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算数・数学と社会をつなげる力の育成に関する研究-中学校数学における数学的モデリングを用いた学習を中心に-

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Academic year: 2021

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(1)   算数・数学と社会をつなげるカの育成に関する研究 一中学校数学における数学的モデリングを用いた学習を中心に一 教科・領域教育学専攻 自 然 系 コ 一 ス. M 0 8 1 7 7 A 森  口  直  弥 ③数学的モデリングにより、「つなげる力」の育成. 1.研究の目的.  平成20年に改訂された中学校学習指導要領に.  を目指す授業提案を行う。. おいて、数学科の目標の一つに「事象を数理的に 考察し表現する能力を高める」ことが挙げられて. 2.論文の概要. いる。事象を数理的に考察する場面として、「現実.  第1章では、社会で求められている数学の力に. 事象を考察する」場面と「数学の世界における事. ついて述べた。また、生徒の数学に対する意識に. 象を考察する」場面の2つが取り上げられている。. ついて考察した。. また、先行研究において、社会が求めている数学.  第1節では、平成20年に改訂された中学校学. の力には、大きく分けて、r数学を社会で使う力」. 習指導要領や、先行研究をもとに、中学校数学科. と「数学を用いて伝える力」の2つのカがあるこ. や社会で求められている数学の力について述べた。. とが明らかにされている。.  第2節では、生徒が数学に対してどのような意.  しかし、生徒の数学に対するいくつかの意識調. 識を持っているのかを「教育課程実施状況調査」. 査から、学年が上がるにつれて、数学の社会にお. 「全国学力・学習状況調査」の2つの調査をもと. ける有用性を感得している生徒の割合が減少傾向. に考察した。. にあることや、実際に、数学を社会の問題に活用.  第3節では、本研究の目的について述べた。. しようとする生徒の割合が低いことが指摘されて.  第2章では、先行研究を概観し、社会の問題を. いる。. 数学を用いて解くために必要な力について考察を.  そこで、本研究の目的を、次の3点とする。. 打つだ。. ①社会の問題を数学を用いて解決する際に、必要.  第1節では、rつなげる力」を、次のように定.  となる力(「っなげる力」)の要素を明らかにす. 義した。.  る。.  「社会における現象や問題を数学を用いて解決. ②「つなげるカ」を育成するために有効と予想さ. する際に必要となる力(知識・技能・考え方)や.  れる学習形態として、数学的モデリングに焦点. 感覚であり、また、そのような問題に対して取り.  を当て、その特性を整理する。. 組もうとする意識・態度」. 一346_.

(2)  また、「っなげる力」を構成する要素について、.   多くの人が関わる内容であること(日常的に. 先行研究で挙げられている枠組みを参照し、その.   関わる内容であること). 特性について考察を行った。.  ・生徒自身にとって、何か利益が得られる内容.  第2節では、中学生が社会の問題を解くために.   であること. は、どのような力が身についていないのかについ.  また、生徒が将来解けるようになりたいと感じ. て調査している先行研究を概観した。. る文脈内容は、以下の3点であることを指摘した。.  第3節では、「つなげる力」を育成するために.   ・生徒にとって、その問題の解決が役に立つ内. 有効と予想される学習形態として、数学的モデリ.   容であること. ングに焦点を当て、その特性について整理した。.   ・解くことが困難で、その解決過程、解決結果. また、「っなげるカ」と数学的モデリングの関連に.   が予測しづらい内容であること. ついて述べた。.  ・生徒がおもしろさを感じる内容であること.  第3章では、生徒がどのような文脈であれば社.  第4章ではrっなげるカ」の育成を目指した授. 会における数学の有用性を感得するのか、どのよ. 業を提案した。. うな文脈を解きたいと感じるのかを明らかにする.  第1節では、「社会における現象や問題に取り. ために筆者が行った調査について述べた。. 組む際に必要となるカや感覚の育成」に焦点をあ.  第1節では、調査Iについて述べた。調査1で. てた授業を提案した。具体的には、安全な車間距. は、筆者が社会において数学が利用されている例. 離を求めることを目的とし、現実事象に仮定を設. を提示し、その例に対して生徒は数学の有用性を. 定しながら解決していく授業を開発した。. どの程度感じるのかを調べた。また、「社会におい.  第2節では、r数学と社会のつながりに関する. て数学が役に立っていると思う場面を調べよう」. 意識・態度の育成」に焦点をあてた授業を提案し. というレポート課題を出し、その課題に対して、. た。具体的には、「日本で預金する場合とアメリカ. 生徒はどのような事例を見つけてくるかを調べた。. で預金する場合とでどちらがお得か」ということ. 調査Iの結果として、筆者が提示した例に対して、. を題材とした授業を提案した。. 生徒はある程度数学の有用性を感得していたこと、.  今後の課題として、提案した授業を実践し、そ. また、レポート内容では、生徒が直接関わる私的. の有効性について分析していかなければいけない. な内容や、公共的な内容が多い傾向にあることが. と考える。また、第4章で扱うことができなかっ. 分かった。. たrっなげるカ」の要素を含むような教材の開発.  第2節では、調査■について述べた。調査Iで. もしていきたいと考える。. は、生徒のレポートをもとに文脈が異なる9つの トピックを作成し、r数学が役に立つ」と思うトピ. 主任指導教員  崎谷眞也. ック、「将来、解けるようになりたい」と思うトピ. 指導教員 國岡高宏. ックを生徒に選択するよう求めた。その結果から. 生徒が数学の社会における有用性を感得する文脈 内容として、次の2点を指摘した。  ・その文脈内容が一部の人だけではなく、より. 一347一.

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参照

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