観光経験と観光地関与がライフスタイル移住意図へ及ぼす影響
The Effects of Tourism Experience and Destination Involvement on Lifestyle Migration Intention
小原 満春* OHARA Mitsuharu *
Lifestyle migration refers to migration in the pursuit of hobbies and self-realization. Previous studies have found that lifestyle migrants often visit their target destinations prior to their migration, and these pre-migration visits likely have a significant impact on their migration decisions. Based on this knowledge, a qualitative research model was created to study the transition for the experience of tourism to the intention of lifestyle migration. The purpose of this study is to validate this model quantitatively. As a verification method, we applied “involvement,” which was created in social psychology by covariance structure analysis and was a concept expressing the feelings of consumers, who visited Okinawa with the intention of migrating, for consumer products in consumer behavior research. The results showed that having a positive experience of self-growth through tourism affects emotional connection with the place of visit, and this connection further affects the intention to migrate.
キーワード: ライフスタイル移住意図(lifestyle migration intention)、観光地関与(destination involvement)、観光経験(tourism experience)、移住意思決定プロセス(migration decision-making process) 1.はじめに 現在の日本は本格的な人口減少の時代に突入した と言われる 1)。さらに、都市への人口一極集中によ る地方の衰退が懸念されており、それをくい止める 方法として、地方への交流人口の増加やI ターンや 農村移住などに代表される都市から地方への移住が 注目されている。本稿は、後者の都市から地方への 移住に焦点を当てた。 都市から地方への移住は、近年その多くは経済的 な事情など外的要因に促された移住とは異なり、理 想のライフスタイルを追い求め自発的に行われる。 このような移住形態は「ライフスタイル移住」と総 称されている 2)。そしてこのタイプの移住は、観光と のつながりがあることが指摘されている 3)。特に注目 されるのは、移住前にその地を観光し、ライフスタ イル移住の決定にその観光経験が影響するという点 である。これについて筆者 4)は、2019 年発表の論文 において沖縄へ移住した移住者の聞き取りをもとに、 観光からライフスタイル移住へのプロセスをモデル 化した。この研究の結果、多様な観光経験を通して、 ライフスタイル移住意図が形成されることや、複数 回訪問とライフスタイル移住との関連が明らかに なった 4)。しかし、既存の文献においては、観光とラ イフスタイル移住をつなぐ要因を明確に指摘した研 究はほとんどない。つまり、具体的にどのような観 光経験がライフスタイル移住と結びつくのか、複数 回訪問とライフスタイル移住には何らかの関係性が あるのかといった点については、まだ明らかには なっていないのである。また、ライフスタイル移住 の意思決定プロセスに関する研究の多くは、定性的 調査法を採用しており、定量的に検証されてこな かった。そこで本稿では、潜在的ライフスタイル移 住者への調査を通して、観光による訪問およびそこ での経験から移住意図が形成されるまでのプロセス について定量的に検証することにした。この検証を 通じ、観光経験とライフスタイル移住とのつながり について明らかにし、ライフスタイル移住意図形成 モデル 4)の有効性を示すことを本稿の目的とする。 2.先行研究 (1) ライフスタイル移住と観光経験の関係 ライフスタイル移住に関するこれまでの研究は、さ かのぼれば退職者移住への注目から始まったことが 確認されている 5)、(1)。退職後の移住者を対象とした研 *和歌山大学大学院観光学研究科 論 文 [観光研究]2020. 9 / Vol. 32 / No.1 日本観光研究学会機関誌
Journal of Japan Institute of Tourism Research The Tourism Studies, 2020. 9/Vol. 32/No.1 PP. 33~46
究は、ライフスタイル移住と観光経験の関係に応用さ れうるいくつかの重要な知見を含んでいる。その一つ は、研究の対象となった退職後の中高齢者は、それま での観光経験をもとに退職後の生活の場所を決定す る傾向を持つという点である 3)、6)、7)、8)、9)。こうした研 究では、移住地選択に影響を与える動機や、その他の 要因などが調査された。この中で、観光経験とライフ スタイル移住の関係を検討する上で特に参考になる 研究の成果を以下に挙げる。退職後の移住先について、 移住前の居住地との距離が近く観光経験があれば、他 の移住地を探さずにその場所を移住地に決定する傾 向がある 10)。また、観光経験によってその場所の魅力 を認知し、退職後の移住先とする場合、影響力を持っ た魅力として、気候やスローライフ 11)、地域の持つイ メージと気候 12)、移住先のライフスタイル 13)が挙げら れている。また、居住地に不満がある場合には相対的 に移住先の魅力が向上する。 2000 年代以降には、退職者移住に限定されない幅 広いライフスタイル移住と観光の関係について研究 されるようになった。例えば、Bowen & Schouten9) によるスペインのマヨルカ島へのライフスタイル移 住者を対象とした調査では、観光を通じてその場所 に満足した経験が移住意思決定に影響を与えると報 告された。長友 14)は、オーストラリアへライフスタ イル移住した日本人を事例に、観光を目的とした訪 問先での経験が移住のプル要因になっていることを 指摘した。また、この研究では、移住前に所属の社 会から逃れたいという欲求を抱くことがプッシュ要 因となり、その一方で訪問先の生活環境への憧れが プル要因となって移住を求める気持ちが増幅するこ とが示された。この観光経験によって移住への気持 ち が 増 幅 さ れ る と い う 点 に つ い て 、Johnston & Kawai 15)は、訪問前に移住先が決められることはな く、訪問後に移住の願望が形成されていることを示 した。さらに、訪問の繰り返しで、都市生活への批 判精神と移住への憧れが増幅し、移住に至ることが 明らかにされた 16)。これらの観光経験がライフスタ イル移住意思決定に影響を与えるという先行研究に ついて検討したところ、その多くが事例研究であり、 移住先を決定するまでのプロセスをモデル化した研 究は見当たらなかった 5)。そこで、上記の知見をも とに、定性的調査を行い分析した結果、図-1 のよ うなモデルとなった 4)。 (2) 観光経験からライフスタイル移住に至るまでの 意思決定プロセスモデル 図-1 は、仕事以外の理由で自発的に沖縄へ移住 した移住者 13 名から聞き取りで得られたデータを M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプロー チ) (2)分析を行い、構築したモデルである。このモデ ルで示された移住に至るまでの意思決定のプロセス は、以下の通りである。まず、沖縄へ観光によって 訪れた観光者は、①美しいと感じる自然に触れるこ とや、住民との交流といった「ポジティブな経験」 をすることで、②満足や感動といった、沖縄に対し て「肯定的経験評価」を形成する。その結果、③「繰 り返し訪問」(訪問回数)を行う、いわゆる「リピー ター」となる。そして、同時期に自らの生活に大き な変化や、内面の変化などによって⑤現状の生活に 不満を感じ始める「現状不満」が生じることで、沖 縄への移住を現実的なものとして考え始め、⑥移住 意図が形成される。それと同時に、実際に沖縄で生 活が成り立つのかという移住後の生計に考えが及ぶ につれて移住を阻害する要因として④移住不安にな るものの、就職先や受け入れ先が決まることで、最 終的に移住を決断する。 このように、図-1 のモデルは、ライフスタイル + ⑥移住意図 ①ポジティブ経験 ②肯定的経験評価 ③訪問回数 移住決断 ⑤現状不満 ④移住不安 + + − + + 就職 + 図-1 観光経験からライフスタイル移住意思決定プロセスモデル
移住を実行した移住者を対象に調査・分析を行いモ デル化したものである。しかし、実際の移住には至っ ていないものの、観光の経験を通して移住の意図は 持っている層も存在すると考えられる。このような 「潜在的ライフスタイル移住者」(以後潜在的移住者 とする)について、このモデルの適用可能性を検討 し、その移住意図形成のプロセスが明らかになり、 観光経験の影響が明らかになれば、訪れる観光者に 対するどのような働きかけが移住意図の形成には有 効であるのかについて、実務的な示唆をも得られる と考える。人々の行動に関するモデル化の意義につ いて中村ら 17)は、現実に起きている状況を適切に反 映させたモデル構築によって、状況を変えるための 有効な打開策の立案が可能になると述べている。そ こで、潜在的移住者に対して図-1 のモデルの検証 を行うことにした。また、モデルの妥当性を統計的 に検証するために、定量的な調査法を用いることに した (3)。しかし、調査対象者が潜在的移住者である ため、移住は実行されていない。よって図-1 のモ デルの検証は⑥移住意図までとなる。 (3) 尺度の検討 図-1 のモデルを定量的に検証するにあたり、各 要因について尺度を設定する必要がある。そこで、 先行研究を基に尺度化を検討した。 1) ポジティブ経験(観光経験) 移住前の移住者の①ポジティブ経験については、 認知したことが4 項目、体験したことが 3 項目で合 計7 項目が挙げられている 18)。認知に含まれる項目 は、沖縄という場所を対象とするもので、文化的特 徴としての「非日常・異国情緒」、「自然環境」、訪問 前のイメージと違い都会だという気づきを表す「都 会的環境」、そして「余暇活動に最適な環境」の 4 つである。次に体験については「住民との交流」、ダ イビング業者といった観光業者との交流を体験した 「業者との交流」、そしてダイビングなどの「余暇活 動の体験」の3 つである 19)。それぞれの認知と体験 については、すべてがポジティブな認知および体験 として経験されており、ネガティブな経験は一切な い。以下では、これら認知と体験を含めた観光経験 に関する尺度化について検討する。 林・藤原 20)は観光地での経験評価が満足に及ぼす 影響について研究した。その中で観光地での経験評 価を「機能的評価」と「情緒的評価」に分類してい る。機能的評価とは、旅行先での「新しい知識を得 た」・「気分転換ができた」・「視野が広がった」といっ たように実施した旅行の価値や効用を認知的な側面 から捉えた内容である。そして、情緒的評価とは、 「楽しかった」・「リラックスできた」・「ドキドキした」 というように観光地での気分や感情などの情緒体験 をもとに旅行の価値や効用を捉えた内容である 20)。 図-1 のモデルにおける観光経験については、そ もそもすべてポジティブ経験となっているため、 林・藤原 21)の分類における情緒的評価についての尺 度化は不必要であると考えた。次に機能的評価につ いては、自己の成長を示す「自己拡大」、自然との接 触を示す「自然満喫」、心身の疲労回復を示す「健康 回復」、旅行先の歴史や文化の学習を示す「知識獲得」、 旅行先での出会った人との関係形成を示す「現地交 流」、変化や刺激を経験したことを示す「新奇体験」、 同行者との絆の強化を示す「関係強化」の7 因子を 調査分析から明らかにしており、これらを機能的評 価尺度として開発している。このように尺度化され た7 因子を本研究の検証モデルにおけるポジティブ 経験への適用を検討した結果、「非日常・異国情緒」 は「新奇体験」、「自然環境」は「自然満喫」、「余暇 活動に最適な環境」は「健康回復」、「余暇活動の体 験」は「自己拡大」、「住民との交流」および「業者 との交流」は「現地交流」、「知識獲得」は「都会的 環境」にそれぞれ置き換え可能であると考えた。し かし、「関係強化」については、図-1 のモデルにお いて適用できる要因はなかった。その理由は、図-1 のモデルを構築する際の調査対象者のほとんどが単 身による移住であり、関係強化を目的とした移住者 が存在しなかったためである 22)。よって、今回の研 究目的は図-1 のモデルの定量的検証であり、関係 強化はそのモデルにない要因になるため、検証モデ ルに組み込まないこととした。最終的に①のポジ ティブ経験については、林・藤原 12)の機能的経験評 表-1 ポジティブ経験の尺度の適用 ポジティブ経験4) 機能的経験評価20) 非日常・異国情緒 新奇体験 自然環境 自然満喫 余暇活動に最適な環境 健康回復 余暇活動の体験 自己拡大 住民・業者との交流 現地交流 都会的環境 知識獲得 ― 関係強化
価の6 要因を尺度として適用した(表-1)。 2) 肯定的経験評価(観光地関与) ②の肯定的経験評価の尺度化については、特に念 入りな検討を要した。なぜならば、この肯定的経験 評価は、移住者が「満足」や「感動」といった感情 をベースに訪問を繰り返し、その結果構築された人 間関係によって培われた沖縄への愛着や、ダイビン グなどのレジャー活動を通して形成される沖縄への 思い入れと関わるものだからである 23)。つまり、そ の場所(沖縄)に対する感情的なつながりが形成さ れているとする。そのため、このような感情的なつ ながりを示す概念として、満足や感動をそのまま尺 度化するのは問題があると考えた。場所に対する思 い入れや感情的なつながりは、満足や感動とは異な る心情を示す概念と考えたからである。この点につ いては、モデル構築の論稿においても課題として提 起した 24)。そこで、この思い入れを示す概念および尺 度の検討をより深く行った。その結果、本研究におい て②肯定的経験評価については、「関与(Involvement)」 概念の尺度を用いて測定することとした。 関与は社会心理学で用いられた概念で、後に消費 者行動研究で盛んに研究されてきた仮説構成概念で ある。消費者行動研究においては、関与は、消費者 が特定の製品や対象に抱く思い入れや重要性を表す 概念である。そして、この研究分野では、購買意思 決定時における調整変数として用いられる概念であ ることが、一般的に認められている 25)。そこで、本 研究では、ポジティブ経験を通して得た沖縄との感 情的なつながりを関与とし、対象を観光地に限定し ていることから、これを「観光地関与(Destination Involvement)」とよぶことにした。そして、その定 義は和田 26)の関与定義を援用し「観光地に対する、 感情的ないし心理的な結びつきによって生じる、思 い入れやこだわり」とした。また、多くの研究にお いて、関与は多次元性を有する概念として認識され ており、そこで用いられている代表的な尺度が Laurent & Kapferer 27)のIP(Involvement Profile)であ
る。IP は特定の製品の関与を測定する尺度であるが、 この IP をベースに、スキーやキャンプといったレ ジャーに対する関与を測定するレジャー関与の尺度 も開発された 28)、29)。Dimanche et al 30)は、レジャー関 与尺度をレジャーそのものの快楽を示す「楽しさ」、 自分自身にとってそのレジャーの大切さを示す「重 要性」、記号的な価値を示す「サイン」、レジャー実 施後に後悔する可能性を示す「リスク可能性」、その 後悔がどの程度の確率で起こるかを示す「リスク確 率」とした。McIntyre 31)は、Dimanche et al 30)と同様 に、「楽しさ」と「重要性」をレジャー関与尺度とし たが、その他に、自己のライフスタイルへの影響度 合いを示す「中心性」、そのレジャーが自己のアイデ ンティティをどの程度構成するかを示す「自己表現 性」を尺度としている。坂口・菊池 32)、33)は日本語に よる IP をベースとしたレジャー関与尺度開発の研 究を行っており、その際「リスク可能性」と「リス ク確率」については問題を指摘している。この研究 によると、IP はもともとフランス語であるため、日 本語に翻訳するとその意味が調査対象者に伝わりに くく、そのため、有効回答数が少なくなり、内的整 合性の基準も満たされない調査結果となった。この ことから、日本語のIP に基づくリスク関連の設問に は課題が多いとしている 34) 、35)。よって、本研究では、 McIntyre 36)のレジャー関与尺度である4 次元をベー スに尺度化を検討した。この 4 次元について、 McIntyre 37)は、「楽しさ」と「重要性」の次元は、レ ジャー活動において、因子分析すると同一因子とな ると報告している。よって、本研究においても、次 元構造についてはデータ収集後の分析によって確認 する。 以上のように、社会心理学に起源をもつ関与概念 は、消費者行動研究で製品を対象とする感情に応用 され、さらに無形のレジャー活動に援用された。こ れらの分野での研究成果に基づき、本研究では観光 地に抱く思い入れの感情に関与を援用し、観光地関 与として測定することとした。 3) 訪問回数 図-1 のモデルで示した③の訪問回数については、 観光地と関わった時間が移住意図形成に影響を与え るとしている 38)、39)。そこで、この尺度については、 実数を用いることとした。 4) 移住不安 ④の移住不安については、移住に対する「家族の 反対」と移住先での「仕事・収入」・「人間関係」が 挙がっている 40)。移住先での「人間関係」について は、新たに良好な人間関係を構築できるかどうかの 不安である。ほかに、「買い物の利便性」や「医療・ 福祉」についても移住の不安要因となることが、潜
在的移住者への調査結果からも報告されている 41)。 そこで、上に挙げた5 項目をそのまま質問項目とし て設定し、移住不安の尺度とした。 5) 現状不満 ⑤の現状不満とは、現状の生活に対する不満のこ とであり、ライフスタイル移住のプッシュ動機と認 識される 42)。筆者による 2019 年発表の論文 43)にお いては「生活の不満」・「仕事の不満」・「ライフスタ イルの不満」が挙げられている。よってこのような 日常生活の不満をまとめて「現状不満」とし、近藤・ 鎌田 44)の現状満足感尺度を援用し、これを逆転項目 として用いた。 6) 移住意図 人がある行動を行うときに、その行動を遂行する かどうかを決める意識的な決定を「行動意図」とい う 45)。つまり⑥の移住意図とは、移住を行う前段階 の心理状態であり、意識的に移住を行うとする意思 の強度である。筆者は2019 年発表の論文によって、 観光経験による肯定的経験評価がプル動機となって 沖縄へ複数回訪問するリピーターとなり、日常生活 における不満というプッシュ動機が加わることで移 住意図が形成されることを明らかにした 46)。この移 住に対する意思の強度について、Mchugh 47)は、数か 月以内の近い将来に移住すると決めている移住予定 者の追跡調査を行い、その後、実際に移住する可能 性が高いことを示した。つまり、近い将来の移住計 画であれば、移住する可能性が高くなることが考え ら れ る 。 よ っ て こ の 知 見 お よ び Mchugh 48)の Migration intention の尺度を参考に、近い将来に移住 を行うかどうかを問う質問項目を設定し、移住意図 を測定する尺度とした。 以上のように図-1 のモデルについて尺度を検討 した結果は表-2 の通りである。この尺度を用いて 調査を行った。 3.調査方法 本研究では、先に提示した図-1 の移住意図までの 検証を行うため、沖縄へ観光経験があり、かつ移住 意向がある潜在的移住者を調査対象者とした。対象 地を沖縄にした理由は以下の通りである。まず観光 とライフスタイル移住とのつながりについて、欧米 の研究では、温暖なリゾート地を対象にした報告が なされており 49)、50)、51)、沖縄も同様に温暖なリゾート 地である。よって欧米の研究が日本においても適用 可能かどうか確認できる。次に、観光経験からライ フスタイル移住というつながりを検証するためには、 訪問回数や滞在日数などにおいての多様な訪問形態 や観光経験を持つ観光者が多く存在する必要があり、 かつその中に一定の移住意向を持つ人々の存在が必 要となる。この点については、2018 年度の沖縄県の 観光統計実態調査報告書によると、沖縄県への観光 者は、訪問回数は1 回から 30 回以上、滞在日数は 1 日から30 日以上となっており、経験している観光内 容も多様であることが報告されている 52)。さらに、 沖縄県への移住意向者への調査によって、一定の潜 在的移住者が存在していることが報告されている 53)。 これらのことから、沖縄県が妥当であると考えた。 調査はインターネット調査会社アスマークのパネ ルに対して以下の条件でスクリーニングを行った。 それは、20 歳以上 79 歳以下で、沖縄県出身ではな く、沖縄へ過去5 年以内に観光経験があり、移住希 望もあり、移住希望の理由が仕事や進学 (4)ではない というもので(図-2)、この 5 段階のスクリーニン グを経て抽出された400 名を対象に、2019 年 8 月 27 日~29 日にインターネットを通してアンケートを 実施した。調査項目は基本属性として、性別、年齢、 訪問回数、最長の滞在日数については実数、年収は いいえ はい はい いいえ ⽇本全国に居住の20歳から79歳の男⼥40,000⼈ 年齢対象外 本調査対象者 400名 沖縄県への移住希望の理由は仕事や進学である。 いいえ 沖縄県への移住希望がある。 いいえ 過去5年以内に沖縄県への観光経験がある。 はい 調 査 対 象 外 沖縄県出⾝である。 はい 図-2 調査対象者スクリーニング方法 尺度 次元 引用元 自己拡大 自然満喫 健康回復 知識獲得 現地交流 新奇体験
②観光地関与 楽しみ 重要性 中心性 自己表現 Laurent,G. & Kapferer,J.N.(1985)Mclntyre, N. (1989) ③訪問回数 実数 実数 家族の反対 就職収入 人間関係 沖縄振興開発金融公庫(2017) 買い物利便性 医療福祉 小原(2019a) ⑤現状不満 現状満足感(※逆転項目) 近藤・鎌田(1998) ⑥移住意図 移住意図 McHugh(1984) ①ポジティブ経験 林・藤原(2014) ④移住不安 表-2 尺度一覧
200 万円から 2000 万円および無回答を含めた 9 段階、 そして、表-1 で示した尺度に基づいた質問項目は 7 段階のリッカートスケール法(7. とてもそう思う~ 1. まったくそう思わない)によって回答を得た。 4.調査結果 (1) 基本的属性の集計結果 本調査対象者の内訳として、男性261 名(65.3%)、 女性139 名(34.8%)となった。年代は 40 代(31.5%) が最も多く、次に50 代(22.8%)、30 代(20.8%)と 続いた。また、5 年以内の訪問経験については、1 回 が198 名(49.5%)で、残り 202 名(50.5%)が 2 回 以上訪れているリピーターであり、その大部分が 2 ~3 回(35.3%)の訪問であった。また、滞在日数は 2~4 日が 264 名(66.0%)であり、5~9 日が 121 名 (30.3%)で 2~9 日の滞在期間で 9 割以上を占めた。 年収については、600 万円~800 万円が最も多く (21.0%)、続いて 400 万円~600 万円(19.0%)そし て、1000 万円~1500 万円(18.0%)となった(表-3)。 (2) 各尺度の集計結果 集計結果については、各次元平均に注目し概観す る(表-4)。まず、観光経験については、健康回復 が最も高くなっており(5.75)、次に自然満喫(5.69)、 そして新奇体験(5.40)となっている。質問項目に お い て 最 も 高 い 数 値 で あ っ た の が 健 康 回 復 の 「Q3-18 気分的にリフレッシュすることができた (5.93)」となっていることから、潜在的移住者の最 もポジティブな観光経験は休養やリフレッシュであ ると言える。同時に、自然満喫や新奇体験も高い数 値であったことから、身体的な活動面においてもポ ジティブな経験がなされていることが示される結果 となった。次に観光経験から形成されると考えられ る観光地関与については、楽しみが最も高く(5.46)、 次に重要性(5.28)、そして自己表現(4.87)、最後に 中心性(4.62)という結果になった。質問項目別に みると「Q4-1 私にとって沖縄は、最もリラックスで きる場所である」と「Q4-3 私にとって沖縄へ行くこ とは、なによりも待ち遠しく感じる」が最も高くなっ ている(5.47)。観光経験と同様に、潜在的移住者に とって沖縄は休養の場として認識されていることが 示された。そして、移住不安については、「Q5-2 沖 縄での就職や収入が不安である」(5.04)のみ平均値 が5 を超えており最も高い。逆に家族や友人の反対 は最も低く、唯一平均値が3.65 と 4 を切っている。 つまり、移住の阻害要因として、家族や周りの反対 は、あまり影響がないということが示されている。 現状不満に関わる質問については、今回の調査対象 者においては、おおむね現状の生活に満足している との結果が得られた。最後に移住意図については、 「Q7-1 沖縄へ強く移住したい」(4.18)と高くなって いるものの、具体な移住計画についての質問「Q7-2 今後 2 年以内に、沖縄へ移住する可能性がある」 (3.10)、「Q7-3 近い将来、沖縄へ移住する計画があ る」(3.67)と移住希望と移住計画との間には隔たり がある結果となった。 以上が各尺度について平均値から見た傾向である。 これらのデータを用いて、以下でさらに分析を進める。 なお、各質問項目において、平均と標準偏差の差が1 以下や和が 7 以上を示す天井効果および床効果は見 られず、正規分布が確認できたため、統計的な分析に は問題ないと判断した。なお統計分析については、 IBM 社の SPSS ver25 および AMOS ver25 を用いた。 (3) 観光地関与の因子構造の確認
本研究における中心的概念となる観光地関与の構 造を確認するために、探索的因子分析(最尤法・プ ロマックス回転)を行った(表-5)。まず、因子分 析の適切性を判断するために KMO の標本妥当性 (Kaiser-Meyer-Olkin measure of sampling adequacy)を 算出したところ、.938 となった。これは基準値 54) (KMO≧.050)よりも高い値であることから、因子 分析は適用可能であると判断した。また因子負荷量 および共通性が基準となる.40 以下を示した項目が なかったため 55)、56)、すべての項目を尺度として採用 し、因子数については固有値1 以上を基準にした。 その結果、2 因子が抽出された。第 1 因子として、 楽しみと重要性が同一因子として抽出された。この 結果はレジャー関与研究でも確認され 57)、この因子 は「魅力」と命名されている。したがって、本研究 性別 人数 割合 訪問経験 人数 割合 年収 人数 割合 男 261 65.3% 1回 198 49.5% 200万円未満 12 3.0% 女 139 34.8% 2~3回 141 35.3% 200~400万円 41 10.3% 年代 人数 割合 4~9回 47 11.8% 400~600万円 76 19.0% 20代 23 5.8% 10回以上 14 3.5% 600~800万円 84 21.0% 30代 83 20.8% 滞在日数 人数 割合 800~1000万円 63 15.8% 40代 126 31.5% 1日 2 5.0% 1000~1500万円 72 18.0% 50代 91 22.8% 2~4日 264 66.0% 1500〜2000万円 13 3.3% 60代 59 14.8% 5~9日 121 30.3% 2000万円以上 14 3.5% 70代 18 4.5% 10日以上 13 3.3% 無回答 25 6.3% 表-3 調査対象者の基本属性
においても楽しみと重要性を魅力因子とした。第 2 因子については、中心性と自己表現が同一因子とし て抽出された。中心性と自己表現の質問項目として 共通している点は、自己概念の一部と沖縄の関わり 合いについて質問しているという点である。このよ うな関わり合いについて、心理学では「同一化」と いう概念を用いている。同一化とは、その対象にお いて自分らしさを認識し、自分自身の必要な要素の 一つとなっていることを意味している 58)。潜在的移 住者の自己概念の一部に沖縄が関わっている状況を 示していると推察したため、中心性と自己表現を「同 一化」因子とした。これら2 因子(魅力因子と同一 化因子)のクロンバックα 係数を算出した結果、第 項目 第1因子 第2因子 共通性 第1因子:魅力(α=.949) (楽しみ).私にとって沖縄へ行くことは、なによりも待ち遠しく感じる .962 -.097 .805 (楽しみ).私にとって沖縄は、最も楽しい場所である .941 -.075 .793 (楽しみ).私にとって沖縄は、最もリラックスできる場所である .877 -.058 .702 (重要).私にとって沖縄は、最も関心のある場所である .783 .155 .805 (重要).私にとって沖縄は、最も興味深い場所である .756 .143 .743 (重要).私にとって沖縄は、最も重要な場所である .628 .324 .782 第2因子:同一化(α=.931) (中心).沖縄は私の生活において、中心的な役割を果たしている .-081 .961 .822 (中心).私の生活は、沖縄へ行くことを中心に予定が組まれている .-078 .929 .768 (自己).沖縄へ行くことで、あなたがどのような人間であるかとい う印象を他者に与えている .-050 .912 .772 (自己).沖縄へ行くことは、自分の個性を示すことである .100 .790 .772 (中心).私の人生において、沖縄は多くのことを教えてくれた .207 .589 .558 (自己).沖縄へついて、多くのことを他者に話すことができる .276 .551 .590 因子間相関 因子1 .693 因子2 .693 最尤法 プロマックス回転 χ2 =4834.999 df=66 p<.001 表-5 観光地関与の探索的因子分析の結果 尺度 次元 項目 M SD 次元M Q3-1.大自然を満喫することができた 5.64 1.24 Q3-2.きれいな空気や水を体いっぱいに吸収できた 5.74 1.15 Q3-3.自然を身近に感じることができた 5.70 1.16 Q3-4.訪問先の文化について理解を深めることができた 5.32 1.17 Q3-5.本物の文化を肌で感じることができた 5.34 1.19 Q3-6.訪問先の歴史について学ぶことができた 5.17 1.27 Q3-7.現地の人たちと仲良くなることができた 4.66 1.50 Q3-8.さまざまな人たちと出会うことができた 4.83 1.41 Q3-9.普段の生活では出会えない人と交流ができた 4.91 1.47 Q3-10.その場所でしかできない経験ができた 5.60 1.17 Q3-11.新しいことに挑戦することができた 5.03 1.34 Q3-12.単調な生活から抜け出すことができた 5.58 1.17 Q3-13.自分自身を見つめなおすことができた 4.89 1.36 Q3-14.自分の生活や生き方について考えることができた 4.97 1.32 Q3-15.精神的に成長することができた 4.79 1.31 Q3-16.日頃の疲れを癒すことができた 5.67 1.19 Q3-17.十分に休養することができた 5.64 1.23 Q3-18.気分的にリフレッシュすることができた 5.93 1.16 Q4-1.私にとって沖縄は、最もリラックスできる場所である 5.47 1.19 Q4-2.私にとって沖縄は、最も楽しい場所である 5.45 1.21 Q4-3.私にとって沖縄へ行くことは、なによりも待ち遠しく感じる 5.47 1.26 Q4-4.私にとって沖縄は、最も関心のある場所である 5.33 1.28 Q4-5.私にとって沖縄は、最も興味深い場所である 5.35 1.26 Q4-6.私にとって沖縄は、最も重要な場所である 5.18 1.31 Q4-7.沖縄について、多くのことを他者に話すことができる 5.13 1.29 Q4-8.沖縄へ行くことで、あなたがどのような人間であるかという印象 を他者に与えている 4.70 1.36 Q4-9.沖縄へ行くことは、自分の個性を示すことである 4.78 1.43 Q4-10.私の人生において、沖縄は多くのことを教えてくれた 5.09 1.33 Q4-11.沖縄は私の生活において、中心的な役割を果たしている 4.42 1.55 Q4-12.私の生活は、沖縄へ行くことを中心に予定が組まれている 4.35 1.66 Q5-1.家族や友人が沖縄への移住に反対である 3.65 1.63 Q5-2.沖縄での就職や収入が不安である 5.04 1.61 Q5-3.沖縄の移住先で良好な人間関係を築けるか不安である 4.45 1.53 Q5-4.沖縄での買い物などの日常生活での利便性が不安である 4.38 1.56 Q5-5.沖縄での医療や福祉が不安である 4.56 1.48 Q6-1.※今の生活には満足感がある 4.65 1.41 Q6-2.※毎日が平和で楽しいと感じている 4.66 1.42 Q6-3.※今幸せを感じている 4.74 1.42 Q7-1.沖縄へ強く移住したい 4.18 1.41 Q7-2.今後2年以内に、沖縄へ移住する可能性がある 3.10 1.55 Q7-3.近い将来、沖縄へ移住する計画がある 3.67 1.60 ※逆転項⽬ 4.80 5.28 5.69 5.28 5.46 5.75 4.88 5.40 3.65 4.68 4.42 4.62 4.87 観光経験 観光地関与 移住不安 現状不満 移住意図 自然満喫 中心性 自己表現 重要性 楽しみ 健康回復 自己拡大 新奇体験 現地交流 知識獲得 表-4 各尺度の集計結果
1 因子は.949、第 2 因子は.931 となり十分な信頼性を 確認できた 56)。よって、観光地関与は2 次元で構成 される概念という結果を用いて分析を進めた。 (4) 尺度の信頼性と妥当性の確認 前項で明らかになった観光地関与をはじめ、その 他の心理的変数の尺度モデルの信頼性と妥当性を検 証するために確認的因子分析を行った(表-6)。そ の結果、モデルの適合度は、χ2/df=2.51、CFI=.932、 RMSEA=.062 となり、χ2値と自由度(df)で除した 値(χ2/df)が基準値(χ2/df≦3.00)を満たし、CFI (comparative fit index)の基準値 59)(CFI≧.90)、 RMAEA(root mean square error of approximation)の 基準値 59)(RMSEA≦.080)といった指標のすべてを 満たしたため、比較的当てはまりの良い結果となっ た。よって、本研究で用いる尺度の構成概念には妥 当性があると判断した。次に尺度の信頼性を検証す るために、CR(composite reliability:合成信頼性) を求めた。その結果、先行研究が定める基準値 60) (CR ≧.60)以上をすべての因子において上回った。 また、尺度の妥当性の確認に関しては、AVE(Average Variance Extracted:平均分散抽出)を用いて収束的 妥当性を検証した。その結果、すべての因子におい て先行研究が定める基準値 60)(AVE≧.50)を上回る 結果となった。また、弁別的妥当性については、す べての1 次因子間の相関係数の 2 乗が AVE より低い 値を示した。以上のことから本研究で用いる表-2 の尺度の妥当性と信頼性は確認された。次に表-5 の探索的因子分析によって抽出された魅力と同一化 因子と観光地関与の関係を検証するために、観光地 関与を高次因子とした高次因子分析を行った。その 結果モデルの適合度は χ2/df =2.813、CFI=.988、 RMSEA =.067 となり、χ2/df、CR および AVE とも に基準値を満たしていたため、観光地関与は2 次元 で構成されるという妥当性と信頼性が確認できた (表-7)。 また、本研究では、因果モデルの検証を前提とし ているため、因子間相関の結果を見ながら、11 の因 子間の関連性について検証を行った(表-8)。まず、 因子間相関に多重共線性に問題がないか確認を行っ た。その結果、VIF(Variance Inflation Factor)が各 因子間で5 を超えていなかったことから、多重共線 性に問題がないと判断した 61)。次に、従属変数であ る移住意図に対して相関を概観すると、移住不安 (r =-.071)は負の相関となっており、それ以外に ついては正の相関となっていた。最も相関が高かっ たのは、同一化(r=.473)であった。 項目 CR AVE λ 観光経験:自然満喫 Q3-1.大自然を満喫することができた .97 .91 .944 Q3-2.きれいな空気や水を体いっぱいに吸収できた .985 Q3-3.自然を身近に感じることができた .936 観光経験:知識獲得 Q3-4.訪問先の文化について理解を深めることができた .96 .88 .950 Q3-5.本物の文化を肌で感じることができた 1.010 Q3-6.訪問先の歴史について学ぶことができた .845 観光経験:現地交流 Q3-7.現地の人たちと仲良くなることができた .91 .78 .872 Q3-8.さまざまな人たちと出会うことができた .857 Q3-9.普段の生活では出会えない人と交流ができた .919 観光経験:新奇体験 Q3-10.その場所でしかできない経験ができた .83 .63 .845 Q3-11.新しいことに挑戦することができた .730 Q3-12.単調な生活から抜け出すことができた .793 観光経験:自己拡大 Q3-13.自分自身を見つめなおすことができた .94 .84 .900 Q3-14.自分の生活や生き方について考えることができた .923 Q3-15.精神的に成長することができた .929 観光経験:健康回復 Q3-16.日頃の疲れを癒すことができた .89 .74 .848 Q3-17.十分に休養することができた .812 Q3-18.気分的にリフレッシュすることができた .913 観光地関与:魅力 Q4-1.私にとって沖縄は、最もリラックスできる場所である .95 .75 .828 Q4-2.私にとって沖縄は、最も楽しい場所である .846 Q4-3.私にとって沖縄へ行くことは、なによりも待ち遠しく感じる .866 Q4-4.私にとって沖縄は、最も関心のある場所である .880 Q4-5.私にとって沖縄は、最も興味深い場所である .850 Q4-6.私にとって沖縄は、最も重要な場所である .910 観光地関与:同一化 Q4-7.沖縄へついて、多くのことを他者に話すことができる .93 .68 .777 Q4-8.沖縄へ行くことで、あなたがどのような人間であるかという 印象を他者に与えている .867 Q4-9.沖縄へ行くことは、自分の個性を示すことである .866 Q4-10.私の人生において、沖縄は多くのことを教えてくれた .778 Q4-11.沖縄は私の生活において、中心的な役割を果たしている .861 Q4-12.私の生活は、沖縄へ行くことを中心に予定が組まれている .810 移住不安 Q5-1.家族や友人が沖縄への移住に反対である .53 .90 .507 Q5-2.沖縄での就職や収入が不安である .581 Q5-3.沖縄の移住先で良好な人間関係を築けるか不安である .724 Q5-4.沖縄での買い物などの日常生活での利便性が不安である .905 Q5-5.沖縄での医療や福祉が不安である .819 現状不満 ※逆転項目 Q6-1.今の生活には満足感がある .96 .89 .771 Q6-2.毎日が平和で楽しいと感じている .879 Q6-3.今幸せを感じている 1.139 移住意図 Q7-1.沖縄へ強く移住したい .79 .52 .900 Q7-2.今後2年以内に、沖縄へ移住する可能性がある .835 Q7-3.近い将来、沖縄へ移住する計画がある .789 適合度:χ2/df=2.514 CFI=.932 RMSEA=.062 表-6 確認的因子分析の結果 次元 CR AVE λ 2次因子 観光地関与 魅力 .720 .850 .943 同一化 .901 適合度:χ2/df=2.813 CFI=.988 RMSEA=.067 表-7 観光地関与の高次因子分析の結果
5.仮説の検証
表-2 で設定した尺度の妥当性および信頼性が確 認できたことから、図-1 のモデルについて、共分 散構造分析(structural equation modeling)を用いて分 析した。その結果、知識獲得意欲および新奇体験に ついては、魅力および同一化の両方ともに非有意と なり、観光地関与に影響を与える経験ではないとい う結果になった。また、現地交流については、魅力 に対して非有意となった。そのため、非有意のパス を削除し再度分析した結果が、図-3 である。モデ ルの適合度を確認したところ χ2/df=3.302、p <.000、 CFI=.902、RMSEA=.076 であった。共分散構造分 析における帰無仮説は、「モデルは正しい」である。 よって今回の χ2検定では帰無仮説が棄却され、モデ ルは正しくないことになる。しかし、共分散構造分 析においてサンプルの多い標本では、χ2検定で帰無 仮説が棄却されることがあるものの、その他の適合 指数が良好であれば採択してもよいとされてい る 62)。よって、CFI および RMSEA は基準値内であ るため、モデルは適合していると判断した。 各要因から伸びるパスについては、太線は p 値 が.001 以下で有意、細線は.05 以下で有意、破線は.05 以上により非有意なパスを示している。今回の分析 では非有意なパスを対象から外し、有意なパスにつ いて確認する。観光地関与に最も大きな影響を与え ている観光経験が自己拡大であり、魅力(β=.42, p <.001)および同一化(β =.61, p <.001)となった。 次に、健康回復から魅力(β =.29, p <.001)、現地交 因子間相関 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 1.自然満喫 ー 2.知識獲得 .604 ー 3.現地交流 .421 .613 ー 4.新奇体験 .768 .678 .621 ー 5.自己拡大 .479 .651 .747 .714 ー 6.健康回復 .684 .604 .394 .734 .529 ー 7.魅力 .523 .472 .392 .578 .535 .565 ー 8.同一化 .293 .436 .587 .474 .681 .347 .747 ー 9.移住不安 .082 -.025 .023 .103 .002 -.015 -.023 -.010 ー 10.現状不満 .227 .187 .111 .259 .173 .218 .200 .173 .037 ー 11.移住意図 .018 .187 .372 .142 .372 .039 .311 .473 -.071 .019 ー 表-8 因子間相関 ※破線は⾮有意 適合度:χ2 /df=3.302 CFI=.902 RMSEA=.076 有意⽔準: ***p <.001 **p <.005 * p <.05 知識獲得 現地交流 新奇体験 ⾃⼰拡⼤ 魅⼒ 同⼀化 移住意図 移住不安 現状不満 .20*** ‐.11*** .42*** .61*** .29*** .14*** .27*** .51*** ‐.10* .08* 訪問回数 .20*** .22*** ⾃然満喫 健康回復 図-3 モデルの検証結果
流から同一化(β =.27, p <.001)、自然満喫から魅力 (β =.20, p <.001)、健康回復から同一化(β =.14, p <.001)の順となった。自然満喫から同一化に対し ては、負の影響も確認された(β =.-11, p <.001)。 次に観光地関与から移住意図への影響要因を確認 すると、魅力から移住意図へのパスは非有意である。 しかし、同一化から移住意図については比較的強い 影響が確認できた(β =.51, p <.001)。また、移住不 安は移住意図に負に有意(β =.-10, p <.05)で、現 状不満からは移住意図は、係数は低いものの有意 (β =.08, p <.05)であった。さらに、訪問回数は、 魅力(β =.20, p <.001)および同一化(β =.22, p <.001)に対して有意に影響を与えている。 以上の結果から、図-1 のモデルについて、潜在 的移住者を対象とした定量的な分析においても妥当 性があることが検証できた。 6.考察 本研究の目的は、潜在的移住者による観光経験が 移住意図形成にどのような影響を与えるかについて、 図-1 のモデルを定量的に検証することである。よっ て、まずは、移住意図形成に最も影響を与える観光 地関与における同一化因子に焦点を当て考察を進め る。また、同一化については、先述した通り、対象 者にとって沖縄が自己概念の一部を形成している状 態であるとした。このような自己と場所との関連性 を示した概念は既往の研究でも多く取り扱われてお り、その代表的な概念として「Place attachment(場 所への愛着)」がある。Low & Altman 64)は場所への愛 着について「場所と人々との絆」と定義している。 この定義に基づくと、本研究における同一化と類似 している概念であると考えられるため、場所への愛 着に関する先行研究を含めて、調査結果を考察する。 (1) 同一化の形成要因 同一化形成に正の影響を与える観光経験は、現地 交流、自己拡大、健康回復であり、負の影響を与え るのが自然満喫であった。まず、これらの観光経験 について分析する。 1) 現地交流 移住研究において、地域住民との交流が移住を促 すという調査結果が多くみられ、地元の人との関わ りによって地域に愛着を形成する 65)、集団に対する 肯定的な態度が地域への愛着を高める 66)といった 指摘がなされた。このような研究は、すでに住民と なっている人々の地域への愛着を取り扱ったもので ある。これに対し本研究では、観光による訪問にお いて現地交流を行うことでも、地域への同一化形成 に影響を与えるという結果が得られた。つまり、住 民にならずとも、観光による一時的な訪問よって、 場所への同一化が形成されることから、愛着も形成 される可能性があることを示した。 2) 自己拡大 ライフスタイル移住は自己のライフスタイルや生 活の質の向上を目指して行う移住 67)である。本調査 で得られた自己拡大が最も同一化形成に影響を与え るという結果は、ライフスタイル移住の定義に沿っ ている。このような自己拡大と場所との関係につい て、ライフスタイル移住を取り扱った既往の研究で は、アウトドア活動とニセコの関係 68)、種子島と サーファーの関係 69)、生き方への変化の希求と沖縄 の関係 70)などがある。これら研究は自己拡大に適し た場所へ移住するという文脈で報告されている。こ うした自己拡大のための移住において、本研究の結 果で示した場所への同一化が、移住を促進する要因 の一つとして考えられる。 3) 健康回復 健康回復に関わる調査結果も、同一化の形成に影 響を与えることを示している。沖縄への移住動機の 研究において、療養目的という移住動機の存在が明 らかとなり 71)、潜在的移住者への調査においても、 沖縄では心身ともに健康な生活ができるという期待 が示されている 72)。つまり、これらのことから、健 康的な生活を行いたい潜在的移住者が、観光経験に よってそれが実現可能な場所だと認知すると、その 場所に対して同一化が形成されると考えられる。 4) 自然満喫 自然満喫は同一化に負の影響を与えるという結果 になった。つまり、自然満喫をしない方が、同一化 形成には有効であるということである。観光経験と デスティネーションに対する同一化を扱った先行研 究においても、あらゆる観光経験が同一化に負の影 響を与えるという報告はなされていない 73)、(5)。その ため、このように先行研究とは異なる結果が出たこ とについて、現在のところ、これを説明するだけの 十分な根拠は揃っていない (6)。
5) 訪問回数 移住者の多くは、移住前に複数回訪問しているこ とがこれまでの研究によって報告されている 74)、75)。 しかし、この関連性を焦点化し、実証した研究はこ れまでになかった。今回の結果では、リピート訪問 が直接的に移住意図に影響するという点については 非有意であったものの、同一化に対して有意に影響 を与えているため、間接的に移住意図に影響を与え ていることが示された。このことにより、リピーター とライフスタイル移住は関連するということが明ら かになったと言える。 (3) 移住意図に影響を与えるその他要因 移住意図形成に対して最も影響を与える要因が同 一化であるものの、その他に図-1 のモデルにおける 2 つの要因も移住意図形成に有意に影響を与えること が示された。そこで、その要因についても考察する。 1) 移住不安 移住に関する調査において、移住を阻害する要因 として、仕事や住居、移住先の生活環境などが挙げ られている 76)。本調査によるモデルの定量的検証に おいても、実際に移住意図に負の影響を与えている ということを実証した。よって、移住者を募る自治 体による仕事や住居などに関する支援を行うことは、 潜在的移住者の不安を解消し、移住を促進すること に効果的であると言える。 2) 生活不満 ライフスタイル移住は生活の質の向上を目指して 行われる。したがって、ライフスタイル移住者は、 現在の生活スタイルに何らかの不満要因があり、そ れがライフスタイル移住のプッシュ要因になるとさ れてきた 77)、78)。本研究においても、移住意図の形成 に現在の生活の不満が正の影響を与えるという結果 を出し、これまでの研究報告を定量的に実証した。 7.まとめと課題 本研究の目的は、筆者の2019 年発表の論文におけ る質的調査方法に基づいて構築したライフスタイル 移住の意思決定要因と決定までのプロセスを示すモ デル(図-1)について、潜在的移住者に対して定量 的検証を行い、観光経験とライフスタイル移住意図 の関係を明らかにすることであった。その検証によ り、以下①~⑦が明らかになった。① 潜在的移住者 は、沖縄に対して「魅力」と「同一化」で構成され る「観光地関与」を形成している。② 「観光地関与」 の形成は「自然満喫」・「現地交流」・「自己拡大」・「健 康回復」の経験が影響している。③ 「移住意図」形 成に影響を与えるのは「同一化」のみである。④ 「同 一化」に最も影響を与える経験は「自己拡大」であ る。⑤ 「訪問回数」は「観光地関与」に影響を与え る。⑥ 「現状不満」は「移住意図」に影響を与える。 ⑦ 「移住不安」は「移住意図」に負の影響を与える。 なお、自然満喫が同一化に負の影響を与えるという 結果については、先に述べたように、これを説明す るためのデータや文献が見当たらないため、今後の 検討課題としたい。 以上の学術的成果をふまえ、実務的な意義について も説明しておく。今回のモデル検証によって潜在的移 住者の移住意図を形成させる要因が明らかになった。 また、移住意思決定のプロセスが明らかになったこと で、どの時点でどのような働きかけが観光者を潜在的 移住者に変容させるのに有効であるか、今回の検証を 通して明らかになり、実務的な示唆を得ることができ た。よって、観光者に対して、移住意図を形成させる ための働きかけとして、例えば次のような方法が有効 である。観光経験については主に「自己拡大」を感じ させるような取り組みを行い、その場所に対する「同 一化」に影響を与える。するとその場所自体が、観光 者の自己概念を形成する一部となり、この同一化が 「移住意図」の形成に大きな影響を与える。しかし、 本研究では、移住意図から移住決断に至る段階につい ては検証していない。そのため図-1 のモデルにおけ る⑥の段階にある移住意図が形成された潜在的移住 者に対して、どのようにすれば自治体等が行う仕事や 住居の面での移住支援が効果的に働くかについては、 今後検討していく必要がある。 最後に、本稿で提示したライフスタイル移住の意思 決定要因と決定までのプロセスのモデルを一般化す る上での限界と残された課題について述べる。図-1 のモデルは沖縄への移住者の聞き取り結果をもとに 構築されたため、その定量的検証においても、沖縄県 を対象地として選択した。しかし、沖縄県はいわゆる 「本土」から地理的に離れているため、「本土」の住民 にとって、ここを訪れることは金銭的負担が大きく時 間もかかる。したがって、気楽に行けるとは言い難い 場所である。そのため、観光先として沖縄を訪問した 時点で、関与水準が高い状態であると考えられる。筆
者が過去に沖縄への観光者を対象に実施したアン ケート調査では 79)、関与水準の違いによって訪問回数 や満足度などに違いがあることも明らかになってい る。よって、低関与観光者も訪れるような観光地の移 住者を対象に移住理由を分析するなど、他地域での検 証を重ねモデルの精度を高めていく必要がある。そし て、今回の調査は、沖縄への潜在的移住者に対して、 図-1 の「移住意図」までを検証するにとどまってい る。しかし、移住意図から実際に移住の決断をどのく らいの潜在的移住者が行うのかについては追加調査 が必要であり、この点についても今後定量的な検証が 必要であると考える。 謝辞:本研究を行うにあたり、和歌山大学大学院観光学研 究科の吉田道代教授に御指導いただきました。感謝申し上 げます。また、匿名の査読者からは有益なコメントを多く いただきました。この場を借りて感謝申し上げます。 【補注】 (1) 参考文献 5)は、筆者による観光経験とライフスタイ ル移住の関係に関するレビュー論文であり、先行研究 については、この論文から参照している。 (2) M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ) とは、データに密着した分析から独自の理論生成を可能 とする質的研究法であり、研究対象となる現象が、プロ セス的性格を持っているものに対して適用される 80)。 (3) モデル検証を行うにあたり、予備的な定量調査を行い、 その結果は、公表されている 79)。 (4) 仕事は経済的理由であり、進学は進学先が沖縄にある という理由である。よって、ライフスタイル移住の定 義には当てはまらないため除外した。 (5) 観光行動研究では、デスティネーションに対してブラ ンド理論を援用し、デスティネーション・ブランドと して研究されている。この研究では、デスティネーショ ン・ブランドは観光経験によって形成されるとしてい るが、そのデスティネーション・ブランドにおける構 成要素の一つとして、Destination brand Identification(観 光地ブランド同一化)が最も重要な構成要素であると 指摘されている 73)。この研究において、観光経験を、 感覚的経験、感情的経験、行動的経験、知的経験とし ており、知的経験のみ、同一化形成に非有意であるが、 それ以外の経験はプラスに有意であり、本研究のよう にマイナスに影響する観光経験は確認されていない。 (6) ブランド研究において、自分自身への関心や内面へ注 意を向ける傾向を私的自己意識とし、この私的自己意 識がブランド同一化に影響を与えることが明らかに なっている 82)ものの、マイナスの影響については触れ られていない。デスティネーション・ブランド研究お よび、ブランド同一化研究の知見を参照しても、同一 化に負の影響を与えるという先行研究に基づいた根 拠を見出すことができない。 【参考文献】 1) 総務省統計局(2016):日本の統計 2016,日本統計協 会,p.8
2) Benson, M. & O’Reilly, K. (2009): Migration and the Search for a Better Way of Life: a Critical Exploration of Lifestyle Migration, Sociological Review, 57(4), pp.608-625 3) Cuba, L. (1991): Models of Migration Decision Making
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4) 小原満春(2019a):観光経験がライフスタイル移住の 意思決定に与える影響:沖縄への移住者を対象とした M-GTA 分析に基づく一考察,日本国際観光学会論文 集,26,pp.99-107 5) 小原満春(2019b):ライフスタイル移住の意思決定に 関する研究:観光経験による態度形成過程を中心とし たアプローチに向けて,観光学評論,7(2),pp.111-122
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9) Bowen, D. & Schouten, A. F. (2008): Tourist Satisfaction and Beyond: Tourist Migrants in Mallorca, International
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10) Cuba (1991): op.cit., pp.208-209 11) King et al. (1998): op.cit., p.100 12) Rodriguez (2001): op.cit., pp.58-59 13) Truly (2002): op.cit., pp.276-277
14) 長友淳(2013):日本社会を「逃れる」:オーストラリ アへのライフスタイル移住,彩流社
15) Johnston, C. & Kawai, J. (2011): Why Did I Come Here? Migration Motives of Raifusutairu Ijusha Living in Auckland, New Zealand, The Journal of The Japan
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16) 須藤直子(2013):「沖縄移住」再考-観光客はいかに して「移住者」になるのか,琉球・沖縄研究,4, pp.138-161 17) 中村哲・西村幸子・髙井典子(2014):「若者の海外旅 行離れ」を読み解く―観光行動論からのアプローチ, 法律文化社 18) 小原満春(2019a):前掲論文,p.101 19) 小原満春(2019a):前掲論文,p.101 20) 林幸史・藤原武弘(2012):観光地での経験評価が旅 行満足に与える影響―観光動機と旅行経験の観点か ら,関西学院大学社会学部紀要,114,pp.199−212 21) 林幸史・藤原武弘(2012):前掲論文,p.201 22) 小原満春(2019a):前掲論文,p.101 23) 小原満春(2019a):前掲論文,p.104 24) 小原満春(2019a):前掲論文,p.106
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30) Dimanche et al. (1991): op.cit., p.57 31) Mclntyre (1989): op.cit., p.172 32) 坂口俊哉・菊池秀夫(2001):スポーツ活動における 関与測定尺度の開発:日本語版Involvement Profile の 作成と検討,スポーツ産業学研究,11(2),pp.11-22 33) 坂口俊哉・菊池秀夫(2002):日本語版 IP(Involvement Profile)の検討:レジャーフィッシングへの適用,ス ポーツ産業学研究,12(2),pp.47-61 34) 坂口俊哉・菊池秀夫(2001):前掲論文,p.20 35) 坂口俊哉・菊池秀夫(2002):前掲論文,p.60 36) Mclntyre (1989): op.cit., p.172 37) Mclntyre (1989): op.cit., p.174 38) 小原満春(2019a):前掲論文,p.103 39) 須藤直子(2013):前掲論文,p.158 40) 小原満春(2019a):前掲論文,p.103 41) 沖縄振興開発金融公庫(2017):沖縄県への移住意向 に関する調査 42) 長友淳(2013):前掲書,p.145 43) 小原満春(2019a):前掲論文,p.100 44) 近藤勉・鎌田次郎(1998):現代大学生の生きがい感 とスケール作成,健康心理学研究,11(1),pp.73-82
45) Fishbein, M. & Ajzen, I. (1975): Belief, Attitude, Intention, and Behavior: An Introduction to Theory and Research, Boston, Addison-Wesley
46) 小原満春(2019a):前掲論文,p.102
47) McHugh, K. (1984): Explaining Migration Intentions and Destination Selection, Professional Geographer, 36(3), pp.315-325
48) Ibid., p.319
49) Cuba (1991): op.cit., p.205 50) Rodriguez (2001): op.cit., pp.57-58
51) Bowen & Schouten (2008): op.cit., pp.141-142
52) 沖縄県(2019):平成 30 年度観光統計実態調査,沖縄 県文化観光スポーツ部観光政策課
53) 沖縄振興開発金融公庫(2017):前掲調査,p.10 54) Kaiser, H. F., & Rice, J. (1974): Little Jiffy Mark IV.
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56) Nunnally, J. C. & Bernstein, I. H. (1978): Psychometric Theory, New York, McGraw-Hill
57) Mclntyre (1989): op.cit., p.174
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64) Low, S. M. & Altman, I. (1992): Place Attachment: A Conceptual Inquiry (Altman, I. & Low, S. M., Eds. Place Attachment, Boston, MA, Springer US), p.1
65) 谷口綾子・今井唯・原文宏・石田東生(2012):観光 地における多様な主体の地域愛着の規定因に関する 研究―ニセコ・倶知安地域を事例として,土木学会 論文集 D3(土木計画学),68(5),pp.551-562 66) 引地博之・青木俊明(2005):地域に対する愛着形成 の心理過程の検討,景観・デザイン研究講演集,No.1, pp.232-235
67) Benson & O’Reilly (2009): op.cit., p.1
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74) 小原満春(2019a):前掲論文,p.103 75) 須藤直子(2013):前掲論文,p.158
76) 沖縄振興開発金融公庫(2017):前掲調査,p.10 77) 長友淳(2013):前掲書,p.145
78) Johnston & Kawai (2011): op.cit., p.8
79) 小原満春(2020):観光地関与が与える影響要因に関 する研究:沖縄への観光者における事例,観光学,22, pp.51-59 80) 木下康仁(1991):グラウンデッド・セオリー・アプ ローチ:質的実証研究の再生,弘文堂 81) 小原満春(2020):前掲論文,p.57 82) 久保田進彦(2010):同一化アプローチによるブラン ド・リレーションシップの測定,消費者行動研究,16 (2),pp.1-26