Rhein anthroneの瀉下作用機序に関する研究

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(1)Title. Rhein anthroneの瀉下作用機序に関する研究( Abstract_要 旨). Author(s). 八木, 照世. Citation. 京都大学. Issue Date. URL. 1991-06-29. https://doi.org/10.11501/3057484. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. author. Kyoto University.

(2) 【41 2】 や. ぎ. てる. よ. 名. 八. 木. 照. 世. 学 位 の 種 類. 薬. 学. 博. 士. 学 位 記 番 号. 論 薬 博 第. 学位授与の 日付. 平 成 3 年 6 月 29 日. 学位授与の要件. 学 位 規 則 第 5条 第 2項 該 当. 学位 論 文題 目. Rhei n ant hr one の潟下作用機序 に関す る研 究. 論文調査委員. 教 授 佐 藤 公 道. 氏. 4 43 号. ( 主 査). 論. 文. 内. 厚. 教 授 市 川. 容. の. 要. 教 授 川 寄 敏 祐. 旨. セ ンナ,大黄 の潟下作用 の共通主成分 であ る S e nnos i deA はマ ウス を用 いた佐 々木 らの研究 によ り, 経 口投与 した場合,本来の配糖体 の形で作用す るのではな く, 胃又 は小腸で分解吸収 されることな く大腸 に到達 し,主 として腸 内菌 によって真 の活性物 質の r he i na nt hr one ( RA)に代謝 されて潟下作用 を発現. e nnos i deA/ B の活性代謝物質であるこ とを す ることが明 らか にされている。 ラ ッ トにおいて も RA が S Dr e e s s e nら (1 9 81) ば i nvi t r o の実験 によ り示 した。 一般 に潟下作用の発現 は腸管運動 な らびに腸管内腔液量の変化 に起 因す ると考 え られているが, これ ら の要 因 と下痢現象 との関連性 は実証 されてお らず,RA の滴下作用発現機序 に関 しては未詳である。 一方,. os t a gl a ndi n( PG)が関与す る可能性が指摘 されている。 膨張性下剤 を除 く各種下剤 の潟下作用発現 に pr さらに,潟下作用の検定 にはマ ウスお よびラ ッ トが一般 に用い られているが,その作用 に種差があること. e nnos i deA/ B の最終活性代謝物質であ も示唆 されている。 そ こで著者 はマ ウスお よびラ ッ トを用 いて,S る RA を作用部位 の大腸 内に直接投与 してその潟下作用 を調べ,PG の関与 を中心 に作用機序 を検討 し, 以下の ような知見 を得 た。. he i na nt hr one の潟下作用 とその作用機序 1.マ ウスにおける r e nnos i deA/ BI O mg/ kg に相 当す る RA 6. 2 4 mg/kg を投与 盲腸導管手術 を施 したマ ウスの盲腸内に S す る と,約 2 0分後 粘 液性 の下痢 が誘発 され た。 この下痢 は PGE2の括抗 薬 の SC-1 9 2 2 0又 は pol yph-. l or e t i nphos pha t eあるいは PG 生合成 阻害薬の i ndome t ha ° i n( I nd)を経 口又 は腹腔 内投与 によ り前処置 してお くと抑制 され,抑制効果 は SC-1 9 2 2 0お よび I ndで は 6時間以上持続 した。因に対照実験 として 行 った PGE2の盲腸 内投与 は RA。 と同様 の下痢 を誘発 した。. RA 盲腸内投与 に よる下痢発現直後の盲腸及 び結腸組織 内 PGE様物 質生成量 を摘 出 ラ ッ ト胃底標本 を 用 いる生物学的検定法で定量 した ところ,結腸 においてのみ有意 な生成促進作用が認め られ,盲腸では有. ndを前処置 してお くと抑制 された。 さ 意 な促進 は発現 しなか った。 また結腸 にお ける生成促進作用 は I らにこの PGE様物質の構造 を GC-SI M で確 かめた ところ PGE2と判 明 した。 これ らの知見 はマ ウスに -1 03 4-.

(3) おける RA の潟下作用発現 に PGE2が介在す ることを示唆 している0 次 に潟下作用 の要因である腸管運動 ( 大腸 内輸送) ,腸管内腔液 に対す る RA の作用 を検討 した。RA は盲腸内に同時投与 したマーカーの排壮時間を有意 に短縮 したので,大腸内輸送促進作用 を持つ ことが示 唆 される。 また,SC-1 92 2 0,I ndの前処置 によってマーカーの排継 は 6時間以上 にわた り完全 に抑制 さ れた。一方,ウ レタン麻酔下,両端 を結紫 した結腸内において,RA は水分,Na+の吸収 を抑制 したが, 分泌促進 は認め られなか った。 また,K+,粘液分泌 を促進 した。静脈内投与 した 【 1 4 Cトgal a c t os eの粘 液への取 り込み量か ら推定 した粘液合成量 は RA により増加 していることが示 された。 これ らの RA の. nd前処置 によって有意 に抑制 された。結紫 した結腸 内に注入 した PGE2は RA と同様 に粘液生 作用 は I 合成お よび分泌 を促進 した。 以上の成績 よりマ ウスにおける RA の潟下作用発現の主要 な機序 として PGE2生合成および放 出促進, これを介す る大腸内輸送促進 と結腸内粘液の生合成 とそれに続 く分泌促進が挙げ られる。. 2. ラットにおける r he i na nt hr one の潟下作用 とその作用機序 1 2. 48 mg/kg) は約 2 0分後,水様性粘液性 の下痢 を誘発 した。I ndを ラ ッ ト盲腸 内に投与 された RA ( 0 分後 に下痢が起 こ り,その強 さ 前処置する と,RA による下痢 の発現 は約40分遅延 したが,RA投与約 6 は見かけ上変化 しなかった。 また,対照実験 として行 った PGE2の盲腸内投与 も下痢 を誘発 しなかった。. RA 盲腸内投与 による下痢発現直後,結腸組織内 PGE様物質生成量 は有意 に促進 されていたが盲腸組 織内では変化が認め られなか った。 この結腸 における促進作用 は I nd前処置 によ り抑制 され,RA投与約. 6 0分後,下痢が発現 した時点 において も抑制状態が持続 していた。. RA は盲腸内に同時投与 されたマーカーの排壮時間を有意 に短縮 した。 この作用 は I ndの前処置によっ て有意に抑制 されたが,RA によるマーカー排湛時間短縮作用 は残存 し,薬物無処置 ラットにおける排壮 時間にまでは回復 しなかった。 したが って,RA のラ ッ ト大腸内輸送促進作用 における PGE2の関与 はマ ウス とは異 な り部分的であると考 えられる。 一方 ,RA は結腸 において水分の吸収 を抑制 し分泌 を促進 さ. nd前処置で せ た。 また Na+吸収 を抑制 し,K+ ぉ よび粘液分泌 を促進 させ た。 これ らの RA の作用 は I. 0% しか抑制 されなかった。 したが って, ラ ットにおいては RA による結腸内腔液貯留 における PGE2 約5 の関与 は部分的に過 ぎず他 の作用機序 も関与 していると推察 される。 以上,RA はマウスお よびラットにおいて一見類似 した潟下作用および結腸組織内 PGE2生合成及び放 出促進作用 を起 こす。 しか し、潟下作用発現 における PGE2の関与 は,マ ウスで は大 きいが, ラ ッ トで は部分的に しか過 ぎない とい う種差の存在す ることが明 らかになった。 これ らの知見 は潟下作用のメカニ ズムの多様性 を示唆す るとともに, アン トラセ ン誘導体含有潟下生薬の生物学的品質評価 における実験動 物種の選択 に際 しての基礎的知見 を与 える もの と考 えられる。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 世界的に広 く緩下剤 として用い られているセ ンナ,大黄 の共通主成分である S e nnos i deA は天然のプ ロ ドラ ッグで,経 口投与 した場合,大腸 において代謝的に生成 された r he i na nt hr o ne( RA)が潟下作用 を発現す る。 この RA の作用機序 を,マ ウス及 びラ ッ トを用 い,その作用部位 と考 え られる大腸内 に直. -1 0 3 5-.

(4) 接投与 し,pr os t a gl a ndi n( PG)の関与 を中心 に検討 した結果が本論文の内容である。 盲腸導管手術 を施 したマ ウス及 びラ ットの盲腸内に RA を投与す ると,約 2 0分後 に激 しい下痢 を誘発. SC-1 9 2 2 0) または PG 合成 阻害薬の i ndo me t ha c i n す る。 この下痢 はマ ウスの場合,PGE2の括抗薬 ( nd前処置により作用発現が約4 0 分遅延す るだけ ( I nd)の前処置 により抑制 されたのに対 し, ラ ットでは I で発現その ものは阻止 されなかった。 また,盲腸内投与 した PGE2はマ ウスで は RA と同様 の下痢 を誘 発するのに対 し, ラットで は潟下作用 を誘発 しなかった。RA を盲腸内投与する と両動物 とも下痢発現直 後 の結腸組織 内において PGE2様物質生成が有意 に促進 された。I ndで前処置す る と,マ ウスにおける. PGEZ生成促進,潟下 ともに抑制 されたが, ラ ッ トにおいては下痢が遅延 して発現 した時点 において も PG様物質生成抑制状態 は持続 してお り,RA の海下作用発現 に結腸内の PGE2様物質生成促進が必須で はないことが示唆 された。 潟下作用 の要 因の一つである大腸 内輸送に関 しては,マ ウスで は RA の輸送促進作用が I nd前処置 に よって抑制 され対照 とほぼ同程度 にまで回復す るが, ラットでは部分的に抑制 されるものの対照 と同程度 にまでは回復 しなかった。更 に,潟下作用の もう一つの要因 と考 えられる結腸内腔液貯留 に関 しては,、 ウ レタン麻酔下,両端 を結紫 した結腸内において,マウスでは,RA によって水吸収が抑制 されるが,分泌 は起 こらず,PGEZ放出促進 を介 した粘液生合成及 び分泌促進 を主体 とす る結腸内腔液貯留作用が認め ら れる。 しか しラ ットでは,RA によって PGEZ放 出が促進 され,水吸収が抑制 されるのみならず分泌 も促 進 され,粘液分泌 も促進 されたが,I nd前処置によって PGE2放 出が抑制 されるに も拘 らず,RA による 水及び粘液分泌 はほとん ど抑制 されず,結腸内腔液貯留作用 に も PG の関与 は部分的に過 ぎず,他 の作用 機序 も関与 していることが推察 された。 以上,RA はマウスお よびラ ットにおいて一見類似 した潟下作用お よび結腸組織内での PGE2生合成及 び放 出促進作用 を起 こすが,潟下作用発現 における PGE2の関与 は,マウスで は大 きいが, ラ ッ トで は 部分的に しか過 ぎない とい う作用機序 における種差の存在す ることを明 らかに し,アン トラセ ン誘導体含 有潟下生薬の生物学的品質評価 における動物種の選択 に際 しての基礎的知見 を与 えた。 よって,本論文 は薬学博士の学位論文 として価値あるもの と認める 更に,平成 3年 6月24日に論文内 。. 容 とそれに関連 した事項 につ き試問を行 った結果,優秀 と認定 した。. -1 0 3 6-.

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