅延が主である。(前立腺肥大のある場合は注意)
・ウブレチド錠 1錠 分1 寝る前
から開始してみる (コリン作動薬)・ユリーフ錠 2錠 分2
(α1ブロッカー)○治療の実際
6)排尿障害
徳島赤十字病院 【Memo】
○治療の実際
・モルヒネによるヒスタミン遊離作用によるもので頻度は数%、硬膜外投与では15~80%
7)掻痒感
・ポララミン注(5) 1A 1回/日 皮下・筋注・静注
(緑内症・前立腺肥大は禁)・アタラックスP(25) 同上
※効果なければオピオイドスイッチング (オキシコンチン、フェントステープ) ◇非薬物的な方法 ・皮膚へのケア ・クーリング ・刺激を与えない など 14 別紙10(症状緩和・医療用麻薬の適正使用)・別添資料①徳島赤十字病院
・減量・中止は、2~3日毎に1日の1/4~1/2を減量していく
・高用量のオピオイドスイッチングはがんサポートチームに相談してください。
中止までの期間の目安(経口モルヒネ投与量として) 100mg/日以下 1週間以上 100~300mg/日 2週間以上 300mg/日以上 3週間以上 ※少量でも2週間以上定期使用の場合は、注意が必要【対処方法】
※それまで使用していたレスキューの約半分量を投与する
例)オキシコンチン200mg/日 内服中で、レスキューでオキノーム散40mg/回 使用の場合
→ オキノーム散20mgを内服する
例)塩酸モルヒネ注200mg/日 静脈注で、レスキュー塩酸モルヒネ注約8mg/h 使用の場合
→ 塩酸モルヒネ注 4mgを静注する
急激な減量・中止から6~12時間後から現れ、1~3日後にピークに達する。
<症状> 倦怠感、不安、興奮、不眠、悪心・嘔吐、発汗、頻脈、下痢など
※モルヒネからフェントステープへの切り替え時に下痢が出現することあり。
この場合は、下剤の調節で対処可能。
徳島赤十字病院 ※麻薬箋必要 ※使用時には、サポートチームに相談してください。 ※脊髄圧迫、脳圧亢進、上大静脈症候群では、8~16mg/日より開始し減量していくこともあり ※1週間で効果なければ中止 ※倦怠感、食欲不振などに対しても使用。 予後3ヶ月以内と判断されれば積極的に使用。 ※口腔内カンジダに要注意
◇ステロイド
:腫瘍周囲の浮腫・炎症によって出現する疼痛に有効
リンデロン錠、注 2~4mg/日 分1 or 分2 朝 or 朝・昼
デカドロン錠、注 2~4mg/日 ( 〃 ) ( 〃 )
○治療の実際
◇発作性疼痛
リリカ(75)
(Caチャンネルの阻害)150mg 分2
リボトリール
(GABA作動薬/抗痙攣薬)0.5mg 分1(寝る前) 3mg/日まで増量可
◇持続性疼痛
トリプタノール(25)
(抗うつ薬/下行抑制系賦活)25mg 分1(寝る前) 50mg/日まで増量可
メキシチール (50mg)
(Naチャンネルの阻害)150~300mg 分3
2%キシロカイン静注用 100mg/5ml/A
(〃)1mg/kgを単回静注
効果あれば20~50mg/hで維持
◇NMDA受容体拮抗剤 (ケタラール)
25~200mg/日
持続性疼痛も発作性疼痛、骨転移で難治性の場合にも使用 200mg/日以上では眠気、めまいが多くなる。9.鎮痛補助薬
腫瘍による末梢、中枢神経への浸潤や圧迫により発生する痛み。障害された神経の支配領域の感
覚低下や痺れ感を伴う痛みである。
持続性疼痛:「痺れて痛む」「締め付けられえるように痛む」「つっぱって痛む」
「焼け付くように痛む」「ビリビリ痛む」
発作性疼痛:「電気が走るように痛む」「鋭く痛む」「刺すように痛む」
【神経因性疼痛に対する鎮痛補助薬】
○痛みの特徴
(院内採用薬剤)
◇ランマーク
:ゾメタと同じ目的で使用
1A(120mg) を皮下注 4週に1回投与
◇サンドスタチン注
:消化管閉塞による悪心・嘔吐、痛みに有効
サンドスタチン3A(300μg) + 生食21ml 1ml/h
持続静注 or 持続皮下注で開始 ※腎機能低下の場合も使用できる ※低Ca血症に要注意 → Ca補充が必要 デノタスチュブル配合錠を内服 (院外のみとなっています) ※24時間以内に効果は認められることが多い【その他の鎮痛補助薬】
※腎機能低下時には、減量必要 ※4~12週で効果出現 ※副作用:発熱、一過性の骨痛、腎障害、顎骨壊死(治療前に歯科受診が必要なことあり)◇ゾメタ注
:骨転移に有効、高Ca血症にも適応
1V (4mg) + 生食100ml を15分以上かけて投与 3~4週間毎
徳島赤十字病院 WHO方式がん性疼痛ガイドライン【2013】.xls の互換性レポート 2014/8/3 15:18 に実行 このブックで使用されている次の機能は、以前のバージョンの Excel ではサポートされていません。このブックを以前のバージョンの Excel で開くか、以前のファイル形式で保存すると、それらの機能が 失われるか、正常に実行されなくなる可能性があります。 機能の大幅な損失 出現数 このオブジェクトに適用されている効果が解除されます。このグラ フィックの境界線からはみ出たテキストは表示されません。 3 表紙'!A6:AH60 このオブジェクトは編集できなくなります。 1 持続皮下注 '!A3:AI64
バージョン
Excel 97-2003
徳島赤十字病院
苦痛緩和のための鎮静に関するマニュアル
・モルヒネは、鎮静目的で使用しない。 ・フェノバールは、浅い持続的鎮静として他の施設でも使用されている。患者の状態により ミダゾラム、ロヒプノール使用前段階として検討。 ・持続的鎮静、間歇的鎮静共に、日本緩和医療学会で強く推奨されているのは、ミダゾラム である。 ・持続的鎮静の場合、開始時には1時間量を早送りする ・ラインは1ml以下のものを使用する ・間欠的鎮静の場合、呼吸回数8~10回/分以下になる場合は中止する ※ 2に関しては、日本緩和医療学会では推奨されていない◇間欠的鎮静(夜間のみ、もしくは一時的)
<使用薬剤>
◇持続的鎮静
※持続的鎮静開始は、医療チームで検討し、合意があることが前提である。
1.ミダゾラム2A + 生食20ml 0.5~1ml/h で開始 2.ロヒプノール2A + 生食22ml 0.5~1ml/h で開始 1.ミダゾラム1A + 生食100ml 手動で開始し、眠り始めたら10ml/hで持続し朝中止 1.ロヒプノール1A + 生食100ml 手動で開始し、眠り始めたら10ml/hで持続し朝中止◇その他
フェノバール0.5Aを筋注後、効果があれば フェノバール原液10mlを0.3ml/h 持続皮下注開始<使用時の注意点>
・鎮静を開始するにあたっては、次ページをご参照下さい。フェノバール (100㎎/1ml/A) 4~30㎎/hを持続皮下注で開始し、適 切な鎮静が得られたあとに減量する 投与開始に5~200㎎の追加投与可 抗痙攣作用 ロヒプノール (2㎎/1ml/A) 0.5~2㎎を0.5~1時間で 緩徐に点滴静注 静脈 拮抗薬(アネキセート) がある ミダゾラム (10㎎/2ml/A) <持続的> 0.2~1㎎/h 1.25~2.5㎎の 追加投与可 <間歇的> 10~30mgを生食 100mlに溶解し、状 態観察しながら調 整 静脈 皮下* ・作用発現時間が 早く持続時間が短 い ・水溶性で他剤と 混注できる ・抗痙攣作用 ・拮抗薬(アネキ セート)がある 5~120㎎/日 (通常: 20~40㎎/日) 利点 不利な点 薬剤名 開始量 投与量 投与経路 *保険適応外の投与経路 日本緩和医療学会「苦痛緩和のための鎮静に関するガイドライン」引用・参照 ・舌根沈下 ・呼吸抑制 ・耐性 ・離脱症状 ・舌根沈下 ・呼吸抑制 ・蓄積性 ・他剤と混注 できない ・皮下注射の み ・皮膚刺激が ある 皮下 1)苦痛緩和を目的として患者の意識を低下させる薬物を投与すること 2)苦痛緩和のために投与した薬物によって生じた意識の低下を意図的に維持すること 1)持続的鎮静:中止する時期をあらかじめ定めずに、意識の低下を継続して維持する鎮静 2)間欠的鎮静:一定期間意識の低下をもたらした後に薬物を中止・減量して、意識の低下 しない時間を確保する鎮静