算数・数学と社会をつなげる力の育成に関する研究-中学校数学における数学的モデリングを用いた学習を中心に-
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(2) また、「っなげる力」を構成する要素について、. 多くの人が関わる内容であること(日常的に. 先行研究で挙げられている枠組みを参照し、その. 関わる内容であること). 特性について考察を行った。. ・生徒自身にとって、何か利益が得られる内容. 第2節では、中学生が社会の問題を解くために. であること. は、どのような力が身についていないのかについ. また、生徒が将来解けるようになりたいと感じ. て調査している先行研究を概観した。. る文脈内容は、以下の3点であることを指摘した。. 第3節では、「つなげる力」を育成するために. ・生徒にとって、その問題の解決が役に立つ内. 有効と予想される学習形態として、数学的モデリ. 容であること. ングに焦点を当て、その特性について整理した。. ・解くことが困難で、その解決過程、解決結果. また、「っなげるカ」と数学的モデリングの関連に. が予測しづらい内容であること. ついて述べた。. ・生徒がおもしろさを感じる内容であること. 第3章では、生徒がどのような文脈であれば社. 第4章ではrっなげるカ」の育成を目指した授. 会における数学の有用性を感得するのか、どのよ. 業を提案した。. うな文脈を解きたいと感じるのかを明らかにする. 第1節では、「社会における現象や問題に取り. ために筆者が行った調査について述べた。. 組む際に必要となるカや感覚の育成」に焦点をあ. 第1節では、調査Iについて述べた。調査1で. てた授業を提案した。具体的には、安全な車間距. は、筆者が社会において数学が利用されている例. 離を求めることを目的とし、現実事象に仮定を設. を提示し、その例に対して生徒は数学の有用性を. 定しながら解決していく授業を開発した。. どの程度感じるのかを調べた。また、「社会におい. 第2節では、r数学と社会のつながりに関する. て数学が役に立っていると思う場面を調べよう」. 意識・態度の育成」に焦点をあてた授業を提案し. というレポート課題を出し、その課題に対して、. た。具体的には、「日本で預金する場合とアメリカ. 生徒はどのような事例を見つけてくるかを調べた。. で預金する場合とでどちらがお得か」ということ. 調査Iの結果として、筆者が提示した例に対して、. を題材とした授業を提案した。. 生徒はある程度数学の有用性を感得していたこと、. 今後の課題として、提案した授業を実践し、そ. また、レポート内容では、生徒が直接関わる私的. の有効性について分析していかなければいけない. な内容や、公共的な内容が多い傾向にあることが. と考える。また、第4章で扱うことができなかっ. 分かった。. たrっなげるカ」の要素を含むような教材の開発. 第2節では、調査■について述べた。調査Iで. もしていきたいと考える。. は、生徒のレポートをもとに文脈が異なる9つの トピックを作成し、r数学が役に立つ」と思うトピ. 主任指導教員 崎谷眞也. ック、「将来、解けるようになりたい」と思うトピ. 指導教員 國岡高宏. ックを生徒に選択するよう求めた。その結果から. 生徒が数学の社会における有用性を感得する文脈 内容として、次の2点を指摘した。 ・その文脈内容が一部の人だけではなく、より. 一347一.
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