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一般廃棄物焼却場の立地選定における合意形成のモデル化

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Academic year: 2021

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2001年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 秋季研究発表会

2−G−2

一般廃棄物焼却場の立地選定における合意形成のモデル化

AConsenstlSFormatioJIModelfbrSitingaRehseInciJlerationPlant 藤田眞一一 田村坦之” ShinichiFltiitaandHiroyukiTamura *(財)関西環境管理技術センター **大阪大学大学院基礎工学研究科 * EMATECKANSAI **GraduateSchoolofEngineeringScience,OsakaUniversity 1.はじめに

一般廃棄物(家庭ゴミおよび事務所や工場・事業場などから排出される紙屑,厨芥など)

を処理する責務は,我が国では市町村にあり,一般廃棄物焼却場の設置および運営はその

市町札 あるいは複数の市町村の間で設置された組合において行われている■廃棄物の減

量化のための努力は,市町村,各家庭,事務所,工場・事業場等で行われているが,一般

廃棄物の排出量は減少傾向とはなっていない.従って,一般廃棄物焼却場の建設や建替え

は,市町村にとって最も重要な事業の一つとなっている.

一般廃棄物焼却場の建設予定地の周辺地域住民は,施設運用や廃棄物輸送車による環境

影響に対して懸念や嫌悪を持っており,その合意を得ることは非常に困難な状況にある・

さらに,我が国では廃棄物焼却場から排出されるダイオキシンによる環境汚染問題が重大

な社会問題となっており,一般廃棄物焼却場の建設予定地の周辺地域住民の合意を得るこ

とは,ますます困難となっている.また,近年,行政分野における意思決定について,説

れており, ̄般廃棄物焼却場の位置選定について

本論文では,このような一般廃棄物焼却場の立地選定に際して,市町村の意思決定を支

援するための方法論を提供するものである.

2.一般廃棄物焼却場立地選定支援システムの概念

一般廃棄物焼却場の立地選定支援システムの概念を図1に示す,システムは,2段階の

構成となっており,まず,第1段階では,市域(もしくは,複数の市域)全体から,数ヶ

所の候補地に絞り込む手法を提供する.次の段階で,絞り込まれた数ヶ所の候補地を評価

し,最も望ましい候補地を選定する.さらに,複数の市域から候補地を選定する場合につ

複数の意思決定者間の合意形成の手法についても提供する

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ついて,既 囲1一般廃棄物焼却場の立地選定支援システムの概念 て評価する手法 に報告した2’. 本論文では,第2段階における複数の市域から候補地を選定する場合について,複数の 意思決定者間の合意形成の手法について提示する. 3.一般廃棄物焼却場立地選定における複数の意思決定者間の合意形成の手法 近年,ダイオキシン問題に端を発して,小規模の一般

廃棄物焼却場を統合して,複数の市町村の廃棄物を広域 7 ′ ■ 、 l_......■・▼− ヽ _■ l L亡コ L■H_ 1_ ⊥Lニrl._ユ. _ 人メナニrl→._ 7」1ニ「l.」_・・ナ /■「く.」..、I.,.」レ

的に処理する大規模な施設を1箇所に建設する傾向にあ る.この場合,どの市町村のどの場所に設置するかにつ いて,複数の市町村間の集団意思決定を行う必要がある. 本論文では,複数の意思決定者からなる集団へのD−A HPの適用について検討する. 図2に示すように,仮想的な隣接した2つの市域内に 一般廃棄物焼却場を設置するに際して,絞り込まれた4 ヶ所の候補地を評価する場合を設定した. 市果H .結A い該一 従当D に,び 造い及 評価の階層構造を図3を示す.同階層 構 町の廃棄物担当者に対するヒヤリングを行 AHPアルゴリズム3) に基づいて Pのアルゴ リ に従って各評価基準の下での対比較 図2 隣接2市における候補地 ー272− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

を行った.両市を含むグループの評価は,両市の評価者の各々の対比較行例について,対 応する要素を幾何平均することにより求めた.なお,モデルの簡易化のために,各評価者 間で差異のあるのは,評価基準「住民の合意」の下での評価のみとした. 図3 隣接2市における一般廃棄物焼却施設の設置場所評価のための階層構造 A す, 結果は,代替案4(A4)が最もランクが高か った.また,代替案4の土地が取得できなかっ た場合を想定して,代替案4を除いて評価した. 表1SaatyのAHPを用いた評価結果 A市 B市 両市の幾何平均 両市の幾何平均 (代督葺1除く) 重みランク 重みランク 重み ランク 重み ランク 代℡慕1 0.255 3 0.251 3 0.253 2 0、38Z l 代官宰2 D.2g7 1 0.185 1 0.231 4 0.313 2 代督案3 0.163 4 0.308 1 0.232 3 0.305 3 憾4 0.Z85 2 0.285 2 0.285 1 この結 位逆転 さら ンが替 ラー一代 ,象. 果現に の順位は入れ替わり,選好順 ク起 っている こ 案4は,居住地に近く,両市の 地元住民の合意が得にくい場所だと考えられ る. 次に,表2に,D−AHPを用いた評価の結 果を示す.ここで,希求水準とは,評価者が最 低限これぐらいは必要,と求める水準を意味す る1).この結果では,代替案1(Al)が最も ランクが高かった.また,代替案1の土地が 取得できなかった場合を想定して,代替案1 を除いて評価した.この結果では,選好順位 逆転現象は起こらなかった.しかし,仮に, 選好順位逆転現象が起こっても,D−AHPは, この現象を合理的に説明することができるl). また,代替案1は,両市の地元住民の合意 が比較的得やすい場所であると考えられる. 表2 D−AHPを用いた評価結果 A市 B市 両市の幾何平均 両市の幾何平均 (代習冥1除く) せみワンク セみ ワンク 鑑み ワンク 鑑み ランク 代閣1 2312 2 2.198 2 2255 l 代智美2 26了1 l l.514 4 2095 2 2030 l 代官毛3 l51ヰ 疇 2.朗■ l 2m q l.984 3 代甘案4 20さ9 】 2099 ヨ 209呵 3 2.009 2 希求水攣 1.000 5 1000 5 1000 5 l000 4 4.おわりに 一般廃棄物焼却場の立地選定に際しては,最も望ましい候補地が入手できなった場合な ど代替案の数が変化する場合があり,D−AHPはこの様な問題に有効である.また,焼 却場を建設する場合,市町には予算等があり,希求水準を用いることには,妥当性がある. 本論文では,両市を含むグループの評価に際して対比較行列の要素間の幾何平均を用い たが,公平な合意形成を表現するため,さらに有効な手法について検討していきたい. 参考文献 1)田村,高橋,鳩野,馬野:階層化意思決定法(AHP)の記述的モデルの提案と選好順 位逆転現象の整合的解釈・山川αJ〆血㊥g相加乃∫肋edrCろ助cf叫げノ如β〃,41(2) (1998)214−228. 2)藤軋 田村‥一般廃棄物焼却場の立地選定に対する改良型AHPの適用,♪〟γ舶J〆伽 (砂β相加乃5月β5gα〝ゐ助cよg砂〆ノ如α乃,投稿中. 3)T・L・Saaty:meAnab)licHierarc7vProcess(McGraw−Hill,1980). −273− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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