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茶道の稽古が幼児の配慮行動の形成に及ぼす影響に関する質的心理学研究

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Academic year: 2021

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(1)茶道の稽古が幼児の配慮行動の形成に及ぼす影響に関する質的心理学研究 学校教育研究科 人問発達教育専攻   学校心理・発達健康教育コース.          M 11041E            宮本知子         問題と目的. 観察協力者 H県内町立A幼稚園に通う園.  本研究の主たる目的は,筆者が公立幼稚副こ. 児11名(4・5歳児:75・6歳児:4)とその保護者,. おける「こども茶道教室」での修道場面と保護. 及び茶道教授者1名と茶道教授者社中1名. 者・地域住民との連携・協働のもと実施された.  手続き 園児たちは,在園2年間にわたって. rこども茶会」を参与観察する中で得た印象的. 茶道教授者に師事して茶道を学んでいる。教室. なエピソードを分析することにより,園児たち. は通年4回,午前中約2時間半程度行っており,. が割稽古を通して所作を習得する過程におい て,茶席をともにする他者へ個性化した思いや. そこでの子どもたちの稽古の様子を参加観察 法と縦断的観察法に基づき,エピソード記述し. り(岡本,1999)を向け,相補的で心地よい居場. た。さらに,社中1名とともに,第1回・第2. 所と心理的紐帯を形成し得る可能性とRespect. 回・第6回の修道場面におけるResp㏄t. Behavior(配慮行動)との関係性を探索するこ. Beha㎞or(配慮行動)に焦点をあてVTR録画を再. とであった。本研究で茶道の修道場面に焦点化. 精査し,場面見本法による4つの行動カテゴリ. した理由は,茶席特有の空間的機能と修道との. ー(儀礼・分与・気遣い・援助)の抽出および5. 相互作用の中で,子どもたちが観察やモデリン. 段階の評定を行った。評定の不一致のものにつ. グ,模倣といった活動を通して,客:他者を迎. いては2人の評定者が協議して再分類した。次. える「型」を取り込み,新たな行動レパートリ. に,配慮行動の生起に観察時期間の差異がある. ーを形成し,さらには日常的場面でのRespect. かどうかについて,フリードマンの検定とサイ. Behavior(配慮行動)に反映されていくのでは. ン検定を行って検討した。. ないかという楕翁によるものである。そのうえ.  研究期間. で,宮本・福井・渤11(2012)で述べられた見解.  2011年11月下句∼2012年3月下旬(全6回). を再吟味し,RespectBehavior(配慮行動)の微. ・第1回(初回観察)平成23年11月15日ω. 視発生的変化をエスノメソドロジーの研究法. ・第2回(中問観察)平成23年11月23目(水). に依拠してその発生的機序について検討する. ・第6回(終回観察)平成24年3月16目(鋤. ことにした。.        結果と考察           方法.  配慮行動の微視発生的変化.  方法観察記録の方法については,参与観察.  茶席行動のうち,Resp㏄t Beha㎡or(配慮行. 法にしたがって観察は遂行された。その際,園. 動)に焦点をあてて,第1回(初回),第2回(中. 児たちの活動の様子はVTR録画され,修道場面. 問),第6回(終回)の各観察時期問の生起状況. について可能な限りその場でメモを行い,観察. を整理したものがTab1e,1である。. 終了後,迅速に文章化して事例として記録する 形式をとった。.

(2) の思いやり一配慮行動の可視化し得る要素で. 丁’1・1■児ωi!n行■ω賃生真量。}}■㎜■■. カテゴリ. 行●内ターン 1礼伯莞的〕 2挨拶1自発的〕. 儀礼. 中間. 皿5. 1.O. rD、. D馴1. ”・“. o.1. 胴. 1.3. o.4. o. 1.3. !.τ. O.㎝. n.岳00. 帖間. o.ミ. o.5. 1.6. 1点茶碗を共有する. rD.. @「. O.τ. 2茶業子を分け合う. 帖間. 醐笑洲客⇔宕〕. 4見守蛸刊亭主一審〕. 5見守嫡ぺ客一事由. 帖“ 刀D ㎜8“. 刀A 帖“ 刀A 帖。. o.ヨ B、筥. 1.1. ム. r... o.5.  乏. B.舶4 さ.醐. ヨ.1. O.OOO. Aヨ。o o.1. n.皿OO. o.. o,1. 帖n. 0.3. o.7. r.0. O.帥. P.o05. 蝪示する1身動〕. 出n. o.5. 宮重い荷物を代洲に運ぷ. r.D.. r.0.. 蝸.. N,s. N=1皿F=O. N司.F=o. ”.S.. 舳、. “.s. 比!・舳. D肪。 o.oo. 1.ヨ. “.S.. 帖.. N,s. 比,弍縣. N弍.F1. “.邑. ∬!・柵. N弍F0. N.s. λ!・帆四. “=1町F=0. N毛F・o. ….S.. 刊逼、. N.s. “、S.. 皿S、. N.s. は.S.. ”丘.. N.割. は.S.. 蝸.. 冊.邑. 卍.S.. N逼、. N,s. P.術 o.ヨ. 3.目. B.300 o.畠. P.帥。. のに対して,年中の4・5歳児においては単発 的・局所的な儀礼行為に留まり,点茶を通した 主客相互の交歓を醸成するには至らなかった。.  気遣いにみる配慮行動の出現と変化  主客相互の微笑みは,呈茶の一連の所作とい った「型」へのなじみとともに生起場面が頻繁 にみられるようになっていった。「型」に自身. o.畠.  o. の身を添わせる緩衝されてくると,「型」と「型」. 潤Dooo. o.7. o.ヨ. D㎜5. O.目。o. B.筥。o. o、ヨ.  o.  ⑪. 潤D㎜. 潤Dooo. B.目. 咋「.F=o. 潤Dヨ。o. 1軌示する傍言〕. ”6”. 昨1叫同. P.600.  o  o. 比!・”.蝸. あったが,5−6歳児においては顕著にみられた. O.冊1. o.7. 潤Dooo. 出日. 1.5 “.S一. O.7.  0. ”{.F・1. 3.ヨ. 肋間. rD.. 中一く一回. N弍F・o. B.醐。. 山1 o. 標回φ■. ^,・”.10. O.刊3. o.. O.酊. rD.. 慮I・期■性. 2.8. 3点茶1丁重さ〕. 独笑洲客一事主). 援助. 裾. 4身だしなみを難える. 1輸笑独亭主一宕〕. 気遣い. 3D.. 出㎝. 1. 分与. y. フ,トψo植. との「間」が生起し,その「間」を主客ともに. 認識し得るとき点茶中の微笑みが生まれるの.  偉礼にみる配慮行動の出現と変化. ではないかと推察する。微笑みといった表出的.  フリードマンの検定およびサイン検定の結. な思いやり一配慮行動に対して,見守り待つと. 果より,4つの行動カテゴリーのうち,3行動. いった非表出的な思いやり一配慮行動は,初回. で有意差が生じていた。また,これらの有意差. 観察時には見られなかったが,終回観察時には. が認められた行動について,各時期間の有意差. 主に年長の5・6歳児の行動の一様態として示さ. を検討するためにサイン検定によって下位分. れたが,年中の4・5歳児においては局所的な行. 析を行ったところ,4項目中3項目について,. 動に留まり,それらの行為をモデリングするに. 初回<中問<終回の順で出現度数に有意差が 認められた。このことは,茶道の初学者におけ. は至らなかった。.  まとめにかえて. るr型」の習得と通底することが推察される。.  本研究では,参与観察法を採ったが,その観. 茶道の初学者におけるr型」の習得は,明らか. 察対象児は10人程度と少数であった。そのた. に外面的なr形」の習得を含んでいる。数1受者. めに4・5歳児と5・6歳児,あるいは一性差につい. のあらゆる動きに注目して,子どもたちは「よ. て検証することが困難であった。限定的な標本. い」ものとして認める茶道教授者のr型」の模. 数といえども,茶道の修道を通して一定の表出. 倣に専心するうちに,」連の点茶行為を成り立. 的・非表出的な「思いやり」行動の生起とその. たせている要素的な「形」の意味の「解釈の努. 発達の可能性が示唆された。子どもたちの思い. 力」を始めるのである。それらが表出された行. やり一配慮行動の生起の過程において,茶道教. 動が自発的な礼,挨拶であり,身支度を整える. 授者および「よい」と思われる思いやり一配慮. ことであろうと推察する。それぞれの「形」の. 行動を身に着けた年長の5・6歳児が有効なモデ. 意味を解釈しながら,どの所作が必然的であり,. ルとなり,各人のモデリングが促進されて,よ. どの所作が主客の相互交歓から生成した,偶然. り効果的な観察学習が進んだといえる。さらに. 的思いやり一偶然的配慮であるかなどの事柄. 標本数を増やしたり,対象を変えたりするなど. の意味を身体全体で納得していくのである。そ. して,このような向社会的行動の内容認知に関. の意味において,年長の5・6歳児では,手本に. する質的研究を行っていく意義が示唆された. すべきモデルとしての大人の存在を認識でき. といえる。. ており,回を重ねるごとに自分なりの「よさ」. を体現しようとした行為の結果であると考え. 主任指導教員 淘川潔司. られる。呈茶についても,rT重さ」が相手へ.   指導教員 浅川 潔司.

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