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特集に当って

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Academic year: 2021

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特集社会的リスクの OR

特集に当って

松原望 11111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111 昔,中国の紀の国の人が,天がくずれおちる ことはなし、かと心配し,外も歩けなかったこと から「杷憂J の故事が出典した.心配は,事柄 の性質上無限定なものであるが E. ボレルも 『確率と生活Jl (クセジュ文庫)でいうように, いろいろな段階の確率を,それぞれ人聞は無視 することにより,人間の生活が一応は成立して いる. 「安全 J r リスク評価 J ということで,再び, そこに足を踏み入れれば,非常にむずかしい問 題が横たわっていることは当然である.社会全 体に余裕というものができれば, 1 安全」という ものも追求してよい価値ではあるが,一般的に いえば,いかなるリスクの問題も,それに関連 してつながっている事柄がきわめて多く,それ に触れずに問題を解決することはむずかしい. 社会的リスクとは,そういう意味である.ゆえ に, トレード・オフは必ずおきてくる事柄の性 質である. したがって,また,容認レベルの問題, コス トの問題なども生じる. 問題の解決は, リスクの局面に応じてさまざ まである.規制値,容認レベルを決定するもの, 対策,対応の制度を創設,整備しておくもの, まずリスクの評価法を確立することが目的のも の,等々さまざまであるが,多くの場合,解決 は「最終的J r抜本的」なものではない. それ は,当事者の問題というよりも, リスグが非常 に広く,深い奥行をもっているため,事柄の定

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(6) 義上,どこまでくれば解決かがはっきりしない からである. また, 1安全」は,本来,それを論ずるにおよ ばないことが達成の証しであり,安全の機具, 制度は,それが発動されないことが,目的の達 成である.この一見の逆説が本質の中に潜んで いるため,要不要の議論,コスト算定の議論も, ただでさえむずかしいものがしばしぼ紛糾混乱 する.複雑な現実を注意深く蹄分けすることが 大切で、あろう. 「安全」や「リスク J の問題は,自然科学, 工学,社会科学,人文科学の諸分野が交錯する 領域で,視座をある程度定めなければ,全体像 も見えてこないであろう.しかしながら J社会 的安全性」というとき,社会一般の人々が,“安 全"と思うくらいに十分安全,ということでな ければならない.定義の中に, r社会」を媒介と して導入することである.新幹線は,人がそれ を安全と思うとき,また,そのときにのみ,乗 るのである.実体的,技術的安全のみでなく, その外側に,認識 (perception) というもう一 層がかぶるのである.実体的安全はその担保と なるのであるから,これがなかなか確立しがた いときは,社会の認識も追隠してこない. OR は,この実体的安全を中心に研究をする ことにはなると思われるけれども,社会の認識 のほうが非常に大きい割合で,この議論にかか ってくるのであるから,社会的リスクという考 え方は重要である.それがこの特集の狙いであ る. この特集でいう社会的リスクは, 通常いう

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risk よりはやや広く,社会システム とリスグというくらい,やや緩い意味で用いた. 本特集のために,各分野から,その分野のリ スグの核心をついた多くのすぐれた論文が寄せ られた.ここに,謝意を表したい. オベレーションズ・リサーチ © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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