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「家族」の時代としての20世紀 (特集・20世紀とは何だったか)

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Academic year: 2021

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『「家 族 」 の 時 代 と して の20世 紀 』

今 回 の特 集 「20世紀 と は何 だ った の か 」 の 編 集 意 図 は 、「…20世 紀 の も っ と も重 要 な諸 問 題 を え らび 出 し、 来 世 紀 を見 晴 る かす 長 い文 明 論 的 な視 野 に 立 って 事 態 を分 析 し、 い き づ ま りの ゆ くえや 未 来 へ の さ さや か な希 望 を大 胆 に描 きた い」 とい う もの で あ る。 そ して い くつ か の テ ー マ の 中 で 、 わ た しは 「変 わ る男 と女 の関 係 、 そ して 家 族 の崩 壊 」 を担 当 す る こ と に な っ た。 確 か に 、 『:豊か さ、都 市 化 は 、男 と女 の関 係 や家 族 と い う伝 統 的 な生 活秩 序 に も大 き な変 化 を もた ら して い る。 今 や 家 族 と い う単 位 の機 能 自体 を再 定 義 せ ざ るを え ない ほ どで あ る。 なぜ 男 と女 の 役 割 が か くも変 わ り家 族 は 「崩 壊 」 す る に至 った の か 。 そ して そ の ゆ くえ は 。』 と 、 わ た した ち は 考 え直 す 時 に きて い る。 こ こで考 え るべ き こ と と して提 起 され て い る の は 、 豊 か さや 都 市化 と、 男 女 関 係 や 家 族 の 関 係 性 とい う問題 で あ る と理 解 で き るが 、 わた しは20世 紀 と家 族 と い う問 題 を 主 に考 え て ゆ きた い と思 う。 とい うの も、 まず 男 と女 の 関 係 や 役 割 の原 型 と して 措 定 され るの は 家 族 関 係 の あ り方 で あ るか らだ。 また確 か に 豊 か さや都 市 化 の ゆ え に家 族 に 変 化 が もた ら され た と も言 え る。 だ が 、そ こで変 化 が もた ら され て い る家族 とい う概 念 自体 を 、 も う一 度 、 歴 史 的 時 間 の 中 に埋 め 戻 してや る こ とが よ り重 要 で あ り、 この 特 集 の 意 図 に よ り叶 っ た もの に な る と思 わ れ る か らで あ る。 家 族 どい う もの は20世 紀 に 特 有 の現 象 だ っ た の で は な い か とわ た しは 考 え て い る。 ゆ え に、 家 族 を20世 紀 の 特 異 な現 象 と して と ら え る視 角 か ら、 家 族 に つ い て考 察 して み た い と思 う。 つ ま り 家 族 とい う現 象 は 、19世 紀 以 前 に は生 起 しな か った し、 また21世 紀 以 降 に も生 起 しな い 、 ま さに 20世 紀 に の み 固有 の現 象 で は な い の か とい う視 点 か ら家 族 問題 を考 え た い の だ。 た だ し こ こで言 う20世 紀 と は 、西X1901年 の 一 月 一 日午 前0時 に始 ま って 、2000年 の 十 二 月三 十 一 日午 後12時 に 終 わ る100年 間 の 年 代 や歴 史 的 時 代 の こ とを 意 味 して い るわ けで は な い 。20世 紀 と い う時 代 は 、 す で に 部 分 的 に は19世 紀 に始 ま っ て い た し、21世 紀 に も部 分 的 につ な が っ て い るは ず で あ る。 わ た しは こ う した グ ラデ ∼ シ ョソ(連 続 性)を も っ た時 代 と して20世 紀 を と ら えて い る。 1.普 遍 的 「家 族 」 観 家族 が 急 速 に変 化 しつ つ あ る とい う認 識 が 人 び との 間 に広 が り始 め て い る。 家 族 は これ か らど こへ 行 くの か 、 い っ た い21世 紀 の 家族 は ど うな って しま うの か 、 とい った 漠 然 と した 不 安 感 を 人 び とは 募 らせ て い る よ うだ。 家 族 は 崩 壊 しつ つ あ る、 家 族 は機 能 しな くな っ て い る、 家 族 は衰 弱 して い る と 危 機 感 を あ お る言 説 の 数 もふ えて い る。 具 体 的 に は 、離 婚 率 の 増 加 ・婚 姻 率 の低 下 ・ 晩 婚 化 ・出 生 率 の 低下 ・婚 外 子 出 生 率 の 増 加 な どの 人 口学 的 変 化 、 そ して 家 庭 内 暴 力 ・家 庭 内離 婚 ・家 庭 内 不 和 ・仮 面 夫 婦 ・父 親 不 在 な ど の い わ ゆ る 「家庭 」 問 題 が 危 機 を あ お る要 因 と され て い る。 しか しわ た した ち が問 うべ き問 題 は 、「家 庭 の ゆ くえ 」 で は な く、 そ の よ うに 問 う時 に 想 定 され て い る家 族 概 念 の あ り方 そ の もの で は な い の だ ろ うか 。 これ ま で の 多 くの 家 族 論 で は 、戦 前 の家 制 度 の下 で の 家 父 長 制 的 な イ エ と、 敗 戦 後 の夫 婦 と子 ど も中 心 の 民 主 主 義 的 な核 家 族(1)を対 比 させ て 家 族 を理 解 す る こ とが一 般 的 で あ った 。 日本 の 封

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建 的 な イ エ(2)(旧 民 法 の 「家 」)か ら欧 米 風 の 理 想 的 で 民 主 的 な 核 家 族 と して の 近 代 的 な 家 族 (新 民 法 の家 族)へ の移 行 は 、歴 史 的 必 然 だ と考 え られ て い た 。 そ して核 家 族 は 家 父長 制 的 な イ エ制 度 か らの解 放 で あ る と と らえ られ る一 方 で 、 戦 後 の核 家 族 は イ エ制 度 と比 べ て そ の基 盤 が脆 弱 で あ る と考 えて い る人 た ち もい る。 実 は 、 この よ うな家 族 論 で考 察 され て い る家 族(イ エ や核 家 族)に は 、 あ る共 通 した特 徴 が あ る よ うに 思 わ れ る。 実 際 の と ころ 、 わ た した ち が 所 属 す る第 一 次 集 団(3)として の 家 族 と い う もの は 、 あ ま りに も 日常 的 な もの で 、 そ れ を対 象 化 ・相 対 比 す る視 点 を もつ こ とが 困 難 に な って い る の が現 実 で あ ろ う。 多 くの 場 合 、 わ た した ち の生 活 の根 底 を なす と考 え られ て い る家 族 の 特 性 は 、 生 活 の基 本 条 件 と して 自 明視 され 、 ほ とん ど意識 の対 象 に な る こ と な く、議 論 以 前 の前 提 と され て し ま うの だ。 した が って 、 わ た した ち の い だ く家 族 観 は 、 見 た と ころ で は 、 そ れ 自体 が 自然 で 普 遍 で 不 変 で あ る と考 え られ た もの が 多 い の で あ る。 つ ま りほ と ん どの 家族 論 は 、「家 族 普遍 論 」 (家族 は 人 類 普 遍 だ と い う主 張)と して 展 開 され て い る の だ 。 実 は こ う した 傾 向 の議 論 は 、 一 般 の人 た ち の 間 だ け で は な く、 い わ ゆ る家 族 論 の 専 門 家 た ち の 中 に さえ広 く浸 透 して い る。 た とえ ば 家 族 論 の 専 門 家 の 一 役 を担 っ て い る家 族 社 会 学 もこ の例 外 で は な い。 従 来 の 家 族 社 会学 の 家 族 に つ い て の 基 本 仮 説 は 以 下 の よ うな も の だ と思 わ れ て い る(4)。 1家 族 は人 類社 会 に普 遍 的 に 存 在 す る 2家 族 は歴 史 や 文 化 差 を こえ て 変 わ らな い 本 質 を もつ 3家 族 は集 団 で あ る 4家 族 は お も に親 族 よ りな る 5家 族 成 員 は 強 い 情 緒 的 絆 で 結 ば れ て い る 6家 族 の も っ と も基 本 的 な機 能 は 子 ど もの 社 会 化 で あ る 7家 族 成 員 は 性 別 に よ り異 な る役 割 を もつ 8家 族 の基 本 型 は 核 家 族 で あ る。 つ ま り、 従 来 の 家族 社 会 学 的 に 定 義 され た 家 族 の特 徴 は 、 まず 第 一 にそ れ が普 遍 的 な もの で あ り、 そ れ ゆ え に 家族 は 文 化 的 ・歴 史 的 に不 変 で あ る こ とが 大 前 提 と な っい る の だ。 こ こで 定 義 さ れ た家 族 は 、 どん な社 会 に お い て もま た どの 時 代 に お い て も共 通 した 普 遍 的 本 質(価 値)を も つ もの と して 理 解 され て い る の で あ る。 2.「 近 代 家 族 」 論 従 来 の 家 族 論 と は違 って 現 在 の 新 しい 家族 論 ⑤は 、歴 史 的 見地 に 立 って 家 族 の 普遍 性 に大 き な 疑 問 を投 げ か け て い る。 こ こに は 従 来 の 家 族 観 は 、 あ る時 代 に 生起 した歴 史 的 現 象 にす ぎな い と い う発 見 が あ っ た の だ 。 そ し て 新 し い 家 族 論 に 導 入 さ れ た 主 要 概 念 が 「近 代 家 族modern family」 と い う用 語 なの で あ る。 従 来 の 家 族 論 が 普 遍 的 な家 族 の 定 義 と して 把 握 して い た家 族 観 は 、実 際 に は普 遍 的 家 族 で は な く、 近 代 家 族 と い う歴 史 的 な家 族 観 にす ぎな か った と い う発 見 が あ っ た の だ 。 従 来 の 家 族 定 義 とは 、 実 の と こ ろ 「近 代 」 とい う歴 史 的 時 代 に 固 有 の 家 族 の こ とを 指 して 普 遍 家 族 だ と称 して い た に す ぎな い 。 こ う した 近 代 家 族 の 特 徴 は理 念 型 と して 、 だ い た い 以 下 の よ うに ま とめ る こ と が で ぎ る は ず だ(6)。

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1家 内 領 域 と公 共 領 域 と の分 離 2家 族 構 成 員 相 互 の 強 い 情 緒 的 関係 3子 ど も中 心 主 義 4男 は 公 共 領 域 ・女 は家 内領 域 とい う性 別 分 業 5家 族 の 集 団 性 の 強 化 6社 交 の 衰 退 とプ ラ イ バ シー の成 立 7非 親 族 の排 除 8核 家 族 近 代 家 族 の特 徴 とい っ た と こ ろで 、 従 来 の 家 族 論 の定 義 と あ ま り変 わ らな い で は ない か と、疑 問 に思 う人 も多 い の で は ない だ ろ うか。 家 族 と は こん な もの だ し、 ど の家 族 も似 た り寄 った りで 、 こ う した 特 徴 は 当 り前 に思 え て しま うか も しれ な い。 しか し こ こで重 要 な の は 、 こ う した家 族 の 特 徴 とい っ た もの が 、 ま ぎれ も な く近 代 社 会 に お け る家 族 の特 徴 で あ る と い う こ と を確 認 して お くこ と な の だ 。 繰 り返 して 言 え ば 、「家族 」 と い う もの は、 歴 史 的 に 普 遍 な もの で は な く、近 代 以 前 に は 生 起 して い な か っ た集 団 で あ り、近 代 に な って 初 め て生 起 した 集 団 にす ぎ な い ので あ る。 現 在 の 家族 論 で は、 近 代 家 族 が成 立 した の は 、18世 紀 後 半 か ら19世 紀 の こ とだ と言 われ て い る。 とす る と、19世 紀 以 降 に 人類 は 近 代 家 族 を営 み 始 め て 、20世 紀 ・21世 紀 とそ れ につ らな る時代 に も人 類 は 「近 代 家 族 」 を営 み 続 けて い く と考 え て しまい が ち で あ る。 しか し、 実 は そ うで は ない の で は な い だ ろ うか。 未 来 の こ と を知 る た め に 、 まず は 過 去 を振 り返 っ て み る こ と にす る。19世 紀 以 降 め近 代 家 族 を考 え た 時 に見 す ご され て し ま うの は 、19世 紀 の 近 代 家 族 と20世 紀 の近 代 家 族 の 質 的 な差 違 で あ る。 確 か に近 代 家 族 は18世 紀 後 半 か ら19世 紀 に か けて 成 立 した もの で あ る が、 そ の成 立 時 の 近 代 家 族 の あ り方 と 、 そ の 後 の20世 紀 に お け る近 代 家 族 の あ り方 に は 、大 きな 違 い が 見 られ る の で あ る。 3.20世 紀 近 代 家 族 と して の 「家 族 」 近 代 家 族 は 、近 代 社 会 に お け る中 産 階 級 に そ の 基 盤 が あ る。 お そ ら くこ の こと は19世 紀 に も20 世 紀 に もあ て は ま るだ ろ う。 しか しな が ら19世 紀 の 中産 階 級 と20世 紀 の 中 産 階 級 で は 、 社 会 に お け る位 置 づ け が異 な って い るの だ0簡 単 に説 明 す る と、19世 紀 の 中産 階 級 は 、資 本 家 階 級 と労 働 者 階 級 に は さ まれ た 中 間 的 な 、 一 部 の 社 会 階 級 で あ った の に 対 して 、20世 紀 の 中産 階 級 は社 会 の 中 核 的 な 大 多 数 の 階級 だ とい うこ とだ 。 つ ま り、19世 紀 の 近 代 家 族 は 、 社 会 の 中 の 部 分 的 な(第 一 次)集 団 に過 ぎ なか っ た の だ。 つ ま り19世 紀 に は 近 代 家 族 以 外 に もい ろ い ろな(第 一 次)集 の類 型 が あ った の だ 。 これ に 対 して 、20世 紀 の 近 代 家 族 は 社 会 の 中核 的 な(第 一 次)集 団 に な っ て い る とい う こ と が重 要 な 点 なの だ。 こ う した20世 紀 の 現 象 を 、 近 代 家 族 の 大 衆 化 と呼 ぶ 人 もい る。 要 す る に 、20世 紀 に(正 確 に は両 大 戦 期 間 に)一 般 大 衆 の 中 産 階 級 化 つ ま り近 代 家 族 化 が 生 起 した の で あ る(7)。 これ 以 降 、 一 夫 一 婦 の 終 身 婚 で 、夫 に扶 養 の 義 務 が あ る専 業 主 婦 で あ る妻 と二 人 の子 ど も と い う構 成 が 「家 族 」 の原 型 と な っ た。 そ して愛 情 家 族 と い う理 想 化 され た 家族 の イ メー ジが 、 社 会 の全 域 に流 布 して い っ た の だ 。 そ れ と同 時 に 、 公 的 領 域 と私 的領 域 の 明確 な 区 別 、 そ して そ れ ぞ れ の領 域 の 性 別 化 とい う社 会秩 序 が 成 立 して い った。 こ こで 成 立 した 近 代 家 族 と して の家 族 観 が 、

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そ れ 以 後 の20世 紀 に お い て 専 門 家 を 含 め た 多 くの 人 た ちが 家 族 を想 起 す る と きの 「家 族 」 の 原 型 と な って い っ た。 「家 族 」 とは 、 実 の と こ ろ20世 紀 近 代 家 族(8)のこ と な の で あ る。 20世 紀 後 半 の 「豊 か な社 会 」 の 経 済 条 件 を 前 提 に 、「家 族 」 と い う もの は 「先 進 国 」 で は ど こ で も 同 じ よ うな標 準 化 した 集 団 と な り、 だ れ もが 似 た よ うな家 族 像 を もち な が ら生 活 す る よ うに な っ て い っ た 。 つ ま り 「家 族 」 は 近 代 社 会 の社 会 制 度(規 範)の 一 つ に な っ た の だ 。 「家 族 」 と は 、 安 定 した 画 一 的 な 「普 遍 的 な」 イ メー ジを もつ 集 団 とな り、20世 紀 の近 代 家 族 の 特 徴 を備 え た 集 団 とな っ た の で あ る。 4.「 家 族 」 単 位 社 会 の 完 成 「家 族 」 が 社 会 制 度(規 範)に な る とい う こ と は 、 そ の 社 会 の 中 で 生 活 して い る人 び とに と っ て 「家 族 」 とい う もの が 、 そ れ に 属 す る こ と が ご く 自然 な こ と と感 じ られ る よ うな共 同体 に な る と い う こ と で あ る。 共 同体 と して の 「家 族 」 に所 属 す る こ と、 そ して 「家族 」 を作 る こ とが 人 び と の 生 活 に と って 自明 で 必 然 の こ と に な るの だ 。 そ して そ の 社 会 の 人 び と を見 る時 に 、 結 婚 した 男 女 とい う 「家 族 」 の 要 因 が 第 一 義 的 に重 要 な意 味 を持 つ こ と に な るの だ 。 ま た 「家族 」 に属 す る こ とで さ ま ざ ま な満 足 感 や 幸 福 感 を 日常 的 に得 る よ うに な る と、 「家 族 」 を作 るた め の 恋 愛 や 愛 惰 が 賛 美 され る よ うに な る。 そ の構 成 員(夫 婦 と子 ど も)が 人 間 類 型(男 女 の概 念)の 再 生 産 原 理 と な り、 人 間(男 女)に と っ て 「家 族 」 はす ば ら しい もの だ とい う基 本 理 念 が 正 当性 を 帯 び て くる よ う に もな るの だ 。 具 体 的 に は 異 性 男 女 の(恋 愛)結 婚 に よ る愛 情 家 族 が 人 間 と して 自然 の こ と、 当 然 の こ と と な り、 人 び との 幸 福 の必 要 条 件 と され て きた の だ。20世 紀 の 近 代 社 会 は 、 こ う した ひ と組 の 男 女 の 「家 族 」 を 単 位 と す る社 会 で あ り、 そ う した 「家 族 」 単 位 を 中心 と して 生 活 ・経 済 ・文 化 ・政 治 の 社 会 制 度 を編 成 した社 会 な の で あ る。 「家族 」 が 単 位 で あ る社 会 と は、 以下 の よ うな 制 度 を もつ社 会 だ と考 え る こ とが で き る(9)。 (1)「 家 族 」 が社 会 的 単 位 の 標 準(規 準)で あ り、 そ の単 位 の下 位 構 成 要 素(個 々 の構 成 員)、 あ る い は 単 位 の構 成 要 素(夫 婦 や子 ど も)以 外 の 要 素 は、 社 会 の構 成 要 素 と見 な され ず 、 社 会 の 行 為 主 体 の単 位 で は な い と され る。 つ ま り標 準 世 帯 「家族 」 の み が社 会 の 行 為 主 体 (一 人 前 の社 会 単位)と み な され る の だ。 標 準 家 族 は 、非 標 準 家 族 の成 員(独 身 者 ・離 婚 者 ・非 婚 者 ・婚 外子 ・非 嫡 出子 ・母 子 家 庭 ・父 子 家 庭 ・同 性 愛 者 な ど)を 差 別 す る こ と に よ っ て 成 立 す る こ と に な る。 (2)下 位 構 成 要 素 は そ の 二 者 が 結 合 して は じめ て 一 つ の 「単 位 」 と な る。 この 下 位 構 成 要 素 (二 者)は 相 互 に異 質 の補 完 的 な要 素 で あ る こ とが前 提 と さ れ る。 つ ま り男 女 の異 質 で 補 完 的 な特 性(男 女 二 分 法)が 本 質 と され て しま うの だ 。 した が って 夫 が 外 で 妻 が 内 と い っ た 性 別 役 割 分 業 が正 当化 され 、 そ れ は 自然 な こ とで 不 平 等 な こ とで な い と み な され る。 こ う した枠 組 の 中 で 「男 ら しさ」 と 「女 ら し さ」 の規 範 が強 制 的 に 形 成 され る こ と に な るの だ 。 (3)「 家 族 」 的 な 男女 の 概 念 は 、 結 婚 に よ って 完 全 無 欠 の 存 在 つ ま り本 来 の姿 と な る。 未 婚 の 男 女 は 、 そ れ 自体 で は 欠 陥 人 間 で 、 不 自然 で あ り、 定 義 上 「不 幸 な」 人 と され て しま う。 つ ま り、 結 婚 は男 女 に と っ て 当 然 の こ とで あ り、 男 女 の幸 福 の 源 泉 とな るの だ 。 (4)強 制 的 な 性 別 役 割 分 業 は 、 自明 視 され 、不 平 等 だ と して 問 題 視 され る こ と は な い。 単 位 と して の 「家 族 」 内 に は 、 抑 圧 や 差 別 や 葛 藤 とい っ た社 会 問 題 は存 在 しな い こ と に な る。 家

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事 ・育 児 ・世 話 ・介 護 が 問 題 にな るの は 、 家 族 の 「愛 」 が 不 足 して い る か らにす ぎな い の だ 。 (5)「 家 族 」 は一 心 同体 で あ り、一 人 の 代 表 者 を有 す る。 「家族 」 とい う単 位 で は、 個 々 の 構 成 員 の 「自己 主 張 」 は わ が ま ま と して 非 難 ・抑 圧 され 、 最終 的 に 代 表 者 の 意 志 決 定 に従 属 す る こ と に な って い る。 「家 族 」 単 位 の 社 会 で は 、 定 義 上 、 男 性(夫)が 基 本 的 に単 位 の 代 表 者(世 帯 主 〉 とみ な され 、女 子 ど も は 「被 扶 養 者 」 と して 従属 的 な陰 の存 在 と な る の だ。 か く して 「家 族 」 単 位 の 社 会 で は 、 賃 労 働(会 社 企 業 〉 や 家 事 労働(家 庭 生 活)の 領 域 、 お よ び 国家 の領 域 に お い て も 「家 族 」 単 位 を前 提 と した 編 成 が な され る。 そ して 「家 族 」 を養 う夫 は 企 業 社 会 の一 員 と して 会 社 中 心 人 間 と な り、 家 事 育 児 を 担 う妻 は 、 当 然 に も家 庭 的 な 「女 ら しさ」 の 役 割 を果 た す 二 流 の社 会 人 と な って ゆ くの だ。 ま た 国 家 も 「家族 」 単位 中心 の行 政(雇 用 制 度 ・ 税 金 制 度 ・年 金 制 度 ・社 会 保 険 制 度 ・育 児/教 育 制 度 な ど)を 実 行 す る こ とで 、 異 性 愛 結 婚 に よ る家 族 の 「男 と女 」(夫 と妻)に 正 当 性 を付 与 す る社 会 制 度 を形 成 ・維 持 して い る。 こ う して 「家 族 」 単 位 の社 会 は 、 正 当 な る家 族 的 な 「男 と女 」 で 構 成 され た社 会 に な るの だ。 「家 族 」 単 位 の社 会 の 中 の 個 人 は 、 あ く まで も 「家 族 を背 負 っ た個 人 」 にす ぎず 、 そ こ で の個 人 は 必 然 的 に 「家 族 の 一 部 分 」 と され て し ま うの だ。 つ ま り非 家 族 的 な個 人 や 男 女 の あ り方 は正 当化 され ず 、 想 像 す る こ と さえ で き な くな っ て い るの だ。 「家 族 」 単 位 の 社 会 に お い て は 、 家 族 的 な性 別 秩 序 や 個 人 観 が 強 制 さ れ て しま うの で あ る。 5.「 家 族 」 の 時 代 と して の20世 紀 の 終 焉 20世 紀 の 後 半 、 特 に70年 代 以 降 に 家族 生 活 の 領 域 で 生 起 して い る現 象 は 、 「家 族 」 の 多様 化 そ して家 族 の 「個 人 化 」 の よ うで あ る。 核 家 族 ・法 律 婚 家 族 の み な らず 、拡 大 家 族 世 帯 ・事 実 婚 家 族 ・同棲 家 族 ・離 婚 家 族 ・再 婚 家 庭 ・子 無 し家 族 ・共 働 き家 族 ・友 人 家 族 ・ペ ッ ト家族 ・ホ テ ル 家 族 ・同 性 愛 者 家 族 ・単 身 世 帯 な ど と い っ た 家 族 の 多様 化 が起 こ っ て い る。 これ まで 自 明視 され て きた 「標 準 世 帯 」 だ け を 家 族 だ とみ なす こ と に異 議 を唱 え る人 び と の数 が 無視 で きな い ほ ど多 くな って きた の だ。 また 、 結 婚 しな い男女 、未 婚 、 独 身 、 非 婚 、 同居 カ ップル 、 シ ソグル ・マ ザ ー、 婚 外 生 殖 、 女 性 の脱 専 業 主 婦 化 、男 性 の脱 会 社 人 間 化 な ど これ ま で の家 族 を 前 提 と しな い ラ イ フ ス タイ ル も 「正 当 」 な 市 民 の 生 活 と して(少 な く と も他 人 事 と して は)認 知 され る社 会 が到 来 し て い る の だ 。 さ らに は 、 家 族 を一 つ の選 択 肢 と して 、 個 人 の ライ フス タイ ル と して 意 図 的 に選 択 した い とい う意 識 の 人 も現 れ るだ ろ う。 家族 に な っ て 個 人 が完 結 す るの で は な く、 「個 人 」 の 私 的 な選 択 の 結 果 と して の 家 族 生 活 を意 識 す る人 び と の 出 現 で あ る。 つ ま り 「個 人 化 す る家 族 」(1°) と して指 摘 され て い る現 象 の こと で あ る。 こ う した 現 象 が顕 在 化 す るに つ れ て 、「家 族 の 崩 壊 」 とい う不 安 は ます ます 高 ま りつ つ あ る。 そ して 家 族 のr個 人 化 」 現 象 が顕 著 に な り、 例 え ば 家 族 を ゲ マ イ ソ シ ャ フ ト(運 命 共 同体)と し て で は な く 、 ゲ ゼ ル シ ャ フ ト(契 約 関 係)と して 意 識 す る人 び と の 数 が増 え つ つ あ るの だ(u)。 「家 族 生 活 は 人 の 一 生 の 中 で あ た り前 の 経験 で は な く、 あ る時 期 に、 あ る特 定 の個 人 的 つ な が り を もつ 人 々 とで つ くる もの 」(iz)と考 え る人 び と の 出 現 で あ る。20世 紀 の 終 焉 と共 に 、家 族 も バ ラ バ ラの 個 人 とな る よ うな 終 末 論 が リア リテ ィを も っ て語 られ る よ うに な って い るの だ。 20世 紀 近 代 家 族 観 は 、 「家 族 」 単 位 の社 会 を 編 成 して きた が 、 この 「普 遍 的 な 」 家 族 像 は 、 ま さ に そ の 幻 想 性 を 自覚 す る 「幻 滅 」 の 時 代 に入 りつ つ あ る よ うだQ美 化 され 理 想 化 され て い た観

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念 は 、 現 実 に起 こ って い る数 々 の 特 異 現 象 に よ って そ の 幻 想 性 が 明 らか に され つ つ あ るの だ 。 普 遍 的 な 永 久 不 変 の もの と して の20世 紀 近 代 家 族 の幻 想 が もた らす さ ま ざ まな現 実 的 な矛 盾 ・不 満 ・ 疑 問 ・危 機 ・不 平 等 ・問 題 ・抑 圧 ・負 担 な ど に対 す る認 識 が深 ま り、 現 状 に対 す る異 議 申 し立 て が 起 こ りつ つ あ るの だ 。 こ う した20世 紀 近 代 家 族 の変 動 期 に は 、 さ ま ざ まな 家 族 論(13)が登 場 す る こ と に な る。 これ が 現 在 生 起 して い る情 況 で あ ろ う。 こ う した近 代 家 族 の崩 壊 の 危 機 を 前 に して 、 あ る人 び とは 保 守 的 な反 応 と して 、 「家 」 制 度 の復 活 や近 代 家族 規範 の 強 化 を主 張 して い る。 また 近 代 家 族 幻 想 に ど っ ぷ り浸 か り、 ひ た す ら 「家 族 」 の 普 遍 性 の神 話 を物 語 る人 もい る。 しか し現 実 的 な 対処 を試 み る 人 び と は 、近 代 家 族 とは 異 な る 「新 しい家 族 」 の あ り方 を提 案 し、 危機 を乗 り切 ろ う と して い る。 進 歩 的 な 人 び との 中 に は、 男 女 平 等 主 義 的 な21世 紀 家 族 を提 唱 して い る人 もい る。 しか しわ た し 自身 は 、 近 代 家 族 の代 替 案 と して 「家 族 」 を選 択 肢 の1つ と して 残 す よ うな リベ ラル な 「個 人 化 す る家 族 」 論(個 人 の 私 的 な選 択 の 結 果 と して の 家族 論)の 立 場 とは 別 の可 能 性 を 検 討 して み た い と思 う。 「家 族 」 単 位 社 会 に つ い て 、 そ の 終 焉 の検 討 で あ る。 20世 紀 の 「家 族 」 単 位 の社 会 の 終 焉 とい う こ とは 、 実 の と こ ろ も うす で に20世 紀 の 始 ま る前 の 19世 紀 の 後 半 に 、 そ の 兆 しが 見 えて い た の で は な い か。 家 族 に 所 属 す る こ とが 自然 で も必 然 で も な い と考 え て非 家 族 的 な 生 活 を実 践 して い る人 び との存 在 の再 発 見 が もた らす 兆 しの こ とで あ る 。 「家 族 」 単 位 の社 会 の 終 焉 つ ま り 「家 族 」 単 位 の 社 会 で は な い 社 会 の 可 能 性 は 、 近 代 家 族 の 誕 生 以 前 に 、 そ の実 現 が 予 兆 さ れ て い るの で あ る。 以 下 で は 「家 族 」 単 位 の社 会 で は な い個 人 単 位 の 社 会 に つ い て 考 察 して み る。 6。 個 人 単 位 の 社 会 へ 20世 紀 は 確 か に、20世 紀 近 代 家 族 と して の 「家 族 」 単位 の 社 会 を完 成 させ た 。 つ ま り20世 紀 近 代 家 族 は一 つ の 社 会 制 度 と な っ た の だ。 そ れ ゆ え に 、21世 紀 に入 っ て も20世 紀 近 代 家 族 の 幻 想 に と ら わ れ 、「家 族 」 共 同体 の 中 で 生 活 を送 る人 た ち も数 多 くい る に ち が い な い 。 しか し も う一 方 で 、 結 婚 や 家 族 生 活 に積 極 的 に は参 与 しな い 人 び と も出現 す る の で あ ろ う。 消 極 的 な 意 味 で 「結 婚 が で きな い 」、 「家 族 生 活 が送 れ な い 」 と い うの で は な く、 あ え て 結 婚 や 家 族 を選 択 しな くて も、 十 全 な 市 民 生 活 や 親 密 な人 間 関係 を 維 持 で き る人 び との こ と で あ る。 す な わ ち市 民 生 活 や親 密 な人 間 関 係 の 前 提 条 件 に家 族 や結 婚 を 置 か ず に 、 十 全 な人 生 を送 れ る人 び とで あ る 。 こ の よ うな 人 び とで 構 成 され る社 会 の こ とを 、 「個 人 単 位 の社 会 」 あ る い は 「シ ソ グル 単 位 の社 会J(14)と呼 ん で い る人 もい る。 20世 紀 の近 代 「家 族 」 単 位 の 社 会 で は 、男 女 の 性 別 役 割 分 業 に 基 づ く性 別 観 が 自明 視 され て お り、 そ こで の 個 人 と は この よ うな家 族 的 な男 女 一 対 の 片 方 の こ と、 と りわ け そ の 男 の 方 の こ とで あ っ た 。 この よ うな個 人 が 男 女 二 人 で 築 く もの が結 婚 あ る い は 家 族 で あ る。 つ ま りこ こで 想 定 さ れ て い る個 人 と は 、男 女 二 人 で 結 婚 す る こ と が 自然 で あ る こ とが 前 提 と され た 個 人 な ので あ る。 家 族 的 な 個 人 の こと を 、 一 般 に は な に も形 容 詞 を つ け ず に個 人 と言 っ て い る の だ 。 通 常 の個 人 と は、 暗 黙 の 前 提 と して 、 家 族 的 男 女 の 片 方 の こ とで あ り、家 族 的 個 人 以 外 の 個 人 の 存 在 は想 像 も つ か な い もの と な っ て い るの だ。 こ れ に対 して 、 「個 人 」 単 位 の社 会 の個 人 と は 、 夫 で も妻 で も、 主 婦 で も主 人 で も、 母 で も父 で も、 親 で も子 で も、(性 別 役 割 分 業 的 な)男 で も女 で もな い 主 体 を もっ た 人 間 存 在 の こ と を指

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して い る。 つ ま り家 族 的 な個 人 の こ とを指 して い る わ け で は な い の だ 。 家 族 を前 提 に した 人 間 関 係 ・社 会 関 係 の 中 で果 た す役 割 を担 って い る人 の こと を指 して 「個 人 」 とは 呼 ば な い の だ 。 こ う した 「個 人 」 単 位 の社 会 に お け る個 人 と は 、(性 別 役 割 分 業 的 な)男 女 二 分 法 や 結 婚 制 度 的 役 割 (夫 婦 ・父母 ・配 偶 者 な ど)を 前 提 と しな い で 市 民 生 活 を送 り、 親 密 な 人 間 関 係 を持 っ て い る 「単 独 者 」 の こ と で あ る。 「家 族 」 単 位 の 社 会 に慣 れ 親 しん だ 人 に は 、 こ う した 「個 人 」 単 位 の 社 会 の個 人 を想 像 す る こ と は非 常 に 困 難 な こ と に ち が い ない(15)。 「個 人 」 単 位 の社 会 と は 、「性 差 や結 婚 とい う もの が一 人 の 人 間 を 見 る上 で 無 関 係 に な る社 会 」 で あ り、個 人 が す べ て の 面(政 治 ・生 活 ・経 済 ・文 化)で 単 位 とな って い る社 会 で あ る。 つ ま り 「個 人 を 見 る上 で 性差 や 結 婚 とい う フ ァ ク タ ー が非 常 に 重 要 な 意 味 を もって い る社 会 」 が前 提 の 「家 族 」 単 位 の社 会 とは 全 く別 の 社 会 の こ と な の だ 。 要 す る に 「個 人 」 単 位 の 社 会 とは 、 「家 族 が い るか い な い か 、 どん な家 族 と か に無 関係 に 、個 人 の 自 由 を大 切 に す る仕 組 み 」(制 度)で で き た社 会 の こ とな の で あ る⑯ 。 7.変 わ る 男 女 性 別 概 念 「家 族 」 単 位 の社 会 か ら 「個 人 」 単 位 の社 会 へ の移 行 は 、20世 紀 か ら21世 紀 へ と い う 自然 な 時 間 的 推 移 に よ って 生 じる わ け で は な い 。 こ う した移 行 に は 、 さ ま ざ ま な社 会 制 度 の 変 革 が必 ず 伴 わ ざ る をxな い の だ 。 つ ま り 「家 族 」 単 位 の 社 会 を支 え て い る諸 々 の社 会 制 度 を 、 「個 人 」 単 位 の 社 会 を 保 障 す る社 会 制 度 へ 変 革 しな くて は な ら な い の だ 。 「個 人 」 単 位 の社 会 と は 、20世 紀 近 代 家 族 幻 想 と して の 「家 族 」 単 位 の 社 会 が解 体 した 後 に く る代 替 的 な社 会 概 念 で あ り、 現 実 的 に は 「個 人 」 単 位 の社 会 の編 成 過 程 と して しか実 現 しない もの で あ る。 「家 族 」 単 位 か ら 「個 人 」 単 位 へ の移 行 、 つ ま り家 族 が解 体 して 「個 人 」 単 位 に な る と い う こ と は 、社 会 が解 体 す る こ とで は な く、 ま た性 愛 や 育 児 を含 む 親 密 な人 間 関係 が 無 くな る わ け で も な い 。 あ る い は男 女 の 性 別概 念 そ れ 自体 が無 くな る わ け で もな い 。 親 密 性 や 性 愛 や 性 別 や 人 間 関 係 が 無 くな るの で は な く、 個 人 単 位 の もの に 変 化 す るの だ。 「家 族 」 単 位 の 社 会 観 しか 想 像 で き な い 人 に は 、 この こ とが なか な か理 解 で きな い の で あ る 。 「家 族 」 単 位 の社 会 しか理 解 で き な い人 は 、現 実 問 題 と して 、 「家 族 」 単 位 の性 別 概 念 しか 理 解 で き な い よ うで あ る。 そ う した人 に と って の 男 女 の性 別 とは 、 近 代 家族 的 な男 女(夫 婦)に 基 づ く性 別 の こ とで しか な く、 男 女 性 別 役 割 分業 的 な男 女 観 の こ と を 意 味 して い る。 つ ま り、 近 代 的 な相 補 的 な 男 女 二 分法 的 な男 女 しか想 像 で き な くな って い る の だ 。 「家族 」 単 位 の社 会 に お け る 社 会 制 度 が もた らす 男 女 性 別 概 念 が唯 一 の 性 別 概 念 とな って しま って い る か らだ。 した が っ て 、「個 人J単 位 の 社 会 へ 移 行 す るた め の社 会 制 度 の 変 革 に は 、 性 別 概 念 の社 会 秩 序 の 変 革 も含 ま ざ る を得 な い の だ。 政 治 ・経 済 ・文 化 ・生 活 の あ らゆ る社 会 制 度 の変 革 は 、性 別 概 念 と い う社 会 秩 序 の変 革 と同 時進 行 と な らざ る を え な い こ と に な る。 家 族 的 な 男女 性 別 概 念 か ら 個 人 的 な男 女 性 別 概 念 へ の移 行 で あ る。 個 人 単 位 の社 会 で は 、「家 族 」 単 位 の社 会 に お け る男 女 の あ り方 、 性 別 概 念 が 変 化 して 、 男 女 二 分 法 的 な 性 別 概 念 は規 範 と して は 使 用 され な い で あ ろ う。 男 女 が結 婚 して 家族 を 作 る とい う男 女 性 別 概 念 は 、 制 度 的 な支 持 を得 る こ と は な く、 性 別 概 念 の 単 な る一 つ の 用 法 に な るで あ ろ う。 「個 人 」 単 位 の社 会 で も、 性 別 概 念 そ の もの は な くな らな い で あ ろ うが 、 男女 の あ り方 、役 割 の あ り方 、 性 愛 の あ り方 は 、 「家 族 」 単 位 の社 会 の もの と は 、 制 度 的 に 異 な って い る は ず で あ る。

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この よ うな 性 別 概 念 に基 づ い た 「個 人 」 単 位 の社 会 で は 、20世 紀 と は別 の 「新 た な」 人 間 関 係 ・ 社 会 関係 ・社 会 制 度 が編 成 され る こと に な るで あ ろ う。 注 1.核 家 族(nuclearfamily)と は 、 夫 婦 と未 婚 の子 ど もか らな る家 族 の こ とで あ り、 家 族 を構 成 す る最 小 構 成 単 位 で あ る。 この家 族 の最 小 構 成 単 位 と して の 核 家 族 が 、 他 の もの と組 み 合 わ さ って さ ま ざ ま な形 態 の 具 体 的 な 家 族 を つ くる と され るの だ。(マ ー ド ッ ク参 照)通 常 日本 語 で 言 わ れ て い る 「核 家 族 」 は 、 正 確 に言 え ば 核 家 族 「世 帯 」 の こ と を指 して い る ら しい 。 厂核 家 族 」 論 は、 家 族 普 遍 論 の 典 型 で あ る。 2.封 建 制 の家 族 は 、女 性 に あ か ら さ まに暴 力 が ふ る わ れ 、 女 性 を家 系 を絶 や さな い た め の 子 産 み の 道 具 と し、 社 会 的 に 無 権 利 状 態 に置 き、 家 事 ・育 児 な ど の女 性役 割 を 自己 犠牲 的 に押 し付 け 、 そ の 上 で 女 性 の 自己 犠 牲 を美 化 す る よ う な性 差 別 的 な 家 父長 制 家 族 だ と一 般 に見 な され て い る。 3.第 一 次 集 団 と は 、 ア メ リカ の社 会 学 者 の クー リー が 命 名 した集 団 類 型 で 、親 密 で 対 面 的 な関 係 と協 同 を特 徴 とす る小 規 模 な集 団 を 意 味 す る。 家 族 ・近 隣 ・遊 び 仲 間 な どが そ の 代 表 例 と さ れ る。 4.落 合1997,p.105.参 照 。 5.こ こで い う現 在 の 家 族 論 と は 、社 会 史 や 社 会 人 類 学 や 歴 史 社 会 学 の 成 果 を ふ ま え た家 族 論 の こ と を指 して い る。 6.落 合1997,p.103.参 照 。(こ の ま と め に は 、 家 族 と 性 愛 の 関 係 が 捨 象 さ れ て い る。)山 田 (1994)は 、近 代 家 族 の 基 本 的 性格 と して 次 の三 点 を 挙 げ て い る。1外 の世 界 か ら隔 離 さ れ た 私 的 領 域 、2家 族 成 員 の 再 生 産 ・生 活 保 障 の責 任 、3家 族 成 員 の 感 情 マ ネ ー ジ の責 任 。 シ ョー ター(1987)の 近 代 家 族 の三 要 素 は 、1ロ マ ソス革 命 、2母 子 の 情 緒 的 絆 、3世 帯 の 自律 性 で あ る。 7.日 本 社 会 に お い て 、 一 般 大 衆 の 中 産 階 級 化=近 代 家 族 化 が 成 立 し始 め るの は、 大 正 期 以 降 の こ とで あ る。 都 市 化=産 業 社 会 化 の 成 立 と パ ラ レル で あ る。 この こ とが 社 会 全 域 に 普 及 す るの は 、 第 二 次 世 界 大 戦 後 の ことで あ る。 そ して固 定 化=完 成 化 して い くの は高 度 成 長 期 の こ と だ。 さ ら に今 現 在(70年 代 後 半 以 降)は 、黄 昏 れ期 に 入 っ て い る。 落 合 は この よ うな 日本 の 近 代 家 族 の こと を 「家 族 の 戦 後 体 制 」 と呼 ん で い る。 そ の 特 徴 は 次 の 三 つ で あ る。1女 性 の 主 婦 化 、 2再 生 産 平 等 主 義(二 人 っ子 化)、3人 口学 的 移 行 期 世 代 が担 い 手(人 口学 的 移 行 期 に お け る 核 家 族 化)(落 合1997,p.101)。 8.20世 紀 近 代 家 族 と は 、 よ り具 体 的 に言 え ば 、 公 的 領 域 と は区 別 され た 私 的 領 域 に お い て 真 実 の 愛 と性 の 結 合 に よ って(恋 愛)結 婚 した一 組 の 夫 婦 が 、 夫 婦 中心 主 義 に よ って(賃 労 働 と家 事 労 働 の)性 別 役 割 分 業 に基 づ きな が ら も対 等 な人 間 関係(=友 愛 関 係)を 作 る家 族(と そ の 変 種)の こ とで あ る。 これ こそ が理 想 的 で 普遍 的 な家 族 だ とい う感 覚 を伴 う こ と が 多 い 。 しか し、20世 紀 近 代 家 族 の黄 昏 れ期 に は 、 そ の 変種 の あ り方 が顕 在 化 す る傾 向 が あ る。 現 象 的 に は 、 女 性 の脱 専 業 主 婦 化 、 出 産 育 児 の 脱 家 内 化 、 女 性 の 就 労 化(脱 性 別 役 割 分 業 化)、 単 婚 的 異 性 愛 の脱 中 心 化 な ど が顕 著 に な っ て く る。

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9.伊 田1998a,p.10∼12参 照 。 な お 日本 社 会 に お け る イ エや 核 家 族 も 「家 族 」 単 位 の 一 変 種 で あ る。20世 紀 の 社 会 科 学 に お け る社 会 理 論 の 大 部 分 は 、 「家 族 」 単 位 社 会 論 で あ る。 10.こ こで 言 う 「個 人 化 す る家 族 」 現 象 と、 次 の6節 で い う 「個 人 単 位 の社 会 」 とは 似 て 非 な る 概 念 で あ る。 家 族 の 個 人化 で は 、 家 族 の存 在 は既 成 の 前 提 で な くあ くま で も個 人 の 選 択 の一 つ の結 果 に す ぎ ない こ と に 力 点 が あ る が 、「個 人 単 位 の 社 会 」 の強 調 点 は 、 「個 人 」 概 念 の変 更 に あ る。 つ ま り 「家 族 単 位 の 社 会 」 の 中 で選 択 す る 個 人 の 性 別概 念 と 「個 人 単 位 の 社 会 」 の個 人 の性 別概 念 の 区 別 に 力 点 が あ る の だ。 要 す る に 「家 族 単 位 の社 会 」 の個 人 の もつ 家 族 的 な性 別 概 念 と、 「個 人 単 位 の 社 会 」 の 個 人 の 非 家 族 的 な性 別 概 念 の 相 違 で あ る。 個 人 の 「選 択 」 の存 否 で は な く、 「個 人 」 の 性 別 概 念 に お け る 家族 的 な もの の 存 否 が 区 別 の基 準 な ので あ る。 11.ド イ ツの 社 会 学 者F.テ ソ ニ エ ス の規 定 で は 、 ゲ マ イ ソ シ ャ フ トと は人 間 の 自然 な本 質 に基 づ く有 機 的 な社 会 関 係 態 で あ り、 ゲ ゼ ル シ ャ フ トとは 思 考 の 選 択 意 志 に基 づ く機 械 的 な社 会 関 係 態 の こ とで あ る。 12.目 黒1987,p.iv.参 照 。 13.伊 田は 、 日本 社 会 の 明 治 か らの現 在 まで の 「家 族 」 形 態 を、 「近 代(性 別)秩 序 導 入 型 家 族 」 「農 村 ・都 市 連 結 型 家 族 」 「都 市 賃 労 働 者 家 族 導 入 型 家 族 」 「戦 時 動 員 型 性 別 秩 序 」 「専 業 主 婦 型 家 族 」 「パ ー ト妻 型 家 族 」 「両 性 疑 似 パ ー ト型 家 族 」 と呼 ん で い る(1998b,pp.83∼96)。 い う まで もな く、 「専 業 主 婦 型 家 族 」 が20世 紀 近 代 家 族(資 本 制 型 性 別 秩 序)の 基 本 型 とな って い る。 14.歴 史 的 に見 るな らば 、 こ う した 目標 に基 づ く社 会 運 動 の 顕 在 的 な現 れ の1つ が フ ェ ミニ ズ ム (女 性 解 放 思 想)の 運 動 で あ った。 い わ ゆ る第 一 波 ・第 二 波 の フ ェ ミニ ズ ム運 動 の主 要 な主 張 には 常 に 「家 族 」解 体 が あ っ た。 しか しな が ら 「家 族 」 単 位 社 会 の 中 で は、 こ う した 主 張 点 は な か な か実 践 的 に は 実 現 され な か った の だ 。 15.伊 田 は 「個 人 」概 念 に代 え て 「シ ソ グル 」 概 念 を用 い る理 由 を 次 の よ うに挙 げ て い る。 (1)「 エ ゴイ ズ ム と して の 個 人主 義 」 の よ うな 個 人 概 念 と の 混 同 ・誤 解 を避 け る。(2)近 代 的 個 人 概 念 は 男女 二 分 法 と対 立 しない よ うに理 解 され て い る。(3)個 人 概 念 は通 常 で は結 婚 制 度 の 「夫 」 や 「妻 」 とい う役 割 と対 立 しな い。(1998b,p.17.) 16.伊 田 は よ り具 体 的 に 以 下 の よ う に述 べ て い る。 「各 人 は 、 パ ー トナー 込 み で 考 え ず 、 自分 の 食 い ぶ ち は 自分 で 稼 ぎ、 同 時 に 自分 で 家 事 をす る。 二 人 は 「一 人 で は な く二 人 」 だ と認 め る発 想 で あ る 。 二 人 で 暮 ら して い て も、 基 本 的 に家 計 は 各 人 ご と とす る。 子 ど もが い る な ら、 男女 に か か わ りな く 自分 で 育児 を す る。 妻 に ま か せ た らい い と か 、 夫 に稼 い で も ら うと い う発 想 自 体 を排 除 す るの で あ る。 同 時 に子 ど もを所 有 物 と と ら えず 、 子 ど も個 人 の権 利 を尊 重 す る。 自 分 で 行 い 、 自分 で 責 任 を と る。 す べ て を 自分 個 人 を 単 位 に 考 え る こ と、 こ こか ら シ ソ グル 単 位 社 会 へ の 変 革 は 始 ま る。」(1998b,p.102.)

参考文献

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参照

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