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心房中隔欠損症における洞結節および房室結節機能について

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Academic year: 2021

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!60 (63) 氏名(生年月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

タ ナカ トオル 田 中 徹 (昭和23 医学博士 乙第877号 昭和63年1月22日 学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)

Sinus node and atrioventri¢ular node functions in secundum atrial septal defect in adults (心房中隔欠損症における洞結節および房室結節機能について) (主査)教授 広沢弘七郎 (副査)教授 小柳 仁,教授 串田つゆ香

論 文 内 容 の 要 旨

目的 本研究の目的は,心房中隔欠損症(以下ASD)の刺 激伝導系,特に洞結節および房室結節機能を評価し, ASDにおける洞結節機能不全(以下SND)および房室 結節機能不全(以下AVND)の成因について,臨床所 見・血行動態指標などより検討することである. 対象 1.ASD 52例(21~74歳)に対して術前の洞結節お よび房室結節機能を評価した. 2,ASD 23例に対しては,洞結節および房室結節機 能について手術前後の比較を行った. 結果 1.術前 1)洞結節機能の指標である補正洞結節自動能回復

時間(以下CSNRT)および洞房伝導時間(以下

SACT)の異常延長は,それぞれ48%,25%に認められ た. 2)房室伝導機能の指標となる房室結節内伝導時間 (AH時間),心房ペーシングによるWenckebach type blockの出現(Wenckebach rate)は33%,31%に異 常が認められた.

3)年齢とCSNRTおよびAH時間には有意な正相

関が認められ,相関係数はそれぞれp<0.005,p<0.05 であった. 4)年齢とWenckebach rateには有意な負の相関 が認められた(p<0.05). 5)血行動態の指標である肺動脈圧あるいは肺体血

流量比とCSNRTあるいはWenckebach rateとの間

には相関は認められなかった. 2.術前後

1)心房内伝導時聞およびAH時間, CSNRT,

SACTは術前後に有意な変化はみられなかった. 2)Wenckebach rateは術後有意な改善がみられた (p〈0.05). 考察

ASD術後にSNDやAVNDが合併することは知ら

れているが,その成因についてはこれまで手術による 刺激伝導系への侵襲が考えられてきたが必ずしも明ら かではない.術前のASDの洞結節および房室結節機 能については小児例での報告はあるが成人での報告は

ない.本研究より成人のASDでは術前よりすでに

SNDおよびAVNDを伴う症例が存在することが明

らかになった.SNDおよびAVNDが若年者にもすで

に認められることおよび血行動態の重症度と相関しな いことから,ASDには洞結節・房室結節の発生学的異

常に起因したSNDおよびAVND群と,SND・AVND

を伴わない群が存在することが示唆された.両群とも 加齢は洞結節および房室結節機能への増悪因子になり うることが示された.術前後の比較では,術前洞結節 機能正常例は術後も洞結節機能は正常であり,術後 SNDを示した例はいずれも術前より洞結節機能異常 の例であった.従って術後のSNDの機序としては手 一824一

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161 術侵襲よりもむしろ術前からのSNDの存在が大きい と考えられた. 結論 ASDには洞結節機能不全および房室結節機能不全 を術前よりすでに示すものがあり,洞結節・房室結節 の発生学的異常に起因している可能性と,加齢がその 増悪因子となることが明らかとなった.ASDでは術前 よりこれら刺激伝導系の評価が必要である.

論 文 審 査 の 要 旨

心房中隔欠損症は最もありふれた先天性心奇形であり,小児期のみならず成人にも症例が多い.そ して,根治手術がかなり有効に行われる疾患である.その手術の後には心房粗動を中心として独特の 不整脈が高頻度に見られる.また,非手術例にあっても元来心房細動を中心とした不整脈が高頻度に 見られる,本論文はこのような特徴ある不整脈のスペクトルムに対し電気生理学的な探究を試みたも ので,臨床医学に寄与するところ大であると認める. 主論文公表誌

Sinus node and atrioventricular node functions in secundurn atrial septal defect in adults

(心房中隔欠損症における洞結節および房室結節 機能について) 東京女子医科大学雑誌 57巻 第11号 1393~1401頁(1987年11月25日発行) 副論文公表誌 1)Procainamideとの比較検討によるDisopyr- amide Phosphateの臨床効果の評価 薬理と臨床 9(Suppl.1)157~161(1981) 2)Overinhibitionに対するProgrammable機能 の分析 心臓ペーシング研究会プロシーディング 5285~287(1981) 3)Disopyramide Phosphateにおける電気生理学 的ならびに血行動態的検討 呼吸と循環 29(10)1079~1084(1981) 4)Bundle branchのlongitudinal dissociationに

よるreentryが示唆された心室性頻拍症の1 例 臨床心臓電気生理 4(2)213~219(1981)

5)WPW症候群を伴うEbstein奇形に対してHis

束切断術,三尖弁置換術およびA-VSequen- tial Pacemaker植え込みを行った1例 日本胸部外科学会雑誌 32(1)82~87(1984) 6)メキシレチン静脈投与の心機能および刺激伝導 系への影響 呼吸と循環 31(12)1355~1360(1983) 7)メキシレチンの心室性不整脈に対する臨床使用 経験 呼吸と循環 34(3)315~319(1986) 8)身体活動によりペーシングレートが変わる VVIペースメーカーのsensor機能の評価 呼吸と循環 34(4)433~438(1986) 9) ホルター心電図 看護技術 33(2)87~92(1987) 10)血行動態 循環器科 22(1)25~34(/987) 一825一

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