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色彩語の意味分析 : 日英語(みどり, green)比較を中心として

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(1)

         

色彩 語

味分 析

英 語

green

比 較

中心

し て 一

     

A

 

Semantic

 

Analysis

 of 

Color

 

Terrninology

On

 

the

 

Comparison

 of 

Japanese

Midori

and  

English

Green

野 中

 博雄

要   約

 

本稿で は

凵本 語色彩 語 「み ど り」と英 語色彩 語 「

green

」が象 徴する意味の 分析に焦 点を当て

両 者 間にみ ら れ る 共 通 点 や 相 違 点の 比 較 を試み た

日本 語の 「み ど り」と 英語の 「

green

」の象 徴的 意 味 を

「始原 的 意 味

理 論 的 に仮 定した

生の 初 となる意味 )」か らの 連 想に よる派生 と して連 関 図に ま とめ

比較 するこ と に よ り

以 ド の 冖におい て日英 色 彩語の 共 通点

相違点が指 摘さ れ た

1)始原 的 意味の 共 通点と相違点

2

) 両 言語の色 彩語の持つ 象徴 的 意 味の相 違

(3 )両言 語の色 彩語の持つ 義数相 違

4

) 両 言 語の色 彩語の連 想グ ル

プの分布の相 違

(5 )上記 (1)

(4 )の 項 口におい て類 似 性の 色 彩と類似 性の 色彩

 

色 彩 語, 象 徴 的 意味, 始原的 意 昧, 派生, 連想 連関 図

 

本稿の 目的は

日本語 「み どり」と英語 「

grecn

」の 象 微的意味 を連想によ る連関 図 に まと め

そ れ らの相 違点, 共 通 点を比 較, 検討 する こ と にある

 

本 論の先 行研 究とし て は, 大 月論 文 「多 義語の意 味 分析の方 法につ い て」 (大 東 文化 大学紀要, 第 3]号,

1993)u 英語red

 white

 black意 味分 析

論 文 「色 彩 語の意 味 分 析

日英比較 を中心と して

」 (短 期 大 学 紀 要

第 10号

1999 )2〕

H

本 語 「赤, 白」と英語 「red , white 」の比較, また野 中論 文 「色彩 語の意 味 分 析

日英比較を中心とし て

」 (桐生 短 期 大 学紀 要

第 13号

2002 )31 本 語 「

黒 」 と英語 「blue

 black」の比較がある

  大 月ビ は 色 彩 語の象 徴 的 意 味を始原 的 意味か らの派 生に よ り分 析 する方 法を提 案した

野中

斎1

℃ は

大 月i/ の始 原 的意味の設 定 条件に検 討を加え

目 英 語の色 彩 語の象 徴 的意 味の比 較に応 用し た

  日英色彩 語の象徴 的 意味の比 較

と して

色彩 語の 類 似 性 を, 共 通 する象徴 的意味数か ら み る こ と が で きる

野 中

斎論 文21

よ る と , rcd 」が

9

語, 「白

white が3語

野 中論 文al よ る

 bue

0

「黒

black」が5語 と なっ た

共通の 象徴 的意 味 数のに並べ て み る と

「赤, red」 (9)〉 「黒,

black」 (5 )〉 「白

 wbite 」 (3)〉 「青

 blue」 (0)と

なっ た

従っ て類 似 性も高い 順に 「赤

red 」

「黒

black」

「白

 white

「青

 blue 」になるとい こ と

がい

本稿に おい て 「みどり, green」を検 討 す る こ とに より

さらに日英色彩 語の象 徴 的 意味の比較 研究が進むこ と を期 待 する

方 法 論

  大 月 論 文1

で は象 徴的 意 味分 析 を 「理論 的に仮 定し た

実 際の語 源的 意味と は 限 ら ない 『始原 的 意味 』か らの連 想 (意味 的に共 通 部 分 を 有 す る異なっ た概 念へ の展 開)によ る派生 を 連関図で示す 方 法が提 示され た

  野 中

斎 論 文2 :

始 原 的味 」あ た 23 桐生短 期 大 学 紀 要

第18号

2007

(2)

り 「言 語に共通 す る 「語 源 的 要素 』も考 慮 するこ とに より

よ り妥 当 性のあ る連 想 チャ

トが作成 可能と な り

日英 色彩 語の象 微的 意味の比較が容 易で

明確に なる」 こ とを 示 唆 し

日英 色 彩 語 「赤

redの比 較 におい て

,H

本 語 「赤 」の始 原 的意 味を 「血」

「火」

「明」の

3

諸と し

英語 「grcen」の始 原 的意味を 「血」, 「火」の

2

語と し た

ま た日英 色 彩 語 「白

white の 比 較に お い て

両 言語に共通する始原的 意 味 「光 」, 「無 色

無 染〆汚 」の 2語を設 定し た

 さ ら に野 中論 文3

で は

色 彩 徴 的 味の 比 較に おい て

各 言 語共 通 する基 本 概 念と異 な る基本 概 念を類 推

設定し

その 基本概念 (始 原 的意 味 )か らの生 とし て チャ

ト化する方が, 言 語 比較 の基準 表と しての 妥 当性がある」と考 え

その ために 始原 的意味の設 定 条 件を 以下の様に提 示 した

1

  同 じ象徴的 意味を持つい意味か ら設定 す     る

H

  身 近に存 在 す る具 象的 な 語で

共時的

通峙的    で ある語の 設定

皿 言 語 間 に おいて も共 通 す る 語の設定

 こ の方 法によ り

野 中論文V

英 色彩 語

blue」の比 較におい て

始 原 的 意味を日本 語 「青 」を 「青 空」

1

草 木の 青 」の

2

語 とし

英 語 「

blue

」は 「青 空 」の

1

円英 色 彩 語 「黒

,black

」の比 較におい て

日本語 「黒」 を 「闇」

1

黒髪 」の2語

英 語 「

black

」 は 「闇 」の 1語で連 想 に よ る派 生チ ャ

ト を作 成 し, 比較した

 本稿に おいて も同様の原 的意味の設 定 条 件 を援用 し て 日英色 彩語 「み どり, green」の 象徴 的意味の 分 析と他の色 彩語 との 類 似 性につ い て比較 検刮 す る

英色 彩 語

green

象徴

的意

 

日本 語で は, 「み どり」を表 す 漢語 と して, 「緑

り ょ

ろく)」が使われ る が

「大辞 泉」4

大辞林 」S

「広 辞 苑」6

り 「緑」使

象 徴 的意 味語 を 拾っ た

同じ象徴 的意味を表 す語には

同じカ ナ記 号 で ま と め た

(ア

1)緑 児 (りょ くじ

み どりご) :大宝 令

三       歳以下 の男児の称

     

幼さ (ア

2

) 緑女 (りょ く じょ      女児の称

:大宝令で

三歳以 下の 桐生短 期大学 紀要

第18号

2007 24      

幼さ (イ

1) 緑 髪 (りょ く はつ :黒 くつ や の ある髪

み       どりの くろかみ

み どりのかみ

      = つ やの あるこ と (イ

2

) 緑の髪 :つ のある美しい

     = つ や のある美し さ (イ

3)緑の黒 髪 :黒 くつ る美しい

     

の あ る美し さ  上 述の ご とく 「みど り」の象 徴 的意味は 「幼 さ」 と 「つ る美し さ」の2つ で

語数は 「幼さ」が 2語

「つ やの あ る 美 し さ 」 が

3

語で あ る

ま た 「緑 児 」

「緑 女」が大 宝

め ら れたの は

701

で あ る の でその 頃 に

徴 的 意 味 「幼さ」が 付与さ れ た と考え ら れる

 

さ ら に 「み ど り」の象徴的 意味 数が少ない 点も指 摘 さ れる

他の色彩 許の場 合

日本 語の 「赤 」は15語

英語の 「red 」は13 語

日本 語の 「白」は10言吾, 英許 の 「white 」は

8

譜であ り2・

本語 青 」10語

語の

blue

はll語

凵本語の 「黒」は10 語

英語の 「

black

」は

ll

語であっ た31

  「み どり」の象 徴 的 意味 数が少ない 理 由の第

とし て は

日本 語 「青 」の 色 名対 象が 「青空の 青 」か ら

草 木の あ お (

み どり)」まで も含ま れてい たこ と が 考え ら れ る

その こと を証 明す る言 語現象もい くつ か 挙げ ら れる

以下 に示す

 

日本 語の み ど り」は 「青

1

に包含さ れ

「み ど り」   色の を 「あ お」と表現 する習慣が あっ た

現在

 

で も年 輩 者で みど り」の こ とを 「あ お」と現 す

 

る入 もい る

「みどり色の信 号」の ことを 「青信号」  と言 うこと もその例であ る

 

小 柳 は 「『あ お』を前音[

1

要 素に持つ 複合 語はほと ん

 

どすべ て ミド リ色の対象を さ す」と して 「青葉

青  菜, 青 海 苔

青 物

青リン ゴ

青桐

青虫

青 竹

 

青豆

青畳

青ビ ョウ タ ン

青 1才

青 水 泥 (アオ

 

ミドロ

」 を例 に あ げい る

この こ とも 日本 語 「青」  の 色 名対 象が 「青 空の青 」か ら 「草 木の お 〔

み  どり)」 まで も含ま れて い た こ との証であ る

 

野 中3/で は 草 木が青い の 始 原 的意味か ら 「若

 

さ」

「未 熟」

「身分の 低 さ」

「記 録 」の 象 徴 的意味

 

が派生 して い る

英語 「

green

」におい て も象徴的

 

意 味の 「若さ

1

「未熟 」は共 通 してい る

この こ と

 

より

日本語の 青 」草 木の あ お (

みどり

 

部 分が英 語の green」に相 当するともい

(3)

  「み どり」の 象徴 的意味 数が少 ない 理 由の箝二 とし て は

日本語の基 本 色 彩語 は意味 的 にも語 形 か らも 「青 」, 「赤 」, 「白」, 「黒 」 とい わ れてい る

その理 出 と して 形 容詞変 形 「

い 」 (例 : 「青い

「赤い

「白い

「黒い」)

副詞 変 形 「

く なる」 (例 : 「青 く なる」

「赤 く なる」

「白 く なる」

「黒 く なる」)

名 詞 変形 ト さ」 (〔例 : 「青さ」

「赤さ」

r

{さ」

「黒 さ」)

強 調 変形 「真

」 (〔例 : 真 肯」

真 赤 」

白」

「真黒⊥畳語変 形 「

」(々」

「赤々」

「白々

」)な どが可 能になる の はこれ らの色だ けであ る

「み ど り」は そ れ らの変 形は不可能で ある

故に

日本語の中で使 用されてきた歴 史は 「青

1

「赤」

「白」

「黒」より浅い とい える

従っ て日本語色 彩語 「み どり」と して の象 徴 的意 味の数 もそ れ らよ り少な くなっ た と推測で きる

 

次に

英語の green 」を含み

象徴 的意味 を 表 す 語 を, 「新英 和大辞 典 (第

5

Sd , 「ラン ダム ハ ウス 英和 大辞 典 (第 2版 )9

 

り拾 っ た

同 じ象徴 的意味 を持つ は同 じ記 号でまと め た

(a

1

green old age :元気な 老齢

   

元 気 (

b−1)

agreen  wound :生傷

   

新 鮮さ

新し さ

b−2)green

 recollections :生々 しい 思い 出

   

新鮮さ (b

3 )

green

 meat :新 鮮 な 肉

   

新鮮 さ (b

4 )evergreen : い つ まで も新 鮮

常緑の

   

新 鮮さ (c

1)

green

 fruit:未熟な果実

   

未熟

c

2 )a 

green

 

youth

:青二才

   

未 熟 (c

−3

 

agreen  hand

 

:未 熟 者

   

未 熟 (c

4 )green cheese :未 熟 成のチ

   

未 熟 (c

5 )green liquor:熟 成してい ない酒

    = 未 熟

(d

1)be green with  envy :うらやまし さで顔の青ざめ た

    = うら やし さ

(e

1)be green with  

jealousy

:嫉 妬で顔が青 ざめ てい     る

   

嫉 妬 25

e

2 )

green−

eyed :嫉妬深い

悋 気 深い    

嫉 妬

f−1)greenhom

:未経験 な 人

青二

だ ま さ れ や す     い 人

   

未 経 験 (f

2)agreen  girl

生 娘

   

未 経験 (g

1)greenhom :未 経 験な人

青二才

だ まさ れやす     い 人

   

若 さ (h

1)greens性 交    

性 交

(i

1)the 

greell

 light:青信 号

安 全信 号

   

安 全

許 可

 

上 述の ご とく 「

green

」の微 的意味は 「元 気 」

「新 鮮 さ

新 し さ」

 

「未 熟

L

 

「う ら や ま し さ」

 

1

嫉妬 」

「未経 験 」

「若さ」

「性 交 」

「安全

許 可 」の

9

つ で あ る

語 数 は 「元 気」が

1

語, 「新 鮮 さ, 新 し さ」が

4

「未熟 」 が

5

「うらやま し さ」 が

1

「嫉 妬 」 が

2

「未経験」が

2

「若さ」が

1

「性交」が

1

「安全

許可」が

1

語となっ てい る

 

(e

1)のgreenhornには 「未経 験」

「若い」の2つ の 象 微 的 意 味が存 在 するが

これ は英語におい て

「未 経 験」と 「若い 」の象 徴 的意味が 連関図上 近い 関係に ある こ と を意 味 する

従っ て 「若い 」か ら 「未経 験 」 へ 段 階で 連 想 する と み る方が よい と推 測で きる

ま た

d−1

)の

be

 

green

 with envy

と (e

−1

)の

be

green

 with  

jealousy

におい て

辞 書の分 類で は同

じ項 口 に 分 類 さ れてい る が

象徴 的意味 は そ れ ぞ れ 「う らや ま し さ」と 「嫉 妬」に分 別さ れ るとえる

英色

彩 語

み ど り

green

  始

的 意 味

設 定 ・連 関 図

 

節で は 凵本 語 色 彩 語 「みどり」と英 語 色彩語 「

gr

  n」 の 原的意 味の 設定を考察し

両 言 語の 象徴 的 意味の 連 関 図の成 を 試 みる

 

まず 「み どり」

green

」の 原的 意 味の設定にあ た り

条件 工: 「同 じ象 徴的意味を持つ 味 か ら設 定 するか ら考 察する

 

凵本 語 色彩語 「みどり」の場 合

前節 3で指摘 した よ うに象 徴 的意味は 「幼い と 「つ やの ある美し さ」 の 2つ で あり

語数は 「幼いが2語

「つ や のある美 し さ」が3語である

髪の る美し さ」 は 「若さ」 故

生 じる ことである

本 来日本語 色彩 語 桐生短 期 大学 紀 要

第18 号

2007

(4)

「みど り」が 「青」に 包含さ れて い て

青」の チャ

トでは 「草 木が 青いの始 原 的意 味か ら 「若さ」

「未 熟」

「身分の低さ」

「記 録」の象徴 的意味が派生 して い る

語 義数は 「若さ」が2語

「未熟 」が5語

「身分 の さ」が

3

「記 録 」が

2

語あ る とい う点も考 慮 す る と

日本 語 色 彩 語 「み どり」の場 合 も 「草 木が青い (

みど りである)」を始 原的 意味と設定 する の に妥 当 性があると考える

 日本 語色彩 語 「青 」の中で

1

司じ象 徴 的意味を持つ 語で語 数の多い 未 熟 」 も 「人植 物からの 連 想としてえ られ る

ま た設 定条 件

H

「身近に存 在 する具象的 な 語で

共時 的

通時 的である語の 設 定」の観 点か らも

1

亅本語色 彩語 「み どり」の 原 的意 味の設定は 「草木の緑 」が妥 当で はなか ろうか

日本 語色 彩語 「み ど り」が 「青 」に包 含さ れて い た期間は 「草 木のあお (

み どり)」か ら 「若さ」, 「未 熟」, 「身 分の低 さ」, 「記 録」などの 象徴的意味 がイ

9

加 さ れ

凵 本語色 彩語 「青 」と区 別する新 しい概 念みど り」 が 生 ま れてか ら後は 「幼 さ」や 「つ の あ る 美 し さ」 の 象 徴 的意味 が 付 加 さ れた と推 測で

  始原 的 意 味の設定にあ た り

語 源 的 要素も考 慮にい れる

凵本 語 「みどり」の 語源につ い て 「凵本語 源 大 辞 典 喇 を引 用 す る

み どり 【緑

翠】 (名 )元来は新 芽の意で

そこ か  ら色 名に転じたとい われる

色の

と黄との 間の

草 木の ような色

七 色の

た光の

三原 色の

万 葉

8C

後 ) [語源 説 ]

  ソニ トリ イロ の 略 転 く雅 言考

菊 池 俗     言 考

大 言 海〉

  ミズ イロ (水 色 )の略 転 〈国語の語 根 と その分   類= 大 島

・H

語 原学= 林 甕

言 海

  ミ ズ ヲ リ (水 居 )の義 く日木語 原 学

林 甕 臣〉

  ミ ズ トリ (水 鳥 〉の 〈名 言通〉

  水 気のき色の く言 語のしらべ

鈴 江 潔 子

  ミ トリ (水 取 )の意 く紫

1

ii 」和 語 類 集〉

  メ テ リ (芽 出)の く言 元 梯〉

芽 出るの か ら  く琉 球 占今 記

伊 波 普 猷〉

メ (芽 )の派生語か  く日本 占語 大 辞 典; 松静 雄

  ミヅ (雅 )の語か ら

雅は若き 意 く海 録〉

  ミ トマ リ (実 留 )の 〈紫門和 語 類 集〉

  動 詞ミダル (乱 )の連用 形ミダリか ら 〈続上代 特   殊 仮 名音 義

森重敏〉

上記 引 用よ り

「み ど り」の語 源と して具 象 性の あ 桐 生 短

期 大学 紀要

第】8号

2007 26 るは 「鳥の 羽根の色」

「水の 色」

「草 木のの色」 であ る が

現代人 に おい ても 「み ど り」で連 想 す るの は 「植 物の み どり」であり

共 峙 的にも通 時 的にも普 遍性が高い

こ の こ と も始原 的 意味の 設定 条 件

II

: 「身近に存 在 する具 象 的な語で

共 時的

通時的で あ る語の 設 定」に符 合 する

しか しな が ら始 原 的 意 味の 設 定の場 合

語 源的要素は考 慮に入 れ る が

各語 源 説 の 是 非はこ こで は論じ ない

 

次に

英語の green」に関して考察 する

前 節 3の ごとく 「green」の象徴 的 意味は 「元 気 」, 「新 鮮さ, 新 し さ」

「未 熟 」

「うらやまし さ

1

「嫉 妬 」

「未経 験 」

「若さ」

「性 交」

「安 全

許可」の

9

つ である

語数は [元気 」が1語,

1

新鮮 さ, 新し さ」が4語, 「未熟 」が 5語

「うら やまし さ」が1語

「嫉 妬」が2語

「未 経 験」が2語, 「若さ」が1語, 「性 交」が1語, 「安 全, 許

1語 と なっ てい る

始原的 意 味の条 件

1

: 「[司 じ

徴 的意味 を 持つ

味 か ら 設 定 す る 」 点 か らみると

「未 熟」が

5

語 と最も多い

これは日本語の 「み ど り」の始 原 的 意 昧の 設定と 同様に 「草 木の 緑」 を 想 定 し

その 派 生 として 「未熟」

「元気 」

「新鮮 さ

新 し さ」

「うら や ま し さ」

「嫉 妬 」

「未 経験」

「若さ」

「性交」

「安全

許可」が関連付け ら れる

これ は始原 的 意味の設 定 条件

IH

: 「言語間におい ても 共 通 する語の設 定 」 とも合 致 する

 

次に英語の 「green」と 「grass」の語源につ い て

イ ンタ

ネッ トの 語 語 源 サ イ トか ら引 用 す る

Green

0 .

E,

 grene

 earlier 

groeni

 re正ated to 

O .

E .

 growan

   

1to

 

grow,

1

from W

Gmc

gronja

(cf

.0 .

Fris

     grcne

,0 .

N

 grann

 Dan

 gron

 Du

 groen

 

Ger.

   

gnm

),

from PIE base*gro

−”

grow,

through sense  of

     

1color  of living plants

1

   

(ht[p:〃www

etymonline

com !index

php?search

green

     & searchmode

none ・)

Grass:0

且 gras gars

herb plant grass

from P

Gmc .

  

grasan (cf

 ON

 Ger

 Goth

 

gras

from PIE

    *

ghros

 

young shoot  sprout

froln base *gro

  

ノ*gre

− ”

that

 

which

 

grows

 

cf

 L

  gramen

  

llgrass

 

;related  to grow and  green

   

(h:〃www

etymonline

com !index

php?search =grass

     &searchmc }de=none >IIl

 

「green」は印欧共 通祖 語の* gro

“ grow ” か ら来て お り

「植 物が育つ こ と を意味 する

「grass」 も同 じ 印欧共通 祖 語を持つ ことが記され てい る

語 源 的にも

(5)

語の 「み ど り

1

と英語の

1

 

greenl

は 共 通 してい る と言える

この こ と も始 原的 意味の設定 条 件皿 : 「言 語 間に おい ても共 通 する語の設 定 」に合 致 する

以 上の考 察により日英 語 「み どり

green 

l

の始 原 的 意 味とし て 「草 木の緑 」を設 定 するこ とが妥 当である と考え る

  次に 「苧:緑 」か ら連 想つ い て論をす すめ る

連想に よ る派生の 根 拠につ い て次に示し た

  「草 木の緑 」→ 「若さ」     草 木の緑に は若々 し さ が ある

  「苧:の緑 」→ 「新 鮮     草 木の緑は新 鮮に感じる

  「¥:の緑 」→ 「嫉 妬 」     人 間の顔 色が緑 色 (欧米では青みが かっ た緑 )だ    と 「嫉 妬 」が原 因の場合がある

 

「草木の緑」→ 「や ま し さ

  

人 問の 顔色が 緑色

欧 米で は青 み が かっ た 緑

  

「うらや ま し さ」が 原 因の場 合がある

 

「草 木の緑」

一・

「安 全!許 可」 :     草 木の 緑 に 動 物 は 身 を 隠 すこと が 出 来て安 全であ

  

許 可 を表す色として使える

 

「若さ」

「未熟」

 

  

若い 人は

未 熟で ある場合が多い

 

「若さ

」→

「元気」 :     若い 人は元気で あ る

 

「若 さ」

「未 経 験 」 :     若い 人は

験 が ない

  「若さ」

「幼さ」 :     若い 時 期より前 に幼い 時 期 が あ る

  「若さ」

「つ の ある美し さ」 :     若い の髪の毛はつ の ある美し さ が ある

  「元気」→ 「性交 」    元気な 人は性欲旺盛である

 

上 記の 連 想によ る派生は別の根 拠 も考え ら れ る が

始 原 的意味か らの派生 の 凵英 共 通のチャ

ト を作るこ とによりその 比較が 可能になる こ と を前提 とした派生 で ある こ とを付記 してお く

 前 述の連 想に よ る派生か ら以 ドのチャ

トが作 成さ れ る

草 木の緑  

若さ 

未 熟

      

9)

  

c

      → 気  

一・

性 交 27

  (

a

   

h)

未 経 験   (

f

  (ア)       → 「つ やの あ る 美 し さ 」        (イ)         → 新 鮮 さ       (b)         一 嫉 妬       (e)         → ら や ま し さ       (d)         → 安 全 / 許 可       ω 図

1

「み どり」

GREEN

」の象徴 的 意 味の チ ャ

 

日本 語 : 「 」 あ り, 明朝体表記, (ア)(イ) 英

 

語 : 「 」な し

ゴ シッ ク体 表記

(a)

(g )

 

3

節の 日英 色 彩語の 「み ど り」と 「green」の象 徴 的意味の リス トと 本 節の始原 的意味の設定と象徴的 意 味の チャ

1

を 概観 する ことに より

両者の 共 通 点, 相違 点がい くつ か挙 げら れる

[分析

1

] 共 通 点

 

両 言 語の 「みど り」と 「green」は象徴 的意味 を持つ

 

両 言語とも始 原的 意味は1つ で 「草 木緑 」が 共 通   して い る

 

両 言語 共

象徴 的 意 味は始 原 的意味 「草 木の 緑 」か  ら派生 さ れる語群に含 まれ る

  日本 語の 「幼 さ」, 「つ やの ある美し さ」と, 英語の   「元 気 」

「未 熟」

「未経 験 」

「性 交」は

「若さ」か  らの派牛群に含 まれ るの が特 徴 的である

「み どり」

 

の 象 徴 的意 味 数2つ の うち 全部と

green」の 象徴   的 意 味 数9つ の う ち 「若さ」 も含め ると5つ となる

分 析

II]

相 違 点   日本語特 有の 象 徴 的 意 味 数は2つ あ り

れ ら は

 

「幼さ」, 「つ やの ある美し さ」である

  英語特 有の 象 徴的意 味 数は9つ あ り

そ れ らは 「元

 

気 」, 「新 鮮さ」, 「未 熟 」, 「うらやまし さ」, 「嫉 妬 」

  「未経 験 」

「若さ」

「性 交 」

「安全

許可」であ る

  両 言 語に おい て

重なり合 う象徴 的 意 味はない

 

分析

1 , H

の許義数につ い て表で示せば

次の通 り で ある

桐生短 期 大学 紀 要

第18号

2007

(6)

り ど み 「  

green

」の 日英対照 表 日本語 英

1 1 象

i

践白勺意味 数      2

連 想 群 「草 木の緑 」

   一

2 異なる象 徴 的意 味 数 2 共通する象 徴 的意 味 数

   一 一

0

9A ソ

Q

  次に他の色 彩語との類 似 性につ い て述べ る

日英 色 彩 語の共通 する象徴 的意 味 数か らをみ る と

野 中

斎 論 文 (1999)で は 「赤, rcd 」が9語, 「白, white

3

野中論 文 (2002 )で は 「青

blue」の 共 通 する 象 徴 的 意 味 数は

0

語, 「黒,

black

」 が

5

語 と な り

,多

1

に並べ て み る と

「赤

red 」 (

9)

〉 「黒

 

black

5)

〉 「自, white 」 (

3)

〉 「青

 

blue

」 (

0

)と なっ た

従っ て類似性 も高い順 に 「赤

red

「黒

 bl乱ck」

「自

white 」

「青

 

blue−

1

な る と考 察し た

稿の 「み どり

,green

」が 加わ る と どで あろうか

 

次に 野11i論 文

り 「青

 

blue

 

1

の 日英 対 照表を示す

2  「

青」

, 「

blue

」の 日英 対 照表 日本 語 英

語 

始 原 的 意味 数 2    

11 象 徴 的意 味 数 10          11 連 想 群 「青 空 」   ク  「草 木の青」     6      11

4      0 異な る象徴 的 意 味 数

      一

一一

2      9 共 通 する象徴 的 意味 数 0

 

「み どり, grccn」, 「肯, blue」とも 「共 通 する象 徴 的 意 味 数 (0 )」

「異 なる象 徴 的意 味 数

口本 語

2,

英 語9)」が同 じ である

しか し な が ら 始 原 的 意 味 が 「み どり

,green−

1

は 「草 木の緑 」の 1つ で 「青

 

blue」

が 「青 空 」, 「草 木の青 」の2つ となっ て い る

これ は 「み どり

green」が

「青

 blue」よ り類 似 性 が 高い こ と を示 唆 する

さ ら に

日本 語 「みど り」の徴 的 意 味 「幼さ」で あ る が 「若さ」か らの 連 想の派生 が ほ ぼ同 義に近い

こ の ことか ら 「み どり

91℃en」の方が 「青

blue 

1

よ り類似 性が高い と言 えるの で は ない か

 

E

の ことか ら

凵英 色 彩語の類 似 性につ い て は

類 似 性の高い

Jll

に 「赤, red 」, 「黒, 

black

」, 「白,

white 」

「みどり

,green

「青, blue」で ある と考 察

する

結  語

 

本 稿で は

口英 色彩 語 「み どり 」と 「grccn」の 象 徴的 意味を 比較

分析 する方 法とし て

始 原 的意 味を 桐生 短期大学 紀 要

第18号

2007 28 3つ の設 定 条 件より設定し

その 生 図 を もと に して

両言語の 比較が 行われた

以 ドの 点 が 指 摘 さ れ た

(1)始原的意 味の 共 通点と相 違 点 :

  

両 言 語 と も始原 的 意味は

1

草 木緑 」     通 して い る

2

)両 言 語の色彩 語の象 徴 的意味の相 違 :    口本 語の 象徴 的意味は 「幼さ」

「つ やの る美 し    さ」であ る

..

英語の 象徴的 意味は 「元気 」

  

「新 鮮さ」

「未熟 」

1

うら や ま し さ」

「嫉 妬」

「未

  

経 験 」

「若 さ 」

「性 交」

「安 全

許 可」である

3

)両言 語の色彩 語の持つ 語 義 数の相 違 :

  

日本語の象 徴的 意味 数は2つ あ り, 英語の象 徴 的    意味 数は

9

4 ) 両言語の色彩 語の連 想グ ル

プの 分布の 相 違 :    両言 諳 と も始 原 的意 味は1つ で 「草 木の緑 」が共    通し て お り

連 想 群に象徴 的意 味が存 在 す    るが

重 なる象徴 的意 味は ない

ま たチャ

トで    は 「若さ」か らの 生が 「み どり」は 「幼さ」

  

「つ やの あ る美し さ」の2つ で象徴 的 意味 数の全部

  

「green」は象 徴 的 意 味 数9つ のう ち, 「若さ」    も含め ると5つ とな る

(5 )上記 (1)

(4)の口におい て類似 性の    彩 語と類似性の低い 色 彩 :    目英 色彩 語の類 似 性につ い て は

類似 性の高い順

  

に 「赤

red

 black」

「白

 white み ど

  

green」

「青

 blue」である と考 察し た

 本 研 究 に よ り

日 英色彩語の象 徴 的意味の比較が容 易にな り

よ り明確になるこ と を期 待 する

今まで取 り扱っ た 以外色彩 語象徴 的意味つ い て は今 後の さ ら なる研究に委ね たい

引用 文 献

1)大 月実 :多義 語の意味分 析の 方法につ いて

大 東   文 化 大 学 研 究紀要

,31

:367

377

1993

2

野 中博 雄

斎 孝 則 :色彩 語の 意味分 析

日英比較   を 中 心 と して

一.

桐 生 短 期 大学紀 要

10 :125

 

134,

 

1999,

3

)野 中博 雄 :色 彩 語の 意 味 分 析

日英 比較を 中心 と   して

一.

桐生 短 期大学 紀 要

,13

107−116,2002.

4)松 村 明 監 修 :大 辞 泉

小 学 館

,1995.

5

)松 村 明

三 省 堂 編 集 所 編 :大 辞 林

 

こ省堂 (東   京), 1989

6)新村出 編 :広 辞 苑 第

5

岩波書店

東 京 )

1998

(7)

7)小 松 英雄 :日本語の 歴 史

笠間書 院 (東 京 ),   2001

8)

小稲 義男主編 :研 究 社新 英和 大 辞 典第

5

研 究

 

社 (東 京)

1980

9)

小 学 館ランダムハ ウス英 和 大 辞 典 第二版 編 集委員   会 編 :小 学 館ラン ダムハ ウス 英和 大 辞 典第

2

  

小学 館 (東 京 ), 1994

10) 前田富 祺監修 :日本語 源 大 辞 典

小学館 (東 京 )

   20〔}5

ll)Online Etymo]ogy  Dictionary:

   http:〃www

etymonline

com !index

php

29

(8)

A

Semantic

Analysis

of

Color

Tlerminology:

OntheComparisonofJapanese

(Midori)

andEnglish

(Green)

Hiroo

Nonaka

Abstract

Thispaperfocuseson a semantic analysis of color terminology inboth

Japanese

and

English,

and thesimilarities and dider-ences inbothlanguagesare considered. The same

theme

concerning with thecolorterminologieswas

discussed

in

the Bu]letinof KiryuJuniorCollege.This writerdiscussed "red" and "white" in1999and "blue" and "black"

in

2002.Thecolorterminology

i;

7T

green

isdiscussedinthispaper.

Firstly,the words, which use "green"

in

theirword

forrnation

and have symbolic meanings, are picked up fromthedictionaries. Then "an

originalmeaning

(theoretically

assumed

firstmeaning

ofderivation)" of "green" isconsidered.

Secondly,the symbolic meanings of

both

Japanese

and

English

co]or terminology "green" are mapped on the chart and the

fol]owing

similaritiesand

dift'erences

of color terminologies

in

both

languagcs

are pointedout.

(1

)

The similaritiesand

differences

of original meaning.

(2)

The differenceofsymbolic meaning ofcolor terminology

(3)

The differencesinthenumber ofsymbolic meanings

(4)

The

differcnces inthe distribution of symbolic meanings

(5)

The

degree

ofsimilarity

in

theabove observations

Lastly,

the

factors

of those similarities and differences,and thecharacteristics ofcolor terminolegies

in

both

languages

are

considered.

Keywords:

Color

terrninology,

Symbolic

meaning,

Original

meaning, Derivation,Associativechart

参照

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