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クルーズ振興を通じた地域活性化について

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(1)

Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

国土交通省におけるクルーズ振興の取組について

平成29年10月18日

港湾局 産業港湾課

(2)

1. クルーズ船の寄港動向

(現状及び見通し)

(3)

○2017年の世界のクルーズ人口は2,580万人と予想されており、近年急速に増加中。

○中でもアジアのクルーズ人口は2005年(70万人)と2015年(208万人)を比較すると、約2.7倍と特に大

きな伸びを示しており、将来的にも更なる増加が見込まれている。

世界のクルーズ人口の推移

世界のクルーズ人口の推移

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 1990 2000 2005 2010 2011 2012 2013 2014 2015 その他 オセアニア アジア 欧州 北米 アジア 208万人 全世界 約1.7倍 13,741 19,200 10,022 4,450 20,900 23,200 22,040 (千人) 21,300 20,400 出典:CLIA資料より港湾局作成。 ※ 2011年以前のアジア数値はCLIAによる推定値。2017年は予測値。 アジア 76万人 アジア 約2.7倍

Seatrade Asia Pacific Cruise Congress(2016年10月、 上海)におけるMSC中華圏代表Helen HUANG氏の発 言: CLIAが、2015年に100万人に近くであった中国のク ルーズ人口が、2020年までに450万人に達すると予測 していることについて、「簡単なことではないが、中国 では可能。」

(出典) Seatrade Asia Pacific Cruise Congress HP (2016.10.13) 中国政府: 中国のクルーズ旅客数は、2013年から年平均33%で 増加し、2020年までに450万人に達する (出典)中国交通運輸部「クルーズ運輸業の健全な発 展の持続促進に関する指導意見(2014.3.18) カーニバル社のAlan Buckelew氏(当時COO、現CIO): 中国のクルーズ人口が2020年までに500万人に達する (出典)ザ・ウォール・ストリート・ジャーナル電子記事 (2015.1.21)

将来のアジアのクルーズ人口の見込み

2016 2017 (予測) 24,700 25,800 2

(4)

我が国に寄港するクルーズ船の最新動向

2017年から我が国に寄港する主なクルーズ船 ○マジェスティック・プリンセス(新船)(プリンセス・クルーズ社) ※7月アジア配船予定 7/3横浜港初寄港予定 ○ノルウェージャン・ジョイ(新船)(ノルウェージャン・クルーズ・ライン社) ※6月アジア配船済、6/12高知港初寄港 ○ゲンティン・ドリーム(新船)(ドリーム・クルーズ社) ※4月アジア配船済、4/4那覇港初寄港 2017年も引き続き、欧米大手クルーズ船社がアジア市場に大型クルーズ船を投入(4隻)。 ○コスタ・ネオロマンチカ(コスタ・クルーズ社) ※4月アジア配船済、4/13平良港初寄港、4/26日本海周遊クルーズ開始 「ノルウェージャン・ジョイ」 全長 325.9m 総トン数16.5万トン 乗客定員4,248人 「マジェスティック・プリンセス」 全 長:330m 総トン数14.3万トン 乗客定員3,560人 就航年:2017年3月(新造船) 「コスタ・ネオロマンチカ」 全長220.52 m 総トン数5.7万トン 乗客定員1,572人 「ゲンティン・ドリーム」 全長 335m 総トン数15.1万トン 乗客定員3,352人 スカイウォーク シアター 3

(5)

今後も増える大型クルーズ船

4 2017年10月現在。出典:Cruise Industry News ほか業界紙等より国土交通省港湾局が作成

○2017年以降も旺盛なクルーズ需要に対応するため、大手クルーズ船社は、大型クルーズ船を造船

所に発注しており、今後、2020年までに30隻以上の大型クルーズ船の建造される。

○クルーズ船社にとって有望なアジア・中国市場は、今後も一定数の新たな船が投入される予定。

■2017年 就航済・就航予定の大型クルーズ船(9万トン以上) 船社名 船名 竣工費 (百万ドル) 総トン数 乗客定員 運航地区 備考 MSCクルーズ メラビリア 900 167,600 4,500 欧州 配船済み ノルウェージャンクルーズ ノルウェージャン・ジョイ 920 164,600 4,200 アジア 配船済み MSCクルーズ シーサイド 950 154,000 4,140 カリブ ドリームクルーズ ワールドドリーム 960 150,000 3,360 アジア 配船済み プリンセス・クルーズ マジェスティック・プリンセス 760 141,000 3,600 アジア 配船済み アイーダ・クルーズ アイーダ・ペルラ 645 125,000 3,250 欧州 配船済み TUIクルーズ マインシフ 6 625 97,000 2,500 欧州 配船済み ■2019年 就航予定の大型クルーズ船(9万トン以上) 船社名 船名 竣工費 (百万ドル) 総トン数 乗客定員 運航地区 備考 コスタ・クルーズ 船名不明 950 183,900 5,200 未定 LNG MSCクルーズ 船名不明 900 177,100 4,888 欧州 MSCクルーズ ベリッシマ 900 167,600 4,500 欧州 ロイヤル・カリビアン・クルーズ スペクトラム・オブ・ザ・シーズ 950 167,000 4,100 アジア ノルウェージャンクルーズ 船名不明 1,100 164,600 4,200 アジア クリスタル・クルーズ 船名不明 760 141,000 3,600 未定 カーニバル 船名不明 780 135,500 4,200 カリブ コスタ・クルーズ 船名不明 780 135,500 4,200 アジア TUIクルーズ マインシフ 2 625 110,000 2,900 欧州 ■世界で就航された、また、今後、建造される大型クルーズ船(9万トン以上) 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 建造数 5 4 7 7 8 9 9 9 9 3 4 2 1

(6)

○2016年の訪日クルーズ旅客数は前年比78%増の199.2万人、我が国港湾への寄港回数は前年比

39%増の2,017回(外国船社1,443回、日本船社574回)となり、いずれも過去最高。

※クルーズ:レジャーを目的とした船旅で宿泊を伴うもの

クルーズ船の寄港に関する状況

17.4 41.6 111.6 199.2 0 100 200 300 2013 2014 2015 2016 2020 338 177 476 373 653 965 1,443 591 631 629 628 551 489 574 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 日本船社が運航するクルーズ船の寄港回数 外国船社が運航するクルーズ船の寄港回数 929 808 1,204 1,454 2,017 1,001 1,105 注1) 法務省入国管理局の集計による外国人入国者数で概数(乗員除く)。 注2) 1回のクルーズで複数の港に寄港するクルーズ船の外国人旅客についても、(各港で重 複して計上するのではなく)1人の入国として計上している。 (目標) 500万人 (万人) (年) (年) (回) 500 5

(7)

青方(中通島) 三浦湾 横浜 神戸 石垣 那覇 東京 長崎 名古屋 二見 (父島) 広島 鹿児島 大阪 青森 金沢 小樽 境 宮之浦 (屋久島) 函館 鳥羽 高知 別府 沓形(利尻島) 清水 厳島 釧路 仙台塩釜 舞鶴 名瀬 (奄美大島) 室蘭 酒田 伏木富山 四日市 新宮 香深(礼文島) 新潟 萩 徳島小松島 北九州 博多 大船渡 宮古 茨城 館山 敦賀 宇和島 秋田 二見 (佐渡島) 高松 下関 熊本 油津 八戸 輪島 姫路 浜田 宿毛湾 福江 細島 八代 船浮 (西表島) 網走 船川 能代 七尾 八丈島 日高 岩国 水島 尾道糸崎 あしずり 松山 呼子 佐世保 唐津 西之表 (種子島) 湾 (喜界島) 座間味 本部 宇野 平良 (宮古島) v 留萌 久慈 宮津 下田 v 小木 (佐渡島) 小豆島 古仁屋 (奄美大島) 南大東 大湊 三河 熱海 本渡 三角 島原 中津 宮崎 玉ノ浦 中城湾 羅臼 根室 稚内 鴛泊 相馬 小名浜 釜石 v v 三宅島 v v神湊 新島 横須賀 江ノ島 両津 (佐渡島) 三田尻中関 浦郷漁港 大社漁港 森野漁港 福山 八幡浜 兼城 与論 100回以上 50回以上 ~ 100回未満 30回以上 ~ 50回未満 10回以上 ~ 30回未満 5回以上 ~ 10回未満 5回未満 凡  例 仙崎 指宿 :10万総トン数以上のクルーズ船が寄港した港湾

クルーズ船の寄港する港湾

○ 2016年にクルーズ船が寄港した港湾の数は、全国で123港(2015年は104港)。

○ このうち、大型クルーズ船(10万総トン数以上)が寄港した港湾は26港。

クルーズ船の寄港する港湾(2016年)

出典:港湾管理者への聞き取りを基に国土交通省港湾局作成 順位 港名 寄港回数 1位 博多港 328回 2位 長崎港 197回 3位 那覇港 193回 4位 横浜港 127回 5位 神戸港 104回 6位 石垣港 95回 7位 平良港 86回 8位 鹿児島港 83回 9位 佐世保港 64回 10位 広島港 47回 2016年クルーズ船の 寄港回数(上位10港) 6

(8)

・国内寄港地:4港(大阪、横浜、 清水、鹿児島) ・国内寄港地:8港 (博多、舞鶴、金沢、境港、 新潟、酒田、青森、函館) ※2017年10月~2018年3月:太 平洋側で通年配船(9本)

外国船社による日本発着クルーズの動向

コスタ・クルーズ社 2016年から日本発着の日本海周遊クルーズを開始。 2016年度(計22本) ・期間:7~9月 2017年度(計41本) ・船舶:コスタ・ネオロマンチカ ・期間:4~10月(32本) コスタ・ネオロマンチカ 総トン数5.7万トン 乗客定員1,572人 スター・クルーズ社 2017年から日本発着周遊クルーズを開始。 2017年度(計20本) ・船舶:スーパースター・ヴァーゴ ・期間:7~11月 プリンセス・クルーズ社 2013年から5年連続で日本発着クルーズを就航。 2017年度(計28本) ・期間:4~10月 ・国内寄港地:23港 石垣、敦賀、広島 に初寄港 ダイヤモンド・プリンセス 総トン数11.6万トン 乗客定員2,706人 スーパースター・ヴァーゴ 総トン数7.5万トン 乗客定員1,870人 ・国内寄港地:18港 2018年度(計38本) ・期間:4月~10月 (29本) ・国内寄港地:28港 酒田、石巻、四日市、鳥羽、岩国等初寄港 ※2018年11月~2019年3月:通年配船(9本)

○かつて、外国船の日本発着クルーズは、GWなどにスポット的にチャーター運航される程度であったが、2013

年以降、プリンセス・クルーズ、コスタ・クルーズ、キュナード・ライン、スター・クルーズ等が順次、日本発着ク

ルーズに進出。

○2017年度からコスタ・クルーズ、2018年度からプリンセス・クルーズが日本発着クルーズを通年化する予定。

加えて2018年に、新たな船社(MSC、ノルウェージャン)が日本発着クルーズを試行予定であり、日本発着ク

ルーズが徐々に拡大中。

MSC、ノルウェージャン 2018年のゴールデンウィーク周辺に、MSC、ノル ウェージャンが日本発着クルーズを運航予定。 (日本の旅行会社のチャーターを含む。) ノルウェージャン・ジュエル 総トン数9.3万トン 乗客定員2,376人 MSCスプレンディダ 総トン数13.7万トン 乗客定員3,274人 キュナード・ライン社 2017年から3年連続でクイーン・エリザベス による日本発着クルーズを運航。 コース例 2018年度(計20本) ・期間:4月~6月(太平洋9本) 7月~8月(日本海11本) 7

(9)

○プリンセス・クルーズ社(カーニバル・コーポレーション&PLC)の「ダイヤモンド・プリンセス」は、日本人、欧米人をターゲットと した日本発着クルーズを展開。乗客の5割弱がフライ&クルーズによる欧米人を中心とする外国人、5割強が日本人。 ○プリンセス・クルーズ社は4月20日に2018年度のダイヤモンド・プリンセスの日本発着クルーズの詳細を発表。2018年4月 から2019年3月まで、初めてオールシーズンで運航。全国28港に寄港予定で、うち石巻港、酒田港、四日市港、鳥羽港、岩 国港へは初寄港。

ダイヤモンド・プリンセス

DIAMOND PRINCESS 総トン数 : 115,875トン 全 長 : 290m 乗客定員 : 2,706人 運航船社:プリンセス・クルーズ(本社:米国) 日本で建造された中で最大の客船。三菱重工長崎造船所の技術が光るエコシップ。 2014年には就航10周年を迎えた。 豊富な食の選択や複数のプール、ラウンジなど、大型客船ならではの多彩な施設が楽しめる。

日本発着の大型クルーズ船が2018年に運航回数を増加

知床半島 2018年11月、2019年2月~3月のコース (複数の港で発着できるインターポーティング) ※上記の他22本運航予定 横浜、名古屋、大阪の3つの港で 発着できる インターポーティング ●横浜発着!陽気に沖縄・台湾 9日間 横浜(2/14)→名古屋(2/15) →大阪 (2/16) →那覇(2/18) →基隆(2/19) →横浜(2/22) (9日間) 2018年4月~10月のコース例 ●ねぶた祭りに沸く青森と石巻・ 函館・ウラジオストク 9日間 横浜(7/27)→石巻(7/28)→函館(7/29) →ウラジオストク(7/31)→青森(8/2) →横浜(8/4) (9日間) 料金例 内側 13.2万円(1.7万円/泊)~ 海側バルコニー22.7万円(2.8万円/泊)~ スイート 55万円(6.9万円/泊)~ (参考)同一行程を飛行機等で旅行した場合の料金(8泊9日) 横浜 名古屋(2泊) 那覇(2泊) 大阪(2泊) 台北(2泊) 羽田 新幹線 (9,720円) 新幹線 (5,830円) 飛行機 (23,800円(最安)) 飛行機(52,000円(エコノミーセイバー)) ※合計18.1万円(食事なし)(1泊1万円を仮定) ⇒クルーズ旅行は食事付きであり、飛行機と比べて 決して高額ということはない。 8

(10)

世界最高水準の豪華客船が2019年に日本発着本数を増加

ラグジュアリー ①横浜(4/19)→★函館(4/21)→★秋田(4/22)→★金沢(4/23)→ ★境港(4/24)→(釜山(4/25))→★八代(4/26)→横浜(4/28) 料金例 スタンダード(内側) 19.4万円(2.6万円/泊)~ バルコニー 36.5万円(4.1万円/泊)~ クィーンズスイート 68.9万円(7.7万円/泊)~ ②横浜(4/28)→広島(4/30)→釜山(5/2)→長崎(5/3)→横浜(5/5) ③横浜(5/5)→★青森(5/7)→(コルサコフ、アンカレジ、バンクー バー) ★クイーン・エリザベス初入港(6港) ○「クイーン・エリザベス」は、2010年にデビューしたキュナード・ライン社の最新の客船で、世界最高水準の格式とサービスを誇 る豪華客船。 ○キュナード・ライン社は、3月1日に2019年のクイーン・エリザベスの日本発着クルーズを発表。横浜港発着クルーズ2本を 含む3本のクルーズを実施。日本の港には、初寄港6港(函館、秋田、金沢、境港、八代、青森)を含む9港に寄港。 ○クイーン・エリザベスの日本発着クルーズは、2017年神戸港発着、2018年大阪港発着に続き3年連続実施。 「クイーン・エリザベス」 総トン数:90,900トン、全長:294m 乗客定員:2,081名 2017年(本年)神戸発着 「クイーン・エリザベス」ワールド・クルーズ) ・神戸(3/13)→鹿児島(3/15)→釜山(3/16)→(関門海峡)→広島 (3/18)→高知(3/19)→神戸(3/20) 2018(来年)大阪発着 「クイーン・エリザベス」ワールド・クルーズ) ・大阪(3/15)→(瀬戸内海クルーズ)→広島(3/16,17)→(関門海峡) →釜山(3/19)→高知(3/21)→大阪(3/22) ※世界最高水準の格式とサービスを誇る豪華客船 ※キュナード・ライン社 (カーニバル・コーポレーション&PLC) 世界最高水準のサービスで「豪華客船の黄金期」の 雰囲気を残す、ノスタルジックなクルーズライフを提 供。「クイーン・エリザベス」「クイーン・メリー2」「ク イーン・ビクトリア」の3隻を保有。 2019年航路発表 ※ワールドクルーズの一環 参 考 9

(11)

2. 急増するクルーズ需要に対応するための

受入環境の整備

(12)

「明日の日本を支える観光ビジョン(2016年3月30日)」

新たな目標値

(13)

○訪日外国人旅行者数の受入れ人数の目標として2020年に4,000万人(訪日クルーズ旅客は500万人)、2030

年に6,000万人、訪日外国人旅行消費額の目標として2020年に8兆円、2030年に15兆円をそれぞれ目指すこと

としている。

○クルーズ船に関しては、北東アジア海域をカリブ海のような世界的クルーズ市場に成長させ、クルーズ船寄港

を活かした地方の創生を図ることとしている。

目指すべき将来像 現状・課題および今後の対応 ○ 増大するアジアのクルーズ需要を取り込み、クルーズ船 の寄港が地域経済に与える効果を拡大することが必要。 ○ クルーズ船が寄港するための港湾施設や、クルーズ船の 寄港に伴い発生する諸課題への対応が不足。 ○ 寄港地が西日本の一部の港に集中する傾向がある。 現状・課題 今後の対応 日本の各地をカジュアルからラグジュアリーまで幅広く対応したクルーズディスティネーションに ~瀬戸内と南西諸島を日本のエーゲ海・カリブ海に~ カリブ海クルーズの様子 ○ 北東アジア海域をカリブ海のような世界的なクルーズ市場に(訪日クルーズ旅客を2020年に500万人、日本の各地をカジュ アルからラグジュアリーまで幅広く対応したクルーズデスティネーションに)。 ・クルーズ船寄港の「お断りゼロ」の実現(クルーズ船の受入環境を緊急整備(2015年度・全国10港)、クルーズ船寄港地マッチングサービスの提供 等) ・世界に誇る国際クルーズの拠点形成(旅客ターミナル整備への無利子貸付制度の創設等) ・瀬戸内海や南西諸島など新たな国内クルーズ周遊ルートの開拓、ラグジュアリークルーズ船の就航 ・新たなクルーズビジネスの確立(官民の関係者からなる地域協議会や全国クルーズ活性化会議の活用、農水産物の販売環境の改善、「みなとオアシス」の活 用、港湾協力団体制度の創設 等) ・全国クルーズ活性化会議と連携し、寄港地の全国展開に向けたプロモーション 17.4 41.6 111.6 0 100 200 300 400 500 2013 2014 2015 2020 (速報値) (万人) 2020(年) (目標) 500万人

提供:Royal Caribbean International社

出典:「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議(議長:内閣総理大臣)」 (2016年3月30日)

訪日クルーズ旅客数

クルーズ船受入の更なる拡充「明日の日本を支える観光ビジョン」

(14)

クルーズ船の船型

船名 船型、同縮尺イメージ 船幅 乗客定員 飛鳥Ⅱ (邦船最大のクルーズ船) 初就航:1990年 29.6m 872人 Diamond Princess (’14年より日本発着クルーズに配船) 初就航:2004年 37.5m 2,706人 (3,286)

Voyager of the Seas (’13年より日本発クルーズに配船) 初就航:1999年 ※2014年改装 38.6m 3,286人 (4,000) Queen Mary 2 (’09~12年に日本に寄港 ’17年に日本に寄港予定) 初就航:2004年 41.0m 2,592人 (3,056)

Quantum of the Seas (’15年より日本へ寄港)

初就航:2014年

41.0m 4,180人

(4,905)

Oasis of the Seas (世界最大のクルーズ船) 初就航:2009年 47.0m 5,400人 (6,360) 全長241m マスト高 45m マスト高 54m マスト高 64m 全長361m マスト高 65m 総トン数 50,142トン 満載喫水 7.8m 必要岸壁水深 9m程度 総トン数 115,875トン 満載喫水 8.5m 必要岸壁水深 10m程度 総トン数 138,194トン 必要岸壁水深 10m程度 満載喫水 9.1m 総トン数 225,282トン 必要岸壁水深 11m程度 満載喫水 9.3m ※乗客定員は、1室2人使用時、( )書は全ベッド使用時 マスト高 62.9m(58.2m) 総トン数 168,666トン 必要岸壁水深 10m程度 満載喫水 8.8m 全長347m ※日本の主な橋梁の桁下高 レインボーブリッジ:52m 横浜ベイブリッジ:55m 関門橋:61m 明石海峡大橋、女神大橋(長崎):65m ※ Quantumのマスト高の()内は煙突を低くした場合。 ※クイーン・エリザベス(Queen Elizabeth ) 総トン数 90,901トン 全長 294m 全幅 32.3m 喫水 7.9m マスト高 55m ※にっぽん丸 総トン数 22,472トン 全長 167m 喫水 6.6m 乗客定員 398人 ※ぱしふぃっく びいなす 総トン数 26,594トン 全長 183m 喫水 6.5m 乗客定員 476人 ※(参考) 国会議事堂 長さ(南北)206m 高さ(中央棟)65m 出典:「クルーズシップコレクション(海事プレス社)」、船社代理店への聞き取り調査を基に国土交通省港湾局作成。 必要岸壁水深 12m程度 満載喫水 10.3m マスト高 62m 総トン数 148,528トン 全長345m 全長311m 全長290m 13

(15)

日本の港湾へのクルーズ船寄港「お断り」の事例

○九州・沖縄など人気のある港湾では、予約を断らざるを得ない状況が発生。

(例)博多港では、平成28年700回超の寄港需要に対して実際の受入れは半数程度。

長崎港では、平成27年に131回を受け入れたが、75回は寄港を断っている。

那覇港では、平成27年に115回を受け入れたが、平成27年から平成29年(計画)の間に85回

断っている。

平成27年12月3日 産経新聞 朝刊 25面 長崎港の事例: 那覇港の事例: 14

(16)

「訪日クルーズ旅客500万人」の実現に向けた取組

寄港可能な港湾を 抽出・調整 寄港可能な 港湾を照会 北東アジア海域をカリブ海のような世界的なクルーズ市場に成長させ、クルーズ船の寄港を活かした地方の創生を図るため、目標を「訪日ク ルーズ旅客を2020年に500万人」とし、以下の施策を推進。 官民連携による国際クルーズ拠点の形成 クルーズ船の受入環境の緊急整備 ・クルーズ船社が必要とする情報をウェブサイトで一 元的に発信 ①港湾施設の諸元 ②寄港地を起点とした観光情報 「お断りゼロ」の実現 国際クルーズの拠点形成 ・「全国クルーズ活性化 会議」と連携して、ク ルーズ船社、自治体 等が参加する商談会 を開催。 係船柱の整備事例 クルーズ船寄港地マッチングサービス クルーズ船社 (代理店) 国土交通省港湾局 クルーズ ワンストップ窓口 全国クルーズ 活性化会議 (全国129自治体) 寄港可能な 港湾を紹介 (あらかじめ) 情報を集約 寄港地の全国展開 商談会の開催 寄港地情報の一元的発信 新たなクルーズビジネスの活用 クルーズ船社がショッピングエリアを整備 ○岸壁の優先使用を希望する民間の投資意欲を活用し、クルーズ船の受入環 境として必要な旅客ターミナルビルの整備を推進 公共(国・港湾管理者) 民間(クルーズ船社) 組み合わせ 差し替え 海外におけるクルーズ船社の投資例 ファルマス港(ジャマイカ) ・港湾施設の整備 ・クルーズ船社に対する岸壁 の優先的な使用の確保 等 旅客ターミナルビルの整備 への投資 等 ・みなとオアシスの活用 ・港湾協力団体制度の活用 ・Wi-Fi(観光拠点情報・交流 施設)の整備支援

ソフト

ソフト

ソフト

ハード

既存の係船柱 新しく設置した係船柱 〈清水港〉 移動式ボーディングブリッジの設置(イメージ) 乗船客の安全性・利便性の確保

ハード

〈横浜港〉 出典:横浜市港湾局 国際クルーズ 旅客受入機能 高度化事業

ソフト

15

(17)

クルーズ船は、同程度の喫水の貨物船に比べ、 ①風圧面積が広い →既存岸壁の防舷材や係船柱では、安全な着岸・係留は困難 ②船長が長い →延長不足によりクルーズ船を係留できない岸壁が存在

対策①

対策②

■防舷材、係船柱の整備を推進 ■ドルフィン・桟橋等により岸壁延長不足に対応し、 最大級のクルーズ船 の寄港に対応 平成29年度から約16万トンのクルーズ船(アジア最大)対応のため部分供用 平成30年夏までに約22万トンのクルーズ船(世界最大級)対応のため供用予定 <八代港> 平成26年12月 現地着手(事業費:約2億円) 平成27年 6月 完了、ボイジャー・オブ・ザ・シーズ (最大定員4000人)寄港

課題

<博多港> 泊地(-12m) 泊地(-14m) 泊地(-14m) 泊地(-10m) 航路(-14m) 12m岸壁 延長200m 14m岸壁 延長280m 10m岸壁 4B 延長185m 10m岸壁 3B 延長185m 10m岸壁 2B 延長185m 10m岸壁 1B 延長185m 延長 240m 45° 幅 50m ※泊地区域は緊急脱出用 に 出港角度45°を付けた必 要 最小限の面積を確保する。 ※岸壁直近の幅約10m迄は 岸壁性能より水深11.4mとなる。 12m岸壁 延長200m 14m岸壁 延長280m 10m岸壁 4B 延長185m 10m岸壁 3B 延長185m 現況 :既設 係船柱 :既設 防舷材 :新設 係船柱 :新設 防舷材 国際定期 高速船 カ メ リア ( 国際定期フ ェリ ー) クルーズ センター ク ァ ン タ ム 満載喫水 8.8m 満載喫水 8.8m <貨物船> 全長157m 全長348m <クルーズ船> 寄港増に対応し、平成28年度末までに防 舷材等を整備し、大型クルーズ船の寄港 に対応(事業費:約3億円)

既存岸壁の活用

〇短期間かつ低コストで寄港を可能とするため、既存の貨物船用バースを改良してクルーズ船に対応。

桟橋の一部を部分供用し、アジア最大級のクルーズ船の寄港に対応 桟橋の一部(平成29年度から部分供用) ドルフィン・桟橋(平成30年夏までに供用予定) 桟橋の一部 中央ふ頭 16

(18)

国際クルーズ旅客受入機能高度化事業

臨 港 地 区 クルーズ船 移動式ボーディングブリッジ 屋根付き通路 照明設備 植栽 バスやタクシー等 の駐車場 老朽化した倉庫又は 危険物取扱施設等の移設又は撤去 防塵フェンス 待合設備 便所設備 荷物搬送 設備 旅客上屋等の改修 空調設備 荷物搬送機器 :クルーズ旅客の移動又は手荷物等の搬出入の円滑化に要する経費 :クルーズ旅客が利用する旅客上屋等の受入環境改善に要する経費 :クルーズ旅客の安全性の向上に要する経費

補助対象経費のイメージ

訪日クルーズ旅客数500万人の実現に向けて、クルーズ旅客の利便性や安全性の向上及び物流機

能の効率化を図るための事業を実施する者(地方公共団体及び民間事業者)に対し、その経費の一

部を国が補助する。

事業概要

■補助対象経費 ・クルーズ旅客の移動又は手荷物等の搬出入の 円滑化に要する経費 ・クルーズ旅客が利用する旅客上屋等の受入環境 改善に要する経費 ・クルーズ旅客の安全性の向上に要する経費 等 ■補助対象者 地方公共団体(港務局を含む。)又は民間事業者 ■事業スキーム 補 助 対 象 者 国 事業計画の申請 対象経費の1/3以内を補助 17

(19)

2014年度 ■ コスタクルーズ(伊) ・日程:2014年12月11日 ・場所:宮崎市内 ・参加者:港湾管理者・地方自治体 3港3団体 ■ セレブリティ・クルーズ(米) ・日程:2015年1月30日 ・場所:新潟市内 ・参加者:港湾管理者・地方自治体 4港5団体 ■ プレステージ・クルーズ(米) ・日程:2015年2月20日 ・場所:北九州市内 ・参加者:港湾管理者・地方自治体 12港9団体

○国土交通省港湾局は、外国クルーズ船の我が国港湾への寄港促進を図るため、観光庁と連携し、海外クルーズ

船社等と全国の港湾管理者等が参加する「全国クルーズ活性化会議」の会員との商談会を2014年から実施中。

※2017年度以降も引き続き、ラグジュアリークラス・プレミアムクラスのクルーズ船社を中心に誘致予定。

2015年度 ■ ポナン(仏) ・日程:2015年12月3日 ・場所:青森市内 ・参加者:港湾管理者・自治体等 8港7団体 ■ セレブリティ・クルーズ(米) ・日程:2016年2月25日 ・場所:京都市内 ・参加者:港湾管理者・自治体等 6港6団体 ■シルバーシー・クルーズ(モナコ) ・日程:2016年2月12日 ・場所:山口県下関市内 ・参加者:港湾管理者・自治体等 ・参加者:18港17団体 2016年度 ■ 中国船社・旅行会社 (天海郵輪、カイーサ郵輪) ・日程:2016年10月19日 ・場所:新潟市内 ・参加者:港湾管理者・自治体等 6港8団体 ■ MSCクルーズ(伊) ・日程:2016年12月1日 ・場所:名古屋市内 ・参加者:港湾管理者・自治体等 8港11団体 ■ アザマラ・クラブ・クルーズ(米) ・日程:2016年12月2日 ・場所:函館市内 ・参加者:港湾管理者・自治体等 12港13団体

商談会の開催

■ ポナン(仏) ・日程:2017年1月27日 ・場所:仙台市内 ・参加者:港湾管理者・自治体等 21港17団体 ■ MSCクルーズ(伊) ・日程:2015年12月1日 ・場所:静岡市内 ・参加者:港湾管理者・自治体等 6港5団体 商談会の様子 ■ キュナード・ライン(英) ・日程:2017年2月23日 ・場所:福岡市内 ・参加者:港湾管理者・自治体等 15港16団体 大船渡港、能代港、船川港、秋田港、茨城港、横浜港、新潟港、小木港、 二見港、両津港、伏木富山港、下田港、清水港、四日市港、京都舞鶴港、 和歌山下津港、日高港、新宮港、鳥取港、徳島小松島港、唐津港 網走港、小樽港、大船渡港、茨城港、横浜港、伏木富山港、和歌山下津港、 新宮港、日高港、鳥取港、北九州港、唐津港 室蘭港、四日市港、和歌山下津港、徳島小松島港、高知港、佐世保港、細島港、油津港 横浜港、伏木富山港、金沢港、舞鶴港、北九州港、博多港 北九州港、佐世保港、細島港 青森港、伏木富山港、敦賀港、広島港 新潟港、金沢港、舞鶴港、境港、岩国港、三田尻中関港、 宇部港、下関港、博多港、佐世保港、鹿児島港、名瀬港 青森港、高知港、北九州港、佐世保港、細島港、油津港 網走港、酒田港、鳥取港、高知港、博多港、細島港、宮崎港、 油津港 茨城港、横浜港、舞鶴港、鳥取港、浜田港、福山港、 高松港、高知港、宿毛湾港、北九州港、博多港、唐津港、 熊本港、三角港、八代港、細島港、宮崎港、油津港 網走港、伏木富山港、神戸港、徳島小松島港、下関港、 北九州港 函館港、秋田港、酒田港、清水港、四日市港、京都舞鶴港、和歌山下津港、 日高港、新宮港、広島港、岩国港、下関港、高松港、北九州港、佐世保港 18

(20)

○外国クルーズ船社等が寄港地を検討する際、港湾施設の諸元や港周辺の観光情報の提供が必要となる。

○これらの情報を一元的に発信するウェブサイトを開設(2013年3月)。引き続き、同ウェブサイトの周知・充実を図り、 外国クルーズ船社等に必要な情報を積極的に発信。

【全国クルーズ活性化会議ホームページ(Japan Cruise Port Association)】 港湾施設等の情報を提供するウェブサイト(2013年3月掲載)

【国土交通省ホームページ(CRUISE PORT GUIDE OF JAPAN)】 港周辺の観光情報を発信するウェブサイト(2014年3月掲載) アクセスURL:http://www.mlit.go.jp/kankocho/cruise/ 【提供情報の内容】(英語・日本語の2ケ国語で掲載) ・寄港地周辺の観光情報 (グルメ、ショッピング、見どころ、トピックス) ・港周辺のイベントスケジュール ・港湾からの観光スポットまでの交通アクセス ・観光地のバス駐車可能台数 ・関連リンク、問い合わせ先 など 2017.6時点 掲載港102港

寄港地情報の一元的な発信

2017.6時点 掲載港102港

CRUISE PORT GUIDE 検

アクセスURL:http://www.wave.or.jp/jcpa/ CRUISE JCPA 検

【提供情報の内容】 ・港湾管理者の連絡先 ・クルーズ船の寄港実績 ・大使館または領事館連絡先・所在地 ・岸壁、ターミナル等の諸元及びサービス情報 ・ふ頭位置図、ターミナル配置図 など 19

(21)

3. 官民連携による国際クルーズ拠点の形成

(22)

我が国における新たな国際クルーズ拠点の形成に向けて

○中国を中心にアジアのクルーズ人口は急増しており、各クルーズ船社は、中国等を拠点に、日本の港湾に現在以上に数多くの クルーズ船を寄港させたい意向。 ○しかしながら、急増するクルーズ需要に対し、既存の港湾施設による受入れ容量は不足しており、寄港の「お断り」が多数発生し ている状況。 クルーズ船社の配船戦略と協調してクルーズ需要を逃すことなく取り 込む手法を検討。 (学識経験者等による委員会を設置。港湾管理者・クルーズ船社から 具体的な計画を募り、その評価も行う。)

対応方針

A社幹部: 2017年から数年間、●●港の岸壁の予約がとれないのではと心配している。 このままでは、韓国など日本以外の港に寄港せざるを得ない。 B社幹部: 岸壁を長期にわたって安定的に利用できるならば、旅客ターミナルビル等に自ら投資を行い、クルーズ船の受入環境を整え、拠 点的に寄港する意欲がある。

背景

課題を解決する新たなスキームにより、 長期かつ安定的なクルーズ船の寄港を目指す

クルーズ船社との対話で寄せられた声

長期安定的な寄港の実現による港湾管理者とク ルーズ船社のWin-Winの関係の構築。 【港湾管理者】 将来の需要を顕在化できる(途中で船社に逃げら れるリスクを軽減)。 ⇒地元への経済効果を確保 【クルーズ船社】 長期的な配船計画や、余裕を持った商品開発が 可能となる。 ⇒安定的な収益確保

期待される効果

公共(国・港湾管理者) 民間(クルーズ船社) 組み合わせ ・港湾施設の整備 ・クルーズ船社に対する岸壁 の優先的な使用の確保 等 旅客ターミナルビルの整備 への投資 等 21

(23)

○我が国に寄港する外航クルーズ船を運航する船会社は、岸壁の優先的な使用を希望する一方で、旅

客ターミナルビル、背後の商業施設等への投資の意向を示している。こうした民間の需要を取り込んだ

新しいプロジェクトスキーム

により、クルーズ拠点の形成を図る。

※ 民間による投資(旅客施設、商業施設等)と公共による受入環境の整備(岸壁の優先使用、インフラの整備等)の組み合わせによる 国際クルーズ拠点の形成

委員会を設置して検討

委員会の構成(○:委員長) ○山内 弘隆 一橋大学大学院 商学研究科 教授 赤井 伸郎 大阪大学大学院 国際公共政策研究科 教授 上村 多恵子 (一社)京都経済同友会 常任幹事 高橋 進 日本総合研究所 理事長 前田 博 西村あさひ法律事務所 弁護士 港湾局、海事局、観光庁の行政側委員

港湾管理者、船会社から国際クルーズ拠点の形成

に係る提案を募り、その内容を検討。

官民連携によるクルーズ拠点形成検討委員会

海外におけるクルーズ船社の投資事例

ファルマス港(ジャマイカ) バルセロナ港(スペイン) クルーズ船社が所有する旅客施設 クルーズ船社がショッピングエリアを整備 <スケジュール> 平成28年 9月12日 第1回 官民連携によるクルーズ拠点形成検討委員会 9月30日 第2回 委員会(船社プレゼンテーション、募集要領) 10月7日 募集開始(港湾管理者及び船社の連名で計画書を提出) 12月20日 募集締め切り 平成29年 1月11日 第3回 応募者からのプレゼンテーション 1月24日 第4回 計画書の評価 1月31日 官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾を選定 3月10日 港湾法の一部を改正する法律案 国会提出 ※投資を行う事業者に、岸壁の優先使用などを認める新しい 仕組みを創設。

官民連携による国際クルーズ拠点の形成

22 6月2日 法案成立 6月9日 公布 7月8日 施行

(24)

訪日クルーズ拠点港湾形成に向けた港湾法の改正

(平成29年7月8日施行)

月 火 水 木 金 土 日 ■国際クルーズ拠点として国が指定した港湾において、民間による受入施設整備を促す協定制度等を創設 <現状> ① 急増するクルーズ船の受入施設が不足、貨物ヤードで の旅客受入も発生 ② クルーズツアーは1年以上前からの販売も多いが、岸 壁の優先予約の仕組みがなく、ツアー造成に支障 ③ 岸壁を長期優先使用できるなら、自ら旅客ターミナル ビル等を整備する意欲を持つ船社が出現 港湾管理者がクルーズ拠点の形成計画を作成 港湾管理者が民間事業者と協定を締結 ・岸壁の整備状況、クルーズ船社との連携の度合い、クルーズ旅 客の見込み数等を総合的に勘案して、国が指定 ・将来の外航クルーズ旅客の受け入れ目標、ターミナルビル等 の施設の整備概要、官民の役割分担等を内容とする受入拠点形 成計画を港湾管理者が作成 →計画に基づく工事の許可等の特例を措置 ・港湾管理者はクルーズ船社に長期の岸壁優先使用を認める ・クルーズ船社等は形成計画に沿って旅客施設を整備するととも に、自社の利用しない日には他社の使用を許容する →クルーズ船社等の地位を引き継いだ承継者にも協定の効力 が及ぶ規定を創設 →クルーズ船社等が所有する旅客施設の利用料金が著しく不 適切な場合等における港湾管理者による変更命令を規定 月 火 水 木 金 土 日 ・A社(協定船社)による予約(1年半程度前) ・A社の予約完了後、その他の社が予約 A社 A社 C社 A社 A社 B社 【岸壁の優先使用のイメージ】 国が指定した港湾において、港湾管理者とクルーズ船社との間 で、以下の内容の協定を締結できる制度等を創設。 ・港湾管理者はクルーズ船社に岸壁の優先的な使用を認める ・船社は旅客施設を整備し、他社の使用も認める 訪日クルーズ旅客2020年500万人に向けたクルーズ船受入れの更なる拡充(日本 再興戦略2016) 【政府目標】 A社 A社 【官民の連携による拠点形成のイメージ】 岸壁(公共) 港湾管理者は優 先的使用を許可 クルーズ船社が整 備し他社にも供用 官民連携による 受入拠点形成 旅客ターミナルビル(民間) 【新たな制度の概要】 受入拠点の形成を図る港湾を国が指定 23

(25)

クルーズ船社の投資計画(八代港)の事例

○これまで物流中心であった八代港において、クルーズ船社が段階的に旅客ターミナルビルや、

集客施設などを整備し、物流利用から人流利用への転換を図っていく計画となっている。

第1期 旅客ターミナルビル(2020年までに整備)

第2期

集客施設等(2020年以降)

RCIがショッピングエリアを整備した事例(ファルマス港)

八代港のクルーズ船専用岸壁

敷地4,000㎡に平屋でシンプルな作りの旅客ターミナルビルを計画。 CIQ施設のほか、マーケット調査を踏まえて商業施設、レストランな どを計画。 平屋の旅客ターミナルビルのイメージ(博多港の事例) インバウンド需要の増加に合わせて、段階的に観光機能(地元住民 も楽しめる施設や公園など)を付加することとしている。 博多港 クルーズターミナル クルーズ船専用岸壁(22万トン級) 県整備 RCI整備 関係者駐車場 大型バス駐車場 旅客ターミナル 八代港 国整備 22万トン級クルーズ船 24

(26)

※ カーニバル・コーポレーション&plc:世界やアジアで半分のシェアを持つクルーズ会社グループ。傘下に、コスタ・クルーズ社、プリンセス・ク ルーズ社などクルーズ・ブランドを有している。 ※ ロイヤル・カリビアン・クルーズ:オアシス・オブ・ザ・シーズなど世界最大のクルーズ船を有するクルーズ会社。 ※ ゲンティン香港:傘下に、スタークルーズなどのクルーズ・ブランドを有し、我が国に寄港する台湾発着クルーズのシェアは8割強を占めるク ルーズ会社。 ※ 郵船クルーズ:飛鳥Ⅱを所有する邦船社。 港湾名 (港湾管理者) 船社名 横 浜 港 ( 横 浜 市 ) 清 水 港 ( 静 岡 県 ) 佐 世 保 港 ( 佐 世 保 市 ) 八 代 港 ( 熊 本 県 ) 本 部 港 ( 沖 縄 県 ) 平 良 港 ( 宮 古 島 市 ) カーニバル・ コーポレーション&plc ○ ○ ○ ロイヤル・カリビアン・クルーズ ○ ゲンティン香港 ○ ○ 郵船クルーズ ○ 横浜港 清水港 平良港 本部港 八代港 佐世保港

「国際旅客船拠点形成港湾」として指定した港湾

(平成29年7月26日)

25

(27)

4. クルーズ船の寄港がもたらす効果

(28)

クルーズ船の寄港が地域にもたらす経済効果の例

境港 • クルーズ船の寄港回数増加に伴い、水木しげる ロード、松江城等の地元観光地を訪れる旅客が 増加。 • 平成28年9月23日の大型クルーズ船寄港時に 地元企業が岸壁近くに臨時店舗を出店し、約16 0万円を売り上げ。 八代港 • 大型クルーズ船(乗客約2,100人) の寄港1回あたりの経済効果: 約1億2,200万円(八代市試算) • 地元企業が地元産品(日本酒、焼酎、 醤油)をクルーズ船に納入 金沢港 • クルーズ船の寄港回数増加に伴い、兼六園、ひがし茶屋 街等の地元観光地を訪れる旅客が増加。 • 2016年に金沢港に寄港したクルーズ船の乗客約2.5万 人による県内での消費額は、約6.5億円(石川県試算) 平良港(沖縄県宮古島市) • 宮古タクシー事業協同組合は、2016年に、クルーズ 客を対象とした売上額約5,000万円を計上 • 沖縄県内の8企業は、2016年5月から12月にスター クルーズ社のクルーズ船内におけるお土産コーナーで 約1.3億円を売り上げ。 函館港 • 地元の遺愛女子高校の生徒が外国 人観光客向けに観光案内の他、書道 や茶道の体験メニューを提供。 • 市民レベルの活動を通じてまち全体 に「おもてなし」の空気が醸成され、国 際交流が進展。 油津港(宮崎県日南市) • 地元の日南振徳高校の生徒が外国人 観光客向けに観光案内を実施。 • 同校の生徒は、案内のために地域資源 について学び、若い人材による地域の 魅力の再発見につながった。 27

参照

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