Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
リプロダクションセンターでの男性不妊診療 : とくに精
液検査の意義について
Author(s)
石川, 博通
Journal
歯科学報, 113(4): 413-413
URL
http://hdl.handle.net/10130/3179
Right
市川総合病院において平成14年4月リプロダクションセンターが開設され産婦人科,泌尿器科が一体となり 不妊をカップルとして診療するという画期的な体系が確立されました。さらに男性側では不妊症例の他に ED,男性更年期および低ゴナドトロピン性性腺機能低下症など男性性機能障害のあらゆる症例の診療を行っ ています。また全国に先駆けて担癌者で化学療法もしくは放射線療法が予定されている男性の精子凍結保存を 積極的に行っています。これらの診療内容に関して統計的事項を中心に概説いたします。 このように当院では不妊診療は男女のカップルとして行っていますが,一般には不妊は婦人科のクリニック で診療をしており,女性のみ診察して男性は精液検査を行うだけという異常な状況になっています。このため 精液検査は人工的な授精の方法を決定するためだけのもので,しかも受精率を上げる目的のためにほとんどの 場合精液所見にかかわらず,いちばん高度な顕微授精が選択されることになります(結局顕微授精のスケ ジュールの中に精液検査が組み込まれています)。このような現状を踏まえて精液検査について再検討してみ たいと思います。精液検査とは一般に精液量,精子濃度,精子運動率,精子正常形態率を算定して,精巣での 精子形成機能を評価するものです。精液検査所見に影響する因子として遺伝子,精巣でのサイトカイン,ホル モンなど根本的なものの他に射精時の内的因子としての体調,禁欲期間,検査環境および外的因子の気温,湿 度などがあります。また不妊臨床の場での精液検査の目的は1)精巣機能の評価(初診時の診断)2)治療効 果の判定(精巣機能の変化の評価)3)授精法の決定(精子自体の評価)4)ART 時の精子選択(児の質の 評価)に分けられます。1)∼3)に関してはある程度妥当性がありますが,4)に関しては本質的な選択は 不可能であり,精液検査としての意義は少ないと思います。このように精液検査は限界はありますが,男性不 妊の診療のみに有用であり,それを使用して男性を評価することこそ不妊診療の中で重要な位置を占めるもの と考えます。 ≪プロフィール≫ <略 歴> 昭和49年3月 慶応義塾大学医学部卒業 昭和49年6月 慶応義塾大学医学部泌尿器科助手 昭和56年4月 国立霞ヶ浦病院泌尿器科医長 昭和58年4月 筑波大学臨床医学系講師(腎泌尿器グ ループ) 昭和61年7月 カリフォルニア大学サンフランシスコ校 医学部泌尿器科研究員 昭和63年4月 筑波大学臨床医学系講師(腎泌尿器グ ループ) 平成3年4月 東京歯科大学市川総合病院泌尿器科助教 授 平成14年3月 東京歯科大学市川総合病院リプロダク ションセンターセンター長 平成17年2月 東京歯科大学市川総合病院泌尿器科教授 <関係学会,学術団体等> 日本泌尿器科学会 評議員,専門医,指導医 日本レーザーリプロダクション学会 副理事長 日本受精着床学会 理事 東洋医学会 専門医 日本生殖医学会 専門医