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理解過程に及ぼす認知的モニタリングの役割について

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(1)Title. 理解過程に及ぼす認知的モニタリングの役割について. Author(s). 佐藤, 公治. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 35(2): 87-100. Issue Date. 1985-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4976. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 理解過程に及 ぼす認知的モニタリングの役割について. 佐. 藤. 公. 治. 1。 序. われわれが学習や問題解決の場面で効率的・適応的に行動していく, つまりは知的であるために は, 一つのシステムとして考えられる一連の認知過程が課題解決の ゴールに向かって最大限に効率. 的に働くように統制していく ことが必要である. 人間の認識活動を考えていく際にこのような認知 過程そのものをコントロールする機能や過程を想定することの重要性が指摘されるよう になっ たの は 人 間 の 知 的 活 動 を コ ン ピ ュ ー タ ・ シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ っ て 明 ら か に して い こ う と す る 計 算機 科. 学やそれに端を発した情報理論的アプローチによる認知心理学の研究からである これらの研究で .. は, 指令過程. i (execut ) な い しは 統 制 過 程 (cont veprocesses ) と 呼 ば れ て い る が, rolprocesses. 広く認知過程を監視する機能をもち, 常に効率よくシステムが働くようにコントロー ルする機能と. して 存 在 して い る と 考 え る (Bobrow,1975;Becker ,1975; Bobrow & Norman,1975; Dennett,. 1 97 8;Norman 981 ) ,1 . このサブシステムには少なくとも課題を理解し, 課題解決のための方略と そのルーチンを決定する planning の 活 動, 実 行 過 程 をモ ニ タ ー す る moni ing の 活 動 実 際に 得 tor , られた結果と課題解決の ゴールとの比較から方略の適切さと活動の成否を評価 する checking の 3 l つ の 活 動 が 含ま れ て い る (Browne ta ). こ の よ う に, わ れわ れ が知 的 に 活動 し て いく た め . ,1983. には, あるいはシステムが人間の知的活動に近づくためには, 技能や知識そのものが備わっ ている だけでは不十分で, 認知システムが効率的に働くように調整するサブシステムが必要不可欠 である こ と が指 摘 さ れ て い る.. これと同様のことは, 最近の認知課題の成績の発達差や個人差についての論議の中にもみられ , それ らを単に各々 の子どもや 人が持っ ている知的機能のよしあしによってのみ説明することはでき. ず, これらの知的機能をどのように使うかということ が十分 考慮されなければならないということ である. われわれはす でに子どもの認識能力の発達に関す るすぐれた理論としてピアジェの発達理. 論を持っている. しかし, 発達的変化や発達上の制約を知識構造の変化や構造的制約 によっ てのみ 説明することへの疑問が多く出されているのも事実である。 認知発達をどれだけ自己の認知システ. ムを効率よく使えるか, 制御 できるかという指令機能の発達によっ て説明しようという試みがメタ. ion) の 研 究 で あ る そ こ では 広 い 意 味 では 「い か に して 学 ぶか を 学 ん でいく」 認知 (me taco t きmi , . l ( earninghow tol ) ことが問題にされており, メタ認知の問題は今日の認知発達研究の基本 ea rn. 的 な 課 題 と な っ て いる と い わ れ て い る (Par i ). s & Lindauer ,1982. 本論文では, はじめにメタ認知の概念が認知発達研究の中でどのような経緯によっ て登場するに いたっ たのかという背景と, メタ認知が認知の発達にとっ てどのような機能的役割を有しているの. か, 最終的にはこの概念によって人間の発達についての理解 がどれほどまで深まっていく可能性が 87.

(3) . 佐. 藤. 公. 治. こついて論じる. 次に, 本論文の後半では, 筆者らが行なった文章の理解過程に あるかといっ た点る 働く認知的モニタリン グの実験的研究について述べ, 最後に筆者らの研究も含めて, メタ認知研究 の問題点と今後の課題について考察する. この論文においては, あくま でもこれま で行なわれてき たメタ認知研究の大まかな動向を概観し, 今後のメタ認知研究が解決すべきいくつかの問題点と今 後の研究方向を筆者なりに考えることを目的としている. 従って, 個々 の研究についての詳細にわ. たる紹介と評論はここでは行なわない. これらを含め, 本稿 で取り上げることの できなかった諸点 については稿を改めて論じる予定である.. 2. メタ認知の出現 l lによって提 1 ave メタ認知の概念はもともとは記憶方略の発達的研究から派生してきたもの で,F 唱さ れたものといわれ, 類似の概念は他の研究者や研究領 域においても用いられている. 例えば,. i& l f lagher l ion (Gal ) の se Piagetの ref tract ‐awareness ), Bobrow (1975 e×iveabs , 山Dza ,1978. tacomponents等. こ れ ら は い ず れも 自 ) の me Simon( ) の metastatements 1979 ,Sternberg (1980. 己の認知過程に関わることについての知識や認知過程のモニターといった認知のシステムの指令・ 制御を目的としたより高次なレベ ルの知識やサ ブシステムのことを意味している点では共通の枠組 をも っ て い る.. それでは具体的にメタ認知はどのように定義されているのだろうか. しばしば指摘されているよ うに, このメタ認知については研究者間で一致した操作的定義ないしは概念的定義がないのが実情. である. このことはメタ認知研究そのものが抱えている方法論その他のいくつかの研究上の問題点 が反映されていることであり, 逆に定義や概念のあいまいさが研究の混乱をもた らしているともい l l( )の定義をあげてみる. つまり, 「メ 197 6 ave える. ここ では, とりあえずしばしば引用される F1 知過程から得られたもの タ認知とは, その人自身の認知過程とその認 , あるいはそれらと関連する ものについてのすべてに関する知識をさす. (中略)とりわけ, メタ認知は認知的対象やデータと関 連づけながら, 具体的な課題の ゴールや目的のために認知過程を能動的にモニ ターし, その結果と して認知過程を調整し, 編成することを指している.」 (Pp .232 .アン ダーラインは筆者)というもの で あ る.. この定義では, 認知過程に関わる知識とモニタリン グの活動の2つの意味がきわめてあいまいな 1 l lの場合は,認知的モニタリン グの重要性が強調されていて 形 でしか述べられていない.特に F ave メタ認知的知識の位置づけがはっきりしていない点や, メタ認知的知識やメタ認知 的経験といった. l l 97 9;1981 ) ave メタ認知の諸変数を分類的に列挙 したにとどまっている (F1 ,1 . そして同じような 問題は依然として今日のメタ認知研究にそのままあてはまること で, これらのメタ認知の諸変数が 具体的に認知の成立にどう機 能しているかが実証的に示されてい ないことや各変数間の機能的関連 が明らかになっ ていないことが, メタ認知的知識と当該の知識そのものや技能とどう 区別されるの. か, つまりメタ認知なる概念は単に 屋上屋を重ねるシロモノにす ぎないという批判の背景 にあるの である. あ る い は Cavanaugh & Perlmutter (1982) が 主 張 す る よ う に, メ タ 認知 的知 識 や メ タ 認 ・ 知的活動を内観法によってとらえる方法を用いた場合にはその内観データに知識それ自体や認知 技 能が反映されてしまい, 両者の区別があいまいになっ ているといっ た方法論上の問題もある (方法 論の問題については5. で改めて触れる) . l lの定義で, メタ認知的知識と認知的モニタリン グの区別と両者の機能的関連のあい 1 上の F ave 88.

(4) . 理解過程に及ぼす認知的モニタリングの役割. ま いさ が み ら れ る こ と に 関 し て, Brov l vn (Brown & Campione 983 ) は両者 ,1981;Brown eta .1 は発生の源が異なるもの で異質なものとして区別している. 前者の認知に ついての知識は認知機能 の発達の後に成立するもので, 比較的安定した文脈や課題を越えた一般的なものとして存在し 意 , 識化されやすいも のであるという. これに対して後者は認知過程の調整という機能を持ち まさに , 認知活動を遂行している時にそれをモニターするために存在するもので, その内容は課題や文脈に. 依存したもの で, 比較的発達の水準からは独立しており, 必ずしも意識化 して言及しやすいものと はいえないものであるという. そして Brownはもっ ぱらメタ認知を認知 的モニタリングの問題と. してとらえようとしている.Brownのこのような両者の区別 は最近の他のメタ認知研究でもみられ る傾向であり, メタ認知の概念をより明確にしていくという点では正しい 方向と考える あるいは . メタ認知を認知的 モニタリングの活動としてとらえ, 具体的な課題や文脈の中でどう認知 の成立に 関わっていくかを明らかにするという作業が最も必要になっているといえよう 人工知能等の研究 。 ivecon で用 い ら れ て き た 指 令過 程 (execut l t ) の概念はある限定された文脈の中で, その文脈に ro 関わる知識や技能との明確な位置づけを持ちながら用いられてきたのに 対して, メタ認知の場合は 特定の課題や文脈の中で具体的な認知活動とどう関わるのかといったとらえ方が少ないと思われる. からである. 3。 発達におけるメタ認知の持つ意味 ここではメタ認知の概念を発達研究の中に持ち込むことによっ てどれだけ人間の発達に ついての. 理解が深まる可能性があるのか, あるいはどれだけ発達がよりよく説明されるのかという点る こつい て 考 え て み る.. 人間の発達的変化あるいは発達上の制約を何 によって説明するかという問題を考えた時に, まず Pi tの発達理論が上げられることは誰も否定しないだろう しかし, ここ数年間に起っ ているも age . う一つの発達研究内における新しい動きとしては, Pi t理論に代表される 「構造的」 制約の再吟 age. lmont& But f i l d 味と, 反 構 造 主 義(Be ter )と でも 呼 ぶべ き も の の 拾 頭 であ ろう. 特 に Pi e t age ,1977. の理論に対しては発達の移行のメカニズムが不明であるとか, 構造によ っ て発達を説明する場合に もあまりにも大雑把な形 でしか発達変化がとらえられていないといっ た批判はかなり以前からも指. 摘されてきた通り である.しかもこうした流れの変化は Pi tのお膝下 であるジュネーブにおいて age. もみられ, 構造への関心から 「問題解決の手続きと方略」 といっ たテー マに代表されるような行動 の機能的研究, あるいは知識構造と行動 の機能のメカニズムの問題に移っ てきているといわれても l l i i l l 98 3 t いるのである (Bu ) nge r& Cha on ,1 . 知識構造の制約を考えない, いわば 「反構造主義」 の考え方に立っ ものとしては, ①発達-容量説, ②方略使用, あるいはメタ認知論, ③知識ベース 978; S i l 98 3 発達説が考えられる (Brown ) eg e r ,1 ,1 。 このうち容量説を除いては発達をアクセス ( )の問題, つまり発達は知識への接近可能性が増大すること, さらにはアクセスの 一般化の ac ce s s. 問題として考える点では共通のもの である. 特にここで問題になっ ているメタ認知はアクセスの- 般化-- 知識が特殊な文脈を越えて自由になることと意識されるようになる - を具体的に可能にす る機能的役割をはたすものと考えられるのである. 従ってメタ認知 が発達に対して持っている役割 というのはアクセスの一般化と増大化を見現化すること であるといえよう。. それではアクセス理論 (正確には発達のアクセス増大化理論) は人間の発達をどのように説明す るのであろうか, また発達をアクセスで考える意義は どこにあるのであろうか。 人間の発達をアク 89.

(5) . 佐 藤 公 治. ) 「節約の原理」 (簡単に言えばいちい 1 972 セスの増大化で考えることの根拠の妥当性は Fodo rの( i ち構造を変えるのは無駄なことだということ) ) のシステムの安定性を保つために 1976 n( , と Roz. ive t はアクセスの増大化が合理的 であるといっ た考え方 で示されている. 特に認知生態学 (coを犯i lo I Ro i etho z nは知能の進化の研究から人間の知能の特徴としてこのアクセ ≦郭) の 立 場 に 立 つ Pau. i ス性を強調するの である. Roz nの考えは以下のようなものである.. 知能は複雑な生物学的システム であって, 階層的に構造化された, 適応的に特殊化された( adap ‐. i ial i ion) レ パ ー ト リ ー, つ ま り プ ロ グラ ム の こ と, か ら 成 っ て い る 動 物 の 場 合 は こ の t zat vespec .. i il i t i は シ ス テ ム の き わ め て 限 定 さ れ た 構 成 要 素 と か たく 結 びつ け ら れ て い て ア ad t 、 ap ve speca za on. i nの理論では,進化の過程を経て,認知プログラム(つまり クセスできる可能性は限定されている.Roz. ivespec ia l i ion ) は シス テ ム の 他 の ユ ニ ッ トに 対 して も ア ク セ ス す る こ と が で き る よ う に adapt zat. なり, 多様な状況に対しても柔軟に使うことができるようになる. 一方, この進化と共に プロ グラ ムは新しいシステムの中に結び入れられ, 極端な場合には意識化のレベ ルの中に入れられる (意識 へのアクセス) ことになり, このようになるとあらゆるすべての範囲のものに対してこの プロ グラ i ムが適用可能となる(最大限の柔軟性) nの以上のアクセス可能性理論の中 で特に発達研究に . Roz. iousaccess ldi )の 考 え であ る. 前 者 と っ て 重 要 な の は 溶 接(we ng)の 概 念 と 意 識 的 な ア ク セ ス(consc. の概念は, 初期の子 どもの認知能力の寄せ木的な性質, つまり プロ グラムがはじめに獲得された限 定的な文脈とかたく結びついていて柔軟に使えない, を説明するために用いている. そして年少の. 子どもの プロ グラムはあらゆる事態に使うことができないばかりか, 意識化されることも言及され i ることもできない状態になっ ているという訳である.Roz nによると「発達は孤立しているスキル同 士を一つの可能な究極としては意識へと拡張していくことによって, 少しずつ拡張させ, 同時にそ れらを相互に結びあわせていく過程」 ということになる. そしてこの意識への拡張が意識的なアク. セスの考え方 であり, スキルあるいはルーティ ンについて意識的なアクセスがより成熟した人間の 知能の高 次な形態 であると言う. この意識 的なア クセスこそ がメ タ認知 の制御 ・調節機能その in は 公 教 育 の 多く は 頭 の 中 に あ る ru l basedcomponentsヘ ア ク セ ス す る 過 も の な の であ る. Roz e ‐ i i ly に 理 解 す る i i l t t ら 程 であ る と も 言 う. つ ま り, す でに impl に は 用 い れて いる シ ス テ ム を expl c c y. ようになる過程である.. l i i t 以 上 の Roz n の 考 え と ほ ぼ 類 似 の 考 え 方 は Gardner お よ び Pyl yshyn の 知 識 の mu ple な ア ク l l l bi l i iveaccess f ion ty と自 己の知 的 活 動 を 再 考 す る 能 力 ( ) と して の re ref セ ス としてのf ect ect exi. 982より) がある(以上, Brown ,1 . もちろん, このようなアクセス増大化理論に対してアクセスは i ll98 1の制約理論)も当然のことながらあるが, この点に どこまでも可能かという議論(例えば Ke. ついてはここ では触れない.. l ive a Roz in ら の mul iple と ref t t ec cce s sが発達の方向 であることが具体的に展開さ れているの. ) の 研 究 に お い て であ る. ノ ヴィ ス (novi ) が 新 しい 学 習 の 状 況に 直 面 は エ キ ス パ ー ト (expert ce. した時にうまく達成できないのは, 必要なスキルが不足しているだけでなく, 効果的に課題を解く ための方略の知識や どのような ゴールがの ぞま しいか, その ゴールに到達するま でに どのよう な ルーティ ンのステッ プが必要かということが十分 わ か っ て い な い た め であ る と い う. 多く の エ キ ス パート研究で示されていることは, エキス パート化のプロセスは効果的な達成のために必要なルー. ). ル, 方 略, ゴー ルに つ い て の 知 識 を 獲 得 して いく プ ロ セ ス であ る と い う こ と であ る(Lawson ,1984. これはまさに意識的なアクセスへの発達ということにもなろう. そして, ある一つの領域の中で大人がエキスパート化されていくのと, 子どもが学習技能を発達 ) さ せ て いく の と は き わ め て 類 似 し た 過 程 で あ る こ と が 示 さ れ 始 め て お り (Brown ,1982 , エキス 90.

(6) . 理解過程に及ぼす認知的モニタリングの役割. パー ト化, つまりはr f l i t e e c veなアクセス であるメタ認知の発達は人間の知的能力の発達 を説明す る上での重要な側面になっているのである. 4。 実. 験. -- 文章の理解過程に働く認知的モニタリ ングの役割 脚一 1 ( ) 目的 すでにこれまでみてきたように, メタ認知の研究は当初は記憶方略の使用の問題をはじめとする メタ記憶の研究で発展してきたも のであるが,今日ではさらに読解をはじめとする種々 の理解過程 , コミュニケーション, 注意, 社会的認知といっ た領域における認知活動にはたす役割が検討され て i いる (そ れ ら の 研 究 の レ ビ ュ ー と して は Par s & Lindaur ,1982;Brown ,1983 を参照) . なか でも 文章の理解をはじめとする理解過程に関わるメタ理解は理解が人間の認識を考えた時に最も高次 な, かつ根幹となる認識活動 であることから極めて重要な部分になってきている. 特にこの理解過. 程における認知的モニタリングは直接, 具体的な理解の成立や理解の程度を左右するものであり , さらには理解過程のメカニ ズム を解き明か していく 上 でも一つの鍵に なっ ているといえよう . Ma 19 )が指摘するように, 今日の認知心理学研究の成果 で明らかになっ たことは人が文 rkman( 81 章を読ん で理解したり, ものごとを理解するということは個々のセンテンスや現象の一側面を理解 することだけではなく, 全体的な意味やさらには背後の意味, 全体を貫いている一つの法則や原則 を把握するということなの である. そこでは自己の既有知識と新しい情報を関連づけたり, 個々の. センテンスどう しや事象間をつなげて一つのまとまりのある構造を作っていくことであり, 自己の 中に一つのわかったという一貫したものが作られ, 感じられなければならないのである したがっ .. inferent ial and cons ive process て こ の 理 解 過 程 は き わ め て 推 測 的, 構 成 的 な 過 程 ( t t ruc lng , Markmanl 981 ) といえよう このような構成的な理解過程では 理解の目標をどう設定し 理解. . , , の作業のプランを作り, さらには実際の理解過程をモ ニターしながら制御 していくかという認知的 モニタリン グがきわめて重要な役割を持つことになるのである. この理解過程における認知的モニタリングの中でも自分の知識の状態を評価す ること, つまりこ の こ と は 自分 はよくわかっ た, あるいはこのことはわからないということの評価 は一連の知的活 ,. 動の出発点になるものである. 人はわからない, 十分に納得していないと感じるから十分に理解を 深めるべく知的活動を展開するの であり, この評価のしかたによっ て次の知的活動の目標の設定の. しかたは影響されるの である. しかし 「わかった」 か否かの基準は個人の内部 で決められるもので あり, またどの程度知識が構造化されているか, どういった理解のしかたを ゴールとして設定した か (多少あいまいでもわかっ たとしてしまうか否か) といったいくつかの要因の影響をうけるも の. でもある. 知識の状態の評価は Ma )によって情報間の矛盾や一貫性のなさにどの程度気付くか 1 979 rkman( という形 で検討されている. Markmanは文章の前と後の部分 で矛盾した内容が書かれてある文章. を示し, 情報間の矛盾にどの程度気付くか, つまりどの程度ま で自分の理解をモニターしているか を調べた. 矛盾情報がはっ きりと文の中に明示して書かれていない場合には, 被験者となっ た小学 校3, 5, 6年生のうち6年生 でも自発的に矛盾を指摘できなかった. 矛盾があることを教示であ らかじめ知らせておくと, 矛盾の発見はある程度促進されたが, 3年生の場合ではこの条件 でも依 然として矛盾に気が付かない者 が多かった。Ma rkmanはこれらの結果から,子どもは自分が本当に 91.

(7) . 佐. 藤. 公. 治. 理解したか否かを自発的に意識化することは難かしく, 特に年少の子どもは文全体に一貫性がなく てもおかしいと感じないで, 十分理解したと 思い込ん でしまうという. そして子どもが矛盾を発見. できない要因は, 彼らが文章を読み進んでいく際に次はどういうことが書かれてあるかという期待 rkmanの研究に や予想を持っ ていないことが大き な要因であると結論している. その後, この Ma. l 1983 1982 1981 ta )ら が 批判 的 な 検 討 を加 え て い る. ) ( ) ( setal 対して Harri . . ,Tunmnare ,Ackerman( 子どもたちが矛盾に気付かないのは単に期待を持 特に Acke rmanは っ ているかどうかによるの で はなく, 文章の全体の文脈や構造を形成することによってそこから一貫 生のない矛盾のある内容に なっているか否かをチェックすることができない ため であることを実 験結果から主 張している. Acke rmanは, 小学校3年生の子どもが矛盾を無視 したり, 物語を変形してしまうことによって物 語の中の情報の 矛盾を記憶の中 では一 貫性の あるも のと して理解 して しまうと いう Mosenthal ( ) の結果を引用して, この結果からも全体の文脈情報を矛盾発見の手がかりとして使えない 1979. ことが原因であると結論している.. l ta ) は Markman の 結 果 で3 年 生 でも 矛 盾 を 発 見 で ), Tunmare ま た Ackerman (1982 . (1983. きなかっ たのは用いた文章が比較的なじみのない, 論理的に推論していくことが必要な科学説明文 l で あ っ た こ と も 関 与 し て い る と し て, 材 料 の 効 果 を 検 討 して い る が, Tunmnareta .が用いた日常文. の結果では, はるかに年齢の低い7歳の子どもでも容易に矛盾に気づいていた. 本実験では次の諸点を明らかにすることを目的とする. )が述べているように情報間に矛盾があることに 気付くのは文章全体の構造 ( a ) 1982 rman( . Acke. や文脈から引き出されると考えられるが, 矛盾に気づくことと全体構造を作っ ていくこと, つまり 情報の再 構成過程とはきわめて ダイナミ ッ クな相互作用 をしながら進行していると考えた方がよ. い. 予盾に気 が付か なか っ た ら一 貫性 を持 っ た形のまち が っ た再構成を して しま っ た, つまり 理解の目標を別のところに設定して しまっ たために矛盾に気が付かなく な っ たということもある だろう. このような時には大人でも矛盾を感 じなく なる. この考え方から矛盾の発見の 程度と子 どもがどういう 意味の再構成をしていっ たかということの関係を明らかにする. 主要な b ( ) . 本研究では矛盾の発見を一連の文章の理解過程の中に位置づけて検討していくことを 目的としているが, 矛盾の発見の程度を文を読み終わっ た, つまり意味の再構成過程を経た後で質 問によ っ て聞くだけでは不十分で, 実際に文章を読解している過程の中でどのようなモニタリン グ の活動を展開しているかをリアル・タイムに, しかも客観的な測度を用いてとらえることが必要 で あ る. こ こ では 文 章 の 読 み の 過 程 を チ ェ ッ ク す る こ と に よ っ て 読 解 の プ ロ セ ス をと ら え, さ ら に こ. れと矛盾の発見の程度, 意味の再構成の内容との関連を一連の理解の内的 プロセスという形で検討 する. プ ( c ) . 第3の目的は矛盾の発見のしやすさに 及ぼす文章のタイ の効果を検討すること である.. Ma )が指摘してもいるが, ある領域について構造された情報を持っている方がモニタ 19 81 rkman( リングが容易になる. ちよう どエキス パー トと初 心者の違いは持っている情報が多く, かつうまく 構 造 化 さ れて い る た め に, エ キ ス パ ー ト がよ り う ま い モ ニ タ リ ン グが でき る の と 同 じよ う に, 同 じ. 子ども でもそのことについて 既有知識を持っ ていたり, 日常経験していることに関した文章はより 矛盾の発見が容易になると考える. また物語文の場合には内容的には平易 であろうが, 論理的な構. 造が発見しずらいので説明文よりも逆に矛盾に気付かないことも考えられる. 以上, 3つのタイ プ の文章の矛盾の発見のしやすさの違いを検討する. ( 2 ) 方法. ( ) a . 被験者 92. 小学校2年, 5年, 大学生各群60名ずつ, 計180名 で, 各年齢群は以下で述べる 3.

(8) . 理解過程に及ぼす認知的モニタリングの役割. つの文章条件群に20名ずつ小学生は知能水 準が偏よらないよう に考慮 しながらラン ダムにふり分 け た.. b ( ) 。 実験条件と材料 ここでは3種類のタイ プの文章条件が設定され, それぞれの条件に 対して 4つの文章が用意された. 各文章条件はさらに文章の中で矛盾している2つの情報が接近した位置. に書かれた場合 (易条件) と離れた位置に置か れた場合 (難条件) の2つの条件に分けた 説明文 . 条件は論理的構造がはっきりした動物についての説明文を用い 物語文条件では 比較的論理 的構 , , 造がはっきりしていない短い物語が用いられた 日常文条件 で用いられたものは 論理的構造はは っ . , きりしているが日常,経験しているような活動や 事象について書かれたものである 各文 章はすべ て . 13,7× 6 cm の大きさの厚紙に 1枚につき1文ずつフェルトペンで記入し 冊子にした これは被験 , . 者が文章をどのように読み進ん でいくか例えば読み返しをどこ で行なうかといったことを観察する ためにとられたものである.例として説明文の易条件で用いられた「庭ヘビの話し」の文章をのせる . ①いろいろな種類のヘビがいます.②2メート ルもある大きなヘビもいれば20センチくらいの小さな ヘビもいます. ③あるヘビはおそろしい毒を持っていますが あるヘ ビは毒を持っていず 人の役 , , に立つヘビもいます. ④たとえば庭ヘビは虫を庭に近づけないことで人の役に立っています ⑤庭 。 ヘビは虫を食べます. ⑥庭ヘビは音で虫をみつけます ⑦虫はとくべ つな音を出します ⑧庭ヘビ . . は耳を持っ ていません. ⑨庭ヘビはいつもたくさんの虫をつかまえることができます (各文の前の . 数字はカー ドの番号である.) c ( ) . 手続き ①教示;実験は個別実験の形式 で行ない, 文章提示に先立ち, 短い文章 を読ん でも らうが読み終わっ た後に, 書いてあっ た内容や文章の中でわからな いこと 変な部分等について質 , 問をする旨の教示を行なう。 文の読み方は自由で読み直しも好きなよう にやってよいことをつけ加 えた. ②読解行動の観察;モニタリングの活動の指標として 文章を読ん でいる時のカー ドを読んで , 2,0. 国 お 話 の中 で、 わか ら な いところ や、 変 だと 思 っ た とこ ろ は あり ま せ ん でしたか。 どう して 変 だと 思 いま したか。. 園どんなところが (どうして) 変ではないと思いま したか。(国で 「ない」 と答えた時) 国今読んだお話には、 どんなことが書いてありまし. ( 矛 盾 発見. 国庭ヘビはどのようにして虫を見つけますか。 国庭ヘビは耳を持っていますか。. 得 1O . 点 ). たか。. 持 っ て いる. ○ ノ. 1 ,5. . ′ ′ ′. 持っ て いな い. 国耳を持っていない庭ヘビは、 どのようにして虫の 出す音を聞くのでしょう。 団お話はよくわかりましたか。(変なところはあり ませ ん でしたか。. 図1。 矛盾の発見と文章の理解に関する 質問の例 (「庭ヘ ビの話し」). 0,5. 説明文 日常文. /. 0 物語文. 2年生. 5年生. 大学生. 図2。 文章条件別の各学年の矛盾発見の程度 93.

(9) . 佐 藤 公 治. いく順番やよみ返しの部分, 被験者の言語的発話を実験者が観察・記録した. なおこの観察は活発 なモニタリン グがみられると予想された説明文と物語文の2条件でのみ行なわれた. ③矛盾の発見 と文章の理解に関する質問;文章が読み終わっ てから, 情報間の矛盾をどの程度まで気付いていた か, また文章をどう理解していたかをさ ぐるために図1のような質問を番号順に行なっ ていっ た. 質問の1~3は被験者が自発的に矛盾に 気付いていたかということ, 文章の理解のしかたをとらえ るためのもので, 質問4~7 (8) は矛盾してある部分についての文の再生と再認を行なわせて,. 被験者に注意を喚起させ, 自発的に矛盾に気付かなかっ た者が実験者の働きかけ でどの程 度矛盾を 発見するかをみるものである. 3 ) 結果と考察 (. 文章提示後に行なわれた質問に対する反応から, を発見していたかを推定した どの程度情報間の矛盾 . 質問3ま での段階で矛盾を指摘した場合は2 点, 4以降の質問で矛盾に 気付いた時は L点, 気付かなかっ たのは0点として得点化した. その結 ( a ) . 矛盾の発見に及ぼす文章のタイ プの効果. 果が図2である. 文章のタイ プと学年の2要因分 散分 析を行なっ た結果, 学年にのみ主効果がみら ) 37 れた(F=112 .2 , P<.01 . また学年毎に3つの文章間のt-検定を行なった結果, 大学生では ) 間で有意差がみられ, 2年生 ) 7 説明-物語 (t=3.15 , P<.01 , P<.01 , 日常-物語 (t=3,2. )間で傾向がみられたが,それ以外は差はなかった. 矛盾の発見, では説明一 物語(t=1.70 , P<.1 つまりは認知的モニタリングの能力が年齢と共に上昇するということはとりたてて問題にするほど意味 のあることとは思えないが, タイ プの効果が大学生でのみみられたということは一つの興味深い結 果である. 当初は どの発達水準の者にも文章が構造化されていることが矛盾の発見に効果的に働く と仮定したが, この効果は大学生にのみ認められた. このことは, 2年生や5年生の場合には矛盾 発見に際して, 文章が構造化されているといっ た情報を用いて判 断していないか, またはその情報 2.O. 2. 0. 易.条件. P 1,5. 1.5. ( 矛盾 発見 得 点 ). . ′ ′ ′ ′ ′. 1.O. 尋 ・o 讐 ・. / 難-条件. 0.5. ′′. ノ′. 0.5. 0′. 2年生. 5年生. 大学生. 図3. 説明文における情報位置の効果 94. 2年生. 5年生. 大学生. 図4. 日常文における情報位置の効果.

(10) . 理解過程に及ぼす認知的モニタリングの役割. に気付いていても矛盾の発見には使われていないことを示すもの である. このような情報を使える のはもっと後の年齢になっ てからと考えられる.. b ( ) . 矛盾の発見に及ぼす矛盾情 報間の位置距離の効果 各文章タイ プ毎に2つの矛盾した情報を 接近した位置においた場合 (易条件) と離れた位置においた場合 (難条件) を設けたが, 文章タイ プ別にそれらの結果を示したのが図 3~ 5である 各学年毎に難-易条件間のt-検定を行なった 。. が, 説明文では5年生 (t=2.25 ) 8 ) で有意差がみられ, 日 5 , P<.05 , 大学生 (t=2,4 , P<.0 常文では5年生 (t=2.4 5 ) で難-易間の差がみられた. 物語文ではいずれの学年にも有 , P<.05. 意な差はみられない. このように, 矛盾した情報を接近したことによって矛盾が発見しやすくなる のは説明, 日常文といずれも文章 が構造化された場合で, 物語のように構造化されていない場合は たとえ接近して置いたとしてもそれが効果的には働いていない これは全体構造からくる効果との . 相互作用によって生じる効果といえるだろう. またもう一つ注目すべき結果は 2年生の場合はまっ たくこの効果がみられないこと であり, 逆に5年生の方は情報の接近の効果がよく現わ れていると いう点である(大学生の場合は天井効果 が生じたと考えられる) a )の結果と合 . これは2年生は先の( わせて考えても, 全体の構造や情報の接近も手がかりとしては用いていないこと 一方5年生 では , 全体構造の情報は使えないにしても, 情報が接近 してあるという手がかりは十分使えることを示し ている. 逆にこの結果から推論をすれば, 5年生でも全体の構造や文脈情報を用いて矛盾を発見す るということはしない で, 個々 の文章を読んでその間のしかも接近してある場合のつながり方を用 い て いる だ け であ る と いえ よ う. 従 っ て Ackerman (1982 ) が主 張 し て い る よ う な こ と, あ る い は. 筆者が仮説として考えたようなことは5年生以上になっ てみられることで, それ以前の子どもたち は矛盾の発見は読みの段階の個々の情報間のつながりを手がかりにしているよう である . c ) ( . 読みのプロセスと矛盾情報の発見との関連 情報の矛盾を発見したときに起こる読みの行動 表1-1 説明文 群における読みのタイ プと矛盾 の発見の成功 数と失敗数 (のべ数) の関係. 2,O. 2年生. 5年生. 大学生. 成 功 失 敗 成功 失 敗 成 功 失 敗 1 ,5. . / 難-条件. 揖 ・ o , 点. 0. 5. ′ p. 5年生. 15. 41. 16. 24. 21. B. 5. 13. 9. 8. O. O. C. 1. 3. 13. 3. 38. 2. D. 1. O. 2. O. 11. I. E. 1. O. 2. 3. 4. 2. I. 表1-2 物語文群における読みのタイ プと矛盾 の発見の成功数と失敗数 (のべ数) の関係. ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′ ′. 2年生. A. 2年生. 5年生. 大学生. 成功 失 敗 成 功 失 敗 成 功 失 敗. 大学生. 図5. 物語文における情報の効果. A. 8. 37. 30. 19. 16. 3. B. 1. 23. 9. 4. 12. 4. C. 1. 6. 8. 5. 20. 7. D. I. O. 2. O. 14. O. E. O. 3. 2. 1. 3. 1. 95.

(11) . 佐 藤 公 治. として, くり返し読みや矛盾している情報間を比較するということが多くみられると思われるが, 読みのパターンをここでは5つのタイ プに分類し, それと矛盾発見との関連を検討する. その結果 が表1-1, 表1-2である. 読みのタイ プはA:1回読み, B:単純に複数回読み, C:矛盾情 報を含んだ部分のくり返し読み, D:矛盾情報間をくり返し比較して読む, E:矛盾情報とは関係. のない部分のくり返し読み, のように分類された. 特にここで矛盾発見にとっ て有効なモニタリン グ行動としてはC, Dの両タイ プである. まず2年生はAタイ プの読みが圧倒的に 多く, かつ矛盾 を発見できないこともまたこのタイ プ では 多い. 5年生 でもA, Bタイ プがまだみられる (特に物. 語文)が, や・減少してくる傾向にある. 大学生ではま ったく逆にC, Dタイ プが多くなっている. このように大学生になるとおかしいと気付くと読みなおすという認知的モニタリングを効果的に行 なっていることがわかる. このことが直接, 矛盾の発見につながっていることは容易にわかる. - 方, 大学生の中にもAタイ プがみられるが, この場合は一回読みでも矛盾に気付いている. これは 全体構造や文脈を読み取って, この構造から矛盾を発見したことによると考えられる. ちなみにこ の1回読みは説明文に多く, 2回読みは大学生 ではこの文章ではまったく行なっ ていない. 同じく 1回読みが多かったが矛盾を発見できなかった2年生と では認知的モニタリングの機能が質的に異. なっ ている. ほとんど2年生は矛盾情報を発見するためには情報間を注意深く読み返すことが必要 だ と い う こ と に 気 付 い て い な い よ う で あ る.. d ( ) . 矛盾の発見の失敗と文章の理解内容との関連性 それではこのように有効なモニタリン グを 行なわないで矛盾していることに気付かなかっ たことが最終的に どのような文章の理解のしかたと なっていっ たであろうか. このことを矛盾の発見に失敗した場合の文章の理解のパターンの分析か. らさ ぐっ ていくことにする. 表2-1, 2-2, 2-3は3つの文章条件毎に矛盾情報の発見に失 敗した場合の文章の再構成の内容 (文章の理解のしかた) をいくつかのタイ プに分類したものであ 表2ー1 矛盾 発見の失敗 のケースにおける 文 章理解のタイ プ (のべ数)-説明 文条件-. 爵\\ご. 2年生. 5年生. 大学生. 7(3). 2 (2). O. 並. 置. 1 5(6). 付. 加. 1(0). 改. 変. 17 (7). 忘. 却. (1 23 9). 表2 -2. 矛盾発見の失敗のケースにおける文章. 理解のタイプ (のべ数) -物語文条件-. 齢 努爵 \ミ\. 2年生. 5年生. 大学生. 並. 置. 1 2(7). 6(4). 3 (3). O. 付. 加. 5(5). 3 (3). 4 (4). 3 (3). 2 (2). 改. 変. 2 8( 14). 14 (9). 6 (1). 24 ( 18). 1(1). 忘. 却. 2 3(9). 4(2). O. 2. 2. ( )は難-条件の数. 一部のP i ckup. I. 表2-3 矛盾発見の失敗のケースにおける文章 理解のタイ プ (のべ数) - 日常文条件‐. 齢 努房\ミ\. 96. 2年生. 5年生. 大学生. 並. 置. 1 (3) 3. 6(2). 付. 加. 1 4 (1 4). (1 13 1). 改. 変. 1 (1) 7. (2) 9. O. 忘. 却. 2 1 (1 4). 1 0(1 0). O. 1. 2(2).

(12) . 理解過程に及ぼす認知的モニタリングの役割. る. 最終的に どのような文章であると理解したかは図1の質問3 以降の反応を分析して得たもので ある. 表中の 「並置」 というのは, 矛盾をそのまま並べたままでその両者が矛盾していることに気 づかないままになっている場合で, 例えば 「庭ヘビ」 を例にとると, 質問4では 「庭ヘビは音で虫 をつかまえる」 と解答し, 質問5では 「庭ヘビは耳を持っていないと解答する. 6の 「耳を持たな い庭ヘビはどのようにして 虫の音を聞くのか」 という質問には答えられなかっ たにもかかわらず, 7で 「話はよくわかっ た」「特に変なところはなかっ た」 と答えたような場合である. 「付加」 は矛. 盾を解消するために, 与えられた情報に矛盾を解消するような情報を加えた場合である. 「改変」は 矛盾しないように文章中の情報を変えて, 文章を解釈, 再構成してしま っ た場合をさす. 「忘却」は 矛盾する情報のどちらかが忘れられて文章が再構成された場合である. 物語文では, 文章中の一部. 分の内容のみをピッ ク・ア ッ プして矛盾してはいないことを説明するタイ プもわずか であるがみら れた。 反応の出現パターンは3つの文章条件間で大きな差異はみ られず, 情報の改変と忘却が最も 多くなっている. 説明文では付加が少なくなっているのは文章のタイ プから生じたものであろう. 学年別にみると2年生 では付加, 忘却に加えて並置も多くなっているが, これらのことから2年生 では矛盾そのものに対する認知が困難であるといえそう である. 2年生は与えられた情報には矛盾. やまちがいは含まれていないという大前提を持っているかのよう である..またここの結果で興味深 いのは物語文で大学生の矛盾発見の失敗が多く, 情報を改変してしまっ て矛盾を解消しているのが パ ター ン と して 一 番 多 い. こ れは 認 知 的 モ ニ タ リ ン グに よ っ て 矛 盾 情 報 を キ ャ ッ チ でき な か っ た こ. とによるのではなく, 自分なりに文章の内容を再構成してしまい, そのことが逆に矛盾はないとい うまちがっ た一貫性を作ってしまっ たのであろう. 物語文で失敗が多い のは, 意味内容の改変が容 してしまうと矛盾を 易であることによると思われる. とにかく大学生でさえもまちがっ た再構成を: 発見できなくなるということである. 矛盾の発見と文章の理解のしかたとの関係であるが, 矛盾を発見できなかったからこのような文. 章の理解のしかたをしているとは単純に言えず, 上の大学生の物語文のように文章を自分なりに再 構成してしまったために文章を読みなおすとか比較するといっ た行動に出なかっ たこともあるので. ある. そこでは両者の関係はまさにトッ プ・ ダウンとボトム・ア ッ プの両方向の情報の流れが相互 に作用し合っ ていると考えなければならない. ただ可能性としては読みの行動が時間的に先行して ら読みの過程における認知的モニタリン グのしかたが文章理解の内容に大きく影響して いることか・ い る こと は 否 定 でき な い.. 5. メタ認知研究の課題 メタ認知研究は今これからまさに研究が本格化 しようとしている途上にある研究領域である。 今. 後メタ認知研究は どういっ た問題を解決すべきか, またどのような研究が行なわれるべきを考えて み た い.. ( 1 ) 具体的な問題解 決, 知識獲得の過程の中でメタ認知的活動をとらえる. i t t ‐ ran s ‐ s ua メタ認知はこれまでも多くの形式の問題解 決活動に適用される, 事態を超越 した ( 978 l i )と考えられる傾向にあった. たしかにメタ認知の機能をアクセ t )一般的技能(Brown ona ,1 スの増大(3. 参照)と考えたときには文脈から自由になるという発達の方向が考えられるだろう. またメタ認知を大きく認知についての知識 (メタ認知的知識) と認知の調整 (認知的モニタリング) く含 の2つに分けたときには前者にはそういっ た課題や文脈を越えた認知の特質に関する知識が多‐ 97.

(13) . 佐 藤 公 治. まれていると考えられてもいる. しかし後者の認知的モニタリン グの活動を考えたときには, 具体 的な問題解決や理解過程の中でどのような機能をはたしているのか, また どのような形で知識獲得. と関わっ ているのかの実体が明らかにされなければならないのである. 認知的モニタリングはまさ に学習あるいは問題解決を目指して進行している活動の間に行なわれる自 己調整の機制 であるとし たならば, 当然のことながら, ゴールの設定とそれに向かうルーチンの プラニン グ, 具体的な実行. 方略の選択, 実行過程のモニターと調整, さらにはその評価といっ た一連の活動は具体的な文脈や 問題解決の場面の中におかれては じめて一つの機能として理解されるものなのである,というのは, 我々 がとる問題解決の過程は目標とそれに 向かっての一連の実行制御なのであって, ゴールを切り はなしてはありえないのである. このことを考えるときにきわめて参考に なるものにソビエト心理 i t i ld i tedac t ty の 考 え 方 が あ る. ソ ビ エ ト 心 理 学 に お い て は 活 動 性(ac 学 に お け る 一 連 の goa rec vi. i i i f ) と して 定 義 さ れて い る が, こ i ves t ) は社会的な行動 (労働) のための特殊な動機 ( c mot s pec y ivi ty) と して 特 徴 l i ead ngact れらの特定の活動性は発達のそれぞれの段 階においては主導的活動 (. づけることができるという. この 主導的活動は発達している子どもが今おか れている特殊な社会 7 ) 的-歴史的な条件に依存しているものである(Meacham,197 . この主導的活動が具体的な課題解 決の ゴー ルや方略の 選択のしかたといっ たものを規定することになるのである. その具体的な例と. t して は Zi naの記憶の実験があるが,幼稚園児は人為 nchenko の対連合学習,あるいは有名 なl omi s 的な実験室内での実験よりも遊びの条件の中で行なわれる方が良かったのは, この記憶することの ) 目標が彼らの主導的活動や動機と対応していたからであると説明されている (スミルノフ, 1965 . l tab e な形 で示すということは 認知的モニタリン グはこのように課題を越 えた一般的な性質をs なく学習事態や学習の ゴールに依存することを考えるならば, その発達についても一般的モニタリ. ングの能力といっ た形で扱うことは意味がなくなる. きわめてはやい発達段階の頃から子 どもの問. 題解 決に 指 令 過 程. ) iveprocesses ) が 重 要 な 役 割 を は た して い る (K1ahr & Robi nson (execut ,1981. といわれているが, それも課題や文脈によっ て大きく変化してくるのである. 認知的モニタリン グを具体的な問題解決の過程のなかで扱っていくことの持つもう 一つの意味と して, 認知的モニタリン グと既有知識, あるいは知識ベー スとの相互作用の過程を明らかにしてい. くことがあげられる. メタ認知的活動が知識獲得をどう動 機づけ, 作用 しているのか, またすでに 持っている既有知識の状態がどのようにメタ認知的活動のありように影響しているのかが理解, 知 識獲得の研究で明らかにされるべきことと考える. この 点からすると前章(4. 実験)で述べた我々. の研究はあまりにも実験的, 懇意的であっ たと言わなければならない. 現在, 我々は 主として理科 を中心として基本的な自然概念 (例えば 「重さ」 の概念) の獲得過程において認知的モニタリング. の活動が認知的動機 づけとしてどう機能しているかをさ ぐっ ているが, このことを通して理解に働 くメタ認知の役割を明らかにしていきたいと考えている. 武田が正しく指摘するように,「子どもたちがどのような内面過程を経て,確かな事実を受けとめ, そこにある論理や実感を探り, さらにそれは自分 のものとして獲得していくかの実践, 研究上の知 ) 見の蓄積がきわめて 乏しいののが現状なのである.」 (武田, 1984 . ズ ( 2 ) 方法論およびメカニ ムの明確化. メタ認知の研究に対していつも出される批判や疑問はメタ認知的知識ないし活動と認知そのもの の技能とどう区別され得るのかといっ た点である. この批判は 主としてメタ認知研究でとられてい. る方法が内観法 であるとか言語報告といっ たものに頼っ てきたことによると 思われる. そこでは当 然のことながら理解過程が終了して何らから知識や認知が成立してしまっ た段階で改めて自己の認. 知活動や認知過程をさかのぼって考えるのであるから知識そのもの, 技能それ自体の内容の影響を 98.

(14) . 理解過程に及ぼす認知的モニタリングの役割. 受けてしまうのは当然のことである. 従って, 特に認知的モニタリン グの場合には, モニタリン グ の活動をリアル・タイムに客観的にとらえることが必要である. その一つの試みとして, 我々は前 章の実験の所でとっ たような読みの行動をモニタリン グの指標として用いてきた. さらにより詳細. )や t なモニタリングの活動をとらえていく方法としては読解過程の研究 (Ca rpen e r & just , 1977 ) の研究で用いられているように眼球運動 知能を aptitude processes と して と ら え る Snow (1980. が有効なメジャーになりうると考える。. 方法論の改善に加えて, メタ認知のメカニズムを形式化していく試みもきわめて重要な作業にな i( t )のブランと行動に関する NOAH シ ス テ ム そ 1 977 e ると思われるが, それらについては Sac rdo の他の プラン研究が参考になろう.. 引用文献 ’ Ackennan ionfai l lvecom i ldren lexpec i tat tectandre so ー ure s sus eofcontexua onstode prehens . Z ,B.P. Ch P 加 6 7 7 3 1 9 8 2 C廟媛 3 3 ん f 屈め. s yc q . , ‐ , Anza i i i f 140 ng earn ngby do ew - yc海〆, Reり , Ps ,Y, & Simon ,124 . , H.A. Thetheory ofl ,86 ,1979. ldes Becke l i ipt i l l ins(取ゴs ) r ect onson the forma cr on ofbehavi or . ln D. G. Bobrow & A, Co . .D. Ref ,J Z Z k A 尺e 云 N Y d i P s P柁s e”如云わ“ αれd ” 7 2〆e 7 ほれ露れg ′ SZ ”〆 B S 初 の翌“訪れes c e”c e e w o r : c a e m c r e 器 . ,. 1 9 75 ) 7 8 .(淵 一博 監訳 人口知能の基礎 近代科学社, 19. lmon i lapProachtodeve lopmenta lcogn Be l d i l i iveresear d t t t t t ruc e e ona ch . Theins . lnR. ,1 .M.& But ,E.C V. Kai l & W H E d P 劫 d ‘ 1 ) α海 煽 J げ 伽e粥メッ α”〆 α迭閉 館 伽. s o” e eひ ≦ ; Pe g eop粥8 . . . agen( s , e〆 , r. Hi l l l l baum,1977 sda e . .:Er ,N.j ion ofrepres i l i Bobrow, D. G. Dimens ) 足り舵s entat on ns(Eds e〃云のあれ α”〆 . ln D. G. Bobrow & A. Col . 1 9 5 7 ( 淵 一博 監訳 ”霞e s 物 c増川”健s ” 7 2αe 7 s加”南 雄 ′ SZ c z伽姐 New York: Academic Press . ,. ) 人工知能の基礎 近代科学社, 1 97 8 .. i i l l i Bobrow,D.G.& Norman ) nc esofmemo chemata ns(段ゴs p lys . lnD.G.Bobrow & A.Col . ,D.A. Somepr 〆 α 霞 S粥諺 Z N Y k A d P 尺ゆ陀s i 如” 彰 勿 効 7 s “ れg′ S 8 7 2 ◇ 7 2α” ”〃 e B のぼれ ひ esce“ce . ew or : ca em c re粕,1975 .. (淵 一博 監訳 人工知識の基礎 近代科学社, 1 9 ) 78 .. ionandi l l i i Borkowski t nte edman gencetheory .ln M.Fr .P.Das & .G.& Cavanaugh,1 .C. Metacogni ,1 ,1 ば Y k P 1 P N.0’Connor(Eds ” ” 〆 を N 1 9 1 8 )お を り e o r e n um r e 8 8 れα α れ の れ w : s s g . . . ,. lopment l ingandtheacqui i i Brown t s onofknowl edgeaboutknowl edge son . ln R.C.Ander ,schoo , ,A.L.Deve す R.J i Z l l l Z )S物 のZ ro れg αれd 劫e のq”ゐZ O% 〆 た 7 2 ow′ edge s ade .Sp . .: .Hi ,& W.E.Monta罫le(Eds ,N.J LEA,1977 . i ion Brown,A. Knowi tacogn t ) ng when r:A probl em ofme ase r(Ed , ln R,G1 . ,where ,andhowtoremembe Z l 1 H i l l d l N L EA 1 9 7 8 Adm粥B ) 1 vo s e e : O”αZP S 物 粥s加ばZ { ”該oおき妙 ( . , . , .. , ione l i l b i Brown nki ng:Theprobl exi eth em ofacces s edman .ln M.Fr .P.Das& .C. lnducingf ,J ,A.& Camp ,j ’Connor( Z ′をe粥eαれd 庭α劣 N.( ) 王Ms )ヱれ古 れば enum Pr es s 8 ”& Jew York;P1 . . ,1981. ib l i ion lopment : The probl Brown ty t ーmi ng and deve em of compat s 7 2 , 方脳粥α , acces , and induc , A. Lea De〃 115 eあり粥eれ均 25 ‐ . ,89 ,1982 ing i f d .D. ing tand Brown ng rara one s .C. Learn . ,J ,remember ,andunder ,Fer ,R.A. & Campi , A. Bransor,j L3 H F 1 l l& E M M k E d α b 々 物ば 溺 た わ f h d i i 1 lnJ )鼠 t t ( 「 ) げ u o a e a r ma n s α れ o o o r e o n v v P c o y s 卿 . . . . . . , , 983. 1 & E. 1 1 Bu 1 l i i 1 1on ttheo ave nger 1γ andresearch ofthe G己nevanschoo . lnJ . 日・F1 .F. Recen ,A. & Chat ,j l i i four t M.Markman(愚ゴs thed ) ) 鼠αれαbooた げ 物”α Ps on cたoZ ogy( y . .3 ,1983 . ,vo. i i t& P Carpenter t ) t onaseyesseei ngcomprehens . ,ln M,A,jus ,A,Ca印enter(Eds ,A.& jus ,M,A. Read ,P H i l l l E l ば 膨 あ d N b 1 9 Cog“〆灯りeP飾c 7 7 1 s s ae e s e s れ の初め舵 れs れ . . , , .: r aum, 28 ば DBり Z lmut Cavanaugh i lexami i t t ‐ r t nat on e e ca amemow :A cri op粥eれち 53 . C脳Z ,11 , .C, & Per , M. Me ,1 1982 ,. 99.

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