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58 ジャカルタ都市整備事業における曲線箱桁道路橋工事チプタット フライオーバー, タンジュンプリオク NS リンク工区 タンジュンプリオク E-2A 工区 ジャカルタ都市整備事業における曲線箱桁道路橋工事チプタット フライオーバー, タンジュンプリオク NS リンク工区 タンジュンプリオク E-2

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Academic year: 2021

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(1)

YBHD グループ技報 No.45 2016 年 1 月

綿 智之 *  徳田 博信 **  伊藤 勇人 ***

後藤 貢 ****  中野 克俊 *****

Report on Curved Box Girder Road Bridge Projects in Jakarta

Construction Package Ciputat Flyover, Tanjung Priok NS Link and E-2A

Tomoyuki Wata, Hironobu Tokuda, Hayato Ito, Tooru Gotou and Katsutoshi Nakano

*

㈱横河ブリッジ・建設事業本部工事第一部土木第一課課長補佐

**

㈱横河ブリッジ・橋梁生産本部大阪工場生産技術第一課主査

***

㈱横河ブリッジ・海外事業部海外部インドネシア駐在員事務所長

1.はじめに

ジャカルタ市内の慢性化した交通渋滞を緩和する都市 整備事業(日本のODA 事業)として,2007 年にインドネ シア初の単純曲線箱桁「チプタット・フライオーバー」 を現地工場にて製作を行い架設した。この実績により 2012 年,タンジュンプリオク・アクセス道路(タンジュ ンプリオク港へのアクセス改善のための有料高速道路) の内の曲線連続箱桁「NS リンク工区」,単純曲線箱桁 「E-2A 工区」の2工区を受注した(図-1)。 これらの施工において,慢性化する交通渋滞の中,車 線規制を行い,トラッククレーンベント工法ならびに横 取り工法などの多様な工法を組み合せることにより規制 区間を最小限に抑えて施工した。この3つの工事につい て製作・施工に関する一連の内容を報告する。

2.工事概要

2.

1 チプタット・フライオーバー(図-2)

In 2007, we fabricated at our local plant and

construct-ed "Ciputat Flyover", Indonesia's first simply supportconstruct-ed

curved box girders, which consists a part of Japan's ODA

projects in order to mitigate chronic traffic jam in Jakarta.

The experience contributed to our competitiveness,

in 2012 we were awarded for two packages, NS Link a

curved continuous box girder bridge and E-2A a simple

curved box girder bridge, which are parts of expressway,

Tanjung Priok Access Road, planned to improve access to

Tanjung Priok Poat.

The construction procedure for these three projects

in-cludes traffic control under chronic traffic jam,

combina-tion of track crane bent method, lateral shift method and

others, consequently construction was successfully

com-pleted with minimum impact to traffic. This paper reports

fabrication and construction for these three projects.

12 12 1 1 1 1 1 2 2 スカルハッタ 国際空港 タンゲラン ジャカルタ ブカシ タンジュンプリオク NS リンク チプタット フライオーバー タンジュンプリオク E-2A ジャカルタ 駐在員事務所 図-1 工事位置図

ジャカルタ都市整備事業における曲線箱桁道路橋工事

チプタット・フライオーバー,タンジュンプリオクNSリンク工区・タンジュンプリオクE-2A工区

発 注 者:インドネシア公共事業省 請 負 者:(株)大林組 工 期:自 平成18 年 7月1日      至 平成19 年 7月 31 日 施工場所:南ジャカルタ,チプタット 橋梁形式:単純非合成曲線(R=50m)4箱桁橋3連 橋 長:102m(3× 34)(幅員19.6m) 総 重 量:572t

(2)

12

12

Ciputat Flyover

JI. Dewi Sartika

JI. Ir H. Juanda

JI. Dewi Sartika

図-2  チプタット・フライオーバーの橋梁位置

2.

2 タンジュンプリオク NS リンク工区(図-3)

発 注 者:インドネシア公共事業省 請 負 者:三井住友建設・フタマカリヤJO 工 期:自 平成23 年 3月 15 日      至 平成25 年 3月 31 日 施工場所:北ジャカルタ,タンジュンプリオク 橋梁形式:単純非合成箱桁2連, 4径間連続非合成曲線(R=125m)2箱桁1連, 2径間連続非合成曲線(R=125m)2箱桁1連 橋 長:468.3m(2×55,60+70+60+60=250, 50+50=105)(幅員9.5m) 総 重 量:1,903t Ja lan T ol P el ab uha n ON RAMP (P32-P36) OFF RAMP (P32-P128) OFF RAMP (P21-P22) ON RAMP (P21-P22) P22 P21 P32 P33 P34 P35 P36 P32 P33 P128 図-3  NS リンク工区の橋梁位置

2.3 タンジュンプリオク E-2A 工区(図-4)

発 注 者:インドネシア公共事業省 請 負 者:大林組・ジャヤコンストラクションJO 工 期:自 平成24 年 1月 10 日 至 平成27 年 1月 31 日 施工場所:北ジャカルタ,タンジュンプリオク 橋梁形式:単純非合成箱桁1連, 単純合成曲線(R=215m)2箱桁1連 橋 長:65m,65m(幅員 14.5m, 8m) 総 重 量:1,310t 図-4  E-2A 工区の橋梁位置

3.製作

3.

1 設計照査 ・製作図(Shop Drawings)

3工事とも製作図を作成するにあたり,日本国内の (株)横河ブリッジ(以下,YBC)設計センターにて設計照 査を行った。その際にNS リンク工区は,発注図の線形図, 全体一般図,上部工図面および下部工図面の不整合が多 数みられ,基本線形における設計質疑の解決に約1カ月 の時間を要し,製作図の作成が滞ることになった。

3.2 材料調達

3.2.

1 鋼板・形鋼

主構造部材の鋼板は,元請との契約交渉の結果,NS リンク工区のみ日本製,チプタット・フライオーバーお よびE-2A 工区はインドネシア製を調達した。鋼板調達 の所掌は,NS リンク工区は自給,チプタット・フライオー バーおよびE-2A 工区は元請からの支給となった。 工事施工当時,インドネシア国内には高炉ミルメー カーはなく,スラブを国外より輸入し,加熱圧延をイン ドネシア国内のミルメーカーが自社で行い鋼板を製作 していた。JIS 認定工場ではないため,JIS 相当品とし て取り扱われていた。E-2A 工区では,材質は SS400 ~

(3)

SM490Y 材, 板 厚 48mm, 幅 3,000mm, 長 さ 12,000mm の範囲内で鋼板を調達した。インドネシアでの鋼板調達 の特徴として,最小発注数量が決められており,その数 量を満たすために原板単位で余材が発生した。鋼板の品 質確認は,機械的性質および化学成分がミルシートによ りできた。 形鋼のうち,NS リンク工区と E-2A 工区(以下,両工事) のスラブアンカーは,SR235 がインドネシア国内では流 通していなかったため,インドネシア規格の相当品であ るBJTP24 を採用した。また,マンホールに使用する鋼 管や鋼棒等の形鋼は,NS リンク工区では日本国内で調 達したが,E-2A 工区では調達先の調査を行い,インド ネシア国内の市中材で対応した。

3.2.2 高力ボルト・支承

高力ボルトは,両工事とも日本製を使用したが,E-2A 工区は元請から支給され,NS リンク工区のみ自給で調 達を行った。荷姿は高力ボルトをペール缶に入れてパ レット積みにして輸出することにより,輸送途中の梱包 の破損による紛失と発錆を防いだ。支承も両工事とも日 本製を調達したが,いずれも元請からの支給となった。

3.2.3 塗料

塗料は,過去にインドネシア国内での使用実績がある 日系塗料メーカーから鋼道路橋塗装・防食便覧に基づく 塗装仕様(外面:C-5 系,内面:D-5 系)の JIS 相当品の 塗料を調達した。塗料メーカーの技術者を製作工場へ派 遣することを発注の条件にし,塗装の品質管理を工場の 品質管理部門と塗料メーカーの技術者との共同で行っ た。 図-5 工場平面図

3.2.4 材料検査

日本製の鋼板の材料検査は,ミルシートの記載内容の 確認を行った。インドネシア製の鋼材はミルシートの確 認とあわせて,公的機関で機械試験を実施し,ミルシー トの記載内容と整合するか確認した。機械試験の結果は JIS 規格を満たしていた。

3.2.5 輸入手続き

インドネシアへの鋼板材料の輸入は規制が厳しく, SNI 規格(インドネシア国家規格)の取得や鉄鋼製品の輸 入者資格の取得が必要条件となる。また,通関手続きが 非常に煩雑で書面の不備があると通関手続きが停滞する ことになる。NS リンク工区では本邦技術活用案件だっ たが,発注者と元請間の契約に該当条項の記載がなかっ たことにより,マスターリストの承認に時間を要した。 そのため,発注者の鉄鋼製品輸入者資格の免除,SNI 規 格の除外,鋼板の免税申請が円滑に進まず,通関が完了 し鋼板を製作工場に搬入するまで3カ月かかった。鋼板 が保税ヤードに保管されている間,製作スーパーバイ ザー(以下,SV)を一時帰国させるなどの対応を行った。 製作工程は工場への鋼板の引渡しが遅れたが現場の出荷 時期も遅れたこともあり,桁の発送は現場架設工程に間 に合ったが,架設が断続的な作業になり非効率だった。

3.3 工場製作

3.3.

1 製作工場

YBC と当時の横河工事(株)の共同出資の子会社で あ る ジ ャ カ ル タ ブ リ ッ ジ(PT. Jakarta Bridge)は,PT. Cigading Habeam Centre (以下,CHC) の製作工場の敷地, 設備を借用することで運営している。製作工場は,ジャ ワ島の西に位置するバンテン州にあり,工場敷地面積 87,330m2,建屋面積58,470m2を有しインドネシア最大級

(4)

YBC と CHC との関係は,1997 年に YBC がインドネ シアに駐在員事務所を設立してから技術協力を続けてい る。製作時には,常に日本人のSV を常駐させて品質, 工程の管理を行っている。特にチプタット・フライオー バーは初めての曲線桁の製作であり,NS リンク工区は 曲線連続箱桁であったため,組立時にYBC 大阪工場か ら組立班長を派遣し,組立の指導を行った。それ以降の タンジュンプリオク・アクセス道路のE-2A 工区の曲線 桁の製作は組立班長の派遣は行わず,SV の管理の下で 行われた。

3.3.2 工場製作

(1)原寸 CHC で は,2000 年 頃 か ら 原 寸 ソ フ ト に“TEKLA Structures”を導入し,橋梁・鉄塔・鉄骨等の3次元原寸 処理を行っていたが,曲線箱桁の処理実績はなかった。 曲線箱桁は,平面線形,縦・横断勾配,キャンバー等 の影響により,「板のねじれ」が生じる。曲げやねじれを 有する3次元形状を,2次元の平板に展開する作業は, システムに頼らない場合,多くの時間と十分な経験が必 要とされる。また骨組みの基本となる座標値・キャンバー は,格点にのみ与えられるのが一般的であり,製作形状 を決定するには,格点以外について補間計算を行い座標 値・キャンバーを求める必要がある。当時のTEKLA が ねじれの展開に対応していなかったことや現地担当者の 技量を考慮し,YBC で CastarJupiter による処理を行い2 次元展開まで行った。また,CHC では一般的でなかっ たピースマークの付け方 (資料がなくてもある程度の配 置がわかる) や,単線罫書,合印,パイロットホールな ど,YBC 標準をそのまま採用した。CHC では型板によ る罫書・切断も行われていたが,描画サイズの制限によ り手作業で型板の貼り合わせを行っていたため,作業時 間・精度を考慮し,重要箇所の型板はYBC で描画した ものを使用した。 チプタット・フライオーバーでは,主桁ウェブ,フラ ンジの罫書・切断は,導入されたばかりのプラズマ切断 機で加工する予定であったが,不測の事態に備えて,手 罫書のための資料(長さ・幅定規)も作成した。 3D モデルや模型(写真-1)を用いた事前検討,各段 階での精度確認用のため多くの資料(切断後寸法,組立 寸法)を作成した。 原寸では生産板取(設計材料寸法・使用箇所を頼りに, 原寸処理結果である実部材を当てはめる作業,取都合) を行った。切断効率や変形を少なくする考慮はほとんど されていないのが実状であるが,単純な生産板取であっ ても,国内と比較し3倍以上の作業時間となっている。 写真-1 模型(発泡スチロール) (2)前加工(罫書・切断・孔明け) 罫書・切断に関してはNC 罫書機やプラズマ切断機, フレームプレーナー,アイトレーサーを使用して行った ため,精度は問題ないレベルである。主桁継手部および 大型添接板の孔明けは大型NC孔明け機がないため,フィ ルム型で孔位置を罫書,携帯式磁気応用孔明け機(アト ラー)を使用して孔明けを行った。また,3工事はパイ ロットホールを設け,仮組立形状を現場で再現できるよ うにした。 (3)後加工(組立・溶接) 3工事は工程が短く,溶接品質も重要であるため,組 立2班・溶接6班とし各班に作業リーダーを配置し,工 程管理・品質管理を行った。曲率が大きい箱桁であった が,組立SV を派遣し指導を行った結果,精度よく組立 が行えた。溶接に関しては優秀な技量を有する溶接工を 完全溶込み溶接部に専属的に配置することにより溶接欠 陥・補修が最小限になるようにした。また,溶接を下向 きで行うため,部材を反転する際には専用の架台を用い て反転作業を行った(写真-2)。 写真-2 反転作業状況

(5)

(4)仮組立 本工事以前は,工事毎にキャンバーを考慮した鋼製架 台を製作しており,仮組立の準備作業に時間がかかり, 効率的でなかった。そこで,コンクリート受け台および ジャッキを使用して,高さ調整を行えるような架台に改 善した。その結果,仮組立の作業時間を短縮でき,調整 作業も簡素化した。以後の仮組立は他工事においてもこ の方式を採用するようになった(写真-3,4)。 写真-3 仮組立状況 (5)ブラスト・塗装 ブラストは,専用の建屋内で行ったため,品質は良好 であった。また,塗装も工場の中で行い,雨天による影 響を受けることが少なかった。しかし品質は塗膜厚不足, 外観不良が散見され補修作業に時間を要した。塗装工の 技量向上のため継続的な指導が必要と感じた。現場架設 工程に合わせて出荷したため,工場ヤードの都合で塗装 完了部材の横持ちが発生した。部材の移動において製品 として丁寧に取り扱うべきところが,玉掛け作業が乱雑 に行われた結果,出荷時に車上で補修を行うことがあっ た。製品出荷時の玉掛け作業を指導し,補修作業の改善 を図った。 写真-4 コンクリート受け台

3.3.3 輸送

製作工場から現場までの輸送は,トラック輸送とした (写真-5)。工場からチプタット・フライオーバーまで 80km,NS リンク工区,E-2A 工区のそれぞれの架設現 場まで約100km の距離がある。しかし,バンテン州か ら架設現場のあるジャカルタまで東西に高速道路が整備 されているため輸送時は大きな問題は生じなかった。 写真-5 部材積込み状況

3.3.4 今後の展望

製作工場は,プラズマ切断機,NC ガス切断機,BH ライン等の設備を有しており,曲線桁の製作には問題な いレベルのものを備えている。チプタット・フライオー バーで,初めての曲線桁の製作を行ったが組立班長によ る指導を行うことにより,インドネシアでも製作が可能 になった。また,E-2A 工区の曲線桁の製作が,組立班 長の指導なしでできたことは,技術が継承できた成果だ と言える。品質管理,工程管理には,未熟な面があり, 未だ,日本からのSV が常駐して指導する必要がある。 品質に関しては,日本のODA 工事であり,道路橋示 方書と同等の品質が求められているため,品質管理担 当者に何度も品質要求レベルを説明して,理解させるこ とが重要である。品質管理担当者が補修を指示した箇所 の補修後の確認をしないことがあり,これが補修漏れと なって,最終的な品質確保を困難にしている。 工程管理についても,毎週工程会議を開催して,工事 担当者に現状の工程が全体工程のどこの位置にあるのか 理解させる必要がある。仮に工程に遅れが生じている場 合は,その対策の検討と実行をいつ行うかを確認する必 要もある。次週の工程会議では作業の実施の確認を行わ なければならない。これを毎週,繰り返すことにより, 製作の工程管理を行っているのが現状である。 これらの管理業務が現地の工場スタッフで可能になれ ば,日本とほぼ同等品質の鋼橋が製作できると考える。

(6)

4.現場架設

4.

1 チプタット・フライオーバー 

チプタット・フライオーバーはT 字路を高架化する工 事で,両サイドの直線アプローチ(PC 桁)から T 字路上 にある直角のカーブ部分に曲線箱桁 (R=50m) 3連を架 設した(写真-6)。 写真-6 チプタット・フライオーバー架設状況 架設現場は,両側に商店や屋台が近接しており狭隘で あったため,作業ヤードは,中央分離帯付近2車線を規 制し,100t 吊クローラクレーンによるベント工法で架設 を行った(写真-7)。 写真-7 チプタット・フライオーバー架設後

4.2 NS リンク工区

NS リンク工区は,高速道路のランプ部に位置し,ON ランプ2橋,OFF ランプ1橋,計3橋を施工した。残り のOFF ランプ1橋は,製作したが,施工は用地買収の 目途が立たず,施工範囲から外された(後日,別工事と して発注された)。

4.2.

1 P21 ~ P22 ON,OFF ランプの架設

P21 ~ P22 ON,OFF ランプは河川を跨ぐ8車線の一 般道路上に位置し,中央分離帯付近の4車線を作業ヤー ドとして確保し上下部工を施工した。架設は,箱桁を地 組立した後,両橋脚背面に設置した200t 吊クローラク レーン2 台の相吊りで OFF ランプ,ON ランプの順で一 括架設した(写真-8)。地組立箇所が,既設橋上での作 業であったため,出来るだけ荷重が分散するように,キャ ンバー調整時のジャッキアップも1箇所でジャッキアッ プせず,常に複数個所で行った。 写真-8 ON ランプ 一括架設状況

4.2.2 P32 ~ P36 ON ランプの架設

P32 ~ P36 ON ランプは T 字路上を横断する位置にあ り,200t 吊クローラクレーンによるベント工法で P36 か らP32 に向かって架設を行った(写真-9)。当初の計画 では,交差点部(P33 ~ P34)にベントを設置し2ブロッ クずつ地組しながらの架設する計画であったが,コンサ ルタントからの要請で,交差点部のベントは設置せず4 ブロックを200t 吊クローラクレーン2台の相吊り架設 に変更した。吊点,吊具等も変更となったが,製作は完 了しており吊点の補強・変更は難しい状況であった。そ のため,箱桁を上下に挟むような構造の吊天秤を製作し 架設した。架設後の下天秤の撤去は,危険作業にならな いように,前もって撤去用のワイヤを準備するなどの対 策を講じた。

(7)

写真-9 P33 ~ P34 ON ランプ一括架設

写真- 10 P33 ~ P36 ON ランプ架設後

写真- 11 Koja Direct OFF ランプ 架設

また,架設後(写真-10),両桁端でパラペットとの 隙間が,設計値の半分程度しかなく(下部工の施工誤差 でパラペット間隔が狭くなった),4径間連続の曲線箱 桁を3 ~ 5cm 縦取りすることになった。方法は,各橋 脚上でテフロン板に受け替え,橋脚にケミカルアンカー を施工し,そこに反力を取り油圧ジャッキで箱桁を押し た。橋脚の高さが25m 程度あり,各橋脚での横押し力 がバラバラであると,橋脚に過大な曲げモーメントが作 用し,残留応力が生じることも考えられたため,各橋脚 の横押し力のバランスに特に注意を払って縦取りした。

4.3 E-2A 工区

E-2A 工区は,高速道路のランプ部の Koja Direct OFF ランプと,本線部の上下線Viaduct-8 を施工した。

4.3.

1 Koja Direct OFF ランプの架設

このランプ桁は,250t 吊クローラクレーンによるベン ト工法で架設した(写真-11)。ただし,主桁が本線の 橋脚梁の下を通過するため,クレーンの作業空間が10m 程度しかなく,狭い空間での作業に大変苦労をした。

4.3.2 Viaduct-8 の架設

河川を跨ぐ本線桁の架設である。まず橋梁中心部付近 に架設トラスを設置し,橋脚背面より150t 吊クローラ クレーンにて,架設トラス上に設置したチルタンクに主 桁を仮置きし,縦取りと架設を繰り返しながら,対岸方 向に縦取りして行った(写真-12)。 写真- 12 Viaduct-8 架設 対岸に主桁が到達したら,センターホールジャッキと テフロン板を駆動装置とした横取り設備を使用し,横取 り梁上を所定位置に横取り降下し,支承にセットした(写 真-13)。それを6回繰り返し,6主桁を架設し,完了 後に架設トラスを解体した(写真-14)。

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写真- 13 Viaduct-8 横取り 写真- 14 Viaduct-8 架設トラスの解体

5.おわりに

1997 年,インドネシア・ジャカルタ駐在員事務所を 開設してから現在まで18 年の月日が流れ,多くの工事 を受注し施工してきた。今回の3工事は,経済発展が著 しい,インドネシア,特にジャカルタ市の慢性化した交 通渋滞や雨季の洪水が深刻化し,それに伴いインドネシ ア国内の輸送時間の増大や輸送コストの増加による国際 競争力の低下が懸念されている中でのプロジェクトで あった。 現場は,激しい渋滞の中で何回も規制帯を変更しなが らの作業であり,他業種とのヤードの調整に大変苦労し た。最後のタンジュンプリオクE-2A 工区が,2015 年 1 月に竣工し,3工事すべてが無事故で完了できた。 最後に,インドネシアにおける適切なアドバイス等ご 指導頂いた元請の三井住友建設(株),(株)大林組の方々, 現場の施工監理を担当された片平エンジニアリング・イ ンターナショナルの方々に感謝の意を表し,これらの工事 により少しでも渋滞が緩和されて,ジャカルタ全体の物流 システムの改善に寄与することを心より祈るものである。 参考文献 1) 東 後: イ ン ド ネ シ ア 国 タ ン ジ ュ ン プ リ オ ク 港 ア ク セ ス 道 路 建 設 プ ロ ジ ェ ク ト, Civil Engineering Consultant, Vol.241, October 2008

参照

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