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Effects of running ability and baton pass factor on race time in mr Daisuke Yamamoto, Youhei Miyake Keywords track and field sprint baton pass g

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Academic year: 2021

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(1)

.諸言 陸上競技における 年の男子 m種目 では,初の 秒台となる日本記録が樹立され ただけでなく,日本歴代 傑に 名もの選手 が 秒 以内の記録を樹立しランクインした。 × mリレー( × mR)の男子日本 チームにおいてもロンドンで開催された世界 陸上競技選手権大会で 位入賞を果たすなど, 北京オリンピック以降メダルを獲得できるま でに競技レベルが向上している。 × mR におけるレースタイムは, 名の走者の疾走 能力と 箇所のバトンパス区間におけるバト ン受け走者の事前加速やバトンパス技術など

研究ノート

×

mR における疾走能力およびバトンパスに

関する要因がレースタイムに及ぼす影響

山 本 大 輔

,三 宅 庸 平

Effects of running ability and baton pass factor on

race time in 4×100 mR

Daisuke Yamamoto, Youhei Miyake

Keywords

track and field,sprint,baton pass,gain time 陸上競技,短距離走,バトンパス,利得タイム,

Abstracts

The purpose of this study was to investigate the relationship between the race time and factors related to baton pass. The subject of this study was 17 teams in male sprinters. In this study, the gain time which is the difference between the race time and the total time of season best of 100 m in 4 sprinters was calculated. And, 30 m section time was calculated as the time taken for the blue zone and the exchange zone in outgoing runner. As the results, it was clarified that the 30 m section time in outgoing runner and the total time in 4 sprinters were important factor in increasing the race time. In this study, the gain time was not related to the race time or 30 m section time, and it was distributed in about 5.9% of the total time in any team. For outgoing runner, it was suggested that increasing the 30 m section time is precondition for improving the gain time.

)天理大学体育学部

)天理大学大学院体育学研究科

Faculty of Budo and Sport studies, Tenri University Graduate School of Physical Education, Tenri University

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によって利得した利得タイムによって決まる。 杉浦ら)の調査よると,レースタイムとバト ンパス所要時間との間に有意な相関関係が認 められており,近年の日本男子 × mR においてメダルが獲得できた理由は,高いバ トンパス技術と高い疾走能力を有する選手が 多く育ってきたことにあると考えられる。 × mRではバトンパスを mのテイク オーバーゾーン区間で行わなければならない。 そのため,この決められた区間の中でいかに 高い疾走速度でバトンパスを行えるかが重要 であり,リレー種目ではバトンパス技術に関 する研究がなされている,)。バトンパスで は主にオーバーハンドパスとアンダーハンド パスの つの技術が用いられている。オーバ ーハンドパスはアンダーハンドパスに比べて 利得距離が大きい一方で体幹の前後傾や上肢 の上下への変動が大きく,アンダーハンドパ スは疾走速度を保ちやすい動作でありバトン ゾーン所要時間が短いことなどが報告されて いる,)。さらに,バトンゾーンでの所要時 間を短くするためには,男子ではバトンゾー ン直前での渡し走者の疾走速度を高めること, 女子ではバトンゾーン区間で受け走者の疾走 速度を高めておく必要があること,)など, バトンパスの方法だけでなくバトンパス区間 の所要時間に関する様々な要因についても報 告されている。指導現場ではレースタイムを 高めるために各選手の疾走能力の向上だけで なく,より高い速度でバトンパスを行うため に走順や受け走者におけるリード距離などの バトンパス技術についても考慮し戦略が立て られている。本研究では,男子大学レベルの チームおよび選手を対象に,指導現場やバト ンパス練習において有用となりうる知見を探 るために,特にバトン受け走者における m のブルーゾーンと mのテイクオーバーゾー ンの計 m区間のタイムに着目し,バトンパ ス区間におけるレースタイムや利得タイムな どとの関係について明らかにすることを目的 とした。 カメラ設置位置

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.方法 . .対象レース 撮影の対象としたレースは, 年 月 ∼ 日に行なわれた第 回関西学生陸上競技 対 校 選 手 権 大 会 の 男 子 ・ 部 に お け る × mRの予選および決勝とし,分析対 象としたチームは計 チーム( 部 チー ム, 部 チーム)で,対象の走者は 名で ある。分析対象としたチームのレースタイム は . 秒から . 秒の範囲であった。また, 分析には予選のみ競技を行ったチームは予選 でのレースを、予選と決勝の レース行った チームはタイムの良かったレースを用いた。 . .撮影設定 撮 影 で は,デ ジ タ ル ビ デ オ カ メ ラ (Panasonic 製,HC-V 700 M)を 第 か ら 第 までの各コーナーの観客席上段に計 台 設置し,毎秒 フィールドでバトンパスの動 作を撮影した。 . .分析項目 本研究では, × mRにおけるタイム 向上に寄与するバトンパスの要素を明らかに するために以下の項目について算出した。 ) × mRのレースタイム:本研究に おける × mRのレースタイムは本 対象の競技会にて測定された公式記録を 用いた。決勝に進出したチームについて は,予選と決勝でタイムの良かったレー スのみを対象とした。 )出場選手のシーズンベスト(SB):対 象チームの ∼ 走者の疾走能力として mの SB を記録集計サイトおよび陸 上競技雑誌から集計した。また,走者 名の SB を総和した SB 合計タイムにつ いても算出した。 )利得タイム:利得タイムは SB の合計タ イムから × mRのレースタイムを 差し引いた値とした。 )バトン受け走者の m区間タイム:ブル ーライン上に構えたバトン受け走者のス タート後, 歩目が接地した瞬間からテ イクオーバーゾーンをトルソーが通過す るまでの約 mの区間タイムをビデオカ メラのフレーム数から求めた。また,各 チームにおける ∼ 走者の m区間タ イムの平均値を平均 m区間タイムとし た。 . .統計方法 本研究では 変数間の関係を明らかにする ために,ピアソンの積率相関係数を用いて相 関分析を行い,危険率 %未満をもって有意 と判定した。有意と判定された 変数につい ては回帰分析を用いて回帰式を算出した。 .結果 . .各分析項目の集計結果 表 に各分析項目の平均値と標準偏差を示 した。本研究で対象としたチームの平均タイ ムは . 秒であり,利得タイムは平均して . 秒であった。また,バトン受け走者にお ける m区間タイムはどの走順においても .秒台の類似した値を示していた。 各分析項目における平均値と標準偏差

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平均 m 区間タイムと利得タイムとの関 . .レースタイムと SB 合計タイム,平 均 m区間タイムおよび利得時間との関係 チームごとにみた場合,レースタイムは SB合 計 タ イ ム(r= . ,p< . )お よ び平均 m区間タイム(r= . ,p< . ) との間に有意な正の相関関係が認められたが, 利得タイムとの間には有意な相関関係は認め られなかった(図 )。有意な相関関係が認 められたレースタイムと SB 合計タイムおよ び平均 m区間タイムについては,回帰分析 を用いてレースタイムを目的変数とした回帰 式をそれぞれ求めた。SB 合計タイムを説明 変数とする回帰式は,レースタイム=SB 合 計タイム× . + . となり,平均 m 区間タイムを説明変数とした場合はレースタ イ ム=平 均 m区 間 タ イ ム× . + . となった。表 には上記の つの回 帰式を用いて, . 秒から . 秒のレース タイムを記録するために必要であると推定さ れる SB 合計タイムと平均 m区間タイムを 示した。 . .平均 m区間タイムと利得時間との 関係 各チームにおける平均 m区間タイムと利 得タイムとの間には有意な相関関係は認めら れなかった(図 )。 . .各選手における m区間タイムと SBとの関係 チームごとではなく,選手ごとの m区間 タイムと SB との関係について検討した。そ の結果,相関係数は低いもの有意な正の相関 関係(r= . ,p< . )が認められた。 レースタイムと SB 合計タイム、平均 m 区間タイム、利得タイムとの関係 レースタイムごとの SB 合計タイムと 平均 m 区間タイム

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各選手における m 区間タイムと SB と の関係 SB に対する m 区間タイムの推定値 これらの 変数について回帰分析を行った結 果, m区間タイムを目的変数とする回帰式 ( m区 間 タ イ ム=SB× . + . ) を得た。表 にはこの回帰式を用いて,各選 手がそれぞれの走能力である SB に対して発 揮できると予測される m区間タイムを示し た。 .考察 本 研 究 は 特 に バ ト ン パ ス に 着 目 し, × mRにおけるレースタイム向上 に関する要因について明らかにすると共に, 指導やトレーニングに利用できうる知見を明 らかにすることを目的にいくつかの要因につ いて検討した。リレー種目におけるレースタ イムは,各走者の疾走能力とバトンパスによ る利得タイムによって決まる。本研究におい てもレースタイムは各選手の SB 合計タイム との間に高い相関関係が認められた。一方で, 利得タイムはレースタイムとの間に有意な相 関関係は認められなかったが,どのチームも およそ− . ± . 秒(SB 合計タイムの . ± .%)であったことが明らかとなった。 このことから,本研究で対象とした競技レベ ル( . ± . 秒)の範囲では,レースタ イムは既知のように走者の疾走能力に大きく 影響を受け,必ずしもレースタイムが早いチ ームほど利得タイムが大きいということでは ないことが分かった。しかしながら,本研究 の対象チームの利得タイムの最大値である− . 秒と最小値の− . 秒では . 秒の差が あった。短距離種目である × mRにお いて . 秒は決して小さいとは言えない値で あり,利得タイムはレースタイムに影響を及 ぼす要因であることは明らかである。実際に 指導現場において利得タイムを大きくするこ とはリレー種目における大きな課題の一つで あり,バトンパス区間ではバトンパスの方法, 疾走能力に応じた走順の決定,バトン受け走 者のリード距離および加速の行い方など様々 な要因を考慮し,より高い速度でのバトンパ スを行うために試行錯誤が行われている) 杉浦ら)によるとバトンパス区間直前での渡 し走者の走速度がバトンパス区間での所要時 間が短縮されることなどが報告されている。 本研究では,渡し走者ではなく受け走者のス タート後 歩目の接地からテイクオーバーゾ ーン終了地点までの約 mの区間タイムに着

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目し,平均 m区間タイムとレースタイムお よび利得タイムとの関係についても検討した。 その結果,利得タイムとの間に関係は認めら れなかったものの,チームの平均 m区間タ イムとレースタイムとの間に有意な正の相関 関係が認められた。このことから m区間に おいてより高い加速力を発揮することがレー スタイムを高める上で重要であることが示唆 された。一方で, m区間タイムと利得タイ ムとの間に有意な相関関係が認められなかっ た。バトン受け走者が力強く加速していたと しても,そのスタートのタイミングが遅れる など,渡し走者が早いタイミングで追いつい てしまった場合には利得タイムを稼ぐことは できない。バトンパスでは渡し走者の走力や バトンパスのタイミングなどの影響も大きい ため,平均 m区間タイムだけで利得タイム を評価することが難しかったのではないかと 考えられる。しかしながら,上述のように受 け走者が力強く加速し,速度が十分に高まっ た時点でバトンパスを行うことが利得タイム を高めるうえで重要であるため,受け走者が 自身の走能力に応じて十分な加速を発揮する ことはより良い利得タイムを獲得する上での 前提条件であると考えられる。また,本研究 ではレースタイムと SB 合計タイムおよび m区間タイムとの間にそれぞれ回帰式を立て, 一覧表を作成した。これをもとにチームの目 標タイムから具体的な個人およびチームの SBや m区間タイムを設定したり,各チー ムの疾走能力に応じたレースタイムが発揮で きているかなど,リレー練習における課題確 認や目標設定に利用できると考えられる。 チームではなく走者ごとに見ると,疾走能力 である SB が良い選手ほど m区間タイムが 良く,バトン受け走者は疾走能力に応じた加 速動作を行っていたことが分かる。本研究で はこれら両変数間の回帰式によって,SB に 対する m区間タイムの目標値を推定した。 この表は,バトンパス練習や指導の際にリー ド距離などを検討する材料としたり,選手自 身に疾走能力に応じた加速が行えているかど うかを確認・意識づけしたりするなど,高い 速度で行うバトンパスを目指す上での一つの 指標として利用することができると考えられ る。一方で,あくまで選手自身が各疾走区間 全体をうまく走れる加速の仕方でこのタイム を目標とすることが大切である。 本研究では関西学生レベルの競技力を有す るチームを対象とし検討を進めた。対象チー ムのレースタイムの範囲から推定式を利用で きる競技レベルが限られているため,レース タイムと利得タイムとの関係をより明らかに するとともに,幅広い競技レベルに利用でき る指標を探るためには,今後さらに幅広い競 技レベルを有したチームを対象とし検討を進 める必要があると考えられる。また,利得タ イムを評価しうる要因について検討していく ためには,受け走者の疾走動作だけではなく バトンパスが行われた時点やそのタイミング など渡し走者の動作要因も含めた複合的な指 標を検討する必要があると考えられる。 .まとめ 本研究は特にバトンパス区間での受け走者 の動作に着目し, × mRにおけるレー スタイム向上に関する要因について明らかに し,指導に利用できうる知見を明らかにする ためにいくつかの要因について検討した。そ の結果,以下のことが明らかとなった。 )レースタイムの良いチームほど SB 合計 タイムと平均 m区間タイムが早かった。 )本研究の対象チーム( . ± . 秒) において,利得タイムはレースタイムや 平均 m区間タイムとの間に有意な相関 関係は認められず,どのチームも SB 合 計タイムのおよそ .± .%に分布して いた。 )バトン受け走者における m区間タイム の向上は,利得タイムを獲得する上での 前提条件であり, m以降であるバトン パス後の疾走区間およびレースタイム全

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体に影響を及ぼすバトンパス区間での重 要な要因であると考えられる。 .引用文献 )福島洋樹,黒住久徳,堀田朋基( ) 陸上競技 × mリレーにおけるバト ンパス方法の特徴―アンダーハンドパス とオーバーハンドパスの動作比較。富山 大学人間発達科学部紀要 ( ): ― 。 )佐久間和彦,柳谷登志雄,杉浦雄策,杉 田正明( )陸上競技 × mリレ ーにおけるオーバーハンドパスとアンダ ーハンドパスの特性の比較,陸上競技研 究 : ― 。 )杉浦雄策,沼澤秀雄( )世界一流選 手の × mリレーにおける時間分析。 世界一流競技者の技術。ベースボール・ マガジン社: ― . )杉浦雄策,吉儀宏,佐久間和彦,松永成 旦( )陸上競技 × mリレーに おける個々の疾走能力,バトンパスに関 係する種々の要因の時間,速度分析。日 本体育学会大会号 : . )杉浦雄策,吉儀宏,佐久間和彦,松永成 旦,花岡大( )国内一流選手のバト ンパス局面における時間・速度および疾 走速度が × mリレーのレースタイ ムに及ぼす影響。陸上競技研究 : ― . )土江寛裕( )陸上競技入門ブック, 短距離・リレー。ベースボール・マガジ ン社: ― .

図 平均 m 区間タイムと利得タイムとの関 係. .レースタイムと SB 合計タイム,平均 m区間タイムおよび利得時間との関係チームごとにみた場合,レースタイムはSB合 計 タ イ ム(r= . ,p< . )お よび平均 m区間タイム(r= . ,p< . )との間に有意な正の相関関係が認められたが,利得タイムとの間には有意な相関関係は認められなかった(図 )。有意な相関関係が認められたレースタイムと SB 合計タイムおよび平均 m区間タイムについては,回帰分析を用いてレースタイムを目的変数とした回帰式を

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