動的バランス運動学習の適時期について : 児童期における練習効果の年齢差から
全文
(2) 126. 適時期を明らかにすることは,学習効果の著しく出現する時に指導するための基礎的条 件で,この時期に指導することは,子どもに技能の伸びを自覚させやすく,体育を好きにさ せるための基底的条件と考えられる22)さらに,運動の好きな子どもの育成が達成されれば, 学校体育の今日的課題16)である生涯体育への発展も期待できる.また,限られた時間の中で 様々な内容を学習させなければならない現代の学校教育にあって,教育の経済性の観点か らも重要な課題である. 今回の教育課程の改定にあたっても, 「小学校の体育については学習の適時性を一層重 視して運動領域の内容等について改善を図る」ことが強調されている16) 本来,通時期を明らかにするためには,学習方法がふさわしかったか,学習期間をどのよ うに設定するか等の諸条件に加え,広範な年齢層の多くの被験者を対象に検討する必要が あるので種々の困難が伴う5).このため,適時期を実験的に明らかにしようとした研究もい くつかみられる23)26)が,経験的に,あるいは横断的な発達傾向から推察するにとどまってい るのが現状のように思われる2)18) そこで,著者らは,これまでにクラウチングスタート法6)31)竹馬乗り7),テニスボ-ル投 げ24)等について学習の適時期を実験的に検討してきた. その結果,クラウチングスタート法学習の適時期は中学1 ・ 2年生頃に存在し,小学生で 学習効果の低い要因として,重心を基底面から外してバランスを保つ動的なバランスシス テムならびに意志による調整力の未発達であることが関係しているように推察された.ま た,バランス能力が重要と考えられる竹馬乗り学習の適時期は7から9歳頃にあることを 明らかにした.さらに,バランス能力の発達がヒトの移動運動の発達においても大きく関与 することは,四つばい、支持歩行、独立歩行一走行と,基底面の大きな運動から小さな運動 ができるようになることからも理解される4). これらのことは,バランス能力の発達過程やバランス運動学習の適時期を明らかにする 必要のあることを示唆している. バランス運動の学習効果の年齢差を検討した研究には,小林14)のバランスメーターを用 いて開眼で3週間練習させた報告があり, 4歳児よりも5歳児で大きな効果が得られてい る.しかし,バランス能力と同様に神経系の要因の関与が大きいと考えられる単純視覚反応 時間27)や敏捷性12)13)の練習効果は小学校低学年で大きいという報告がみられる.また,上述 のクラウチングスタ-ト法や竹馬乗りの結果から,バランス運動学習の適時期は6歳以降 に存在することが予想される.さらに,開眼と開眼の条件でのバランス能力の発達傾向には 若干の相違が認められている17) 21)29)30)したがって,バランス運動学習の適時期を明らかに するためには,さらに広範囲な年齢層を対象にするとともに,練習内容の差異や開眼・開眼 の視覚条件の影響についても検討する必要があると考えられる. そこで,本研究では小学校1年生から6年生の男女児童を対象に,同一期間(6日/過, 3週間) ,異なる内容.条件で,練習させる3つのトレーニング群を設定し,開眼と開眼の 条件におけるバランスメーター成功時間で評価した練習効果の年齢差からバランス運動学 習の適時期を明らかにしようとした. さらに,練習終了1カ月後にも同様の測定を行い,練習効果保持の側面についても検討し m.
(3) 127. 動的バランス運動学習の適時期について. Ⅱ.方法 1.被験者 麦1に示す身体特性を持っ,小学校1年生から6年生の男女児童,計4 8 0名,ならびに 成人男女各3 0名を対象にした.さらに,それぞれの学年の男女を異なる内容の練習を行う 3つの練習群(A-C)と統制群(D) (各1 0名)に分けた.なお,グループの編成にあ たっては開眼の条件でのバランスメータの成績が群間でほぼ等質になるように配慮した. 表1.被検者の身体特性 男 放 学年. l. 2. 3. 4. 5. 6. A 群. 子 習. 女. 尉. B 群. 統制群 C 群. D 鮮. 綬 A 鮮. 子 習 B 群. 群 C 群. 統制 群 D 群. 身 長 u ォ). 1 1 5 . 0 ±4 . 0. 1 1 6 . 1 ±2 .2. 1 1 7 .8 ±4 .9. 1 1 8 . 3 ± 4 .4. 1 1 9 . 0 ±4 .5. 1 1 4 . 7 ±3 . 8. 1 15 . 0 ±5 . 1. 1 19 . 1 ± 3 .3. 件 垂 (k g). 2 0 .4 ± 2 . 1. 2 1 .3 ± 1 .8. 2 2 . 8 ±4 .4. 2 2 . 3 ±3 .5. 2 2 . 9 ±2 . 2. 19 . 7 ± 1 . 7. 2 1 .5 ±5 . 6. 2 1 . 0 ± 0 .9. 年 齢 (歳 ). 7. 1± 0.3. 6 .9 ±0 .3. 7 . 4 ±0 .2. 7 .3 ±0 -2. B 0 (抄 ). 1 7 .0 ± 1 .9. 1 7 .3 ± 1 .5. 1 6 . 8 ±2 . 0. 16 . 9 ± 1 .8. 7 . 2 ±0 . 2 15.7 ± 1.3. 7 . 1 ±0 . 2 16 . 6 ± 1 . 7. 7.2 ± 0.3 1 7 .4 ± 2 . 6. 7 .3 ± 0 .3 17 . 6 ± 2 .2. 身 長 (cm ). 1 2 1 .8 ± 3 .4. 1 2 3 .7 ±3 .3. 1 2 2 . 4 ±6 .8. 12 3 . 7 ±3 -3. 1 2 8 . 0 ±5 . 2. 12 2 . 7 ±4 . 7. 1 2 0 .4 ±3 . 6. 1 1 9 . 5 ±4 .g. 体 重 (kg). 2 4 . 7 ±3 .5. 2 5 .4 ±7 . 7. 2 4 . 7 ±6 . 1. 2 3 . 5 ±2 .2. 2 7 .8 ±4 . 4. 23 .6 ± 2.6. 23 .1± 2.9. 21.9 + 3 .1. 年 齢 (歳 ). 8 . 1 ±0 .2. 8 . 1 ±0 .3. 8 . 3 ±0 .3. 8 . 4 + 0 .3. 8.0 ± 0.3. ±0 . 2. 8ー Lt ± 0 . 3. 8 . 4 ±0 I3. B 0 (秒 ). 1 7 . 9 ±0 .8. 18 . 2 ± 1 . 2. 1 6 .8 ±2 . 1. 1 9 . 0 ± 1 .7. 1 7 .2 ± 2 . 5. 17.9 ± 2.4. 1 7 .6 ± 2 . 4. 1 7 . 9 ±2 .2. 身 長 (e n ) 体 重 (kg). 1 2 6 . 7 ±4 .5 2 7 . 3 ±3 . 0. 1 2 9 .3 ±6 .4 2 8 . 1 ±4 . 4. 1 2 7 .6 1 4 .0 2 6 .3 ± 2 . 6. 12 5 . 5 ±1 .8 2 5 . 3 ± 1 .3. 1 2 5 . 9 ±5 . 9. 12 7 . 7 ±3 . 3. 1 24 .2 ±4 . 0. 1 28 . 3 ±3 .9. 2 5 .3 ±4 . 8. 2 8 . 9 ±ノ 1. 7. 24 .3 ±4 . 1. 2 7 . 3 ±3 .3. 年 前 (歳 ). 9 . 0 ±0 .3. ±0 .3. 9 . 5 ±0 . 2. 9 . 3 ±0 l3. 9 . 0 ±0 . 2. 9 . 0 ±0 . 3. 9 .3 ± 0 . 3. 9 . 3 ±0 .3. B O (抄 ). 18 . 7 ±2 . 0. 19 . 2 ± 1 . 5. 1 9 .4 ± 1 . 2. 1 7 . 9 ± 1 .6. 18.2 ± 2.3. 18 . 4 ± 1 . 4. 1 7 .5 ± 2 . 4. 1 9 . 3 ±2 .2. 身 長 ( c サ). 1 3 6 .4 ±6 .7. 1 3 2 .8 ±5 .3. 1 3 2 . 2 ±5 . 1. 13 3 . 9 ±3 .6. 13 4 . 1 ±3 . 7. 13 3 .5 ±7 . 9. 13 1 . 6 ±5 . 1. 13 0 . 3 ±5 .8. 体 重 (kg). 2 9 . 7 ± i. 2 10 . 1 ±0 . 2. 2 8 .8 ± 2 . 9 1 0 ▼3 ±0 .3. 3 2 . 7 ±6 .9 10 . 3 ±0 .3. 2 9 .5 ±3 . 9. 3 0 . 1 ±6 . 6. 28 .3 ±5 . 1. 2 6 . 7 ±2 .7. 年 齢 (j2 ) B O (秒 ). 3 1 . 3 ±4 .8 1 0 . 2 ±0 .3. 1 0 . 0 ±0 . 3. 10 . 2 ±0 . 3. 10 . 3 ±0 . 2. 1 0 . 2 ±0 .2. 20 .6 ± 1.4. 2 1.0 ± 1.1. 1 9 .4 ± 1 .3. 2 0 . 2 ± 1 .5. 20.5 ± 1.2. 2 0 . 3 ±2 . 0. 18 .9 ±. 1 9 . 5 ± 1 .5. 14 1 . 9 ±5 . 5 3 7 . 1 ±5 . 8. 身 長 (cm). 1 4 0 . 0 ±6 . 7. 1 3 9 . 1 ±5 .3. 1 3 7 . 1 ±9 .3. 14 1 . 3 ±7 .4. 体 重 (ke) 年 齢 (歳 ). 3 4 . 1 ± 1. 0. 3 2 . 6 ±4 . 8. 3 1 .5 ± 7 . 7. 3 7 . 3 ±9 .5. 1 3 9 . 1 ±4 . 9 3 1 .6 ± 5 . 8. 13 5 . 7 ± 6 . 4 3 2 .0 ± 6 . 0. 14 2 一8 ±7 . i 3 7 . 5 ±6 .4. l l . ! ±0 .3. 1 1 . 0 ±0 . 2. 1 1 .5 ±0 .3. 1 1 . 2 ±0 .3. l l .2 ± 0 . 3. 1 1 . 2 ± 1. 3. 1 1 .3 ± 0 . 3. 1 1 . 3 ±0 .3. B 0 (秒 ). 2 1.3 ± 1.8. 2 1.1 ± 2.2. 2 2 .0 ± L . 6. 2 0 .7 ± 1 .3. 2 0 .7 ± 1 .3. 2 1.0 ± 1.6. 2 0 .7 ± 2 . 4. 1 9 . 4 ± 1 l5. 身 買u n>. 1 4 8 . 4 ±9 . 1. 1 4 2 一9 ± 6 . 3. 1 4 2 . 1 ±4 . 3. 14 1 .7 ±5 .5. 1 4 8 .2 ± 7 .3. 14 3 . 0 ±4 . 2. 14 5 .8 ±4 .9. 14 5 . 4 ±4 .4. 体 重 ( to ). 4 1.4 ± 11.5. 3 6 .0 ±`蝣 1.8. 3 5 .8 ± 5 .9. 3 6 .2 ±6 . i. 年 齢 (歳 ). 12 . 1 ±0 . 2. 12 . 1 ± 1. 3. 1 2 .3 ± 0 . 3. 1 2 .3 ±0 -3. 4 2 .4 ± 8 .9 1 2 .2 ± 0 .3. 3 5.8 ± 6.3 1 2 . 1 ±0 . 2. 3 8 .2 ± 6 . 1 1 2 .3 ± 0 .3. 3 8 . 5 ±4 .5 1 2 . 2 ±0 . 2. B O (秒 ). 22 .2 ± 1.6. 22 .5 ± 1.1. 2 1 .3 ± 2 . 1. 2 2 .0 ± 1 .4. 2 2 . 2 ± 1 .3. 2 1 .8 ± 1 . 5. 2 2 .7 ± 0 .7. 2 1 .2 ± 1 . 1. 身 長 (cm). 17 1 .4 ±6 .2. 1 5 7 .2 ±5 .3. 成. 体 垂 (kg). 6 1 .3 ±6 l8. 5 0 .9 ±5 . 9. 人. 午 齢 (K ) B 0 (秒 ). 2 0 .5 ±0 .8 2 2 .6 ± 1 . 2. 2 0 . 1 ±0 . 7. 注) BO ;開眼の条件によるバランスメーター成功時間. 2.練習期間 いずれの練習群についても,週当たり6日の頻度で3週間の練習を行わせた. 3.練習内容 それぞれの練習群に負荷した内容は,次の如くである. A群:バランスメーターを用いて,30秒間の練習を1H4回,開眼で行う. B群: A群と同様の練習を開眼で行う. C群:マット上で前転,後転をそれぞれ1 0[乱横転を右回りと左回り各5 回行う.. 2 1 .6 ± 1 .3.
(4) 128. 4.バランスメーターによる動的バランス能力の測定法 図2は,バランスメーターの模式図を示している. バランス台(幅30cm,長さ9 0cm,高さ8cm,最大傾斜角1 0度)の両サイドにコン タクトスッチをつけ,これが接床(バランス維持の失敗)するとクオーツタイマ、 (OM RON製: 1/1 0 0秒まで計測可能)が停止するように回路を組んだバランスメータを用いて, 3 0秒間内における成功積算時間を測定した.バランスメーター上での足幅は肩 幅程度で被験者の自由とし,台の任意の片方の端を床につけた状態から測定を開始した.刺 定は,開眼とアイマスクを用いて目かくしした開眼の条件でそれぞれ2回実施し,良いほう の記録をそれぞれの成績とした. なお,測定順序は練習効果の影響を取り除くため,開眼あるいは開眼から行うものが各 群それぞれ半数ずつになるように配慮した,また,バランスメーターにならさせるための 練習を測定1週間前に行わせた.. クオーツタイマー. 図2.バランスメータの模式図. 5.練習効果の判定 練習前と練習1週ごとに,開眼と開眼の条件でバランスメーターによるバランス能力の 測定を行い練習効果判定の資料とした. なお,練習中止1カ月後にも同様の測定を行った. Ⅲ.結果ならびに考察 1 ,動的バランス能力の加齢による発達 図3は,開眼と開眼の条件によるバランスメーター成功時間(練習前)の加齢的変化と 年間増加量の推移をそれぞれ男女別に示している.なお, 4, 5歳の結果は小林14)によるも のである..
(5) 129. 動的バランス運動学習の通時期について. -﹂ロoH守. 蝣00-¥-o. ji r,-O. A56789101120 (Grade)1 2 3A 56A 図3.バランスメーター成功時間の加齢的変化ならびに年間増加量 I I T,I (4, 5歳児は小林による) バランスメーターの成功時間は,開眼の条件では男子1年生の1 7.0±1.9秒から6 年生の22.0±1.8秒に,女子1年生の16.8±2.2秒から6年生の22.0±1.5秒 にいずれも加齢的に延長する傾向がみられた.特に,男子では3年生から5年生にかけての 発達が,女子では3年生から6年生にかけての発達が他の年齢層に比して大きかった.小林 の結果を含めてみると, 4歳児から5歳児にかけての年間増加量が男女ともに最も大きい (男子: 1.9秒,女子; 1.6秒)ことが認められた.しかし,年間増加率でみると幼児期が 最も高く,児童期では低学年が中・高学年よりも高くなる傾向がみられた. 一方,開眼の条件においても,男子1年生の1 5.2±1.8秒から6年生の1 8.8±1.6 秒に,女子1年生の15.3±1.9秒から6年生の19.2±1.5秒と,開眼の条件の場合 と同様にバランス能力は加齢的に発達する傾向が認められた. さらに,成人では開眼の条件で男子2 2.6±1.2秒,女子2 1.6±1.3秒を,開眼の条 件で男子2 0.0±1.3秒,女子1 9.8±1.7秒を示したが, 6年生との間に有意差は認 められなかった.すなわち,バランスメーター法を用いて評価した動的バランス能力は,閉 眼・開眼の条件にかかわらず開眼飛行機型単脚起立検査時間21)や重心動揺面積で評価した バランス能力9)と同様に6年生までに発達し以降殆ど加齢的に向上しないものと考えられ m 視覚のバランス維持-の関与について検討するために,開眼に対する開眼の成績の比率 を算出してみた.男子では1年生が8 8.8%を, 6年生が8 5.5%を示し, 1年生と6年生 の間では有意差(p<0.05)がみられ加齢的に減少する傾向が認められた.一方,女子では 1年生が90.9!を, 6年生が87.3!を示し,3年生と6年生の間に有意差(p<0.05) が認められた.このことは,児童期では加齢にともない僅かではあるが視覚からの情報をバ ランス維持のために利用できるようになる傾向のあることを意味しているものと考えられ.
(6) 130. る. 開眼でのバランスメータ-成功時間と閉眼のそれとの関係をみると,いずれの学年にお いても有意な相関関係が得られた.しかし,開眼での能力が低いものでは開眼との差の小さ い傾向を示した. 男女の比較をすると,開眼の条件ではいずれの年齢においても男子が僅かに高い成績を 示した.しかし,その差は成人を除き統計的に有意なものではなかった.一方,開眼の条件で は1, 3, 6年で女子が男子の成績を上回るが,一定の加齢的傾向はみられなかった.すなわ ち,開眼の条件では,一部の年齢で女子の方が男子よりもバランス能力の優れる傾向が伺わ れ,バランス能力は,筋力17)のように大きな性差のない体力要素であることが認められた. 2.練習曲線について 図4 -左側は開眼の条件で,同右側は開眼の条件で,測定したそれぞれの練習群のバラン スメーター成功時間を男子について練習1週毎と練習終了1カ月後の学年別平均値で示し たものである.. d. 5 ′. A-group. t D. 25. 叫. ・,Boy(Close) (sec)A_J._ A-group 25. ) 甲oy (Open]. 6. sec. 3. O ・. 2. O. . I. Pre lw 2w 3w Aim 25. B-group. 25. Pre lw 2w 3wAim B-group. I.-- ̄-一・. 巨夢雲雲蝣--- ::qj Prで1w. 2w. Pre lw 2w 3wAlm. 3wAlm. 25. 25. C-group. -A --.---J. 三三三三三三号. ニーーーーーーーー9. Pre lw 2w 3w. Pre lw 2w 3w Alm. 図4.各練習群の学年別バランスメーター成功時間の練習による変化(男子) (左側:開眼の条件,右側:開眼の条件) 荏) Aim練習中止1カ月後の成績.
(7) 動的バランス運動学習の適時期について. 131. バランスメーターを用いて開眼で練習したA群とバランスメーターを用いて開眼で練習 したB群では,開眼の条件で評価した場合にも閉眼の条件で評価した場合にも,練習1週間 後ですでに統計的に有意(p<0.05)な効果の出現する傾向がみられた.しかし,マットを 用いて回転系の練習をしたC群では,効果は徐々に出現する傾向がみられ,練習終了時には 有意(p<0.05)な向上を示したが,練習効果はA,B群よりも小さかった.図示していない が,女子においても男子と同様の傾向が認められた. 適時期を論じる場合,練習期間をどのように設定して評価するかば重要な問題である.し かし,各年齢層の平均値でみた練習曲線のパターンには顕著な年齢差は認められなかった ことから, 3週間の練習後の成績で効果の年齢差を検討することにした. 3.練習効果の年齢差について 図5は,バランスメーターの開眼と閉眼の条件で評価した三つの練習群の効果を伸び率 で男女・学年別に示したものである.. 1234(gr5cad§123k5-6.123Ut56 (grade)(grade) 図5.それぞれの練習群(A群;バランスメーター開眼,B群;バランスメーター開眼, C群;マットでの回転運動)の開眼(白ヌキ)と閉眼(黒塗)の条件で評価した バランスメ-クー成功時間の練習効果の男女別年齢差 開眼の条件で評価した場合には,A群においては男子の1,2,3年生では20%以上,女 子の1,2年生では20%以上の伸びを示したが,高学年では男女ともに10%程度の伸び であった.これらの練習効果は,小林14)の4,5歳児を対象とした成績(男子:40%,女子: 60%)よりもかなり低値であった. B,C群においても練習効果は,A群ほど顕著ではないが,男女ともに低学年の方が高学 年よりも大きい傾向がみられた. 一方,開眼の条件で評価した場合においても,A群では,男女ともに1,2年生では15% 以上の伸びを示し,他の学年よりも大きな練習効果が認められた. B群では,男女ともに1,2,3年生の伸び率は15%以上を示したが,6年生では10% 以下を示し,練習効果は加齢的に減少する傾向がみられた.さらに,C群においても,伸び率 は男女ともに高学年よりも低学年で高値を示した..
(8) 132. これらのことから,開眼・開眼いずれの条件においてもバランス運動の練習効果は,高学 年よりも低学年で大きいといえる. なお,統制群では,男女ともに開眼・開眼いずれの条件においても3過後の記録に伸びは 認められなかった.したがって,上記練習群の成績の向上は、練習による効果といえる. 4.練習内容の相違が効果に及ぼす影響について 本研究では,バランス能力を向上させると考えられる運動を行わせ練習効果の年齢差か ら,バランス運動学習の適時期を明らかにしようとした.しかし,練習内容によっては効果 の年齢差に相違のみられることも予想されたので,異なる内容の練習を行う3つの群(A、 C)を設定した. すなわち,A群はバランスメーターを用いて開眼で,B群は同じくバランスメーターを用 いるが開眼で練習を行わせ,バランス能力の練習効果に及ぼす視覚の影響を明らかにしよ うとした.また,C群はマット上で前転・後転・横転の回転系の運動を行わせ,主として前 庭や三半器官の迷路系3)に刺激を与えたときの効果を検討した. 練習内容の相違による影響をみると,バランスメーターの開眼で評価した場合には,バラ ンスメーターを用いて開眼で練習したA群が男女いずれの年齢においても最も大きな伸び 率を示した. A群では,開眼の条件で評価した場合にも開眼の条件で評価した場合と同様に練習効果 は比較的大きかった.しかし,開眼で練習したB群では,閉眼の条件で評価した場合には高 い練習効果を示したが,開眼の条件では低学年においても男女ともに1 0 %前後で練習効 果は比較的小さかった. これらのことは,開眼の条件では視覚系と筋・鍵の固有受容器系の二つのバランス制御 機構3)20)が訓練されたと考えられるのに対し,開眼の条件では後者の制御機構のみが訓練 されたことを意味しているものと考えられる.すなわち,この差がA群では開眼・閉眼のい ずれで評価しても大きな練習効果がみられたのに対し, B群では開眼の条件で評価した練 習効果を小さくしたものと推察される. 視覚系がどれだけ練習効果に影響を及ぼしたかをみるため,A群についてバランスメー ターの開眼の記録の伸びと開眼の記録の伸びの差を求め男女学年別に示したものが図6で ある.. 23A5,6 (grade) 図6.開眼と閉眼の条件で評価した練習効果の差.
(9) 動的バランス運動学習の適時期について. 133. 男子では低・中学年で,女子では1年から5年生で視覚系の関与が考えられる練習効果 がかなり認められた.しかし,男子の5, 6年生,女子の6年生では,両者に殆ど差は認めら れなかった.このことは,開眼で練習したにも関わらず,高学年の児童でのバランス能力の 向上は視覚系以外の制御機構の改善によって生起したことを推定させる.一方,低学年の児 童においては練習前では高学年はど視覚系からの情報を利用できていなかったことが推察 され,前述の発達過程にみられた結果と対応が認められ興味深い. C群では,男子の1, 5年生,女子の3, 4年生を除き僅かではあるが開眼よりも閉眼の条 件で評価した方が練習効果の大きい傾向がみられた.このことは,回転系の運動は視覚系以 外の制御機構の改善の刺激として作用したことを示唆しているものと考えられる. 以上. A, B, C群の閉眼と開眼の条件で評価した練習効果の相違から,いずれの群のバラ ンス能力の向上にも,視覚系以外の要因の関与が考えられた.すなわち, A群を除き,視覚系 よりも筋や腺の固有受容器系のバランス維持に対する関与の割合が増加したものと考えら mm また, C群の練習効果は, A群, B群に比して小さかった.これは,迷路系に刺激を与えて も動的バランス能力には,大きな効果をもたらすことができなかったことを示している.し かし,前述したようにC群の練習効果は徐々に出現する傾向がみられた.星野ら10)は,小学 校5, 6年生を対象に, 4カ月間の回転訓練を行わせ,後眼震持続時間及び回転数が練習後 著しく減少することを報告している.これらのことから, C群では練習期間を延長すればバ ランス能力をA・ B群のレベルまで向上させ得ることも予想される. 前述したように練習効果は高学年より低学年で大きい傾向がいずれの練習群においても 認められた.また,練習内容と同じ条件で評価した方が異なる条件で評価するよりも大きな 練習効果を示し,その傾向は低学年で顕著に認められた.このことは,低学年児童では練習 効果が特異的に出現することを示唆している. 浅見ら1)は,幼児の敏捷性のトレーニング研究において,大筋群のトレーニングと小筋群 のトレーニングは関連が薄く,全身運動によるトレーニングは部分的な筋の敏捷性の向上 に効果はみられなかったとしている.また,加賀谷ら12)13)は,小学校1, 2, 4, 6年生にシャ トルランや30m走のような全身運動によるトレーニングと,ステッピングという局所的 なトレーニングを行わせ,前者は後者の,後者は前者の敏捷性を向上させなかったことを 報告している.さらに,加賀谷らの結果においても効果の特異性は低学年で顕著に認めら れている。 これらのことから,小学校低学年以下の年齢層では,体力トレーニングの効果は特異的に 出現する傾向があるものと考えられる.したがって,低学年においては色々な運動を経験さ せ,運動のレパ-トリーを広げることが発達課題9)となるといえる. 5.練習中止後の効果の保持について 図7は,練習中止1カ月後,開眼と開眼の2つの条件でバランスメーター成功時間を測定 し,練習終了時の何%保持されているかをA, B群の平均値で求め学年別に示したものであ る.. 開眼・開眼いずれの条件で評価した場合にも,練習中止1カ月後の成績は練習開始前よ りも有意(p<0.05)に高く,いずれの学年においても練習終了時の9 4%以上の成績を示 した.また,効果は低学年よりも高学年の方が保持されている傾向が統計的には有意ではな いがみられた..
(10) 134. また,開眼で評価したバランス能力の方が開眼の場合よりも保持される傾向が男女いず れの学年においても認められた.これは,日常生活における運動のほとんどが開眼によって 行われていることが関係しているものと考えられる.. I23A56x123456 (grade)(grade) 図7.練習終了時の成績に対する練習中止1カ月後の割合の年齢別変化 (A,B群の平均値) 6.バランス運動学習の適時期について 小学生を対象に,3つの練習群を設定し,バランス運動学習の効果の年齢差を検討した結 果,いずれの練習群も開眼・開眼のいずれの条件で評価した場合にも,低学年の方が高学年 よりも男女ともに効果の高いことが認められた. このことから,基底面内から出た重心を基底面内に戻したり,非常に狭い基底面内で主と して左右に動揺する重心を保持してバランスを維持するという面でのバランス運動学習の 適時期は,児童期では,男女ともに低学年期にあるものと考えられた.さらに,小林14)の結果 を合わせると,小学校低学年期よりも幼児期の方が顕著に練習効果の高いことから,バラン ス運動学習の適時期は幼児後期に存在するものと考えられた. 小林の研究では,開眼の条件については検討されていないが開眼での動的バランス能力 は,開眼のそれよりも発達が早期であると考えられること,動的バランス能力は,開眼と 開眼の成績の差から,視覚からの情報よりも筋・健の深部受容器からの情報をより多くの 割合で利用してバランスを維持していると推察されること等を合わせると,閉眼の条件に おいても適時期は小学校期以前に存在するものと推定される. 当初,バランス運動学習の通時期は幼児期よりも児童期に存在するのではないかと予想 したが,上述のような結果が得られた.そこで,本研究で対象とした被験者について側車な しの自転車に乗れるようになった年齢を調査してみた(表2).男女ともに3歳代で乗れ るものは5%以下であり,5歳代で乗れるようになったものが40%以上で最も多く,6歳 までに75%以上のものが乗れるようになっていた.すなわち,バランスメーターで評価し たバランス運動学習の練習効果の高い時期と一致し,5歳前後で自転車乗りの練習をする のが敵していると考えられた. また,立ち幅跳びにおいても4歳頃から身体を前傾させながら踏切準備姿勢をとれるよ うになること,すなわち,gravityforceを跳躍の推力に利用できるようになることが明ら.
(11) 動的バランス運動学習の適時期について. 135. 表2.本研究で対象とした全児童の自転車(側車な し)に乗れるようになった年齢別割合. 男子(Ⅹ)女子(%) 3 才代. 4 . 9. 3 . 2. 4 才代. 2 8 . 6. 2 4 . 1. 5 才代. 4 4 . 5. 4 7 . 2. 6 才代. 1 8 . 8. 1 8 . 8. 3 . 2. 6 . 7. 7 才 以上. かにされている28) しかし,バランス能力の関与が大きいと考えられる竹馬乗り学習の通時期は, 7から9歳 頃に存在し本研究の結果と相違がみられる.また,緒言でも述べたようにクラウチングスター ト法の学習が小学校高学年児童においても困難な要因に動的なバランス能力の未発達であ ることが関係しているように考えられた. いずれの運動も,課題達成に昼バランス能力が大きく関与しているが,バランスを保つ条 件にはかなりの差異があるように考えられる.すなわち,これらの適時期の不一致の要因に は,重心が基底面を外れる割合の大きさやバランスの崩れる方向(身体の左右方向か前後 方向か)が関係しているように推察される.バランスメーターや自転車乗りのように基底 面から重心を外す割合が小さく,主として左右方向のバランスが問題になる運動から前方 へのバランスの崩れを推力に利用する竹馬乗り,クラウチングスタートのように基底面の 外に重心をおいてバランスを保つ必要のある運動ほど学習の適時期は高学年になることを 示唆しているように考えられる.しかし,バランス能力に対する方向性の問題については, 今後検討する必要がある. ところで,基底面から出た重心を基底面に保持しようとしてバランスを維持するバラン ス運動学習の練習効果の大きく出現する幼児期後半は,動的バランス能力の成熟による発 逮(年間増加率)の著しい時期とはぼ対応していた. 猪飼11)は,練習効果はそれぞれの機能の加齢による発達の顕著な年齢層で大きく出現す ると仮説している.これまで実験的に練習やトレ-ニング効果の年齢差を検討した辻野27) 奥野ら24)猪飼ら11)の結果を概観してみると,練習効果の大きくみられる年齢は加齢による 発達の著しい時期とはぼ対応している.これらと本研究の結果を考え合わせると,上述の猪 飼の仮説は適時期を推定する上での原則としてかなり一般化できるものと考えられる. 図8は,これまでに検討された種々の体力11) 15)籾25)・運動能力糾)の練習効果の年齢差をまと めて示したものである. 体力・運動能力の各要素のトレーニング効果の最も大きい年齢をみると男女ともに,バ ランス運動が最も若年齢で,単純視覚反応時間,投運動,筋持久力,最大筋力,全身持久力の 川かこなることが認められた. このことは,カリキュラム編成の際に,幼児期後半から児童期前半にかけて,リズミカル な動きを高める運動,タイミングのよい動きを高める運動,素早い動きを高める運動,いわ ゆる巧緻生を高める運動を,児童期後半から青年期にかけて,動きを持続させる能力を高め.
(12) 136. 1∝) (o!。) 効 果. 50 i'i '.・・'':'-'-'・づ事くまI'l'蝣蝣一蝣-メくi! *''・.. I ( 効 果. OOW. 1ミ;'*蝣*'こ・'ォ蝣、i'i. ''.、. -i. バランス運動反応時間報運動員大筋力. 図8.体力・運動能力要素の練習効果の年齢差の模式図 (効果の最も大きかった年齢を1 0 0としてみた場合) る運動,力強い動きを高める運動を体操領域の学習内容に配列する必要のあることを示唆 している. さらに,低学年では練習効果に特異性が認められることから運動のレパートリーを広げ る方向でのカリキュラムの編成が重要であると考えられる. Ⅳ.要約 小学校1年生から6年生の男女児童,計4 8 0名を対象に,一定期間(6日/過, 3週間), 異なる内容の練習を行わせる3つの練習群と統制群を設定し,効果の年齢差からバランス 運動学習の適時期を明らかにしようとした.すなわち, (1) A群:バランスメーターを用 いて3 0秒間の練習を1日4回,開眼で行う, (2) B群: A群と同じ練習を閉眼の条件で 行う, (3) C群:マット上で前転,後転をそれぞれ1 0回,横転を右左各5回行う,の3群 を設定し,練習1過終了毎に開眼と開眼の2条件でバランスメーター成功時間を測定した. また,練習中止1カ月後にも同様の測定を行い効果の保持についても検討した. 得られた結果の大要は以下のごとくである. (1)動的バランス能力は男女ともに加齢的に発達する傾向が開眼・開眼のいずれの条件に おいても認められ,開眼では男女ともに1年生で成人の7 5%レベルを, 6年生で9 5%レ ベル以上を,閉眼では男女ともに1年生で成人の7 5%レベルを, 6年生で9 0%レベル以 上の成績を示した..
(13) 動的バランス運動学習の適時期について. 137. (2)開眼でのバランスメ-ター成功時間と開眼のそれとの間には,有意な相関関係がいずれ の学年においても認められた. (3)練習効果は,開眼・閉眼の条件にかかわらず,低学年の方が高学年よりも大きい傾向が いずれの練習群においても認められた.しかし,練習効果は小林の4, 5歳児の成績よりも 小さかった. (4)開眼で練習したA群では,男女ともに開眼の条件で評価した場合にも練習効果は大きく 出現したが,開眼で練習したB群では,開眼の条件で評価した場合にのみ高い練習効果が得 られた. (5)低学年では,練習と同じ条件で評価した練習効果は異なる条件の場合よりも大きかった. しかし,高学年では,両者の差は小さくなる傾向がみられた.すなわち,練習効果は低学年で は特異的に出現する傾向のあることが認められた. (6)練習中止1カ月後の成績は,いずれの学年も練習終了時の9 4%以上を示し,練習効果 は保持されていた. (7)バランス運動学習においても,成熟による発達の著しい年齢層において練習効果の大き く出現する傾向が認められ,加齢による発達の著しい年齢層において学習(練習)の適時期 があるという仮説は,通時期を推定する上での原則として一般化できるように考えられる. (8)基底面内から出た重心を基底面内に戻したり,非常に狭い基底面内に保持してバランス を維持する運動学習の適時期は,小学校期においては男女ともに低学年にあるものと考え られた.また,小林の結果と合わせると幼児後期の方が適時性はより高いと考えられた. (9)本研究の結果や,竹馬乗り,クラウチンダスタ-ト法学習の適時期の相違から,基底面の 外に重心をおいてバランスを保っ必要度の高い運動学習はどその通時期は高年齢層に移行 すると考えられた. 以上のことから,小学校低学年までにバランス運動学習を積極的に取り入れることが重 要で,さらに若年齢者では練習効果に特異性のみられることから,多様な条件でバランス運 動の学習をさせるカリキュラムを編成する必要のあることが示唆された. (本研究は文部省科学研究費,一般研究(c) No.0268025に基づくものである.研究の遂行に当たって 御協力を賜った曙川東小学校の先生方や児童の皆さんに深く感謝致します. ). 文献 1)浅見高明,渋川侃二,多田繁, 「児童の調整力トレーニングに関する研究(2) 」 ,体育科学,91 1,137-148,1981.. 2)浅見俊雄, 「いま「体育科教育」で何が問題か子供の体力の育成をどう考えるか」 ,体育科教育, 31-5 : 24-26,1983.. 3)福田精, 「運動と平衡の反射生理」 ,医学書院,Pp.275.1957. 4)後藤幸弘, 「立位から歩行への動作の移りかわり」 ,体育の科学,34-12,1984. 5)後藤幸弘, 「適時性の問題点について」 ,体育と保健,26:ll-17, 1987. 6)後藤幸弘, 「短距離走におけるスタート技術学習の適時期について」 ,学校体育,42-8, 118-124, 1989.. 7)後藤幸弘, 「竹馬乗り学習の通時期に関する研究-習得・習熟過程の筋電図的分析ならびに練 習による習得率の年齢差から-」 ,スポーツ教育学研究, ll-1 : 9-23, 1991..
(14) 138. 8) Havighurst, R.J.,荘司雅子訳, 「人間の発達課題と教育」 ,牧書店, Pp. 300, 1958. 9)平沢弥一郎, 「直立歩行を支える左足」 ,サイエンス, ll:32-44,1981. 10)星野貞次,福田精,岡田三郎,塩沢邦宏,野中伝,吉沢卯一,菅谷正雄,吉田雅右,青木謙之, 「特殊な る回転訓練を施せる学童の回転性後眼霞について」 ,耳鼻臨床, 47-1:769-75,1954. ll)猪飼道夫, 「青少年の発育とトレーニング効果について一特に筋持久力について-」 ,体育の科 学, 19-ll:684-89.1969. 12)加賀谷淳子,小西由里子, 「思春期児童の敏捷性トレーニングの効果」 ,昭和6 0年度日本体育協 会スポーツ医・科学研究報告No.V思春期前のトレナビリティに関する研究(第2報) :30-43, 1985.. 13)加賀谷淳子,小西由里子, 「小学1年生と6年生の敏捷性トレーニングの効果」 ,昭和6 1年度日 本体育協会スポーツ医・科学研究報告No.V思春期前のトレナビリティに関する研究(第3報) :25-36,1986.. 14)小林芳文, 「幼児の平衡機能に関する運動学習の効果について」 ,東京大学教育学部紀要,14 : 279291,1975.. 15)小林寛道, 「日本人のエアロビック・パワI -加齢による体力推移とトレ-ニングの影響-」 , 杏林書院, Pp.322, 1982. 16)教育課程審議会, 「幼稚園,小学校,中学校及び高等学校の教育課程の基準の改善」 , 1987. 17)飯塚鉄雄,日丸哲也,永田晟(編) , 「[]本人体力標準値,第3版」 ,不味堂出版,pp46-224,1980. 18)宮下充正, 「子どものからだ」 ,東京大学出版会,pp.159-64,1980. 19)文部省, 「小学校指導書体育編」 ,東山書房,ppl44,1978. 20)永田晟, 「身体運動調節のシステム」 ,道和書院,pp.133-54,1976. 21)日本学校保健会(宿), 「姿勢・運動・乗物酔いと平衡機能一学校生活とからだのバランス-」, 第一法規, ppl4-16,1984. 22)野田昌弘,菊池博文,梅野圭史,後藤幸弘,辻野昭, 「小学校体育科における授業分析に関する研 究一態度得点を高める要因についての事例的研究-」 ,日本体育学会第3 8回大会号,p.426, 19 88.. 23)緒方宗雄,辻延浩,後藤幸弘他, 「青少年期における等速性筋出力のトレーニングの至適時に関 する研究一上腕筋群を中心として-」 ,日本体育学会第3 8回大会号,p.436,1988. 24)奥野暢通,後藤幸弘,辻野昭, 「投運動学習の適時期に関する研究--一小・中学生のオーバーハ ンドスローの練習効果から-」 ,スポ-ツ教育学研究,9-1 : 23-35,1989. 25)杉谷雅文, 「学校教育と教育課程」 ,杉谷雅文,村田昇(編) ,教育学原論,ミネルプア書房,pp.4549,1984.. 26)辻延浩,緒方宗雄,後藤幸弘他, 「青少年期における等通性筋出力のトレーニングの至適時に関 する研究一大腿筋群を中心として-」 ,日本体育学会第3 8回大会号,p.435,1988. 27)辻野昭, 「単純視覚反応時間の習熟効果からみた年齢別ならびに性別変化について」 ,体力科学, 1 313:94-100, 1964.. 28)辻野昭,岡本勉,後藤幸弘,橋本不二雄,徳原康彦, 「発育にともなう動作とパワーの変遷について -跳躍動作(垂直跳び,立ち幅跳び) -」 ,身体運動の科学(I) -Human powerの研究-, キネシオロジー研究会(編) ,杏林書院,203-243,1974. 29)宇野良二, 「平衡機能の年齢的変遷に関する研究」 ,耳鼻臨床, 56:68-96,1961. 30)鷲見勝博,竹島伸生,吉井景,渡辺丈真,小林章雄,大島秀彦,加藤孝之, 「幼児の直立姿勢保持能力 に関する研究一直立時の重心動揺距離について-」 ,小児保健研究, 47-3:383-8,1988..
(15) 動的バランス運動学習の通時期について. 139. 31)山根文隆,後藤幸弘,辻野昭,梅野圭史,藤田定彦,田中譲, 「クラウチングスタ-ト法の適時性 に関する基礎的研究-クラウチングスタート法による効果の年齢差-」 ,第8回日本バイオメ カニクス学会大全論集"動きのコツを探る" 14-20,1987. 注1) M.モンテッソリは,植物発生学の分野で用いられていた「臨界期(critical period) 」あ るいは「敏感期(sensitive period) 」を人間発達に最初に適用し,幼児期がこの期にあたり,幼児 教育が決定的な効果を持つと説いたことは良く知られている.また,通時期を行動生物学で用いられて いる臨界期(critical period)と呼ぶ学者も多い.しかし,臨界期は初期学習の重要性やある種の行 動の習得が即座に生起(inprinting)する期間を意味すること,臨界は境目の語意をもち,ある範囲 をもつ期間を表現する言葉としてはふさわしくないと考えられる..
(16) 140 A Study of the Optimum Time to Learn the Dynamic Balance Movement The Age Difference and the Effectiveness of Practice.. Yukihiro. Goto・Sadayuki. Miyashita・Masamichi. Okuno3. We had 480 children from the first to sixth grade of elementary school divided into 4 groups in every grade. In each grade three groups (A,B,C) were exprimental groups and the other (D) was a control group. The former practiced for 3 weeks, and 6 days per week, with three different types of dynamic balance movement. A-group was trained by using the balance meter with both eyes opened, B-group was also trained using the balance meter with both eyes closed, and C-group was trained by rolling movement on the mat. All children were examined by the balance meter in terms of the most appropriate age to get practice.. 1. The dynamic balance ability, both with eyes opened and closed, increased with age in both boys and girls. With eyes opened, first graders of both sexes indicated 75% of adult ability level and sixth graders 95% of that. And with eyes closed, first graders indicated 75% and sixth graders more than 90%.. 2. There was a correlation in every school grade between the dynamic balance ability with eyes opened and that with eyes closed.. 3. In any condition, the effect of practice on dynamic balance exercises was more remarkable in the lower grades than in the higher grades. But the effect was, in any case, smaller than that of 4-or-5-year-old infants reported by kobayashi.. 4. A-group exercised with eyes opened showed much effect of practice even when eyes were closed. But B-group exercised with eyes closed showed much effect of practice only when eyes were closed.. 5. In the lower grades, the effect of practice was larger when evaluated in the same condition as they practiced, than when evaluated in a different condition. But in higher grades, the difference of the effect tends to be smaller. In short, the effect of practice in the lower grades varies according to the types of practice.. 6. The dynamic balance ability after the absence of one month was kept over 94% level of the value that was indicated just after the exercise was stopped. The tendency, which was not statistically significant, was found that the effect of practice was maintamed more in the higher grades than in the lower grades..
(17) 動的バランス運動学習の適時期について. iEfl. 7. In dynamic balance ability as well as some other physical abilities such as muscle endurance, it was found that the effect of practice was more considerable among the age group whose physical maturing was remarkable than other age groups.. These findings suggested that the optimal period for learning the dynamic balance movement might be existed in early elementary school years for both sexes. But, the effectiveness of practice in this experiment was lower than that of Kobayashi s. Therefore, it is thought that the trainabihty of dynamic balance ability is much higher in the latter term of infancy (5 years old).. 9. The result of this experiment and the discrepancies of the optimum time to learn the walking on stilts, and the crouching start which was previously reported indicate that the best time to learn the dynamic balance movement is shifted to the higher grades of the elementary scool, as the necessity of keeping the balance with the center of gravity line falling outside of the base of support, gets larger.. 詛Supported by a Grant-in-Ade for Scientific Research (No.0268025), The Ministry of. Education, Science and Culture, Japan.. 1 ) Hyogo University of Teacher Education, Yashiro-cho, Kat0-gun, Hyogo, Japan (673-14) 2 ) Takamiminami Elementary School 3 ) Shitennouji International Buddhist University.
(18)
関連したドキュメント
An easy-to-use procedure is presented for improving the ε-constraint method for computing the efficient frontier of the portfolio selection problem endowed with additional cardinality
[3] Chen Guowang and L¨ u Shengguan, Initial boundary value problem for three dimensional Ginzburg-Landau model equation in population problems, (Chi- nese) Acta Mathematicae
Keywords: continuous time random walk, Brownian motion, collision time, skew Young tableaux, tandem queue.. AMS 2000 Subject Classification: Primary:
Then it follows immediately from a suitable version of “Hensel’s Lemma” [cf., e.g., the argument of [4], Lemma 2.1] that S may be obtained, as the notation suggests, as the m A
Our method of proof can also be used to recover the rational homotopy of L K(2) S 0 as well as the chromatic splitting conjecture at primes p > 3 [16]; we only need to use the
The proof uses a set up of Seiberg Witten theory that replaces generic metrics by the construction of a localised Euler class of an infinite dimensional bundle with a Fredholm
The time-frequency integrals and the two-dimensional stationary phase method are applied to study the electromagnetic waves radiated by moving modulated sources in dispersive media..
Using the batch Markovian arrival process, the formulas for the average number of losses in a finite time interval and the stationary loss ratio are shown.. In addition,