地理歴史(世界史B)学習指導案
1.単 元 名 第14 章 帝国主義とアジアの民族運動 2.単元設定の理由 教材観:ヨーロッパ諸国によるアジア・アフリカの植民地化をめぐる競合とアジア・アフリカの対応を 扱い、19 世紀後半から 20 世紀初頭の世界の支配・従属関係を伴う一体化と社会の変容を理解 させることは、20 世紀の二つの大戦や第二次世界大戦後のアフリカ諸国の独立やその後の発展 の遅れ等を理解するうえで世界史的意義の大きい単元である。 生徒観:本学級は文系のクラスであり、学習意欲が旺盛で高い理解力を備えており、世界史に対する興 味・関心が高い生徒が多い。 指導観:本単元は多面的な帝国主義の諸現象のうち、独占資本主義の形成とその運動だけに注目し、外 交や戦争といった局面を個別に捉えるのではなく、帝国主義を経済、政治、思想の諸領域にま たがる総合的現象として捉え、単なる事象の羅列に終わらずに隣接地域との関連や同時代史的 な視点に立って系統的・理論的に生徒が理解できるようになることをねらっている。 3.単元の指導目標 19 世紀後半から 20 世紀初頭のかけての列強の世界分割をめぐる競合と、アジア・アフリカの対応 を扱い、帝国主義時代の世界の一体化と社会の変容について興味・関心を高めることができるように する。19 世紀後半の欧米では、重化学工業を中心に第 2 次産業革命が進展し、独占資本の形成が進み、 工業製品や資本の輸出先を求めてアジア、アフリカ、オセアニアなどに進出し、世界分割競争を繰り 広げたことを理解できるようにする。また、交通・運輸・通信の急速な発達が世界にどのような影響 をもたらしたかについて統計や資料を用いて自分の考えを整理し、その根拠を他者にわかりやすく説 明できるようにする。さらに討論することにより世界の一体化を促し、世界各地で社会が急激に変容 した時代的背景を考えることができるようにする。 列強の支配を受けた諸国では、次第に民族意識が覚醒し、ロシア第一革命や日露戦争を機に各地で 民族の解放・独立を目指すナショナリズムの運動が展開されていったことに気付かせる。 4.指 導 計 画 第14 章 帝国主義とアジアの民族運動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 時間 1)帝国主義と列強の展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2 時間 2)世界分割と列強対立・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 時間 ①アフリカの植民地化・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 時間(本時) ②太平洋諸地域の分割・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 時間 ラテンアメリカ諸国の従属と抵抗 ③列強の二極分化とバルカン危機・・・・・・・・・・・・・1 時間 3)アジア諸国の改革と民族運動・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 時間 5.本時の指導目標 ①アフリカが1880 年頃からわずか 20 数年の間に帝国主義列強によって分割されてしまった理由につい て自分の考えをまとめ、その根拠を他者にわかりやすく説明できるようにする。 ②アフリカ分割の具体的進展や植民地状況については、作業プリントを活用してまとめることができる。 6.指導上の留意事項 ①教科書や図説の資料に加えて、パソコンを用いて列強によるアフリカの植民地化の過程を示す地図・統 計・写真等を動的にホワイトボードに投影し、生徒に自分の考えをまとめ発表させる場面を設定する。 ②生徒への発問、資料による作業を授業に取り込むことで生徒に調べ考えさせ、作業プリントを活用す ることによりまとめやすくする。 7.教 材 教科書 詳説世界史<世界史B>(山川出版社)、新詳世界史図説(浜島書店)、整理プリント プレゼン用ディジタルデータ(地図、統計等)8.学習の展開 学習活動・内容 指導上の留意点 教材 時間 配当 評価 備考 導 入 ○これまでの授業でアフリカを扱った事象を考えて 白地図にまとめて後、PC画面のアフリカ分割の 推移を書き加え、変化の様子を理解する。 1)アフリカの植民地化 ア)ヨーロッパのアフリカ侵略 19世紀前半…北部と沿岸部のみ 19世紀半ば…中央アフリカ探検→列強の関心 ベルリン会議(1884~85) アフリカ植民地化の原則を決定 ↓ 列強によるアフリカ分割 アフリカの自然環境やヨーロッ パとの距離などを地図で概観 し、これまでのアフリカとの関わ りについて復習する。 教科書 P266 図 説 P182 プリント 10 分 関心 意欲 知識 理解 パソコン 画面 展 開 ○英仏のアフリカにおけるそれぞれの拠点を白地 図に色分けさせながらまとめる。 ○教師の発問を受けて、列強が拠点を置いた地域 の理由や歴史的背景について自分の考えをまと め、他の生徒と意見交流する。 2)イギリス エジプト…80 年代、ウラービーの反乱→鎮圧 →保護国化 スーダン…マフディーの乱→99 年征服 アフリカ南部…ケープ植民地侵攻 セシル=ローズ指導 南アフリカ戦争(1899) →トランスヴァール共和国・オレンジ自由国を併合 ※アフリカ縦断政策 ケープタウン・カイロ・カルカッタを結ぶ →3C 政策の推進 3)フランス チュニジアの保護国化(1881) サハラ地域支配→ジブチ・マダガスカルと連結 ※アフリカ横断政策 英の縦断政策と衝突 →ファショダ事件(1898)→仏譲歩 ○ファショダ事件以降の英仏の接近の理由につい て自分の考えを述べる。 ※独の新航路政策(独の進出) 英仏協商成立(1904)→独に対抗 ○独の外交政策の変更の理由について既習の内 容から調べる。 4)ドイツ 1880 年代半ば カメルーン・南西アフリカ・東アフリカ等を獲得 →経済価値小 20 世紀 新植民地獲得を目指す モロッコ事件(1905、11) 仏のモロッコ支配に挑戦 →英の仏支援→失敗 →モロッコは仏の保護国となる 5)イタリア 80 年代 ソマリランド・エリトリア獲得 →エチオピア侵入→アドワの戦い(1896) →伊敗北 イタリア=トルコ戦争(1911~12) →リビアを獲得 ○白地図にまとめたアフリカ地図から植民地化の 実態を理解するとともに、今日的な紛争との関係 について自分の意見をまとめ、他の生徒と意見 交流する。 6)分割の結果 エチオピア・リベリアを除き植民地化 原料や資源の確保 商品市場などの経済的利害 戦略基地設置などの関心 ↓ 人為的な境界線の策定 ↓ 人間の繋がりや交通網を破壊 ↓ 住民の自立や独立に大きな障害 英が何故エジプトに注目したか について発問する。 →スエズ運河が当時のインドま での航路を 40%短縮し、経済 上重要であったことを理解させ る。 地図を参照しながら、その植民 地の拡大について、白地図に 作業させながら理解させる。 図説(P187)の地図を参照。 ファショダは英の縦断政策と仏 の横断政策の交差する場所で あることを地図から読み取らせ て理解させる。 ファショダ事件以降、英仏の接 近にいたる国際情勢について、 発問し、生徒に考えさせる。 独の再分割要求にいたる外交 政策の転換(新航路政策)につ いて既習の内容(ビスマルク外 交との対比)を踏まえて理解さ せる。 机間指導をし、白地図の作業な どの活動の様子を把握する。 現代社会で学んだ内容や新聞 などで出てきた地域紛争などと の関連を想起させる発問を用意 し、生徒間で意見交流ができる よう配慮する。 教科書 図 説 プリント 作業 プリント 35 分 関心 意欲 思考 知識 理解 理解 思考 判断 表現 技能 表現 思考 判断 表現 パソコン 画面 (プリント) パソコン 画面 (地図) 作業地図 記入 パソコン 画面 (プリント) パソコン 画面 (プリント) 整 理 ○本時の内容を地図・板書事項にそってまとめる。 PC 画面のアフリカ分割地図を 示し、白地図のまとめが正確に 行われているか確認させる。 教科書 図 説 5 分 知識 理解 パソコン 画面 (地図)