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Web2.0と民主主義

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Academic year: 2021

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光工学における起業と技術開発 への批

Web 2.0と民主主義

西 村 吉 雄

(早稲田大学客員教授) 「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を,受動的なサービス享受者ではなく能 動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」(梅 田望夫『ウエブ進化論』,ちくま新書,2006年).これを Web 2.0の定義とすると, 著者の梅田氏の言う通り Web 2.0は革命である.それは資本主義と民主主義の根幹 を直撃する.たとえばオープンソースという非営利活動と営利事業の関係.産学連携 はこれに酷似する.またオープンソース活動には事前規制がない.だれでも参加でき る.しかし不特定多数による事後評価はある.これを営利事業の意思決定に採り入れ る企業が出てきている. Web 2.0の実現に「光学」関係者の貢献少なからず.半導体技術と光技術の進歩に よって,情報の処理と伝送にかかる時間とコストが激減する(チープ革命).この結 果,不特定多数の普通の人びとが能動的な情報発信者となれるようになった.その情 報を整理・ 類し,同じく不特定多数が価値判断してランク付けする,この操作に必 要な時間とコストも激減する.グーグル社はホームページで宣言する― Democ-racy on the web works.

「衆愚だ」「現代の魔女狩りだ」など,グーグル・ランキングやブログ炎上 限大で 判 も激しい.しかし民主主義はもともと最良解を保証するシステムではない.尭や舜が 常にいるのなら,名君にまかせたほうが良いのだ.けれども生身の名君は必ず老い, そして乱心する.「ご乱心の殿よりは衆愚がまし」.これが民主主義だと私は思う. 「良い方向に働く力が微妙に勝っている.参加する人が多ければ多いほど,よりよく なると感じる」.ウェブ上の辞典 Wikipedia の管理者を 3年以上続けている今泉誠氏 はそう語る(安田朋起「ウェブが変える 1」,『朝日新聞』朝刊,2006年 7月 27日付). この経験は本質的だ. もちろん現実の不特定多数は,増えつつあるとはいえ,無 けて選 はない.「大数の 法則」はどこから成り立つか.あるいは経験者(権威者)の意見を尊重しなくていい か.疑エルゴード定理(個人の経験の時間平 =不特定多数の平 )が仮に成り立つ としても,現実世界の時間は無限に長くはなく,不特定多数は無限大ではない.古典 (不特定多数が長い時間をか 145 んだ情報資産)とウェブ間の情報 換(田中昭二 「第 2情報化社会の 察」,『日経エレクトロニクス』1996年 7月 15日号,pp.137-検索し )は,Web 2.0においてこそ重要かもしれない.その古典までを ,おそ つくそう とするグーグルの意志 るべし.

巻頭言

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