企画
日本循環器学会
教育研修委員会
監修 栗田 隆志
国立循環器病センター
心臓血管内科医長
発行 日本心臓財団
心臓突然死を防ぐために
後援
:日本医師会
協賛
:
日本心臓財団より
日
本
心
臓
財
団
は
、
わ
が
国
三
大
死
因
の
う
ち
の
心
臓
病
と
脳
卒
中
の
制
圧
を
目
指
し
て
、
一
九
七
○
年
に
発
足
い
た
し
ま
し
た
。
当
財
団
は
、
研
究
に
対
す
る
助
成
や
予
防
啓
発
、
ま
た
世
界
心
臓
連
合
加
盟
団
体
と
し
て
の
諸
活
動
を
通
し
て
、
心
臓
血
管
病
の
予
防
・
制
圧
に
努
め
て
お
り
ま
す
。
当
財
団
は
皆
様
の
ご
寄
付
に
よ
り
運
営
さ
れ
て
い
ま
す
。
ど
う
ぞ
皆
様
の
ご
協
力
を
お
願
い
申
し
あ
げ
ま
す
。
財
団
法
人
日
本
心
臓
財
団
〒
一
○
○
-○
○
○
五
東
京
都
千
代
田
区
丸
の
内
三
-四
-一
新
国
際
ビ
ル
○
三
-三
二
○
一
-○
八
一
○
ホ
ー
ム
ペ
ー
ジ
・
ア
ド
レ
ス
http
://www.jhf.or.jp/
そ
れ
ま
で
健
康
だ
っ
た
人
が
、
あ
る
日
突
然
、
命
を
落
と
す
。
そ
ん
な
﹁
突
然
死
﹂
の
恐
怖
は
、
決
し
て
人
ご
と
で
は
あ
り
ま
せ
ん
。
突
然
死
は
、
予
期
し
な
い
急
死
の
こ
と
で
、
発
症
か
ら
二
十
四
時
間
以
内
の
死
亡
と
定
義
さ
れ
て
い
ま
す
。
原
因
は
、
心
筋
梗
塞
を
は
じ
め
、
心
筋
症
、
弁
膜
症
、
心
不
全
な
ど
の
心
臓
病
に
よ
る
も
の
が
六
割
以
上
を
占
め
、
そ
の
ほ
と
ん
ど
が
心
室
で
生
じ
る
致
死
的
な
不
整
脈
に
起
因
す
る
と
い
わ
れ
て
い
ま
す
。
こ
う
し
た
心
臓
病
が
原
因
で
起
こ
る
﹁
心
臓
突
然
死
﹂
は
、
発
症
か
ら
一
時
間
以
内
で
死
亡
す
る
ケ
ー
ス
が
多
く
、
そ
の
数
は
、
米
国
で
は
毎
年
四
〇
万
人
以
上
、
日
本
で
も
三
∼
四
万
人
と
い
わ
れ
、
今
後
高
齢
者
人
口
の
増
加
に
比
例
し
て
、
さ
ら
に
増
え
る
の
で
は
な
い
か
と
予
想
さ
れ
て
い
ま
す
。
予
知
が
難
し
い
と
さ
れ
る
突
然
死
で
す
が
、
心
臓
の
異
常
を
早
く
発
見
し
、
適
切
な
治
療
を
受
け
る
こ
と
で
、
予
防
す
る
こ
と
が
可
能
で
す
。
心
臓
は
ふ
つ
う
、
洞
結
節
と
い
う
発
電
所
で
作
ら
れ
た
電
気
的
興
奮
が
、
心
房
か
ら
心
室
へ
と
伝
わ
る
こ
と
に
よ
り
、
規
則
正
し
く
収
縮
と
弛
緩
を
繰
り
返
し
て
い
ま
す
。
こ
の
電
気
の
発
生
や
伝
導
経
路
に
ト
ラ
ブ
ル
が
起
こ
り
、
拍
動
が
不
規
則
に
な
っ
た
状
態
が
不
整
脈
で
す
。
不
整
脈
の
な
か
で
も
、
心
室
頻
拍
や
心
室
細
動
は
致
死
性
の
高
い
不
整
脈
で
す
。
心
臓
病
が
原
因
で
起
こ
る
突
然
死
の
う
ち
、
心
臓
が
止
ま
る
直
接
の
原
因
の
約
八
割
が
心
室
細
動
に
よ
る
も
の
と
い
わ
れ
て
い
ま
す
。
こ
う
し
た
危
険
な
不
整
脈
を
起
こ
し
た
人
、
起
こ
す
お
そ
れ
の
あ
る
人
は
、
適
切
な
治
療
を
受
け
る
こ
と
が
大
切
で
す
。
抗
不
整
脈
薬
に
よ
る
薬
物
治
療
は
、
も
っ
と
も
広
く
行
わ
れ
て
い
る
治
療
で
す
。
ま
た
、
心
停
止
状
態
に
な
っ
た
と
き
に
自
動
的
に
電
気
シ
ョ
ッ
ク
を
与
え
る
I
C
D
︵
植
え
込
み
型
除
細
動
器
︶
に
よ
る
治
療
も
、
突
然
死
予
防
に
成
果
を
あ
げ
て
い
ま
す
。
心
臓
病
の
人
は
、
過
度
な
運
動
や
ス
ト
レ
ス
、
睡
眠
不
足
な
ど
に
よ
っ
て
、
危
険
な
不
整
脈
が
現
れ
る
場
合
も
あ
り
ま
す
の
で
、
生
活
習
慣
に
十
分
注
意
し
て
く
だ
さ
い
。