66 2005年2月
報
文
複合不織布の性能 に及ぼす構成要素の影響
矢 井 田 修*・ 大 目木 幸 子**・ 熊 田 亜 矢 子***
Effects
of Components
on Properties
of Composite
Nonwovens
Osamu Yaida • Sachiko Omeki • Ayako Kumada
The compounding is one of the most important technology for the development of nonwovens
products. So far many composite nonwovens has been developed. However, there are few examples
studied about the effects of composite components on the composite nonwovens.
In this study, we aimed at clarifying the effects of the components in the composite nonwovens
developed for the medical and healthy sheet. As a result of investigating many experiments, the properties
of composite nonwovens is influenced considerably by specific components, and then the multilayer
composite nonwovens could be used for the object for medical and healthy sheet
1.緒 言
不 織 布 の 製 造 方 法 に は 多 くの 種 類 が あ り、 製 造
方 法 に よ っ て 不 織 布 の性 能 は 大 き く異 な るD。 ま
た 、 不 織 布 の 用途 も非 常 に広 範 囲 で 、 人 間 の 肌 に
直 接 触 れ る製 品 も多 く、 この 場 合 に は 風 合 い が 重
視 され る 。 スパ ン レー ス不 織 布 は柔 ら か で そ の 風
合 い が比 較 的 織 物 に 近 く 、 人 間 の 肌 に 接 触 す る 不
織 布 製 品 の 基 材 と して 多 用 され て い る。
不 織 布 は 産 業 用 と して 用 い られ る こ と が 多 く、
各 用 途 で 要 求 され る性 能 を満 た す 必 要 が あ る。 そ
の た め 、 不 織 布 で は 複 合 化 手 法 が用 い られ る こ と
が 多 く、 複 合 化 に よ る 多 くの 製 品 が 開 発 され て い
る2>。
今 回 の 研 究 で は 、高 齢 社 会 を 迎 え 、 使 い勝 手 が
よ く 、使 用 者 の 感 性 を重 視 した 衛 生 ・医 療 用 不 織
布 製 品 作 りが 強 く求 め られ て い る3)こと か ら、 ス
パ ン レ ー ス 不 織 布 を主 要 構 成 要 素 と す る積 層 複 合
不 織 布 を 開 発 す る こ と を 目的 と して 、 人 間 の 肌 に
直 接 触 れ る 用 途 に 用 い る こ と の で きる 不 織 布 シ ー
トの 吸 水 性4)、強 伸 度 特 性 、KES基 本 力 学 量5)な
ど を評 価 し、 これ らの 性 質 に 及 ぼ す 複 合 不 織 布 の
構 成 要 素 の 影 響 に つ い て 検 討 した 。
2.医 療 用 及 び 健 康 シ ー トに要 求 され る 性 質
医 療 用 及 び 健 康 シ ー トに 要 求 され る性 能 と して
次 の5っ を 考 え た 。
① 保 温 性 が 優 れ て い る
② 柔 らか く 、風 合 い が 良 い
③ あ る程 度 の 強 さが あ る
④ 吸 湿 性 や 吸 水 性 に 優 れ て い る
⑤衛 生 的 で あ る
これ らの 要 求 項 目へ の 対 応 策 と して 、次 に示 す
考 え方 を 基 本 に した 。
① に 対 して は 、 不 織 布 の 積 層 に よ る複 合 化 及 び
遠 赤 外 線 効 果 を期 待 した無 機 粉 体 を コ ー テ ィ
ン グ に よ り対 応 した 。
② に 対 して は 、 複 合 不 織 布 を構 成 す る 不 織 布 全
て に ス パ ン レ ー ス 不 織 布 を 用 い 、 ま た コ ー
テ ィ ン グ を 行 って も曲 げ剛 性 や 勇 断 剛 性 が小
さい メ ッシ ュ状 不 織 布 を用 い て 対 応 した。
*本 学 教 授 **本 学 助 手 ***本 学 大 学 院 生
Vo
.
l
50 権合不織布の性能に及ぼす構成要素の影響
67
③に対しては、権合化及びメッシュ状不織布に
無機粉体をコーテイングする際に用いる接着
剤の種類を考慮することや、熱融着繊維の混
入、高圧のウォータージェット処理などに
よって対応した。
④に対しては、吸水層としてレーヨン繊維とア
クリル繊維の混綿ウエブを用いることにより
対応した。
⑤に対しては、表面層に疎水性のポリエステル
スパンレース不織布を用いることで対応した
が、より効果的にするには抗菌加工のポリエ
ステル不織布を使用することも視野に入れて
いる。
3
.
実験試料及び実験方法
3
.
1
実験試料の作成
実験試料の作成には、高知県立紙産業技術セン
ターに設置されている多目的不織布製造装置を用
いた。表
1
に権合不織布シートの構成、図
1
に権
合用素材と袴合不織布の構成を示す。
表1 複合不織布シートの作成
各 層 名 繊維組成(配合率)
Ig目/c付m
2 備考
表面j材 PET 2dX51mm(70%)
30
(接触面)
NBF 2dX51mm(30%)
親 水 層 レ ー ヨ ン 2dX51mm(50%) 45 ウェブ
アクリル 2dX38mm(50%)
メ ッ シ ュ 層 レ ー ヨ ン 2dX51mm(100%) 45 10メッシュ
表面材 PET 2dX51mm(70%)
30
(ド而) NBF 2dX51mm(30%)
L 一 一
表面不織布の作成では、ポリエステル繊維のウ
エブとポリエステル繊維と熱融着繊維の混綿ウエ
ブを積層し、ウォータージェット処理により結合
したc 親水層としてはレーヨン/アクリル、 50/
50のウエブを用いた。メッシュ層の作成では、
目付け
4
5
g
のレーヨンスパンレース不織布にウ
ォータージェット処理してメッシュ状とし、無機
粉体をコーテイングした。無機粉体として砥粒
(
S
i
02:
2
6
%
,
A
h
0
3
:
4
1
%
,
F
e
2
0
3
:
7
%
,
T
i
0
2
:
22%)
を
用い、パインダーとして溶剤型ウレタン樹脂系接
着剤を用い、それに対応して硬化剤にイソシア
ネート成分(タケネート A-3)を用いた。配合比は、
粉体:パインダー:硬化剤
=100:70:7
である。
コーテイング法としてグラビアコータ一法を用い、
メッシュ状不織布に 60~160g/m2 の塗工量で
コーテイングした。
ウェブ
C
l
-
-
-
メッ、ンュ
表面層
1fffiHAAB日
C
2
ーメッシュ砥粒(硬化剤入り)
41
'
I I I I 1)>
C
3
ーメッシュ砥粒(硬化剤!なし)
表面層/ウェプ
/
C
l/表面層
君
主
主
a
h
"
"
,
#
表面層
/
C
l/表面層
表面層/ウェブ
/
C
2
/
表面層
表面層
/
C
2
/
表面層
表面層/ウェプ
/
C
3
/
表面層
-:;r
,
krwB内 》R内wrNr制、E向、i":t..-.
こ-?
'
'
'
i
i
i
i
i
表面層
/
C
3
/
表面層
図1 複合用素材と複合不織布の構成
3
.
2
実験方法
試作した6種の積層袴合不織布の細孔径分布の
測定には多孔質材料自動細孔測定システム、基本
力学量の測定には
KE
S
-
FB
システム、強伸度の測
定には島津オートグラフ
AG
S
-D
型、吸水性の測
定にはラローズ法吸水試験機を用いた。
4
.
実験結果及び考察
4
.
1
ウ工ブによる影響
4
.
1
.
1
細孔径分布に及ぼす影響
図
2
に細孔径分布に及ぼす影響を示す。ウエブ
の挿入が細孔径分布に及ぼす影響は硬化剤を用い
た場合に顕著に表れる。硬化剤を用いた場合、細
孔径分布は 1つのピーク以外に幅の広い分布を有
する形状となり、大きさの異なる細孔が多数存在
することを意昧している。これは、硬化剤を用い
た場合、砥粒の固まり方にばらつきが生じたため
と考えられる。
4
.
1
.
2
KES
値に及ぼす影響
ウエブを挿入した場合、
KES
値の表面特性、
圧縮特性、曲げ特性などが影響を受ける。図3に
2005年 2月
、丘二
m
京女大
68
5(Wあり)
来塗工の唱合
青
3
6(Wなし)
活
0.6
0)
"E 0.6
0
連0.5
? 0.4
・0
通0.3
言0.2
0.1
0
生
100
z 90
2 8 0
言70
g
:
60
2 5 0
出 40
凶 30
w
g
;
20
0. 10
0
Cコ
π
⑩(塗工)
」
唱
+
ー⑧(塗工+硬化剤
1
¥
r-,=
~島晶岨
[.- 貝ム宮、『畠 ー一
8
7
6
5
4
3
2
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
(
モ
ο
¥
E
O
国)圃早口主
o
、~
ロ
C勺
o
e、a
o
532 S R g g S
Average Diameter(micronsl
D
c")
Cコ
官、4
Cコ
F
9(Wあり)
8
7
6
5
4
3
2
1
0
0
0
日
0
0
0
0
0
(
モ
0 ¥
E ω
・
M
W
)
躍
。
主
塗工の場合
lO(WなL)
? 100
~ 90
コ
80
a
70
f-:: 60
邑 50
ω 4 0
法
30
凶 20
匹 10
Ii. 0
CコcコCコo cコcコCコCコCコCコcコcコCコo 0
.,....c'、j c")、tLO <.1コト‘白J 0') Cコ.,....。叫c")てr
Average Diameter(microns)
j
ミ 吋 工⑨(塗工)
t
i
:
A1D
I
⑦(塗工+硬化剤)
i
言
、
f
s
.
(Wなしの場合)
7(Wあり)
6(Wなし)
塗工+硬化剤の場合
ウ工ブが
wc
値(圧縮仕事量)に及ぼす影響
図4
E 15
0
"E 1
国
軍 0.5
囚
工
N
砥粒謹工および硬化剤が細孔径分布に及ぼす影響
(Wありの場合)
0.25
0.2
雪
0.15
:::E 0.1
0.05
0
図2
。
5(Wあり)
6(Wなし)
未塗工の場合
5(Wあり)
6(Wなし)
未塗ヱの場合
~ 1.5
伺E 1
国
通0.5
白
0
工
N
0.25
0.2
警
0.15
:::E 0.1
0.05
0 10(Wなし) 9(Wあり)
塗工の場合
9(Wあり)
10(Wなし)
塗工の禍合
関緩額雪
目 問 問 問 内
8(Wなしl 7(Wあり)
塗工+硬化剤の渇合
E 1.5 r
ο l
.
"E 1 f
・ .
国 l
~
理0.5
t
aJ
~ 0 l
民
d
n
t
F
h
J
w
'
'
R
d
n
U
2
0
1
0
β
n υ
︽
U
n
u
g
2
2
7(Wあり)
8(Wなし)
ウエブが2HB値に及ぼす影響
果を示す。これらの図から、ウエブを挿入するこ
とにより権合不織布の表面がやや滑らかになるこ
図5
塗工+硬化郵jの渇合
図3 ウ工ブが MIU値に及ぼす影響
MIU
値(平均摩擦係数)、図
4
に
wc
値(圧縮仕事
量)、図5に2HB値(曲げヒステリシス)の実験結
Vo
5
.
1
0
袴合不織布の性能に及ぼす構成要素の影響
69
とや、初期に圧縮柔らかく、その後圧縮されにく
くなること、曲げヒステリシスが大きくなること
などが分かる。曲げヒステリシスに関しては、コー
ティングの際に硬化剤を用いた場合に異なる結果
を示しており、硬化剤を用いることによりクソ
ション性が大きくなり、曲げ回復性が向上するこ
とが分かる。
4
.
1
.
3
引張強伸度特性に及ぼす影響
表2に引張試験の結果を示す。ウエブを挿入す
ることにより、切断荷重、仲び率ともに増加した
が、初期ヤング率に関しては、未塗工及び塗工の
みの場合ウエブ挿入の影響があまり見られないが、
硬化剤を用いた場合にタテ方向において初期ヤン
グ率の顕著な増加が観察された。
4
.
1
.
4
吸水性に及ぼす影響
図 6にウエブの挿入が権合不織布の飽和吸水量
に及ぼす影響を示す。未塗工の場合、ウエブ挿入
による吸水量の増加は認められず、ウエブを挿入
表2引張試験結果
口許氏料号
試方験rriJ 切(断kg荷)重 切(断mm(111)び
(kg応1m力m
2) ひずみ 初(k期g/ヤlTン1mグ2率)
たて 4.84 45.53 0.2373 0.2277 1.0422
1 よこ 0.965 268 0.0473 1.34 0.0353
J ¥イアス 0.917
139.4
0.045 0.697 0.0646
たて 0.2427 145.73 0.0148 0.7287 0.0202
2 よこ 0.0604 241.8 0.0037 1.209 0.003
ノiイアス 0.1528 231.7 0.0093 1.1585 0.008
たて 5.669 21.42 0.2674 0.1071 2.4967
3 よこ 1.029 116.6 0.0485 0.583 0.0832
ノtイアス 1.61 61.8 0.0759 0.309 0.2456
たて 4.859 39.08 0.2033 0.1954 1.0404
4 よこ 0.916 228 0.0383 1.14 0.0336
J ¥イアス 1.155 157.6 0.0483 0.788 0.0613
たて 18.19 70.47 0.377 0.3524 1.0698
5 よこ 4.521 264.2 0.0937 1.321 0.0709
ノtイアス 6.185 179.3 0.1282 0.8965 0.1436
たて 15.52 91.98 0.4927 0.4599 1.0713
6 よこ 3.726 232.7 0.1183 1.1635 0.1017
/くイアス 4.95 155.9 0.1571 0.7795 0.2015
たて 12.82 8.87 0.2346 0.0444 5.2838
7 よこ 2.396 22.42 0.0438 0.1121 0.3907
ノtイアス 2.897 15.22 0.053 0.0761 0.6955
たて 10.09 72.35 0.2466 0.3618 0.6816
8 よこ 3.022 177.9 0.0739 0.8895 0.0831
ノtイアス 3.826 143.4 0.0935 0.717 0.1304
たて 16.4 75.05 0.3333 0.3753 0.8881
9 よこ 3.656 275.2 0.0743 1.376 0.054
ノfイアス 4.639 175.7 0.0942 0.8785 0.1072
たて 7.113 77.77 0.2074 0.3899 0.5333
10 よこ 1.981 252.6 0.0578 1.263 0.0458
パイアヌ 2.886 173.4 0.0841 0.867 0.097
0.12r
01 f
(目
主0.08~
咽 │
耗0.06f
言
。04~
il0.02l
o L
0.12
~ 01
i 0.08
咽
長 目 的
事
0.04
調。 02
0.12
~ 0.1
E 0.08
咽
長 0.06
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14
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選
6
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。
14
12
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U
主8
~ 6
害
4
。
r-官有明~τ羽 r開 門 育 問 可 閉 ? 弔 問 司
6(Wなし) 5(Wあり)
来塗エの場合
10(Wなし) 9(Wあり)
塗工の場合
8(Wなし) 7(Wあり)
塗工+硬化剤の場合
図6 ウ工ブが飽和吸水量に及ぼす影響
6(未塗工) 10(塗エ) 8(塗エ+硬化剤)
ウエブなしの場合
5(朱塗工) 9(塗工) 7(塗工+硬化剤)
ウヱブありの場合
図 ?砥粒塗工および硬化剤がG値(勇断剛性)に及ぼす影響
することによって吸水量を増加させる対応策は効
果がないことが分かった。ウエブの挿入よりも、
7
0
京女大 生 活 造 形 2005年 2月
60
n
u
n
u
n
u
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広
1
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,
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(
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国
)
個
百
工
何
10
。
6(未塗工) 10(塗工) 8(塗工+硬化剤)
ウェブなしの場合
60
50
n
u
n
u
n
u
a
﹃
q
d
q
ζ
(EO¥
国
)
煙
O
Z
N
10
。
5(未塗工) 9(塗エ)
ウェフありの場合
7(塗工+硬化剤)
図8 砥粒婆工および硬化剤が2HG値に及ぼす影響
塗工の際に硬化剤を用いて不織布中の空間を確保
することのほうが有益であるという結果が得られ
た。
4
.
2
砥粒塗工及び使化剤の影響
4
.
2
.
1
細孔径分布に及ぼす影響
図
2
に示すように、砥粒塗工を施した場合の細
孔径分布に及ぼす影響は見られなかった。しかし、
硬化剤を用いることにより、細孔径分布のピーク
値は25ミクロンから 15ミクロンヘ減少し、平均
細孔径が小さくなる結果が得られた。
4
.
2
.
2
K
E
S
値に及ぼす影響
顕著な影響が見られた勇断特性に関して、図7
に
G
値(勇断剛性)、図
8
に
2HG
値(努断ヒステ
リシス)の実験結果を示す。砥粒塗工を施すこと
により、勇断剛性は僅かに大きくなり、努断硬く
なる。また、
2HG
値 も 大 き く な り 、 初 期 の 勇 断
に対する回復性が悪くなることが分かる。この傾
向は硬化剤を用いることによりさらに顕著になる。
硬化剤を用いることにより大きな勇断変形からの
回復性も悪くなり、これは硬化剤を用いることに
よりメッシュ状不織布が勇断硬くなり、大きな努
0.12
0.1
E 0.08
咽
終 0.06
g
言
。
04
0.02
。
6(未塗工) 1O(塗エ) 8(塗工+硬化剤)
ウェブなしの場合
0.12
0.1
nむ
戸
。
a
a
守
n
u
n
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n
u
n
u
n
u
n
u
一
E
)
咽
耗
醤
足
担
割
0.02
。
5(未塗工) 9(塗工) 7(塗工+硬化剤)
ウェブありの場合
図9 砥粒塞工および硬化剤が飽和吸水量に及ぼす影響
断変形では努断座屈を生じるためと考えられる。
4
.
2
.
3
吸水性に及ぼす影響
図 9に吸水性実験の結果を示す。吸水性への影
響はウエブの有無によって大きく異なり、ウエブ
が存在する場合には砥粒塗工及び硬化剤の吸水性
への影響は見られない。ウエブなしの場合には、
塗工、硬化剤を用いた塗工において飽和給水量は
著しく増加する。塗工によりレーヨン繊維の吸水
性が損なわれるとの予測に反し、塗工により毛細
管現象の増加が生じ、吸水量が増加したと考えら
れる。また、イソシアネート成分の硬化剤には撒
水性があるため、 H及水量の減少が予測されたが、
硬化剤を用いることにより、ラローズ法における
錘によるへたり量が減少し、空隙のつぶれが減少
し、それが吸水量の増加につながったと考えられ
る。
5
.
結 論
今回の研究では、衛生・医療用シートに用いる
目的で、スパンレース不織布を主要構成要素する
積層被合不織布を開発し、祷合不織布の構成要素
が権合不織布の性能に及ぼす影響を明らかにした。
Vo
l.
5
0
権合不織布の性能に及ぼす構成要素の影響
7
1
即ち、衛生・医療用としての不織布に要求される
性能を吟昧し、それに対する対応策を考えて数種
の積層被合不織布を試作し、被合不織布の細孔径
分布、 KES基本力学量、吸水性などに及ぼす構
成要素の影響を調べた。得られた結果は次のよう
である。
1) ウエブを挿入することにより、表面が滑らか
になり、不織布全体が柔らかくなり、へたり
量が減少する。しかし、吸水性の改善には寄
与しなかった。
2)砥粒塗工を施すことによって、吸水量は増加
する。また、石更化剤を用いることによりさら
に吸水量を増加させることができる。しかし、
硬化剤を用いることにより勇断剛性が増加し、
複合不織布の風合いが損なわれるので、硬化
剤の使用量の詳細な検討が必要である。
なお、本研究の遂行に際し、実験に協力頂いた
本学卒業生の神田有理子さん、山中麻記子さん、
高知県立紙産業技術センターの皆様に厚く謝意を
表します。
参考文献
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と応用、日本繊維機械学会、大阪、pp83-170(1993)
2)高岡米冶、不織布情報、 316号、 pp33-39(2000)
3)新エネルギー・産業技術開発機構管理法人。多積
層機能材料の開発成果報告書、高知県立紙産業開
発センタ一、高知、 ppl-2(2000)
4) E. Ellborg, EDANA88, Market, p276 (1988)
5) 川端季雄、風合いの標準化と解析、日本繊維機械
学会、 pp45-60(1980)