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取締役の第三者に対する責任--商法第266条ノ3の研究-1- 利用統計を見る

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取締役の第三者に対する責任--商法第266条ノ3の研

究-1-著者

小沼 喜八郎

雑誌名

東洋法学

19

2

ページ

p55-83

発行年

1976-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00006068/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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      目 15H4〉(3)(2Hil

取締役の第三者に対する責任

       商法第二六六条ノ三の研究i

 ω 本条一項前段の性質  鋤 本条一項後段の性質   取締役の範囲と職務癬怠 8 本条責任の性質 取締役の範囲と表見取締役について 取締役と職務解怠の意義 代表取締役の職務癬怠について 平取締役の職務解怠について 検討 () 4・

沼 喜八

β

は し が き

 取締役は会社に対して委任または準委任の関係にたつ︵商第二五四条三項︶が、第三者に対して直接そのような法 律関係にたつものでない。従って取締役が会社に対して、その任務を怠り第三者に対し損害を加えても、その損害は    取締役の第三者に対する責任       五五

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   東洋法学      五六

会社が負担すべきものであり.直接取締役が第三者の損害を賠償すべき関係にたつべきものでない。しかし取締役の 職務執行が第三者の利害に影響するところが大きいので、特に第三者保護の見地から取締役に責任を負わせる必要が あるため認められたのが取締役の第三者に対する責任である。そこで取締役がその職務執行申第三者に損害を被むら せた場合において.取締役の負担する責任について.民法第七〇九条.第四四条一項.商法第二六一条三項.第七八 二条二項.有限会社法第三二条により取締役が損害賠償責任を負う場合と.商法第二六六条ノ三により.取締役が損 害賠償責任を負う場合とが考えられる、前者は民法の一般規定によウて処理されるべきものであるので.こ鑑では後 者を考察することとする。商法第二六六条ノ三の規定は取締役の違法な職務執行の結果として第三者に損害が生じた 場合に取締役が個人として.その第三者に対し損害賠償責任を負うことを定めたものであり.発起人の第三者に対す る責任︵商第一九三条︶および合名会社の清算人の責任︵商コニ四条ノニ︶に関する規定と類似している。また有限 会社法第三〇条ノ三は本条と同趣旨である。かかる取締役の第三者に対する責任は.明治三十二年︵第一七七条︶. 明治四十四年︵第一七七条豆︶、昭和十三年︵第二六六条璽︶.昭和二十五年︵第二六六条ノ三︶.昭和四十一年︵新 株受証の追加︶.昭和四十九年と幾度の変遷を経て商法上に規定されてきている。しかし前述のごとき規定の構成が 変更された影響もあって.本条の解釈をめぐり取締役の損害賠償責任の法的性質と.一般不法行為責任との関係にお いて理論上.争いを呈している。ここにおいて学説判例を中心として.それらを解明し本条を解釈しようとするを主 旨とする。

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責任の性質

 ω 本条一項前段の性質  責任の法的性質につき通説は特別の法的責任と解するが、これに対し小数説は特別の不法行為責任と解し、とくに 現行法のもとにおいては軽過失についての責任の免除を強調し、この立場を採るもの多きを加えている。通説を支持 される西本寛一博士によれば、取締役は法定機関として会社に対し委任または準委任にたつも、第三者に対して直接 そのような関係にない。したがって取締役がその職務執行につき、悪意または重大な過失があり︵任務解怠︶、その 結果、第三者に損害を加えても、その損害は会社が負担すべきものであり、取締役が直接第三者の損害を賠償すべき 関係︵受任者的義務の負担︶にない、しかし今日の企業は単にその所有のためのもののみではなく、企業の社会化は 企業の公共性を当然に要請する。それと同時に信託の思想は受託者としての取締役の地位を認め、それに伴う経営者 倫理の要請は、会社、株主、企業に依存する労働者、顧客、一般大衆に対してまで、その経営者責任を拡大せんとす るものであって、本条は特に第三者の保護を図ったものである。その責任発生の要件として①会社に対し任務を怠っ たこと職務を行なうにつき︶②その任務の解怠が悪意または重大なる過失によること、③会社に対する任務の癬怠が ひいては第三者に損害を及ぼしたことの要件を必要とし、またこの責任は法規上の特別の責任であるから他の講求権 の存否と関係なく存在する。  即ち取締役が会社に対して損害を生じないで単に第三者のみに損害を与える場合︵例えば目論見書に虚偽の記載を    取締役の第三者に対する責任      五七

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   東洋法学      五八

したような場合は、かりに会社に対しては何等の損害が生じないことがあっても.これを信じて新株の引受をした第 三者に損害を与える場合がある。また貸借対照表不動産の不当評価等︶。また取締役が不法行為責任を負わず.した がって会社が民法第四十四条による責任を負わない場合でも第三者に対する責任が存在しうる。一方第三者が会社に 対する講求権を有しない場合でも取締役に対する損害賠償講求権を有する場合がありうる。時効は取締役が会社に対 して任務を怠ったことを原因として.法律の特別規定により.特に認められた特別責任であるから民法の不法行為の 時効に関する規定︵民第七二四条︶の適用はない︵鯨灘騰嘘歌簗蕊碑灘聯離鱗峨鯵葺九駝.  したがってその責任は民法第一六七条一項の規定により.任務癬怠のときから十年の経過によって削滅すると解さ  ︵隻︶ れる。通説の立場では不法行為責任との関係はとくに問題とならず.それぞれの要件を充たしさえすれば商法の規定        ︵2︶ による損害賠償請求権と不法行為による損害賠償請求権とは競合することになる。これに対し一方では不法行為責任 説が主張されており.これは特別の不法行為責任説と特殊不法行為責任説とにわかれる。  特別不法行為説によれば取締役は種々雑多な職務を大量かつ迅速に執行することを要するものであるから.第三者 に対し取締役の過失による損害を加える機会が多いと老えられる。そこで何人でも避け難い軽過失についてまで取締 役に責任を負わせることは非常に酷であるので.取締役の責任要件を悪意または重大なる過失に限定し.一般不法行 為責任の要件である軽過失についてその責任を免除して.この場合には第三者をして会社の責任だけで満足せしめよ    ︵3︶ うとする。したがってこの説によれば悪意または重過失という主観的要件は会社に対する任務癬怠について存するも のでなく.第三者に対する加害について存在しなければならない。したがって他の損害賠償請求権の競合関係は否認

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される。かように特別の不法行為責任説のごとく悪意または重大なる過失が会社に対する任務怠癬に関するものとす ると、何故にそれが第三者に対する責任要件となるか理解しえないのであって、これは第三者保護の見地よりも、む しろ取締役の責任を軽減し、取締役の活動を容易ならしめるものである。特殊不法行為責任説は軽過失について取締 役の責任を免除し、取締役の責任を軽減する特別の不法行為責任説と共通するのであるが、取締役の責任発生要件要 件は通説と同様に会社に対する任務解怠について存すれば足りるとしている。それは株式会社の社会的経済的地位か らみて、取締役が悪意または重過失により、その任務を解怠して第三者に損害を及ぼす場合には、第三者に対しても 不法行為の成立に必要な違法性が認められるとするを理由とする。       ︵4︶       ︵5︶  この場合に他の損害賠償の講求権との競合関係を否認する場合と認める場合がある。かように学説上、商法第二六 六条ノ三の責任に関する論争は久しく続いているが、判例はどのように明言しているのであろうかながめてみると、 旧商法第一七七条は﹁取締役が法令又は定款に反する行為を為したるに因り第三者に損害を加えたるときは、故意又 は過失の有無を問わず賠償の責任あるものとす、即ち取締役が第三者に損害を加ふる意思あること又は其損害を加ふ るに付き過失あることを要せぎるなり、又取締役が法令又は定款に反する行為をなし、之れに因りて第三者に損害を 被らしめるときは必ずしも権利侵害の事実あることを必要とせず、即ち特に第三者の権利を侵害せぎるも其損害を賠 償すべき責に任ずべきものとす、然れば商法第一七七の規定は民法第七〇九条の不法行為に関する規定にあらず、依 て本件取締役の行為に適用すべきものにあらず﹂︵諫鯨騨鋼燗姻肇雄、︶と判示し、その責任の性質を不法行為と解しつつ も、民法第七〇九条以外のいかなる意昧の不法行為かを明示していない。    取締役の第三者に対する責任      五九

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   東洋法学      

六〇  しかし旧商法第一七七条第二項による請求権は﹁民法不法行為上の如く.其発生に故意又は過失を必要とするもの にあらず.萄も取締役.若しくは監査役が法令又は定款に反する行為を為したる場合、之にょる損害の発生したるこ とのみを理由として為し得る一種特別の権利なるが故に.之に付ては民法総則に定めたる一般時効に関する規定の適 用あるべきも.民法不法行為に関する特別の時効規定を適用する余地なし︵幽漏騨醐囑舗叢翻加脚︶と判示している。  また旧商法第二六六条第二項に基づく損害賠償義務は商法の定めた特別責任であって︵蠣鴨麟難噸癩だヌ獣ガキ︶と判示す        ハ醇︶ るものは法定特劉責任説を明示した判例である.これに対し発起人.取締役.監査役︵被上告人︶が株式会社を設立 するにあたって.悪意又は重過失に基づく任務癬怠をなしたことにより.株主︵第三者︶に損害を被らした場合は. 被上告人等の右損害責任は不法行為上の責任と同様被告者に過失ありたるときは.裁判所は損害賠償の額を定むるに       ︵7︶ 付.之を斜酌することを得るものと解するを妥当とする︵蹴難囎趨蟻還意○︶と判示し不法行為責任説とした判例があ る。しかし以上のように旧商法下において本条の性質を直接明確に論じた判例は少ないが.趨勢において特別法定責 任説の傾向にあった。  さて現行法下においては. ﹁同条︵本条︶の責任は取締役の悪意または重大なる過失による任務癬怠という違法行 為を契機として、それによって生じた第三者に対する損害を賠償する義務を取締役に負わせたものであること.同条 の責任は取締役と第三者との間に契約関係との他.特殊な関係が存在することを要せず、取締役といかなる第三者と の間においても発生するものであること等に鑑みれば.同条の損害賠償責任の本質は特殊の不法行為責任と解する﹂ ︵歓犠穐蝋鰯噸翫スくガεとして特殊の不法行為責任説を明示した。しかしこれに対し控訴審は﹁おもうに同条の責任は左

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の三点において不法行為責任と異っている。ω取締役の悪意又は重過失は不法行為において故意過失が第三者︵被害 者︶に対して向けられているのと異り、会社に対する任務解怠について存することを要し、かつこれをもってたりる こと。㈲本条の責任は軽過失がある場合には除外されていること⋮⋮⋮。の被害者の権利侵害を要件としていないこ と。  以上によって本条の責任は商法によって課せられた特別の責任と解すべく、不法行為責任又はその変容として理解 すべきものではない︵諌順糊醐謂繭驚勲知鍵︶と判決した。又最高裁判決もこの見解を採っているところから判例の態度はこ      ︵8︶ の傾向にある。  ③ 本条一項後段の性質  本条一項後段の性質をどのように解釈するかは、まず後段を前段の例示と解する立場を採るならば、大体一項前段 の性質についての各見がそのまま後段にも移きれるとする。即ち前段を特別の法定責任と解すれば後段も特別の法定 責任と解される。本条後段に規定した書類の重要な事項に関し、虚偽の記載をなし、または虚偽の登記、若しくは虚 偽の公告等を為することは、即ち会社に対する悪意の任務解怠に他ならなく、とくに規定をまつまでもなく当然本条 一項前段に含まれることからであるとする。又前段を特殊不法行為責任と解すれば後段も特殊不法行為責任と解す ︵9︶ る。これらの見解に対し、本条一項後段は前段とはその要件を異にしているのであって、後段は前段の単なる例示で       ︵憩︶ はないとする説がある。即ち前段を特別の法的責任と解し、後段を特殊の不法行為責任と解する説、前段を債権者代        ︵H︶       ︵12︶ 位権的な特別責任と解し、後段を契約締結上の過失責任とする見解、前段後段ともに不法行為責任とする見解等があ    取締役の第三者に対する責任      六一

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    東洋法学       六二

る。一方この点に関しての判例は本規定を昭和二十五年に設けて以来、明言するものを見い出せない。ここにおける 客観的要件たる列挙事項は制限的か.例示的なものであるか.また虚偽の記載は商法第四九〇条.第四九八条第一項 一四号.一九号の不実の記載と同義であるかどうか.虚偽の登記は商法第一四条に規定されるいわゆる不実の登記と 解すべきかどうか.取締役の範囲は前段の場合とどうか.決議賛成取締役に後段による責任を認めるべきかどうか等 解釈適用上の問題がある. 註 ︵薗︶ ︵2︶ ︵3︶ ︵暴︶ ︵5︶ ︵6︶ ︵7︶ ︵8︶ ︵9︶  購申誠二 金融商事判例灘八五号三翼  .西本寛一 株式会社重役論 一五灘頁以下 布井書房. 田申耕太郎 改訂会社法概論︵下︶三九八頁       石 井照久 会社法︵上︶ 三五〇頁 頸草書房. 大阪谷公雄株式会社法講座麟 二三五頁.有斐閣  松田二郎 株式会社法の理論 二八五頁 岩波書店. 服部栄三 株式の本質と会社の能力 一五四、頁.有斐鱒、 田 申誠二 会社法詳論︵上︶ 四九四頁・頸草書房、 大隅健一郎 全訂会社法詳論︵申︶ 一四七頁 有斐閣  註田申誠二 前掲臨九五頁  註大隅健一郎前掲一四七頁  大判大ご一.三.九民集一二.一三二  大判大一五、一.二〇民集五、二、二五  大判昭八.二、一四民集一 二.四壬鴛寺は一般に特別責任説にたつ判示であると解せる。  本間輝雄、会社判例百選 ご二八頁 有斐閣  服部栄三、管原菊志 逐条判例会社法全書鍍 臨三六頁、商事法務 最判昭縢醗、二.二六、判時五七八号 三頁、 最判昭五.三、二六、判時五九〇号 七六頁、最判昭瞬五、七、一判時六〇二号 八六頁  西本寛一 前掲一六二頁. 田申耕太郎 改訂会社法概論︵下︶ 三九九頁

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︵憩︶ ︵U︶ ︵12︶ ︵B︶ 大隅健一郎、大森忠夫 逐条改正会社法 二九二頁有斐閣 大阪谷公雄、前掲一二二五頁 佐藤庸、取締役の第三者に対する責任 私法九号二九頁 大隅健一郎、全訂会社法論︵中︶ 一四九三頁 有斐閣  口 取締役の範囲  ω 取締役の範囲と表見取締役について  本条にいう取締役即ち損害賠償責任φ帰属主体となりうる取締役は、単に代表取締役のみに限られるものでなく、       ︵1︶ 代表権や業務執行権を有さないいわゆる平取締役をも含めてすべての取締役をいうものと考える。ただし代表取締役 と平取締役とではその職務内容が異るので本条の責任の問題について異なる点がでてくる。代表取締役、平取締役の 職務癬怠に関しては次項で記述するので本項ではこれ以外の表見代表取締役、表見取締役について老察する。表見代 表取締役が本条所定の他の要件をみたす行為をした場合、その者も本条の取締役として、損害賠償責任を負担するか 否かについて﹁取締役が一且辞任するときは、その登記前においても、会社に対して善管義務と忠実義務を負うもの ではなく、かつ取締役としての職務を執行するに由ないのであるから、原則としてかかる者に同条の規定する責任を 負わせることはできないであろう。しかしかかる者においても、外見上取締役としての職務を執行し、その職務に関 する取引により善意の第三者に損害を加えた場合であれば、事情によっては、損害賠償責任を負わねばならないもの と解する。    取締役の第三者に対する責任      六三

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   東洋法学      

六四  しかしながら被告は昭和二十七年六月三十日取締役辞任後は勿論.同月初項から.訴外山一会社の取締役として職        ︵2︶ 務を全々執行していなかった⋮⋮から被告に右損害賠償責任はない﹂と判示され.谷川博士はこの判旨に同趣旨の説 を採られている。即ち辞任登記の取締役が後任取締役就任後完全に取締役たる権利義務を喪失した後においても.事 実上取締役としての職務執行をしたときは.商法第一二条の趣旨に則り.善意の第三者に対して本条の責任を負うと     ︵3︶ きれている、また﹁自己に関する不実の登記をなすことに承諾を与えて登記義務者の登記行為に加功した者は.その 登記につき善意の第三者に対し商法第一四条所定の登記義務者と同様の責任を負うと解するのが相当であり−ー.し かして原告は善意の第三者と認められるから.被告は自己か右会社の取締役および代表取締役でない蔦とをもって原 告に対抗し得ないものといわねばならず.結局.被告は.商法第一四条により原告に対し同法第二六六条ノ三にいう       ︵墨︶ 取締役としての責任を免れ得ないというべきである﹂との判示もある。  しかしこのような判例および谷川博士の説に対して.単なる表見代表取締役.表見取締役が果して商法第二六六条 ノ三の規定の責任が及ぶものであろうかとの疑問を生ずる。即ち商法第一二条.第一四条によって本条の責任を肯定 できうるのかの問題であるが.もし表見取締役を本条の取締役として扱うとしても.この判例のいうように現実の業 務執行の有無を基準として、その責任の存否を判断するということは.表見理論から言っても疑問が残る。ここにお ける表見法理は取引関係における相手方の信頼の保護にその根拠をおいているものであるが、株式会社との取引にお ける信頼の基礎は株式会社法の原理からながむれば、もっぱら会社財産であって.取引をする者はそれを目当として 取引をなすべきものと考えられる。器・こで商法第一二条はいわゆる表見法理の具体的適用を示す一例であるから.も

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しこの面から事案がとられるとするならば、表見代表取締役に関する商法第二六二条によって、会社の責任が論ぜら れるべきであって、商法第二六六条ノ三が間疑される余地はないのではなかろうか。  つぎに表見取締役と異って法律的に完全に取締役の地位にある者がその義務を怠り全然取締役の業務をとらない場 合には、そのこと自体が任務解怠となって本条の責任を負れることはできないと解される。しかし取締役が会社から 懇請されるままに名義だけ貸与して、義務を負担しないとの約束の下にその職に就任した、いわゆる名目的取締役の 責任存否はどうであろうか。この名目的取締役の場合は法律的に取締役の地位を有することに疑義がないと考えられ るので責任義務を負担することになる。名目的取締役が、自己は名目的取締役にすぎないのであるから、責任を負わ ないと抗弁すること、その抗弁自身果すべき義務を果していなかったことを自から認めるものと見徹されても仕方が       ︵5︶ ないことである。  判例も同趣旨を示し﹁前段認定のとおり、被控訴外人は訴外会社の代表取締役社長に就任すること自体について は、これを承諾し且つその登記を経ていたいものであるから事実上同会社の運営は一切関与しない諒解があり、且つ 事実上関与していなかったとはいえ第三者に対してはその内部関係を主張して代表者として責任を免れることは許き れない。そうして代表取締役たる者は会社に対し善良なる管理者の注意をもって会社の業務執行にあたるべく、他の 取締役の業務の執行行為についても注意を怠らず、職務違反の不当な事務処理は、これを未然に防止して会社の利益 をはかるべき義務を負っているから、前認定のごとく被控訴人が業務の執行一切を他の代表取締役本間喜一に委ね而 も自からは何等これを顧えなかったことは代表取締役としてその職務を行なうにつき重大なる過失があったと謂うべ     取締役の第三者に樹する責任      六五

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   東洋法学       六六

   ︵6︶ きである﹂としている。また﹁被告は訴外会社の代表取締役でありながら薯しくその職務を解怠したもので⋮右職 務解怠については少なくとも被告に重過失の責任を認むべきである。⋮⋮被告が訴外会社の名目上の代表取締役に過 ぎず一切訴外矢島芳雄︵常務取締役兼商業使用人︶がなしてきたことは前記のとおりであるが.全然取締役になった 事実がないというならいざしらず.いやしくも代表取締役になることを承諾した以上︵代表取締就任は被告自認畦就 任承諾︶内部関係において単に形式的名鷺的のものであっても.代表取締役の職務権限につき何等消、長をきたすもの ではないというべきである。  従噛て被告は商法第二六六条ノ三によむ訴外矢島芳雄と遠帯して直接第三者たる原告に対し.本件損害︵原告が寄       ︵7︶ 託した書類を矢島が亡失したことに基因する損害︶を賠償すべきものというべきである﹂と判示している。  さてこの種の取締役対会社間の名義貸与に伴なう義務と責任についての免除特約の効力に関しては.有効説と無効 説とが学説上対立している。有効説は免除特約が会社の代表取締役と取締役たらんとする者との間で締結されたとき には代表取締役選任権が認められないから無効である。しかし株主総会の決議に基づく場合には取締役責任免除の商 法第二六六条四項との権衡からして殊に総株主の同意があれば株主は自己の有する権益の放棄としてこれを有効とし        ︵8︶ たうえで、その決議に参加し得ない会社債権者との関係ではかかる合意︵U特約︶は無効であるとする。無効説によ ればこの種の特約が株主総会の承諾を得た特約でも、また定款の定めがあったとしても株式会社の公共性に鑑み無効      ︵9︶ であるとする。有効説に従えば株主総会において総株主の同意があればその特約︵会社に対して取締役としての職務 執行をしないでよい︶は有効であるとなるが.株式の譲渡性をみるに新株主との関係︵利益を放棄していない株主︶

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会社第三者との関係においては取締役としての職務執行をせねばならないこととなり矛盾があるのではなかろうか。 また取締役はもっぱら新株主や取引先をひきよせるための客引き的役割を果すための会社機関の創立となる恐れがあ る。このような会社機関の創設は会社の公共性かみらて法の容認しないところと思う。よって名目的取締役の職務塀        ︵麺︶ 怠に関しての有無特約は無効を至当と考える。  ③ 職務癬怠の意義  昭和二十五年の改正前の商法第二六六条二項は﹁取締役力法令又ハ定款二違反スル行為ヲ為シタルトキハ⋮⋮﹂と 規定し、取締役の任務癬怠についてはいわゆる違法違款行為のみに限定され、取締役としての単純なる善管義務に違 反した場合は含まれないとされていた。しかし、現行商法第二六六条ノ三は﹁職務ヲ行フニ付﹂と単に規定している ので、必ずしも違法違款行為に限らなく、ひろく善管義務違反︵民法第六四四条、商法第二五叫条︶ないし忠実義務       ︵難︶ 違反︵商法第二五四条ノニ︶をも包含することとなったと解されている。けれども本条一項前段によって損害賠償責 任を生じさせる違法な行為とはどのような行為を指すのかとなると、本条一項後段のような具体的規定がなく﹁職務 ヲ行フニ付﹂第三者に損寄を加えた行為と規定するのみであって職務執行行為の内容が抽象的である。本条﹁職務ヲ        ︵犯︶ 行フニ付﹂の意義については取締役の会社に対する任務慨怠と解するとする説と、取締役がその職務を行なうにつき       ︵爲︶ と文言のとおり解すべきだとする説とがあり、通説は任務解怠と解し、判例も大部分前説に従っている。私見も任務 癬怠に従ラのであるが、 ﹁取締役ガ其ノ職務ヲ行フニ付悪意又ハ重大ナル過失アリタルトキ﹂という要件を検討する 必要がある。何故なら本条の責任発生要件が﹁任務解怠﹂という契機に起因し、本条の﹁職務﹂という規定は会社に    取締役の第三者に対する責任       六七

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   東洋法学      六八

対する職務︵債務︶を重視しているので、まず取締役の職務の範囲を明らかにすることが必要である。それによって その範囲内の行為であれば.作為、不作為を問わず.義務違反にあたるものである限り、 ﹁職務ヲ行フニ付﹂の範囲 に含まれることになるであろうと解するからである。  そこで現行会社法は株式会社の経営機能を主として代表取締および役付取締役に委ね.平取締役には取締役会を通 じて業務執行を監視する機能のみを与えている側面から.代表取締役と平取締役とに分け.麟・れぞれの職務と癬怠と          ︵慧︶ の関係について考察する、  ㈹ 代表取締役の職務癬怠  ω 会社の代表取締役は対外的には会社代表権を行使すべき地位︵商法第二六一条︶にあるとともに.対内的側面 として、これと表裏一体の関係にある業務執行権︵商法第七八条︶を有しているから.原則として会社の事業全般の 運営にあたるとともに.それと関連し会社の財産を管理し、商業使用人その他の者を指揮監督する義務を負っている のであるから. ︵縫代表取締役の代表権の範囲は会祉の営業に関する一切裁判上裁判外の行為を為す権限を有するも のとし.且つこの権限に加えた制限は善意の第三者に対抗できない︶かかる職務を解怠する行為が本条の重大なる任 務解怠︵悪意または重大なる過失︶にあたるものと思う。       ︵狢︶  ⑧取引行為に起因した誤認取引の誘発.例えば支払見込のない手形の発行、その他の詐欺行為等。  ㈲会社の業務執行一般、代表取締役の経営が放漫ずさんなために会社の資産状態を悪化させることば文字どおり会 社に対する任務解怠であって.その結果会社債権者が会社財産から満足なる債務の弁済を得られずに損害を蒙った場

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合、会社債権者としては、債権者代位権︵民法第四壬二条︶または転付︵民訴法第六〇一条︶により取締役の責任財        ︵掲︶ 産から債務弁済の求償ができるが、会社債権者がこのような迂回路をたどることなく、直接取締役に対して損害賠償        ︵17︶ を請求できるところに本条の存在意義がある。代表取締役が会社の目的外の業務を行なった場合の論求は見解が分か        ︵18︶ れているが、ここでは詳述しないこととした。  ⑥会社財産保管義務、代表取締役は、その業務執行権の一態様として、会社財産を善良なる管理者の注意をもって 保管すべき義務を負っている。そこでかかる義務に違反し、これを横領し、または放置する等適切な措置を怠り、第        ︵9︶︵20︶ 三者に損害を与えた場合、本条の責任を問われることも当然の理である。  ⑥商業使用人ないし平取締役に対する監督、監視義務、昭和二十五年の商法改正前においては、取締役が法令また は定款に違反する行為をなしたことを責任の成立要件としていて、善管注意義務等の一般的義務の違反はこれに該当        ︵雛︶ しないと解釈されていたが。現行法では、このような法令、定款違反行為に限定していないから、いわゆる善管義違       ︵22︶       ︵23︶       ︵謎︶ 反の場合にも本条が適用されるものとなる。④一般商業使用人に対する監督義務、◎支配人に対する監督義務、旧規 定下において各判例は取締役につき支配人に対する監督義務を認めている。しかし現行法上はもともと支配人を選任 および解任する権限は、少なくとも会社内部において取締役会に属する︵商法二六〇条︶ものであるから、このよう        ︵35︶ な指揮権はもっぱら取締役会が有し、代表取締役にはその権限がないのではないかとの疑問も生ずるが、代表取締役 も取締役会の構成員であるとともに、代表取締役が他の取締役、使用人その他下部職員の補助をえて業務の執行にあ たっている場合には、一般の取締役より一層高度の注意義務を尽して忠実にこれら補助者の行為に職務違反がないか    取締役の第三者に対する責任      六九

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   東洋法学      七〇

どうかを監督することは勿論、不当な職務の執行はこれを阻止し.あるいは未然にそれを防止する策を講ずる等会社        ︵36︶ の利益を図る職務責任を有する。のとされている観点より、現行法下でも旧規定下の判例︵註25参照︶のような事案 の場合について、本条の適用が肯定きれるであろう。㊦平取締役に対する監督義務.現行法上は取締役が代表取締役        ︵27﹀ の下部機関でなく.代表取締役の業務執行を指揮監督すべき機関.すなわち取締役会の構成員である。したがっても し代表取締役取締役に対し監督義務を認めるとすれば両者の間に収拾のつかない矛盾が生じ.会社の機関に関する現 行制度が混乱状態に陥ることになる.このことからして代表取締役の固有の職務執行を監督する義務が認られないよ      ︵鰺︶ うに思われる。純粋な平取締役に対する監督ないし監視義務を認めた判例も見当らなく論理的にも妥当と思う.但し       ︵欝︶ 代表取締役でない取締役が業務を担当し.または商業使用人たる地位を兼任している場合には.そのような地位に基       ︵30︶ づく取締役の業務執行に対して監督ないし監視義務が認められる。  ⑧他の代表取締役に対する監視義務.代表取締役が数人ある場合に.定款または取締役会の決議およびこれらにも とずく内規等において事務の分担をさだめることができることはいうまでもない。これらの定めのないときには単独       ︵謙︶ 執行主義の原則により.各自が単独で会社を代表する権限を有し.かつ業務を執行することができる。このような場 合において定款の定め.または取締役会の決議等により代表取締相互間に地位の上下が認められ.指揮監督の関係が 定められているときは.これにもとづき上位の代表取締役が下位の者を監視する義務を負っていることはいうまでも ない。かかる定めのない場合に、代表取締役が相互に他の代表取締役の業務執行を監視する義務があるとされる。代 表取締役が二人以上の場合﹁他の代表取締役は定款および取締役会の決議に基づいて.また専決事項についてはその

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意思決定に基づいて、義務の執行にあたるのであって、定款に別段の定めがない限り、自己と他の代表取締役との問 に直接指揮監督の関係はない。しかし、もともと代表取締役は、対外的に会社を代表し、対内的に業務全般の執行を 担当する職務権限を有する機関であるから、善良なる管理者の注意をもって会社のため忠実にその職務を執行し、広 く会社業務の全般にわたって意を用るべき義務を負うものであることはいうまでもない。  したがって、少なくとも代表取締役が、他の代表取締役その他の者に会社業務の一切を任せきりとし、その業務執 行に何等意を用いることなく、ついにはそれらの者の不正行為ないし任務解怠を看過すに至るような場合には、自       ︵3 2︶ らもまた悪意または重大な過失により任務を怠ったものと解するのが相当であるし﹂、また中小企業の代表取締役社 長が、他の代表取締役に印鑑を預け、会社の業務一切を事実上まかせきりにしていたところ㍉同人が右印鑑を冒用し て、社長個人と共同振出の手形を作成し、他から金員を詐取した事案について﹁代表取締役たる者は会社に対し善良 なる管理者の注意をもって会社の業務の執行にあたるべく、他の取締役の業務執行行為についても注意を怠らず、職 務違反の不当な業務処理はこれを未然に防止して会社の利益をはかるべき義務を負っているから、前認定のごとく被 控訴人が業務の執行一切を他の代表取締役本間喜一に委ね而も自らは何等これを顧みなかったことは代表取締役とし        ︵33︶ てその職務を行なうについて重大な過失があったと謂うべきである﹂として、判例は他の代表取締役に対する監視義        ︵鍵︾ 務の根拠を代表取締役の善管義務ないし忠実義務に求めているようである。しかしこの判例と趣を異にして、代表取       ︵35︶ 締役の固有の地位と関係のない、取締役会員としての地位からこれを理由づけているものもあるし、代表取締役相互        ︵36︶ 間に業務分担の定めがある場合に、他の代表取締役の担当業務の執行を監視する義務を肯定するものと、否定するに     取締役の第三者に対する責任      七一

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   東洋法学      七二

  ︵37︶ 近いものとがあるが後説において論理的に検討することとする。  ㈲ 平取締の職務塀怠  代表取締役︵商法二六一条︶ではないいわゆる平取締役︵商法二五四条︶の職務癬怠にもとづく責任発生を考える 場合.平取締役にいかなる職務権限があるか明確にしておく必要がある。取締役会の構成員であるが代表権限を持た ない平取締役は.その取締役会を通じ﹁会社の業務執行に関しての意思決定をなす﹂権限を有する︵商法二六〇条︶。 しかしこのような取締役が業務執行権を有するかどうかについて.各取締は取締役会の構成員となウて業務執行に関 する会社の意思決定に参加するにとどまり.代表取締役に選任されたもののみが会社の業務執行と会社代表をなす地 位にたつわけであって.各取締役が原則として会社の業務執行及び会社代表をなす権限を有するものではないとする       ︵認︶ のが多数説である。これに対して業務執行を意思決定機関とに区別して老えることはできないし.業務執行の決定は もとより.その決定を実行する業務執行権限も全取締役をもって構成する合議体としての取締役会にみとめ所属せし める。ただ取締役が会社の業務に関してなす諸々の決定を合議体としての取締役会が直接実行することは実際上不便       ︵3 9︶ であって.代表取締に決定を実行する任にあたらせているものであると説く少数説があるが.各個の取締役は代表取        ︵塁o︶ 締役とされない限り.単独で会社の業務を執行し.または会社を代表する権限を有しないときれているので.本条の 適用に関して平取締役の職務および権限の内容を論ずる上での実際上の結論にそれほどの差異がないように思われる が私見は多数説を採る。  ⑧平取締の職務塀怠.平取締役は前述のごとく.取締役を通じ会社の業務執行の意思決定機関であって.各取締役

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       ︵璽︶ は業務執行権を有しないと解する限り業務執行に伴う業務違反または職務解怠が発生する余地があろうか。  ㈲業務担当取締役の職務癬怠、会社の内部規則により︵定款の定めまたは取締役会の決議等︶取締役間の職務の分 掌が定められていることがあるが︵販売、経理あるいは特定部門の担当など︶、この業務を代表権のない取締役が担        ︵姐︶ 当するとき、一般に担当取締役といわれる。このような担当取締役は合名会社の場合につき商法第七〇条および第七 六条の明文をもって定められ、明らかとなって業務執行と会社代表との区別が会社一般に共通な法的原則として株  会社についても理論上の区別として認められるから、この双方を担当する取締役、すなわち代表取締役もあれば、そ の一方である対内的業務執行だけを担当する取締役もあり得ると解せぎるを得ないのであり、また実際界においては 会社使用人の資格を兼ねることなく、会社代表権のない業務担当取締役が多くあることは事実であり、これは社会的 必要のあることを示し、商法第二六二条の表見代表取締役の制度は、代表権のない業務担当取締役のあることを前提 としているのに外ならなく、かかる業務担当取締役は定款規定にもとづく業務執行自体にあたる機関と解するのが正    ︵媚︶ 当である。このような業務担当取締役は会社業務の執行業務を負うものであるから職務癬怠につき本条の責任を負う ものと解する。  ⑥代表取締役への業務執行監視義務、昭和二十五年改正前の商法では監査役が業務監査権を有していた︵旧商法第 二七四条︶。右改正に伴い監査役の権限は会社監査に限定されたが︵商法第二七四条、第二七五条︶、昭和四十九年 十月一日施行の改正商法第二七四条においてまた業務監査権をも認めるに至っている。しかし、取締役会と代表取締 役とを制度的に分離し、取締役会に代表取締役の選任権および解任権を認め業務執行の監査権限を与えた規定は現存    取締役の第三者に対する責任       七三

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   東洋 法 学      七四 されている。ここで取締役会の構成員である取締役各個人が取締役会員たる地位にもとづいて、代表取締役の業務執 行監視義務を有するか否かが問題である。学説は取締役会に上程された事項に関し.平取締役に対する監視義務を負 うとするを共通の解釈とするも.取締役会に上程されなかった事項に関する平取締役の監視義務については三説にわ かれている。④消極説は取締役のこの地位の変化によって.取締役は取締役会に現われた事実にもとづいてのみ監視 義務を負うものであひて.従来の如き.一般的な監視義務を負うべきものではないと老える。もちろん取締役会に現 われた事実をそのまま承認するという意味でな/\現われた事実について疑を抱くに足りる点があるときは相当なる        ︵艦︶ 注意を以て非違を調査すべきであり、又常に取締役会に出席してその事実を検討する義務を負うべきであると説く. ◎折衷説は第三者に生ずる損害を代表取締役が会社に損害を与え.その結果会社債権者等の第三者に損害が及ぶ場合 ︵間接損害︶と代表取締役の不法行為等によって会社には損害を与えないが直接第三者に損害を与える場合︵直接損 害︶とに分け.間接損害の場合は個々の取締役につき代表取締役に対する監視義務があり.直接損害の場合には監視       ︵蕊︶ 義務が存在しないと説く。積極説は取締役に課せられた善管義務︵商法第二五四条.第二五四瓢条ノニ.民法第六四 四条︶を根拠として.それにもとづき平取締役に代表取締役の業務執行に対する監視義務を認めるとする説と、代表 取締役の業務執行に対する取締役の監督機能から.平取締役の監視義務を説くものとがある。ところで.会社はいか に営利法人とはいえ.不法な行為により営利を追求することは許きれないのであるから.代表取締役がその職務を法 律の範囲内において適正に行なうべき責務を帯びていることは云うまでもない。これは会社に対する任務であって. 代表取締役が不法な手段によってみだりに利益を得るようなことは、損害の発生の有無にかかわらず、会社に対する任

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務僻怠となるであろう。したがって、このようなことからして、各平取締役は、代表取締役がその職務について第三 者に対し不法行為を行なわないか否かを監視すべき義務を負うているものといわねばならない。このことは代表取締       ︵46︶ 役が会社財産を横領することのないように監視すべき義務等があるのと全く同様である。とする観点及び実態的側面 よりの経営者の見解によると取締役会は会社法が規定するように業務執行の決定機関であることはできない。それは 経営執行に対する確認、批判検討及び利害調整の機関としてのみ、会社経営の真の機関となる性質のものである。経 営執行の権限と責任からはなれて、むしろ外部から、自主独立的な見地で、会社を全体としてみるところに、取締役       ︵47︶ 会の真の職能があるといわねばならないとする観点、また商法二六〇条は取締役会の権限を業務執行の決定権につい てのみ定めているが、その決定に基づいて代表取締役などが実行に当り、これを取締役会が監督するわけである。取 締役会が代表取締役の選任権を有する︵商法第二六一条1︶結果、その解任権をも有することとなるが、このことが        ︵狢︶ 取締役会によって業務監査が行なわれることの一つの根拠となる観点より老察して、積極説の代表取締役の業務執行 に対する取締役の監督機能から、平取締役の監視義務を導びくものである。また﹁代表取締役であれ、平取締役であ れ、代表取締役の選任権および解任権をもち、その監督機関である取締役会の構成員としては、他の代表取締役の業 務執行に会社ないし第三者に損害を加えるおそれがある等、不等な点が認められた場合、直ちに取締役会を自ら招集 させ、取締役会においてその業務執行を是正させる決議をし、またはその代表取締役を解任する等の方法をもって不       ︵弱︶ 当な業務執行を阻止する義務がある﹂とする判例はこの理を認め、取締役会上程事項の有無にかかわらず、不正不当 なる業務執行を覚知したるときにも、監視権を行使しうると同時に監視義務を求明している。    取締役の第三者に対する責任      七五

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   東洋法学       七六

 ㈹支配人に対する監視義務、支配人は商業使用人であるが、その権限が広汎であることにかんがみ︵商法第三八 条︶、その選任について商法第二〇六条で取締役会の決議事項としており.その解任権も取締役会の権限に属すると 解されることにより.支配人の業務執行義務を有するものと思う。またこの点に関し現行法上の判例は見当らないが       ︵5 0︶ 旧法のもとにおいては認められている。もっとも旧法上の取締役と現行法上の取締役では権利義務を異にするが、し かし旧商法第二六〇条は支配人の選任および解任について取締役の過半数以上によって決定きれるものとしていたの で.臓法と現行法とは相共通する面があるので.註鵬の判例は今購においても継受で愚るものと思う.支配人以外の 商業使用人に対する監視義務に関しては.平取締役にそれを任免および指揮監督する権限を有しないのであるから. 商業使用人の不正行為は行為を覚知しないかぎり監視義務の発生する余地はないものと思う.  ㈲ 取締役の職務塀怠に対する検討  取締役の職務癬怠を商法第二六六条ノ三第一項前段に照らし述べてきたのであるが.取締役の監視義務を善管義務 を理由としてのみ導き出そうとする法理でよいものかどうか.問題を感ずるのである。取締役の責任の一般的根拠は 通常会社に対する責任と第三者に対する責任とに分けて老えられているが.その責任の根拠から一般的には.義務不 履行に基づくものと不法行為に基づくものとに論ずることができる。そして商法の規定するものとしての義務不履行 は善管注意義務違反と忠実義務違反とが考えられる。そして会社と取締役との間の関係は委任に関する規定に従うと されている︵商法第二五四条の盈︶から、取締役は委任における善良なる理管者の注意義務を負うこととなる。  それと商法が﹁取締役ハ法令及定款ノ定並ヒニ総会ノ決議ヲ遵守シ会社ノ為忠実二其ノ職務ヲ遂行スル義務ヲ負

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フ﹂ことを規定している︵第二五四条ノニ︶ため、この規定が善管義務の一態様にすぎないのか、あるいは特別の義 務を認めたものか学説上争いのあるところである。通説に従えば商法第二五四条ノニに定める忠実義務は、善管注意 義務︵民法第六四四条︶と内容的には同一であって、単に表現上の相違があるにすぎず、これもまた職務執行の仕方 および態度についての規律であり、要するに取締役がその負担している地位と任務遂行について慎重且つ誠実である        ︵鑓︶ ことの要請であるとする。  一方少数説は忠実義務を善管義務と別個のものであり、英米法における信任的法律関係に認められる忠実義務を採 用して特に第二五四条の二を規定したものであって、取締役の信任的法律関係に特有のものであるとし、これは取締 役が自己の利益と対する場合にとるべき態度の規律であると解する。従ってわが商法第二五四条の二は委任の内容と して善管義務の外に忠実義務を課したのでなく、取締役と会社との関係が信任的法律関係であって、この信任的法律       ︵52︶ 関係の重要なる忠実義務を課したものであるとする。両説とも取締役の態度を決する基準として忠実義務を思考して いるのであるがしかるに取締役の業務執行についての注意義務の内容について、いかに解されておるのであろう。  両説とも民法第六四四条、 ﹁受任者ハ委任ノ本旨二従ヒ善良ナル管理者ノ注意ヲ以テ委任事務ヲ処理スル﹂とする 規定は、すなわち、通常の思慮分別を有する標準人が自己の事務を行なうについて用うべき注意をもってするとして いる。このことは善管注意義務が決してその根本になる義務の存否を基礎づけるものではなく、義務の存在の前提と して、それから派生する各義務の程度を示す基準なのである。この観点より代表取締役が複雑人存在する場合に果し て他の代表取締役に対して監視義務が存在するか否かについて問題が生ずる。代表取締役が複数人存在する場合にお    取締役の第三者に対する責任      七七

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    東洋法学       七八 いては、各々単独で会社を代表する権限を有し、かつ業務を執行する権限を有するを原則とするが、 において.定款の定め、または取締役会の決議等により代表取締役相互間に地位の上下が認められ、 が定められているときは、これにもとづき上位の代表取締役が下位の者を監視する義務を有するが. なき場合.代表取締役相互間に他の代表取締役に対しての業務執行監視義務が存在するであろうか。 は.代表取締役が一般下部職員を監視する義務とは異質のものであって. ものではなく憶        ︵欝︶ の義務を理論づけられるものと考える。このことからも前述註嬰. に大きな意義があるように思われる. このような場合 指揮監督の関係 このような定め かかる監視義務        代表取締役の有する固有の地位にもとづく 代表取締役の兼有している取締役会の構成員たる取締役たる地位に基づく監視機能によってのみ.こ       註囎ば取締役の業務監視機能についての将来展望 註︵三︶ ︵2︶ ︵3︶ ︵4︶ ︵5︶ ︵6︶ ︵7︶ ︵8︶  服部栄三替管原菊志 遂条判例会社法全書働 四三八頁 商事法務研究会・ 塩田舞吉川 前掲酋頁・ 和三十八年一月二十五爾 民集十圏.一、九三  広島地判 昭和三十六年八月三十日.下民集十二、八. 東京地判.昭和四十五年三月二十八撮 判時六〇六号.八二頁  東京地判、昭和三十二年五月十三矯 下民集八.五、九二三  谷川久、ジュリストニ〇九号、八懸頁.有斐閣  東京地判.昭和四十六年三月二十四日.服部穫管原 前掲四四〇頁  塩田封.吉川 前掲八頁以下  昭和三十九年七月三十一日、東高民力判 昭和三十七年︵ネ︶二二二八  浦和地裁熊谷支判、昭和三十九年二月十日 訟務月報十巻六号 八四二頁  戸塚登、各目的代表取締役の対第三者責任8 民事研修一〇一号二一頁 大阪地判.昭 二二六

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︵9︶ ︵鉛︶ ︵n︶ ︵12︶ ︵鶏︶ ︵M︶ ︵15︶  宗宮信次、株式会社重役の損害賠償責任、日本法学 二四巻五号 四八七頁  森淳二朗、企業の社会的責任条項と公共性の法認 企業法研究二四七号 一七頁  最判、前掲 昭和四十四年十一月二十六日︵大法延︶  東京地判、昭和四十五年二月二十五日、判時六〇六号九〇頁  大隅健一郎目大森忠夫 逐条改正株式会社法解説 二九二頁有斐閣  服部栄三 前掲一五四頁  松田二郎、新会社法概論、一一四頁、岩波書店  旧商法第二六〇条、第二六一条王によれば平取締役と会社の業務執行機関であって、原則として各自が単独で会社の業 務執行および会社の代表権限を有していた。  ω支払の見込のない手形発行によって責任が本条によって問われた判例 東京地判、昭和三年十一月二十八日下民九、 十一、二三四二  ﹁電気カミソリ等の販売を業とする訴外会社の代表取締役である⋮⋮被告磯野は訴外会社が本件約束 手形を振出したとしても、当時における訴外会社の資産状態から果して満期にその支払ができるかどうかその見込が極め て薄いのにも拘らず、漫然と被告小林より資金の援助が受けられるものと軽信し、訴外会社の代表取締役として本件約東 手形を振出した行為は、商法第二六六条ノ三所定の取締役がその職務を行なうについて、少なくとも重大な過失があった ものというべく、被告磯野はこれがため第三者である原告が蒙った損害を賠償する義務がある﹂  最判、昭和三十四年 七月二十四日 民集一三、八、二一五六、 最判、昭和四十一年四月十五日 民集二十、四、六六〇頁、 東京高判、昭 和三十五年四月十五日、金融法務二四一号 三七〇頁、 札幌地判、昭和四十三年五月二十九日、判時五三七号 七四頁、 東京地判 昭和四十四年四月十七日 金融商事一七四号 一六頁、 大阪地判 昭和四十六年二月五日 判時六三一号 九二頁 ③その他の詐欺行為によって本条の責任を問われた判例 大阪高判、昭和三十四年七月十日、判時二〇九号 二五頁  ﹁売主から転売価格を指定され、かつ転売人から受け取った手形小切手等をそのまま売主に引渡す約定で商品を買受けた 会社の代表取締役が指定価格以下で転売し、受け取った手形小切手等を売主に引渡さないで会社の他の債務の弁済に充当 してしまった場合﹂  大阪地判 昭和四十三年四月十八日︵タ︶二二五号 二二七 ﹁抵当権を設定するものと誤信さ 取締役の第三者に対する責任      七九

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 東洋法学      八○   せて取引を再会し、商品代金を支払わなかった場合﹂  大判 昭和八年七月十五揖 民集十二、一八九七 ﹁上告人等   力株式会社高谷銀行ノ取締役若クハ監査役トシテ在職中所論手形ノ満期日到来シタルニ拘ハラス何レモ其ノ任務二背キ取   締役タル上告人豊次同秀輔ハ債務者二対シテ取立ノ方法ヲ講セス 即チ為スヘキ責務ヲ尽ササリシモノデアル﹂ ︵葺︶ 千葉地判、昭和三十三年四月二十六日、新商事判例集目 二九四八頁 被告木内は被告会社の取締役であるが、旋盤一   台を訴外日立航空機械株式会社から被告会社に引渡を受け.使馬貸借契約をなしたが被告木内はこれを被告大井に無断転   貸し同人が凱れを喪失した事実である。﹁被告会社は原告に対し同機械を返還すべき債務があるところ、その履行は被皆大   井の前記行為の鴬め不能鷹なったが.右は被告会社が原皆の同意を得ることな・\被皆大井に転貸したものであるから.   被告会社は原告に対し同入がこれによ蓉受けた損警を賠償する義務がある。そして右転貸は被告木内が被告会社の代表取   締役としてなし鴬ものであ参.その結果被皆大井の前記行為と相換って原告に損害を蒙らしめたものであるから.被告木   内は取締役としてその職務鞍行なった当参.璽大な遇失があったものと認めるのを相当とする﹂ 東京地判.昭和瞬十二   年九月三十縫.判時五二号.六九頁. 大阪地判.昭和七年十月十磁.新聞三五五〇号 二頁、 福島地裁平支判、   昭和十五年一月二十六臓 新聞難五六〇号 五頁. 東京蕩判.昭和六年五月十八臼 新聞三二八二号 十二異. 東京   地判 昭和三十七年十二月六罠 判時三二〇号 二七頁 ︵鰺︶ 拙稿﹁株式会社の権利能力﹂東北福祉大学論叢 十一巻 ︵雄︶ 広島地判.昭和三十六年八月三十日 下民三、八、二一六  ﹁被告杉申は訴外会社の代表取締役として会祉を代表し   その業務全般を統轄執行する権限を有するものであり.もとより会社財産についても善良なる管理者の注意をもってこれ   を保管維持する義務を負うべきところ⋮⋮同被告は会社の業務の執行をほとんど被告西出にまかせきりとし自ら職務を遂   行することを怠り、遂にその保管の責ある会社資産の一切を被告西山らによって搬出横領せられるるにいたったものであ   る。しからば被告杉申は右横領行為に共謀しなかったとしても、代表取締役として職務を行なうにつき重大なる過失あり   たるものというべきであるから、商法第二六六条ノ三により被告西由、橋本と連帯して前記原告の損害を賠償する義務が   ある。  大判、大正十五年一月二十日 民集二、二五頁  京都地判、昭和五年二月十八響 新聞三一〇三号 九頁

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︵⑳︶ ︵璽︶ ︵鎗︶ ︵23︶ ︵艇︶ ︵25︶ ︵26︶ ︵卿︶ ︵28︶ ︵器︶ 東京地判、昭和四十二年四月二十六鷺 金融商事六麟号 一九頁  東京地判、昭和三十七年十月三十一鷺 判時一三八号 二七頁 ﹁会祉の状況から金融のためやむを得ない措置とし て.取締役が会社の商品を投売処分した場合には会社財産保管義務に違反したとはいえない﹂とする判例は注目すべきで あるQ  旧商法 第二六六条二項  田中耕太郎、改正会社法概論 五八工頁、岩波書店  大阪地判、昭和九年五月三十一矯 新聞三七三二号 七頁  東京控判、昭和十五年四月一欝 新聞四五七九号 九頁  田中誠二、会社法 二八七頁青林書院  大隅健一郎、全訂会社法論︵申︶ 一四八頁斐有閣  現行法下においては本条を適用したこの種の事案は見当らないが、旧規定時における判例事案は監督義務を認めている ︵東京地判.大正八年三月三日新闘一五四六号一七頁︶  大判 大正十二年三月九日 民集二、二三一  ﹁其ノ損害ハ⋮⋮  善良ナル三木竜ニヲ同銀行ノ支配入二採用シテ 受託事務ヲ取扱ハシメナカラ之力監督ノ義務ヲ尽ササリシニ困リテ生タルモノナレハ被上告又ハ商法第百七七条第二項二 依り上告村二対シ損害賠償ノ責二初スヘキモノナリト⋮⋮ノ趣旨ヲ以テ本訴ノ請求原因ト為シタルモノニ外ナラサルヤ知 ルヘシ、然ルニ原裁判所力⋮⋮同法条項ナキモノノ如ク判定シタルハ違法タルヲ免レス﹂  大判、昭和四十一年二月三 日民録十四、四七  ﹁会社ノ支配力其財産ヲ費消シタルトキハ即チ会社ハ損害ヲ被リタルモノナレハ比事実二因リテ其 支配人ヲ監督スル責任アル取締役二対シテ、損害賠償ノ講求権発生シタルモノニシテ費消者ノ資カノ有無如何二依リテ其 責任者二対スル会社ノ講求権二消長アルモノニ非ス﹂  塩田縫吉川 前掲三九頁  東京高判.昭和四十一年十一月十五欝 ︵タ︶二〇五号 一五二頁  石井照久、前掲三〇八頁  塩田彗吉川、前掲四〇頁  取締役が定款の定め、または株主総会、取締役の決議により業務担当取締役となる場禽がある。 取締役の第三者に対する責妊

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 東 ︵3 0︶ ︵縫︶ ︵詑﹀ ︵3 3︶ ︵鍵︶ ︵35︶ ︵36︶ ︵騨︶ ︵認︶ ︵鍵︶ ︵憩︶ ︵磁︶ ︵姐︶ ︵賂︶ ︵必︶ ︵嚇︶ ︵妬︶

 洋法学      八二

 前掲広島 地判 昭和三十六年八屑三十欝  同大阪地判、昭和四十一年十二月七澱  野津務  ﹁代表取締役﹂株式会社法講座三巻 一一〇〇頁  最判.昭和霞十照年十︸月二十六露︵大法延︶判時五七号 三頁  服部琴管原 前掲四四六頁  東京高判 昭和三十九年七月三十一鑓 判時三八繭号 五〇頁  註詑・誕に同趣旨の判例  東京地判 昭和二十九年六月二十一田 下民集五.六.八九九  大阪蕎判 昭和三十九 年七月十六縫 時判三八五号 六六頁  大阪地判 昭和三十八年一月二十五難 下民集十購.一.九議懸  大判 昭和八年七月十五鷺 民集十二.一八九七      躍和三十胤年十一縁十三羅 下民集十灘.一.九三  石井照久.前掲二九八頁       一〇五薫頁  大森忠夫 会社法講義 一六九頁  大森忠夫 前掲一七〇頁  塩田巨吉川 前掲五閥頁  共謀の事実がない場合でも会社財産の横領を防止しなかったということで、 として本条の責任を負わされた広島地判の判例があるが.しかし.これは平取締役の会社に対する不法行為責任に基づく 会社の損害賠償権をこのような行為によって.撰害をこうむるにいたった第三者に代位行使︵民四壬5させるなどの方 法によるべきである。  矢沢惇巨大森忠夫.注釈会社法鋤 羅八九頁 有斐閣  田申誠二.吉永栄助、山村忠平 全訂コンメンタール会社法 七六六頁  大阪谷公雄 前掲七六六頁  服部栄三 ﹁取締役の責任に関する二.三の疑問﹂商事法務七八号 五頁  竜田節 法学論叢六六巻三号 九八頁  塩田擁吉川 前掲六五頁 六八頁

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(  (  (  (  (  ( 52 51 50 49 48 47 ) )  )  )  )  ) 阿本一郎 現代会社法 二九七頁 商事法務研究会 堀旦旦 註釈会社法圏 四三三九頁 有斐閣 服部鮭管原 前掲四四八頁 大判 大正十二年三月九日 民集二、二︸三 大浜信泉 前掲一〇六六頁 大阪谷公雄 前掲一二八買 取締役の第三者に対する責任 八三

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