東近江市国土強靭化計画
(概要版)
平成28年3月
1 1 国土強靱化の理念 国土強靭化とは、災害が発生する度に甚大な損害受け、その都度、長時間かけて復旧・ 復興を図るといった「事後対策」の繰り返しを避け、大規模自然災害等の様々な危機を 直視して、平時からそれらに対する備えを行う地域づくりを推進することである。 このため、いかなる自然災害等が発生しても、 ① 人命の保護が最大限図られること。 ② 市及び地域の重要な機能が致命的な障害を受けず維持されること。 ③ 市民の財産及び公共施設に係る被害の最小化 ④ 迅速な復旧復興 を達成すべく、「強さ」と「しなやかさ」を持った安全・安心な国土・地域・経済社 会の構築に向けた「国土強靱化」を推進するものとする。 2 基本的な方針等 国土強靭化の理念を踏まえ、事前防災及び減災その他迅速な復旧復興等に資する大規 模自然災害に備えた本市の全域にわたる強靭なまちづくりについて、東日本大震災など、 過去の災害から得られた経験を最大限活用しつつ、以下の点を念頭に本市の国土強靱化 を推進する。 ① 長期的な視野 ② 適切な施策の組合せ ③ 効率的な施策の推進 3 計画の位置づけ (1) 強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本 法第13条に基づく国土強靱化地域計画として策定 (2) 今後策定される滋賀県の強靱化計画との連携を図る。 (3) 「東近江市総合計画」や「東近江市地域防災計画」などと連携を図りながら、本市 における国土強靱化施策を推進する上での指針として位置づける。 (4) 計画期間は特に定めず、進捗管理(PDCAサイクル)を行う中で、必要に応じて 修正を行う。 (5) 平成27年10月策定の「東近江市まち・ひと・しごと創生総合戦略」と相互に連 携し、相乗効果を図る。
国土強靭化の基本的な考え方
2 本市における国土強靱化を推進する上での目標等について、平成26年6月に内閣官房 国土強靱化推進室策定の「国土強靱化地域計画策定ガイドライン」に基づき、次のように 定める。 1 想定するリスク 過去の被災経験や地域特性から、本市における想定されるリスクは「大規模地震」及 び「風水害」とする。 2 基本目標 大規模地震や風水害が発生しようとも、 (1) 人命の保護が最大限図られること。 (2) 社会の重要な機能が致命的な障害を受けず維持されること。 (3) 市民の財産及び公共施設に係る被害の最小化 (4) 迅速な復旧復興 を基本目標とする。 3 事前に備えるべき目標 基本目標を達成するため、大規模地震又は風水害が発生した場合に、 (1) 大規模地震又は風水害が発生した時でも人命の保護が最大限図られる。 (2) 大規模地震又は風水害発生直後から救助・救急、医療活動等が迅速に行われる。(そ れがなされない場合の必要な対応を含む。) (3) 大規模地震又は風水害発生直後から必要不可欠な行政機能は確保する。 (4) 大規模地震又は風水害発生直後から必要不可欠な情報通信の機能及びネットワーク は確保する。 (5) 大規模地震又は風水害発生後であっても、経済活動(サプライチェーンを含む。)を 機能不全に陥らせない。 (6) 大規模地震又は風水害発生後であっても、生活・経済活動に必要最低限の上下水道、 交通ネットワーク等を確保するとともに、これらの早期復旧を図る。 (7) 制御不能な二次災害を発生させない。 (8) 大規模地震又は風水害発生後であっても、地域社会・経済が迅速に再建・回復でき る条件を整備する。 ことを事前に備えるべき目標とする。
国土強靭化の推進目標
3 4 起きてはならない最悪の事態の設定 1で設定したリスクに対し、3で設定した事前に備えるべき目標ごとに、「起きてはな らない最悪の事態」23 項目を設定した。 事前に備えるべき目標 起きてはならない最悪の事態 1 大規模地震又は風水害が発生した時 でも人命の保護が最大限図られる。 1-1 建物・交通施設等の複合的・大規模倒壊や住宅密集地における 火災による死傷者の発生 1-2 不特定多数が集まる施設の倒壊・火災 1-3 異常気象等による広域かつ長期的な市街地等の浸水 1-4 情報伝達の不備等による避難行動の遅れ等で多数の死傷者の 発生 2 大規模地震又は風水害発生直後から 救助・救急、医療活動等が迅速に行わ れる。(それがなされない場合の必要 な対応を含む。) 2-1 被災地域での食料・飲料水等、生命に関わる物資供給の長期停 止 2-2 多数かつ長期にわたる孤立集落等の同時発生 2-3 自衛隊、警察、消防等の被災等による救助・救急活動等の絶対 的不足 2-4 医療施設及び関係者の絶対的不足・被災、支援ルートの途絶に よる医療機能の麻痺 3 大規模地震又は風水害発生直後から 必要不可欠な行政機能は確保する。 3-1 行政機関の職員・施設等の被災による機能の大幅な低下 4 大規模地震又は風水害発生直後から 必要不可欠な情報通信の機能及びネ ットワークは確保する。 4-1 電力供給停止等による情報通信の麻痺・長期停止 4-2 テレビ・ラジオ放送の中断等により災害情報が必要な者に伝達 できない事態 5 大規模地震又は風水害発生後であっ ても、経済活動(サプライチェーンを 含む。)を機能不全に陥らせない。 5-1 サプライチェーン(※)の寸断等による企業の生産力低下によ る競争力の低下 5-2 太平洋ベルト地帯の幹線が分断する等基幹的陸上交通ネット ワークの機能停止 5-3 食料等の安定供給の停滞 6 大規模地震又は風水害発生後であっ ても、生活・経済活動に必要最低限の 上下水道、交通ネットワーク等を確保 するとともに、これらの早期復旧を図 る。 6-1 上水道等の長期間にわたる供給停止 6-2 汚水処理施設等の長期間にわたる機能停止 6-3 地域交通ネットワークが分断する事態 7 制御不能な二次災害を発生させない。 7-1 市街地での大規模火災の発生 7-2 沿線・沿道の建物倒壊による直接的な被害及び交通麻痺 7-3 農地・森林等の荒廃による被害の拡大 8 大規模地震又は風水害発生後であっ ても、地域社会・経済が迅速に再建・ 回復できる条件を整備する。 8-1 大量に発生する災害廃棄物の処理の停滞により復旧・復興が大 幅に遅れる事態 8-2 地域コミュニティの崩壊、治安の悪化等により復旧・復興が大 幅に遅れる事態 8-3 公共交通等の基幹インフラの損壊により復旧・復興が大幅に遅 れる事態 (※):サプライチェーン:原料から製品やサービスが消費者の手に届くまでの、経済活動のつながり
4 影響の大きさや緊急性という観点から、下表のとおり「重点化すべき起きてはならない 最悪の事態」を選定し、それを回避するための各施策について重点化を図ることとする。 これらについては、特に進捗状況や施策の具体化の状況等を踏まえながら、施策の推進 に努める。 事前に備えるべき目標 起きてはならない最悪の事態 1 大規模地震又は風水害が発生した時 でも人命の保護が最大限図られる。 1-1 建物・交通施設等の複合的・大規模倒壊や住宅密集地における 火災による死傷者の発生 1-2 不特定多数が集まる施設の倒壊・火災 1-3 異常気象等による広域かつ長期的な市街地等の浸水 1-4 情報伝達の不備等による避難行動の遅れ等で多数の死傷者の 発生 2 大規模地震又は風水害発生直後から 救助・救急、医療活動等が迅速に行わ れる。(それがなされない場合の必要 な対応を含む。) 2-1 被災地域での食料・飲料水等、生命に関わる物資供給の長期停 止 2-2 多数かつ長期にわたる孤立集落等の同時発生 3 大規模地震又は風水害発生直後から 必要不可欠な行政機能は確保する。 3-1 行政機関の職員・施設等の被災による機能の大幅な低下 4 大規模地震又は風水害発生直後から 必要不可欠な情報通信の機能及びネ ットワークは確保する。 4-2 テレビ・ラジオ放送の中断等により災害情報が必要な者に伝達 できない事態
施策の重点化
5 「起きてはならない最悪の事態」別の国土強靭化に関する取組は次のとおり。
1
-1 建物・交通施設等の複合的・大規模倒壊や住宅密集地における火災による 死傷者の発生 ○耐震性防火水槽の整備 ○消防関係車両等の更新 ○消防団員の確保 ○各公共施設、非構造部材の耐震化 ○避難所の運用検討 ○医療設備・機器等の耐震化 ○市営住宅の統廃合や大規模改修 ○公共施設の総合的な維持管理 ○木造住宅の耐震化促進 等1
-2 不特定多数が集まる施設の倒壊・火災 ○耐震性防火水槽の整備再掲 ○消防関係車両等の更新再掲 ○消防団員の確保再掲 ○各公共施設、非構造部材の耐震化再掲 ○避難所の運用検討再掲 ○医療設備・機器等の耐震化再掲 ○公共施設の総合的な維持管理再掲 ○介護施設等へのスプリンクラー設置 ○避難訓練の定期的な実施 等1
-3 異常気象等による広域かつ長期的な市街地等の浸水 ○防災マップ、避難方法の周知 ○避難所、避難方法の周知 ○雨水渠、河川水路の整備 ○一級河川蛇砂川、八日市新川の整備促進 ○地籍調査の実施 等1
-4 情報伝達の不備等による避難行動の遅れ等で多数の死傷者の発生 ○防災情報告知放送システムの整備 ○自主防災組織の活動支援 ○全国瞬時警報システム(Jアラート)緊急速報メールの運用確認 ○避難行動要支援者への地域活動支援 等国土強靭化の推進方針
1
大規模地震又は風水害が発生した時でも人命の保護が最大限図られる。 重点 重点 重点 重点6
2
-1 被災地域での食料・飲料水等、生命に関わる物資供給の長期停止 ○非常用食料備蓄啓発 ○備蓄倉庫の整備 ○災害時応援協定の締結 ○応援物資集積拠点の確保 ○非常災害用井戸登録制度推進 ○救援物資配送拠点設置 ○幹線道路網等の整備 ○橋梁・トンネル長寿命化修繕 ○災害時応援体制の充実 ○非常用食料備蓄等協力体制の充実 等2
-2 多数かつ長期にわたる孤立集落等の同時発生 ○非常用食料備蓄啓発再掲 ○備蓄倉庫の整備再掲 ○幹線道路網の整備再掲 ○災害時ヘリポートの確保 ○自家発電機等の整備 ○通信手段の確保 ○避難所自主運営の啓発 ○国道421号の整備促進 ○主要地方道、県道の改良整備 等2
-3 自衛隊、警察、消防等の被災等による救助・救急活動等の絶対的不足 ○被災等による救助・救急活動等の受援計画 ○被災等による救助・救急活動等の合同訓練 ○被災等による救助・救急活動等の応援協定 等2
-4 医療施設及び関係者の絶対的不足・被災、支援ルートの途絶による医療機能の 麻痺 ○災害時医療体制の整備 ○医療設備・機器等の耐震化再掲 ○災害拠点病院との連携 ○災害時医療救護所設置検討 ○幹線道路網等の整備再掲 ○橋梁・トンネル長寿命化修繕再掲 ○国道421号の整備促進再掲 ○主要地方道、県道の改良整備再掲 ○感染症予防の周知 ○医療品備蓄品の更新 ○在宅の人工呼吸器等利用者への啓発 等3
-1 行政機関の職員・施設等の被災による機能の大幅な低下 ○業務継続計画の策定 ○危機管理センター、防災情報システムの整備 等2
大規模地震又は風水害発生直後から救助・救急、医療活動等が迅速に行われ る。(それがなされない場合の必要な対応を含む。) 重点 重点3
大規模地震又は風水害発生直後から必要不可欠な行政機能は確保する。 重点7
4
-1 電力供給停止等による情報通信の麻痺・長期停止 ○庁舎等の電力確保対策の推進 等4
-2 テレビ・ラジオ放送の中断等により災害情報が必要な者に伝達できない事態 ○防災情報告知放送システムの整備再掲 ○全国瞬時警報システム(Jアラート)緊急速報メールの運用確認再掲 等5
-1 サプライチェーンの寸断等による企業の生産力低下による競争力の低下 ○幹線道路網等の整備再掲 ○中心市街地の活性化 ○事業所の事業継続計画の策定支援及び啓発 ○金融機関の事業継続計画策定支援及び普及啓発 等5
-2 太平洋ベルト地帯の幹線が分断する等基幹的陸上交通ネットワークの機能停止 ○国道8号、国道421号の整備促進再掲 等5
-3 食料等の安定供給の停滞 ○非常用食料備蓄啓発再掲 ○幹線道路網等の整備再掲 ○食料の安定供給等応援体制の充実検討 ○災害時応援協定の締結再掲 等4
大規模地震又は風水害発生直後から必要不可欠な情報通信機能は確保する。 重点5
大規模地震又は風水害発生後であっても、経済活動(サプライチェーンを含 む。)を機能不全に陥らせない。 重点8
6
-1 上水道等の長期間にわたる供給停止 ○基幹管路、配水池の耐震化 ○応急給水の連携強化 等6
-2 汚水処理施設等の長期間にわたる機能停止 ○し尿収拾における業者との協定締結 ○被害想定マップの策定 ○公共下水道施設の耐震化 ○マンホールトイレの整備 ○公共下水道業務継続計画の策定 ○農業集落排水処理施設の機能診断の実施 等6
-3 地域交通ネットワークが分断する事態 ○幹線道路網等の整備再掲 ○橋梁・トンネル長寿命化修繕再掲 ○国道421号の整備促進再掲 ○主要地方道、県道の改良整備再掲 等7
-1 市街地での大規模火災の発生 ○耐震性防火水槽の整備再掲 ○消防関係車両等の更新再掲 ○消防団員の確保再掲 ○自主防災組織の活動支援再掲 等7
-2 沿線・沿道の建物倒壊による直接的な被害及び交通麻痺 ○通行障害建築物の耐震化促進 等7
-3 農地・森林等の荒廃による被害の拡大 ○森林整備計画作成の啓発 ○農地・森林保全事業の啓発推進 ○ため池ハザードマップの策定と周知 ○農業施設の長寿命化及び石綿管の更新 ○耕作放棄地の解消 等6
大規模地震又は風水害発生後であっても、生活・経済活動に必要最低限の 上下水道、交通ネットワーク等を確保するとともに、これらの早期復旧を図 る。7
制御不能な二次災害を発生させない。9