Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College,
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Title
東京歯科大学市川総合病院における閉塞性睡眠時無呼吸
に対する口腔内装置治療の現状
Author(s)
今井, 琴子; 大西, 雄英; 井坂, 栄作; 平賀, 智豊; 布
施, 佑磨; 佐藤, 一道; 野村, 武史; 吉田, 知彦; 露無,
松里; 中島, 庸也; 宮内, 潤
Journal
歯科学報, 116(5): 396-396
URL
http://hdl.handle.net/10130/4089
Right
Description
396 学 会 講 演 抄 録
№27:東京歯科大学市川総合病院における閉塞性睡眠時無呼吸に対する口腔内装置治療
の現状
今井琴子1)
,大西雄英2)
,井坂栄作1)
,平賀智豊1)
,布施佑磨1)
,佐藤一道1)
,野村武史1)
,
吉田知彦3)
,露無松里3)
,中島庸也3)
,宮内 潤4)
(東歯大・オーラルメディシン口外)1)
4)
(東歯大・市病・歯口外)2)
(東歯大・市病・耳鼻)3)
(東歯大・市病・臨検)
目的:東京歯科大学市川総合病院では1999年2月よ 症例が9例(19%)であった。来院経路は院内紹介
り閉塞性睡眠時無呼吸(以下 OSA)に対し口腔内 が32例(68%),他院は15例(32%)であ っ た。男
装置(以下 OA)を用いた治療を行っている。OA 性35例(74%),女性12例(26%)と男性に多く,
は上下顎を一体としたものを応用しているが,歯 年齢層は41~50歳にピークがみられた。BMI18.5
科・口腔外科では2015年6月から画一的な装置とな kg/m2
以 上25.0kg/m2
未 満 の 標 準 体 重 症 例 が21例
るよう作成方法を統一した。今回当院の OSA に対 (45%)と最も多く,30.0kg/m2
以上の症例は2例
する OA 治療の流れの概説及び2015年6月から2016 (4%)で あ っ た。院 内 紹 介32例 の う ち 終 夜 睡
年5月までの1年間に OA 治療を行った症例の臨 眠 polysomnography 検査による評価を行い得た症
床統計学的検討を併せて報告する。 例は27例で,治療効果は著効10例(37%),改善9
方法:当院耳鼻咽喉科を含めた専門機関で睡眠検査 例(33%),効果なし8例(30%)であった。効果
を行い OSA と診断され,歯科・口腔外科にて OA なしには,自覚症状の 改 善 と AHI の 減 少 を み る
を装着した47例を対象とした。検討項目は,無呼吸 が,基準を満たせないものが含まれた。
低呼吸指数(以下 AHI),来院経路,性差,年齢,
考察:軽症から中等症,Nasal-CPAP の脱落例に対
Body-Mass-Index(以 下 BMI),OA の 治 療 効 果 し OA 治療が行われている現状が再確認された。
(院内紹介症例)とした。治療効果は,装着後の 治療効果に関しては,十分な効果が得られない症例
AHI が装着前の50%以下かつ装着後 AHI が5回/h もあったが,週に一度行うカンファレンスで再作製
未満を著効,装着前の50%以下だが5回/h 以上残 や他の治療の検討が行われた。一方で,OA 治療開
存する場合を改善,それ以外を効果なしとした。 始時には,治療に伴う副作用,経過観察や治療効果
結果:47例の内訳は,AHI5回/h 以上15回/h 未満 判定の必要性を十分に説明し協力を得るように努
の軽症例が15例(32%),AHI15回/h 以上30回/h 未 め,脱落症例は2例に止まった。
満の中等症例が23例(49%),AHI30回/h 以上の重
№28:東京歯科大学水道橋病院の食品紹介ブースの開設2年間の利用動向調査
大久保真衣1)2)
,上田貴之1)3)
,杉戸博記1)4)
,渡邊 章1)5)
,勢島 典1)6)
,森岡俊行1)7)
,飯塚美穂1)
,
7) 1) 2) 3)
前多孝信8)
,矢島安朝1)
(東歯大・水病)(東歯大・口健・摂食嚥下)(東歯大・老年補綴)
4) 5) 6) 7)
(東歯大・保存)(東歯大・口腔顎顔面外科)(東歯大・歯周)(東歯大・口腔インプラント)
8)
(株式会社クリニコ)
目的:外科処置などを伴う歯科治療,新しい義歯の 結果:立ち寄り延人数は1,948名,1日平均4.1名で
装着の直後などには,一時的に咀嚼が困難となり, あった。うち指示書持参は413件,口頭指示は163件
食形態の変更が必要になる場合がある。歯科大学病 であった。指示書持参では,月平均,2014年2.5件,
院では多種にわたる診療をおこなっており,食事摂 2015年11.9件,2016年42.5件と増加傾向が認められ
取困難である症例を種々経験してきている。そこで た。診療科別総数では,口腔外科が221件,インプ
我々は,そのような状態の発生が予想される外来患 ラント科が85件,補綴科が49件の順で多かった。ま
者に対して,市販の軟食や栄養補助食品,栄養補助 た,口頭指示では月平均,2014年3.2件,2015年6.8
飲料などをベースに,これらの食品などを組み合わ 件,2016年9.2件と増加傾向が認められた。診療科
せた食事メニューの考案を試みた。この取り組みの 別総数では,口腔外科が83件,栄養士が29件,その
一つとして2014年7月から,この食事に関する食品 他14件の順で多かった。
などの紹介ブースを東京歯科大学水道橋病院で開設
考察:病院内でも周知されて,年々増加している様
している。今回当ブースに立ち寄った人数と診療科 子が認められた。診療科により年代の違いや困るこ
の調査をおこなったので報告する。 との違いが出ることが示唆された。これにより,歯
方法:東京歯科大学水道橋病院で歯科診療を受けた 科診療の内容や経過,年代による嗜好の違いによる
患者およびその家族が,当ブースに立ち寄った者の 適切な食事指導実施の可能性,また患者の苦痛の軽
人数を調査した。そのうち歯科医師や管理栄養士か 減,栄養状態の改善,軟らかい食事を作る手間の軽
らの指示書持参もしくは口頭指示で当ブースに訪れ 減などのニーズの有無等について詳細な検討を行っ
た者を診療科別に調査をおこなった。期間は2014年 ていく予定である。
7月から2016年6月までとした。
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