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Antitumor effects induced by the combination of TNP-470 as an angiogenesis inhibitor and lentinan as a biological response modifier in a rabbit spontaneous liver metastasis model

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Academic year: 2021

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Title

Antitumor effects induced by the combination of TNP-470 as an

angiogenesis inhibitor and lentinan as a biological response

modifier in a rabbit spontaneous liver metastasis model( 内容の

要旨(Summary) )

Author(s)

佐野, 文

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)甲 第510号

Issue Date

2002-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/14637

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与め要件 学位論文題目 審 査 委 員 佐

文(岐阜県)

士(医学)

甲第 510 号

平成14

年 3 月 25

学位規則第4条第1項該当

Antitumor effectsinduced anglOgeneSisinhibitor and a rabbit spontaneousliver (主査)教授 佐 治 重 (副査)教授 高 見 日

by the combination of TNP-470as an lentinan a$a bioJoglCaIresponse modifierin metastasis model 豊 剛 教授

脇 久 隆 論 文 内 容 の 旨 癌の血行性転移に対する腫瘍血管の新生抑制療法は,今日最も期待される治療法の1つである。さらに相加的, 相乗的な治療効果を得るべく,他の抗癌剤との併用療法の有用性が報告されている。しかし,既存の癌化学療法

如は薬物有害事象と薬剤耐性の面から長期間の投与が困難なため,血管新生抑制療法の本来の目的であるtumor

dormancystateに宿主を誘導することは期待困難である。そこで」申請者らは教室で開発した家兎大腸癌自然 肝転移モデルを用い,血管新生抑制剤としてTNP-470を,免疫賦活剤(biologicalresponse modifiers,BRMs) としてレンチナンを併用した場合の肝転移抑制と腫瘍増殖抑制に及ぼす影響を実験的に検討し,本療法のtnmor dormancytherapyと1しての可能性を評価した。 研究対象と研究方法 雌性日本白色家兎に3×106個のⅤⅩ2細胞浮遊液を腹膜孫転部直上の結腸栄膜下へ注入移植する自然肝転移モ デルを作製した。微小転移形成時期である14日目に原発巣を切除し,①TNP-470群:腫瘍移植後15日目より TNP-470(3mg/kg)を隔日で耳静脈より5回投与,②レンチナン群:腫瘍移植後15日目にレンチナン(2.Omg)を 1回投与,③併用投与群:腫瘍移植後15日目にレンチナン(2.Omg)を1回投与し,TNP-470(3mg/kg)を隔日5回 投与,および④無治療群の4群を設定した(各群n=7)。評価は腫瘍移植後28日目に家兎を犠牲死させ,摘出肝 を5mm厚にスライスして転移結節数および各結節の長径(a)と短径(b)を計測し,ab2/2(mm3)の公式にて腫瘍 重量を算定した。また,転移巣の10%ホルマリン固定パラフィン包埋標本から作製した薄層切片を用い,①微小 血管密度(MVD),②TUNEL染色によるアポトーシス陽性細胞比率(apoptoticindex[AI]),および③PCNA 染色による腫瘍増殖能,1abelingindex[LI]を免疫組織学的に検索し比較検討に用いた。 研究結果 1)転移結節数はTNP-470群が3.6±1.4(個),レンチナン群が4.1±2.3,併用投与群が2.6±1,3で,対照群の 11.7±9.6に比べ有意(それぞれp<0.005,0.01,0.005)の低値を示した。2)転移結節の腫瘍体積および肉眼的転移率 はTNP-470群が3.2±1.2m虚;21.7%,レンチナン群が3.1±2.3;28.6,併用投与群が1.9±1.8;11.8で,対照群の 10.9±1.3;64.9に比べ有意(それぞれp<0.005,0.05,0.01,0.05)の低値であった。3)転移巣のMVDはTNP-470群: 32.2±4.8,レンチナン群:47.9±10.0,併用投与群:19.7±5.0で,対照群の75.5±20.0に比べ各群とも有意(そ れぞれp<0.005,0.01,0.005)の低値を示した。また,併用投与群はTNP-470及びレンチナン単独群と比べ有意 (p<0.005)に低値であった。4)転移巣でのAI値は併用投与群が2.66±0.83と対照群の1.87±0.53に比べ有意 (p<0.05)に高値で,良好なアポトーシスの誘導が観察された。また,併用投与群はTNP-470及びレンチナン単 独投与群に比べ有意(それぞれp<0.005,0.05)の高値を示した。5)転移巣でのPCNA LIはレンチナン群が36.9

(3)

ー69-±11.6,併用投与群が34.4±7.7と対照群の62.6±23.6に比べ有意(ともにp<0.05)の低値を示した。なお,各群

間とも有意の体重減少及び創傷治癒遅延等の有害事象はみられなかこた。

以上の結果,微小肝転移形成段階でTNP-470を投与すると血管新生抑制と転移結節数の低下がみられたが,レ

ンチナンとの併用投与で血管新生抑制とアポトーシス誘導程度がさらに増強し,相当程度の転移形成抑制と増殖

遅延効果が観察された。 考察と結語 大腸癌の同時性,異時性肝転移に対する治療の第一選択は外科的切除であるが,治癒切除し得た症例でも既に 微小転移が存在する可能性が推察される。このため,癌化学療法,放射線療法,免疫療法等を併用する治療戦略 が展開されている。その中で,新しい抗癌療法として癌の発生・転移段階で腫瘍血管が癌細胞の栄養血管として 新生・増殖する構図が解明され,血管新生の抑制が新しい制癌療法として期待され,様々な治療薬が開発されて いる。ところが,血管新生抑制剤の抗腫瘍効果は微弱であるため,腫瘍縮小を図るには他の癌化学療法剤との併 用が重要で.種々の組み合わせが試みられている。しかし,免疫斌活剤との併用を検索した報告はみられなかっ たため,申請者らはfumagillin誘導体である血管新生抑制因子,TNP-470とBRM製剤であるレンチナンを用い, 大腸癌根治手術後の異時性肝転移に及ぼす血管新生関連因子の影響を,家兎大腸癌自然肝転移モデルを用い,肝 転移抑制効果から評価した。その結果,TNP-470とレンチナンの併用投与により,各単独投与群に比べ有意に血 管新生の抑制が可能で,アポトーシスを高度に誘導できる事を確認した。これはTNP-470が血管内皮細胞の増殖 を抑制するとともに宿主の免疫機能を活性化することでアポトーシスを誘導するのに対し,レンチナンは宿主の 免疫機能を高めることにより腫瘍のアポトーシスを誘導し,直接内皮細胞を傷害することで新生血管の増殖を抑 制するという異なった経路での血管新生抑制効果と免疫斌括効果が示唆された。それゆえ,単独投与群に比べ併 用投与で強い腫瘍増殖抑制効果が得られることを確認した。また,レンチナンは腫瘍の増殖活性を低下させる作 用があり,TNP-470単独では得られなかった腫瘍増殖抑制効果が相加的に誘導できることが確認された。なお, TNP-470は正常な血管内皮細胞に作用することから薬剤耐性を示し難く,レンチナンも免疫賦活剤であるためこ れも薬剤耐性を来しにくいことが知られている。さらに,併用投与による著明な有害事象を示さないことが確認

されたことから,長期投与が可能で,tumOr dormancy stateを保ち得る可能性が示唆された。つまり,大腸癌

根治術後の異時性肝転移抑制策として,血管新生抑制剤と免疫賦活剤の併用は有用なadjuvant therapyとなる 可能性が確認されたわけである。 ㌧

論文審査の結果の要旨

.申請者 佐野 文は,家兎大腸癌自然肝転移モデルを用い血管新生抑制剤,TNP-470とBRM製剤,レン\チナ ンを微小肝転移形成段階で併用投与すると,肝転移と腫瘍増殖が有意に抑制されることを明らかにした。この研

究結果は,大腸癌根治術後の異時性肝転移の細制を目指した術後補助療法として有用で,腫瘍外科学の発展に少

なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]′

Antitumor effectsinduced by the combination of TNP-470as an anglOgeneSisinhibitoiandlentinan

a声a biologicalresponse modifierin a rabbit spontaneousliver metastasis model

Surgery Today2002;in press

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